説明

脈絡膜新生血管症の抑制方法

本発明は、望ましくない血管新生、特に眼の組織の血管新生を抑制するための組成物および方法に関する。抗血管新生および抗CNV剤として潜在的な作用物質のスクリーニングを可能にするCNVのための動物モデルおよび画像形成技法とともに、脈絡膜新生血管症(CNV)の治療、抑制および/または予防法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましくない血管新生、例えば眼組織の血管新生を抑制するための組成物および方法に関する。特に眼疾患における脈絡膜新生血管症(CNV)の治療のための組成物および方法を提供する。本発明は、ラパマイシン(シロリムス)およびタクロリムスに関して例示するが、その一方、望ましくない血管新生を抑制するための「リムス」化合物のファミリーの使用を提供する。
【0002】
<政府利権>
本発明は、米国国立衛生研究所からの補助金Y12727により一部支援された。政府は本発明においてある種の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
眼の網膜は、色を検出する網膜錐体および杆体を含有する。網膜の中心には、直径約1/3〜1/2cmの黄斑が存在する。黄斑は特に中心(中心窩)において、錐体が高密度に存在するため、詳細な視力を提供する。血管、神経節細胞、内部核層および細胞ならびに網状層はすべて、一側に置き換えられ(錐体上に静止しているのではない)、それにより光をよりまっすぐに錐体に直進させる。
【0004】
網膜下には、線維組織内に埋もれた血管の集まりを含む脈絡膜と、脈絡膜層を覆う濃色色素上皮が存在する。脈絡膜血管は、網膜に(特にその視細胞)に栄養を提供する。
【0005】
現在の治療法が最適でない種々の網膜障害が存在する。網膜は裂けて、穴を形成し、そして下に有る脈絡膜から剥離し得る。
【0006】
加齢性黄斑変性(AMD)は、米国における55歳以上の個体に関する重症の視力損失の主因である。AMDは、萎縮性または(あまり一般的でない)滲出性形態で起こる。滲出性AMDでは、血管はブルック膜の欠損により脈絡毛細管板から、そしていくつかの場合には下にある網膜色素上皮から成長する(脈絡膜新生血管症または血管新生)。これらの血管から流出する漿液性または出血性滲出物の組織化は、神経網膜の付随的変性を伴う黄斑領域の線維血管性瘢痕形成、網膜色素上皮の剥離および裂け目、硝子体の出血ならびに中心視力の恒久的損失を生じる。この過程は、AMD患者における有意の視力損失の80%より多くの症例に関与する。
【0007】
いくつかの研究では近年、AMDに関連した初期または再発性の新生血管性病変の治療におけるレーザー光凝固の使用を記載している(黄班光凝固の研究グループ(Macular Photocoagulation Study Groups) (1991) in Arch. Ophthal. 109: 1220; Arch. Ophthal.
109: 1232; Arch Ophthal. 109: 1242)。残念ながら、レーザー治療を施された中心窩下病変を有するAMD患者は、3ヶ月追跡調査で視力のかなり急勾配の低減(平均3ライン)を経験した。さらに治療後2年目に、処置眼は、それらの非処置の対照より瑣末的に良好な視力を有しただけであった(それぞれ平均20/320および20/400)。本手法の別の欠点は、術後の視力が直ちにいっそう悪くなることである。
【0008】
脈絡膜新生血管症(CNV)は、ほとんどの症例において治療に対して抵抗性があることを立証した。レーザー治療はCNVを消散させ、そして網膜の中心を含まない選択症例において視力を維持するのに役立ったが、しかしこれは症例の約10%のみに限定される。CNVを矯正するために利用可能な他の治療はない。残念ながら、上首尾のレーザー光凝固を用いる場合でも、新生血管形成は約50〜70%の眼において再発する(50%が
3年を越えて、そして>60%が5年で)(黄班光凝固の研究グループ(Macular Photocoagulation Study Group), Arch. Ophthalmol. 204: 694-701 (1986))。さらにCNVはレーザー治療には大きすぎるため、あるいは位置が確定され得ず、したがって医者が正確にレーザーを向けることができないため、CNVを発症する多数の患者は、レーザー療法のための良好な候補でない。したがって本発明までは、脈絡膜新生血管症を防止するかまたは有意に抑制する方法の必要性があると長い間思われていた。
【0009】
AMDのほかに、脈絡膜新生血管症は、以下のような網膜障害により引き起こされる:推定眼ヒストプラスマ症候群、近視性変性、色素線条または眼性外傷。網膜および硝子体内新生血管形成に関連した血管新生性損傷は、広範な疾患、例えば糖尿病性網膜症、静脈閉塞、鎌状赤血球網膜症、未熟児網膜症、網膜剥離、眼性虚血および外傷において起こる。
【0010】
上記の文書の引用は、上記のいずれかが関連従来技術であるということを承認するものではない。これらの文書の日付に関する記述あるいは内容に関する表現は全て、本出願人に利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関するいかなる承認もなさない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、望ましくない血管新生、特に加齢性黄斑変性(AMD)およびヒストプラスマ症候群のような眼性疾患に関連した脈絡膜新生血管症(CNV)を抑制するのに有効である組成物および方法を提供する。血管新生を抑制するための本発明の組成物は、脈絡膜における血管新生を抑制するために、イムノフィリンファミリーの細胞タンパク質の成員、例えばシクロフィリンおよびFK506結合タンパク質(FKBP)と結合する「リムス」ファミリーの化合物中の活性作用物質を含む。「リムス」ファミリーの化合物の成員としては、シロリムス(ラパマイシン)およびその水溶性類似体SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779(Wyeth)、AP23841(Ariad)およびABT−578(Abbott Laboratories)ならびにそれらの類似体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明の治療量の活性作用物質は、種々の異なる経路により患者に投与し、そして安全であり且つ内部部位に血管新生抑制を提供する投与量で投与して良い。したがって本発明は、本発明の1つまたは複数の活性作用物質を含む組成物を投与することにより、望ましくない、そして制御されていない血管新生を特徴とする哺乳類の疾患の治療方法を提供する。本発明の特定の一実施形態では、眼の脈絡膜新生血管症(CNV)を抑制するかまたは治療する方法を提供する。
【0013】
したがって本発明は、ある種の眼性新生血管性疾患、例えば加齢性黄斑変性(AMD)を含む黄斑変性、を治療するために特に有用である。本発明は、血管が脈絡膜中のそれらの正常位置から網膜下の望ましくない位置に増殖する湿潤型AMDの治療または抑制に特に有用である。これらの新血管からの漏出および出血は、視力損失を、そしておそらくは失明をもたらす。本発明は、乾燥型のAMD(この場合、網膜色素上皮またはRPEは変性し、光受容体細胞の死ならびに網膜下のドルーゼンと呼ばれる黄色沈着物の形成をもたらす)から湿潤型のAMDへの移行を抑制するための方法も提供する。したがって本発明は、乾燥型のAMDの治療のための方法も提供する。
【0014】
本発明に用いるために意図する化合物は、疾患の進行を停止し、そして新生血管形成の低減または退行を可能にするために患者に投与される。本発明を用いて治療され得るその他の疾患としては、糖尿病性網膜症、新生血管性緑内障および水晶体後線維増殖症が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0015】
