説明

肺換気および粘液除去の組み合わせ装置および方法

患者の肺換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイスおよび方法を開示する。医療デバイスは、断続的な要求に応じた粘液除去とともに肺換気を提供し、患者が覚醒している時等に、日常生活の活動のために患者の口を自由にするように構成され得、別の構成において、デバイスは、患者が鎮静状態または睡眠中である時等に、自動粘液除去とともに肺換気を提供することができる。医療デバイスは、圧力発生源と、換気部と、粘液除去部とを備え得る。粘液除去部は、口インターフェースが患者から外された状態で肺換気を維持することが可能であるように、換気部から分離可能であるか、または分離し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/115,176号(2008年11月17日出願、名称「COMBINATION LUNG VENTILATION AND MUCUS CLEARANCE APPARATUS AND METHOD」、代理人事件番号22884/04162)に基づく優先権、およびあらゆる他の利益を主張する。該出願の全内容は、参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、患者の換気および粘液除去のための医療デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、肺換気および粘液除去の組み合わせデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
市販の粘液除去デバイスは、肺換気を提供しない。出願者は、これが、例えば、疾病または誤嚥に起因して滞留気管分泌物を生じる、呼吸筋低下を伴う患者等、補助された呼吸および補助された咳の両方を必要とする患者にとっては、非常に問題があると認識した。現在入手できる機器では、そのような患者は、滞留気管分泌物を除去するために、人口呼吸器から外され、別個の粘液除去デバイスに接続されなければならない。介護人の補助および能動的な患者の協力を必要とする、この過程は、医学的に脆弱な患者にとって危険であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の医療デバイスは、患者の鼻を介して提供される、機械的に補助された換気を中断することなく、機械的に補助された粘液除去を提供するために患者の口を利用する。鼻を介する陽圧肺換気および口を介する陰圧粘液除去の設備は、患者の快適性、デバイスの有効性、およびコンプライアンスを大幅に向上する。デバイスは、完全に別個の肺換気および粘液除去の回路を利用し、換気回路の細菌汚染を回避し、患者インターフェースおよび回路を流体的に連通することによって課される医原的に誘発される肺感染のリスクを大幅に削減する。デバイスは、医学的に脆弱な患者、およびほぼどの年齢の患者によっても使用され得る。
【0005】
本発明の医療デバイスはまた、有効性、安全性、快適性、コンプライアンス、および患者の生活の質を大幅に向上するよう、デバイスの構成部品の構成における患者インターフェースおよび柔軟性を利用する。例えば、一実施形態は、陰圧粘液除去の口インターフェースから分離した、陽圧肺換気の鼻インターフェースを備えて構成される。この構成では、患者が覚醒している場合、別個の口インターフェースは、(経鼻的に補助された肺換気を伴って、または伴わずに)発話や嚥下等の日常生活の活動のために患者の口を自由にするよう、除去され得る。この構成において、口インターフェースは、経鼻的に補助された肺換気を中断することなく、機械的に補助された咳が必要な時に、患者によって容易に保持され、かつ患者によって適切に位置付けられるよう、設計される。マウスピースは、医学的に脆弱な患者によって定位置に保たれ得るように設計され、マススピースは、顔面筋肉低下を伴う患者においても気密シールを形成するように設計される。
【0006】
別の実施形態において、陽圧肺換気の鼻インターフェースは、陰圧粘液除去の口インターフェースに物理的に連結される。この構成は特に、デバイスが粘液除去および換気を自動的に実現するように構成され得るので、患者が鎮静、睡眠、またはその他非協力的である時に役立ち、睡眠の質および患者の独立性を最適化し、粘液閉塞のリスクを最小にする。この構成において、鼻口インターフェースは、介護人の補助なく、患者が換気され、かつ患者の気道から自動的に呼吸分泌物が除去されることを可能にし、患者が中断のない睡眠にあずかることを可能にし、患者が睡眠中かつ可能性として患者の介護人によって監視されない時に潜在的に生命に関わる粘液閉塞または誤嚥のリスクを最小にする。
【0007】
医療デバイスのこれらおよび他の例示的な構成を通して、医学的に脆弱な患者は、日常生活の活動に参加するための能力を最大にすることができ、介護人に対する依存性を最小にし、潜在的に生命に関わる誤嚥または気道の粘液閉塞のリスクを最小にし、医原的な呼吸器感染または肺炎のリスクを最小にする。さらに、単一のデバイスにおける陽圧肺換気および陰圧粘液除去の組み合わせまたは補助された咳の設備は、別個の陽圧および陰圧デバイスを利用する設計と比較される時、デバイスのサイズおよび費用を減少し、かつデバイスの安全性、許容性、携帯性、および信頼性を向上させる。肺換気および粘液除去回路の完全な分離、ならびに陽圧肺換気のための鼻経路および陰圧粘液除去のための口経路の特定の選択は、可能なデバイス構成の柔軟性を大幅に向上し、組み合わせデバイスの許容性、快適性、および有効性を最大にする。
【0008】
さらなる態様および概念は、添付の図面と共に以下の説明および添付の請求項を考慮した後、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
明細書に組み入れられ、その一部を成す、添付の図面において、本発明の実施形態が図説され、これらは、上記の発明の概要、および以下の発明を実施するための形態と合わせて、本発明の実施形態を例示するための目的を果たす。
【図1】図1は、本発明の実施形態による、患者の肺換気および粘液除去のための医療デバイスを示す。
【図2】図2A−2Bは、本発明の実施形態による、口インターフェースの背面斜視図および上面図をそれぞれ示す。
【図3】図3は、本発明の実施形態による医療デバイスを示す。
【図4】図4A−4Bは、本発明の実施形態による、患者インターフェースの側面図および背面図をそれぞれ示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態による医療デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、患者の換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイスおよび方法を開示する。医療デバイスは、多様な用途を有する。例えば、医療デバイスは、呼吸不全を伴う患者の長期療養のために家庭で使用され得る。デバイスはまた、例えば、呼吸器系疾患中、手術後、集中治療室または救急病棟内、麻酔後回復室内等、換気および/または咳に補助を必要とする患者のために救急病院で使用され得る。さらに、デバイスは、呼吸および咳の慢性機能障害の患者のために長期医療施設で使用され得る。医療デバイスの携帯実施形態は、移動性を所望する患者によって(例えば、車椅子に取り付けられる)、または救急隊員によって現場で使用され得る。デバイスはまた、独立型非侵襲的呼吸器として、または独立型粘液除去器として使用され得る。医療デバイスの他の用途は、本発明の範囲内で想定され、かつ包含されることが意図される。
【0011】
本発明の医療デバイスは、概して、圧力発生源と、陽圧肺換気部と、陰圧粘液除去部とを備え、患者に陽圧肺換気を提供するステップと陰圧粘液除去を提供するステップの間で循環する。単一の圧力発生源は、肺換気のための陽圧気体流および粘液除去のための陰圧吸引の両方を提供する。圧力発生源は、陽圧気体流のための少なくとも1つの出口と、陰圧吸引のための少なくとも1つの入口とを備え得る。医療デバイスの換気部は概して、気密鼻インターフェースと、第1の端部および第2の端部を有する陽圧流路または回路とを備える。流路の第1の端部は、圧力発生源の出口と流体連通し得、流路の第2の端部は、鼻インターフェースと流体連通し得る。
