説明

脂肪細胞の脂肪蓄積を管理する方法

本発明は、脂肪細胞における脂肪蓄積を、少なくとも一つの以下のポリメトキシル化 フラボン分画を含んでいる組成物を用いて管理するための方法を提供する:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン (タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,5,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
特定の態様において、重量減少を経験している被験者におけるリバウンドの重量増加を予防するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
1. 関連出願
本出願は、2005年8月23日に出願された米国特許仮出願60/710,933号の優先権を主張するものであり、この仮出願は本明細書に参照によってその全体が援用される。
【0002】
2. 技術分野
本発明は、脂肪蓄積を管理するための及び重量増加を予防するための組成物および方法に関する。例えば、本発明は、脂肪細胞における脂肪蓄積を管理する及び脂肪生成を予防するためにポリメトキシル化フラボンを含んでいる組成物を使用する方法に関する。幾つかの態様において、重量減少を経験している被験者におけるリバウンドの重量増加を予防するための方法が提供される。
【0003】
3. 背景
肥満は、達成されていない医学的な課題であり、肥満によって有病率(prevalence)が増加する。
【0004】
全ての合衆国国民の1/3は、臨床的に過体重であり、年間$300億をこえる額を体重のコントロールに費やしている。
【0005】
ヒトの肥満は、脂肪細胞(脂肪が貯蔵される細胞)の数(過形成)およびサイズ(肥大)の増加によって特徴づけられる。新しい脂肪細胞は、脂肪組織(前脂肪細胞)に居住している特殊な線維芽細胞によって脂肪細胞の分化が誘導されるプロセスである脂肪生成(adipogenesis)をとおして生じる。デノボの脂肪細胞の分化は、線維芽細胞の前駆体の補充によって哺乳類の全寿命の間に開始されえる。
【0006】
抗肥満薬は、多くの製薬会社の主要な課題であり、現在効果的な薬は市場にでていない。肥満を予防する又は治療するために安全で有用で効果的な栄養補助食品または薬物が、求められる。
【0007】
4. 概要
一側面において、本発明は、脂肪の蓄積を管理するための方法を提供する。特定の態様において、本発明は、脂肪細胞における脂肪の蓄積を管理するための方法を提供する。幾つかの態様において、脂肪細胞は、被験者(好ましくは、哺乳類, より好ましくはヒト)に存在する。特に、本発明は、被験者に以下に記載のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる有効量の組成物を投与して、被験者の脂肪細胞における脂肪蓄積を管理する方法を提供する。
【0008】
特定の態様において、本発明の方法は、過体重または肥満のヒト被験者における脂肪蓄積を管理するために提供される。幾つかの態様において、前記ヒトは、望まれない重量増加の病歴を有しており、本明細書に記載される脂肪蓄積を管理するための方法での治療の非存在下で過体重または肥満となる傾向がある。
【0009】
特定の態様において、本発明の方法は、この方法を必要とする被験者の脂肪生成を予防するために提供される。
【0010】
幾つかの態様において、本発明の方法は、この方法を必要とする被験者の成熟した脂肪細胞における脂肪の蓄積を予防するために提供される。
【0011】
特定の態様において、本発明は脂肪細胞における脂肪蓄積を予防するための方法を提供し、該方法は前記脂肪細胞をポリメトキシル化フラボン(PMF)分画および非PMF分画を含んでいる組成物と接触させることを備える。
【0012】
幾つかの態様において、脂肪細胞は、インビトロで前記組成物と接触される。
【0013】
幾つかの態様において、脂肪細胞は、前記組成物と被験者中で接触される。
【0014】
別の側面において、本発明は、被験者のリバウンドの重量増加を予防するための方法を提供し、該方法は被験者に以下に記載のPMF分画を含んでいる有効量の組成物を投与して、リバウンドの重量増加を予防することを備える。
【0015】
本発明の組成物は、一つのPMFまたは複数のPMFsを含みえる。特定の態様において、前記組成物は、PMF分画および非PMF分画を含みえる(ここで、前記PMF分画は一以上のPMFsを含む)。
【0016】
特定の態様において、本発明の組成物は、オレンジピール抽出物を含む。幾つかの態様において、本発明の組成物は、オレンジピール抽出物から本質的になる。通常は、前記組成物は、天然の供給源ではない(一例を挙げると、オレンジピール)。
【0017】
特定の態様において、前記組成物は、約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。幾つかの態様において、前記組成物は、約 40%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。幾つかの態様において、PMF分画は、約0.5%(w/w) 〜約5%(w/w), 約l%(w/w) 〜約10%(w/w), 約10%(w/w) 〜約20%(w/w), 約20%(w/w) 〜約30%(w/w), 約30%(w/w) 〜約40%(w/w), 約40%(w/w) 〜約50%(w/w), 約50%(w/w) 〜約60%(w/w), 約60%(w/w) 〜約70%(w/w), 約70%(w/w) 〜約80%(w/w), または約80%(w/w) 〜約98%(w/w)の範囲である。
【0018】
幾つかの態様において、本発明の組成物のPMF分画は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1, 少なくとも2, 少なくとも3, 少なくとも4, 少なくとも5, 少なくとも6, 少なくとも7, 少なくとも8, 少なくとも9, 少なくとも10, 少なくとも11, 少なくとも12, 少なくとも13または少なくとも14のPMFsを含む:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0019】
幾つかの態様において、本発明の組成物のPMF分画は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1, 少なくとも2, 少なくとも3, 少なくとも4, 少なくとも5, 少なくとも6, 少なくとも7, 少なくとも8, 少なくとも9, 少なくとも10, 少なくとも11, 少なくとも12, 少なくとも13または少なくとも14のPMFsからなる:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0020】
幾つかの態様において、本発明の組成物はPMFsの混合物を含む(ここで、組成物中のPMFの濃度は、PMFの天然の供給源のものと異なる又は前記組成物中の一つのPMFと前記組成物中の別のPMFとの比がPMFsの天然の供給源におけるものと異なる)。係る組成物は、例えば、PMFsの天然の供給源(一例を挙げると、オレンジピール)を、少なくとも一つの特定のPMFが選択的に除去(removed)、保持(retained)、または濃縮(enriched)されるように加工することによって調製できる。或いは、一以上の単離された又は合成されたPMFを使用して係る組成物を作出できる又はPMFsの天然の供給源の加工型(processed form)に添加できる。
【0021】
幾つかの態様において、本発明の組成物は、オレンジピール抽出物を含む。
【0022】
幾つかの態様において、本発明の組成物は、一以上のPMFsおよび食品, 食品添加物, 栄養補助食品または医学的な食品を含んでいるニュートラシューティカル組成物であってもよい。
【0023】
典型的には、本発明の方法で被験者に投与される組成物の量は、約0.05 mg, 約0.1 mg, 約0.5 mg, 約1.0 mg, 約5 mg, 約10 mg, 約15 mg, 約20 mg, 約25 mg, 約30 mg, 約35 mg, 約40 mg, または約50 mgから約75 mg, 約100 mg, 約200 mg, 約250 mg, 約300 mg, 約400 mg, 約500 mg, 約600 mg, 約700 mg, 約750 mg, 約800 mg, 約900 mg, 約1 g, 約2 g, 約3 g, または約5 g/日であってもよい。
【0024】
特定の態様において、本発明の方法で被験者に投与される組成物中のPMF分画の量は、約0.05 mg, 約0.1 mg, 約0.5 mg, 約1.0 mg, 約5 mg, 約10 mg, 約15 mg, 約20 mg, 約25 mg, 約30 mg, 約35 mg, 約40 mg, または約50 mgから約75 mg, 約100 mg, 約200 mg, 約250 mg, 約300 mg, 約400 mg, 約500 mg, 約600 mg, 約700 mg, 約750 mg, 約800 mg, 約900 mg, 約1 g, 約2 g, 約3 g, または約5 g/日の範囲である。
【0025】
幾つかの態様において、本発明の組成物は、一日に一回、二回、又はそれ以上の回数を投与されえる。特定の態様において、本発明の組成物は、二, 三又はそれ以上の日数から約七日, 約二週, 約三週, 約四週, 約三十日, 約五週または約六週の連続的な日数で投与できる。
【0026】
幾つかの態様において、本発明の組成物は、例えば、被験者が炭水化物または脂肪の含有量が高い食品を経口摂取する(又は意図する)場合に投与できる。
【0027】
幾つかの態様において、本発明の方法で投与される組成物は、頬, 鼻, 経口, 非経口, 直腸, 舌下, 局所的または経皮的な経路を介して投与される。
【0028】
幾つかの態様において、本発明の方法で投与される組成物は、エアロゾル, 咀嚼可能なバー(chewable bar), バルクまたは緩い乾燥形態(bulk or loose dry form), カプセル剤, クリーム, 飲料, エリキシル剤, エマルジョン剤, 流体, ゲル, 顆粒剤, 咀嚼可能なガム, ローション, ロゼンジ, 軟膏, ペースト, パッチ, ペレット, 粉末, 溶液, 噴霧, 坐剤, 懸濁液, シロップ, 錠剤, お茶, チンキ剤, 蒸気またはウェーハ(wafer)で投与される。
【0029】
5. 図面の簡単な記述
図1は、指摘した様々な濃度のDMSO(対照)または検査組成物で処理した細胞に関する比色法に基づく3T3-L1細胞増殖/細胞毒性アッセイで観察された平均吸光度を示している。これらの結果は、細胞増殖が約 20 μg/mLの検査組成物以上の濃度で阻害されることを示している。
【0030】
図2は、検査組成物の非存在下で分化因子で処理した前脂肪細胞において0 (「成長」), 2, 4 および10日での指摘した遺伝子のRNA発現レベルの観察を示している。
【0031】
図3は、検査組成物で処理した細胞に関して、4および10日での対照細胞のレベル(図2を参照されたい)と比較した指摘した遺伝子のRNA発現レベルのパーセント変化を示している。
【0032】
図4は、検査組成物で処理した細胞中のHMGA2発現レベルを示している。
【0033】
図5は、標準食, 標準食+PMF含有組成物, 高脂肪食, または高脂肪食+PMF含有組成物でのマウスに関する食物消費(kcals)の週平均を示している。
【0034】
図6は、標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を与えられたマウスの体重のパーセント増加を示している。
【0035】
