脈管形成インヒビターに対する応答性
本発明は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上の対立遺伝子バリアントの存在を決定することにより、ベバシズマブなどの脈管系性インヒビターを用いて治療して、悪性疾患または、生理学的および病理学的脈管形成に関連する疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関する。本発明はさらに、VEGFR-1遺伝子の1つ以上の対立遺伝子バリアントの存在を決定することにより、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターを用いて治療して、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成に関連する疾患に苦しむ患者の無進行生存を向上する方法を提供する。本発明はまた、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアントの存在を決定することにより、脈管形成インヒビターに対する患者の応答性を評価する方法も提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し、ベバシズマブなどの脈管形成(angiogenesis)インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関する。本発明はまた、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的な脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法にも関する。本発明はさらに、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定することにより、脈管形成インヒビターに対する患者の応答性を評価する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成は、良性疾患および癌発達などの悪性疾患に寄与し、特に癌においては、原発性腫瘍の増殖、侵入および転移に必要である。増殖するために、腫瘍は、脈管形成の切替えを行わなければならない。血管内皮増殖因子(VEGF)は、この脈管形成の切替えの誘導に必要である。VEGFおよびVEGF経路中の遺伝子は、癌進行の重要なメディエーターであると考えられている。VEGF遺伝子ファミリーは、VEGFAとも称されるVEGF遺伝子、胎盤増殖因子(PlGF)、VEGFB、VEGFC、VEGFDを含むVEGFのホモログ、VEGFR-1およびVEGFR-2(それぞれFLT1およびFLK1/KDRとも称される)を含むVEGF受容体、低酸素誘導因子HIF1α、HIF2αを含むVEGF誘導因子(inducer)、ならびに酸素センサーPHD1、PHD2およびPHD3を含む。
【0003】
癌細胞増殖および転移におけるこの経路の重要性は、癌治療における使用のための抗脈管形成剤の開発をもたらした。中でも、これらの治療は、ベバシズマブ、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブおよびバタラニブを含む。ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターを用いて得られた有意に伸びた生存にもかかわらず、患者は依然として癌で亡くなっている。さらに、全ての患者が脈管形成インヒビター療法に応答するわけではない。非応答性の根底にある機構は分からないままである。さらに、脈管形成インヒビター療法は、胃腸管穿孔、血栓症、出血、高血圧および蛋白尿などの副作用を伴う。
【0004】
したがって、どの患者が脈管形成インヒビター療法に特に良好に応答するかを決定する方法が必要である。
【0005】
そのため、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法を提供し、前記方法は、以下の:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0006】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0007】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0008】
本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 該患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0009】
本発明は、脈管形成インヒビターについての応答体(responder)または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法を提供し、前記方法は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在は脈管形成インヒビターに応答する患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0010】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターについての応答体または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;ならびに
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程
を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在は、脈管形成インヒビターに対する応答患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0011】
本明細書に開示される態様によると、本発明は、脈管形成インヒビターによる治療、特にベバシズマブによる治療から利益を受ける、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者または患者の群の同定の手段および方法を提供する。
【0012】
本発明において、VEGFR-1遺伝子の変化(variation)は、驚くべきことに、脈管形成インヒビターによる治療に対する全生存および/または無進行生存についてのマーカー/予測因子として同定された。用語「マーカー」および「予測因子(predictor)」は互換的に使用され得、遺伝子、特にVEGFR-1遺伝子(例えば、Ensembl ID ENSG00000102755参照)の特異的対立遺伝子バリアントのことをいう。変化またはマーカーは、単一ヌクレオチド多型(SNP)とも称され得る。
【0013】
好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインを包含する領域にある。特に、好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインをコードする領域にある。より好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域にある。さらにより好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のイントロンにある。さらにより好ましくは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9554320 (配列番号:4)および/またはrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される。最も好ましくは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9582036 (配列番号:2)および/またはrs9554316 (配列番号:1)からなる群、あるいはrs9554316 (配列番号:1)および/またはrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される。
【0014】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善する方法を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0015】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0016】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はrs9554316 (配列番号:1)、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0017】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0018】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌の患者(the patient renal cell cancer)がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0019】
本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターは、ベバシズマブであり得る。
【0020】
本明細書に記載されるSNPに加えて、本明細書に記載されるSNPに連鎖するSNPも本発明の範囲内である。連鎖不平衡は、本発明に関連して、D'>0.8を有すると定義される。対立遺伝子のペアワイズ組合せ間のこれらの不均衡(Dij)の推定値を決定するために、以下:Dij= hij - piqj(式中、hijは1位に対立遺伝子iおよび2位に対立遺伝子jを有する観察されたハプロタイプの頻度を表し、piおよびqjは両方の対立遺伝子の頻度を表す)の定義を使用した。連鎖不平衡係数D'ijは、その最大値によりD' = D/Dmaxとして標準化される。D < 0の場合、Dmax = - pqであり;D > 0の場合、Dmax = p (1- q)である。この定義にしたがって同定された連鎖するSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域中に位置し得るが、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域の上流または下流にも位置し得る。例えば、連鎖不平衡を定義するこの方法を使用すると、連鎖するSNPは、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)およびrs3794400 (配列番号:19)を含む。
【0021】
連鎖不平衡を決定する他の充分に許容される方法および/または関連する方法も、本明細書に開示されるSNPに連鎖するさらなるSNP、例えばSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)の決定に同様に適用され得ることを当業者は理解しよう。本発明に関連して、例えば相関係数r2をさらなる基準として使用した。対立遺伝子のペアワイズ組合せ間の相関の推定値を決定するために、以下の定義:D = h - p1q1 (式中、hは1位に対立遺伝子1および2位に対立遺伝子1を有する観察されたハプロタイプの頻度を表し、p1およびq1は両方の対立遺伝子の頻度である)を使用し得る。p2およびq2がそれぞれ(1-p1)および(1-q1)と定義される場合、遺伝子座の対間の相関係数は、
と定義され得る。
【0022】
したがって、この定義を使用すると、連鎖不平衡は、例えばrs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)について0.12以上(equal to larger that)のr2を有すると定義され得る。このr2値は、本発明の範囲内で記載される4つのSNP(配列番号:1〜4)間の連鎖不平衡の最低レベルを表し、脈管形成インヒビターを用いた治療に対する全生存および/または無進行生存についてのマーカー/予測因子として同定されるので、0.12以上であるr2の閾値を適用した。したがって、連鎖不平衡を定義するこの代替法を使用すると、連鎖するSNPは、上記で同定したもの(すなわち、配列番号:5〜19)に加えて、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)を含む。
【0023】
本明細書に記載される発明に関連して、本明細書に記載される連鎖するSNPは、単独で使用してもよく、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)との組合せ、あるいは本明細書に記載される方法およびまたは使用において本明細書に記載される他の連鎖するSNPとの組合せで使用してもよい。
【0024】
したがって、本発明は、該SNPに対応する位置でのヌクレオチドの置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含むVEGFR-1遺伝子の変化に関する。例えば、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9554320 (配列番号:4)および/またはrs9513070 (配列番号:3)について、該変化は、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)での51位での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含む。したがって、本発明のさらなる態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、またはrs9582036 (配列番号:2)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;および
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、またはrs9554320 (配列番号:4)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される。
【0025】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0026】
さらに、変化は、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)の1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含み得る。したがって、本発明のさらなる態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;ならびに
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される。
【0027】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0028】
本発明はまた、連鎖するSNP、ならびにVEGFR-1遺伝子から上流または下流の近位であり、かつポリ(A)特異的リボヌクレアーゼサブユニット遺伝子、Ensembl ID ENSG00000152520、(「PAN3遺伝子」)に位置するか、または遺伝子間DNA領域に位置する他の連鎖するSNPに対応する位置でのヌクレオチドの置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含むVEGFR-1遺伝子内の変化に関する。例えば、VEGFR-1遺伝子内の変化は、連鎖するSNP rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)、ならびにPAN3遺伝子中の変化に対応する連鎖するSNP、例えばrs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)およびrs9554311 (配列番号:44)を含むVEGFR-1の上流の変化、ならびに遺伝子間DNA領域中の変化に対応する連鎖するSNP、例えばrs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)およびrs17086497 (配列番号:51)を含む。したがって、該変化は、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)の51位での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含む。
【0029】
したがって、本発明の別の態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs17619037 (配列番号:5)に対応する配列、またはrs17619037 (配列番号:5)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17619037 (配列番号:5)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9579177 (配列番号:6)に対応する配列、またはrs9579177 (配列番号:6)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579177 (配列番号:6)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9579176 (配列番号:7)に対応する配列、またはrs9579176 (配列番号:7)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579176 (配列番号:7)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(d) rs9554319 (配列番号:8)に対応する配列、またはrs9554319 (配列番号:8)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554319 (配列番号:8)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(e) rs7996030 (配列番号:9)に対応する配列、またはrs7996030 (配列番号:9)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7996030 (配列番号:9)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(f) rs9513075 (配列番号:10)に対応する配列、またはrs9513075 (配列番号:10)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513075 (配列番号:10)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(g) rs7993418 (配列番号:11)に対応する配列、またはrs7993418 (配列番号:11)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7993418 (配列番号:11)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(h) rs9513071 (配列番号:12)に対応する配列、またはrs9513071 (配列番号:12)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513071 (配列番号:12)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(i) rs11620238 (配列番号:13)に対応する配列、またはrs11620238 (配列番号:13)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11620238 (配列番号:13)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(j) rs17618631 (配列番号:14)に対応する配列、またはrs17618631 (配列番号:14)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17618631 (配列番号:14)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(k) rs12429309 (配列番号:15)に対応する配列、またはrs12429309 (配列番号:15)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12429309 (配列番号:15)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(l) rs7982251 (配列番号:16)に対応する配列、またはrs7982251 (配列番号:16)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982251 (配列番号:16)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(m) rs9508016 (配列番号:17)に対応する配列、またはrs9508016 (配列番号:17)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508016 (配列番号:17)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(n) rs7982957 (配列番号:18)に対応する配列、またはrs7982957 (配列番号:18)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982957 (配列番号:18)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(o) rs3794400 (配列番号:19)に対応する配列、またはrs3794400 (配列番号:19)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 (配列番号:19)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(p) rs45455097 (配列番号:40)に対応する配列、またはrs45455097 (配列番号:40)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs45455097 (配列番号:40)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(q) rs1886233 (配列番号:41)に対応する配列、またはrs1886233 (配列番号:41)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1886233 (配列番号:41)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(r) rs9554309 (配列番号:42)に対応する配列、またはrs9554309 (配列番号:42)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554309 (配列番号:42)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(s) rs11619230 (配列番号:43)に対応する配列、またはrs11619230 (配列番号:43)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11619230 (配列番号:43)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(t) rs9554311 (配列番号:44)に対応する配列、またはrs9554311 (配列番号:44)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554311 (配列番号:44)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(u) rs4771233 (配列番号:45)に対応する配列、またはrs4771233 (配列番号:45)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs4771233 (配列番号:45)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(v) rs6491274 (配列番号:46)に対応する配列、またはrs6491274 (配列番号:46)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs6491274 (配列番号:46)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(w) rs7982639 (配列番号:47)に対応する配列、またはrs7982639 (配列番号:47)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982639 (配列番号:47)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(x) rs12877718 (配列番号:48)に対応する配列、またはrs12877718 (配列番号:48)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12877718 (配列番号:48)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(y) rs10507382 (配列番号:49)に対応する配列、またはrs10507382 (配列番号:49)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs10507382 (配列番号:49)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(z) rs57354941 (配列番号:50)に対応する配列、またはrs57354941 (配列番号:50)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs57354941 (配列番号:50)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(aa) rs17086497 (配列番号:51)に対応する配列、またはrs17086497 (配列番号:51)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17086497 (配列番号:51)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(bb) rs3794395 (配列番号:52)に対応する配列、またはrs3794395 (配列番号:52)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794395 (配列番号:52)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(cc) rs9554317 (配列番号:53)に対応する配列、またはrs9554317 (配列番号:53)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554317 (配列番号:53)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(dd) rs9513073 (配列番号:54)に対応する配列、またはrs9513073 (配列番号:54)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513073 (配列番号:54)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ee) rs9513074 (配列番号:55)に対応する配列、またはrs9513074 (配列番号:55)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513074 (配列番号:55)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ff) rs9508015 (配列番号:56)に対応する配列、またはrs9508015 (配列番号:56)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508015 (配列番号:56)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(gg) rs2011950 (配列番号:57)に対応する配列、またはrs2011950 (配列番号:57)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2011950 (配列番号:57)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(hh) rs9513110 (配列番号:58)に対応する配列、またはrs9513110 (配列番号:58)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513110 (配列番号:58)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ii) rs9513112 (配列番号:59)に対応する配列、またはrs9513112 (配列番号:59)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513112 (配列番号:59)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(jj) rs9513113 (配列番号:60)に対応する配列、またはrs9513113 (配列番号:60)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513113 (配列番号:60)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(kk) rs9551471 (配列番号:61)に対応する配列、またはrs9551471 (配列番号:61)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551471 (配列番号:61)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ll) rs2296285 (配列番号:62)に対応する配列、またはrs2296285 (配列番号:62)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2296285 (配列番号:62)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(mm) rs9513116 (配列番号:63)に対応する配列、またはrs9513116 (配列番号:63)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513116 (配列番号:63)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(nn) rs9551473 (配列番号:64)に対応する配列、またはrs9551473 (配列番号:64)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551473 (配列番号:64)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(oo) rs7330109 (配列番号:65)に対応する配列、またはrs7330109 (配列番号:65)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7330109 (配列番号:65)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(pp) rs9508037 (配列番号:66)に対応する配列、またはrs9508037 (配列番号:66)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508037 (配列番号:66)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(qq) rs1924981 (配列番号:67)に対応する配列、またはrs1924981 (配列番号:67)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1924981 (配列番号:67)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(rr) rs34140996 (配列番号:68)に対応する配列、またはrs34140996 (配列番号:68)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 rs34140996 (配列番号:68)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ss) rs7985584 (配列番号:69)に対応する配列、またはrs7985584 (配列番号:69)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7985584 (配列番号:69)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(tt) rs7992940 (配列番号:70)に対応する配列、またはrs7992940 (配列番号:70)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7992940 (配列番号:70)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;および
(uu) rs718273 (配列番号:71)に対応する配列、またはrs718273 (配列番号:71)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs718273 (配列番号:71)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化、ならびにPAN3遺伝子中の変化および遺伝子間DNA中の変化に対応するVEGFR-1遺伝子から上流または下流にある他の連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化を含む。
【0030】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されるSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0031】