【0012】
医療デバイスの陰圧粘液除去部は概して、気密口インターフェースと、第1の端部および第2の端部を有する陰圧吸引路または回路とを備える。吸引路の第1の端部は、圧力発生源の入口と流体連通し得、吸引路の第2の端部は、口インターフェースと流体連通し得る。陰圧粘液除去部は、粘液除去部の口インターフェースが患者から外された際に医療デバイスが肺換気を維持することが可能であるように、陽圧換気部から分離可能であるか、または分離し得る。
【0013】
本発明の医療デバイスは、患者から陽圧肺換気部を外すことなく、患者に陰圧粘液除去を提供し得る。医療デバイスはまた、患者から換気部または粘液除去部のいずれかを外すことなく、患者に陽圧肺換気および陰圧粘液除去を連続的または同時に提供し得る。医療デバイスの第1の構成は、患者が、例えば、患者が覚醒している間に、会話や嚥下等の日常活動に従事することを可能にし得る。医療デバイスの第2の構成は、例えば、患者が睡眠している間に、継続的な肺換気および自動粘液除去を提供し得る。
【0014】
図1は、換気および粘液除去のインターフェースを別個に着脱可能である、患者の肺換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイス100の例示的な実施形態を示す。医療デバイス100は、圧力発生源110と、陽圧換気部112と、陰圧粘液除去部114と、オプションのハンドルまたはブラケット116とを含む。陽圧換気部112は、圧力発生源110の出口140に着脱可能に接続され、陰圧粘液除去部114は、圧力発生源の入口142に着脱可能に接続される。
【0015】
図1に示される例示的医療デバイス100は、患者が覚醒している間に患者の口が日常生活の活動のために自由であり得、粘液除去部114は、例えば、補助される咳が不要な時等に患者から外されるように、構成される。陰圧粘液除去部114のマウスピース124は、患者によって容易に保持され、補助された咳が必要な時にはいつでも口内に挿入され、次いで、日常生活の活動(例えば、会話および嚥下)に従事するために、口から外され得る。それぞれ鼻および口を介した別個のインターフェースを有する別個の陽圧換気および陰圧粘液除去の回路は、補助される咳が不要な時、補助換気中に患者の口が自由であることを可能にする。さらに、別個の陽圧換気および陰圧粘液除去の回路は、回路の間の流体連通を防ぎ、細菌二次感染を回避する。別個の換気および粘液除去の回路はまた、例えば、患者が睡眠している時、患者が鎮静状態にある、または意識がない場合、または患者の気道から分泌物を吸引するための陰圧の印加を可能にするために患者が口を自分で開くことができない任意の場合等において、積極的な患者の協力なく、経鼻的に補助される換気および経口的に補助される粘液除去を可能にすることを可能にする。
【0016】
医療デバイス100の圧力発生源110は、肺換気のための陽圧気体流および粘液除去のための陰圧吸引を提供する。陽圧気体流は概して、圧力発生源110の出口140を介して患者に提供される。陽圧気体流の量は、調整可能であり得、自動的(例えば、制御ユニットによって)または手動で制御され得る。例えば、陽圧気体流の圧力および流量特性は、個別の患者の必要性に対して、自動的または手動のいずれかで、適合または調整され得る。さらに、陽圧気体流は、例えば、リモート制御またはスイッチ132、鼻インターフェース122の中へ患者が起こした空気の流れ等によって等、多様な方法によって開始され得る。陽圧気体流は、患者に呼吸可能な空気を提供するように構成される換気または陽圧源によって提供され得る。呼吸可能な空気は、酸素および空気の混合物であり得る。呼吸可能な空気は、空気圧系統またはターボポンプを介して提供され得、事前にプログラムされたプロセッサのような制御ユニットによって制御され得る。
【0017】
陰圧吸引は概して、圧力発生源110の入口142を介して患者に提供される。陰圧吸引の量は、調整可能であり得、自動的(例えば、制御ユニットによって)または手動で制御され得る。例えば、陰圧吸引の圧力および流量特性は、個別の患者の必要性に対して、自動的または手動のいずれかで、適合または調整され得る。さらに、陰圧吸引は、例えば、リモート制御またはスイッチ132、患者が口インターフェースの一部を噛むこと、および/または操作することによって起動される口インターフェース124の噛みスイッチ(図示せず)、患者のまばたき、および/または患者が目を動かすことによって起動されるスイッチ、口インターフェースの中へ患者が起こした空気の流れ、または調節可能なタイマーを断続的に使用することによって等、源110と流体または電気回路で連通しているいくつかの異なる患者入力デバイスによって、多様な方法によって開始され得る。陰圧吸引は、患者の気道から呼吸分泌物を除去するよう、患者に対して調節可能な陰圧を提供するように構成される、例えば、動作を制御するための圧力感知デバイスを有する吸引ポンプ等、吸引または陰圧源によって提供され得る。吸引源は、事前にプログラムされたプロセッサ等の制御ユニットによって制御され得る。
【0018】
図1に示される例示的な実施形態において、医療デバイス100の陽圧肺換気部112は、第1の端部および第2の端部を有する流路または回路118を備える。流路118の第1の端部は、圧力発生源110の出口140と気密流体連通し、流路118の第2の端部は、鼻インターフェース122と気密流体連通している。流路118は、例えば、プラスチック製管等、患者に呼吸可能な気体を伝達するために好適な任意の可撓性材料から作製され得る。流路118の第1および第2の端部は、例えば、摩擦嵌め、ねじ式コネクタ、差込式コネクタ等、呼吸可能な気体の漏れを防げる任意の好適な手段によって、それぞれ、圧力発生源110の出口140および鼻インターフェース122に接続され得る。流路118は、出口140または鼻インターフェース122のいずれかから着脱可能であり得る。
【0019】
図1に示される例示的な実施形態において、鼻インターフェース122は、鼻マスク126と、患者の顔上の定位置に鼻マスクを固定する調節可能なストラップ128とを備える。鼻マスク126は、圧力発生源110からの陽圧気体流の漏れを防げるよう、患者の鼻および鼻道の周囲に気密シールを形成するように構成される。示されるように、鼻インターフェース122は、患者が換気中に口を利用することを可能にする。他の実施形態において、鼻インターフェースは、流路に接続される1組の鼻カニューレを備える。換気部112の流路118内の弁134A、134Bは、圧力発生源110からの陽圧気体の流れを制御するために使用され得る。弁134A、134Bのうちの1つ以上は、例えば、圧力発生源110内の流路118の第1の端部および第2の端部等、換気回路の中の多様な場所に配置され得る。弁は、陽圧気体の流れを制御することが可能な任意の好適な弁であり得、自動的(例えば、制御ユニットによって)または手動で操作され得る。
【0020】
図1に示される例示的な実施形態において、医療デバイス100の陰圧粘液除去部114は、第1の端部および第2の端部を有する吸引路または回路120を備える。吸引路120の第1の端部は、圧力発生源110の入口142と気密流体連通し、吸引路120の第2の端部は、口インターフェース124と気密流体連通している。吸引路120は、例えば、プラスチック製管等、患者に陰圧吸引を提供し、呼吸分泌物を移動するために好適な任意の可撓性材料から作製され得る。吸引路120の第1および第2の端部は、例えば、摩擦嵌め合い、ねじ式コネクタ、差込式コネクタ等、呼吸分泌物の漏れを防げる、任意の好適な手段によって、それぞれ、圧力発生源110の入口142および口インターフェース124に接続され得る。吸引路120は、入口142または口インターフェース124のいずれかから着脱可能であり得る。粘液除去部114の吸引路120内の弁136A、136Bは、圧力発生源110によって作成される陰圧吸引を制御するために使用され得る。弁136A、136Bは、吸引路120を閉じ、鼻を介する陽圧換気中に、口を介する呼吸可能な気体の漏れを防ぐために使用され得る。弁136A、136Bのうちの1つ以上は、例えば、圧力発生源110内の吸引路120の第1の端部および第2の端部等、デバイスの粘液除去部の中の多様な場所に配置され得る。弁は、陰圧吸引を制御することが可能な任意の好適な弁であり得、自動的(例えば、制御ユニットによって)または手動で操作され得る。