したがって、そして第一の態様では、本発明は、ヒトまたは動物の網膜における望ましくない血管新生ならびに新生血管形成を抑制するための化合物、組成物、キットおよび方法を提供する。第二の態様では、本発明は、被験体における血管新生または脈絡膜新生血管症により媒介される疾患のための治療法を提供する。さらなる態様では、本発明は、湿潤型のAMDを予防し、抑制しまたは治療するための、例えばそれに関連した視力損失を抑制するための方法を提供する。
【0016】
本発明の別の態様は、血管新生、新生血管形成および湿潤型のAMDの治療ならびにそれに関連した視力の損失を低減するために既知のその他の方法と組合せた上記の方法の使用である。さらに本発明は、付加的な抗血管新生、抗新生血管形成および抗AMD化合物の迅速な同定のための検定法として適用され得る脈絡膜新生血管症の身体ならびに動物モデルにおける親油性染料の使用による血管の可視化のための方法を提供する。
【0017】
本発明の利点および新規の特徴は、以下の説明、実施例および図面に一部が記述されているが、それらは全て、例示のみのためであるよう意図され、いかなる点でも本発明を限定するものではなく、また、一部が以下の検査に関して当業者に明らかになり、あるいは本発明の実施により知り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、血管新生および新生血管形成を含む障害、例えば眼障害、特に網膜障害、例えば黄斑変性、脈絡膜新生血管症等、および上記のような網膜における、あるいは網膜とその下にある脈絡膜組織との間における、または脈絡膜組織を含む網膜における障害の治療のための方法を提供する。本方法は、大環状ラクトンシロリムス(ラパムン(登録商標)(Wyeth-Ayerst)として市販)としても既知である免疫抑制剤のラパマイシンに関する新規の使用を含む(Physician’s Desk Reference(医師用卓上参考書), 第55版参照)。メルクインデックス(Merck Index), 第12版によれば、ラパムンは、RAPA、RPM、シロリムス、AY22989およびNSC−226080としても既知である。
【0019】
シロリムスは免疫抑制剤として既知であるが、しかし原発性および転移性腫瘍の状況では抗血管新生化合物として報告されている(グバ等(Guba et al.),天然医薬(Nature Medicine)18 (2): 128-135 (2月2002)およびグバ等(Guba et al.), Chir. Forum Exp.
Klin. Forsch. Band 30, 37-39頁(2001))。それらの研究においては、他の型の新生血管形成、例えば脈絡膜新生血管症に関する考察はない。代わりに、血管内皮増殖因子(VEGF)およびその血清レベルの関与についての考察がある。VEGFは、多数の適応症に関連する因子であるが、それらに対する療法が上記の適応症を治療するのに有効であるという確実性を伴わない。例えばVEGFはAMDにおける病原性の新血管の形成に関与すると示唆されているが、しかしVEGF活性はAMDに関して動物モデルで試験されたことはない。したがってVEGF活性を標的化することによりAMDを治療する能力は依然として実験段階である。
【0020】
シロリムスの使用のほかに、本発明は、血管新生および新生血管形成を治療するための、その他のイムノフィリン結合化合物ならびにラパマイシン誘導体および類似体の使用を提供する。このような化合物の例としては、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779(Wyeth)、AP23841(Ariad)およびABT−578(Abbott Laboratories)ならびに米国特許第5,527,907号、第6,376,517号および第6,329,386号に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。更なる誘導体としては、公開米国特許出願第2002/0123505に開示されたものが挙げられる。これらの文書は全て、これらの記載内容が完全に参照に
より本明細書中に援用される。
【0021】
本発明は、血管新生または新生血管形成、特にCNVの治療のための他の作用物質および治療薬と組合せた上記の作用物質の使用も提供する。このような付加的な作用物質および治療薬の例としては、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;プロテオソーム阻害剤、例えばベルケード(商標)(ボルテゾミブ、注射用);ラニブズマブ(ルセンチス(商標))および同一標的に対するその他の抗体;ペガプタニブ(マキュゲン(商標));ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニスト;α−v/β−3インテグリンアンタゴニスト;α−v/β−1インテグリンアンタゴニスト;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾンまたはトログリタゾン;インターフェロン、例えばγ−インターフェロン、あるいはデキストランの使用および金属配位によりCNVに対して標的化されるインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;VEGF発現を標的化するリボザイムを含む血管新生因子のRNAサイレンシングまたはRNA干渉(RNAi);アキュタン(商標)(13−シスレチン酸);ACE阻害剤、例えばキノプリルまたはペリンドズリル;mTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルヒチン;AMG−1470;シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばネパフェナク、ロフェコキシブおよびジクロフェナク;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャンネル遮断剤;エンドレペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状ペルオキシドANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;VEGFトラップ分子;ビスダイン(商標)および光力学的治療(PDT)を伴うその他の光線感作物質;ならびにレーザー光凝固が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
「黄斑変性」は、黄斑および網膜におけるまたはその下の線維血管性沈着物の過剰蓄積、ならびに網膜色素上皮(RPE)の萎縮および/または除去を特徴とする。ラパマイシンの投与は、このような治療なしでは起こり得る加齢性黄斑変性(AMD)における過剰血管新生、例えば脈絡膜新生血管症を抑制すると思われる。本明細書中で用いる場合、「血管新生」という用語は、組織または器官中への新血管の生成(「新生血管形成」)を意味する。眼または網膜の「血管新生媒介性疾患または症状」は、眼または網膜において病原的に新血管が生成されて、視力の損失またはその他の問題、例えばAMDと関連した脈絡膜新生血管症を生じるものである。
【0023】