さらに、該変化は、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)の1〜50位および52〜101位のいずれかの位置での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含み得る。
【0032】
したがって、本発明の別の態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs17619037 (配列番号:5)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17619037 (配列番号:5)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9579177 (配列番号:6)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579177 (配列番号:6)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも 98%もしくは少なくとも99%を有する配列;
(c) rs9579176 (配列番号:7)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579176 (配列番号:7)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(d) rs9554319 (配列番号:8)に対応する配列、または51位がCもしくはTであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554319 (配列番号:8)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(e) rs7996030 (配列番号:9)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7996030 (配列番号:9)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(f) rs9513075 (配列番号:10)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513075 (配列番号:10)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(g) rs7993418 (配列番号:11)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7993418 (配列番号:11)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(h) rs9513071 (配列番号:12)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513071 (配列番号:12)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(i) rs11620238 (配列番号:13)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11620238 (配列番号:13)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(j) rs17618631 (配列番号:14)に対応する配列、または51位がCもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17618631 (配列番号:14)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(k) rs12429309 (配列番号:15)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12429309 (配列番号:15)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(l) rs7982251 (配列番号:16)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982251 (配列番号:16)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(m) rs9508016 (配列番号:17)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508016 (配列番号:17)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(n) rs7982957 (配列番号:18)に対応する配列、または51位がAもしくはTであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982957 (配列番号:18)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(o) rs3794400 (配列番号:19)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 (配列番号:19)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(p) rs45455097 (配列番号:40)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs45455097 (配列番号:40)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(q) rs1886233 (配列番号:41)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1886233 (配列番号:41)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(r) rs9554309 (配列番号:42)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554309 (配列番号:42)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(s) rs11619230 (配列番号:43)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11619230 (配列番号:43)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(t) rs9554311 (配列番号:44)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554311 (配列番号:44)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(u) rs4771233 (配列番号:45)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs4771233 (配列番号:45)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(v) rs6491274 (配列番号:46)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs6491274 (配列番号:46)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(w) rs7982639 (配列番号:47)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982639 (配列番号:47)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(x) rs12877718 (配列番号:48)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12877718 (配列番号:48)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(y) rs10507382 (配列番号:49)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs10507382 (配列番号:49)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(z) rs57354941 (配列番号:50)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs57354941 (配列番号:50)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(aa) rs17086497 (配列番号:51)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17086497 (配列番号:51)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(bb) rs3794395 (配列番号:52)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794395 (配列番号:52)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(cc) rs9554317 (配列番号:53)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554317 (配列番号:53)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(dd) rs9513073 (配列番号:54)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513073 (配列番号:54)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ee) rs9513074 (配列番号:55)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513074 (配列番号:55)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ff) rs9508015 (配列番号:56)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508015 (配列番号:56)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(gg) rs2011950 (配列番号:57)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2011950 (配列番号:57)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(hh) rs9513110 (配列番号:58)に対応する配列、または51位がTもしくはGでり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513110 (配列番号:58)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ii) rs9513112 (配列番号:59)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513112 (配列番号:59)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(jj) rs9513113 (配列番号:60)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513113 (配列番号:60)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(kk) rs9551471 (配列番号:61)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551471 (配列番号:61)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ll) rs2296285 (配列番号:62)に対応する配列、または51位がTもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2296285 (配列番号:62)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(mm) rs9513116 (配列番号:63)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513116 (配列番号:63)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(nn) rs9551473 (配列番号:64)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551473 (配列番号:64)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(oo) rs7330109 (配列番号:65)に対応する配列、または51位がTもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7330109 (配列番号:65)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(pp) rs9508037 (配列番号:66)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有し、rs9508037 (配列番号:66)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508037 (配列番号:66)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(qq) rs1924981 (配列番号:67)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1924981 (配列番号:67)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(rr) rs34140996 (配列番号:68)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs34140996 (配列番号:68)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ss) rs7985584 (配列番号:69)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7985584 (配列番号:69)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(tt) rs7992940 (配列番号:70)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7992940 (配列番号:70)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;ならびに
(uu) rs718273 (配列番号:71)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs718273 (配列番号:71)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化、ならびにPAN3遺伝子中の変化および遺伝子間DNA中の変化に対応するVEGFR-1遺伝子から上流または下流の他の連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化を含む。
【0033】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述の相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0034】
本発明に関連して、「相同性」は、「バリアント対立遺伝子」に関連して、本明細書に示される配列番号で規定される配列の全長に対して少なくとも80%の配列同一性、特に少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性のことをいうことが理解される。本発明に関連して、当業者は、相同性が、異なる民族における「バリアント対立遺伝子」中のさらなる変化(1つまたは複数)を包含する(cover)ことを理解しよう。
【0035】
添付の実施例に示されるように、驚くべきことに、本明細書に示されるバイオマーカー、および/またはVEGF-R1遺伝子中の所定の被験体の個々の遺伝子設定の評価は、全生存だけでなく、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターで治療された患者における進行のリスクにも関連することが示され得る。
【0036】
本発明の方法によると、転移性膵臓癌をゲムシタビン-エルロチニブおよびベバシズマブ、またはプラシーボで治療した試験において、VEGFR-1遺伝子中の4つのSNPが、ベバシズマブ治療群における全生存と相関した。同定された4つのSNPは、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)に由来する(derived for)。図1に示される配列である最も重要なSNP、rs9582036 (配列番号:2)は、対立遺伝子リスク効果モデル(allelic risk effect model)においてp-値<=3e-4を有した。AAキャリアと比較すると、ハザード比(hazard tatio)は、ACおよびCCキャリアについてそれぞれ2.0 (CI=1.2-3.4; p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7; p=0.0002)であった。メジアン全生存は、CC (n=9)キャリアにおいて4.8ヶ月から6.0ヶ月に増加し、AC (n=28)およびAA (n=40)キャリアにおいて10.3ヶ月に増加した。より具体的に、この分析により、rs9582036 (配列番号:2)について、AA遺伝子型を有する患者は、AC遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有し、AC遺伝子型を有する患者は、CC遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有することが示される。無進行生存終点を用いて、同様の関連が観察された。ベースライン予後因子(好中球数、CRPおよび腫瘍位置)についての調整の後、効果は弱まったが抑制はされなかった。対照群では効果は検出されなかった。rs9582036 (配列番号:2)遺伝子型と治療の間の相互作用についての試験では、0.02のp-値がもたらされた。同様に、rs9554316 (配列番号:1) SNPにおけるTGおよびGGキャリアのハザード比は、2.07(CI=1.25-3.43; p=0.0047)および4.69(CI=1.75-12.95; p=0.0021)であった。具体的に、この分析により、rs9554316 (配列番号:1)について、GG遺伝子型を有する患者は、TG遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有し、TG遺伝子型を有する患者は、TT遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有することが示される。興味深いことに、VEGFR-1遺伝子中の他の2つのSNP、すなわちrs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)も、改善したメジアン全生存と相関した。4つ全てのSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含し、必須受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインをコードする同じ染色体領域中に位置した。
【0037】
本発明の方法によると、腎細胞癌をインターフェロンαおよびベバシズマブまたはインターフェロンαおよびプラシーボで治療した試験において、VEGFR-1遺伝子中の2つのSNPが、ベバシズマブ治療群における無進行生存と相関した。同定された2つのSNPはSNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)由来である(derived for)。ベバシズマブ治療群において、rs9513070 (配列番号:3)のAAキャリアは、AGおよびGGキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図13)。ベバシズマブ治療群において、rs9554316 (配列番号:1)のGGキャリアは、GTおよびTTキャリアと比較して、増加した無進行生存を示した(図15)。
【0038】
したがって、本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のための脈管形成インヒビターを提供し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターはVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。投与される脈管形成インヒビターは、他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0039】
本発明は、膵臓癌に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のためのベバシズマブに関し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、ベバシズマブは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者にを投与される。投与されるベバシズマブは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0040】
本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のためのベバシズマブに関し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、ベバシズマブは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。投与されるベバシズマブは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0041】
以下の同様の使用が準用され得る。
【0042】
本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0043】
したがって、本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0044】
本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定し、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0045】
本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0046】
したがって、本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0047】
本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0048】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブなどの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0049】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブなどの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0050】
したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターはVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターはゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0051】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0052】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0053】
したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0054】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターはインターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0055】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターは、ベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0056】
したがって、本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、脈管形成インヒビターを投与されるVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0057】
本発明の方法によると、本明細書で同定されるSNPは、脈管形成インヒビター、特にベバシズマブを用いた治療に応答性または感受性である、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患、特に転移性膵臓癌または腎細胞癌に苦しむ患者を予測するものである。したがって、本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の脈管形成インヒビターに対する応答または感受性を予測する方法に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0058】
本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測する方法を提供する。VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4) からなる群より選択され得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性である患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための、特異的プライマーおよび/またはプローブの使用に関し、ここで該プライマーおよび/またはプローブは、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、SNP rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0059】
本発明はまた、患者試料から腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測する方法を提供し、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択され、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。したがって、本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者のベバシズマブ治療に対する応答または感受性を予測する組成物の調製のための、特異的プライマーおよび/またはプローブの使用に関し、ここで該プライマーおよび/またはプローブは、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つからなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0060】
本明細書に提供される方法に使用される試料は、生物学的試料であり、血液および/または組織試料であり得る。好ましくは、試料は血液試料であり、より好ましくは末梢血試料である。さらにより好ましくは、試料はDNA試料である。DNA試料は生殖細胞系DNAまたは体細胞DNAであり得る。好ましくは、DNAは生殖細胞系DNAである。
【0061】
好ましくは、試料は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から得られる。悪性疾患の例としては、限定されないが、膵臓癌、腎細胞癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、リンパ腫、骨癌、卵巣癌、黒色腫、前立腺血液学的悪性腫瘍および/または上述の癌の転移性形態が挙げられる。好ましくは、試料は、膵臓癌、腎細胞癌、肺癌、乳癌および/または結腸直腸癌に苦しむ患者から得られる。さらにより好ましくは、試料は、転移性膵臓癌、腎細胞癌、転移性結腸直腸癌、転移性乳癌および/または非扁平上皮非小細胞肺癌に苦しむ患者から得られる。最も好ましくは、患者は、転移性膵臓癌または腎細胞癌に苦しんでいる。生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患の例としては、限定されないが、高度神経膠腫、神経膠芽腫、M. ランデュ-オースラー、フォン・ヒッペル-リンダウ病、血管腫、乾癬、カポジ肉腫、眼の新生血管形成、関節リウマチ、子宮内膜症、アテローム硬化症、心筋虚血、末梢虚血、脳虚血および創傷治癒が挙げられる。
【0062】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビター」は、脈管形成(例えば血管を形成するプロセス)を改変する全ての薬剤のことをいい、腫瘍脈管形成を含むが限定されない脈管形成を阻害する薬剤を含む。これに関連して、阻害は、血管の形成のブロッキングおよび血管の成長の停止または遅延のことをいい得る。脈管形成インヒビターの例としては、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)としても公知)、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブおよびバタラニブが挙げられる。好ましい脈管形成インヒビターはベバシズマブ(アバスチン(登録商標))であり、これは、インビトロおよびインビボアッセイ系においてヒトVEGFAに結合してその生物学的活性を阻害する組換えヒト化モノクローナルIgG1抗体である。用語「ベバシズマブ」は、米国、欧州および日本からなる国の群から選択される国または領土において同一または生物学的に同様な製品として出荷承認を得るために必要な要件を満たす、全ての対応する抗VEGF抗体を含む。
【0063】
本発明に関連して、「投与」または「投与すること」は、脈管形成インヒビターなどの医薬組成物の患者への投与を意味する。例えば、2.5mg/体重kg〜15mg/体重kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))を、毎週、2週ごとまたは3週ごとに、治療される癌の型に応じて投与し得る。好ましい投薬量は、5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kgおよび15mg/kgを含む。さらにより好ましい投薬量は2週ごとに5mg/kg、2週ごとに10mg/kgおよび3週ごとに15mg/kgである。転移性膵臓癌の治療のためのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))に関して、投薬量は2週間に1回5mg/体重kgもしくは10mg/体重kg、または3週間に1回7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgを含む。腎細胞癌の治療のためには、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))の投薬量は、2週間に1回10mg/体重kgを含む。
【0064】
EMEAに従った特定の癌の治療のためのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))の投薬量は、以下の通りである(詳細は、http://www.emea.europa.eu/humandocs/PDFs/EPAR/avastin/emea-combined-h582en.pdfを参照)。結腸または直腸の転移性の癌(mCRC)のための好ましい投薬量は、2週間に1回の5mg/体重kgもしくは10mg/体重kg、または3週間に1回の7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgであり、転移性乳癌(mBC)のための好ましい投薬量は、静脈内注射で2週間に1回の10mg/体重kgまたは3週間に1回の15mg/体重kgであり、非小細胞肺癌(NSCLC)のための好ましい投薬量は、静脈注射で3週間に1回の7.5mg/体重kgまたは15mg/体重kgである。NSCLC患者における臨床的な利点は、7.5mg/kgおよび15mg/kgの両用量で示されている。詳細についてはセクション5.1薬力学特性、非小細胞肺癌(NSCLC)で述べる。進行したおよび/または転移性腎細胞癌(mRCC)のための好ましい投薬量は、静脈投与で2週間に1回の10mg/体重kgである(6サイクルまでの治療のための白金系化学療法に加えて、疾患進行まで単一薬剤としてのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))が続く)。神経膠芽腫のための好ましい投薬量は、2週ごとに10mg/kgである。
【0065】
