背面パネル固定構造および自動取引装置
【課題】防盗性を維持し、背面パネル１の取り付けおよび取り外し作業を簡単に行うことができるようにするとともに、コスト低減化を可能とする。
【解決手段】内部ユニット３を前面背面方向にスライド可能とするキャビネット２と、背面を固定する背面パネル１からなる背面パネル固定構造において、内部ユニット３は、背面に突起部３ａを備え、キャビネット２は、背面に切り欠き部２ｂを備え、背面パネル１は、突起部３ａが篏合する孔１ｃを備えた補強部材１ｂを固着して備え、キャビネット２の切り欠き部２ｂに補強部材１ｂを嵌め込んで下側方向にスライドさせ、補強部材１ｂの両端隙間１ｄにより前記背面パネルを固定し、内部ユニット３を背面方向に移動して突起部３ａを孔１ｃに篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにした。
【解決手段】内部ユニット３を前面背面方向にスライド可能とするキャビネット２と、背面を固定する背面パネル１からなる背面パネル固定構造において、内部ユニット３は、背面に突起部３ａを備え、キャビネット２は、背面に切り欠き部２ｂを備え、背面パネル１は、突起部３ａが篏合する孔１ｃを備えた補強部材１ｂを固着して備え、キャビネット２の切り欠き部２ｂに補強部材１ｂを嵌め込んで下側方向にスライドさせ、補強部材１ｂの両端隙間１ｄにより前記背面パネルを固定し、内部ユニット３を背面方向に移動して突起部３ａを孔１ｃに篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、防盗性を要する現金自動預払機等の自動取引装置における背面パネル固定構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、現金自動預払機等の自動取引装置では、装置の組立性を向上させるために、装置本体から背面パネルを分離、取り外せる構造となっている。そして、防盗性を維持するために、外側から背面パネルを取り外せないように装置内側からネジにより固定されるようになっていた（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２７９７３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来の自動取引装置の背面パネル固定構造では、装置の小型化及び高性能化により筐体内にユニットが高密度に実装されるようになると、内部ユニットを引き出さないと手が入らなくなり、内部ユニットの引き出し量も手を入れるために装置外まで引き出さなければいけなくなり、引き出し量の増加はスライドレールなどのユニットを引き出すための部材のコストが高くなり、装置コスト低減化の妨げとなっていた。
【０００５】
また、装置背面から背面パネルを押しながら前面から作業を行う必要があるため作業効率が悪く、さらに、手を入れた際に内部ユニットによりネジ止め部が見えなくなってしまい作業効率が悪くなっていた。
【０００６】
また、近年、自動取引を行う容量（収用する紙葉類等の枚数）の増大などにより装置の奥行きが長くなる傾向があり、このような場合、前側から背面パネルまで手が届かなくなり、操作性の悪い長い工具により作業せざるをえなくなり、さらに作業効率が悪くなるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにした。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の背面パネル固定構造および自動取引装置によれば、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたので、背面パネルの取り付けおよび取り外し作業を簡単に行うことができるとともに、装置の低コスト化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】実施例１の自動取引装置および背面パネルの概観斜視図である。
【図２】実施例１の自動取引装置および背面パネルの要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例１】
【００１１】
（構成）
図１は、実施例１の自動取引装置および背面パネルを示す外観斜視図である。同図に示したように、実施例１の自動取引装置の背面パネル１は、背面パネル本体１ａと、左右に孔１ｃが設けられた上下２個の背面パネル補強部材１ｂから構成されており、背面パネル補強部材１ｂは図１右下に拡大図を示したように両端に隙間１ｄを備えその他の端部を背面パネル本体１ａに溶接などにより強固に固定されている。なお、背面パネル補強部材１ｂは、１個或いは３個以上としても勿論よい。
【００１２】
一方、自動取引装置本体側のキャビネット２は、キャビネット本体２ａと背面パネル１の背面パネル補強部材１ｂがはめ込まれる切り欠き２ｂから構成されている。
【００１３】
図２は、実施例１の自動取引装置および背面パネルの要部横断面図であり、図示しないスライドレールにより引き出し自在な内部ユニット３の背面に背面パネル１をロックする突起部３ａが設けられている。
【００１４】
（動作）
以上の構成により、実施例１の自動取引装置の背面パネル固定構造は以下のように動作する。
【００１５】