本発明の方法は、in vitroまたはin vivoでラパマイシンおよび/またはその他の活性作用物質を用いた好ましい実施形態を含む。in vitroで投与する場合、本方法は、例えば網膜または脈絡膜組織または細胞中での新生血管形成または血管新生を制御するかまたは低減する活性に関して付加的な候補活性作用物質に関してスクリーニングし、またはその作用を検定するために用いられる。これは、付加的な抗血管新生またはCNV剤に関する有用な検定として用いることができる。in vivoで投与される場合、本方法は、例えばAMDで典型的に観察される脈絡膜新生血管症を発症する素因を持つ患者を治療し、あるいはこのような患者における脈絡膜新生血管症を予防しまたは抑制するために、あるいはAMD患者における脈絡膜新生血管症を低減するために用いられる。予防、抑制および低減は、脈絡膜新生血管症における本発明の活性作用物質の作用に関してそれらの通常の意味を与えられる。素因を有するかまたは予防を必要とする患者は、当該技術分野で確立された方法および判定基準により当業者により同定され得る。当業者はまた、望ましくない血管新生および/または新生血管形成を同定するための当該
技術分野における確立された判定基準に基づいた抑制または治療を必要とする個体を容易に診断し得る。
【0024】
薬剤の有効量は、求められる治療作用を提供する量であり、例えばラパマイシンまたは薬剤等価物の治療に有効な用量は、AMD患者における脈絡膜新生血管症を低減する量、あるいはAMDの素因を有する患者または素因を有さない場合でも、AMDの初期兆候を示す患者における脈絡膜新生血管症を抑制するかまたは完全に予防する量である。したがって治療に有効な用量は、ラパマイシンで治療される全ての患者において同一であるというわけではない。有効量は、本発明により開示されるようなそのためのモデルまたは検定における血管新生または新生血管形成を抑制する薬剤の量も指す。
【0025】
「患者」は、好ましくは本発明の好ましい方法により治療されなければ、滲出性AMDに関連した脈絡膜新生血管症を有するかまたは発症し得る被験体を指す。このような患者は、好ましくは哺乳類、さらに好ましくはヒトであるが、しかし本発明の方法はモデル実験動物および獣医学的動物被験体に対する適用でもある。
【0026】
本発明の活性作用物質、例えばラパマイシンは、好ましくは経口的に、静脈内に、局所的に、眼内に、筋肉内に、局在的にまたは眼用具中に投与され得る。さらに好ましくは投与方式は、以下から選択される:眼内注入、網膜下注入、強膜下注入、脈絡膜内注入、結膜下注入、局所投与、経口投与および非経口投与。最も好ましくは活性作用物質は、網膜下注入により網膜領域に直接投与されるが、しかし同等に有効である低侵襲性投与方式が開発され得る。長時間に亘る時限放出または遅延放出のための処方物も、本発明により提供される。
【0027】
活性作用物質の投与量は、治療される症状、特定の作用物質、ならびにその他の臨床因子、例えばヒトまたは動物の体重および症状、作用物質の投与経路に応じて決まる。本発明はヒトおよび獣医学的使用の両方のための用途を有する、と理解されるべきである。ヒトへの投与に関しては、有効投与量は脈絡膜新生血管症を抑制するものである。ラパマイシンの場合、用いられ得る抑制量は、一般に約0.1〜300mg/kg/日、好ましくは約0.5〜50mg/kg/日、最も好ましくは約1〜10mg/kg/日の範囲である。種々の症状を治療するための本発明の種々の作用物質の投与量は、本発明に関する臨床試験の使用により改良され得る。さらに本発明の実施のための用量範囲は、米国特許第6,376,517号および第5,387,589号に開示されたものを含む(これらの記載内容は完全に、参照により本明細書中に援用される)。
【0028】
本発明の活性作用物質、例えばラパマイシンは、慣用的薬学的操作、例えば滅菌に付され得るし、および/または慣用的アジュバント、例えば防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等を含有し得る。作用物質はまた、薬学的組成物を製造するために、臨床的使用のための薬学的に許容可能な賦形剤とともに処方され得る。経口投与に適した本発明の処方物は、離散単位、例えば各々予定量の活性成分を含有するカプセル、サッシェまたは錠剤として;粉末または顆粒として;水性液または非水性液中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型液体エマルションまたは油中水型エマルションとして、ならびにボーラス剤等として提示され得る。言い換えれば本発明の活性作用物質は、本明細書中に記載された症状のいずれかの治療のための医薬剤を調製するために用いられ得る。
【0029】
投与のために、活性作用物質、例えばラパマイシンは、指示投与経路に適した1つまたは複数のアジュバントと組合され得る。活性作用物質は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリ
ビニルアルコールと混合され、そして慣用的投与のために錠剤化されるかまたは封入され得る。あるいは本発明の化合物は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴムおよび/または種々の緩衝液中に溶解され得る。その他のアジュバントおよび投与方式は薬学的技術分野で既知であり、本発明の実施に用いられ得る。担体または希釈剤として、時間遅延物質、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル(単独、あるいは蝋または当該技術分野で既知のその他の物質を伴う)を含んでも良い。
【0030】
本発明の処方物としては、経口、眼(例えば硝子体内または眼房内)、鼻、局所(例えば頬および舌下)または非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内、気管内および硬膜上)投与に適したものを含む。処方物は、好都合には単位剤形で提示され、慣用的薬学的技法により調製され得る。このような技法としては、活性成分と薬学的担体(単数または複数)または賦形剤(単数または複数)とを会合させる過程を含む。概して処方物は、活性成分を液体担体または微粉砕固体担体あるいはそれらの両方と均一に且つしっかり会合させて、次に、必要な場合には、生成物を造形することにより調製される。
【0031】
本発明の別の態様でさらに提供するのは、治療に有効な量の活性作用物質、例えばラパマイシンと眼または眼組織への投与に適した薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物である。
【0032】
さらに、本発明の治療に有効な量の活性成分、例えばラパマイシンを含む少なくとも1つのバイアル、ならびに眼または眼組織への投与に適した薬学的に許容可能な担体を含む第二のバイアルを含むキットを提供する。本発明のその他のキットは、本明細書中に開示された方法の実施に用いるための本発明の活性作用物質のような構成成分を含み、この場合、本方法に利用される各々1つ以上の種々の試薬(典型的には濃縮形態で)、例えば緩衝剤、ならびに必要な場合にはその他の試薬を含有する容器も含まれる。本発明の方法におけるキット構成成分を説明するラベルまたは標示、あるいはその使用のための一組の使用説明書も典型的には包含され、この場合、使用説明書はキットまたはその構成成分の包装挿入物および/またはパッケージに付随しても良い。
【0033】
本発明に従って治療され得る網膜/脈絡膜新生血管症に関連する疾患としては、糖尿病性網膜症、黄斑変性、未熟児網膜症、網膜炎または脈絡膜炎を引き起こす感染、推定眼性ヒストプラスマ症候群、近視性変性、色素線条、眼性外傷およびAMDが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って治療され得るその他の疾患および望ましくない症状の例としては、弾性線維性仮性黄色腫、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、鎌状赤血球網膜症、イールズ病、近視、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷およびレーザー後合併症が挙げられるが、これらに限定されない。その他の疾患としては、ルベオーシスに関連した疾患(隅角の新生血管形成)、ならびに線維血管性または線維性組織の異常増殖により引き起こされる疾患、例えば全形態の増殖性硝子体網膜症(糖尿病に関連または無関連のいずれにせよ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