本発明に関連して、脈管形成インヒビターは、当該技術分野に公知の標準的な化学療法計画の一部として投与される1つ以上の化学療法剤に加えて、または共療法として、または共治療として投与され得る。かかる標準的化学療法計画に含まれる薬剤の例としては、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン、エルロチニブ、カペシタビン、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどのタキサン、インターフェロンα、ビノレルビン、ならびにパクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤が挙げられる。転移性膵臓癌の共治療の例としては、5mg/体重kgもしくは10mg/体重kgの投薬量で2週間に1回または3週間に1回の7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgゲムシタビン-エルロチニブおよびベバシズマブが挙げられる。腎細胞癌の共治療の例としては、2週間に1回の10mg/体重kgの投薬量でのインターフェロンαおよびベバシズマブが挙げられる。さらに、患者は、例えばボーラス-IFLとして、IFLとも称されるイリノテカン、5-フルオロウラシル、ロイコボリンの組合せで;FOLFOX4計画とも称されるオキサリプラチン、ロイコボリン、および5-フルオロウラシルの組合せで;またはXELOXとも称されるカペシタビンおよびオキサリプラチンの組合せで共治療され得る。したがって、本発明のさらなる態様において、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者は、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン-エルロチニブ、カペシタビン、および/またはパクリタキセル、カルボプラチンおよびオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤等の1つ以上の化学療法剤で治療されている。共療法または共治療の例としては、ボーラスIFLと共に2週間に1回の5mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、または転移性結腸直腸癌についてはFOLFOX4と共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、非扁平上皮非小細胞肺癌についてはカボプラチス(caboplatis)/パクリタキセルと共に3週ごとの15mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、および転移性乳癌についてはパクリタキセルと共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))が挙げられる。さらに、投与対象の脈管形成インヒビターは、放射線療法との共療法または共治療として投与され得る。
【0066】
本明細書で使用する場合、「化学療法剤」または「化学療法計画」は、抗癌治療効果を提供し得る任意の活性剤を含み、特に癌または腫瘍細胞に干渉し得る化学剤または生物剤であり得る。好ましい活性剤は、悪性細胞の発生、成熟または増殖を阻害または予防する抗新生物(化学毒性またはケモスタティック(chemostatic))剤として作用するものである。化学療法剤の非限定的な例としては、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランおよびクロラムブシル)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、およびセムスチン(メチル-CCNU))、エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、トリエチレンメラミン(thriethiylenmelamine)(TEM)、トリエチレン、チオホスホルアミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン))、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、およびトリアジン(例えば、ダカルバジン(DTIC))などのアルキル化剤;葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート、トリメトレキサート)、ピリミジンアナログ(例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5-アザシチジン、2,2'-ジフルオロデオキシシチジン)、およびプリンアナログ(例えば、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アザチオプリン、2'-デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、および2-クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2-CdA))などの代謝拮抗剤;天然産物(例えば、パクリタキセル、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、ドセタキセル、エストラムスチン、およびリン酸エストラムスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えば、アクチノマイシン(actimomycin)D、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ダウノルビシン(daunorubicon)、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトザントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシンC、アクチノマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、および生物反応変更剤(例えば、インターフェロンα、IL-2、G-CSF、GM-CSF)から開発された抗細胞分裂薬;白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトザントロン)、置換尿素(すなわち、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、N-メチルヒドラジン(MIH)、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトーテン(o,p'-DDD)、アミノグルテチミド)を含む種々雑多な薬剤;副腎皮質ステロイドアンタゴニスト(例えば、プレドニゾンおよび同等物、デキサメタゾン、アミノグルテチミド)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲステロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオールおよびその同等物)を含むホルモンおよびアンタゴニスト;抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロンおよびそれらの同等物)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ、ロイプロリド)、非ステロイド性抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、上皮増殖因子インヒビター(例えば、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ)、抗体(例えば、トラスツズマブ)、イリノテカンおよびロイコボリンなどの他の薬剤が挙げられる。転移性膵臓癌の治療のための、ベバシズマブを用いた投与のための化学療法剤は、ゲムシタビンおよびエルロチニブならびにそれらの組合せを含む(本明細書に示される実施例も参照)。腎細胞癌の治療のための、ベバシズマブを用いた投与のための化学療法剤は、インターフェロンαを含む(本明細書に示される実施例も参照)。
【0067】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビターの応答体」は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ被験体/患者が脈管形成インヒビターによる治療に対して応答を示すことを意味する。当業者は、脈管形成インヒビターで治療された人が応答を示すかどうかを容易に決定することができる。例えば、脈管形成インヒビターに対する応答は、腫瘍の増殖の低下および/または停止、および/または腫瘍の大きさの低減、転移の形成の予防、あるいは転移の数または大きさの低減などの、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむことの低下により反映され得る。
【0068】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビターに感受性の患者」は、脈管形成インヒビターで治療した場合になんらかの陽性の反応を示す患者のことをいう。該患者の反応は、上述の応答体と比較した場合、顕著さがより低くてもよい。例えば、該患者は、腫瘍増殖の低下は測定され得なくても、癌などの悪性腫瘍からより少ない苦しみを経験し得る。脈管形成インヒビターに対する患者の反応はまた、一過性の性質だけでもあり得、すなわち腫瘍および/または転移(1つまたは複数)の増殖は、一時的に低減または停止されるだけであり得る。
【0069】
本発明に関連して、用語「に苦しむ患者」は、癌などの特定の悪性疾患、生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患および/または腫瘍性疾患に関して臨床性徴候を示す患者をいう。
【0070】
本発明に関連して、用語「全生存の改善のため」は、患者群中の患者の平均生存のことをいう。当業者が理解するように、患者が、別の患者の亜群と比較して、統計的に有意に長い平均生存時間を有する患者の亜群に属する場合に、患者の全生存は改善または増強される。
【0071】
本発明に関連して、用語「無進行生存の改善のため」は、患者群中の患者に関して、患者の疾患が悪化しない治療中および治療後の時間の長さの平均のことをいう。当業者が理解するように、患者が、別の患者の亜群と比較して、疾患が悪化しない時間の有意に長い平均長さを有する患者の亜群に属する場合に、患者の無進行生存は改善または増強される。
【0072】
用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は互換的に使用され、本発明に関連して、2つ以上、好ましくは3個より多くのデオキシヌクレオチドまたはリボヌクレオチドからなる分子のことをいう。その正確な大きさは、多くの因子に依存し、該因子は、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは合成的に誘導され得るかまたはクローニングにより誘導され得る。デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドのキメラも本発明の範囲内にあり得る。
【0073】
配列増幅は、大量の標的配列を生成するための方法である。一般的に、1つ以上の増幅プライマーが核酸配列にアニーリングされる。適切な酵素を使用して、プライマーに隣接して見い出されるまたはプライマー間に見い出される配列が増幅される。
【0074】
増幅プライマーは、標的配列にアニーリングし得、かつ核酸に相補的なプライマー伸長産物の合成が開始される条件下におかれた場合にDNA合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドである。
【0075】
本発明によるプライマーは、本明細書に示されるSNPの配列に基づいて、当該技術分野で一般的に公知のように設計され得る。プライマーは、好ましくは10〜45ヌクレオチド長、より好ましくは15〜30ヌクレオチド長である。
【0076】
本明細書に記載の発明によると、SNPの上流に結合するように設計されたプライマーは、同じSNPの下流に結合するように設計された第二のプライマーと併用される。SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について誘導された核酸プライマーの例を図2に示す。より具体的に、rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)が使用され得る。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)が使用され得る。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)が使用され得る。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)が使用され得る。
【0077】
当業者が理解するように、本明細書で同定された各SNPについて多数のプローブが設計され得る。例えば、伸長終結反応(termination extensioin reaction)時に伸長され得る伸長可能なプライマーであるプローブを伸長産物と共に図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:27)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。伸長可能なプライマーであるプローブは、好ましくは15〜30ヌクレオチド長、より好ましくは15〜25ヌクレオチド長である。
【0078】
本発明は、VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定するのに有用なオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを提供する。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドはプライマーおよび/またはプローブを含み得る。プライマーに関して、該プライマーは、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択され得る。プローブに関して、該プローブは、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択され得る。
【0079】
当業者はまた、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、ビオチン-アビジン標識、化学発光物質等の標準的な標識技術により標識され得るハイブリダイゼーションプローブなどのプローブを使用する能力を有し得る。ハイブリダイゼーション後、該プローブは公知の技術を使用して可視化され得る。
【0080】
本発明はまた、上述のオリゴヌクレオチドのいずれか、および任意に適切な検出手段を含む診断組成物またはキットに関する。
【0081】
本発明のキットは、本発明の方法を実行するために有利に使用され得、とりわけ種々の適用、例えば診断分野においてまたは研究ツールとして使用され得る。本発明のキットの一部は、バイアル中、または容器中もしくは複数の容器単位中の組合せ中の個々のパッケージであり得る。該キットの製造は、好ましくは当業者に公知の標準的な手順に従う。キットまたは診断組成物は、例えば本明細書に記載の増幅技術を使用して、本発明の本明細書に記載される方法によりVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の検出のために使用され得る。
【0082】
したがって、さらなる態様において、本発明は、VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し得るオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む、本明細書に記載の方法を実行するのに有用なキットを提供する。該オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、プライマーおよび/またはプローブを含み得る。プライマーに関して、該プライマーは、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択され得る。プローブに関して、該プローブは、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択され得る。
【0083】
本発明は、以下の非限定的な図面および実施例を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】図1はSNPの配列である。各SNPについての診断対立遺伝子を同定する。図1Aは、AVITA試験において遺伝子型決定され、ベバシズマブ結果と関連したSNPである。
【図1B】図1Bは、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)の(遺伝子座中の)ハプロタイプブロックに属する、連鎖するSNPである。
【図1C】図1Cは、(遺伝子座の外側の)ハプロタイプブロックの5'上流または下流にあり、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)とLD (D'>0.8)における、連鎖するSNPである。
【図1D−1】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図1D−2】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図1D−3】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図2−1】図2は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)についてのプライマーである。伸長しないプライマー(プローブ)、伸長するプライマー(プローブ)およびそれらの質量も示される。
【図2−2】図2は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)についてのプライマーである。伸長しないプライマー(プローブ)、伸長するプライマー(プローブ)およびそれらの質量も示される。
【図3】図3は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による全生存率対試験期間(time on study)(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=40、メジアン=309)であり、1はAC(n=28、メジアン=171)であり、2はCC(n=9、メジアン=144)である。1対0(HR=2.00 [3.36, 1.19]、ワルド検定p=0.0091)および2対0:(HR=4.72 [10.68, 2.08]、ワルド検定p=0.0002)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図4】図4は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=38、メジアン=226)であり、1はAC(n=29、メジアン=177)であり、2はCC(n=10、メジアン=149)である。1対0(HR=1.62 [2.68, 0.97]、ワルド検定p=0.063)および2対0:(HR=1.53 [3.12, 0.75]、ワルド検定p=0.240)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図5】図5は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=40、メジアン=218)であり、1はAC(n=28、メジアン=133)であり、2はCC(n=9、メジアン=102)である。1対0(HR=1.86 [3.10, 1.11]、ワルド検定p=0.0180)および2対0:(HR=3.63 [8.05, 1.64]、ワルド検定p=0.0015)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図6】図6は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=38、メジアン=147)であり、1はAC(n=29、メジアン=120)であり、2はCC(n=10、メジアン=134)である。1対0(HR=1.36 [2.22, 0.83]、ワルド検定p=0.23)および2対0:(HR=1.04 [2.11, 0.51]、ワルド検定p=0.91)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図7】図7は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=42、メジアン=309)であり、1はTG(n=30、メジアン=148)であり、2はTT(n=5、メジアン=132)である。1対0(HR=2.07 [3.43, 1.25]、ワルド検定p=0.0047)および2対0:(HR=4.69 [12.59, 1.75]、ワルド検定p=0.0021)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図8】図8は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=43、メジアン=222)であり、1はTG(n=26、メジアン=177)であり、2はTT(n=7、メジアン=149)である。1対0(HR=1.34 [2.22, 0.81]、ワルド検定p=0.25)および2対0:(HR=1.36 [3.04, 0.60]、ワルド検定p=0.46)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図9】図9は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=42、メジアン=213)であり、1はTG(n=30、メジアン=121)であり、2はTT(n=5、メジアン=65)である。1対0(HR=1.86 [3.05, 1.13]、ワルド検定p=0.0150)および2対0:(HR=4.60 [12.42, 1.70]、ワルド検定p=0.0026)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図10】図10は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=43、メジアン=122)であり、1はTG(n=26、メジアン=121)であり、2はTT(n=7、メジアン=134)である。1対0(HR=1.26 [2.06, 0.77]、ワルド検定p=0.3700)および2対0:(HR=1.00 [2.25, 0.45]、ワルド検定p=0.9900)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図11】図11は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験の全集団についての無進行生存率対試験月(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療またはプラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。図中、破線はプラシーボおよびインターフェロンαで治療した患者についてであり、実践はベバシズマブおよびインターフェロンαで治療した患者についてである。
【図12】図12は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験の遺伝子型集団についての無進行生存率対試験月(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療またはプラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。図中、破線はプラシーボおよびインターフェロンαで治療した患者についてであり、実線はベバシズマブおよびインターフェロンαで治療した患者についてである。
【図13】図13は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9513070 (配列番号:3)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、AA(n=19/17、メジアン=18.53)、AG(n=28/28、メジアン=12.78)およびGG(n=9/9、メジアン=13.6)である。AG対AA(HR=1.89 [3.50, 1.02]、ワルド検定p=0.044)およびGG対AA:(HR=2.69 [6.29, 1.15]、ワルド検定p=0.022)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型AGについてであり、点線は遺伝子型GGについてである。
【図14】図14は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のプラシーボ治療亜群中のrs9513070 (配列番号:3)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(プラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、AA(n=11/10、メジアン=5.52)、AG(n=26/19、メジアン=14.23)およびGG(n=8/8、メジアン=3.71)である。AG対AA(HR=0.44 [0.97, 0.21]、ワルド検定p=0.04)およびGG対AA:(HR=1.54 [3.95, 0.60]、ワルド検定p=0.37)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型AGについてであり、点線は遺伝子型GGについてである。
【図15】図15は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、GG(n=36/34、メジアン=16.66)、GT(n=18/18、メジアン=10.15)およびTT(n=1/1、メジアン=14.52)である。GT対GG(HR=1.96 [3.56, 1.08]、ワルド検定p=0.026)およびTT対GG:(HR=2.15 [16.17, 0.29]、ワルド検定p=0.457)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型GTについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図16】図16は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(プラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、GG(n=26/21、メジアン=7.95)、GT(n=17/15、メジアン=13.37)およびTT(n=2/1、メジアン=8.11)である。GT対GG(HR=0.944 [1.839, 0.485]、ワルド検定p=0.866)およびTT対GG:(HR=0.413 [3.082, 0.055]、ワルド検定p=0.389)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型GTについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【0085】
添付の例示的実施例に記載されるように、本明細書に提供される手段および方法は、白人種由来の生物学的試料の分析および評価に関する。
【実施例】
【0086】
実施例1:
遺伝的決定は、VEGFに対する内皮の感受性に影響を及ぼし得る。本発明により、本発明に関連して、発明者らは、抗脈管形成治療についての予測パターンを発見するために、シグナル伝達経路の遺伝的変異性を調べた。この分析において、VEGFシグナル伝達経路における遺伝的変異性と、第III相試験(AVITA)のゲムシタビン-エルロチニブ(GE)およびベバシズマブまたはプラシーボで治療した転移性膵臓癌を有する患者の臨床結果との相関を評価した。
【0087】
607名の患者のうち、77名はGEおよびベバシズマブを受け、77名はGEのみを受けた154名の患者から生殖系DNAを得た(メジアン全生存=7.5および6.8ヶ月);http://www.roche-trials.com/patient/trials/trial11.htmlでアクセス可能なAVITA試験(BO17706)参照。低酸素誘導因子-1αおよび-2α、VEGF、その受容体(VEGFR-1および-2)ならびに他の関連のある遺伝子に位置する一般的な単一ヌクレオチド多型(SNP)は、SNPタグ付加アプローチを使用して選択した(f≧0.1およびr2≦0.8)。MALDI-TOF質量分析法を使用して、157個のSNPを成功裡に遺伝子型決定した。コックス回帰分析を使用して、リスクおよび生存推定値を計算した。
【0088】
VEGFR-1遺伝子内の4つのSNPは、ベバシズマブ治療群の全生存および無進行生存と相関した。最も有意なSNPであるrs9582036は、対立遺伝子リスク効果モデルにおいてp値<=3e-4を有した。AAキャリアと比較して、ACキャリアおよびCCキャリアについてのハザード比はそれぞれ2.0 (CI=1.2-3.4;p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7;p=0.0002)であった。メジアン全生存は、CCキャリア(n=9)において4.8ヶ月から、AC (n=28)キャリアおよびAA (n=40)キャリアにおいて6.0ヶ月および10.3ヶ月に増加した。PFS終点と同様の関係が観察された。ベースライン予後因子(好中球数、CRPおよび腫瘍位置)について調整した後、効果は弱まったが抑制はされなかった。対照群において効果は検出されなかった。rs9582036 (配列番号:2)遺伝子型と治療の間の相互作用についての試験により、0.02のp値がもたらされた。4つ全てのSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を含み必須受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインをコードする同じ染色体領域中に位置した。さらに驚くべきことに、以前に報告されたVEGF-2578C/A多型との関連はこのデータセットでは検出され得なかったことが見出された。
【0089】
これらの亜群のデータは、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターで治療した癌患者、例えば膵臓癌患者における臨床結果と相関する、VEGFR-1遺伝子、特にVEGFR-1のTKドメイン中の遺伝子座を規定する。したがって、本明細書に記載されるパラメーターを使用して推定値を入手し得る。これらのパラメーター、すなわち本明細書に記載されるVEGFR-1遺伝子の変化は、癌に苦しむ被験体における抗脈管形成治療の有利な効果の評価に使用され得る。したがって、本明細書において提供される発明は、予測評価および予後評価のための新規で創意に富むバイオマーカーの提供に関する。
【0090】
患者および方法
試料
AVITA試験において、607名の適格患者があった。該試験プロトコルは、各現場の施設の審査委員会により承認され、ヘルシンキ宣言、現在の米国食品医薬品局優良臨床規範、ならびに地域の倫理的および法的要件に従って実施した。凍結全血試料を607名の患者のうち160名(26.4%)から得て、このうちの154名は疾患進行事象を有し、150名については、疾患は致死性であった。160名の患者のうち、6名はアジア系人種で、残り全ての154名の患者は白人種起源であった。アジア系起源の患者は白人種患者とは遺伝的に異なり、SNP頻度は両人種間で異なり得るので、これら6名の患者は更なる分析からは除外した。残りの154名のDNA検体を同定しない(de-identified)様式で研究者に提供した。全ての対応する患者は、遺伝的バイオマーカー試験についての別々のインフォームドコンセント書面を用意した。
【0091】
評価
先に記載されるように患者を評価した(Van Cutsem et al., J. Clinc. Oncol. 27, 2231-7 (2009))。簡潔に、充実性腫瘍の応答評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)ガイドラインに従って、ベースライン、第8週、第16週、第24週、第32週、第40週その後疾患進行まで12週ごとに腫瘍評価を行なった。患者は、死亡、追跡の欠損、または試験の終了まで生存およびその後の疾患治療を続けた。毎週、カルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)および体重の評価を収集した。有害事象についての国立癌研究所共通専門用語基準、バージョン3.0 (NCICTCAE v3)を使用して、巡回ごとに有害事象を記録した。遺伝的バイオマーカー分析のための血液試料は、試験治療開始前に収集した。
【0092】
単一ヌクレオチド多型選択
VEGFシグナル伝達カスケードに含まれる以下の遺伝子:VEGFリガンド、VEGFホモログ(胎盤増殖因子またはPlGF、VEGF-Bおよび-C、ならびにVEGF-DまたはFlGF)、VEGF受容体-2(KDRまたはVEGFR-2)およびVEGF受容体-1(FLT1またはVEGFR-1) を選択した。各遺伝子の翻訳開始領域の5kb上流から3'ポリAアデニル化部位までのゲノム配列を、HapMapデータベース(HapMap Data Rel 24/phaseII Nov08, on NCBI B36 assembly, dbSNP b126)からのSNPの選択に使用した。HAPLOVIEWソフトウェアパッケージ(Barrett, J.C., et al., Bioinformatics. 21, 263-5 (2005))に示されるように、タガー(Tagger)を使用して、タグ付加SNPを選択した(Pe'er, I., et al., Nat. Genet. 38, 663-7 (2006))。一般的に出現するSNP、すなわちマイナー対立遺伝子頻度f≧0.1および最小r2閾値≧0.8のものだけを考慮した。これらの基準に従って、全体で、167個のタグ付加SNPを選択した。さらに、以前にこれらの遺伝子の機能または発現に影響すると報告されていた、エキソン配列に位置しかつf≧0.1の頻度で非多義的アミノ酸変化を誘導する11個のSNP、ならびにVEGF中4個のSNP(rs699947、rs833061、rs2010963およびrs3025039)、VEGFR-1中1個のSNP(rsTP53_R-1)およびVEGFR-2中1個のSNP(rs2071559)をdbSNPデータベースから選択した。
【0093】
VEGFR-1遺伝子中の各SNPの染色体座および位置を、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について、対立遺伝子変化および参照対立遺伝子と共に示す。
【0094】
【0095】
遺伝子型決定
末梢血を、K2EDTAプラスチックバキュテナーチューブにサンプリングした。遠心分離後、沈殿した白血球細胞画分から、標準的な手順に従って生殖系DNAを抽出した。以前に製造業者により記載されたように、Sequenom(登録商標)iPLEXプラットフォームを使用して、Vesalius Research Centerで、選択されたSNPについて遺伝子型決定を行なった。第一の遺伝子型決定ラウンドでエラー強さのある(robust)遺伝子型を示さなかった全てのSNPは、異なる組のPCRプライマーを使用して再度設計して試験した。第二の設計において繰り返し失敗した場合、これらのSNPは失敗と見なした。184個の選択されたSNPのうち、27個のSNP (14.7%)が失敗であり、157個(85.3%)が成功裡に遺伝子型決定された。全体の遺伝子型決定成功率は、98.5%であった。個々の試料レベルで、高い成功率で全ての試料を遺伝子型決定した(すなわち、<5%の試料は<95%の成功率を有し、>70%の試料は>99%の成功率を有した)。分析から除外した試料はなく、ハーディ-ワインベルグからの有意な偏差は観察されなかった。
