説明

脂肪族NCOプレポリマーをベースとする新規ヒドロゲル

本発明は、第三級窒素を含有するポリオールと水中で反応させた脂肪族イソシアネートプレポリマーを用いて得られる新規なヒドロゲルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族イソシアネートプレポリマーと第三級窒素を含むポリオールとの水中での反応によって得られる、新規なヒドロゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロゲルは通常、三次元網状構造の形態で、親水性であるが水不溶性のポリマーをベースとする水含有ゲル(液体および気体を多く含み、また、通常は、長いかまたは高度に枝分かれした粒子を有するコロイド分散した固体および分散媒としての液体(通常は水)からなる少なくとも2つの成分を含む、形状安定性で容易に変形可能な分散系)である。これらの網状構造は、形状を実質的に保持しながら、水中において平衡体積にまで膨潤する。網状構造は、大部分は個々のポリマー鎖の化学的架橋によって形成するが、ポリマー鎖の個々のセグメント間での静電気的、疎水的または双極子−双極子相互作用によって物理的に形成することも可能である。ヒドロゲルについての所望の特性は、ポリマー形成に用いるモノマー、架橋の種類および架橋密度の選択により具体的に定めることができる。ヒドロゲルは通常、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールをベースとする。これらは概して、生体組織と極めて適合性がよいため、特に生物医薬および医薬品の分野において、生体材料として用いられることが多い。
【0003】
親水性NCOプレポリマーから製造されたポリウレタンヒドロゲルはそれ自体既知である(欧州特許出願公開第426422号、同第455324号、国際公開第98/17215号、同第99/13923号、同第2002/060501号)。これは、創傷の医療的処置において、例えば創傷接触材料として用いられる。これは、創傷の治癒に有益である(乾燥)創傷の保湿に制御された方法を供するという利点を有する。ポリウレタンヒドロゲルは概して、非常に優れた機械的特性を有する。
【0004】
ポリウレタンヒドロゲルは概して、イソシアネート成分およびポリオールとしてのポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールから、部分的には、反応促進剤としての第一級アミノ末端基を有するオリゴアルキレンオキシドおよび加水分解用の水の存在下に製造される。反応促進剤を用いるか否かに拘わらず、ポリオール成分は常に過剰に用いられるため、こうして得られたヒドロゲルも反応促進剤を用いるか否かに拘わらず過剰なポリオールを含有する。さらに、ゲル形成に関する反応時間は極めて遅い。反応促進剤を含む変法の場合でさえ、ゲル化点に達するまで90分を越える時間を要し、その後、数時間にわたる補足的な反応が続く。該ヒドロゲルは抗菌活性物質を有する場合と有さない場合が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第426422号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第455324号明細書
【特許文献3】国際公開第98/17215号パンフレット
【特許文献4】国際公開第99/13923号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2002/060501号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況下、本発明の目的は、ゲル形成が改良され、イソシアネート、ポリオールおよび/または反応促進剤のような未反応の出発化合物を含まない新規なポリウレタンヒドロゲルを提供することである。該ヒドロゲルはさらに、極めて少数の成分から得られ、また、抗菌性活性剤としての金属または金属イオンの組み込みを可能とするために錯体生成性の非イソシアネート反応性基を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的が特定の製造方法によって達成されることを見出した。
【0008】
従って、本発明は、
a)1重量%未満のジイソシアネートモノマーを含有する、脂肪族および/または脂環式の非イオン的親水性化ポリイソシアネートプレポリマーを、