望ましくない症状の治療のための組成物および方法のほかに、本発明は、身体中の血管の可視化のための方法も提供する。このような方法は、後の可視化のために身体中の血管を検出可能に標識する方法としても考えられ得る。血管可視化のための組織試料を処理するための慣用的方法は、労働集約的であり且つ多くの時間を要する。組織調製における効率を向上させるために、血管ペインティング(vessel painting)と呼ばれる技法を本発明により提供する。血管ペインティングの基本概念は、蛍光染料で血管の内張りを選択的に染色することである。血管は、親油性染料で直接染色され得る脂質二分子膜である内皮細胞膜で裏打ちされる。この技法の鍵は、特別に処方された溶液である血管ペイントであ
り、これは親油性染料を含有する。このような染料はモレキュラープローブス(Molecular Probes)から入手可能であり、それらの例としては、ニューロンのトレーサーとして用いられる長鎖ジアルキルカルボシアニンおよびジアルキルアミノスチリル染料であるDiI、DiO、DiO、DiD、DiAおよびDiRが挙げられるが、これらに限定されない。血管ペイントによる動物の心臓内灌流と、その後の、任意の固定剤溶液、例えば4%パラホルムアルデヒド溶液(これに限定されない)中での洗浄により、血管が即時に染色される。組織は、灌流直後に蛍光顕微鏡により観察できる。染色は、異なる倍率の対物レンズを用いて高コントラストな画像が得られるよう、極めて低いバックグラウンドを有し、顕著に明るい。
【0035】
本発明は、眼性新生血管形成の動物モデルも提供する。モデルは以下で詳細に考察されるが、しかし一般にそれは、動物の眼の網膜下間隙への物質の注入を基礎とする。眼性疾患のための任意の適切な非ヒト動物モデルが用いられ、注入物質は、細胞培養実験における再構築基底膜として広範に用いられるネズミEHS(Engelbreth-Holm-Swarm)腫瘍からの細胞外マトリックス(ECM)タンパク質の抽出物であるマトリゲル(商標)から、ラット尾コラーゲンI、ウシコラーゲンIおよびヒトコラーゲンIの単一溶液(例えばBD
Biosciencesから入手可能)までの範囲であり得る(ガウトリュー,A.等(Gautreau, A. et al.), PNAS, 96: 7300 (1999);アビール R.等(Abir R. et al.) Hum Reprod, 14: 299 (1999);およびアビール R.等(Abir R. et al. )Fertil Steril, 75: 141
(2001)参照)。コラーゲンのその他の供給源、例えば0.1×DME、pH4.0(Life TechnologiesからのDME粉末をNaHCOを用いずに、しかしpH色指示薬を用いて、10×溶液を作製し、HClを用いてpHを4.0に調整し、次にこの溶液を水で希釈して、0.1×DME溶液を作製する)ならびに10%酢酸溶液中に溶解される凍結乾燥コラーゲン(例えばRocheからのラット尾コラーゲン)を用いることにより生成されるものが用いられ得る。
【0036】
理論に縛られることなく、本発明の理解を高めるために提案されると考えると、コラーゲン(またはタンパク質)溶液の注入は、新血管の侵襲を誘導するための網膜下間隙への注入後にAMDで起こる異常沈着物を模倣するのに十分である。このような動物モデルは、血管新生、新生血管形成(CNV)およびAMDに対する活性に関して本発明の候補活性作用物質をスクリーニングするために有益に用いられ得る。このような方法の例としては、上記動物への候補作用物質の投与(本明細書中に開示された任意の方法による)、ならびに上記動物における血管新生または新生血管形成に及ぼす作用(増加、低減、無変化)の判断を含む方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
以下の実施例は、本発明の製造および使用方法の十分な開示および説明を当業者に提供するために示されており、本発明者らが自己の発明とみなすものの範囲を限定するものでもなく、あるいは以下の実験が実施される全てのそして唯一の実験であることを表すものでもない。用いられる数値(例えば量、温度等)に関する精度を保証するために努力がなされてきたが、しかしいくつかの実験的誤差および偏差は考慮されるべきである。別記しない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、そして圧力は大気圧または大気圧にほぼ等しい圧力である。
【実施例】
【0038】
<実施例1>
マトリゲル(商標)ベースの動物モデル
本出願内では、別記しない限り、利用される技法はいくつかの既知の参考文献、例えば以下の参考文献のいずれかに見出すことができる:分子クローニング(Molecular Cloning) : ラボラトリーマニュアル(A Laboratory Manual)(サムブルック等(Sambrook et
al.), コールド スプリング ハーバー ラボラトリー出版(Cold Spring Harbor Lab
oratory Press) (1989);「タンパク質精製ガイド」 (“Guide to Protein Purification”)酵素学における方法(Methods in Enzymology) (M.P.ドイッチェル(M.P. Deutshcer), 編, (1990) アカデミック プレス社(Academic Press, Inc.)); 動物細胞の培養(Culture of Animal Cells): 基礎技術のマニュアル(A Manual of Basic Technique), 第2版, リス社(Liss, Inc.), ニューヨーク(New York), N.Y., (1987)。
【0039】
CNVのための有効な治療の探索に際して、10μlハミルトン微小注射器に連結された33ゲージ針を用いて、成体スプラーグ−ドーリーラットの網膜下間隙に2〜3μlのマトリゲル(商標)を注射することにより、簡便な動物モデルを作製した。1週間後またはそれ以後に、CO吸入により動物を屠殺し、作用物質、例えば化学化合物およびタンパク質を、CNVの抑制におけるそれらの能力に関してスクリーニングし得る本発明者らの実験室で近年開発された新規の可視化技法である血管ペイントで灌流した(ウェン(Wen), ARVO 要旨(Abstract), 3月2002)。血管ペインティングは、DiIを含有する溶液と、その後の4%パラホルムアルデヒド溶液の使用を包含し、以下でさらに考察される。
【0040】
眼の前方部分、例えば角膜および水晶体を除去し、眼杯を5%アガロース中に包埋した。眼の連続厚切り切片(100μm)をビブラトームで切断し、スライドガラス上に載せた。マトリゲル(商標)沈着物中の新生血管形成に関して、蛍光顕微鏡により眼の切片を検査した。共焦点顕微鏡を用いて、連続光学切片を得た。オートビジュアリズ(Auto Visualiz)−3D(Autouant Imaging, Inc.)を用いて、新規発達血管の三次元再構築を達成した。エバンスブルー染料の静脈内注射後のマトリゲル(商標)沈着物における色変化を評価することにより、新規血管のタンパク質漏出を検出した。
【0041】