【0096】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した増幅プライマーを図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)を使用した。
【0097】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計して伸長しなかったプライマー(プローブ)も図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:28)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。
【0098】
統計
対立遺伝子モデルを使用した場合、マイナー対立遺伝子と同型の患者を2とコードし、異型の患者を1とコードし、主要対立遺伝子と同型の患者を0とコードした。各SNPについて、独立した別々のモデルを設計した。
【0099】
全生存および無進行生存に対する異なる遺伝子型の効果を評価するために、コックス比例危険回帰モデルを使用した。
【0100】
コックスモデルにおいて、試験におけるエントリーから死亡または打ち切りまでの時間を全生存終点として使用した。試験におけるエントリーから疾患進行または死亡までの時間を進行生存終点として使用した。
【0101】
全生存について、帰無仮説は、遺伝子型は全生存に影響しないことを示した。試験した各SNPについてこの仮説に対応するP値を計算するために、尤度比試験を使用した。
【0102】
無進行生存について、帰無仮説は、遺伝子型は進行のリスクまたは生存に影響しないことを示した。試験した各SNPについてのこの仮説に対応するP値を計算するために、尤度比試験を使用した。
【0103】
試験のベバシズマブアーム(arm)中の患者の亜群において第一の分析を行なった。試験のプラシーボアーム中の患者の亜群においてさらなる分析を行ない、遺伝子型相互作用による治療は、両方を含むモデルで評価した。
【0104】
第一の分析において、遺伝子型だけを該モデルの予測変数として含んだ。第一の結果をさらに特徴づけて確認するために、補助的臨床予後因子を調整して、いくつかの相補性分析を行った。これらの予後因子を遺伝子型の影響に加えた共変量として採用し、さらなる回帰モデルを実行することによりこれを達成した。
【0105】
多数の試験を説明するために、0.0005(5.e-4)未満の場合にp値を有意と見なした。
【0106】
標準カプラン-マイヤー推定値を使用して、生存曲線およびメジアン生存時間を計算した。
【0107】
遺伝的患者集団の臨床特性
生殖系DNAは試験参加者の26.4% (607名の患者中160名)のみから得たので、この亜群が全患者コホートと同様の疾患特性を示すかどうかを最初に評価した。遺伝的亜群の全てのベースライン人口統計特性は、試験集団全体で同様であった。プラシーボアーム中に77名の患者、およびベバシズマブアーム中に77名の患者があった。全体的に、遺伝的分析に利用可能な亜群は極めて同様にふるまい、同等の年齢および性別分布、喫煙状態、KPS、苦痛に対する視覚アナログ尺度、無進行生存および全生存を示した。亜群のメジアン全生存は、ベバシズマブアームおよびプラシーボアームにおいて7.2ヶ月および6.1ヶ月であり、メジアン無進行生存はそれぞれ、4.6ヶ月および3.6ヶ月であった。
【0108】
ベースライン人口統計は、治療アーム間で釣り合わせた。
【0109】
【0110】
VEGFR-1中のSNPは治療アーム中の全生存に相関した。
【0111】
全生存分析
ベバシズマブで治療した患者の亜群における分析
【0112】
プラシーボで治療した患者の亜群における分析
【0113】
プラシーボ亜群において、全生存と関連する遺伝子型は検出されなかった。
【0114】
遺伝子型相互作用による治療の分析
【0115】
治療アームにおける全生存に対する効果を評価するために、SNPのそれぞれについてコックス回帰分析を行なった。多重試験について補正するために、有意差レベルをp<0.0005に設定した。2つのSNPにより、好ましいメジアン全生存を予測した(rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)についてそれぞれp=0.00014およびp=0.00042)。両方のSNPはVEGFR-1中に位置しており、相加的リスク効果を有する優れた全生存を示した:rs9582036 (配列番号:2) AAキャリアに対して、ACおよびCCキャリアについてのハザード比(HR)は、それぞれ2.0 (CI=1.2-3.4;p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7;p=0.0002)であった。メジアン生存率は、CCキャリアにおける4.8ヶ月から、ACおよびAAキャリアにおける6.0ヶ月および10.3ヶ月に増加した。同様に、rs9554316 (配列番号:1) SNPにおいてTGおよびGGキャリアについてのハザード比は、2.07 (CI=1.25-3.43;p=0.0047)および4.69 (CI=1.75-12.95;p=0.0021)であった。興味深いことに、VEGFR-1遺伝子おける他の2つのSNP、すなわちrs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)も、メジアン全生存の改善と相関した。これら2つのSNPは、非常に低いp値(それぞれp=0.0081およびp=0.0097)を有したが、多重度調整されたp値の閾値には達しなかった。
【0116】
プラシーボアームにおけるrs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)についてのコックス回帰では、全生存との有意な相関は明らかにならなかった。実際に、rs9582036 (配列番号:2) AAキャリアと比較して、rs9582036 (配列番号:2) ACおよびCCキャリアについてのハザード比は、それぞれ1.62 (CI=0.97-2.68;p=0.063)および1.53 (CI=0.75-3.12; p=0.24)であった。同様に、rs9554316 TTキャリアと比較して、rs9554316 (配列番号:1) TGおよびGGキャリアについてのハザード比は、1.34 (CI=0.81-2.22;p=0.25)および1.36 (CI=0.60-3.04; p=0.46)であった。結果的に、遺伝子型と治療の間の相互作用を評価する回帰分析は有意であり(rs9582036 (配列番号:2)についてp=0.023およびrs9554316 (配列番号:1)についてp=0.041)、予後マーカーよりもrs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)が予測的であることが示された。
【0117】
補助予後因子について調整されたベバシズマブで治療した患者の亜群における分析:VEGFR-1におけるSNPは、治療についての独立予測マーカーである
【0118】
rs9582036およびrs9554316が、治療応答に影響することが公知の他の共変数とは独立して全生存と相関するかどうかを評価するために、好中球数、CRPレベルおよび腫瘍の位置について調整して、コックス回帰モデルを行った。この分析では、正常アルブミンレベルを有する患者だけを考慮した。
【0119】
全生存との相関は、弱まったが、抑制はされず、両方のSNPについて有意なままであった(p=0.002およびp=0.0089)。
【0120】
rs9582036 (配列番号:2)は最低のp値を有し、p値は0.05よりも充分に低い。rs9554316 (配列番号:1)も0.05より低いp値を有する。このことはさらに、他の予後因子とは独立して、rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)は、ベバシズマブ治療患者において全生存と相関していることを示唆する。
【0121】
無進行生存
ベバシズマブで治療した患者の亜群における分析
【0122】
発明者らはまた、rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)が無進行生存にも相関するかどうかを分析した。rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)は両方、ベバシズマブ治療群における無進行生存との関連について見た場合、非常に低いp値を有する。これは、全生存と関連するだけでなくベバシズマブで治療した患者における進行のリスクにも関連するという証拠を示す。ベバシズマブアームにおいて、無進行生存との明確かつ有意な相関があった。AAキャリアと比較して、rs9582036 (配列番号:2) ACおよびCCキャリアについてのハザード比は、1.86 (CI=1.11-3.10;p=0.018)および3.63 (CI=1.64-8.05;p=0.0015)であった。かかる効果はプラシーボアームでは観察されなかった。rs9554316 (配列番号:1) SNPについて同様の状況が観察され、プラシーボアームではなく、ベバシズマブアームでPFSとの有意な相関が示された。
【0123】
VEGFR-1 SNPはVEGFR-1チロシンキナーゼドメインの遺伝子座を規定する
VEGFR-1中の2つのSNPは、ベバシズマブ関連結果と有意に関連し、VEGFR-1中の他の2つのSNPも、結果、VEGFR-1中のこれらのSNPの正確な位置ならびにハプロタイプと関連しそうであるため、タグ付加SNPとして表されるものをより詳細に調べた。興味深いことに、4つ全てのSNPは、rs9554320 (配列番号:4)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3) SNPについてそれぞれ互いに近位に位置し(すなわち、イントロン25、27、28および29)、VEGFR-1遺伝子中で4個の連続したハプロタイプを示した。それらの近位配置の結果として、これら4つのSNPはまた、有意な連鎖不平衡で存在し、互いに独立して出現することはなかった。
【0124】
全SNPのp値をベバシズマブアームにおける全生存との相関の基準と見なし、これらの値をVEGFR-1遺伝子中の位置の関数でプロットすると、エキソン25〜30を含む顕著な関連シグナルに気付いた。かかる関連シグナルはプラシーボ群では観察されなかった。VEGFR-1遺伝のエキソン25〜30は、VEGFR-1遺伝子中の2つの主要な自己リン酸化部位を含むVEGFR-1中の受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインの一部であるアミノ酸残基1029〜1338をコードする。
【0125】
実施例2
本発明に関連して、抗脈管形成治療についての予測パターンを発見するために、シグナル伝達経路中にある遺伝的変異性を調べた。この分析において、VEGFシグナル伝達経路中の遺伝的変異性と、第III相試験(AVOREN)のインターフェロンα(IFN)およびベバシズマブまたはプラシーボで治療した転移性腎細胞癌(mRCC)を有する患者の臨床結果との相関を評価した;試験番号BO17705E;Escudier et al., Lancet 370: 2103-2111 (2007)参照。ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))10mg/kgを2週ごとにIV注入としておよび9 MIUで開始したインターフェロンα(IFN)を週に3回(n=327)受けるように、またはプラシーボおよびIFN(n=322)を受けるように、患者を無作為化した。疾患の進行または許容し得ない毒性まで患者をベバシズマブ(アバスチン(登録商標))またはプラシーボで治療した。IFNは最大で52週間後に中断したが、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))またはプラシーボは、疾患進行後または許容され得ない毒性後まで継続した。
【0126】
試料および単一ヌクレオチド多型選択
649名の患者のうち、51名がインターフェロンαおよびプラシーボを受け、59名がインターフェロンαおよびベバシツマブ(bevacitumab)を受けた110名の患者から生殖系DNAを得た;試験番号BO17705E;Escudier et al., Lancet 370: 2103-2111 (2007)。実施例1のように、アジア系人種の1人の患者は分析しなかった。実施例1で同定された4つのSNPおよび1つのさらなるVEGFA SNP (rs699947)を最初に評価した。
【0127】
遺伝子型決定
実施例1のように、末梢血をK2EDTAプラスチックバキュテナーチューブにサンプリングした。遠心分離後、沈殿した白血球細胞画分から、標準的な手順に従って生殖系DNAを抽出した。選択されたSNPについての遺伝子型決定は、以前に製造業者により記載されたように、Sequenom(登録商標) iPLEXプラットフォームを使用して、Vesalius Research Centerで行なった。最初の遺伝子型決定ラウンドで確固たる遺伝子型を示さなかった全てのSNPは、異なるPCRプライマーの組を使用して再度設計して再試験した。第2の設計で繰り返し失敗した場合、これらのSNPは失敗とみなした。選択された184のSNPのうち、27のSNP (14.7%)は失敗で、157 (85.3%)は成功裡に遺伝子型決定された。全体の遺伝子型決定成功率は98.5%であった。個々の試料レベルでは、全ての試料は高い成功率で遺伝子型決定された(すなわち、<5%の試料が<95%の成功率を有し、>70%の試料が>99%の成功率を有した)。該分析から試料を除外せず、ハーディー-ワインベルグから有意な偏差は観察されなかった。
【0128】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した増幅プライマーを図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)を使用した。
【0129】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した、伸長しなかったプライマー(プローブ)も図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:28)を使用した。SNPs rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。
【0130】
統計
対立遺伝子モデルを使用した場合、マイナー対立遺伝子と同型の患者は2とコードし、異型の患者は1とコードし、主要な対立遺伝子と同型の患者は0とコードした。各SNPについて、独立した別々のモデルを設計した。
【0131】
コックス比例危険回帰モデルを使用して、異なる遺伝子型の無進行生存の効果を評価した。
【0132】
コックスモデルでは、試験においてエントリーから疾患進行または死亡までの時間を無進行生存終点として使用した。
【0133】
無進行生存について、帰無仮説では、遺伝子型は、進行のリスクまたは生存に影響を有さないことが示された。尤度比試験を使用して、試験したそれぞれのSNPについて、この仮説に相当するP値を計算した。
【0134】
試験のベバシズマブアームにおける患者の亜群において、一次分析を行なった。試験のプラシーボアームの患者の亜群でさらなる分析を行ない、遺伝子型相互作用による治療は両方を含むモデルで評価した。
【0135】
0.05未満のP値を統計的に有意とみなした。実施例1の所見の確認分析において、多重試験についての補正は必要なかった。
【0136】
生存曲線およびメジアン生存時間は、標準的なカプラン-マイヤー推定値を使用して計算した。
【0137】
遺伝的患者集団の臨床特性
全ての遺伝的亜集団のベースライン人口統計は、全体試験集団と同じであった。
【0138】
【0139】
無進行生存の要約
無進行生存カプラン-マイヤー曲線は、同じ時点で全体集団および遺伝子型集団と交差する(図11および12)。全体的に、遺伝子型集団は、全体集団よりも良好な臨床結果を有した(以下の表、時間対事象参照)。
【0140】
【0141】
VEGFR-1中のSNPは、ベバシズマブ治療アームにおいて無進行生存と相関した。
【0142】
プラシーボ治療群における分析(無進行生存、共変量なし、S_BEV=0)
【0143】
プラシーボで治療した患者において、無進行生存と相関する遺伝子型は検出されなかった。
【0144】
ベバシズマブ治療群における分析(無進行生存、共変量なし、S_BEV=1)
【0145】
VEGFR-1遺伝子中の2つのSNP、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554316 (配列番号:1)は、ベバシズマブ治療群のみで無進行生存と相関した(図13〜16参照)。rs9513070 (配列番号:3)のAAキャリアは、ベバシズマブ治療群において、AGおよびGGキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図13)。rs9554316 (配列番号:1)のGGキャリアは、ベバシズマブ治療群のみで、GTおよびTTキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図15)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し、ベバシズマブなどの脈管形成(angiogenesis)インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関する。本発明はまた、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的な脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法にも関する。本発明はさらに、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR-1)遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定することにより、脈管形成インヒビターに対する患者の応答性を評価する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成は、良性疾患および癌発達などの悪性疾患に寄与し、特に癌においては、原発性腫瘍の増殖、侵入および転移に必要である。増殖するために、腫瘍は、脈管形成の切替えを行わなければならない。血管内皮増殖因子(VEGF)は、この脈管形成の切替えの誘導に必要である。VEGFおよびVEGF経路中の遺伝子は、癌進行の重要なメディエーターであると考えられている。VEGF遺伝子ファミリーは、VEGFAとも称されるVEGF遺伝子、胎盤増殖因子(PlGF)、VEGFB、VEGFC、VEGFDを含むVEGFのホモログ、VEGFR-1およびVEGFR-2(それぞれFLT1およびFLK1/KDRとも称される)を含むVEGF受容体、低酸素誘導因子HIF1α、HIF2αを含むVEGF誘導因子(inducer)、ならびに酸素センサーPHD1、PHD2およびPHD3を含む。
【0003】
癌細胞増殖および転移におけるこの経路の重要性は、癌治療における使用のための抗脈管形成剤の開発をもたらした。中でも、これらの治療は、ベバシズマブ、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブおよびバタラニブを含む。ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターを用いて得られた有意に伸びた生存にもかかわらず、患者は依然として癌で亡くなっている。さらに、全ての患者が脈管形成インヒビター療法に応答するわけではない。非応答性の根底にある機構は分からないままである。さらに、脈管形成インヒビター療法は、胃腸管穿孔、血栓症、出血、高血圧および蛋白尿などの副作用を伴う。
【0004】
したがって、どの患者が脈管形成インヒビター療法に特に良好に応答するかを決定する方法が必要である。
【0005】
そのため、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法を提供し、前記方法は、以下の:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0006】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0007】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0008】
本発明は、脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 該患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0009】
本発明は、脈管形成インヒビターについての応答体(responder)または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法を提供し、前記方法は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在は脈管形成インヒビターに応答する患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0010】
したがって、本発明は、脈管形成インヒビターについての応答体または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法に関し、前記方法は以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;ならびに
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程
を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在は、脈管形成インヒビターに対する応答患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0011】
本明細書に開示される態様によると、本発明は、脈管形成インヒビターによる治療、特にベバシズマブによる治療から利益を受ける、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者または患者の群の同定の手段および方法を提供する。
【0012】
本発明において、VEGFR-1遺伝子の変化(variation)は、驚くべきことに、脈管形成インヒビターによる治療に対する全生存および/または無進行生存についてのマーカー/予測因子として同定された。用語「マーカー」および「予測因子(predictor)」は互換的に使用され得、遺伝子、特にVEGFR-1遺伝子(例えば、Ensembl ID ENSG00000102755参照)の特異的対立遺伝子バリアントのことをいう。変化またはマーカーは、単一ヌクレオチド多型(SNP)とも称され得る。
【0013】
好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインを包含する領域にある。特に、好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインをコードする領域にある。より好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域にある。さらにより好ましくは、1つ以上のバリアント対立遺伝子は、VEGFR-1遺伝子のイントロンにある。さらにより好ましくは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9554320 (配列番号:4)および/またはrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される。最も好ましくは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9582036 (配列番号:2)および/またはrs9554316 (配列番号:1)からなる群、あるいはrs9554316 (配列番号:1)および/またはrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される。
【0014】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善する方法を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0015】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0016】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はrs9554316 (配列番号:1)、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0017】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0018】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌の患者(the patient renal cell cancer)がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0019】
本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、脈管形成インヒビターを用いた治療により、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法に関する。脈管形成インヒビターは、ベバシズマブであり得る。
【0020】
本明細書に記載されるSNPに加えて、本明細書に記載されるSNPに連鎖するSNPも本発明の範囲内である。連鎖不平衡は、本発明に関連して、D'>0.8を有すると定義される。対立遺伝子のペアワイズ組合せ間のこれらの不均衡(Dij)の推定値を決定するために、以下:Dij= hij - piqj(式中、hijは1位に対立遺伝子iおよび2位に対立遺伝子jを有する観察されたハプロタイプの頻度を表し、piおよびqjは両方の対立遺伝子の頻度を表す)の定義を使用した。連鎖不平衡係数D'ijは、その最大値によりD' = D/Dmaxとして標準化される。D < 0の場合、Dmax = - pqであり;D > 0の場合、Dmax = p (1- q)である。この定義にしたがって同定された連鎖するSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域中に位置し得るが、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含する領域の上流または下流にも位置し得る。例えば、連鎖不平衡を定義するこの方法を使用すると、連鎖するSNPは、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)およびrs3794400 (配列番号:19)を含む。
【0021】
連鎖不平衡を決定する他の充分に許容される方法および/または関連する方法も、本明細書に開示されるSNPに連鎖するさらなるSNP、例えばSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)の決定に同様に適用され得ることを当業者は理解しよう。本発明に関連して、例えば相関係数r2をさらなる基準として使用した。対立遺伝子のペアワイズ組合せ間の相関の推定値を決定するために、以下の定義:D = h - p1q1 (式中、hは1位に対立遺伝子1および2位に対立遺伝子1を有する観察されたハプロタイプの頻度を表し、p1およびq1は両方の対立遺伝子の頻度である)を使用し得る。p2およびq2がそれぞれ(1-p1)および(1-q1)と定義される場合、遺伝子座の対間の相関係数は、
と定義され得る。
【0022】
したがって、この定義を使用すると、連鎖不平衡は、例えばrs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)について0.12以上(equal to larger that)のr2を有すると定義され得る。このr2値は、本発明の範囲内で記載される4つのSNP(配列番号:1〜4)間の連鎖不平衡の最低レベルを表し、脈管形成インヒビターを用いた治療に対する全生存および/または無進行生存についてのマーカー/予測因子として同定されるので、0.12以上であるr2の閾値を適用した。したがって、連鎖不平衡を定義するこの代替法を使用すると、連鎖するSNPは、上記で同定したもの(すなわち、配列番号:5〜19)に加えて、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)を含む。
【0023】
本明細書に記載される発明に関連して、本明細書に記載される連鎖するSNPは、単独で使用してもよく、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)との組合せ、あるいは本明細書に記載される方法およびまたは使用において本明細書に記載される他の連鎖するSNPとの組合せで使用してもよい。
【0024】
したがって、本発明は、該SNPに対応する位置でのヌクレオチドの置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含むVEGFR-1遺伝子の変化に関する。例えば、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9554320 (配列番号:4)および/またはrs9513070 (配列番号:3)について、該変化は、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)での51位での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含む。したがって、本発明のさらなる態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、またはrs9582036 (配列番号:2)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;および
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、またはrs9554320 (配列番号:4)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される。
【0025】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0026】
さらに、変化は、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)および/またはrs9554320 (配列番号:4)の1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含み得る。したがって、本発明のさらなる態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;ならびに
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される。
【0027】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0028】
本発明はまた、連鎖するSNP、ならびにVEGFR-1遺伝子から上流または下流の近位であり、かつポリ(A)特異的リボヌクレアーゼサブユニット遺伝子、Ensembl ID ENSG00000152520、(「PAN3遺伝子」)に位置するか、または遺伝子間DNA領域に位置する他の連鎖するSNPに対応する位置でのヌクレオチドの置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含むVEGFR-1遺伝子内の変化に関する。例えば、VEGFR-1遺伝子内の変化は、連鎖するSNP rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)、ならびにPAN3遺伝子中の変化に対応する連鎖するSNP、例えばrs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)およびrs9554311 (配列番号:44)を含むVEGFR-1の上流の変化、ならびに遺伝子間DNA領域中の変化に対応する連鎖するSNP、例えばrs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)およびrs17086497 (配列番号:51)を含む。したがって、該変化は、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)の51位での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含む。
【0029】