図7は、標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を与えられたマウスの体脂肪のパーセントを示している。
【0036】
図8は、標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を十六週与えられたマウスの個々の脂肪体(fat pads)の重量を示している。
【0037】
図9は、様々な食事を与えた血糖(glycemic)の対照のマウスにおける結果を示している。絶食時のグルコースレベル(A)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)(B)を、四時間の絶食後にマウスで決定した。
【0038】
図10は、高脂肪食から高脂肪食+70%OPEへの切り換え又はその逆の切り換えによるマウスでの重量増加のパーセントを示している。
【0039】
図11は、切り換えた食餌を含む指摘の食餌でのマウスの体脂肪量のパーセンテージを示している。
【0040】
図12は、切り換えた食餌を含む指摘した食餌でのマウスの個々の脂肪体の重量を示している。
【0041】
6. 用語
本明細書中に使用される「約」の用語は、前記用語によって修飾されている値を10%上又は下を超えない値を意味する。例えば、「約 5 分間」の用語は、4.5 分間 〜5.5 分間の範囲を意味する。
【0042】
本明細書中に使用される、「組成物」の用語は、薬学的組成物, 生理的に許容される組成物およびニュートラシューティカル組成物を包含する。組成物中の成分〔例えば、ポリメトキシル化フラボン(PMF)〕が天然の供給源(一例を挙げると, オレンジピール)にも生じる場合、「組成物」の用語は、前記成分の天然の供給源(一例を挙げると, オレンジピール)からなるが、しかし、特定の態様において、天然の供給源(例えば、天然の供給源の抽出物)の物理的に又は化学的に修飾された又は加工された形態を包含できることが理解されるだろう。
【0043】
本明細書中に使用される「有効量(effective amount)」の用語は、被験者に投与された場合に十分に望ましい又は有用な効果を産生する化合物または組成物の量を意味する。特定の態様において、化合物または組成物の「有効量」によって、化合物または組成物と接触されない脂肪細胞又は化合物または組成物が投与されていない被験者の脂肪細胞と比べて、化合物または組成物と接触させた脂肪細胞において又は化合物または組成物が投与された被験者の脂肪細胞において脂肪(例えば、トリアシルグリセリド)の蓄積が予防される(prevents)、遅延される(delays)、遅くする(slows)、又は減少される(reduces)。幾つかの態様において、化合物または組成物の「有効量」によって、化合物または組成物と接触されない又は化合物または組成物が投与されない被験者の前脂肪細胞と比べて、化合物または組成物と接触させた前脂肪細胞の脂肪細胞への進行(progression)又は化合物または組成物が投与された被験者の前脂肪細胞の脂肪細胞への進行が予防される、遅延される、遅くされる、又は遅れる(retards)。幾つかの態様において、化合物または組成物の「有効量」によって、化合物または組成物が投与されない被験者と比べて、化合物または組成物が投与された被験者のリバウンドの重量増加が予防される、遅延される、遅くされる、又は遅れる。
【0044】
天然の供給源から取得できる化合物または組成物に関連して使用される場合、「単離された(isolated)」の用語は、その天然の供給源からの一以上の成分から分離された化合物または組成物を意味する。天然の供給源は、真菌, 植物または動物または天然および真菌, 植物または動物によって産生された未変化の産物であってもよく、これには血液, サイトゾル, 葉, ミルク, 粘膜, ピール(peel), 血漿, 樹脂, 外皮(rind), 汁液(sap), 痰, 基部, 汗, 尿などが含まれる。従って、「単離された」化合物または組成物は、その濃度または純度がその天然の供給源のものよりも多くなるような形態で存在する。例えば、特定の態様において、「単離された」化合物または組成物は、天然の供給源からの化合物または組成物を精製すること又は部分的に精製することによって取得できる。幾つかの態様において、「単離された」化合物または組成物は、合成の, 生合成の又は半合成の有機化学反応混合物においてインビトロで取得される。
【0045】
本明細書中に使用される「管理する(manage)」、「管理すること」、および「管理」の用語は、被験者に本発明の方法を実施する場合に被験者にもたらされる有益な効果を意味する。特定の態様において、被験者は、組成物が投与されない被験者と比べて、被験者の脂肪細胞の脂肪の蓄積を、予防する、遅延させる、遅らせる、又は減少させるように、脂肪蓄積を「管理する」ために本明細書に記載の組成物が投与される。幾つかの態様において、被験者は、組成物が投与されない被験者と比較して、被験者の脂肪生成を、予防する、遅延させる、遅らせる、又は減少させるように、脂肪蓄積を「管理する」ために本明細書に記載の組成物が投与される。
【0046】
他に断らない限り、「ポリメトキシル化フラボン(polymethoxylated flavone)」または「PMF」の用語は、以下の式を有している化合物を意味する:
【化1】

式中で式中の少なくとも一つの炭素、好ましくは二以上の炭素が、結合価が許す限り、-OCH3基(又は、前記式に記載されない、一以上の水素原子)に結合する。自由選択で、置換基(例えば、ヒドロキシル, ハロゲン化物, 単糖, または他の基)は、メトキシ基で置換されない一以上の炭素で置換されてもよい。例えば、「ヒドロキシル化PMF」は、メトキシ基で置換されない炭素に結合する一以上のヒドロキシル基を含むPMFである。
【0047】
「リバウンドの重量増加(Rebound weight gain)」は、被験者の体重が減るか又は被験者の重量が維持される期間に、被験者の運動療法、カロリー食(calorie diet)または薬(タバコを含む)投与の制限による休止(cessation)または減少に引き続いて生じる被験者の体脂肪の増加である。典型的には、「リバウンドの重量増加」は、被験者による運動および/またはカロリー食または薬(タバコを含む)の投与の制限の休止または減少の後に、日、週(より典型的には、月、年)の期間で生じえる。
【0048】
「溶媒和物(Solvate)」は、さらに非共有結合性の分子間による化学量論的または非化学量論的な量の溶媒結合を含む化合物(例えば、PMF)を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0049】
本明細書中に使用される「被験者(subject)」の用語は、哺乳類(例えば、マウス, ラット, モルモット, ウサギ, 雌ウシ, ブタ, ウマ, ロバ, ヤギ, ヒツジ, ラクダ, ネコ, イヌ), より好ましくは霊長類 (例えば、サル, 無尾類のサル, ゴリラ, チンパンジー), および最も好ましくはヒトを意味することができる。
【0050】
7. 詳細な説明
脂肪細胞の主な機能は、過剰なエネルギーが利用可能な場合な間のトリアシルグリセリドまたは脂肪の貯蔵である。以下の例で説明される記載される結果で支持されたとおり、例えば、ポリメトキシル化フラボン(PMF)分画(が濃縮された)を含んでいる組成物は、被験者における脂肪蓄積を管理するために効果的である。そして、特に、何らかの特定の理論または機構に限定されることなく、例に記載の結果は、PMF含有組成物が脂肪生成を遅延または予防し、脂肪細胞への脂肪蓄積を減少または予防できることを指摘している。PMF分画を含んでいる組成物を用いる方法は、7.1に記載される。PMF含有組成物及びそれを調製するための方法は、7.2に記載される。
【0051】
7.1. PMF含有組成物を使用する方法
一側面において、本発明は、脂肪の蓄積を管理する方法を提供する。特定の態様において、本発明は、脂肪細胞における脂肪の蓄積を管理するために提供される。幾つかの態様において、脂肪細胞は、被験者(好ましくは、哺乳類, より好ましくはヒト)に存在する。幾つかの態様において、本発明の方法は、被験者にポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる有効量の組成物を投与して、被験者の脂肪細胞における脂肪蓄積を管理する方法を提供する。
【0052】
特定の態様において、本発明の方法は、過体重または肥満のヒト被験者における脂肪蓄積を管理するために提供される。幾つかの態様において、前記ヒトは、望まれない重量増加の病歴を有しており、本明細書に記載される脂肪蓄積を管理するための方法での治療の非存在下で過体重または肥満となる傾向がある。
【0053】
特定の態様において、本発明は、被験者における脂肪蓄積を管理する方法であって、脂肪生成が管理され、予防され、遅延され、遅れる、または減少される方法を提供する。
【0054】
幾つかの態様において、本発明は、被験者における脂肪蓄積を管理する方法であって、成熟した脂肪細胞における脂肪の蓄積が管理され、予防され、遅延され、遅れる、または減少される方法を提供する。
【0055】
特定の態様において、脂肪蓄積を管理する本発明の方法は、重量を減らす必要がある被験者又は体重を維持する必要がある被験者に対する。
【0056】
重量を減らす必要があるヒト被験者は、典型的には正常をこえる肥満度指数(BMI)を有する(即ち、>25)。幾つかの態様において、ヒトの被験者は、>30のBMIを有する(即ち、肥満の被験者)。
【0057】
一側面において、本発明は、被験者の重量増加のリバウンドを管理するための方法を提供し、該方法は被験者にPMF分画を含んでいる有効量の組成物を投与して、被験者におけるリバウンドの重量増加を管理することを備える。
【0058】
特定の態様において、本発明は、被験者の運動療法、カロリー食、または薬(タバコを含む)投与の制限による休止または減少に引き続く被験者の重量増加のリバウンドを管理する方法を提供する。
【0059】
一側面において、本発明は、被験者の重量を減らす、重量を管理する、または重量増加を予防する方法を提供し、該方法は被験者に有効量の少なくとも約 40%(w/w)(乾燥重量) 〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える。
【0060】
特定の態様において、前記組成物は、少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。
【0061】
一側面において、方法は、被験者の除脂肪体または筋肉の質量(lean body or muscle mass)を増加させるために提供され、該方法は被験者に被験者の脂肪蓄積を減少させる有効量の組成物〔ここで、前記組成物は、少なくとも約 40%(w/w) (乾燥重量) 〜約 75%(w/w) (乾燥重量)のポリメトキシル化 フラボン (PMF) 分画を含む〕を投与して、被験者の除脂肪体または筋肉の質量を増加させることを備える。特定の態様において、前記組成物は、少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。
【0062】
別の側面において、方法は、被験者のウエスト囲(waist circumference)を減少させる方法を提供し、該方法は被験者に有効量の少なくとも約 40%(w/w)(乾燥重量) 〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える。特定の態様において、前記組成物は、少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。
【0063】