【0021】
ここで図2A〜2Bを参照すると、医療デバイス100の例示的なマウスピースまたは口インターフェース124が示される。示される例示的な口インターフェース124は、柔軟な外側部分210と、開口部214を有する硬い内側部分212とを備える。口インターフェース124は、患者の口からの反復可能な挿入および取り外しのために構成される。内側部分212は、使用中に、開口部214を開放に、および開口部214と吸引路120との間の導管を開放に保つために十分に硬質の1つ以上の材料から形成される。口インターフェース124の硬い内側部分212は、歯を越えて延在し、患者の舌の上を通過し、患者の口腔(つまり、舌の前を含む口空洞)または中咽頭(つまり、舌の奥3分の1)内の開口部214で終端する。このように、口腔咽頭の口インターフェース124は、使用中に患者の気道と流体連通しているため、患者は、粘液除去を達成するために自分の口を開く必要がない。
【0022】
図2A〜2Bに示される例示的実施形態において、口インターフェース124の柔軟な外側部分210は、患者の口と気密シールを形成し、患者の気道に対して陰吸引圧の連通を可能にするよう、患者の唇の内側と患者の歯茎および歯の外面との間に置かれるように構成される。示される例示的実施形態において、外側部分210は、湾曲し、オレンジのくさび状切片またはいくつかのスポーツ用マウスガードの部分に類似した形状である。唇の内側表面に合わせて位置付けられる外側表面250は、凸状で、歯茎および歯の外側表面に合わせて位置付けられる内側表面252は、口で気密シールを形成するように凹状である。外側部分210は、例えば、スポンジ、柔軟なプラスチック、柔軟なゴム等、患者の口に挿入されることが可能な材料から作製され得る。示される例示的口インターフェース124において、外側部分210は、口インターフェースが顔面筋肉低下を伴う医学的に脆弱な患者によって定位置に保たれ、任意の年齢の患者によっても使用され得るように、柔軟な材料で作製される。柔軟な材料は、気密シールを形成するよう口の骨格に適合し、また、患者の唇、歯茎、および歯に対する損傷を防ぐ。外側部分210は、多様なサイズ、ならびに患者の口のサイズおよび患者の個別の必要性に基づいて選択される特定のサイズで提供される。
【0023】
図2A〜2Bに示される例示的実施形態において、口インターフェース124の硬い内側部分212は、患者の歯の間に保たれ、歯を越えて延在し、舌の上を通過し、患者の気道が呼吸分泌物の除去のためにアクセスされ得るように、開口部214が患者の口腔または中咽頭内に位置されるように構成され、例えば、内側部分は、歯を約1〜7cm越えて、または口インターフェースの外側部分210の内側表面252を約1〜7cm越えて延在し得る。内側部分212の開口部214は、吸引路120と流体連通し、呼吸分泌物が患者の気道から除去され得るように構成される。示される例示的な口インターフェース124において、内側部分212および開口部214は概して長円形であるが、例えば、円形、楕円形、四角形、正方形等、他の形状および構成が使用され得る。内側部分212は、例えば、プラスチック、硬いゴム等、患者の歯の間に保たれることが可能な材料から作製され得る。例示的な口インターフェース124において、内側部分212は、崩壊せずに患者の歯の間に保たれ得るような十分な硬さおよび開口部214と路120との間の導管が使用中に崩壊しない十分な硬さの材料から作製される。さらに、外側部分210および内側部分212は、一体構造であり得る。口インターフェース124はまた、口インターフェースが患者の口内に保たれるように、調節可能なストラップ(図示せず)を備え得る。
【0024】
患者の口内に挿入される口インターフェースの他の構成が考えられる。例えば、口インターフェースは、開口部を有する一体構造の柔軟なマウスピースを備え得る。マウスピース(図示せず)は、例えば、球または円筒形のくさび形切片に類似する等、くさび状形状であり得る。この実施形態において、開口部を有するくさび形状のマウスピースの端部は、患者の口内に挿入され、くさび形状のより厚い部分は、少なくとも部分的に患者の口/歯茎の間で、開口部を有するくさび形状のより薄い部分は、患者の口腔または中咽頭の中へ延在する。開口部は、マウスピースを通って延在し、呼吸分泌物が患者の気道から除去され得るように、使用中は吸引路120および患者の気道と流体連通している。患者は、気道を十分に密閉するよう、くさび形状の周囲で自分の唇を閉じる。
【0025】
図1を再び参照すると、レセプタクル138が粘液除去回路内に示される。レセプタクル138は、患者の気道から吸引される呼吸分泌物を収集する。陰圧吸引は、吸引路120を通して、患者の気道からレセプタクル138内へ分泌物を取り出す。レセプタクル138は、粘液除去回路から着脱可能であり得、レセプタクルが満杯の場合に吸引を自動的に切断するよう、流量検出器を備え得る。レセプタクル138は、例えば、圧力発生源110内部の、吸引路120の第1の端部に向かい、吸引源の排出口において等、デバイスの粘液除去部内の多様な場所に配置され得る。さらに、粘液除去部114の吸引路120内の弁136A、136Bは、圧力発生源110からの陰圧吸引を制御するために使用され得る。弁136A、136Bのうちの1つ以上は、例えば、圧力発生源110内の吸引路120の第1の端部および第2の端部等、デバイスの粘液除去部の中の多様な場所に配置され得る。弁は、陰圧吸引を制御することが可能な任意の好適な弁であり得、自動的(例えば、制御ユニットによって)または手動で操作され得る。弁136A、136Bは、閉じられた時にまた、患者の鼻を介する陽圧換気中に患者の口から外への呼吸可能な気体の漏れを防ぐ。
【0026】
図1に示されるように、医療デバイス100は、デバイスの粘液除去部114に着脱可能に取り付けられるオプションのハンドルまたはブラケット116を備え得る。ブラケットまたはハンドル116は、粘液除去部114を支持するように構成され、患者の口内への口インターフェース124の挿入を支援するよう、患者によって保持され得る。ブラケットまたはハンドル116はまた、患者が自分の手を使用することなく、口インターフェース124を挿入できるように、固定して保たれ得る。示されるように、ブラケットまたはハンドル116は、「S字」形状を有するが、他の形状および構成が考えられる。ハンドルまたはブラケット116の「S字」形状は、患者が口インターフェース124を挿入するためのクリアランスを提供する。ハンドルまたはブラケット116は、口インターフェース124の位置付けのための調節可能な接合部130を備える。さらに、ハンドルまたはブラケット116は、陰圧吸引を開始するためのスイッチを備え得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、医療デバイスは、医療デバイスの携帯性を可能にするように電池式である。医療デバイスはまた、患者に提供される空気を加湿するように構成され得る。医療デバイスはまた、患者に提供される空気に噴霧状薬物を付加するように構成され得る。医療デバイスはまた、呼吸が開始される時に、患者の肺を受動的に充満するように、圧力を使用することによって、断続的陽圧換気デバイスとして機能し得る。圧力計および少なくとも1つの弁が、吸入時に既定の圧力が達成される時に吸気の流れを終了するために使用され得る。医療デバイスはまた、高周波の肺内打撃換気を回路のうちの1つに組み込み得、約100〜300サイクル/分で送達される気体の陽圧バーストを介して分泌物を緩め、それによって、デバイスの陰圧粘液除去部による抽出前に呼吸分泌物を緩める。
【0028】