したがって、本発明の別の態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs17619037 (配列番号:5)に対応する配列、またはrs17619037 (配列番号:5)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17619037 (配列番号:5)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9579177 (配列番号:6)に対応する配列、またはrs9579177 (配列番号:6)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579177 (配列番号:6)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(c) rs9579176 (配列番号:7)に対応する配列、またはrs9579176 (配列番号:7)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579176 (配列番号:7)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(d) rs9554319 (配列番号:8)に対応する配列、またはrs9554319 (配列番号:8)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554319 (配列番号:8)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(e) rs7996030 (配列番号:9)に対応する配列、またはrs7996030 (配列番号:9)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7996030 (配列番号:9)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(f) rs9513075 (配列番号:10)に対応する配列、またはrs9513075 (配列番号:10)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513075 (配列番号:10)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(g) rs7993418 (配列番号:11)に対応する配列、またはrs7993418 (配列番号:11)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7993418 (配列番号:11)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(h) rs9513071 (配列番号:12)に対応する配列、またはrs9513071 (配列番号:12)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513071 (配列番号:12)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(i) rs11620238 (配列番号:13)に対応する配列、またはrs11620238 (配列番号:13)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11620238 (配列番号:13)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(j) rs17618631 (配列番号:14)に対応する配列、またはrs17618631 (配列番号:14)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17618631 (配列番号:14)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(k) rs12429309 (配列番号:15)に対応する配列、またはrs12429309 (配列番号:15)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12429309 (配列番号:15)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(l) rs7982251 (配列番号:16)に対応する配列、またはrs7982251 (配列番号:16)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982251 (配列番号:16)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(m) rs9508016 (配列番号:17)に対応する配列、またはrs9508016 (配列番号:17)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508016 (配列番号:17)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(n) rs7982957 (配列番号:18)に対応する配列、またはrs7982957 (配列番号:18)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982957 (配列番号:18)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(o) rs3794400 (配列番号:19)に対応する配列、またはrs3794400 (配列番号:19)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 (配列番号:19)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(p) rs45455097 (配列番号:40)に対応する配列、またはrs45455097 (配列番号:40)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs45455097 (配列番号:40)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(q) rs1886233 (配列番号:41)に対応する配列、またはrs1886233 (配列番号:41)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1886233 (配列番号:41)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(r) rs9554309 (配列番号:42)に対応する配列、またはrs9554309 (配列番号:42)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554309 (配列番号:42)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(s) rs11619230 (配列番号:43)に対応する配列、またはrs11619230 (配列番号:43)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11619230 (配列番号:43)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(t) rs9554311 (配列番号:44)に対応する配列、またはrs9554311 (配列番号:44)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554311 (配列番号:44)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(u) rs4771233 (配列番号:45)に対応する配列、またはrs4771233 (配列番号:45)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs4771233 (配列番号:45)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(v) rs6491274 (配列番号:46)に対応する配列、またはrs6491274 (配列番号:46)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs6491274 (配列番号:46)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(w) rs7982639 (配列番号:47)に対応する配列、またはrs7982639 (配列番号:47)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982639 (配列番号:47)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(x) rs12877718 (配列番号:48)に対応する配列、またはrs12877718 (配列番号:48)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12877718 (配列番号:48)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(y) rs10507382 (配列番号:49)に対応する配列、またはrs10507382 (配列番号:49)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs10507382 (配列番号:49)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(z) rs57354941 (配列番号:50)に対応する配列、またはrs57354941 (配列番号:50)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs57354941 (配列番号:50)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(aa) rs17086497 (配列番号:51)に対応する配列、またはrs17086497 (配列番号:51)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17086497 (配列番号:51)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(bb) rs3794395 (配列番号:52)に対応する配列、またはrs3794395 (配列番号:52)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794395 (配列番号:52)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(cc) rs9554317 (配列番号:53)に対応する配列、またはrs9554317 (配列番号:53)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554317 (配列番号:53)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(dd) rs9513073 (配列番号:54)に対応する配列、またはrs9513073 (配列番号:54)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513073 (配列番号:54)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ee) rs9513074 (配列番号:55)に対応する配列、またはrs9513074 (配列番号:55)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513074 (配列番号:55)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ff) rs9508015 (配列番号:56)に対応する配列、またはrs9508015 (配列番号:56)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508015 (配列番号:56)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(gg) rs2011950 (配列番号:57)に対応する配列、またはrs2011950 (配列番号:57)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2011950 (配列番号:57)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(hh) rs9513110 (配列番号:58)に対応する配列、またはrs9513110 (配列番号:58)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513110 (配列番号:58)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ii) rs9513112 (配列番号:59)に対応する配列、またはrs9513112 (配列番号:59)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513112 (配列番号:59)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(jj) rs9513113 (配列番号:60)に対応する配列、またはrs9513113 (配列番号:60)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513113 (配列番号:60)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(kk) rs9551471 (配列番号:61)に対応する配列、またはrs9551471 (配列番号:61)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551471 (配列番号:61)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ll) rs2296285 (配列番号:62)に対応する配列、またはrs2296285 (配列番号:62)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2296285 (配列番号:62)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(mm) rs9513116 (配列番号:63)に対応する配列、またはrs9513116 (配列番号:63)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513116 (配列番号:63)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(nn) rs9551473 (配列番号:64)に対応する配列、またはrs9551473 (配列番号:64)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551473 (配列番号:64)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(oo) rs7330109 (配列番号:65)に対応する配列、またはrs7330109 (配列番号:65)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7330109 (配列番号:65)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(pp) rs9508037 (配列番号:66)に対応する配列、またはrs9508037 (配列番号:66)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508037 (配列番号:66)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(qq) rs1924981 (配列番号:67)に対応する配列、またはrs1924981 (配列番号:67)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1924981 (配列番号:67)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(rr) rs34140996 (配列番号:68)に対応する配列、またはrs34140996 (配列番号:68)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 rs34140996 (配列番号:68)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ss) rs7985584 (配列番号:69)に対応する配列、またはrs7985584 (配列番号:69)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7985584 (配列番号:69)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(tt) rs7992940 (配列番号:70)に対応する配列、またはrs7992940 (配列番号:70)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7992940 (配列番号:70)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;および
(uu) rs718273 (配列番号:71)に対応する配列、またはrs718273 (配列番号:71)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs718273 (配列番号:71)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化、ならびにPAN3遺伝子中の変化および遺伝子間DNA中の変化に対応するVEGFR-1遺伝子から上流または下流にある他の連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化を含む。
【0030】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されるSNPに関して上述される相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0031】
さらに、該変化は、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)、rs17086497 (配列番号:51)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)の1〜50位および52〜101位のいずれかの位置での置換(1つまたは複数)、欠失(1つまたは複数)または付加(1つまたは複数)を含み得る。
【0032】
したがって、本発明の別の態様において、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は:
(a) rs17619037 (配列番号:5)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17619037 (配列番号:5)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(b) rs9579177 (配列番号:6)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579177 (配列番号:6)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも 98%もしくは少なくとも99%を有する配列;
(c) rs9579176 (配列番号:7)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9579176 (配列番号:7)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(d) rs9554319 (配列番号:8)に対応する配列、または51位がCもしくはTであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554319 (配列番号:8)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(e) rs7996030 (配列番号:9)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7996030 (配列番号:9)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(f) rs9513075 (配列番号:10)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513075 (配列番号:10)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(g) rs7993418 (配列番号:11)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7993418 (配列番号:11)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(h) rs9513071 (配列番号:12)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513071 (配列番号:12)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(i) rs11620238 (配列番号:13)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11620238 (配列番号:13)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(j) rs17618631 (配列番号:14)に対応する配列、または51位がCもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17618631 (配列番号:14)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(k) rs12429309 (配列番号:15)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12429309 (配列番号:15)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(l) rs7982251 (配列番号:16)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982251 (配列番号:16)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(m) rs9508016 (配列番号:17)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508016 (配列番号:17)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(n) rs7982957 (配列番号:18)に対応する配列、または51位がAもしくはTであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982957 (配列番号:18)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(o) rs3794400 (配列番号:19)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794400 (配列番号:19)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(p) rs45455097 (配列番号:40)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs45455097 (配列番号:40)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(q) rs1886233 (配列番号:41)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1886233 (配列番号:41)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(r) rs9554309 (配列番号:42)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554309 (配列番号:42)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(s) rs11619230 (配列番号:43)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs11619230 (配列番号:43)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(t) rs9554311 (配列番号:44)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554311 (配列番号:44)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(u) rs4771233 (配列番号:45)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs4771233 (配列番号:45)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(v) rs6491274 (配列番号:46)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs6491274 (配列番号:46)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(w) rs7982639 (配列番号:47)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7982639 (配列番号:47)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(x) rs12877718 (配列番号:48)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs12877718 (配列番号:48)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(y) rs10507382 (配列番号:49)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs10507382 (配列番号:49)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(z) rs57354941 (配列番号:50)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs57354941 (配列番号:50)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(aa) rs17086497 (配列番号:51)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs17086497 (配列番号:51)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(bb) rs3794395 (配列番号:52)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs3794395 (配列番号:52)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(cc) rs9554317 (配列番号:53)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554317 (配列番号:53)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(dd) rs9513073 (配列番号:54)に対応する配列、または51位がAもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513073 (配列番号:54)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ee) rs9513074 (配列番号:55)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513074 (配列番号:55)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ff) rs9508015 (配列番号:56)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508015 (配列番号:56)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(gg) rs2011950 (配列番号:57)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2011950 (配列番号:57)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(hh) rs9513110 (配列番号:58)に対応する配列、または51位がTもしくはGでり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513110 (配列番号:58)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ii) rs9513112 (配列番号:59)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513112 (配列番号:59)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(jj) rs9513113 (配列番号:60)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513113 (配列番号:60)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(kk) rs9551471 (配列番号:61)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551471 (配列番号:61)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ll) rs2296285 (配列番号:62)に対応する配列、または51位がTもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs2296285 (配列番号:62)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(mm) rs9513116 (配列番号:63)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513116 (配列番号:63)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(nn) rs9551473 (配列番号:64)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9551473 (配列番号:64)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(oo) rs7330109 (配列番号:65)に対応する配列、または51位がTもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7330109 (配列番号:65)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(pp) rs9508037 (配列番号:66)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有し、rs9508037 (配列番号:66)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9508037 (配列番号:66)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(qq) rs1924981 (配列番号:67)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs1924981 (配列番号:67)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(rr) rs34140996 (配列番号:68)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs34140996 (配列番号:68)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(ss) rs7985584 (配列番号:69)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7985584 (配列番号:69)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;
(tt) rs7992940 (配列番号:70)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs7992940 (配列番号:70)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列;ならびに
(uu) rs718273 (配列番号:71)に対応する配列、または51位がTもしくはCであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs718273 (配列番号:71)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化、ならびにPAN3遺伝子中の変化および遺伝子間DNA中の変化に対応するVEGFR-1遺伝子から上流または下流の他の連鎖するSNPに対応するVEGFR-1遺伝子中の変化を含む。
【0033】
本明細書に記載される発明に関連して、同定されたSNPに関して上述の相同性は、特定のSNPが列挙される本明細書に記載のそれぞれの態様に適用される。
【0034】
本発明に関連して、「相同性」は、「バリアント対立遺伝子」に関連して、本明細書に示される配列番号で規定される配列の全長に対して少なくとも80%の配列同一性、特に少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性のことをいうことが理解される。本発明に関連して、当業者は、相同性が、異なる民族における「バリアント対立遺伝子」中のさらなる変化(1つまたは複数)を包含する(cover)ことを理解しよう。
【0035】
添付の実施例に示されるように、驚くべきことに、本明細書に示されるバイオマーカー、および/またはVEGF-R1遺伝子中の所定の被験体の個々の遺伝子設定の評価は、全生存だけでなく、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターで治療された患者における進行のリスクにも関連することが示され得る。
【0036】
本発明の方法によると、転移性膵臓癌をゲムシタビン-エルロチニブおよびベバシズマブ、またはプラシーボで治療した試験において、VEGFR-1遺伝子中の4つのSNPが、ベバシズマブ治療群における全生存と相関した。同定された4つのSNPは、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)に由来する(derived for)。図1に示される配列である最も重要なSNP、rs9582036 (配列番号:2)は、対立遺伝子リスク効果モデル(allelic risk effect model)においてp-値<=3e-4を有した。AAキャリアと比較すると、ハザード比(hazard tatio)は、ACおよびCCキャリアについてそれぞれ2.0 (CI=1.2-3.4; p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7; p=0.0002)であった。メジアン全生存は、CC (n=9)キャリアにおいて4.8ヶ月から6.0ヶ月に増加し、AC (n=28)およびAA (n=40)キャリアにおいて10.3ヶ月に増加した。より具体的に、この分析により、rs9582036 (配列番号:2)について、AA遺伝子型を有する患者は、AC遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有し、AC遺伝子型を有する患者は、CC遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有することが示される。無進行生存終点を用いて、同様の関連が観察された。ベースライン予後因子(好中球数、CRPおよび腫瘍位置)についての調整の後、効果は弱まったが抑制はされなかった。対照群では効果は検出されなかった。rs9582036 (配列番号:2)遺伝子型と治療の間の相互作用についての試験では、0.02のp-値がもたらされた。同様に、rs9554316 (配列番号:1) SNPにおけるTGおよびGGキャリアのハザード比は、2.07(CI=1.25-3.43; p=0.0047)および4.69(CI=1.75-12.95; p=0.0021)であった。具体的に、この分析により、rs9554316 (配列番号:1)について、GG遺伝子型を有する患者は、TG遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有し、TG遺伝子型を有する患者は、TT遺伝子型を有する患者よりも長い生存を有することが示される。興味深いことに、VEGFR-1遺伝子中の他の2つのSNP、すなわちrs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)も、改善したメジアン全生存と相関した。4つ全てのSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を包含し、必須受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインをコードする同じ染色体領域中に位置した。