一側面において、本発明は、被験者の代謝率(metabolic rate)を増加させる方法を提供し、該方法は被験者に有効量の少なくとも約 40%(w/w)(乾燥重量) 〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える。特定の態様において、前記組成物は、少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。
【0064】
別の側面において、本発明は、脂肪細胞における脂肪蓄積を予防する方法を提供し、該方法は脂肪細胞を、PMF分画を含んでいる組成物と接触させることを備える。
【0065】
7.2. PMF含有組成物及びそれを調製するための方法
本発明の組成物は、典型的にはPMF分画および非PMF分画を含む。特定の態様において、PMF分画は、一以上のPMFsを含む。
【0066】
特定の態様において、PMFsは単離されえる。例えば、本発明の方法に使用する組成物に封入するために天然の供給源から抽出される。幾つかの態様において、組成物は、PMF分画を含んでいる天然の供給源から抽出される。幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、コールドプレスしたオレンジピール油固形物からの抽出物を含む。好ましくは、インスタント法に使用する組成物は、オレンジのバレンシアおよびハムリン品種からの抽出物を含む。
【0067】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、PMFsの混合物を含む(ここで、組成物中のPMFの濃度は、PMFの天然の供給源のものと異なる)。
【0068】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、PMF分画を含む(ここで、前記分画中の一つのPMFと前記分画中の別のPMFの比は、PMFsの天然の供給源のものと異なる)。
【0069】
特定の態様において、PMFsは本発明の方法に使用する組成物に封入するために合成して取得できる。PMFsは、制限なく任意の合成または半合成の技術を用いて合成できる。フラボンの一般的な合成スキームは、例えば、CushmanおよびNagarathnam(Cushman and Nagarathnam (1990) Tetrahedron Letters 31: 6497-6500)に認められる。
【0070】
一般に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、PMFsを精製する若しくは部分的に精製するための調製用の技術または天然の供給源若しくは合成の反応混合物から由来する混合物中のPMFsを同定するための分析用の技術として有用であろう。例えば、4.6 mm i.d., x 25 cm長の寸法のシリカゲルHPLCカラム(MacMod Analytical Co., Chadds Ford, PA)を、10%から90%のクロロホルム(ヘキサン中)の溶媒勾配(20分間)+90%クロロホルムで維持している付加的な20分間の実行時間を用いて、オレンジピール抽出物中のPMFsを分離した。分子量によるPMFsの同定を、大気圧化学イオン化質量分析(Atmospheric Pressure Chemical Ionization mass spectrometry)を用いて行った。
【0071】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。特定の態様において、前記組成物は、約 40%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む。幾つかの態様において、PMF分画は、約0.5%(w/w) 〜約5%(w/w), 約l%(w/w) 〜約10%(w/w), 約10%(w/w) 〜約20%(w/w), 約20%(w/w) 〜約30%(w/w), 約30%(w/w) 〜約40%(w/w), 約40%(w/w) 〜約50%(w/w), 約50%(w/w) 〜約60%(w/w), 約60%(w/w) 〜約70%(w/w), 約70%(w/w) 〜約80%(w/w), または約80%(w/w) 〜約98%(w/w)の範囲である。
【0072】
PMF分画が一つのPMFを具備できること又は二以上のPMFを具備できることが理解される。
【0073】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物中のPMF分画は、少なくとも一つの以下のものを含む:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0074】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物中のPMF分画は、以下のものからなる群から選択される少なくとも二, 少なくとも三, 少なくとも四, 少なくとも五, 少なくとも六, 少なくとも七, 少なくとも八, 少なくとも九, 少なくとも十, 少なくとも十一, 少なくとも十二, 少なくとも十三, または全てのPMFsを含む:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0075】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、一以上のPMFsからなる。
【0076】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、一以上のPMFsから本質的になる。
【0077】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物のPMF分画は、以下のものからなる群から選択される一以上のPMFsからなる:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0078】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、ヒドロキシル化ポリメトキシル化フラボンを含む。
【0079】
幾つかの態様において、前記組成物は、少なくとも一つの以下のものを含む:
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0080】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、ペンタメトキシフラボン, ヘキサメトキシフラボン, ヘプタメトキシフラボン, またはオクタメトキシフラボンを含む。
【0081】
幾つかの態様において、前記組成物は、少なくとも一つの以下のものを含む:
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0082】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、一以上のヒドロキシル化PMFsを含む。幾つかの態様において、本発明の方法に使用する組成物は、PMF分画および一以上の非PMF含有分画を含む(ここで、前記PMF分画は、一以上のヒドロキシル化PMFsから本質的になる)。
【0083】
幾つかの態様において、本発明で提供される方法に使用するための組成物または組成物のPMF分画は、以下のものからなる群から選択される一つのヒドロキシル化PMFまたは少なくとも二, 少なくとも三, 少なくとも四, 少なくとも五, 少なくとも六以上のヒドロキシル化PMFsから本質的になる:
3-ヒドロキシ-5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
3-ヒドロキシ- 5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン;
3-ヒドロキシ-5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,7,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4',5'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,4'-トリメトキシフラボン;
5,3'-ジヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
3'-ヒドロキシ-5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
3'-ヒドロキシ-5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン;
3',4'-ジヒドロキシ-5,6,7,8-テトラメトキシフラボン;および
4'-ヒドロキシ-5,6,7,8,3'-ペンタメトキシフラボン。
【0084】
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、検出可能な量のリミノイド(liminoid)を含まない。幾つかの態様において、前記組成物は、検出可能な濃度のリモニンまたはノマリン(nomalin)ではない。
【0085】
7.2.1. ニュートラシューティカル製剤
特定の態様において、本発明の方法に使用する組成物は、ニュートラシューティカル組成物であってもよい。本明細書中に使用される「ニュートラシューティカル組成物(nutraceutical composition)」の用語は、食品, 食品添加物, 栄養補助食品, 医学的な食品または特殊な食事の使用およびPMF分画のための食品を含んでいる組成物を意味する。
【0086】
幾つかの態様において、本発明のニュートラシューティカル組成物は、典型的には一以上の消費可能なビヒクル, 担体, 賦形剤, または充填剤を含む。「消費可能な(consumable)」の用語は、動物(特にヒトによって)によって消費されるために、一般的に適切であるか又は連邦または州政府の管理機関に承認されたことを意味する。
【0087】
本明細書中に使用される「食品および食物」は、加工、半加工または生でヒトを含む動物に消費される任意の物質を意味するが、化粧品、タバコ、または医薬品のみに使用される物質を含まない。
【0088】
本明細書中に使用される「栄養補助食品(dietary supplement)」の用語は、食餌に添加される製品(タバコ以外)を意味する。典型的には、栄養補助食品は、栄養補助食品と表示される製品であり、従来の食物として又は食事もしくは食餌の単独のアイテムとして使用することを提示されない。栄養補助食品は、典型的には一以上の次の食餌の構成成分を含みえる: ビタミン; ミネラル; ハーブまたは他の植物学的なもの; アミノ 酸; 全体の食事摂取量を増加させて食餌に添加するための人間に使用される栄養補助食品; または濃縮物, 代謝産物, 成分, 抽出物, または任意の構成成分の組み合わせ。栄養補助食品は、食物の加工, 製造, 調製, または送達の間に又はその消費の直前に食物に導入される食品添加物とは異なり、任意の食物と独立して被験者に消費されえる。
【0089】
本明細書中に使用される「医学的な食品(medical food)」の用語は、医師の監督下で消費される又は経腸的に投与されるために処方される食品並びに科学的な原理の認識に基づく特有の栄養要求性が医学的な評価によって樹立された疾患または条件の特定の食事管理のために意図される食品を意味する。医学的な食品の例には、全ての他の摂取を置換するために使用される完全な栄養製品;下痢または嘔吐で失われた体液および電解質の置き換えに使用するための経口的な再水和溶液;完全な栄養源であることを意図していないが、特定の疾患の管理のために設計され、直接的又は暗示的な有効性に関連する必要性を有する特別に選択された成分を含有しているモジュラー栄養素製品(modular nutrient products);および代謝の先天的なエラーに対する食事管理への使用を意図した製品である単独の栄養製品が含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