図1に示されるように、医療デバイスが口インターフェース124が患者から外された状態で鼻インターフェース122を介して肺換気を維持することが可能であるように、医療デバイス100の陰圧粘液除去部114は、陽圧肺換気部112から分離している。さらに、この構成において、医療デバイス100は、必要に応じて口インターフェース124を患者に挿入することによって、患者から陽圧換気部112を外すことなく、要求に応じた患者の陰圧粘液除去を提供する。口インターフェース124は、粘液除去がもはや必要がない時に患者から外され得るので、患者の口は、例えば、会話や嚥下等、日常生活の活動に従事するために自由である。医療デバイス100は、このように、連続的または同時に、かつ患者および/または介護士によって制御されるスケジュールに準じて、患者に肺換気および粘液除去を提供する。デバイス構成のこの柔軟性は、患者の独立性、ならびにデバイスの快適性、有効性およびコンプライアンスを最大にする。口インターフェース124は、機械的に補助される咳または粘液抽出が不要な時に、患者の口が飲む、食べる、および会話のために自由であるように、患者によって容易に外されるように設計され、陰圧粘液除去が必要な時に、患者または介護士によって容易に交換される。デバイスのこの実施形態は、日中に、患者が覚醒しており、かつ最大のケアオプションを所望する場合に好まれ得る。
【0029】
さらに、医療デバイス100の陰圧粘液部114および陽圧換気部112の完全な流体分離は、患者が粘液除去治療の可用性をカスタマイズすることを可能にする。例えば、さらに脆弱している患者は、ハンドルまたはブラケット116を介して自分に直ちに利用可能なマウスピースを有することができる。ハンドルまたはブラケット116は、患者が、随意かつ自分の手を使用することなく、マウスピースを保持することを可能にする、患者に近接した位置に配置され得る。このため、進行性衰弱を伴う患者は、マウスピースの場所を自分自身の好みに合わせて調節することができる。さらに、鼻道を介するだけの陽圧換気および口道を介するだけの陰圧粘液除去の提供は、デバイスの構成および使用の柔軟性を最大にすることに加えて、患者の快適性ならびにデバイスの有効性およびコンプライアンスを最大にするように設計される。
【0030】
医療デバイス100に個人を接続する方法は概して、個人の鼻道と気密流体連通に鼻インターフェース122を位置付けるステップ(例えば、調節可能なストラップを使用して鼻マスクを個人に固定する)と、気密シールを形成するように、別個の口インターフェース124を個人の口に挿入するステップとを含む。口インターフェース124の柔軟な外側部分210は、個人の唇の内側表面と、個人の歯茎および歯の外側表面との間に置かれる。口インターフェース124の硬い内側部分212は、個人の歯を越えて延在し、個人の舌の上を通過し、個人の口腔または中咽頭内で終端する。陽圧流路118の第1の端部は、圧力発生源110の出口140に接続される。陽圧流路118の第2の端部は、鼻インターフェース122に接続される。陰圧吸引路120の第1の端部は、圧力発生源110の入口142に接続される。陰圧吸引路120の第2の端部は、口インターフェース124に接続される。デバイスの陽圧換気部112およびデバイスの陰圧粘液除去部114は、分離し、流体連通していない。流路118および吸引路120は、分離し、流体連通していない。鼻インターフェース122および口インターフェース124は、物理的に接続されていないという意味、および流体連通していないという意味の両方で分離しているので(おそらく、いくらかのわずかな量の換気部からの清浄な気体が粘液除去部によって患者から除去される気体と患者内部で混合し得るという論理上の可能性を除く)、粘液は、空気が提供されるのと同じ導管を通って逆流しない。
【0031】
患者の肺換気および粘液除去のための医療デバイスを使用する方法は概して、患者の鼻道と流体連通している第1のインターフェースを介して患者の肺に陽圧気体流、および患者の口と流体連通している第2のインターフェースを介して患者の気道に陰圧吸引を提供するステップを含む。医療デバイスは概して、連続的または同時に陽圧肺換気および陰圧粘液除去を患者に提供するように構成される。医療デバイスは概して、陽圧肺換気回路と、回路の間の流体連通および細菌二次感染を防げるよう完全に分離される、陰圧粘液除去回路とを備える。
【0032】
図1をまた参照すると、例示的医療デバイス100は、手動または自動的のいずれかで、患者の陽圧肺換気と陰圧粘液除去との間を循環するように構成される。一実施形態において、陽圧肺換気は、陽圧気体の圧力および流量特性が調整可能であるように、電気的に制御される。例えば、陽圧気体の圧力および流量は、例えば、患者が浅いまたは深い呼吸、複数の呼吸をしようとしているかどうかを感知する等、患者の必要性に応答して増加または減少され得る。肺換気中、陽圧気体は、流路118および鼻インターフェース122を介して患者に送達される。換気回路内の弁134A、134Bは、陽圧気体の流れを可能にするよう開いている。さらに、粘液除去回路内の弁136A、136Bは、陰圧吸引を防ぎ、鼻を介する陽圧換気中に患者の口から外へ気体が漏れることを防ぐよう閉じている。
【0033】
陰圧吸引は、自動的(例えば、制御ユニットの調節可能なタイマーによって起動される)、あるいは患者または介護士によって手動で(例えば、スイッチ132を使用する)開始され得る。陰圧吸引が起動される時、医療デバイス100の陽圧鼻換気部112を介して、深い呼吸が患者に送達される。次いで、換気回路内の弁134A、134Bが閉じ、陰圧粘液除去回路内の弁136A、136Bが開く。次いで、患者の気道から呼吸分泌物を除去し、それらをレセプタクル138に溜めるよう、陰圧吸引が吸引路120および口インターフェース124を介して患者に印加される。陰圧吸引が完了する時、粘液除去回路内の弁136A、136Bが閉じ、鼻換気を再開するよう陽圧換気回路内の弁134A、134Bが開く。患者の肺換気と粘液除去との間のこの循環は、治療の所望回数反復され得る。
【0034】
図3は、患者の肺換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイス300の例示的実施形態を示す。図1の医療デバイス100に類似して、医療デバイス300は、圧力発生源110と、陽圧換気部112と、陰圧粘液除去部114とを備える。換気部112および粘液除去部114は、これらが流体連通を全く有さないという意味で完全に分離されているので(おそらく、換気部からのいくらかわずかな量の清浄な気体が粘液除去部によって患者から除去される気体と患者内部で混合し得るという理論的な可能性を除く)、粘液は、例えば、細菌二次感染を防げるよう、空気が提供される同じ導管を通って逆流しない。換気部112は、圧力発生源110の出口140に着脱可能に接続され、粘液除去部114は、圧力発生源の入口142に着脱可能に接続される。示されるように、医療デバイス300は、例えば、患者の睡眠を中断せずに等、患者の協力なく、継続的陽圧肺換気および自動陰圧粘液除去を提供するように構成される。
【0035】
図3に示されるように、医療デバイス300は、気密患者インターフェース310を備える。患者インターフェース310は、口インターフェース318から分離した鼻インターフェース316を含み、これらは物理的に接続されているが、流体連通していないという意味で分離しているので(おそらく、いくらかのわずかな量の換気部からの清浄な気体が粘液除去部によって患者から除去された気体と患者内部で混合し得るという論理上の可能性を除く)、粘液は、空気が提供されるのと同じ導管を通って逆流しない。これは、患者の鼻および口を含み、流体的に接続する、プレナムを形成する単純なマスクとは対照的である。示されるように、患者インターフェース310は、患者の鼻道と気密流体連通している鼻インターフェース316を保ち、同時に患者の口と気密流体連通している口インターフェース318を保ち、吸引路120を流路118から分離して保つので、粘液は、空気が提供される同じ導管を通って逆流しない。鼻インターフェース316は、陽圧換気部112の流路118と流体連通し、口インターフェース318は、陰圧粘液除去部114の吸引路120と流体連通している。鼻インターフェース316および口インターフェース318は、鼻口マスク314に着脱可能に取り付けられ得る。さらに、患者インターフェース310は、鼻口マスク314を患者の顔に固定するために使用され得る、調節可能なストラップ312を備える。
【0036】