b)少なくとも1つの第三級アミノ基ならびに少なくとも3つのヒドロキシル基を有する化合物、
c)水、および
d)必要に応じ、抗菌活性金属塩および/または金属粒子
と反応させる、
ヒドロゲルの製造方法およびそれから得られるヒドロゲルそれ自体である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
工程a)においては、平均2以上の遊離NCO基を含有し、それに加えて脂肪族および/または脂環式のモノ−、ジ−および/またはトリイソシアネートをベースとし、ならびに非イオン的親水性化のための1以上のオキシエチレン基を有する、当業者にそれ自体既知の任意のポリイソシアネートプレポリマーを用いることができる。
【0010】
好適には、a)に用いるポリイソシアネートプレポリマーはウレタン基によって結合しているポリオキシアルキレン単位を有し、結合しているオキシアルキレン単位の、好ましくは60重量%、より好ましくは70重量%、もっとも好ましくは80重量%は、オキシエチレン単位である。
【0011】
好適には、オキシエチレン単位はブロック形態でポリイソシアネートプレポリマー中に存在する。
【0012】
ポリイソシアネートプレポリマーは、ポリエーテルジオールと、モノイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネートならびに/またはウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/もしくはオキサジアジントリオンの構造を有するそれらの高分子量生成物との反応によって、従来の方法により得られる。適切な場合には、さらなるモノ−、ジ−またはポリオールをブロック形成成分として用いることができる。
【0013】
基礎となるイソシアネートモノマーは、ホスゲン化によって、またはホスゲンを含まない方法によって、例えばウレタンを熱的に切断することによって得られ、また、脂肪族的、脂環式的および/または芳香脂肪族的に結合したイソシアネート基を有する任意のイソシアネート、例えば1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、2,2,4−または2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,3−および1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−および1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンまたは任意のこれらの混合物などであってよい。
【0014】
ポリエーテルジオールは、OH−またはNH−官能性スターターへのアルキレンオキシドのような環式エーテルの付加によって、KOHまたは複金属シアン化物(DMC)触媒作用下で、従来の方法により得られる。該付加はブロック的またはランダムに行うことができるが、ブロック的付加が好適である。
【0015】
環式エーテルは、好ましくはアルキレンオキシド、より好ましくはエチレンオキシド、適切な場合にはプロピレンオキシドである。
【0016】
プレポリマーの製造におけるNCO/OH比は、好ましくは1.6〜30:1の範囲、より好ましくは4:1〜12:1の範囲、もっとも好ましくは4:1〜10:1の範囲である。
【0017】
該プレポリマーは、1.5重量%〜3.5重量%の範囲のNCO含量を好ましく有する。
【0018】
a)に用いるプレポリマー中のジイソシアネートモノマーの残存濃度は、好ましくは0.5重量%、より好ましくは0.1重量%未満である。これは通常、過剰のイソシアネートの存在下におけるプレポリマーの製造および引き続く薄膜蒸留による未変換ジイソシアネートの蒸留除去によって達成される。
【0019】
原則として、プレポリマーの製造は、通常の触媒、例えばアミンまたは錫化合物など、ならびに安定化剤、例えば塩化ベンゾイル、塩化イソフタロイル、リン酸ジブチルまたはトシル酸金属などの存在下で行ってもよい。
【0020】
好適には、b)に用いる化合物は、得られる混合物を基準として、25℃で少なくとも2重量%の水と混和性がある。より好適には、b)に用いる化合物は、25℃で水と任意の割合で混和可能であり、均質な透明混合物が得られる。
【0021】
b)においては、一般式(I):
【化1】