最初に、背面パネル１を自動取引装置のキャビネット本体２ａに取り付ける動作について説明する。まず、背面パネル１の背面パネル補強部材１ｂをキャビネット本体２ａの切り欠き２ｂにあわせ矢印Ａのように押し込み、背面パネル１を矢印Ｂのように下側にスライドさせて背面パネル補強部材１ｂの隙間１ｄにより固定する。
【００１６】
そして、前面に設けられた図示しない鍵を開け前面ドアを開き、装置前面から内部ユニット３を矢印Ｃ方向に、図示しないスライドレールにより背面まで移動させる。すると、図２に示したように内部ユニット３の背面に設けられた突起部３ａが背面パネル補強部材１ｂの孔１ｃに篏合する。
【００１７】
その結果、背面パネル１を上方向（矢印Ｕ方向）にスライドさせることができなくなり、背面パネル１を取り外すことができなくなる。
【００１８】
一方、背面パネル１を取り外すときは、前面に設けられた図示しない鍵を開け前面ドアを開き、内部ユニット３を矢印Ｃとは反対方向にスライドする。すると、内部ユニット３の背面に設けられた突起部３ａが、背面パネル補強部材１ｂの孔１ｃから外れ、背面パネル１を上側（矢印Ｕ方向に）スライドすることができるようになり、矢印Ｕ方向にスライドさせて背面パネル１を取り外す。
【００１９】
（実施例１の効果）
以上のように実施例１の自動取引装置および背面パネル固定構造によれば、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたので、背面パネルの取り付けおよび取り外し作業を簡単に行うことができるとともに、装置の低コスト化も可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
以上述べたように、本発明は、背面パネルを有し防盗性を要する現金自動預払機等の自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【００２１】
１ 背面パネル
１ａ 背面パネル本体
１ｂ 背面パネル補強部材
１ｃ 孔
１ｄ 隙間
２ キャビネット
２ａ キャビネット本体
２ｂ 切り欠き
３ 内部ユニット
３ａ 突起部材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、防盗性を要する現金自動預払機等の自動取引装置における背面パネル固定構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、現金自動預払機等の自動取引装置では、装置の組立性を向上させるために、装置本体から背面パネルを分離、取り外せる構造となっている。そして、防盗性を維持するために、外側から背面パネルを取り外せないように装置内側からネジにより固定されるようになっていた（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２７９７３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来の自動取引装置の背面パネル固定構造では、装置の小型化及び高性能化により筐体内にユニットが高密度に実装されるようになると、内部ユニットを引き出さないと手が入らなくなり、内部ユニットの引き出し量も手を入れるために装置外まで引き出さなければいけなくなり、引き出し量の増加はスライドレールなどのユニットを引き出すための部材のコストが高くなり、装置コスト低減化の妨げとなっていた。
【０００５】
また、装置背面から背面パネルを押しながら前面から作業を行う必要があるため作業効率が悪く、さらに、手を入れた際に内部ユニットによりネジ止め部が見えなくなってしまい作業効率が悪くなっていた。
【０００６】
また、近年、自動取引を行う容量（収用する紙葉類等の枚数）の増大などにより装置の奥行きが長くなる傾向があり、このような場合、前側から背面パネルまで手が届かなくなり、操作性の悪い長い工具により作業せざるをえなくなり、さらに作業効率が悪くなるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにした。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の背面パネル固定構造および自動取引装置によれば、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたので、背面パネルの取り付けおよび取り外し作業を簡単に行うことができるとともに、装置の低コスト化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】実施例１の自動取引装置および背面パネルの概観斜視図である。
【図２】実施例１の自動取引装置および背面パネルの要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例１】
【００１１】
（構成）
図１は、実施例１の自動取引装置および背面パネルを示す外観斜視図である。同図に示したように、実施例１の自動取引装置の背面パネル１は、背面パネル本体１ａと、左右に孔１ｃが設けられた上下２個の背面パネル補強部材１ｂから構成されており、背面パネル補強部材１ｂは図１右下に拡大図を示したように両端に隙間１ｄを備えその他の端部を背面パネル本体１ａに溶接などにより強固に固定されている。なお、背面パネル補強部材１ｂは、１個或いは３個以上としても勿論よい。