図4A〜4Bに示されるように、患者インターフェース310の鼻口マスク314は、圧力発生源110からの陽圧気体流の漏れを防げるよう、患者の鼻および口の周囲で密閉を形成するように構成される。鼻口マスク314は、患者に快適感を提供し、マスクと患者の顔との間の気体流の漏れを防げる、パッド410を含む。鼻口マスク314は、それを通して肺換気のために空気が鼻に送り込まれる、鼻インターフェース316に接続される入口420と、それを通して粘液が口を介して気道から外へ吸引される、口インターフェース318に接続される出口422とを備える。示されるように、入口420と出口422との間には、流体連通は全く存在しない。入口420は、デバイスの陽圧換気部112の流路118に接続され、出口422は、デバイスの陰圧粘液除去部114の吸引路120に接続される。
【0037】
図4A〜4Bに示される例示的実施形態において、鼻口マスク314の鼻インターフェース316は、1組の鼻カニューレ412を備えるが、例えば、患者の鼻道と気密シールを作成する鼻マスク等、他の鼻インターフェースが使用され得る。例示的医療デバイス100の口インターフェース124のように、鼻口マスク314の口インターフェース318は、柔軟な外側部分430、および開口部450を有する硬い内側部分440を備える、マウスピースを備えるが、おそらく、他の口インターフェースが使用される場合がある。示されるマウスピースの柔軟な外側部分430は、患者の口と気密シールを作成し、気道を連通するよう、患者の唇の内側表面と患者の歯茎および歯の外側表面との間に置かれるように構成される。示される例示的実施形態において、外側部分430は、湾曲し、オレンジのくさび状切片またはいくつかのスポーツ用マウスガードの部分に類似した形状である。外側表面480は、凸状で患者の唇の内側表面に合わせて位置付けられ、内側表面482は、凹状で患者の歯茎および歯の外側表面に合わせて位置付けられ、それによって、気密シールを形成する。マウスピースの硬い内側部分440は、患者の歯の間に保たれ、患者の気道が呼吸分泌物の除去のためにアクセスされ得るように、歯を越えて延在し、患者の舌の上を通過し、開口部450が患者の口腔または中咽頭内に位置されるように構成され、例えば、内側部分は、歯を約1〜7cm越えて、または口インターフェースの内側表面482を約1〜7cm越えて延在し得る。内側部分440の開口部450は、陰圧吸引路120と流体連通し、呼吸分泌物が患者の気道から除去され得るように構成される。しかしながら、患者の口内に挿入されるマウスピースを有する口インターフェース318の他の構成が考えられる。内側部分440は、崩壊せずに患者の歯の間に保たれ得るような十分な硬さおよび開口部450と路120との間の導管が使用中に崩壊しない十分な硬さの材料から作製される。
【0038】
医療デバイス100に類似して、医療デバイス300の陰圧粘液除去部分114は、医療デバイスが患者から口インターフェース318が外された状態で鼻インターフェース316を介する陽圧肺換気を維持することが可能であるように、陽圧換気部112から分離される。さらに、医療デバイス300は、陽圧換気部112を患者から外されても、外されなくても、患者の陰圧粘液除去を提供し得る。医療デバイス300はまた、患者から陽圧換気部112または陰圧粘液除去部114のいずれかを外すことなく、患者の陽圧肺換気および陰圧粘液除去を連続的または同時に提供し得る。
【0039】
さらに、陽圧換気のための鼻インターフェース316を陰圧粘液除去のための別個の非連通の口インターフェース318と共に組み込む統合された鼻口患者インターフェース310を含むデバイスのこの実施形態は、眠っている、鎮静状態にある、またはその他非協力的な患者の自動粘液除去を可能にする。マウスピースは気密シールを形成し、医療デバイス300の陰圧粘液除去部114を患者の気道と接続するので、患者は、粘液除去を達成するために口を開く必要がない。鼻インターフェース316と口インターフェース318との流体連通の不在および完全に別個の連結、ならびにデバイス114の陰圧粘液除去部からのデバイス112の陽圧換気部の分離は、陽圧下で汚染された呼吸分泌物が患者の肺に送り込まれることを防ぎ、肺感染のリスクを削減する。
【0040】
医療デバイス300に個人を接続する方法は概して、鼻インターフェース316を個人の鼻道と流体連通に位置付けるステップと、口インターフェース318を個人の口内に挿入するステップと、鼻インターフェースを個人の鼻道と気密流体連通に、および口インターフェースを個人の口と気密連通に同時に保つように、鼻口患者インターフェースを個人に固定するステップとを含む。口インターフェース318の柔軟な外側部分430は、個人の唇の内側表面と、個人の歯茎および歯の外側表面との間に位置付けられる。口インターフェース318の硬い内側部分440は、個人の歯を越えて延在し、個人の舌の上を通過し、個人の口腔または中咽頭内で終端する。陽圧流路118の第1の端部は、圧力発生源110の出口140に接続される。流路118の第2の端部は、入口420を介して鼻インターフェース316に接続される。陰圧吸引路120の第1の端部は、圧力発生源110の入口142に接続される。吸引路120の第2の端部は、出口422を介して口インターフェース318に接続される。デバイス112の陽圧肺換気部およびデバイス114の陰圧粘液除去部は、分離し、流体連通していない。流路118および吸引路120は、分離し、流体連通していない。鼻インターフェース316および口インターフェース318は、別個に連結され、流体連通していない(おそらく、換気部からのいくらかわずかな量の清浄な気体が粘液除去部によって患者から除去される気体と患者内で混合し得る、理論的な可能性を除く)。
【0041】
図3を再び参照すると、医療デバイス300は、手動または自動的のいずれかで、患者の陽圧肺換気を提供するステップと、陰圧粘液除去を提供するステップとの間を循環するように構成される。一実施形態において、肺換気は、陽圧気体の圧力および流量特性が患者の必要性に応じて調整可能であるように、電気的に制御される。肺換気中、陽圧気体は、流路118および鼻インターフェース316を介して患者に送達される。換気回路内の弁134A、134Bは、陽圧気体の流れを可能にするよう開いている。さらに、粘液除去回路内の弁136A、136Bは、陰圧吸引を防ぎ、陽圧鼻換気中に患者の口から外へ気体が漏れることを防ぐよう閉じている。
【0042】
陰圧吸引は、自動的(例えば、患者が睡眠すると調整可能なタイマーによって起動される)、あるいは患者または介護士によって手動で開始され得る。加えて、陰圧吸引を自動的に起動するためにアルゴリズムが使用され得る。例えば、アルゴリズムは、低い気道分泌物滞留または粘液閉塞に一致する、患者からの気流の変化を解釈するために使用され得る。陰圧吸引が起動される時、医療デバイス300の陽圧換気部112を介して、患者に深呼吸が送達される。次いで、換気回路内の弁134A、134Bが閉じ、陰圧粘液除去回路内の弁136A、136Bが開く。次いで、患者の気道から呼吸分泌物を除去し、それらをレセプタクル138に溜めるよう、陰圧吸引が、吸引路120および口インターフェース318を介して患者に印加される。陰圧吸引が完了する時、粘液除去回路内の弁136A、136Bが閉じ、換気を再開するよう換気回路内の弁134A、134Bが開く。患者の肺換気と粘液除去との間のこの循環は、例えば、患者が睡眠中または鎮静状態である間、自動循環が数分毎に発生し得る等、所望の治療回数反復され得る。
【0043】
図5に示される例示的実施形態において、医療デバイス500は、口インターフェース318から分離した気密マスク514を含む、気密患者インターフェース510を備え、これらは物理的に接続されているが、流体連通していないという意味で分離しているので(おそらく、いくらかのわずかな量の換気部からの清浄な気体が粘液除去部によって患者から除去された気体と患者内部で混合し得るという論理上の可能性を除く)、粘液は、空気が提供されるのと同じ導管を通って逆流しない。患者インターフェース510は、少なくとも患者の鼻道と気密流体連通しているマスク514を保ち、同時に患者の口と気密流体連通している口インターフェース318を保ち、吸引路120を流路118から分離して保つので、粘液は、空気が提供される同じ導管を通って逆流しない。マスク514は、陽圧換気部112の流路118と流体連通し、口インターフェース318は、陰圧粘液除去部114の吸引路120と流体連通している。口インターフェース318は、マスク514に着脱可能に取り付けられ得る。さらに、患者インターフェース510は、マスク514を患者の顔に固定するために使用され得る、調節可能なストラップ312を備える。