【0037】
本発明の方法によると、腎細胞癌をインターフェロンαおよびベバシズマブまたはインターフェロンαおよびプラシーボで治療した試験において、VEGFR-1遺伝子中の2つのSNPが、ベバシズマブ治療群における無進行生存と相関した。同定された2つのSNPはSNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)由来である(derived for)。ベバシズマブ治療群において、rs9513070 (配列番号:3)のAAキャリアは、AGおよびGGキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図13)。ベバシズマブ治療群において、rs9554316 (配列番号:1)のGGキャリアは、GTおよびTTキャリアと比較して、増加した無進行生存を示した(図15)。
【0038】
したがって、本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のための脈管形成インヒビターを提供し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターはVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。投与される脈管形成インヒビターは、他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0039】
本発明は、膵臓癌に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のためのベバシズマブに関し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、ベバシズマブは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者にを投与される。投与されるベバシズマブは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0040】
本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者のための改善された化学療法計画における使用のためのベバシズマブに関し、ここで患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、ベバシズマブは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。投与されるベバシズマブは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0041】
以下の同様の使用が準用され得る。
【0042】
本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0043】
したがって、本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0044】
本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定し、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は膵臓癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0045】
本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0046】
したがって、本発明は、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0047】
本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0048】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブなどの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0049】
本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブなどの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0050】
したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターはVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターはゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0051】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子はSNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0052】
したがって、本発明は、以下:
(a) 転移性膵臓癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0053】
したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、ゲムシタビン-エルロチニブ治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0054】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(b) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用を提供する。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターはインターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0055】
したがって、本発明は、以下:
(a) 腎細胞癌に苦しむ患者から試料を得る工程;
(b) 患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される;ならびに
(c) 脈管形成インヒビターをVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与する工程
を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存を改善するための脈管形成インヒビターの使用に関する。脈管形成インヒビターは、ベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0056】
したがって、本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターに関し、ここで腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、脈管形成インヒビターは、脈管形成インヒビターを投与されるVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に投与される。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。脈管形成インヒビターは、インターフェロンα治療などの他の化学療法剤または化学療法計画と共に投与され得る。
【0057】
本発明の方法によると、本明細書で同定されるSNPは、脈管形成インヒビター、特にベバシズマブを用いた治療に応答性または感受性である、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患、特に転移性膵臓癌または腎細胞癌に苦しむ患者を予測するものである。したがって、本発明は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の脈管形成インヒビターに対する応答または感受性を予測する方法に関する。悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患は、膵臓癌または腎細胞癌であり得る。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0058】
本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、転移性膵臓癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測する方法を提供する。VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4) からなる群より選択され得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性である患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。したがって、本発明は、転移性膵臓癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための、特異的プライマーおよび/またはプローブの使用に関し、ここで該プライマーおよび/またはプローブは、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、SNP rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0059】
本発明はまた、患者試料から腎細胞癌に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含む、腎細胞癌に苦しむ患者の脈管形成インヒビター治療に対する応答または感受性を予測する方法を提供し、ここで1つ以上のバリアント対立遺伝子は、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択され、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。したがって、本発明は、腎細胞癌に苦しむ患者のベバシズマブ治療に対する応答または感受性を予測する組成物の調製のための、特異的プライマーおよび/またはプローブの使用に関し、ここで該プライマーおよび/またはプローブは、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つからなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAは、脈管形成インヒビター治療に応答性(response)または感受性の患者の指標である。脈管形成インヒビターはベバシズマブであり得る。
【0060】
本明細書に提供される方法に使用される試料は、生物学的試料であり、血液および/または組織試料であり得る。好ましくは、試料は血液試料であり、より好ましくは末梢血試料である。さらにより好ましくは、試料はDNA試料である。DNA試料は生殖細胞系DNAまたは体細胞DNAであり得る。好ましくは、DNAは生殖細胞系DNAである。
【0061】
好ましくは、試料は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者から得られる。悪性疾患の例としては、限定されないが、膵臓癌、腎細胞癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、リンパ腫、骨癌、卵巣癌、黒色腫、前立腺血液学的悪性腫瘍および/または上述の癌の転移性形態が挙げられる。好ましくは、試料は、膵臓癌、腎細胞癌、肺癌、乳癌および/または結腸直腸癌に苦しむ患者から得られる。さらにより好ましくは、試料は、転移性膵臓癌、腎細胞癌、転移性結腸直腸癌、転移性乳癌および/または非扁平上皮非小細胞肺癌に苦しむ患者から得られる。最も好ましくは、患者は、転移性膵臓癌または腎細胞癌に苦しんでいる。生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患の例としては、限定されないが、高度神経膠腫、神経膠芽腫、M. ランデュ-オースラー、フォン・ヒッペル-リンダウ病、血管腫、乾癬、カポジ肉腫、眼の新生血管形成、関節リウマチ、子宮内膜症、アテローム硬化症、心筋虚血、末梢虚血、脳虚血および創傷治癒が挙げられる。
【0062】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビター」は、脈管形成(例えば血管を形成するプロセス)を改変する全ての薬剤のことをいい、腫瘍脈管形成を含むが限定されない脈管形成を阻害する薬剤を含む。これに関連して、阻害は、血管の形成のブロッキングおよび血管の成長の停止または遅延のことをいい得る。脈管形成インヒビターの例としては、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)としても公知)、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブおよびバタラニブが挙げられる。好ましい脈管形成インヒビターはベバシズマブ(アバスチン(登録商標))であり、これは、インビトロおよびインビボアッセイ系においてヒトVEGFAに結合してその生物学的活性を阻害する組換えヒト化モノクローナルIgG1抗体である。用語「ベバシズマブ」は、米国、欧州および日本からなる国の群から選択される国または領土において同一または生物学的に同様な製品として出荷承認を得るために必要な要件を満たす、全ての対応する抗VEGF抗体を含む。
【0063】
本発明に関連して、「投与」または「投与すること」は、脈管形成インヒビターなどの医薬組成物の患者への投与を意味する。例えば、2.5mg/体重kg〜15mg/体重kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))を、毎週、2週ごとまたは3週ごとに、治療される癌の型に応じて投与し得る。好ましい投薬量は、5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kgおよび15mg/kgを含む。さらにより好ましい投薬量は2週ごとに5mg/kg、2週ごとに10mg/kgおよび3週ごとに15mg/kgである。転移性膵臓癌の治療のためのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))に関して、投薬量は2週間に1回5mg/体重kgもしくは10mg/体重kg、または3週間に1回7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgを含む。腎細胞癌の治療のためには、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))の投薬量は、2週間に1回10mg/体重kgを含む。
【0064】
EMEAに従った特定の癌の治療のためのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))の投薬量は、以下の通りである(詳細は、http://www.emea.europa.eu/humandocs/PDFs/EPAR/avastin/emea-combined-h582en.pdfを参照)。結腸または直腸の転移性の癌(mCRC)のための好ましい投薬量は、2週間に1回の5mg/体重kgもしくは10mg/体重kg、または3週間に1回の7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgであり、転移性乳癌(mBC)のための好ましい投薬量は、静脈内注射で2週間に1回の10mg/体重kgまたは3週間に1回の15mg/体重kgであり、非小細胞肺癌(NSCLC)のための好ましい投薬量は、静脈注射で3週間に1回の7.5mg/体重kgまたは15mg/体重kgである。NSCLC患者における臨床的な利点は、7.5mg/kgおよび15mg/kgの両用量で示されている。詳細についてはセクション5.1薬力学特性、非小細胞肺癌(NSCLC)で述べる。進行したおよび/または転移性腎細胞癌(mRCC)のための好ましい投薬量は、静脈投与で2週間に1回の10mg/体重kgである(6サイクルまでの治療のための白金系化学療法に加えて、疾患進行まで単一薬剤としてのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))が続く)。神経膠芽腫のための好ましい投薬量は、2週ごとに10mg/kgである。
【0065】
本発明に関連して、脈管形成インヒビターは、当該技術分野に公知の標準的な化学療法計画の一部として投与される1つ以上の化学療法剤に加えて、または共療法として、または共治療として投与され得る。かかる標準的化学療法計画に含まれる薬剤の例としては、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン、エルロチニブ、カペシタビン、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどのタキサン、インターフェロンα、ビノレルビン、ならびにパクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤が挙げられる。転移性膵臓癌の共治療の例としては、5mg/体重kgもしくは10mg/体重kgの投薬量で2週間に1回または3週間に1回の7.5mg/体重kgもしくは15mg/体重kgゲムシタビン-エルロチニブおよびベバシズマブが挙げられる。腎細胞癌の共治療の例としては、2週間に1回の10mg/体重kgの投薬量でのインターフェロンαおよびベバシズマブが挙げられる。さらに、患者は、例えばボーラス-IFLとして、IFLとも称されるイリノテカン、5-フルオロウラシル、ロイコボリンの組合せで;FOLFOX4計画とも称されるオキサリプラチン、ロイコボリン、および5-フルオロウラシルの組合せで;またはXELOXとも称されるカペシタビンおよびオキサリプラチンの組合せで共治療され得る。したがって、本発明のさらなる態様において、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者は、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン-エルロチニブ、カペシタビン、および/またはパクリタキセル、カルボプラチンおよびオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤等の1つ以上の化学療法剤で治療されている。共療法または共治療の例としては、ボーラスIFLと共に2週間に1回の5mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、または転移性結腸直腸癌についてはFOLFOX4と共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、非扁平上皮非小細胞肺癌についてはカボプラチス(caboplatis)/パクリタキセルと共に3週ごとの15mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、および転移性乳癌についてはパクリタキセルと共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))が挙げられる。さらに、投与対象の脈管形成インヒビターは、放射線療法との共療法または共治療として投与され得る。
【0066】
本明細書で使用する場合、「化学療法剤」または「化学療法計画」は、抗癌治療効果を提供し得る任意の活性剤を含み、特に癌または腫瘍細胞に干渉し得る化学剤または生物剤であり得る。好ましい活性剤は、悪性細胞の発生、成熟または増殖を阻害または予防する抗新生物(化学毒性またはケモスタティック(chemostatic))剤として作用するものである。化学療法剤の非限定的な例としては、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランおよびクロラムブシル)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、およびセムスチン(メチル-CCNU))、エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、トリエチレンメラミン(thriethiylenmelamine)(TEM)、トリエチレン、チオホスホルアミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン))、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、およびトリアジン(例えば、ダカルバジン(DTIC))などのアルキル化剤;葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート、トリメトレキサート)、ピリミジンアナログ(例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5-アザシチジン、2,2'-ジフルオロデオキシシチジン)、およびプリンアナログ(例えば、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アザチオプリン、2'-デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、および2-クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2-CdA))などの代謝拮抗剤;天然産物(例えば、パクリタキセル、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、ドセタキセル、エストラムスチン、およびリン酸エストラムスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えば、アクチノマイシン(actimomycin)D、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ダウノルビシン(daunorubicon)、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトザントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシンC、アクチノマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、および生物反応変更剤(例えば、インターフェロンα、IL-2、G-CSF、GM-CSF)から開発された抗細胞分裂薬;白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトザントロン)、置換尿素(すなわち、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、N-メチルヒドラジン(MIH)、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトーテン(o,p'-DDD)、アミノグルテチミド)を含む種々雑多な薬剤;副腎皮質ステロイドアンタゴニスト(例えば、プレドニゾンおよび同等物、デキサメタゾン、アミノグルテチミド)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲステロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオールおよびその同等物)を含むホルモンおよびアンタゴニスト;抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロンおよびそれらの同等物)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ、ロイプロリド)、非ステロイド性抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、上皮増殖因子インヒビター(例えば、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ)、抗体(例えば、トラスツズマブ)、イリノテカンおよびロイコボリンなどの他の薬剤が挙げられる。転移性膵臓癌の治療のための、ベバシズマブを用いた投与のための化学療法剤は、ゲムシタビンおよびエルロチニブならびにそれらの組合せを含む(本明細書に示される実施例も参照)。腎細胞癌の治療のための、ベバシズマブを用いた投与のための化学療法剤は、インターフェロンαを含む(本明細書に示される実施例も参照)。
【0067】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビターの応答体」は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ被験体/患者が脈管形成インヒビターによる治療に対して応答を示すことを意味する。当業者は、脈管形成インヒビターで治療された人が応答を示すかどうかを容易に決定することができる。例えば、脈管形成インヒビターに対する応答は、腫瘍の増殖の低下および/または停止、および/または腫瘍の大きさの低減、転移の形成の予防、あるいは転移の数または大きさの低減などの、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむことの低下により反映され得る。
【0068】
本発明に関連して、用語「脈管形成インヒビターに感受性の患者」は、脈管形成インヒビターで治療した場合になんらかの陽性の反応を示す患者のことをいう。該患者の反応は、上述の応答体と比較した場合、顕著さがより低くてもよい。例えば、該患者は、腫瘍増殖の低下は測定され得なくても、癌などの悪性腫瘍からより少ない苦しみを経験し得る。脈管形成インヒビターに対する患者の反応はまた、一過性の性質だけでもあり得、すなわち腫瘍および/または転移(1つまたは複数)の増殖は、一時的に低減または停止されるだけであり得る。
【0069】
本発明に関連して、用語「に苦しむ患者」は、癌などの特定の悪性疾患、生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患および/または腫瘍性疾患に関して臨床性徴候を示す患者をいう。
【0070】
本発明に関連して、用語「全生存の改善のため」は、患者群中の患者の平均生存のことをいう。当業者が理解するように、患者が、別の患者の亜群と比較して、統計的に有意に長い平均生存時間を有する患者の亜群に属する場合に、患者の全生存は改善または増強される。
【0071】
本発明に関連して、用語「無進行生存の改善のため」は、患者群中の患者に関して、患者の疾患が悪化しない治療中および治療後の時間の長さの平均のことをいう。当業者が理解するように、患者が、別の患者の亜群と比較して、疾患が悪化しない時間の有意に長い平均長さを有する患者の亜群に属する場合に、患者の無進行生存は改善または増強される。
【0072】
用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は互換的に使用され、本発明に関連して、2つ以上、好ましくは3個より多くのデオキシヌクレオチドまたはリボヌクレオチドからなる分子のことをいう。その正確な大きさは、多くの因子に依存し、該因子は、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは合成的に誘導され得るかまたはクローニングにより誘導され得る。デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドのキメラも本発明の範囲内にあり得る。
【0073】
配列増幅は、大量の標的配列を生成するための方法である。一般的に、1つ以上の増幅プライマーが核酸配列にアニーリングされる。適切な酵素を使用して、プライマーに隣接して見い出されるまたはプライマー間に見い出される配列が増幅される。
【0074】
増幅プライマーは、標的配列にアニーリングし得、かつ核酸に相補的なプライマー伸長産物の合成が開始される条件下におかれた場合にDNA合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドである。
【0075】
本発明によるプライマーは、本明細書に示されるSNPの配列に基づいて、当該技術分野で一般的に公知のように設計され得る。プライマーは、好ましくは10〜45ヌクレオチド長、より好ましくは15〜30ヌクレオチド長である。
【0076】
本明細書に記載の発明によると、SNPの上流に結合するように設計されたプライマーは、同じSNPの下流に結合するように設計された第二のプライマーと併用される。SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について誘導された核酸プライマーの例を図2に示す。より具体的に、rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)が使用され得る。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)が使用され得る。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)が使用され得る。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)が使用され得る。
【0077】
当業者が理解するように、本明細書で同定された各SNPについて多数のプローブが設計され得る。例えば、伸長終結反応(termination extensioin reaction)時に伸長され得る伸長可能なプライマーであるプローブを伸長産物と共に図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:27)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。伸長可能なプライマーであるプローブは、好ましくは15〜30ヌクレオチド長、より好ましくは15〜25ヌクレオチド長である。
【0078】
本発明は、VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定するのに有用なオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを提供する。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドはプライマーおよび/またはプローブを含み得る。プライマーに関して、該プライマーは、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択され得る。プローブに関して、該プローブは、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択され得る。
【0079】
当業者はまた、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、ビオチン-アビジン標識、化学発光物質等の標準的な標識技術により標識され得るハイブリダイゼーションプローブなどのプローブを使用する能力を有し得る。ハイブリダイゼーション後、該プローブは公知の技術を使用して可視化され得る。
【0080】
本発明はまた、上述のオリゴヌクレオチドのいずれか、および任意に適切な検出手段を含む診断組成物またはキットに関する。
【0081】
本発明のキットは、本発明の方法を実行するために有利に使用され得、とりわけ種々の適用、例えば診断分野においてまたは研究ツールとして使用され得る。本発明のキットの一部は、バイアル中、または容器中もしくは複数の容器単位中の組合せ中の個々のパッケージであり得る。該キットの製造は、好ましくは当業者に公知の標準的な手順に従う。キットまたは診断組成物は、例えば本明細書に記載の増幅技術を使用して、本発明の本明細書に記載される方法によりVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の検出のために使用され得る。
【0082】
したがって、さらなる態様において、本発明は、VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し得るオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む、本明細書に記載の方法を実行するのに有用なキットを提供する。該オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、プライマーおよび/またはプローブを含み得る。プライマーに関して、該プライマーは、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択され得る。プローブに関して、該プローブは、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択され得る。
【0083】
本発明は、以下の非限定的な図面および実施例を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】図1はSNPの配列である。各SNPについての診断対立遺伝子を同定する。図1Aは、AVITA試験において遺伝子型決定され、ベバシズマブ結果と関連したSNPである。
【図1B】図1Bは、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)の(遺伝子座中の)ハプロタイプブロックに属する、連鎖するSNPである。
【図1C】図1Cは、(遺伝子座の外側の)ハプロタイプブロックの5'上流または下流にあり、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)とLD (D'>0.8)における、連鎖するSNPである。
【図1D−1】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図1D−2】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図1D−3】図1Dは、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)またはrs9554320 (配列番号:4)に対してr2が0.12以上である、連鎖するSNPである。