本明細書中に使用される「特殊な食事の使用のための食品(food for special dietary use)」の用語は、次の少なくとも一つを目的とする又は使用することが提示される食品を意味する:つまり、疾患, 回復期, 妊娠, 催乳, 乳児期, 食品に対するアレルギー性の過感受性, 低体重, 過体重, またはナトリウム摂取の制御の必要性を含むが、これらに限定されないものを含む物理的な, 生理学的な, 病理学的な, または他の条件が原因で存在する特殊な食事上の要求に供給すること;全体の食事摂取量を増加させて食餌に添加するための人間に使用されるビタミン, ミネラル, または他の構成成分を供給すること;および食事の単独のアイテムとして使用するための食品であるとの理由で特殊な食事上の要求性を供給することである。
【0091】
また、本発明の方法に使用するニュートラシューティカル組成物は、付加的な健康上の又は医薬としての利点を提供する一以上の他の構成成分を含みえる。
【0092】
幾つかの態様において、本発明の方法に使用するニュートラシューティカル組成物は、PMF分画および一以上の「一般的に安全と見なされる」(「GRAS;Generally Regarded As Safe」)物質を含む。多くのGRAS物質が知られており、これらは合衆国健康機関(United States public health authority, 21 CFR 73, 74, 75, 172, 173, 182, 184 または186)の規則の様々なセクションに記載されており、その記載は参照によってその全体が本明細書中に援用される。
【0093】
特定の態様において、「医学的な食品」、「特殊な食事の使用のための食品」、「栄養補助食品」、または「食品添加物(food additive)」の用語は、米国食品医薬品庁を含む合衆国の連邦政府または州政府の監督機関によって規定された用語の意味で使用される。
【0094】
特定の態様において、本発明の方法に使用するニュートラシューティカル組成物は、約 0.001%〜約 90重量%のPMF分画を含む。同様に想定される他の量の組み合わせは、約0.0075%〜約75%, 約0.005%〜約50%, 約0.01%〜約35%, 0.1%〜約20%, 0.1%〜約15%, 1%〜約10%, および2%〜約7%重量のPMF分画である。
【0095】
7.2.2. 薬学的製剤
特定の態様において、本発明に使用するための一以上のPMFsおよび一以上の生理的に許容される担体または賦形剤を含んでいる薬学的組成物を、従来の様式で製剤化しえる。従って、一以上の生理的に許容される担体または賦形剤および一以上のPMFs及びその生理的に許容される塩および溶媒和物の組み合わせは、吸入またはガス注入(口または鼻部を介した), 経口投与, 頬投与, 非経口投与, 直腸投与, または経皮投与による投与のために製剤化しえる。
【0096】
経口投与に関して、薬学的組成物は、例えば、薬学的に許容される賦形剤で従来の手段で調製される錠剤またはカプセル、例えば、結合剤{例えば、プレゼラチン化トウモロコシデンプン, ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース); 充填剤(例えば、ラクトース, 微結晶性のセルロースまたはリン酸水素カルシウム); lubricants (例えば、マグネシウムステアラート, 滑石またはシリカ); 崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)の形態であってもよい。錠剤は、当該技術分野において周知の方法によってコートしてもよい。経口投与のための液体調製物は、例えば、液剤, シロップ, または懸濁剤の形態であってもよい。或いは、それらを、使用前に水または他の適切なビヒクルで構成するための乾燥製品としてもよい。係る液体調製物は、薬学的に許容される添加物、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ, セルロース誘導体または食用硬化脂肪); 乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア); 非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油, 油性エステル, エチルアルコール または分画化野菜油); および保存剤(例えば、メチルまたはプロピル-p-ヒドロキシベンゾアートまたはソルビン酸)で従来の手段によって調製されてもよい。また、調製物は、必要に応じて、緩衝塩, 矯味剤, 発色剤および甘味剤を含んでもよい。
【0097】
経口投与のための調製物は、一以上のPMFsの制御放出を付与するために適切に製剤化されえる。
【0098】
口腔内投与に対して、組成物は、従来の様式で錠剤またはロゼンジの形態に製剤化されてもよい。
【0099】
吸入による投与に対して、本発明による使用のための薬学的組成物は、適切な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガス)を使用することによって、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で送達しえる。加圧されたエアロゾルの場合、投与量単位(dosage unit)は、一定量を送達するためのバルブを提供することによって決定されてもよい。吸入器(inhaler)または注入器(insufflator)に使用するためのゼラチンなどのカプセルまたはカートリッジを、一以上のPMFsおよび適切な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプン)の粉末混合物を含有するよう製剤化してもよい。
【0100】
薬学的組成物は、大量瞬時投与または連続的な輸液などの注射による非経口投与のために製剤化されてもよい。注射のための製剤は、保存剤が添加されたアンプルまたは複数用量(multi-dose)の容器中などの単位用量形態で存在させてもよい。組成物は、油性または水性のビヒクル中に懸濁剤、液剤またはエマルジョン剤の形態であってもよい、また、懸濁剤、安定化剤および/または分散化剤などの製剤化剤を含んでもよい。或いは、活性な成分は、使用前に、滅菌したパイロジェンが存在しない水などの適切なビヒクルで構成するための粉末形態であってもよい。
【0101】
また、薬学的組成物は、直腸の組成物に製剤化されてもよい〔例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤の基剤を含んでいる坐剤または保持性浣腸剤〕。
【0102】
本発明の方法に使用する組成物は、経皮的な又は局所的な投与のために製剤化されてもよい。例えば、本発明の経皮的な又は局所的な剤形には、眼の溶液剤, スプレー, エアロゾル, クリーム, ローション, 軟膏, ゲル, 溶液剤, エマルジョン剤, 懸濁剤、または当業者に周知の他の形態が含まれるが、これらに限定されない。例えば、文献〔Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed., Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia (2005); Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 8th ed., Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia (2004)〕を参照されたい。経皮的な剤形には、「リザーバ型(reservoir type)」またはマトリックス型「(matrix type)」が含まれ、これらは皮膚に適用され、所望の量の活性な構成成分の浸透を認容する特定の期間で身体に貼り付けることができる。
【0103】
以前に記載した製剤に加えて、薬学的組成物は、持効性調製物(depot preparation)として製剤化されてもよい。このような長時間作用する製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)によって又は筋肉内注射によって投与しえる。従って、例えば、複合体は、適切な重合性又は疎水性の材料(例えば、認容された油中のエマルジョン剤)またはイオン交換レジン, 又はやや溶けにくい誘導体(例えば、やや溶けにくい塩)で製剤化されえる。
【0104】
必要に応じて、薬学的組成物は、一以上の活性成分を含んでいる単位剤形を含みえるパックまたはディスペンサーに存在させてもよい。パックは、例えば、金属またはプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)を含みえる。パックまたはディスペンサー装置は、投与の説明書を添付されてもよい。
【0105】
7.3. PMF含有組成物の投与
本発明の方法の被験者に投与される組成物の量(同様に投与の頻度)は、被験者の年齢, 体重, 応答および過去の病歴などで変動する。有効な用量は、インビトロまたは動物モデルの検査系からの用量反応曲線から外挿しえる。
【0106】
一般に、本発明の方法に使用される組成物の活性成分(即ち、一以上のPMFs)は、被験者に約0.001 μg/kg, 約0.005 μg/kg, 約0.01 μg/kg, 約0.05 μg/kg, 約0.1 μg/kg, 約0.5 μg/kg, 約1 μg/kg, 約5 μg/kg, 約10 μg/kg, 約50 μg/kg, 約100 μg/kg, 約500 μg/kg, 約1 mg/kg, 約5 mg/kg, 約10 mg/kg, 約25 mg/kg, 約50 mg/kg または約75 mg/kgの量で投与される〔ここで単位はマイクログラム(μg)の活性成分/被験者体重(kg)を意味する〕。
【0107】
特定の態様において、組成物が本発明の方法で被験者(好ましくは、ヒト)に投与される場合、投与される組成物中のPMF分画の量は、約0.05 mg, 約0.1 mg, 約0.5 mg, 約1.0 mg, 約5 mg, 約10 mg, 約15 mg, 約20 mg, 約25 mg, 約30 mg, 約35 mg, 約40 mg, または約50 mgから約75 mg, 約100 mg, 約200 mg, 約250 mg, 約300 mg, 約400 mg, 約500 mg, 約600 mg, 約700 mg, 約750 mg, 約800 mg, 約900 mg, 約1 g, 約2 g, 約3 g, または約5 g/日の範囲である。幾つかの態様において、投与された組成物中のPMF分画の量は、約 50 mg 〜約 2 g/日の間である。
【0108】
特定の態様において、本発明は、被験者における脂肪蓄積を十分に管理する投与計画で、被験者における脂肪蓄積を管理する方法を提供する。幾つかの態様において、本発明の組成物は、一日に一回、二回、又はそれ以上の回数を投与されてもよい。
【0109】
特定の態様において、本発明の組成物は、二, 三又はそれ以上の日数から約七日, 約二週, 約三週, 約四週, 約三十日, 約五週または約六週, 約7-12週または約一年または被験者の生涯で連続的に投与できる。
【0110】
特定の態様において、本発明の組成物は、二日に一回, 三日に一回, 四日に一回, 五日に一回又は毎週一回を一週〜約八週の期間で被験者に投与できる。
【0111】
幾つかの態様において、本発明の組成物は、例えば、被験者が炭水化物または脂肪の含有量が高い食品を経口摂取する(又は意図する)場合に投与できる。
【0112】