【0044】
患者インターフェース510のマスク514は、圧力発生源110からの陽圧気体流の漏れを防げるよう、患者の鼻および口の周囲で密閉を形成するように構成される。マスク514は、患者に快適感を提供し、マスクと患者の顔との間の気体流の漏れを防げる、パッドを含む。マスク514は、それを通して肺換気のために空気が口に送り込まれる、入口と、それを通して粘液が口を介して気道から外に吸引される、口インターフェース318に接続される出口とを備える。示されるように、入口と出口との間には、流体連通は全く存在しない。入口は、デバイスの陽圧換気部112の流路118に接続され、出口は、デバイスの陰圧粘液除去部114の吸引路120に接続される。
【0045】
さらに、陽圧換気のためのマスク514を陰圧粘液除去のための別個の非連通の口インターフェース318と共に組み込む統合インターフェース510を含むデバイスのこの実施形態は、眠っている、鎮静状態にある、またはその他非協力的な患者の自動粘液除去を可能にする。マウスピースは気密シールを形成し、医療デバイス500の陰圧粘液除去部114を患者の気道と接続するので、患者は、粘液除去を達成するために口を開く必要がない。マスク514および口インターフェース318の流体連通の不在(おそらく、換気部からのいくらかわずかな量の清浄気体が粘液除去部によって患者から除去される気体と患者内部で混合し得るという理論上の可能性を除く)、およびデバイス114の陰圧粘液除去部からのデバイス112の陽圧換気部の分離は、陽圧下で汚染された呼吸分泌物が患者の肺に送り込まれることを防ぎ、肺感染のリスクを削減する。
【0046】
本発明の多様な態様および概念は本明細書では、例示的な実施形態における組み合わせにおいて具体化されるとして説明および図示されるが、これらの多様な態様および概念は、個別に、または多様な組み合わせおよびこれらの部分組み合わせのいずれかで、多数の代替実施形態において実現され得る。明示的に排除されない限り、本明細書では、すべてのそのような組み合わせまたは部分組み合わせは、本発明の範囲内であることを意図する。またさらに、本発明の多様な態様および特徴について、代替材料、構造、構成、方法、デバイス、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック等の多様な代替実施形態は、本明細書に説明され得るが、そのような説明は、現在知られている、または従来または標準または将来開発されるとここに特定されているかどうかに関わらず、利用可能な代替実施形態の完全または包括的リストであることを意図しない。当業者は、そのような実施形態がここに明示的に開示されていない場合であっても、本発明の範囲内で、本発明の態様、概念または特徴のうちの1つ以上を追加の実施形態に容易に適合し得る。加えて、本発明のいくつかの特徴、概念または態様は、ここで好ましい配置または方法であると説明され得る場合であっても、そのような説明は、明示的にそのように記載されない限り、そのような特徴が要求される、または必要であることを示唆することを意図しない。またさらに、例示的または代表的値および範囲は、本発明を理解する際に支援するために含まれてもよいが、しかしながら、そのような値および範囲は、限定の意味において解釈されてはならず、そのように明示的に記載されている場合に限り、重要な値または範囲であることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の肺換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイスであって、
肺換気のための陽圧気体流および粘液除去のための陰圧吸引の両方を提供する圧力発生源であって、該圧力発生源は、該陽圧気体流のための少なくとも1つの出口と、該陰圧吸引のための少なくとも1つの入口とを備えている、圧力発生源と、
鼻を介して該患者に陽圧気体流を提供するための換気部であって、該換気部は、鼻インターフェースと、第1の端部および第2の端部を有する流路とを備え、該流路の第1の端部は、該圧力発生源の出口と流体連通し、該流路の第2の端部は、該鼻インターフェースと流体連通している、換気部と、
口を介して該患者に陰圧吸引を提供するための粘液除去部であって、該粘液除去部は、口インターフェースと、第1の端部および第2の端部を有する吸引路とを備え、該吸引路の第1の端部は、該圧力発生源の入口と流体連通し、該吸引路の第2の端部は、該口インターフェースと流体連通している、粘液除去部と
を備え、該デバイスの該粘液除去部の該口インターフェースが該患者から外されている間に、該医療デバイスが、該鼻インターフェースを介して陽圧肺換気を維持することが可能であるように、該粘液除去部は、該換気部から完全に分離されている、
医療デバイス。
【請求項2】
前記医療デバイスは、独立型肺換気システムおよび独立型粘液除去システムのうちの少なくとも1つとして使用されるように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記医療デバイスは、独立型肺換気システムおよび独立型粘液除去システムとして使用されるように構成されている、請求項1または請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記換気部および前記粘液除去部は、前記デバイスの該換気部と該粘液除去部との間の細菌二次汚染を回避するように、流体連通していない、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記医療デバイスは、前記換気部を前記患者から外すことなく、前記口を介して該患者に陰圧吸引を提供する、請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記医療デバイスは、前記換気部または前記粘液除去部のいずれかを前記患者から外すことなく、連続的または同時に該患者の陽圧肺換気および陰圧粘液除去を提供する、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記医療デバイスは、前記換気部または前記粘液除去部のいずれかを前記患者から外すことなく、該患者に陽圧肺換気を提供することと陰圧粘液除去を提供することの間で循環する、請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
第1の構成において、前記医療デバイスは、前記患者が話すこと、食べること、および飲むことが可能であり、かつ、陰圧粘液除去が断続的かつ要求に応じて達成されるように、陽圧肺換気中に患者の口が自由であることを可能にし、第2の構成において、該医療デバイスは、陽圧肺換気および自動陰圧粘液除去を提供し、かつ、要求に応じて、口を開くことができない患者の粘液除去を可能にする、請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記自動陰圧粘液除去は、前記患者に対する陰圧吸引を開始するタイマーを介して達成される、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記鼻インターフェースは、前記患者の鼻道との気密シールを形成する1組の鼻カニューレを備えている、請求項1〜請求項9のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記鼻インターフェースは、前記患者の鼻道との気密シールを形成し、少なくとも1つの調整可能なストラップを有する鼻専用マスクを備えている、請求項1〜請求項10のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記口インターフェースは、前記患者の口との気密シールを形成するマウスピースを備え、該マウスピースは、柔軟な外側部分と、前記吸引路と流体連通している開口部を有する硬い内側部分とを備えている、請求項1〜請求項11のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記マウスピースの前記内側部分は、前記患者の歯を過ぎ、少なくとも該患者の舌の先端を越え、該患者の口腔または中咽頭の中へ延在するように構成され、それによって、該内側部分の前記開口部が該患者の