【図2−1】図2は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)についてのプライマーである。伸長しないプライマー(プローブ)、伸長するプライマー(プローブ)およびそれらの質量も示される。
【図2−2】図2は、SNP rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)についてのプライマーである。伸長しないプライマー(プローブ)、伸長するプライマー(プローブ)およびそれらの質量も示される。
【図3】図3は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による全生存率対試験期間(time on study)(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=40、メジアン=309)であり、1はAC(n=28、メジアン=171)であり、2はCC(n=9、メジアン=144)である。1対0(HR=2.00 [3.36, 1.19]、ワルド検定p=0.0091)および2対0:(HR=4.72 [10.68, 2.08]、ワルド検定p=0.0002)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図4】図4は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=38、メジアン=226)であり、1はAC(n=29、メジアン=177)であり、2はCC(n=10、メジアン=149)である。1対0(HR=1.62 [2.68, 0.97]、ワルド検定p=0.063)および2対0:(HR=1.53 [3.12, 0.75]、ワルド検定p=0.240)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図5】図5は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=40、メジアン=218)であり、1はAC(n=28、メジアン=133)であり、2はCC(n=9、メジアン=102)である。1対0(HR=1.86 [3.10, 1.11]、ワルド検定p=0.0180)および2対0:(HR=3.63 [8.05, 1.64]、ワルド検定p=0.0015)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図6】図6は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9582036 (配列番号:2)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はAA(n=38、メジアン=147)であり、1はAC(n=29、メジアン=120)であり、2はCC(n=10、メジアン=134)である。1対0(HR=1.36 [2.22, 0.83]、ワルド検定p=0.23)および2対0:(HR=1.04 [2.11, 0.51]、ワルド検定p=0.91)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型ACについてであり、点線は遺伝子型CCについてである。
【図7】図7は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=42、メジアン=309)であり、1はTG(n=30、メジアン=148)であり、2はTT(n=5、メジアン=132)である。1対0(HR=2.07 [3.43, 1.25]、ワルド検定p=0.0047)および2対0:(HR=4.69 [12.59, 1.75]、ワルド検定p=0.0021)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図8】図8は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による全生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=43、メジアン=222)であり、1はTG(n=26、メジアン=177)であり、2はTT(n=7、メジアン=149)である。1対0(HR=1.34 [2.22, 0.81]、ワルド検定p=0.25)および2対0:(HR=1.36 [3.04, 0.60]、ワルド検定p=0.46)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図9】図9は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(ベバシズマブおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=42、メジアン=213)であり、1はTG(n=30、メジアン=121)であり、2はTT(n=5、メジアン=65)である。1対0(HR=1.86 [3.05, 1.13]、ワルド検定p=0.0150)および2対0:(HR=4.60 [12.42, 1.70]、ワルド検定p=0.0026)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図10】図10は、カプラン-マイヤー曲線である。AVITA試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(日)(プラシーボおよびゲムシタビン-エルロチニブ(GE)治療で治療した転移性膵臓癌を有する患者)。説明文中0、1および2は遺伝子型をいう:0はGG(n=43、メジアン=122)であり、1はTG(n=26、メジアン=121)であり、2はTT(n=7、メジアン=134)である。1対0(HR=1.26 [2.06, 0.77]、ワルド検定p=0.3700)および2対0:(HR=1.00 [2.25, 0.45]、ワルド検定p=0.9900)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型TGについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図11】図11は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験の全集団についての無進行生存率対試験月(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療またはプラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。図中、破線はプラシーボおよびインターフェロンαで治療した患者についてであり、実践はベバシズマブおよびインターフェロンαで治療した患者についてである。
【図12】図12は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験の遺伝子型集団についての無進行生存率対試験月(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療またはプラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。図中、破線はプラシーボおよびインターフェロンαで治療した患者についてであり、実線はベバシズマブおよびインターフェロンαで治療した患者についてである。
【図13】図13は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9513070 (配列番号:3)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、AA(n=19/17、メジアン=18.53)、AG(n=28/28、メジアン=12.78)およびGG(n=9/9、メジアン=13.6)である。AG対AA(HR=1.89 [3.50, 1.02]、ワルド検定p=0.044)およびGG対AA:(HR=2.69 [6.29, 1.15]、ワルド検定p=0.022)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型AGについてであり、点線は遺伝子型GGについてである。
【図14】図14は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のプラシーボ治療亜群中のrs9513070 (配列番号:3)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(プラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、AA(n=11/10、メジアン=5.52)、AG(n=26/19、メジアン=14.23)およびGG(n=8/8、メジアン=3.71)である。AG対AA(HR=0.44 [0.97, 0.21]、ワルド検定p=0.04)およびGG対AA:(HR=1.54 [3.95, 0.60]、ワルド検定p=0.37)。図中、実線は遺伝子型AAについてであり、破線は遺伝子型AGについてであり、点線は遺伝子型GGについてである。
【図15】図15は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のベバシズマブ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(ベバシズマブおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、GG(n=36/34、メジアン=16.66)、GT(n=18/18、メジアン=10.15)およびTT(n=1/1、メジアン=14.52)である。GT対GG(HR=1.96 [3.56, 1.08]、ワルド検定p=0.026)およびTT対GG:(HR=2.15 [16.17, 0.29]、ワルド検定p=0.457)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型GTについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【図16】図16は、カプラン-マイヤー曲線である。AVOREN試験のプラシーボ治療亜群中のrs9554316 (配列番号:1)遺伝子型による無進行生存率対試験期間(月)(プラシーボおよびインターフェロンα(IFN)治療で治療した腎細胞癌を有する患者)。遺伝子型は、GG(n=26/21、メジアン=7.95)、GT(n=17/15、メジアン=13.37)およびTT(n=2/1、メジアン=8.11)である。GT対GG(HR=0.944 [1.839, 0.485]、ワルド検定p=0.866)およびTT対GG:(HR=0.413 [3.082, 0.055]、ワルド検定p=0.389)。図中、実線は遺伝子型GGについてであり、破線は遺伝子型GTについてであり、点線は遺伝子型TTについてである。
【0085】
添付の例示的実施例に記載されるように、本明細書に提供される手段および方法は、白人種由来の生物学的試料の分析および評価に関する。
【実施例】
【0086】
実施例1:
遺伝的決定は、VEGFに対する内皮の感受性に影響を及ぼし得る。本発明により、本発明に関連して、発明者らは、抗脈管形成治療についての予測パターンを発見するために、シグナル伝達経路の遺伝的変異性を調べた。この分析において、VEGFシグナル伝達経路における遺伝的変異性と、第III相試験(AVITA)のゲムシタビン-エルロチニブ(GE)およびベバシズマブまたはプラシーボで治療した転移性膵臓癌を有する患者の臨床結果との相関を評価した。
【0087】
607名の患者のうち、77名はGEおよびベバシズマブを受け、77名はGEのみを受けた154名の患者から生殖系DNAを得た(メジアン全生存=7.5および6.8ヶ月);http://www.roche-trials.com/patient/trials/trial11.htmlでアクセス可能なAVITA試験(BO17706)参照。低酸素誘導因子-1αおよび-2α、VEGF、その受容体(VEGFR-1および-2)ならびに他の関連のある遺伝子に位置する一般的な単一ヌクレオチド多型(SNP)は、SNPタグ付加アプローチを使用して選択した(f≧0.1およびr2≦0.8)。MALDI-TOF質量分析法を使用して、157個のSNPを成功裡に遺伝子型決定した。コックス回帰分析を使用して、リスクおよび生存推定値を計算した。
【0088】
VEGFR-1遺伝子内の4つのSNPは、ベバシズマブ治療群の全生存および無進行生存と相関した。最も有意なSNPであるrs9582036は、対立遺伝子リスク効果モデルにおいてp値<=3e-4を有した。AAキャリアと比較して、ACキャリアおよびCCキャリアについてのハザード比はそれぞれ2.0 (CI=1.2-3.4;p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7;p=0.0002)であった。メジアン全生存は、CCキャリア(n=9)において4.8ヶ月から、AC (n=28)キャリアおよびAA (n=40)キャリアにおいて6.0ヶ月および10.3ヶ月に増加した。PFS終点と同様の関係が観察された。ベースライン予後因子(好中球数、CRPおよび腫瘍位置)について調整した後、効果は弱まったが抑制はされなかった。対照群において効果は検出されなかった。rs9582036 (配列番号:2)遺伝子型と治療の間の相互作用についての試験により、0.02のp値がもたらされた。4つ全てのSNPは、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を含み必須受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインをコードする同じ染色体領域中に位置した。さらに驚くべきことに、以前に報告されたVEGF-2578C/A多型との関連はこのデータセットでは検出され得なかったことが見出された。
【0089】
これらの亜群のデータは、ベバシズマブなどの脈管形成インヒビターで治療した癌患者、例えば膵臓癌患者における臨床結果と相関する、VEGFR-1遺伝子、特にVEGFR-1のTKドメイン中の遺伝子座を規定する。したがって、本明細書に記載されるパラメーターを使用して推定値を入手し得る。これらのパラメーター、すなわち本明細書に記載されるVEGFR-1遺伝子の変化は、癌に苦しむ被験体における抗脈管形成治療の有利な効果の評価に使用され得る。したがって、本明細書において提供される発明は、予測評価および予後評価のための新規で創意に富むバイオマーカーの提供に関する。
【0090】
患者および方法
試料
AVITA試験において、607名の適格患者があった。該試験プロトコルは、各現場の施設の審査委員会により承認され、ヘルシンキ宣言、現在の米国食品医薬品局優良臨床規範、ならびに地域の倫理的および法的要件に従って実施した。凍結全血試料を607名の患者のうち160名(26.4%)から得て、このうちの154名は疾患進行事象を有し、150名については、疾患は致死性であった。160名の患者のうち、6名はアジア系人種で、残り全ての154名の患者は白人種起源であった。アジア系起源の患者は白人種患者とは遺伝的に異なり、SNP頻度は両人種間で異なり得るので、これら6名の患者は更なる分析からは除外した。残りの154名のDNA検体を同定しない(de-identified)様式で研究者に提供した。全ての対応する患者は、遺伝的バイオマーカー試験についての別々のインフォームドコンセント書面を用意した。
【0091】
評価
先に記載されるように患者を評価した(Van Cutsem et al., J. Clinc. Oncol. 27, 2231-7 (2009))。簡潔に、充実性腫瘍の応答評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)ガイドラインに従って、ベースライン、第8週、第16週、第24週、第32週、第40週その後疾患進行まで12週ごとに腫瘍評価を行なった。患者は、死亡、追跡の欠損、または試験の終了まで生存およびその後の疾患治療を続けた。毎週、カルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)および体重の評価を収集した。有害事象についての国立癌研究所共通専門用語基準、バージョン3.0 (NCICTCAE v3)を使用して、巡回ごとに有害事象を記録した。遺伝的バイオマーカー分析のための血液試料は、試験治療開始前に収集した。
【0092】
単一ヌクレオチド多型選択
VEGFシグナル伝達カスケードに含まれる以下の遺伝子:VEGFリガンド、VEGFホモログ(胎盤増殖因子またはPlGF、VEGF-Bおよび-C、ならびにVEGF-DまたはFlGF)、VEGF受容体-2(KDRまたはVEGFR-2)およびVEGF受容体-1(FLT1またはVEGFR-1) を選択した。各遺伝子の翻訳開始領域の5kb上流から3'ポリAアデニル化部位までのゲノム配列を、HapMapデータベース(HapMap Data Rel 24/phaseII Nov08, on NCBI B36 assembly, dbSNP b126)からのSNPの選択に使用した。HAPLOVIEWソフトウェアパッケージ(Barrett, J.C., et al., Bioinformatics. 21, 263-5 (2005))に示されるように、タガー(Tagger)を使用して、タグ付加SNPを選択した(Pe'er, I., et al., Nat. Genet. 38, 663-7 (2006))。一般的に出現するSNP、すなわちマイナー対立遺伝子頻度f≧0.1および最小r2閾値≧0.8のものだけを考慮した。これらの基準に従って、全体で、167個のタグ付加SNPを選択した。さらに、以前にこれらの遺伝子の機能または発現に影響すると報告されていた、エキソン配列に位置しかつf≧0.1の頻度で非多義的アミノ酸変化を誘導する11個のSNP、ならびにVEGF中4個のSNP(rs699947、rs833061、rs2010963およびrs3025039)、VEGFR-1中1個のSNP(rsTP53_R-1)およびVEGFR-2中1個のSNP(rs2071559)をdbSNPデータベースから選択した。
【0093】
VEGFR-1遺伝子中の各SNPの染色体座および位置を、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について、対立遺伝子変化および参照対立遺伝子と共に示す。
【0094】
【0095】
遺伝子型決定
末梢血を、K2EDTAプラスチックバキュテナーチューブにサンプリングした。遠心分離後、沈殿した白血球細胞画分から、標準的な手順に従って生殖系DNAを抽出した。以前に製造業者により記載されたように、Sequenom(登録商標)iPLEXプラットフォームを使用して、Vesalius Research Centerで、選択されたSNPについて遺伝子型決定を行なった。第一の遺伝子型決定ラウンドでエラー強さのある(robust)遺伝子型を示さなかった全てのSNPは、異なる組のPCRプライマーを使用して再度設計して試験した。第二の設計において繰り返し失敗した場合、これらのSNPは失敗と見なした。184個の選択されたSNPのうち、27個のSNP (14.7%)が失敗であり、157個(85.3%)が成功裡に遺伝子型決定された。全体の遺伝子型決定成功率は、98.5%であった。個々の試料レベルで、高い成功率で全ての試料を遺伝子型決定した(すなわち、<5%の試料は<95%の成功率を有し、>70%の試料は>99%の成功率を有した)。分析から除外した試料はなく、ハーディ-ワインベルグからの有意な偏差は観察されなかった。
【0096】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した増幅プライマーを図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)を使用した。
【0097】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計して伸長しなかったプライマー(プローブ)も図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:28)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。
【0098】
統計
対立遺伝子モデルを使用した場合、マイナー対立遺伝子と同型の患者を2とコードし、異型の患者を1とコードし、主要対立遺伝子と同型の患者を0とコードした。各SNPについて、独立した別々のモデルを設計した。
【0099】
全生存および無進行生存に対する異なる遺伝子型の効果を評価するために、コックス比例危険回帰モデルを使用した。
【0100】
コックスモデルにおいて、試験におけるエントリーから死亡または打ち切りまでの時間を全生存終点として使用した。試験におけるエントリーから疾患進行または死亡までの時間を進行生存終点として使用した。
【0101】
全生存について、帰無仮説は、遺伝子型は全生存に影響しないことを示した。試験した各SNPについてこの仮説に対応するP値を計算するために、尤度比試験を使用した。
【0102】
無進行生存について、帰無仮説は、遺伝子型は進行のリスクまたは生存に影響しないことを示した。試験した各SNPについてのこの仮説に対応するP値を計算するために、尤度比試験を使用した。
【0103】
試験のベバシズマブアーム(arm)中の患者の亜群において第一の分析を行なった。試験のプラシーボアーム中の患者の亜群においてさらなる分析を行ない、遺伝子型相互作用による治療は、両方を含むモデルで評価した。
【0104】
第一の分析において、遺伝子型だけを該モデルの予測変数として含んだ。第一の結果をさらに特徴づけて確認するために、補助的臨床予後因子を調整して、いくつかの相補性分析を行った。これらの予後因子を遺伝子型の影響に加えた共変量として採用し、さらなる回帰モデルを実行することによりこれを達成した。
【0105】
多数の試験を説明するために、0.0005(5.e-4)未満の場合にp値を有意と見なした。
【0106】
標準カプラン-マイヤー推定値を使用して、生存曲線およびメジアン生存時間を計算した。
【0107】
遺伝的患者集団の臨床特性
生殖系DNAは試験参加者の26.4% (607名の患者中160名)のみから得たので、この亜群が全患者コホートと同様の疾患特性を示すかどうかを最初に評価した。遺伝的亜群の全てのベースライン人口統計特性は、試験集団全体で同様であった。プラシーボアーム中に77名の患者、およびベバシズマブアーム中に77名の患者があった。全体的に、遺伝的分析に利用可能な亜群は極めて同様にふるまい、同等の年齢および性別分布、喫煙状態、KPS、苦痛に対する視覚アナログ尺度、無進行生存および全生存を示した。亜群のメジアン全生存は、ベバシズマブアームおよびプラシーボアームにおいて7.2ヶ月および6.1ヶ月であり、メジアン無進行生存はそれぞれ、4.6ヶ月および3.6ヶ月であった。
【0108】
ベースライン人口統計は、治療アーム間で釣り合わせた。
【0109】
【0110】
VEGFR-1中のSNPは治療アーム中の全生存に相関した。
【0111】
全生存分析
ベバシズマブで治療した患者の亜群における分析
【0112】
プラシーボで治療した患者の亜群における分析
【0113】
プラシーボ亜群において、全生存と関連する遺伝子型は検出されなかった。
【0114】
遺伝子型相互作用による治療の分析
【0115】
治療アームにおける全生存に対する効果を評価するために、SNPのそれぞれについてコックス回帰分析を行なった。多重試験について補正するために、有意差レベルをp<0.0005に設定した。2つのSNPにより、好ましいメジアン全生存を予測した(rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)についてそれぞれp=0.00014およびp=0.00042)。両方のSNPはVEGFR-1中に位置しており、相加的リスク効果を有する優れた全生存を示した:rs9582036 (配列番号:2) AAキャリアに対して、ACおよびCCキャリアについてのハザード比(HR)は、それぞれ2.0 (CI=1.2-3.4;p=0.009)および4.7 (CI=2.1-10.7;p=0.0002)であった。メジアン生存率は、CCキャリアにおける4.8ヶ月から、ACおよびAAキャリアにおける6.0ヶ月および10.3ヶ月に増加した。同様に、rs9554316 (配列番号:1) SNPにおいてTGおよびGGキャリアについてのハザード比は、2.07 (CI=1.25-3.43;p=0.0047)および4.69 (CI=1.75-12.95;p=0.0021)であった。興味深いことに、VEGFR-1遺伝子おける他の2つのSNP、すなわちrs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)も、メジアン全生存の改善と相関した。これら2つのSNPは、非常に低いp値(それぞれp=0.0081およびp=0.0097)を有したが、多重度調整されたp値の閾値には達しなかった。
【0116】
プラシーボアームにおけるrs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)についてのコックス回帰では、全生存との有意な相関は明らかにならなかった。実際に、rs9582036 (配列番号:2) AAキャリアと比較して、rs9582036 (配列番号:2) ACおよびCCキャリアについてのハザード比は、それぞれ1.62 (CI=0.97-2.68;p=0.063)および1.53 (CI=0.75-3.12; p=0.24)であった。同様に、rs9554316 TTキャリアと比較して、rs9554316 (配列番号:1) TGおよびGGキャリアについてのハザード比は、1.34 (CI=0.81-2.22;p=0.25)および1.36 (CI=0.60-3.04; p=0.46)であった。結果的に、遺伝子型と治療の間の相互作用を評価する回帰分析は有意であり(rs9582036 (配列番号:2)についてp=0.023およびrs9554316 (配列番号:1)についてp=0.041)、予後マーカーよりもrs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)が予測的であることが示された。
【0117】
補助予後因子について調整されたベバシズマブで治療した患者の亜群における分析:VEGFR-1におけるSNPは、治療についての独立予測マーカーである
【0118】
rs9582036およびrs9554316が、治療応答に影響することが公知の他の共変数とは独立して全生存と相関するかどうかを評価するために、好中球数、CRPレベルおよび腫瘍の位置について調整して、コックス回帰モデルを行った。この分析では、正常アルブミンレベルを有する患者だけを考慮した。
【0119】
全生存との相関は、弱まったが、抑制はされず、両方のSNPについて有意なままであった(p=0.002およびp=0.0089)。
【0120】
rs9582036 (配列番号:2)は最低のp値を有し、p値は0.05よりも充分に低い。rs9554316 (配列番号:1)も0.05より低いp値を有する。このことはさらに、他の予後因子とは独立して、rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)は、ベバシズマブ治療患者において全生存と相関していることを示唆する。
【0121】
無進行生存
ベバシズマブで治療した患者の亜群における分析
【0122】
発明者らはまた、rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)が無進行生存にも相関するかどうかを分析した。rs9582036 (配列番号:2)およびrs9554316 (配列番号:1)は両方、ベバシズマブ治療群における無進行生存との関連について見た場合、非常に低いp値を有する。これは、全生存と関連するだけでなくベバシズマブで治療した患者における進行のリスクにも関連するという証拠を示す。ベバシズマブアームにおいて、無進行生存との明確かつ有意な相関があった。AAキャリアと比較して、rs9582036 (配列番号:2) ACおよびCCキャリアについてのハザード比は、1.86 (CI=1.11-3.10;p=0.018)および3.63 (CI=1.64-8.05;p=0.0015)であった。かかる効果はプラシーボアームでは観察されなかった。rs9554316 (配列番号:1) SNPについて同様の状況が観察され、プラシーボアームではなく、ベバシズマブアームでPFSとの有意な相関が示された。
【0123】
VEGFR-1 SNPはVEGFR-1チロシンキナーゼドメインの遺伝子座を規定する
VEGFR-1中の2つのSNPは、ベバシズマブ関連結果と有意に関連し、VEGFR-1中の他の2つのSNPも、結果、VEGFR-1中のこれらのSNPの正確な位置ならびにハプロタイプと関連しそうであるため、タグ付加SNPとして表されるものをより詳細に調べた。興味深いことに、4つ全てのSNPは、rs9554320 (配列番号:4)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3) SNPについてそれぞれ互いに近位に位置し(すなわち、イントロン25、27、28および29)、VEGFR-1遺伝子中で4個の連続したハプロタイプを示した。それらの近位配置の結果として、これら4つのSNPはまた、有意な連鎖不平衡で存在し、互いに独立して出現することはなかった。
【0124】
全SNPのp値をベバシズマブアームにおける全生存との相関の基準と見なし、これらの値をVEGFR-1遺伝子中の位置の関数でプロットすると、エキソン25〜30を含む顕著な関連シグナルに気付いた。かかる関連シグナルはプラシーボ群では観察されなかった。VEGFR-1遺伝のエキソン25〜30は、VEGFR-1遺伝子中の2つの主要な自己リン酸化部位を含むVEGFR-1中の受容体チロシンキナーゼ(TK)ドメインの一部であるアミノ酸残基1029〜1338をコードする。
【0125】
実施例2
本発明に関連して、抗脈管形成治療についての予測パターンを発見するために、シグナル伝達経路中にある遺伝的変異性を調べた。この分析において、VEGFシグナル伝達経路中の遺伝的変異性と、第III相試験(AVOREN)のインターフェロンα(IFN)およびベバシズマブまたはプラシーボで治療した転移性腎細胞癌(mRCC)を有する患者の臨床結果との相関を評価した;試験番号BO17705E;Escudier et al., Lancet 370: 2103-2111 (2007)参照。ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))10mg/kgを2週ごとにIV注入としておよび9 MIUで開始したインターフェロンα(IFN)を週に3回(n=327)受けるように、またはプラシーボおよびIFN(n=322)を受けるように、患者を無作為化した。疾患の進行または許容し得ない毒性まで患者をベバシズマブ(アバスチン(登録商標))またはプラシーボで治療した。IFNは最大で52週間後に中断したが、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))またはプラシーボは、疾患進行後または許容され得ない毒性後まで継続した。
【0126】
試料および単一ヌクレオチド多型選択
649名の患者のうち、51名がインターフェロンαおよびプラシーボを受け、59名がインターフェロンαおよびベバシツマブ(bevacitumab)を受けた110名の患者から生殖系DNAを得た;試験番号BO17705E;Escudier et al., Lancet 370: 2103-2111 (2007)。実施例1のように、アジア系人種の1人の患者は分析しなかった。実施例1で同定された4つのSNPおよび1つのさらなるVEGFA SNP (rs699947)を最初に評価した。
【0127】
遺伝子型決定
実施例1のように、末梢血をK2EDTAプラスチックバキュテナーチューブにサンプリングした。遠心分離後、沈殿した白血球細胞画分から、標準的な手順に従って生殖系DNAを抽出した。選択されたSNPについての遺伝子型決定は、以前に製造業者により記載されたように、Sequenom(登録商標) iPLEXプラットフォームを使用して、Vesalius Research Centerで行なった。最初の遺伝子型決定ラウンドで確固たる遺伝子型を示さなかった全てのSNPは、異なるPCRプライマーの組を使用して再度設計して再試験した。第2の設計で繰り返し失敗した場合、これらのSNPは失敗とみなした。選択された184のSNPのうち、27のSNP (14.7%)は失敗で、157 (85.3%)は成功裡に遺伝子型決定された。全体の遺伝子型決定成功率は98.5%であった。個々の試料レベルでは、全ての試料は高い成功率で遺伝子型決定された(すなわち、<5%の試料が<95%の成功率を有し、>70%の試料が>99%の成功率を有した)。該分析から試料を除外せず、ハーディー-ワインベルグから有意な偏差は観察されなかった。
【0128】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した増幅プライマーを図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、ACGTTGGATGATCGTAAAGACATCATTCG (配列番号:25)およびACGTTGGATGTGCTGGAGACCATGACCAAG (配列番号:26)を使用した。SNP rs9582036 (配列番号:2)について、ACGTTGGATGACTGTGCCCAGCAACAATAG (配列番号:20)およびACGTTGGATGGCATAATAGCACTTTACTCC (配列番号:21)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、ACGTTGGATGGCAAGCTTGCCCAACTTGTG (配列番号:35)およびACGTTGGATGGTTTGTGTTGGGCTGCACTC (配列番号:36)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACGTTGGATGGTGGGAGGCCAGTTTGTAAC (配列番号:30)およびACGTTGGATGAGCAAGGTTCCTGTGTGTAG (配列番号:31)を使用した。
【0129】
SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9554316 (配列番号:1)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)について設計した、伸長しなかったプライマー(プローブ)も図2に示す。rs9554316 (配列番号:1)について、AAGACATCATTCGATTTTTTTTCT (配列番号:28)を使用した。SNPs rs9582036 (配列番号:2)について、AGCAACAATAGCCTTCTT (配列番号:22)を使用した。rs9513070 (配列番号:3)について、CGTGTGGCCCACGGGCT (配列番号:37)を使用した。rs9554320 (配列番号:4)について、ACAGCGGCTTTGCAGTGC (配列番号:32)を使用した。
【0130】
統計
対立遺伝子モデルを使用した場合、マイナー対立遺伝子と同型の患者は2とコードし、異型の患者は1とコードし、主要な対立遺伝子と同型の患者は0とコードした。各SNPについて、独立した別々のモデルを設計した。
【0131】
コックス比例危険回帰モデルを使用して、異なる遺伝子型の無進行生存の効果を評価した。
【0132】
コックスモデルでは、試験においてエントリーから疾患進行または死亡までの時間を無進行生存終点として使用した。
【0133】