PMF含有組成物は、被験者の循環系におけるPMF分画のバイオアベイラビリティーを保証する任意の適切な経路で投与できる。任意の有効量のPMF含有組成物を提供する投与の経路を使用できる。特に、投与の経路は、上記のニュートラシューティカルまたは薬学的な組成物などの製剤のタイプにより指摘される。
【0113】
幾つかの態様において、本発明の方法で投与される組成物は、頬, 鼻, 経口, 非経口, 直腸, 舌下, 局所的または経皮的な経路を介して投与される。
【0114】
7.4. 組み合わせ方法
別の側面において、本発明は、被験者における脂肪蓄積を管理するための方法を提供し、該方法は被験者に脂肪蓄積を管理するために有効な一以上のPMFsおよび第二の薬剤(PMF含有組成物ではない)を含んでいる組成物を投与することを備える。特定の態様において、第二の薬剤は、除脂肪筋肉質量(lean muscle mass)の発達を促進する。脂肪蓄積の管理または除脂肪筋肉質量の発達に有効な薬剤(PMF含有組成物ではない)は、当該技術分野において既知であり、制限なくコレウスォルスコリ(coleus forskohlii)の抽出物, イチョウ(ginko biloba )の葉の抽出物, glalangalの根茎の抽出物, グルコサミン, ブドウ種子の抽出物, 緑茶抽出物, マンガンアルギネート, メチオニン, パントテン酸, バナジウムなどを含む。
【0115】
特定の態様において、本発明の方法と組み合わせて投与される第二の薬剤(PMF含有組成物ではない)は、ジンゲロール, ECGC(エピガロカテキン没食子酸塩), 紅茶抽出物, セロリ種子抽出物, ガルシノール(garcinol), サンザシ果実抽出物, イタドリ根の抽出物, またはシトリンである。
【0116】
幾つかの態様において、本発明の方法と組み合わせて投与される第二の薬剤(PMF含有組成物ではない)は、発熱性の薬剤(例えば、ECGC), 満腹の促進因子(例えば、線維), 脂肪の吸収障害(例えば、キトサン), 除脂肪体重の促進因子(例えば、抱合型リノール酸またはCLA), または脂肪阻止因子(adipose prevention agent)である。
【0117】
特定の態様において、PMF含有組成物および第二の薬剤(PMF含有組成物ではない)は、被験者に同時に投与される。
【0118】
幾つかの態様において、PMF含有組成物および第二の薬剤(PMF含有組成物ではない)は、被験者に連続的に投与される。
【0119】
特定の態様において、PMF含有組成物は、体脂肪を除去するための手術の後の被験者の重量増加を予防するために投与される。体脂肪を除去するための手術には、脂肪吸引などが含まれる。
【0120】
7.5. 生物学的アッセイ
組成物の側面(本発明の方法に使用する薬学的およびニュートラシューティカル組成物を含む)は、ヒトで使用する前に所望の活性に関して、インビトロ、細胞培養系、および/または動物モデル(例えば、げっ歯類の動物モデル系)でルーチン的に試験できる。例えば、アッセイには、組織サンプルが培養で成育し、PMF含有組成物に暴露されるか又は接触される細胞培養アッセイが含まれ、組織サンプルにおける係る組成物の効果が観察される。典型的には、前脂肪細胞, 成熟脂肪細胞または脂肪細胞様細胞(例えば、3T3-L1細胞)を、係るアッセイに使用できる。
【0121】
本発明の方法に使用する組成物を、以下の例で例示されるように、遺伝子産物(例えば、細胞タンパク質またはRNA)の発現および/または活性化を阻害または誘発する能力に関してアッセイできる。脂肪生成に必要な遺伝子発現の時間パターン(少なくともある種の遺伝子)が知られているので、係る遺伝子の発現を阻害または誘発する能力に関して組成物をアッセイすることは、脂肪細胞における脂肪蓄積を予防する組成物の潜在性を評価するための適切な指標である。遺伝子産物の発現または活性化の阻害または誘導を、ELISAsフローサイトメトリー, ノーザンブロット分析, ウエスタンブロット分析, RT-PCRキナーゼアッセイおよび電気泳動的な移動度の変化のアッセイなどの当業者に既知の技術によってアッセイできる。
【0122】
本発明の方法に使用するPMF含有組成物の毒性および/または有効性を、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物において標準的な処置で決定できる。毒性および/または治療上の効果の間の用量比は、治療指数であり、LD50/ED50比として表すことができる。大きい治療上の指数を示すPMF含有組成物が好適である。
【0123】
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータを、ヒトに使用するためのPMF含有組成物の投与量の範囲を製剤化に使用できる。係る組成物の投与量は、好ましくは毒性が僅かであるか又は毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、使用した剤形および利用した投与の経路に依存して、この範囲内で変動しえる。本発明の方法に使用する任意の組成物に関して、治療上の有効量は、最初に細胞培養アッセイから評価できる。用量は、細胞培養で決定されたIC50〔即ち、症状の半最大阻害(half-maximal inhibition)が達成される試験化合物の濃度〕が含まれる循環血漿中濃度の範囲を達成するための動物モデルで定式化されるだろう。このような情報を使用して、より正確にヒトにおける有用な用量が決定できる。血漿中のレベルを、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびラジオイムノアッセイ(RIA)で測定してもよい。予防的な又は治療上の組成物の薬物動態を、例えば、ピーク血漿レベル(Cmax), 曲線下面積(AUC, 組成物の血漿中濃度 対 時間をプロットすることで測定され、バイオアベイラビリティーを反映する), 化合物の半減期(t1/2), および最大濃度での時間などの計量パラメータで決定できる。
【0124】
8. 例
以下に、PMF含有組成物を調製する方法および係る組成物の抗脂肪細胞新生効果(anti-adipocyte neogenesis effect)を示している研究の結果を記載する。
【0125】
本明細書に記載した実験に使用された3T3-L1株化細胞は、ヒトにおける脂肪生成に関して当該技術分野で認められたモデルである。インビトロでコンフルエントの3T3-L1前脂肪細胞は、インシュリン, デキサメサゾン(DEX), およびメチルイソブチルキサンチン(MIX)の組合せで治療した際に分化できる。Student等〔Student et al. (198O) J. Biol. Chem. 255:4745-4750〕を参照されたい。この脂肪生成の反応混液(MIX、DEXおよびインシュリンを含有している)は、通常はMDIと略称される。遺伝子誘導が、前脂肪細胞が機能的な脂肪細胞へと分化するために必要とされる。
【0126】
8.1. PMF含有組成物の調製
オレンジの固形物(ピールを含む、オレンジジュース産業の副産物)を、オレンジのバレンシアおよびハムリン品種から取得した。コールドプレスしたオレンジピール油を、油をオレンジピールからプレスして圧搾し、油を遠心分離および脱蝋(冷却)し、ワックスを沈殿させることで清澄化して取得した。オレンジピール油は、約 0.4 %のPMF分画, 98%の軽い揮発性の分画および2%の残部を含有する。オレンジピール油を、減圧蒸留で約 30倍に濃縮し、超高度減圧蒸留(ultra high vacuum distillation)して、約50倍濃度の増加している揮発性物質回収(VR)を達成した。溶媒での抽出を利用しているVRでの分離法に続いて、抽出物の乾燥を行なって、粉末状のオレンジピール抽出物を生産した。オレンジピール抽出物は、約 70%(w/w)の抽出物, および非PMF分画を呈示しているPMF分画を有していた。典型的には、1 kgのコールドプレスした油によって、3 gの70%(w/w)オレンジピール抽出物が産生される。非PMF分画が、ワックス、不飽和脂肪酸、およびβシトステロールを含有することが見出された。リモニンは、非PMF分画中で検出されなかった。PMFsを、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および順相HPLCで分析した。
【0127】
典型的には、順相HPLCに関して、4.6 mm i.d. x 25 cm長の寸法のシリカゲルHPLCカラム(MacMod Analytical Co., Chadds Ford, PA)を、90%ヘキサン/10%クロロホルムの開始溶媒で利用した。分析を、10%から90%のクロロホルム勾配で20分間、別の20分間を90% クロロホルムで行なった。質量分析(MS)を、HPLCと共に行なって、個々のPMFsを同定した。大気圧化学イオン化MSを、分子量決定に使用した。標準を、柑橘類のフロリダ支部(Florida Department of Citrus, Lakeland, FL)から取得した。オレンジピール抽出物粉末は、メトキシル化フラボノイドの様々なアナログの混合物を含み、これには以下のものが含まれる:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【0128】
HPLC/MSを用いて、オレンジピール抽出物中のポリメトキシル化フラボンを同定した。標準のPMFsを、柑橘類のフロリダ支部(Florida Department of Citrus, Lakeland, FL)から取得した。
【0129】
以下の試験に使用する前に、抽出物を、DMSOで適切な濃度に希釈した。
【0130】
8.2. 細胞増殖/細胞毒性試験
70%PMF分画(「70%OPE」)を含んでいるPMF含有組成物を、上記7.1に記載のとおり調製した。PMF含有組成物の細胞増殖を阻害する及び/又は細胞毒性効果を有する能力を、生細胞の数を測定する比色アッセイで評価した。このアッセイにおいて、対照群と比べて、処理群で観察された細胞数の減少は、細胞増殖または細胞毒性の作用が減少したからである。
【0131】
細胞調製: 96ウェルプレートのウェルに、オレンジピール抽出物(20 μg/mL)またはDMSO(対照)の存在下で24時間成長させた5,000のマウス3T3-L1細胞を播種した。オレンジピール抽出物を、二つの異なるプレートでトリプリケート(triplicate)で試験した。抽出物の特異的な判定に使用するために培地および抽出物(細胞なし)を含有するウェルを含ませた(即ち、比色法におけるバックグラウンドの吸光度)。
【0132】
アッセイ: CELLTITER96(登録商標)AQUEOUS ONE SOLUTION細胞増殖アッセイ(Promega, Madison WI)を、製造者の指示のとおり行なった。手短に言えば、比色試薬を、培養ウェルに直接添加し、1〜4時間インキュベーションした。吸光度を、450nmで96ウェルプレートリーダーを用いて記録した。
【0133】
結果: 20 μg/mL オレンジピール抽出物で処理した培養物中の細胞の数は、対照で処理した培養物中の細胞の数の約74%であった。20 μg/mL未満の濃度で処理した培養物中での細胞増殖は、対照で処理したものと類似していた(図1)。100 μg/mL以上のオレンジピール抽出物の濃度は、細胞に毒性を呈した。
【0134】
8.3. 脂肪細胞遺伝子発現/細胞分化アッセイ
上記8.1で記載のとおり調製した70%OPEの脂肪細胞分化への効果を、細胞でリアルタイムPCRを用い、脂肪細胞の分化に付随することが知られている遺伝子マーカーの相対レベルをモニターすることでアッセイした。
【0135】
オイルレッドO染色: 細胞の顕微鏡検査を、細胞の脂質を優先的に染色するオイルレッドOで細胞を染色した後に行なった。要約すると、細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2X5洗浄し、0.5%オイルレッドO溶液(60%イソプロパノール)で15 min、室温で染色し、洗浄し、色素抽出緩衝剤で除去した。細胞を、光学顕微鏡(Nikon Corporation, Tokyo, Japan)で検査し、染色の程度を視覚的な評価で決定した。