気道と流体連通することにより、該患者からの呼吸分泌物除去を達成する、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記マウスピースの前記外側部分は、凸状外面と凹状内面とを備え、前記患者の口と気密シールを形成するために、該患者の唇の内面と該患者の歯茎の外面との間に位置付けられるように構成され、該マウスピースの前記内側部分の端部にある前記開口部は、該患者の歯を過ぎて延在し、少なくとも前記患者の舌の先端を通り越し、該患者の歯を約1〜7cm過ぎた該患者の口腔または中咽頭内で終端する、請求項12または請求項13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記鼻インターフェースは、少なくとも1つの調整可能なストラップを有する鼻専用マスクを備え、前記口インターフェースは、前記患者の口腔または中咽頭の中へ延在するように構成されているマウスピースを備えている、請求項1〜請求項14のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記患者の鼻道と気密連通している前記鼻インターフェース、および該患者の口と気密連通している前記口インターフェースを同時に保つように構成されている鼻口患者インターフェースをさらに備えている、請求項1〜請求項15のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記鼻インターフェースおよび前記口インターフェースは、前記鼻口患者インターフェースに着脱可能に取り付けられる、請求項16に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記鼻インターフェースは、1組の鼻カニューレを備え、前記口インターフェースは、前記患者の口腔または中咽頭の中へ延在するように構成されているマウスピースを備えている、請求項16または請求項17に記載の医療デバイス。
【請求項19】
前記マウスピースは、柔軟な外側部分と、前記吸引路と流体連通している開口部を有する、内側部分とを備え、該マウスピースは、凸状外面と凹状内面とを備え、前記患者の口と気密シールを形成するために、該患者の唇の内面と該患者の歯茎の外面との間に位置付けられるように構成され、該内側部分は、使用中に、該内側部分が崩壊することなく該患者の歯の間に保たれ得るような十分な硬さであり、かつ、該開口部と該吸引路との間の導管が崩壊しない十分な硬さである材料から作製され、該マウスピースの該内側部分は、該患者の歯を過ぎて延在し、少なくとも該患者の舌の先端を通り越し、該患者の該歯を約1〜7cm過ぎて該患者の口腔または中咽頭内で終端し、それによって、該内側部分の該開口部が該患者の気道と流体連通することにより、該患者からの呼吸分泌物除去を達成する、請求項18に記載の医療デバイス。
【請求項20】
前記換気部および前記粘液除去部は、完全に分離されて、流体連通しておらず、前記鼻口患者インターフェースは、前記鼻インターフェースに接続される入口であって、陽圧肺換気のために、空気が該入口を通して鼻に送り込まれる、入口と、前記口インターフェースに接続される出口であって、口に印加される陰圧吸引を介して、粘液が該出口を通して前記患者の気道から吸引される、出口とを備え、該鼻口患者インターフェースの入口と出口との間には流体連通が存在しない、請求項16〜請求項19のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項21】
前記口インターフェースおよび前記吸引路のうちの少なくとも1つは、前記患者が自分の手を使用せずに、自分の口に該インターフェースを挿入することができるように、調節可能なブラケットおよびハンドルのうちの少なくとも1つに着脱可能に取り付けられる、請求項1〜請求項20のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項22】
前記吸引路の中の1つ以上の弁のうちの少なくとも1つおよび前記圧力発生源を操作するように構成されている陰圧吸引を開始するスイッチをさらに備えている、請求項1〜請求項21のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項23】
前記陰圧吸引を開始するスイッチは、口が前記口インターフェースを使用することにより前記患者によって起動されるスイッチ、まばたきすることによって該患者によって起動されるスイッチ、該口インターフェースの中への患者が生じた空気流によって起動されるスイッチのうちの1つ以上である、請求項22に記載の医療デバイス。
【請求項24】
前記陰圧吸引は、調節可能なタイマーを使用して断続的に開始される、請求項1〜請求項23のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項25】
前記医療デバイスは、該医療デバイスの携帯性を可能にするように電池式である、請求項1〜請求項24のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項26】
前記鼻インターフェースは、少なくとも前記患者の鼻道と気密連通しているマスクを保つために、少なくとも1つの調節可能なストラップを有するマスクを備え、該マスクは、該患者の口と気密連通している前記口インターフェースを保つように構成されている、請求項1〜請求項25のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項27】
最初に、前記医療デバイスの前記換気部を介して、前記患者に陽圧気体の深呼吸を送達し、それに続いて、該医療デバイスの前記粘液除去部分を介して、該患者に陰圧吸引を送達することによって、粘液除去処置を提供するように構成されている制御ユニットをさらに備えている、請求項1〜請求項26のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項28】
前記患者の鼻を介して該患者に陽圧気体の一連の深呼吸を提供するようにプログラムされている事前にプログラムされたプロセッサをさらに備え、各深呼吸の後には、該患者の口を介した該患者への陰圧吸引が続く、請求項1〜請求項27のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項29】
前記患者の鼻を介した該患者への陽圧気体流を制御するために、前記圧力発生源および1つ以上の換気弁のうちの少なくとも1つと、該患者の口を介した該患者への陰圧吸引を制御するために、該圧力発生源および1つ以上の吸引弁のうちの少なくとも1つとを操作するように構成されている、制御ユニットをさらに備えている、請求項1〜請求項28のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項30】
前記制御ユニットは、前記圧力発生源の陽圧循環および陰圧循環のうちの少なくとも1つと、前記1つ以上の換気弁および前記1つ以上の吸引弁の連続または同時操作とを協調させるようにプログラムされている事前にプログラムされたプロセッサを備えている、請求項29に記載の医療デバイス。
【請求項31】
前記患者の口を介して該患者に提供される陰圧吸引の圧力および流量特性を制御するようプログラムされている事前にプログラムされたプロセッサをさらに備えている、請求項1〜請求項30のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項32】
前記患者の鼻を介して該患者に提供される陽圧気体流の圧力および流量特性を制御するようプログラムされている事前にプログラムされたプロセッサをさらに備えている、請求項1〜請求項31のうちのいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項33】
患者の肺換気および粘液除去の組み合わせのための医療デバイスであって、
肺換気のための陽圧気体流および粘液除去のための陰圧吸引の両方を提供する圧力発生源であって、該圧力発生源は、該陽圧気体流のための少なくとも1つの出口と、該陰圧吸引のための少なくとも1つの入口とを備えている、圧力発生源と、
鼻を介して該患者に陰圧気体流を提供するための換気部であって、
該患者の鼻道と気密シールを形成し、少なくとも1つの調整可能なストラップを有する鼻専用マスクと、