マトリゲル(商標)注射後7日目という早期に新生血管形成を観察し、注射した眼の全てにおいてマトリゲル(商標)注射後10日目には広範なCNVが明白であった。専ら脈絡膜毛管から生じる新規の血管はマトリゲル(商標)沈着物を侵襲し、マトリゲル(商標)注射後14日目に広範な網状構造を形成した。三次元再構築は明らかに、新規血管が脈絡膜から生じたことを示した。マトリゲル(商標)沈着物は、淡白色の周囲組織と比較して、エバンスブルー注射後に淡青色に変色したが、このことは、バリアの欠如を示す。マトリゲル(商標)注射の30日後に、円盤型瘢痕を観察した。
【0042】
したがって網膜下マトリゲル(商標)沈着物は、網膜下間隙におけるCNVを誘導し、滲出または湿潤型AMDにおいて観察される病態を模倣し、それによりCNVの病態を探索するための、そして潜在的な治療法を試験するための改良型動物モデルを提供する。
【0043】
<実施例2>
CNVの抑制
モデルの初期の特性化に際して、新生血管形成の生成におけるマトリゲル(商標)に対する炎症反応の潜在的な関与が存在する、と推測した。その結果、2つの既知の免疫抑制剤、シクロスポリンおよびラパマイシンを試験した。
【0044】
シクロスポリン(マトリゲル(商標)注射の4日前〜注射後10日間、15mg/kg/日を投与)の経口投与は、CNVに影響を及ぼさなかった。しかしながらそれとは大きく異なり、経口ラパマイシン(ラパムン(登録商標)、マトリゲル(商標)注射の4日前〜注射後10日間、1.5mg/kg/日を投与)は、試験した16の眼においてCNV発症の完全抑制に起因した。ラパマイシンは、経口溶液として商業的に入手可能であり、Wyeth-Ayerstによりラパムン経口溶液として市販されている。したがって局所投与によるラパマイシンの抗CNV特性をさらに調べた。
【0045】
ラパマイシンは水に可溶性でないため、DMSO中に溶解する(8眼で試験)かまたはPBS中に懸濁し(6眼で試験)、次にマトリゲル(商標)と混合した。混合マトリゲル(商標)含有ラパマイシンを網膜下間隙に注射した。25μg/μlラパマイシン(あるいは30μg/注射。各注射は1.2μlのマトリゲル(商標)を用いたため)の用量で、ラパマイシン処置眼においてCNVの完全抑制が再び認められた。
【0046】
さらなる実験において、そして上記の方法を用いて、ラパマイシンの量を2.5μg/μlに低減した。この量で(「濃度」という語は、ラパマイシンが水に可溶性でないため、用いられない)、ラパマイシンの結晶は、10日後でさえ、明らかに可視であった。各々の場合、処置眼においては検出可能な新生血管形成は存在しなかった。不溶性に伴う問題(その問題が在る場合)は、本発明の可溶性活性作用物質、例えばSDZ−RAD(これに限定されない)の使用により対処され得る。
【0047】
したがってラパマイシンは、ヒト患者においてCNVを抑制するかまたは予防する可能性を有する。さらにラパマイシンの局所投与は明らかに、CNV治療への実際的アプローチであり、これは、全身投与の不利な影響を与える可能性がある場合に、特に有益である。
【0048】
<実施例3>
血管ペインティング
CO過剰投与により屠殺した正常3か月齢スプラーグ−ドーリーラットからの網膜を血管ペイント(DiI、0.1mg/ml)により灌流し、その後4%パラホルムアルデヒドを用いて灌流した。網膜を切り出して、同一固定剤液中で1時間、固定して、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中ですすぎ、スライドガラス上に平らに封入する(flat-mounted)。ニコンE800顕微鏡で顕微鏡写真を撮った。
【0049】
平坦封入(flat-mount)網膜の顕微鏡写真は、血管が明るく染まり、低バックグラウンドであることを示した。内皮細胞核も染色され、容易に同定可能であった。血管系の空間的構造は良好に保存され、深部網膜毛管も見えた。
【0050】
血管網状構造は、その三次元性を示すための画像により良好に識別される。血管系の良好な3−D画像は、腐食−成型(corrosion-casting)技法および走査電子顕微鏡(SEM)を用いて得られる(コーネルディング MA(Konerding MA) (1991) 医薬における腐食成型の走査電子顕微鏡(Scanning electron microscopy of corrosion casting in medicine). Scanning Microsc. 5: 851-865参照)。しかしながら腐食成型は、SEMと同様に、技術的に難しく、時間がかかる。代わりに3−D画像は、共焦点顕微鏡により多数の連続光学切片から再構築され得る。血管ペインティングによる明るい染色および高いシグナル対ノイズ比は、レーザー走査共焦点顕微鏡により100〜150μmという厚さの試料の連続光学切片を得ることを可能にし、低倍率の対物レンズを用いる場合でも、試料の底部からのシグナルの有意の低下を伴わない。異なる視角度での高品質の3−D画像は、市販のソフトウェアを用いて多数の2−Dデジタル画像から再構築され得る。図1は、上記のように処理された平坦封入網膜の3−D再構築画像を示す。Bio-RadMRC−1024共焦点顕微鏡で20×対物レンズを用いた共焦点顕微鏡により、Z軸(zステップ=1μm)に沿った多数の78光学切片を撮った。3−D画像を再構築して、0°(図1A)または180°(図1B)の角度での網膜血管系を示した。これらの図はともに、深部毛管との連結を有する網膜表面の動脈を表す。
【0051】
<実施例4>
マトリゲル(商標)注入領域におけるCNV
マトリゲル(商標)は、ネズミEHS(Engelbreth-Holm-Swarm)腫瘍からの細胞外マ
トリックス(ECM)タンパク質の抽出物であり、細胞培養実験において再構築基底膜として広範に用いられる。それは、in vivo検定であるマトリゲル(商標)プラグ検定において血管新生または抗血管新生性作用物質を評価するためにも用いられる(パッサニティ A,テイラー RM,フィリ R,等(Passaniti A, Taylor RM, Pili R, et al.) (1992) 再構築基底膜、ヘパリン、線維芽細胞増殖因子を用いた血管新生および抗血管新生作用物質の簡易、定量的な検定法(A simple, quantitative method for assessing angiogenesis and antiangiogenic agent using reconstituted basement membrane, heparin, and fibroblast growth factor). Lab Invest. 67: 519-528)。病理学的試験は、網膜色素上皮(RPE)とブルック膜との間の位置におけるCNVと細胞外マトリックス(ECM)の異常沈着物との間の会合を示す。AMDにおいて起こる異常沈着物を模倣するために、ラットの網膜下間隙にマトリゲル(商標)を注入した。マトリゲル(商標)注入直後に、新血管がマトリゲル(商標)沈着物を侵襲する。
【0052】
以下において、スプラーグ−ドーリーラットの眼への注射により、マトリゲル(商標)を網膜下間隙に導入した。注射後の所定時間に、動物を屠殺し、血管ペイントで、その後、4%パラホルムアルデヒド溶液で灌流した。眼の前方部分を除去し、次に眼杯を5%アガロース中に包埋した。連続横断切片(100μm厚)をビブラトームで切断した。
【0053】
脈絡膜毛管から生じる新血管が、マトリゲル(商標)注射後4日目という早期に検出可能であり、注射後10日目までに十分に発達するようになった。マトリゲル(商標)注射後10日目の2ヶ月齢動物からの眼の横断切片のDIC画像を図2Aに示す。脈絡膜および網膜血管系と一緒にCNVを示すために、DIC画像を光学切片と重ね合わせた(図2A)。新血管は単一部位でブルック膜を貫通し(黄色矢頭)、次にRPEおよび網膜間のマトリゲル(商標)層中に分枝する。多数の42光学切片をこの試料から撮影し、3−D画像を再構築した(図2B)。3−D画像は明らかに、新血管が単一貫通部位(黄色矢頭)を通って脈絡膜毛管から生じたことを示した。
【0054】