【0136】
3T3-Ll細胞の処理: マウスの3T3-L1細胞(American Type Culture Collection, Manassas, VA)を、10% FBS, 100 U/ml ペニシリン, および100 g/mlのストレプトマイシンを含有しているDMEM(pH 7.4)中で加湿した5% CO2大気中で成長させた。分化の実験に関して、200,000〜250,000細胞を、2〜3日間6ウェルプレート中の成長培地で増殖させ、次にオレンジピール抽出物(20 μg/mL)またはDMSOの存在下で標準分化誘導因子(100 nM インシュリン, 1 μMデキサメサゾンおよび250 μMのMIX)で処理した。細胞を、0日(「成長の対照」)および2, 4 および 10日で集めた。
【0137】
遺伝子発現の検出: RNAを、採取した細胞から製造者の説明書にしたがってRNEASY MINIキット(Qiagen, Valencia CA)を用いて抽出した。cDNAを、1.5マイクログラムのRNAからTAQMAN REVERSE TRANSCRIPTIONキット(Applied Biosystems, Foster City CA)を用いて調製した。次に脂肪細胞の分化マーカー〔脂肪遺伝子(adipogenes)〕ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ(PPARγ), CCAAT/エンハンサー結合タンパク質α(CEBPα), adipoQ, ap2, HM-12, HM-21 およびガレクチン-12の発現レベルを決定するために、製造者の説明書にしたがってSYBR(登録商標)GREEN PCRコア試薬(Applied Biosystems)および適切なプライマーを7900HT配列検出系(Applied Biosystems)を用いたリアルタイムPCRにcDNAを使用した。取得されたデータを、SDS2.1ソフトウェアパッケージ(Applied Biosystems)を用いて分析した。特に、RNA発現の分析を、比較Ct(ΔΔCt)法にグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を標準として用いて行った。
【0138】
結果: 図2は、0日に分化因子で処理した対照細胞が10日で脂肪細胞へと分化した細胞で観察されたRNAレベルの変化を示している。これらの細胞を、試験抽出物で処理しなかった。試験(即ち、オレンジピール)抽出物で処理した細胞に関して、RNAレベルを、対応する日の対照細胞で観察されたRNAレベルと相対的なパーセント変化として計算した。例えば、図 3は、4および10日での試験抽出物に関するRNAレベルのパーセント変化を示している。
【0139】
図 3で指摘したとおり、オレンジピール抽出物は、一つを除いて全ての脂肪遺伝子の発現を4日で、全ての脂肪遺伝子の発現を10日で抑制している。視覚的な顕微鏡観察によって、これらの細胞における脂肪蓄積が対照細胞の全ての時間で非常に減少することが示された。
【0140】
追加の脂肪細胞の遺伝子発現/細胞分化アッセイを、オレンジピール抽出物で行って結果を確認した。
【0141】
8.4. HMGA2アッセイ
高移動度タンパク質A2(HMGA2)は、高脂肪食で誘導される前脂肪細胞に特異的な転写制御因子である(Anand and Chada (2000) Nat. Genet. 24:377-380)。HMGA2を欠損しているマウスは、正常マウスと比較して脂肪が5〜10%減少した。HMGA2発現を抑制する抽出物によって、脂肪組織の形成が減少された。
【0142】
マウスの3T3-L1細胞を、各ウェルに200,000細胞が播種された6ウェルプレートに播種し、PMF含有オレンジピール抽出物(20 μg/mL)またはDMSO(対照)の存在下で成長させた。処理の六時間後、細胞を収集し、RNA抽出を行い、上記8.3の「遺伝子発現の検出」に記載の処置を用いてHMGA2発現を決定した。データを、対照で処理した細胞に対して標準化した。図 4で指摘したとおり、オレンジピール抽出物は、対照細胞と比べて、処理細胞におけるHMGA2発現レベルの減少に効果を有していた。
【0143】
8.5. インビトロでの脂肪蓄積アッセイ
この例によって、脂肪細胞中の脂肪蓄積の阻害におけるPMF含有組成物の効果が実証された。
【0144】
40%PMF分画(「40%OPE」), 70%PMF分画(「70%OPE」)を含んでいる又は5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン)または5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン)の単離された化合物を含んでいるPMF含有組成物を、上記のとおりオレンジピール抽出物から調製した。
【0145】
脂肪細胞(3T3-L1細胞)を成長させ、上記8.3に記載のとおり標準の分化誘導因子で処理し、脂肪細胞の分化および脂肪細胞への脂肪の蓄積を様々な濃度のPMF含有組成物の非存在下または存在下で進行させた。オイルレッドO(脂肪を優先的に染色する)で染色した細胞の視覚的な顕微鏡観察を使用して脂肪蓄積を判定した。結果は表 1に示される(蓄積した脂肪に関して観察された染色強度は、最大の染色強度を示している「+++++」から最低の染色強度を示している「+」のスケール、および未決定の処理を示している「n.d.」で表される)。
【0146】
表1: 脂肪細胞における脂肪蓄積
【表1】

これらの結果によって、PMF含有組成物が脂肪細胞の発生および/または脂肪細胞における脂肪蓄積の阻害に効果的であることが実証された。
【0147】
8.6. インビボ試験
以下に記載される例によって、次の事項が実証された;その事項とは、動物の食餌にPMF含有組成物を導入することによって、重量増加の予防に及び重量減少の促進に効果的であり、除脂肪体重を失うことなく脂肪組織質量の減少を生じえることを実証した。この例で使用された雄性C57BL6/Jマウス(ヒトの食餌誘発性の肥満のモデル)が、ヒトと類似する様式で肥満、高血糖、および高インシュリン性となることが示された。例えば、文献〔Surwit et al. (1988) Diabetes 37: 1163-1167; Frederich et al. (1995) Nat. Med. 1:1311-1314; Parekh et al. (1998) Metabolism 47:1089-1896; El-Haschimi et al. (2000) J. Clin. Invest. 105:1827-1832; Lin et al. (2000) Int. J. Obes. Relat. Metab. Disord. 24:639-646〕を参照されたい。
【0148】
この例で使用されたPMF含有組成物は、上記で記載のとおり調製した70%のOPE組成物であった。
【0149】
マウスおよび食餌: 雄性のC57B1/6Jマウスを、Jackson Labsから三週齢で取得した。標準食に順化させた一週後、マウスを、4群にランダムに割り当てた(つまり、標準食, 標準食 + 70%OPE, 高脂肪食, 高脂肪食 + 70%OPE)。標準食マウスは、Research Diets D1245OB (10 kcal% fat) (Van Heek et al. (1997) J. Clin. Invest. 99: 385-90)を与えられた。高脂肪食マウスは、Research Diets D12451 (45 kcal% fat) (Van Heek et al. (1997) J. Clin. Invest. 99: 385-90)を与えられた。70%OPEを含有している食餌は、Research Dietsで製剤化され、それぞれ2gの70%OPE/1.055 kg標準食および2gの70%OPE/858g高脂肪食を含有させて、70%OPEの投与量をカロリー密度(caloric density)に適合(match)させる。マウスを、温度が調節された部屋のケージで三匹飼育し、14/10時間の明暗サイクル(light dark cycle)を維持した。マウスは、食物および水を自由に与えた。マウスを、毎週同じ時間に秤量し、摂食量/ケージをその時間に調べた。
【0150】
マウスは、最初の12 週に大きく体重が増加し、引き続く週に重量増加が減少する二相性のパターンの重量が増加した(Winzell and Ahren (2004) Diabetes 53 Suppl. 3:S215-S219)。従って、これらの実験は、処置群および無処置群の間の有意差を観察する確率を最大にするために、最初の高い重量増加相の間に行った。
【0151】
除脂肪体重の分析および%体脂肪: 除脂肪体重およびパーセント脂肪を、PIXImusデュアルエネルギーX線吸光光度法(DEXA;Dual Energy X-ray Absorptiometry)システム(GE Healthcare, Waukesha, WI)で各実験群からの5マウスに対して分析した。マウスを、食事療法の16または24週後に分析した。PIXImus分析に関して、各群からの5 マウスを、2.5g%のアベルチン(0.01マイクロリッター/グラム体重)のIP注射で麻酔し、分析を製造者の説明書どおりに行った。前記システムは、走査領域の組織での低および高エネルギーのX線の差次的な減弱に基づいている。エネルギーは、組織密度に比率して減弱し、この情報が検出器および組織の校正ファントム(calibration phantoms)と関連して付随するソフトウェアで使用され、身体組成が評価される。体脂肪量は、主に脂肪組織から構成される。除脂肪重は、主に骨格筋, 血液および骨から構成されるが、器官、腱、軟骨および体内水分からも構成される。
【0152】
食餌療法の後に、動物を、イソフルオラン吸入により麻酔した。動物を、頚椎脱離して屠殺し、鼠径部, 精巣上体, および腹膜後方(retroperitoneal)の脂肪体を摘出し、秤量した。腸間膜の脂肪貯蔵物のサンプルも採取した。秤量後に、RNAを、上記のとおり組織から抽出した。
【0153】
切り換えた食餌群からのマウスの骨組分析(Carcass analysis)を、製造者の説明書にしたがってBruker mini-spec TD NMR分析計(Bruker Optics, Billerica, MA)を用いて行った。
【0154】
結果: 12〜18のマウスの群を、単一群からの三匹のマウスをケージに配置し、ケージ中でマウスの食物消費を各週で計量することによって摂食量に関して試験した。マウスを、標準食(「SD」), 標準食に70%OPEを添加(「SD70%OPE」), 高脂肪食(「HFD」)または高脂肪食に70%OPEを添加(「HFD70%OPE」)した実験群に配置した。これらの食餌の製剤は、上記で記載されている。カロリー消費の分析によって、SD および SD70%OPE群の間にカロリー摂取の有意差は示されなかった(図 5)。従って、70%OPEは、それ自身の不味(unpalatability)または動物への副作用によって低食症を誘導していない。HFD および SD群の間で高いカロリー摂取に向かう傾向があったが、統計学的な有意性に達していなかった。以上、70%のOPEを標準食または高脂肪食へと付加することによって、有意な低食症(hypophagia)を生じなかった。
【0155】
図6に示されるように、SD および HFDの間の重量増加の有意差は、7週齢(p<0.05)および研究の継続過程で明らかとなった。HFD70%OPEマウスは、HFDマウスと比べて、5週齢(p<0.05)までで重量増加の有意な減少を示した(図 6)。この差は、カロリー摂取の減少が原因ではない(図 5)。これらの結果によって、PMF含有組成物が高脂肪食の被験者の重量増加を阻止できることが示された。