第1の端部および第2の端部を有する流路であって、該流路の第1の端部は、該圧力発生源の出口と流体連通し、該流路の第2の端部は、該鼻専用マスクと流体連通している、流路と
を備えている、換気部と、
口を介して該患者に陰圧吸引を提供するための粘液除去部であって、
該患者の口と気密シールを形成するマウスピースと、
第1の端部および第2の端部を有する吸引路であって、該吸引路の第1の端部は、該圧力発生源の入口と流体連通し、該吸引路の第2の端部は、該マウスピースと流体連通している、吸引路と
を備えている、粘液除去部と
を備え、
該マウスピースは、柔軟な外側部分と、該吸引路と流体連通している開口部を有する硬い内側部分とをさらに備え、該マウスピースの該外側部分は、凸状外面と凹状内面とを備え、該患者の口と気密シールを形成するために、該患者の唇の内面と該患者の歯茎の外面との間に位置付けられるように構成され、該マウスピースの該内側部分は、該患者の歯を過ぎて延在し、少なくとも該患者の舌の先端を通り越し、該患者の口腔または中咽頭内で終端し、それによって、該内側部分の該開口部が該患者の気道と流体連通することにより、該患者からの呼吸分泌物除去を達成し、
該粘液除去部が該換気部から完全に分離され、それによって、該医療デバイスは、該デバイスの該粘液除去部の該口インターフェースが該患者から外された状態で、該鼻インターフェースを介して陽圧肺換気を維持することが可能であり、
該医療デバイスは、該患者から該換気部を外すことなく、該口を介して該患者に陰圧吸引を提供し、
該医療デバイスは、該患者から該換気部または該粘液除去部のいずれかを外すことなく、該患者に陽圧肺換気および陰圧粘液除去を連続的または同時に提供する、
医療デバイス。
【請求項34】
鼻インターフェースと、別個の口インターフェースとを提供するステップであって、該口インターフェースは、柔軟な外側部分と開口部を有する内側部分とを有し、該内側部分は、使用中に、該内側部分が崩壊することなく個人の歯の間で保たれ得るような十分な硬さであり、かつ、該内側部分内の導管が崩壊しない十分な硬さである材料から作製される、ステップと、
該鼻インターフェースを個人の鼻道と気密流体連通して位置付けるステップと、
該口インターフェースを該個人の口に挿入するステップであって、該口インターフェースの該外側部分は、凸状外面と凹状内面とを備え、該個人の口と気密シールを形成するために、該個人の唇の内面と該個人の外面との間に位置付けられるように構成され、該口インターフェースの内側部分は、該個人の歯を過ぎて延在し、少なくとも該個人の舌の先端を通り越し、該個人の口腔または中咽頭内で終端し、それによって、該内側部分の該開口部が該個人の気道と流体連通する、ステップと
を含み、該鼻インターフェースと該口インターフェースとは、分離して、流体連通していない、
方法。
【請求項35】
陽圧気体流および陰圧吸引の両方を供給する圧力発生源を提供するステップであって、 該圧力発生源は、陽圧気体流のための少なくとも1つの出口と、陰圧吸引のための少なくとも1つの入口とを備えている、ステップと、
流路の第1の端部を該圧力発生源の出口に接続し、かつ、該流路の第2の端部を前記鼻インターフェースに接続するステップと、
吸引路の第1の端部を該圧力発生源の入口に接続し、かつ、該吸引路の第2の端部を前記口インターフェースに接続するステップと
をさらに含み、該流路および該吸引路は、分離して、流体連通していない、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記鼻インターフェースは鼻マスクを備え、調節可能なストラップを使用して、該鼻マスクを前記個人に固定するステップをさらに含む、請求項34または請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記個人の鼻道と流体連通している前記鼻インターフェースと、該個人の口と気密連通している前記口インターフェースとを同時に保つように、鼻口患者インターフェースを固定するステップをさらに含む、請求項34〜請求項36のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記鼻インターフェースは、1組の鼻カニューレを備えている、請求項34〜請求項37のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
患者の肺換気および粘液除去の組み合わせ方法であって、
該患者の鼻道と気密流体連通している第1のインターフェースを介して、該患者の肺に陽圧気体流を提供するステップと、
該患者の口と気密流体連通している第2のインターフェースを介して、該患者の気道に陰圧吸引を提供するステップであって、陽圧肺換気および陰圧吸引は、該患者から該第1のインターフェースまたは該第2のインターフェースを外すことなく、連続的または同時に提供され、該第1のインターフェースは、該インターフェースが流体連通しないように、該第2のインターフェースから分離している、ステップと
を含む、方法。
【請求項40】
陰圧吸引は、断続的かつ要求に応じて前記患者に提供され、前記第2のインターフェースは、該患者に近接して該第2のインターフェースを保つために、調節可能なブラケットおよびハンドルのうちの少なくとも1つに着脱可能に取り付けられる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
陰圧吸引は、調節可能なタイマーを使用して自動化され、患者インターフェースは、前記患者の鼻道と気密流体連通している前記第1のインターフェース、および該患者の口と気密流体連通している前記第2のインターフェースを同時に保つように構成されている、請求項39または請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のインターフェースは、柔軟な外側部分と開口部を有する内側部分とを備え、該第2のインターフェースの該外側部分は、凸状外面と凹状内面とを備え、前記患者の口と気密シールを形成するために、該患者の唇の内面と該患者の歯茎の外面との間に位置付けられるように構成され、該内側部分は、使用中に、該内側部分が崩壊することなく該患者の歯の間に保たれ得るような十分な硬さであり、かつ、該開口部と該吸引路との間の導管が崩壊しない十分な硬さである材料から作製され、該第2のインターフェースの該内側部分は、該患者の歯を過ぎて延在し、該患者の舌の上を通過し、該患者の口腔または中咽頭内で終端し、それによって、該内側部分の該開口部が該患者の気道と流体連通することにより、該患者からの呼吸分泌物除去を達成する、請求項39〜請求項41のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のインターフェースを介して、前記患者の肺に陽圧気体の深呼吸を提供し、それに続いて、前記第2のインターフェースを介して、該患者の気道に陰圧吸引を提供するステップをさらに含む、請求項39〜請求項42のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のインターフェースを介して、前記患者の肺に陽圧気体の一連の深呼吸を提供するステップをさらに含み、各深呼吸の後には、前記第2のインターフェースを介した該患者の気道への陰圧吸引が続く、請求項39〜請求項43のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
請求項1から33のうちのいずれか1項に記載の医療デバイスを提供するステップをさらに含む、請求項34〜請求項44のうちのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−509107(P2012−509107A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536591(P2011−536591)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/064746
【国際公開番号】WO2010/057166
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(509110378)
【Fターム(参考)】