エバンスブルー検定により、新規に生成した血管の透過性を評価した。10日前にマトリゲル(商標)を眼に注射しておいたスプラーグ−ドーリーラットに、エバンスブルー(PBS中60mg/kg)を静脈内注射した。脈絡膜−網膜標本を切り出して、平坦封入し、蛍光顕微鏡で観察した。エバンスブルー染色はマトリゲル(商標)注射領域のみに観察され、このことは、新血管の漏出性を示す。
【0055】
<実施例5>
ラパマイシンによるCNVの抑制
マトリゲル(商標)モデルを用いた潜在的な抗血管新生作用物質の初期スクリーンにおいて、ラパマイシンは、新血管形成を抑制する顕著な能力を実証した。免疫抑制剤として臨床的に用いられるラパマイシン(カハン BD(Kahan BD) (2001) シロリムス:包括的レビュー(Sirolimus: a comprehensive review). Expert Opin. Pharmacother. 2: 1903-1917)は、FKBP(FK506結合タンパク質)と結合して、FKBP−ラパマイシン複合体を形成し、これが次に、細胞増殖の中心制御物質であるmTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の機能を抑制する(シュメルツル T,ホール MN(Schmelzle T, Hall MN) (2000) TOR, 細胞増殖の中心制御(a central controller of cell growth). セル(Cell) 103: 253-262)。ラパマイシンは内皮細胞増殖(ビナルズ F,チャンバードJC,ポーイセギュア J(Vinals F, Chambard JC, Pouyssegur J) (1999) p70 S6「キナーゼ媒介タンパク質合成は血管内皮細胞増殖の主要なステップである」(kinase-mediated protein synthesis is a critical step for vascular endothelial cell proliferation). J. Biol. Chem. 274: 26776-26782)を、そしてVEGF(ユー Y,サト JD(Yu Y, Sato JD)(1999)「MAPキナーゼ,フォスファチジルイノシトール3−キナーゼ,およびp70 S6キナーゼはヒト内皮細胞の血管内皮増殖因子に細胞分裂誘起反応を
媒介する」(MAP kinases, phosphatidylinositol 3-kinase, and p70 S6 kinase mediate the mitogenic response of human endothelial cell to vascular endothelial growth factor). J. Cell Physiol. 178: 235-246)ならびにbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)およびPDGF(血小板由来増殖因子)に対する応答を抑制する(ツァオ等(Cao et al). (1995) 増殖因子に刺激された血管平滑筋細胞のDNA合成におけるラパマイシンの影響(Effects of rapamycin on growth factor-stimulated vascular smooth muscle cell DNA synthesis). 塩基性線維芽細胞増殖因子および血小板由来増殖因子活性の抑制とFK506によるラパマイシンの拮抗作用(Inhibition of basic fibroblast growth factor and platelet-derived growth factor action and antagonism of rapamycin
by FK506). 移植(Transplantation) 59 (3): 390-5およびルイグロク等(Ruygrok et
al). (2003) ラパマイシンと循環器系内科(Rapamycin and cardiovascular medicine). Intern. Med. J. 33(3): 103-9参照)。腫瘍血管新生を遮断することも示されている(グバ M,フォン ブライテンブッフ P,スタインバウアー M,等(Guba M, von Breitenbuch P, Steinbauer M, et al). (2002) 抗血管新生によりラパマイシンは原発性および転移性の腫瘍増殖を抑制する:血管内皮増殖因子の関与(Rapamycin inhibits primary and metastatic tumor growth by antiangiogenesis: involvement of vascular endothelial growth factor). Nat. Med. 8: 128-135)。
【0056】
成体スプラーグ−ドーリーラット(n=22)の網膜下間隙にマトリゲル(商標)を注射した。マトリゲル(商標)注射の4日前に開始して、3mg/kgの用量で1日1回、ラパマイシンを動物に給餌した。マトリゲル(商標)注射後10日目(n=18)または20日目(n=4)に眼を回収し、実施例4に記載したように処理した。蛍光顕微鏡により、組織切片を検査した。10日目に回収した眼において、ラパマイシン処置動物で網膜下間隙に侵襲する新血管を含有したものはなかった。20日目の群では、新規に形成した多少の血管がマトリゲル(商標)領域に侵襲し始めた。この群におけるCNVの量を(+)として半定量した。比較に際して、対照動物(10日目)におけるCNVを、図2に示したように(+++〜++++)として等級分けした。
【0057】
別の動物群では、ラパマイシンをマトリゲル(商標)(懸濁液、1μg/μl、n=6;10μg/μl、n=11)と混合し、マトリゲル(商標)(ゲル中送達(in-gel delivery))と網膜下間隙に同時注射した。注射後10日目に眼を回収し、実施例4に記載したように処理した。ゲル中送達によりラパマイシンで処理した眼のいずれにもCNVは見出されなかった。図3は、網膜下間隙中のラパマイシン粒子を示すために組織回収の10日前に高用量(10μg/μl懸濁液)でマトリゲルおよびラパマイシンを注射した眼の切片のDIC画像を示す。マトリゲル(商標)中のラパマイシン粒子はDIC画像に明瞭に見られるが、これを血管ペイントの共焦点画像に重ね合わせて、脈絡膜および網膜血管を示す。CNVはラパマイシンを注射したいずれの眼においても見出されなかった。
【0058】
全実験において、ラパマイシンは眼の正常血管系に及ぼす識別可能な作用を有さなかった。同じく免疫抑制剤であるシクロスポリンは、同一実験例により経口投与(100mg/kg/日、n=3)またはゲル中(25μg/μl、n=3)投与した場合、CNV形成を抑制しなかった。
【0059】
<実施例6>
FK506タクロリムス処理眼におけるCNV指数
水溶性でないFK506を、10μg/μlでマトリゲル(商標)(懸濁液として)と混合し、1.2μlを上記のように網膜下間隙に注射した。注射後10日目に眼を回収し、血管を血管ペイントで染色した。眼を5%アガロース中に包埋し、ビブラトームで連続切片を切断した(100μm厚)。蛍光顕微鏡によりCNVを検査し、各眼のCNV指数を算定した。結果を以下に示す。
【0060】
FK506 平均=12.67(n=6) SEM=2.76
【0061】
対照 平均=32.00(n=10) SEM=6.41
【0062】
スチューデントt検定 P=0.042
【0063】
したがってFK506は、CNVを60%抑制した。
【0064】
本明細書中で引用した参考文献、例えば特許、特許出願および出版物は全て、上記に具体的に援用したか否かにかかわらず、これらの記載内容は参照により本明細書中に援用される。
【0065】