【0156】
HFD群と比較したHFD70%OPE群の重量増加の差を、HFD70%OPE群における重量増加の低下が体脂肪量の低下、除脂肪体重の低下に起因するかを決定するために調査した。動物のコホート(n=5 マウス/群)の体脂肪量を、PIXImusスキャナーを用いてデュアルX線吸光光度法(DEXA)によって決定した。各群に関して決定された体脂肪のパーセンテージを、図 7に示す。HFD群と比べて、HFD70%OPE群の体脂肪パーセントに有意な減少はなかった。SD群およびHFD70%OPE群の間の体脂肪パーセントに有意な減少はなかった。従って、70%OPEを高脂肪食に付加することによって、高脂肪食に起因しうる%体脂肪の増加が予防される。これらの結果は、PMF含有組成物が大部分は脂肪蓄積を予防することによって高脂肪食に起因しうる重量増加を予防することを示している。
【0157】
SD動物と比較して少量だが有意なSD70%OPE動物の%体脂肪の減少が観察されたが(図 7)、体重に有意差はなかった(図 6)。これらの結果は、PMF含有組成物が被験者の除脂肪体重の進展を促進する可能性と一貫している。
【0158】
個々の脂肪体における効果を評価するために、各群からの二個体の動物を屠殺し、彼等の鼠径部、精巣上体、および腹膜後方の脂肪体を摘出し、秤量し、差を評価した。結果を図8に示す。コホートのサイズは統計分析が得られるほど十分大きくないが、パターンはHFDマウスと比べてHFD70%OPEマウスの脂肪体の重量の大きな減少は明らかであり、HFDWG0201, SD, およびSD70%OPE群の間に僅かな差があり、体重およびPIXImus分析と一貫した結果であった。
【0159】
血糖パラメータ: 特定の環境下で脂肪の質量を増大できない被験者がII型糖尿病に進行することが示唆された。文献〔Danforth (2000) Nat. Genet. 26:13〕を参照されたい。しかしながら、以下に示す結果によって、PMF含有組成物を濃縮した食事を摂取した被験者が、糖尿病に進行する可能性が高いと思われないことが提供された。
【0160】
本明細書中に記載される例に使用されるマウスがII型糖尿病に進行する可能性を評価するために、HFD70%OPEを与えた動物の肝臓の総合的な検査を行った(これによって顕性のリポジストロフィのケースで予測されるだろう見かけ上の脂肪変性の増加はHFD動物と比較して示されなかった)。
【0161】
加えて、マウスの血糖の状態を、バイエルアセンシアグルコメーター(Bayer Ascencia glucometer)を用いた絶食時グルコースの測定およびバイエルDCA 2000+ HbA1c分析計(Bayer HealthCare, Tarrytown, NY)を用いた糖化ヘモグロビン(HbA1c)の測定で判定した。全ての分析は4 時間の絶食後に完了し、全サンプルを尾静脈から採取した。
【0162】
SD群およびHFD群の間で観察された絶食時グルコースに有意差はなかった(図 9A)。SD70%OPEおよびHFD70%OPE群の間の絶食時グルコースに有意差があった。HbA1cの糖化(glycation)を、測定した。というのも、血漿グルコースレベルは、動物の現在のグルコース状態のスナップショットを表すからである。全ヘモグロビンのパーセンテージとしての糖化ヘモグロビンの量は、事前の二ヶ月の平均血漿グルコース濃度と直接的に相関している。HbA1c分析に関して、HbA1cの有意な減少を有していた標準食プラス70%OPEを与えた動物以外の群間で有意差はなかった(図 9B)。この結果は、少なくとも標準食において、70%OPEが実際に長期の血糖の制御に改善を生じえることを示唆している。
【0163】
食餌の切り換え: 約 19 週齢で食餌の切り換えの影響を評価した(Bush et at. (2006) Endocrine 29:375-382)。標準食マウスを、標準食 + 70%OPEに切り換え、その逆も切り換えた。同様に、高脂肪食マウスを、高脂肪食 + 70%OPEに切り換え、その逆も切り換えた。この例において、マウスを、食餌を19 週の間で維持し、次の付加的な 8 週で異なる食餌を与えた。摂食量 および 体重の測定値を、上記の記載のとおり得た。
【0164】
SD および SD70%OPE群は、初期の19 週のコースをとおしてカロリー消費または重量増加が有意に異なっていなく、明らかな効果を有していなかった二群で食餌を切り換えた。しかしながら、HFDマウスをHFD70%OPEに切り換え、HFD70%OPEマウスをHFDに切り換えた場合に有意な変化が観察された。HFD70%OPEマウスのHFDへの切り換えは、マウスの重量増加の効果を有し、HFDマウスからは統計学的に識別不能である(図 10)。対照的に、HFDマウスのHFD70%OPEへの切り換え(HFDからHFD70%OPE)は、HFDから及びHFD70%OPEから有意な重量減少を生じた(図 10)。従って、これらのデータは、70%OPEが高脂肪食の消費の際に観察された重量増加を阻止できるだけでなく、彼等が連続して高脂肪食を消費している間でさえも高脂肪食を与えた動物での重量増加を逆転できることを示している。
【0165】
除脂肪体重および体脂肪パーセントを評価するためのPIXImus デュアルエネルギーX線吸光光度法(DEXA)システムを用いる上記の処置にしたがって、重量の変化が体脂肪量パーセントの変化と相関するかどうかを判定するために動物が分析される。HFD70%OPEマウスをHFDに切り換えることによって体脂肪パーセントの増加が示され、HFD動物をHFD70%OPEに切り換えることによって体脂肪パーセントの中等度の減少を示した(図 11)。
【0166】
動物からの個々の脂肪体の分析によって、HFDからHFD70%OPE群で見い出された全ての三つの脂肪体での減少およびHFD70%OPEからHFD群での全ての三つの脂肪体での増加が示され、PIXImus分析で見い出された結果が確認された(図 12)。
【0167】
以上より、データは、高脂肪食に関連してPMF濃縮組成物を含ませることによって、重量増加の有意な減少が生じることを示している。そのうえ、食餌誘発性の肥満において、PMF含有組成物が投与された成体動物は、重量の有意な減少が生じた。重量増加の阻止および重量減少の促進の両方は、除脂肪体重を失うことなく脂肪組織質量が減少することに基づく。重要なことに、体脂肪蓄積の減少は、糖尿病の明らかな徴候または血糖のコントロールの欠損を伴わない。PMF濃縮高脂肪食から非PMF濃縮高脂肪食へと切り換えたマウスが、非PMF濃縮高脂肪食におけるカウンターパートと類似して重量が増加することも認められ、重量の予防または損失におけるPMF含有組成物の効果が食餌からPMF含有組成物を除去することで逆転できることを指摘している。
【0168】
本明細書に引用された全ての参考文献は、各々の文献または特許または特許出願が個別的且つ具体的に、その全体が全ての目的に対して参照によって援用されると指摘されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に援用される。
【0169】
多くの本発明の修飾およびバリエーションを、本発明の精神および範囲から逸脱しない範囲でなしえることは当業者に明らかであろう。本明細書に記載される特定の態様は、例の様式でのみ提供され、本発明は添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定され、係る特許請求の範囲に付与された均等物の全体の範囲も伴っている。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】指摘した様々な濃度のDMSO(対照)または検査組成物で処理した細胞に関する比色法に基づく3T3-L1細胞増殖/細胞毒性アッセイで観察された平均吸光度を示している。これらの結果は、細胞増殖が約 20 μg/mLの検査組成物以上の濃度で阻害されることを示している。
【図2】検査組成物の非存在下で分化因子で処理した前脂肪細胞において0(「成長」), 2, 4 および10日での指摘した遺伝子のRNA発現レベルの観察を示している。
【図3】検査組成物で処理した細胞に関して、4および10日での対照細胞のレベル(図2を参照されたい)と比較した指摘した遺伝子のRNA発現レベルのパーセント変化を示している。
【図4】検査組成物で処理した細胞中のHMGA2発現レベルを示している。
【図5】標準食, 標準食+PMF含有組成物, 高脂肪食, または高脂肪食+PMF含有組成物でのマウスに関する食物消費(kcals)の週平均を示している。
【図6】標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を与えられたマウスの体重のパーセント増加を示している。
【図7】標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を与えられたマウスの体脂肪のパーセントを示している。
【図8】標準食(SD), PMF含有組成物を添加された標準食(SD70%OPE), 高脂肪食(HFD), およびPMF含有組成物を添加された高脂肪食(HFD70%OPE)を十六週与えられたマウスの個々の脂肪体の重量を示している。
【図9】様々な食事を与えた血糖(glycemic)の対照のマウスにおける結果を示している。絶食時のグルコースレベル(A)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)(B)を、四時間の絶食後にマウスで決定した。
【図10】高脂肪食から高脂肪食+70%OPEへの切り換え又はその逆の切り換えによるマウスでの重量増加のパーセントを示している。
【図11】切り換えた食餌を含む指摘の食餌でのマウスの体脂肪量のパーセンテージを示している。
【図12】切り換えた食餌を含む指摘した食餌でのマウスの個々の脂肪体の重量を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者における脂肪蓄積を管理する方法であって、前記被験者に有効量の少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を有しているオレンジピール抽出物を含んでいる組成物を投与することを備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記組成物は、少なくとも約 40%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む方法。
【請求項3】
被験者における脂肪蓄積を管理する方法であって、前記被験者に有効量のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画および非PMF分画を含んでいる組成物を投与することを備え、前記PMF分画が少なくとも一つの以下を具備する方法:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記被験者における一以上の脂肪細胞の脂肪蓄積が管理される方法。
【請求項5】
脂肪生成が減少する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
成熟した脂肪細胞における脂肪蓄積が減少する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
請求項3に記載の方法であって、前記組成物は、約 40%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、請求項1に記載の組成物は、前記被験者に経口投与される方法。
【請求項9】