【００１２】
一方、自動取引装置本体側のキャビネット２は、キャビネット本体２ａと背面パネル１の背面パネル補強部材１ｂがはめ込まれる切り欠き２ｂから構成されている。
【００１３】
図２は、実施例１の自動取引装置および背面パネルの要部横断面図であり、図示しないスライドレールにより引き出し自在な内部ユニット３の背面に背面パネル１をロックする突起部３ａが設けられている。
【００１４】
（動作）
以上の構成により、実施例１の自動取引装置の背面パネル固定構造は以下のように動作する。
【００１５】
最初に、背面パネル１を自動取引装置のキャビネット本体２ａに取り付ける動作について説明する。まず、背面パネル１の背面パネル補強部材１ｂをキャビネット本体２ａの切り欠き２ｂにあわせ矢印Ａのように押し込み、背面パネル１を矢印Ｂのように下側にスライドさせて背面パネル補強部材１ｂの隙間１ｄにより固定する。
【００１６】
そして、前面に設けられた図示しない鍵を開け前面ドアを開き、装置前面から内部ユニット３を矢印Ｃ方向に、図示しないスライドレールにより背面まで移動させる。すると、図２に示したように内部ユニット３の背面に設けられた突起部３ａが背面パネル補強部材１ｂの孔１ｃに篏合する。
【００１７】
その結果、背面パネル１を上方向（矢印Ｕ方向）にスライドさせることができなくなり、背面パネル１を取り外すことができなくなる。
【００１８】
一方、背面パネル１を取り外すときは、前面に設けられた図示しない鍵を開け前面ドアを開き、内部ユニット３を矢印Ｃとは反対方向にスライドする。すると、内部ユニット３の背面に設けられた突起部３ａが、背面パネル補強部材１ｂの孔１ｃから外れ、背面パネル１を上側（矢印Ｕ方向に）スライドすることができるようになり、矢印Ｕ方向にスライドさせて背面パネル１を取り外す。
【００１９】
（実施例１の効果）
以上のように実施例１の自動取引装置および背面パネル固定構造によれば、内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、前記ユニットは、背面に突起部を備え、前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたので、背面パネルの取り付けおよび取り外し作業を簡単に行うことができるとともに、装置の低コスト化も可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
以上述べたように、本発明は、背面パネルを有し防盗性を要する現金自動預払機等の自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【００２１】
１ 背面パネル
１ａ 背面パネル本体
１ｂ 背面パネル補強部材
１ｃ 孔
１ｄ 隙間
２ キャビネット
２ａ キャビネット本体
２ｂ 切り欠き
３ 内部ユニット
３ａ 突起部材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、
前記ユニットは、背面に突起部を備え、
前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、
前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、
前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたことを特徴とする背面パネル固定構造。
【請求項２】
請求項１の背面パネル固定構造を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項１】
内蔵するユニットを前面背面方向にスライド可能とするキャビネットと、背面を固定する背面パネルからなる背面パネル固定構造であって、
前記ユニットは、背面に突起部を備え、
前記キャビネットは、背面に切り欠き部を備え、
前記背面パネルは、前記突起部が篏合する孔を備えた補強部材を固着して備え、
前記キャビネットの切り欠き部に前記補強部材を嵌め込んで下側方向にスライドさせ、前記補強部材の両端隙間により前記背面パネルを固定し、前記ユニットを背面方向に移動して前記突起部を前記孔に篏合させて前記背面パネルの上側方向へのスライドをロックするようにしたことを特徴とする背面パネル固定構造。
【請求項２】
請求項１の背面パネル固定構造を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１１−１２４５１３（Ｐ２０１１−１２４５１３Ａ）
【公開日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２８３２７５（Ｐ２００９−２８３２７５）
【出願日】平成２１年１２月１４日（２００９．１２．１４）
【出願人】（００００００２９５）沖電気工業株式会社 (6,645)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１２月１４日（２００９．１２．１４）
【出願人】（００００００２９５）沖電気工業株式会社 (6,645)
【Ｆターム（参考）】
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