無進行生存について、帰無仮説では、遺伝子型は、進行のリスクまたは生存に影響を有さないことが示された。尤度比試験を使用して、試験したそれぞれのSNPについて、この仮説に相当するP値を計算した。
【0134】
試験のベバシズマブアームにおける患者の亜群において、一次分析を行なった。試験のプラシーボアームの患者の亜群でさらなる分析を行ない、遺伝子型相互作用による治療は両方を含むモデルで評価した。
【0135】
0.05未満のP値を統計的に有意とみなした。実施例1の所見の確認分析において、多重試験についての補正は必要なかった。
【0136】
生存曲線およびメジアン生存時間は、標準的なカプラン-マイヤー推定値を使用して計算した。
【0137】
遺伝的患者集団の臨床特性
全ての遺伝的亜集団のベースライン人口統計は、全体試験集団と同じであった。
【0138】
【0139】
無進行生存の要約
無進行生存カプラン-マイヤー曲線は、同じ時点で全体集団および遺伝子型集団と交差する(図11および12)。全体的に、遺伝子型集団は、全体集団よりも良好な臨床結果を有した(以下の表、時間対事象参照)。
【0140】
【0141】
VEGFR-1中のSNPは、ベバシズマブ治療アームにおいて無進行生存と相関した。
【0142】
プラシーボ治療群における分析(無進行生存、共変量なし、S_BEV=0)
【0143】
プラシーボで治療した患者において、無進行生存と相関する遺伝子型は検出されなかった。
【0144】
ベバシズマブ治療群における分析(無進行生存、共変量なし、S_BEV=1)
【0145】
VEGFR-1遺伝子中の2つのSNP、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554316 (配列番号:1)は、ベバシズマブ治療群のみで無進行生存と相関した(図13〜16参照)。rs9513070 (配列番号:3)のAAキャリアは、ベバシズマブ治療群において、AGおよびGGキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図13)。rs9554316 (配列番号:1)のGGキャリアは、ベバシズマブ治療群のみで、GTおよびTTキャリアと比較して増加した無進行生存を示した(図15)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法であって、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、方法。
【請求項2】
脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法であって、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、方法。
【請求項3】
悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターであって、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する前記患者に前記脈管形成インヒビターが投与される、脈管形成インヒビター。
【請求項4】
悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターであって、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定し、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する前記患者に前記脈管形成インヒビターを投与する、脈管形成インヒビター。
【請求項5】
脈管形成インヒビターについての応答体または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法であって、前記方法は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在が、脈管形成インヒビターに応答する患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す、方法。
【請求項6】
悪性疾患または生理学を伴う疾患に苦しむ患者についての改善された化学療法計画における使用のための脈管形成インヒビターであって、患者試料において、前記疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に前記脈管形成インヒビターが投与される、脈管形成インヒビター。
【請求項7】
患者試料が血液試料である、請求項1〜6いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項8】
患者試料が末梢血試料である、請求項1〜7いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項9】
脈管形成インヒビターがベバシズマブである、請求項1〜8いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項10】
脈管形成インヒビターが、化学療法剤または化学療法計画との共治療として投与される、請求項1〜9いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項11】
患者が、インターフェロンα、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン-エルロチニブおよび白金系化学療法剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を用いて共治療される、請求項1〜10いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項12】
1つ以上の白金系化学療法剤が、パクリタキセル、カルボプラチンおよびオキサリプラチンからなる群より選択される、請求項11記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項13】
悪性疾患が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である、請求項1〜12いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項14】
悪性疾患が膵臓癌である、請求項1〜12いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項15】
脈管形成インヒビターがベバシズマブ(bevecizumab)であり、共療法がゲムシタビン-エルロチニブ療法である、請求項14記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項16】
悪性疾患が腎細胞癌である、請求項2および4〜11のいずれか一項記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項17】
脈管形成インヒビターがベバシズマブであり、共療法がインターフェロンα療法である、請求項16記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項18】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインを含む領域中に存在する、請求項1〜17いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項19】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を含む領域中に存在する、請求項1〜18いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項20】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のイントロン領域中に存在する、請求項1〜19いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項21】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項22】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項23】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、またはrs9582036 (配列番号:2)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;および
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、またはrs9554320 (配列番号:4)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項24】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;および
(b) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項25】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位が、TもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有するrs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;ならびに
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項26】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;ならびに
(b) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項27】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)、51位がAであるrs9582036 (配列番号:2)、51位がAであるrs9513070 (配列番号:3)、および51位がCであるrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項28】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)、および51位がAであるrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項29】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項30】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)および51位がAであるrs9582036 (配列番号:2)からなる群より選択される、請求項29記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項31】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)からなる群より選択される、請求項1〜17いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項32】
患者が、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)およびrs17086497 (配列番号:51)からなる群より選択される1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項1〜20および31のいずれか一項記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項33】
生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患が、高度神経膠腫、神経膠芽腫、M. ランデュ-オースラー、フォン・ヒッペル-リンダウ病、血管腫、乾癬、カポジ肉腫、眼の新生血管形成、関節リウマチ、子宮内膜症、アテローム硬化症、心筋虚血、末梢虚血、脳虚血または創傷治癒である、請求項1〜7いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項34】
転移性膵臓癌に苦しむかまたは苦しむと疑われる患者のベバシズマブ療法に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための特異的プライマーおよび/またはプローブの使用であって、該プライマーおよび/またはプローブが、rs9554316 (配列番号:1)、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、SNP rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCがベバシズマブ療法に対して応答性(response)または感受性の患者を示す、使用。
【請求項35】
腎細胞癌に苦しむかまたは苦しむと疑われる患者のベバシズマブ療法に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための特異的プライマーおよび/またはプローブの使用であって、該プライマーおよび/またはプローブが、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つからなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAがベバシズマブ療法に対して応答性(response)または感受性の患者を示す、使用。
【請求項36】
VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し得るオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む、請求項1〜35のいずれかに記載の方法の実行、脈管形成インヒビターまたは使用に有用なキット。
【請求項37】
請求項1〜35のいずれかに記載の方法、脈管形成インヒビターまたは使用のVEGFR-1の1つ以上のバリアント対立遺伝子の検出のためのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの使用。
【請求項38】
前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、プライマーおよび/またはプローブを含む、請求項36記載のキットまたは請求項37記載の使用。
【請求項39】
該プライマーが、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択される、請求項38記載のキットまたは請求項34、35もしくは38記載の使用。
【請求項40】
該プローブが、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択される、請求項38記載のキットまたは請求項34、35もしくは38記載の使用。
【請求項41】
該プローブが、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:38および配列番号:39からなる群より選択される、請求項38記載のキット、または請求項34、35もしくは38いずれか記載の使用。
【請求項1】
脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存を改善する方法であって、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、方法。
【請求項2】
脈管形成インヒビターを用いた治療により、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存を改善する方法であって、以下:
(a) 悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程;ならびに
(b) VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に脈管形成インヒビターを投与する工程
を含む、方法。
【請求項3】
悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の全生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターであって、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する前記患者に前記脈管形成インヒビターが投与される、脈管形成インヒビター。
【請求項4】
悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者の無進行生存の改善における使用のための脈管形成インヒビターであって、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定し、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する前記患者に前記脈管形成インヒビターを投与する、脈管形成インヒビター。
【請求項5】
脈管形成インヒビターについての応答体または脈管形成インヒビターに感受性の患者の同定のためのインビトロ方法であって、前記方法は、悪性疾患または生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを患者試料から決定する工程を含み、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在が、脈管形成インヒビターに応答する患者を示すか、または脈管形成インヒビターに対する患者の感受性を示す、方法。
【請求項6】
悪性疾患または生理学を伴う疾患に苦しむ患者についての改善された化学療法計画における使用のための脈管形成インヒビターであって、患者試料において、前記疾患に苦しむ患者がVEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかが患者試料から決定され、VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子を有する患者に前記脈管形成インヒビターが投与される、脈管形成インヒビター。
【請求項7】
患者試料が血液試料である、請求項1〜6いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項8】
患者試料が末梢血試料である、請求項1〜7いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項9】
脈管形成インヒビターがベバシズマブである、請求項1〜8いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項10】
脈管形成インヒビターが、化学療法剤または化学療法計画との共治療として投与される、請求項1〜9いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項11】
患者が、インターフェロンα、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン-エルロチニブおよび白金系化学療法剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を用いて共治療される、請求項1〜10いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項12】
1つ以上の白金系化学療法剤が、パクリタキセル、カルボプラチンおよびオキサリプラチンからなる群より選択される、請求項11記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項13】
悪性疾患が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である、請求項1〜12いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項14】
悪性疾患が膵臓癌である、請求項1〜12いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項15】
脈管形成インヒビターがベバシズマブ(bevecizumab)であり、共療法がゲムシタビン-エルロチニブ療法である、請求項14記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項16】
悪性疾患が腎細胞癌である、請求項2および4〜11のいずれか一項記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項17】
脈管形成インヒビターがベバシズマブであり、共療法がインターフェロンα療法である、請求項16記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項18】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のチロシンキナーゼドメインを含む領域中に存在する、請求項1〜17いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項19】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のエキソン25〜30を含む領域中に存在する、請求項1〜18いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項20】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、VEGFR-1遺伝子のイントロン領域中に存在する、請求項1〜19いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項21】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)、rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項22】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項23】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、またはrs9582036 (配列番号:2)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;および
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、またはrs9554320 (配列番号:4)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項24】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、またはrs9554316 (配列番号:1)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;および
(b) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、またはrs9513070 (配列番号:3)の51位に対応する少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項25】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位が、TもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有するrs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(b) rs9582036 (配列番号:2)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9582036 (配列番号:2)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;
(c) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;ならびに
(d) rs9554320 (配列番号:4)に対応する配列、または51位がCもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554320 (配列番号:4)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項26】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、
(a) rs9554316 (配列番号:1)に対応する配列、または51位がTもしくはGであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9554316 (配列番号:1)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列;ならびに
(b) rs9513070 (配列番号:3)に対応する配列、または51位がGもしくはAであり、1〜50位および52〜101位のいずれかの位置に少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失もしくは付加を有する、rs9513070 (配列番号:3)に対して少なくとも80%の相同性を有する配列
からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項27】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)、51位がAであるrs9582036 (配列番号:2)、51位がAであるrs9513070 (配列番号:3)、および51位がCであるrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項28】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)、および51位がAであるrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択される、請求項16または17記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項29】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs9554316 (配列番号:1)およびrs9582036 (配列番号:2)からなる群より選択される、請求項13、14または15記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項30】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、51位がGであるrs9554316 (配列番号:1)および51位がAであるrs9582036 (配列番号:2)からなる群より選択される、請求項29記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項31】
VEGFR-1遺伝子の1つ以上のバリアント対立遺伝子が、rs17619037 (配列番号:5)、rs9579177 (配列番号:6)、rs9579176 (配列番号:7)、rs9554319 (配列番号:8)、rs7996030 (配列番号:9)、rs9513075 (配列番号:10)、rs7993418 (配列番号:11)、rs9513071 (配列番号:12)、rs12429309 (配列番号:15)、rs7982251 (配列番号:16)、rs9508016 (配列番号:17)、rs7982957 (配列番号:18)、rs3794400 (配列番号:19)、rs3794395 (配列番号:52)、rs9554317 (配列番号:53)、rs9513073 (配列番号:54)、rs9513074 (配列番号:55)、rs9508015 (配列番号:56)、rs2011950 (配列番号:57)、rs9513110 (配列番号:58)、rs9513112 (配列番号:59)、rs9513113 (配列番号:60)、rs9551471 (配列番号:61)、rs2296285 (配列番号:62)、rs9513116 (配列番号:63)、rs9551473 (配列番号:64)、rs7330109 (配列番号:65)、rs9508037 (配列番号:66)、rs1924981 (配列番号:67)、rs34140996 (配列番号:68)、rs7985584 (配列番号:69)、rs7992940 (配列番号:70)およびrs718273 (配列番号:71)からなる群より選択される、請求項1〜17いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項32】
患者が、rs45455097 (配列番号:40)、rs1886233 (配列番号:41)、rs9554309 (配列番号:42)、rs11619230 (配列番号:43)、rs9554311 (配列番号:44)、rs11620238 (配列番号:13)、rs17618631 (配列番号:14)、rs4771233 (配列番号:45)、rs6491274 (配列番号:46)、rs7982639 (配列番号:47)、rs12877718 (配列番号:48)、rs10507382 (配列番号:49)、rs57354941 (配列番号:50)およびrs17086497 (配列番号:51)からなる群より選択される1つ以上のバリアント対立遺伝子を有するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項1〜20および31のいずれか一項記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項33】
生理学的および病理学的脈管形成を伴う疾患が、高度神経膠腫、神経膠芽腫、M. ランデュ-オースラー、フォン・ヒッペル-リンダウ病、血管腫、乾癬、カポジ肉腫、眼の新生血管形成、関節リウマチ、子宮内膜症、アテローム硬化症、心筋虚血、末梢虚血、脳虚血または創傷治癒である、請求項1〜7いずれか記載の方法または脈管形成インヒビター。
【請求項34】
転移性膵臓癌に苦しむかまたは苦しむと疑われる患者のベバシズマブ療法に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための特異的プライマーおよび/またはプローブの使用であって、該プライマーおよび/またはプローブが、rs9554316 (配列番号:1)、SNP rs9582036 (配列番号:2)、rs9513070 (配列番号:3)およびrs9554320 (配列番号:4)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のG、SNP rs9582036 (配列番号:2)の51位のA、rs9513070 (配列番号:3)の51位のAおよび/またはrs9554320 (配列番号:4)の51位のCがベバシズマブ療法に対して応答性(response)または感受性の患者を示す、使用。
【請求項35】
腎細胞癌に苦しむかまたは苦しむと疑われる患者のベバシズマブ療法に対する応答または感受性を予測するための組成物の調製のための特異的プライマーおよび/またはプローブの使用であって、該プライマーおよび/またはプローブが、SNP rs9554316 (配列番号:1)およびrs9513070 (配列番号:3)からなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つからなる群より選択されるバリアント対立遺伝子の少なくとも1つを検出し得、rs9554316 (配列番号:1)の51位のGおよび/またはrs9513070 (配列番号:3)の51位のAがベバシズマブ療法に対して応答性(response)または感受性の患者を示す、使用。
【請求項36】
VEGF-R1遺伝子の少なくとも1つ以上のバリアント対立遺伝子の存在を決定し得るオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む、請求項1〜35のいずれかに記載の方法の実行、脈管形成インヒビターまたは使用に有用なキット。
【請求項37】
請求項1〜35のいずれかに記載の方法、脈管形成インヒビターまたは使用のVEGFR-1の1つ以上のバリアント対立遺伝子の検出のためのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの使用。
【請求項38】
前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、プライマーおよび/またはプローブを含む、請求項36記載のキットまたは請求項37記載の使用。
【請求項39】
該プライマーが、配列番号:20、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:35、配列番号:21、配列番号:26、配列番号:31および配列番号:36からなる群より選択される、請求項38記載のキットまたは請求項34、35もしくは38記載の使用。
【請求項40】
該プローブが、配列番号:22、配列番号:27、配列番号:32および配列番号:37からなる群より選択される、請求項38記載のキットまたは請求項34、35もしくは38記載の使用。
【請求項41】
該プローブが、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:38および配列番号:39からなる群より選択される、請求項38記載のキット、または請求項34、35もしくは38いずれか記載の使用。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D−1】
【図1D−2】
【図1D−3】
【図2−1】
【図2−2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1B】
【図1C】
【図1D−1】
【図1D−2】
【図1D−3】
【図2−1】
【図2−2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2013−501015(P2013−501015A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523243(P2012−523243)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004761
【国際公開番号】WO2011/015348
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(512027441)ブイアイビー ブイゼットダブリュ (1)
【出願人】(512026651)ライフ サイエンス リサーチ パートナーズ ブイゼットダブリュ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004761
【国際公開番号】WO2011/015348
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(512027441)ブイアイビー ブイゼットダブリュ (1)
【出願人】(512026651)ライフ サイエンス リサーチ パートナーズ ブイゼットダブリュ (1)
【Fターム(参考)】
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