前記組成物が乾燥形態である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が液体形態である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記被験者がヒトである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、約50 mg〜約2000 mgの化合物が、前記被験者に一日ごとに投与される方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記組成物は、一日に一回を3〜約 30日間投与される方法。
【請求項14】
請求項2に記載の方法であって、前記ポリメトキシル化フラボン(PMF)分画が以下のものからなる群から選択される少なくとも二つのPMFsを具備する方法:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項15】
請求項2に記載の方法であって、前記PMF分画が以下のものを具備する方法:
5, 6, 7, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5, 6, 7, 8, 4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5 -ヒドロキシ-7, 8, 3 ', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン;
5, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
3, 5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘプタメトキシフラボン;
5 -ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 6, 7, 4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン; および
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項16】
請求項2に記載の方法であって、前記PMF分画が以下のものからなる方法:
5, 6, 7, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5, 6, 7, 8, 4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5 -ヒドロキシ-7, 8, 3 ', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン;
5, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
3, 5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘプタメトキシフラボン;
5 -ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 6, 7, 4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン; および
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項17】
被験者におけるリバウンドの重量増加を管理する方法であって、前記被験者に有効量のPMF分画を含んでいる組成物を投与することを備え、前記PMF分画が少なくとも一つの以下を具備する方法:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン (タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5 -ヒドロキシ-7, 8 ,3 ',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;または
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記被験者が、カロリー食の制限から重量が減るヒトである方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、前記組成物は、約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のPMF分画を含む方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、前記PMF分画が以下のものからなる群から選択される少なくとも二つのPMFsを具備する方法:
5,6,7,3',4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);
5,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン);
5,6,7,8,4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン(オーラネチン);
5-ヒドロキシ-7,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7-ジヒドロキシ-6,8,3',4'-テトラメトキシフラボン;
5,7,8,3',4'-ペンタメトキシフラボン;
5,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
3,5,6,7,8,3',4'-ヘプタメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-3,6,7,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6,7,8,4'-テトラメトキシフラボン;
5,6,7,4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3,5,6,8,3',4'-ヘキサメトキシフラボン;および
7-ヒドロキシ-3,5,6,3',4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項21】
請求項17に記載の方法であって、前記PMF分画が以下のものを具備する方法:
5, 6, 7, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5, 6, 7, 8, 4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5 -ヒドロキシ-7, 8, 3 ', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン;
5, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
3, 5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘプタメトキシフラボン;
5 -ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 6, 7, 4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン; および
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項22】
請求項2に記載の方法であって、前記PMF分画が以下のものからなる方法:
5, 6, 7, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (シネンセチン);
5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン (ノビレチン);
5, 6, 7, 8, 4'-ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン);
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン (オーラネチン);
5 -ヒドロキシ-7, 8, 3 ', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 7, 8, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン;
5, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
3, 5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘプタメトキシフラボン;
5 -ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン;
5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;
5, 6, 7, 4'-テトラメトキシフラボン;
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4'-ヘキサメトキシフラボン; および
7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン。
【請求項23】
被験者の重量を減らす、重量を管理する、または重量増加を予防する方法であって、被験者に有効量の少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記組成物が、一日量を約一週〜約八週の期間で投与される方法。
【請求項25】
被験者の除脂肪体または筋肉の質量を増加させるための方法であって、被験者に被験者の脂肪蓄積を減少させる有効量の組成物を投与することを備え、前記組成物は少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含む方法。
【請求項26】
被験者のウエスト囲を減少させる方法であって、前記被験者に有効量の少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える方法。
【請求項27】
被験者の代謝率を増加させる方法であって、前記被験者に有効量の少なくとも約 30%(w/w)(乾燥重量)〜約 75%(w/w)(乾燥重量)のポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物を投与することを備える方法。
【請求項28】
脂肪細胞における脂肪蓄積を予防する方法であって、前記脂肪細胞を、ポリメトキシル化フラボン(PMF)分画を含んでいる組成物と接触させることを備える方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記接触がインビトロで生じる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−506057(P2009−506057A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528128(P2008−528128)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/032972
【国際公開番号】WO2007/024982
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508056213)ウェルゲン、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】