ここに詳細に本発明を説明してきたが、本発明の精神および範囲を逸脱しない限り、そして過度の実験を伴わずに、広範囲の等価のパラメーター、濃度および条件内で、同様の実施をし得ることが当業者に理解されるであろう。
【0066】
本発明をその特定の実施形態とともに説明してきたが、さらなる修正がなされ得ることが理解されるであろう。本出願は、概して本発明の原理に従って、本発明に関する当該技術分野内の既知のまたは慣例的実施内に入るような、そして本明細書中に記載した本質的特徴に当てはまり得るような本発明の開示からの逸脱を含めて、本発明の任意の変更、使用または適応を網羅するよう意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】網膜血管の三次元再構築を示す。スケールバー:100μm。
【図2】マトリゲル注入眼の組織におけるCNVを示す。スケールバー:100μm。
【図3】ラパマイシンによるCNV形成の抑制を示す。スケールバー:100μm。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における網膜または脈絡膜の血管新生媒介性疾患または症状を抑制し、治療し、または予防するための方法であって、血管新生を抑制し、低減しまたは予防するために有効な量の、イムノフィリン結合活性剤を含む組成物を血管新生媒介性疾患または症状を有する哺乳類に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記哺乳類はヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記血管新生媒介性疾患または症状は脈絡膜新生血管症、糖尿病性網膜症、黄斑変性および加齢性黄斑変性からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記血管新生媒介性疾患または症状は脈絡膜新生血管症および滲出性加齢性黄斑変性からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記血管新生媒介性疾患または症状は脈絡膜新生血管症である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物はラパマイシンを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
治療に有効な量のラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスと、眼または眼の組織に投与するのに適した薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
治療に有効な量のラパマイシンを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
動物の網膜または脈絡膜組織における血管新生の低減方法であって、前記組織を請求項7に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
【請求項10】
動物の網膜または脈絡膜組織における血管新生を抑制または予防するための方法であって、前記組織を請求項8に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
【請求項11】
脈絡膜新生血管症または網膜の血管新生を特徴とする哺乳類の眼の網膜障害における視力の改善方法であって、哺乳類の眼にラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスを投与することを含む方法。
【請求項12】
ラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスは、眼内注入、網膜下注入、強膜下注入、脈絡膜内注入、結膜下注入、局所投与、経口投与および非経口投与からなる群から選択される投与方式により投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
脈絡膜新生血管症は加齢性黄斑変性、推定眼ヒストプラスマ症候群、近視性変性、色素線条または眼性外傷の網膜または網膜下障害において起こる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記哺乳類はヒトである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記哺乳類はヒトである、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記哺乳類はヒトである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスは、眼内注入、網膜下注入、強膜下注入、脈絡膜内注入、結膜下注入、局所投与、経口投与および非経口投与からなる群
から選択される投与方式により投与される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記イムノフィリン結合活性剤はラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
血管新生または新生血管形成の治療のための別の作用物質の投与をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記新生血管形成はCNVである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記作用物質は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;プロテオソーム阻害剤、例えばベルケード(商標)(ボルテゾミブ、注射用);ラニブズマブ(ルセンチス(商標))および同一標的に対するその他の抗体;ペガプタニブ(マキュゲン(商標));ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニスト;α−v/β−3インテグリンアンタゴニスト;α−v/β−1インテグリンアンタゴニスト;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾンまたはトログリタゾン;インターフェロン、例えばγ−インターフェロン、あるいはデキストランの使用および金属配位によりCNVに対して標的化されるインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;アキュタン(商標)(13−シスレチン酸);ACE阻害剤、例えばキノプリルまたはペリンドズリル;mTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルヒチン;AMG−1470;シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばネパフェナク、ロフェコキシブおよびジクロフェナク;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャンネル遮断剤;エンドレペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状ペルオキシドANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;ならびにビスダイン(商標)およびその他の光線感作物質から選択される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