または一般式(II):
【化2】

〔式中、
nは、0〜10、好ましくは0〜2の自然数であり、
Xは水素またはメチル基であってよく、好適には、Xは、水素であるか、または鎖中で交互に水素もしくはメチル基であり、
Yは、C〜C−アルキレン基、C〜C22−シクロアルキレン基またはC〜C12−アリーレン基であり、好ましくはエチレン基である〕
で示される、上記の特性を有する化合物を用いることは特に好適である。
【0022】
成分b)のためのこのような化合物の例は、アミノアルコール、例えばトリエタノールアミンもしくはトリプロパノールアミンなどであるか、あるいはアンモニア、ジ−もしくはポリアミンまたはアミノアルコールで開始したポリアルキレンオキシドである。
【0023】
ヒドロキシル基に基づく成分b)のための化合物の当量は、好ましくは49.6666〜150g/egの範囲である。
【0024】
成分a)および成分b)は、好ましくは2:1〜0.7:1の範囲、より好ましくは1.5:1〜0.8:1の範囲のNCO/OH比で用いる。
【0025】
c)に用いる水は、十分なゲル形成が達成されるような量で用いる。a)およびb)に用いる化合物の重量(1重量部に相当する)を基準として2〜50重量部、より好ましくは4〜19重量部の水を用いるのが好適である。
【0026】
例えば、必要に応じ、水またはアルコールの溶液またはゾルの形態での金属塩および/または金属粒子を、ヒドロゲルに抗菌仕上げを施すために用いてよい。好適には、ポリウレタンヒドロゲルは、例えばAg、Cu、Znまたはこれらの金属を含有する合金の金属粒子と混合する。
【0027】
均質な配合を可能とするために、これらの金属粒子は、好適にはナノ粒子化され、レーザー相関分光法によって決定された平均粒度が5〜200nm、好ましくは10〜60nmである。
【0028】
金属粒子を用いる場合には、これは、成分a)および成分b)に用いる化合物の全量(100重量部に相当する)を基準として5重量部までの量で用いる。
【0029】
銀粒子は上記の種類の好適な金属粒子である。
【0030】
10〜60nmの平均粒度を有する銀粒子を用いる場合には、得られるヒドロゲルは、淡黄色または橙色であるが、透明である。
【0031】
好適な銀粒子の水性ゾルは、0.05重量%〜5重量%、好ましくは0.08重量%〜2重量%の銀を含有する。
【0032】
水性ゾルは、例えば、初期投入原料として硝酸銀溶液を存在させ、分散助剤、例えばポリビニルピロリドンなどを用いて水中に溶解させた当モル量のNaOHを添加することによって得られる。その後の還元は、還元剤、例えばホルムアルデヒドなどを用いて行われる。
【0033】
ヒドロゲルは、成分b)および成分c)ならびに適切な場合には成分d)を予備混合することによって好ましく製造する。次いで、成分a)を攪拌しながら添加する。
【0034】
本発明の方法を実施する温度は、好ましくは5〜50℃の範囲、より好ましくは10〜45℃の範囲、最も好ましくは15〜25℃の範囲である。
【0035】
成分a)乃至成分d)と同様に、さらなる添加剤、例えば抗生物質、精油および着臭剤または殺菌剤などを添加することもできるが、この場合、水性相によって水溶性物質を、プレポリマーa)によって油溶性物質を導入することが好適である。
【0036】
本発明のヒドロゲルは、創傷接触材料として特に有用である。
【0037】
上記目的のために、本発明のヒドロゲルは、例えば、ヒドロゲルを創傷または皮膚と直接接触させるのに好適であるシートのような材料と組み合わせるか、またはそのような材料に付着させることができる。
【実施例】
【0038】
粘度は23℃でAnton Parr製の平板円錐粘度計を用いて測定した。
【0039】
実施例1:ナノシルバーの製造
AgO核の製造
硝酸銀の54ミリモル溶液(9.17g/L AgNO)を反応物質1として調製し、分散剤濃度が10g/LであるNaOHの54ミリモル溶液(2.14g/L)を反応物質2として調製した。用いた溶媒は脱イオン水(Milli−Qplus, QPAK 2, Millipore Corporationを用いて調製)であった。用いた分散剤は、PVP K15ポリビニルピロリドン(Fluka Chemie GmbH、ドイツ)であった。250mlの反応物質1を、初期投入分としてガラスビーカー中に室温で導入した。250mlの反応物質2を、該反応溶液に一定速度で10秒にわたって攪拌しながら添加した。かくして、反応混合物中の塩基と銀塩の当量比は1.0となる。次いで、該バッチをさらに10分間攪拌して、コロイド化学的に安定な灰黒色AgOナノゾルを得た。
【0040】
銀の金属粒子へのAgO核の還元
実施例1において製造した500mlのAgOナノゾルを、2.33モルホルムアルデヒド水溶液(70g/L)25mlと、室温で連続的に攪拌しながら添加して混合し、60℃で30分間貯蔵し、冷却して、銀の金属ナノ粒子および銀含量1.16%を有するコロイド化学的に安定なゾルを得た。次いで、該粒子を、遠心分離(30000rpmで60分、Avanti J 30i、Rotor JA 30.50、Beckman Coulter GmbH)によって分離し、630mlの脱イオン水中に超音波処理(Branson Digital Sonifier)によって再分散させた。固形分が0.92重量%およびpHが7.4であるコロイド化学的に安定なAGナノゾルを得た。
【0041】
動的光散乱による粒度測定によって、結晶質Ag粒子は有効流体力学直径が46nmであることが明らかになった。
【0042】
実施例2:
Ag粒子は、遠心分離せず、水中に再分散させた以外は実施例1を繰り返した。
【0043】
実施例3:
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)200gおよび塩化ベンゾイル1gの混合物を初期投入分として80℃で存在させ、トリメチロールプロパン(TMP)で開始した、エチレンオキシド含量が63%およびOH価が36mgKOH/gであるポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー400gを2時間にわたって添加し、該混合物を80℃で1時間攪拌した。HDIの過剰分を、130℃および0.5Torrで薄膜蒸留によって除去した。その結果、プレポリマーは、NCO含量が2.4重量%および粘度が4460mPasであった。
【0044】
実施例4:
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)200g、塩化ベンゾイル1gおよびトシル酸メチル1gの混合物を初期投入分として80℃で存在させ、トリメチロールプロパン(TMP)で開始した、エチレンオキシド含量が80%およびOH価が29mgKOH/gであるポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー400gを2時間にわたって添加し、該混合物を1時間攪拌した。HDIの過剰分を、130℃および0.5Torrで薄膜蒸留によって除去した。その結果、プレポリマーは、NCO含量が2.3重量%および粘度が6070mPasであった。
【0045】
実施例5:
イソホロンジイソシアネート(IPDI)200g、塩化ベンゾイル1gおよびトシル酸メチル1gの混合物を初期投入分として80℃で存在させ、トリメチロールプロパン(TMP)で開始した、エチレンオキシド含量が80%およびOH価が29mgKOH/gであるポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー400gを2時間にわたって添加し、該混合物を1時間攪拌した。IPDIの過剰分を、130℃および0.5Torrで薄膜蒸留によって除去した。その結果、プレポリマーは、NCO含量が2.4重量%および粘度が8800mPasであった。
【0046】
実施例6:
水7g、シルバーゾル1g(実施例1に従って製造;脱イオン水で10倍に希釈)およびトリエタノールアミン0.06gを、混合し、実施例3によるプレポリマー2gと混合して、ちょうど3分後に透明な橙色ヒドロゲルを得た。
【0047】
実施例7:
水7g、シルバーゾル1g(実施例1に従って製造した)およびトリエタノールアミン0.06gを、混合し、実施例3によるプレポリマー2gと混合して、ちょうど3分後に濃褐色であるが透明なヒドロゲルを得た。
【0048】
実施例8:
実施例2のシルバーゾルを脱イオン水で10倍に希釈した後に用いた以外は、実施例6を繰り返した。3分後に透明な橙色ヒドロゲルを得た。
【0049】
実施例9:
実施例2のシルバーゾルを用いた以外は、実施例8を繰り返した。3分後に濃褐色であるが透明なヒドロゲルを得た。
【0050】
実施例10:
水18gおよびOH価が468であるエチレンジアミン開始ポリプロピレンオキシド0.12gを、混合し、実施例4によるプレポリマー2gと混合した。無色透明のヒドロゲルを4分後に得た。NCO:OH比は1.10:1であった。
【0051】
実施例11:
水19gおよびOH価が468であるエチレンジアミン開始ポリプロピレンオキシド0.06gを、混合し、実施例5によるプレポリマー1gと混合した。透明な無色のヒドロゲルを5分後に得た。NCO:OH比は1.14:1であった。
【0052】
国際公開第2002/060501号による比較例
実施例3からのプレポリマー10gとポリエチレングリコール400(M=400、Sigma−Aldrich、米国)10gとから混合物を調製する一方、他方では、脱イオン水30gとプロピレングリコール10gおよびJeffamine D400(M=400、二官能性、Huntsman、ベルギー)0.5gとの混合物を調製した。該二成分を組み合わせて、ヒドロゲルを45分後に得た。32:1のNCO:OH比は、反応後にほぼ全てのプロピレングリコールが未反応状態で存在し、従って、ヒドロゲル中に約16重量%で低分子量未結合可塑剤として残存することを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1重量%未満のジイソシアネートモノマーを含有する、脂肪族および/または脂環式の非イオン的親水性化ポリイソシアネートプレポリマーを、
b)少なくとも1つの第三級アミノ基および少なくとも3つのヒドロキシル基を有する化合物、
c)水、および
d)必要に応じ、抗菌活性金属塩および/または金属粒子
と反応させる、
ポリウレタンヒドロゲルの製造方法。
【請求項2】
前記ポリイソシアネートプレポリマーはウレタン基によって結合しているポリオキシアルキレン単位を有し、結合しているオキシアルキレン単位の80%がオキシエチレン単位であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)に用いるプレポリマーのNCO含量は1.5重量%〜3.5重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
a)に用いるプレポリマーは、ジイソシアネートモノマーの残存含量が0.1重量%未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
b)に用いる化合物は、一般式(I):
【化1】

または一般式(II):
【化2】

〔式中、
nは0〜10の自然数であり、
Xは水素またはメチル基であってよく、好適には、Xは、水素であるか、または鎖中で交互に水素またはメチル基であり、
Yは、C〜C−アルキレン基、C〜C22−シクロアルキレン基またはC〜C12−アリーレン基である〕
で示されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
成分a)および成分b)を、NCO/OH比が2:1〜0.7:1の範囲で用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
a)およびb)に用いる化合物の重量(1重量部に相当する)を基準として4〜19重量部の水をc)に用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
水またはアルコールの溶液またはゾルの形態でd)に添加する金属粒子は、Ag、Cu、Znまたはその合金をベースとすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得られるポリウレタンヒドロゲル。
【請求項10】
創傷接触材料としての、請求項9に記載のポリウレタンヒドロゲルの使用。

【公表番号】特表2010−507693(P2010−507693A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533695(P2009−533695)
【出願日】平成19年10月13日(2007.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008909
【国際公開番号】WO2008/049527
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】