血管新生または新生血管形成の治療のための別の作用物質の投与をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記新生血管形成はCNVである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記作用物質は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;プロテオソーム阻害剤、例えばベルケード(商標)(ボルテゾミブ、注射用);ラニブズマブ(ルセンチス(商標))および同一標的に対するその他の抗体;ペガプタニブ(マキュゲン(商標));ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニスト;α−v/β−3インテグリンアンタゴニスト;α−v/β−1インテグリンアンタゴニスト;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾンまたはトログリタゾン;インターフェロン、例えばγ−インターフェロン、あるいはデキストランの使用および金属配位によりCNVに対して標的化されるインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;アキュタン(商標)(13−シスレチン酸);ACE阻害剤、例えばキノプリルまたはペリンドズリル;mTOR(ラパ
マイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルヒチン;AMG−1470;シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばネパフェナク、ロフェコキシブおよびジクロフェナク;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャンネル遮断剤;エンドレペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状ペルオキシドANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;ならびにビスダイン(商標)およびその他の光線感作物質から選択される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
非ヒト動物の血管を可視化するかまたは検出可能に標識する方法であって、親油性染料を用いた前記動物の心臓内灌流と、その後の任意の固定剤溶液中での洗浄を含む方法。
【請求項26】
前記固定剤はパラホルムアルデヒドを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
非ヒト動物の眼における新生血管形成の誘導方法であって、前記動物中へのコラーゲンまたはマトリゲル(商標)の網膜下注入を含む方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法により生成される眼の新生血管形成を含む、非ヒト動物。
【請求項29】
新生血管形成を抑制する候補化合物の同定方法であって、請求項28に記載の動物に前記化合物を投与すること、および新生血管形成が抑制されたか否かを判断することを含む方法。
【請求項30】
哺乳類における網膜または脈絡膜の血管新生媒介性疾患または症状の治療または予防のための薬剤の製造のための、治療に有効な量のラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスと、眼または眼組織への投与に適した薬学的に許容可能な担体の使用。
【請求項31】
前記疾患は、脈絡膜新生血管症または網膜の血管新生を特徴とし、該方法は、哺乳類の眼にラパマイシン、ラパマイシン類似体またはタクロリムスを投与することを含む、請求項31に記載の使用。
【請求項32】
前記薬剤は、眼内注入、網膜下注入、強膜下注入、脈絡膜内注入、結膜下注入、局所投与、経口投与および非経口投与からなる群から選択される投与方式により投与される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記脈絡膜新生血管症は加齢性黄斑変性、推定眼ヒストプラスマ症候群、近視性変性、色素線条または眼性外傷の網膜または網膜下障害において起こる、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記哺乳類はヒトである、請求項31に記載の使用。
【請求項35】
血管新生または新生血管形成の治療のための別の作用物質の投与をさらに含む、請求項31に記載の使用。
【請求項36】
前記新生血管形成はCNVである、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記作用物質は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤);スクアラミン;TPN470類似体およびフマギリン;PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤;Tie−1およびTie−2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;プロテオソーム阻害剤、例えばベルケード(商標)(ボルテゾミブ、注射用);ラニブズマブ(ルセ
ンチス(商標))および同一標的に対するその他の抗体;ペガプタニブ(マキュゲン(商標));ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニスト;α−v/β−3インテグリンアンタゴニスト;α−v/β−1インテグリンアンタゴニスト;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾンまたはトログリタゾン;インターフェロン、例えばγ−インターフェロン、あるいはデキストランの使用および金属配位によりCNVに対して標的化されるインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンギオスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブデート;アキュタン(商標)(13−シスレチン酸);ACE阻害剤、例えばキノプリルまたはペリンドズリル;mTOR(ラパマイシンの哺乳類標的)の阻害剤;3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトキシエストラジオール;コルヒチン;AMG−1470;シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばネパフェナク、ロフェコキシブおよびジクロフェナク;t−RNAシンターゼモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャンネル遮断剤;エンドレペリン;6−チオグアニンのプリン類似体;環状ペルオキシドANO−2;(組換え)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−ガレート;セリバスタチン;スラミンの類似体;ならびにビスダイン(商標)およびその他の光線感作物質から選択される、請求項35または36に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−511475(P2006−511475A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537893(P2004−537893)
【出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/029188
【国際公開番号】WO2004/027027
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505101972)トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルベニア (2)
【Fターム(参考)】