脱臭ユニットおよび脱臭集塵ユニット
【課題】光触媒機能を有した脱臭フィルターに効率よく光を照射して光触媒活性を高める。
【解決手段】粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、脱臭フィルター２を収納する収納枠３と、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成し、光路部材６は柱状に成型され、その端面よりＬＥＤ４の光を受け、長手方向の面より脱臭フィルター２に光を照射し、脱臭フィルター２は照射された光により自身の光触媒活性が高まり、脱臭機能が高まる効果が得られる。
【解決手段】粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、脱臭フィルター２を収納する収納枠３と、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成し、光路部材６は柱状に成型され、その端面よりＬＥＤ４の光を受け、長手方向の面より脱臭フィルター２に光を照射し、脱臭フィルター２は照射された光により自身の光触媒活性が高まり、脱臭機能が高まる効果が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気調和機の空気流路に設け、空気調和される空気中に含まれる臭気成分等を除去する脱臭ユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、光触媒を利用した脱臭装置としては、ＬＥＤ（発光ダイオード）を光源として触媒作用を呈するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
従来の光触媒脱臭装置は、図８に示すように、複数個併設された紫外線ＬＥＤ１０３を光源として、導光板１０２の光導入部１０２ｂに照射する。光が紫外線ＬＥＤ１０３から放射されると、導光板１０２を介して光触媒膜１０１に照射される。この光が照射された光触媒膜１０１は、光触媒活性が得られるので、光触媒膜１０１に接触した有機物を効果的に分解する。
【特許文献１】特開２００３−２９０６６４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような従来の脱臭装置では、ＬＥＤを複数個設置することにより光触媒膜１０１（脱臭フィルター）に触媒活性が得られるようにしている。しかし、複数個のＬＥＤを用いることによって回路や構造が複雑になり、また、高価になるという課題がある。
【０００５】
また、このような従来技術によれば、光触媒膜１０１を導光板１０２と一体化して製造しており、製造工程が複雑になり高価になるばかりか、装置を運転することによって導光板１０２の表面に付着した汚れをふき取ることが困難になるなど、メンテ性も悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の脱臭ユニットは、上記目的を達成するために、光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、ＬＥＤと、前記ＬＥＤから照射された光を前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成されたものである。
【０００７】
この手段により、ＬＥＤから発せられた光を光路部材が脱臭フィルターの表面に照射するため、ＬＥＤの配置位置を自由に選択でき、ユニットの薄型化、配置するＬＥＤの数の削減をすることができる。
【０００８】
また、他の手段は、光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したものである。
【０００９】
この手段により、光路部材の長手方向を脱臭フィルターの表面に向けたため、ＬＥＤ１個あたりの照射面積を広く取ることが可能となり、配置するＬＥＤの数を削減することができる。
【００１０】
また、他の手段は、光路部材を、風向に対して脱臭フィルターの上流側に配置したものであり、脱臭フィルターの上流側の触媒活性を高めることにより脱臭効率を上げることができる。
【００１１】
また、他の手段は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００１２】
また、他の手段は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００１３】
また、他の手段は、光路部材の材質を透明アクリルまたは透明ガラスとしたものであり、安価でかつ加工しやすく扱いやすいものとなる。
【００１４】
また、他の手段は、ＬＥＤと光触媒機能を有した脱臭フィルターで構成された脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載したものであり、集塵機能、脱臭機能を併せ持った空気浄化ユニットを提供できる。
【００１５】
また、他の手段は、集塵フィルターを風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置したものであり、風向に対し上流側にＬＥＤと光路部材を配置して薄型化を図ることができる。
【００１６】
また、他の手段は、複数の尖先部を持つ針状電極と、前記針状電極と平行に配置された平行電極とを搭載したものであり、集塵効率を高めることができる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、光触媒機能を利用して、脱臭効率が高く、薄型で低コストの脱臭ユニットをを提供できる。
【００１８】
また、集塵機能と脱臭機能を併せ持った脱臭集塵ユニットを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
本発明の請求項１記載の発明の脱臭ユニットは、光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、ＬＥＤと、前記ＬＥＤから照射された光を前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成されたものであり、ＬＥＤから発せられた光を光路部材が脱臭フィルターの表面に照射するため、ＬＥＤの配置位置を自由に選択でき、ユニットの薄型化、配置するＬＥＤの数の削減をすることができるという作用を有する。
【００２０】
また、請求項２記載の発明は、光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したことにより、光路部材の長手方向を脱臭フィルターの表面に向けて、その面から脱臭フィルターに光源の光を照射することができるために、ＬＥＤ１個あたりの照射面積を広く取ることが可能となり、配置するＬＥＤの数を削減することができるという作用を有する。
【００２１】
また、請求項３記載の発明は、光路部材を、風向に対して脱臭フィルターの上流側に配置したものであり、脱臭フィルターの上流側の触媒活性を高めることにより脱臭効率を上げることができる。
【００２２】
また、請求項４記載の発明は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００２３】
また、請求項５記載の発明は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００２４】
また、請求項６記載の発明は、光路部材の材質を透明アクリルまたは透明ガラスとしたものであり、安価でかつ加工しやすく扱いやすいものとなる。
【００２５】
また、請求項７記載の発明は、ＬＥＤと光触媒機能を有した脱臭フィルターで構成された脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載したものであり、集塵機能、脱臭機能を併せ持った空気浄化ユニットを提供できる。
【００２６】
また、請求項８記載の発明は、他の手段は、集塵フィルターを風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置したものであり、風向に対し上流側にＬＥＤと光路部材を配置して薄型化を図ることができる。
【００２７】
また、請求項９記載の発明は複数の尖先部を持つ針状電極と、前記針状電極と平行に配置された平行電極とを搭載したものであり、集塵効率を高めることができる。
【００２８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【００２９】
（実施の形態１）
図１〜３に示すように、空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、脱臭フィルター２を収納する収納枠３と、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。光路部材６は、光を通しやすいよう、透明な素材であり、透明アクリルあるいは透明ガラスを素材とするのが好ましい。また、光路部材６は柱状に成型され、その端面６ａよりＬＥＤ４の光を受け、長手方向の面を脱臭フィルター２に向けて設置される。柱状とは、端面６ａが楕円形状、円形状、多角形状などでその端面６ａの面積がＬＥＤ４の照射面と略同じになるような形状である。光路部材６は、風向に対して上流側となる前面パネル１に設置し、風向に対し下流側に設置された脱臭フィルター２に光を照射する。
【００３０】
上記構成により、本発明の脱臭ユニットの動作について説明する。
【００３１】
脱臭ユニット本体７は、空気調和機などの吸込口に設置され、前面パネル１側より室内の汚染空気を吸込み、その汚染空気を脱臭フィルター２を通過させることによって臭気成分を吸着させて浄化する。一方ＬＥＤ４は、電源部５から供給された電気により発光し、光路部材６の端面６ａに光を入射する。光路部材６の端面に受けた光は、その内部を通過して他の面より外部へ照射される。
【００３２】
その際、長手方向の面の脱臭フィルター２に向いた面と反対の面６ｃに反射材を貼付あるいは塗布すると、ＬＥＤ４から発せられた光が効率よく脱臭フィルター２に照射されることになる。若しくは、長手方向の面の脱臭フィルター２に向いた面と反対の面６ｃに光漏れを防ぐ加工を施すことによっても同様の効果が得られる。この場合の光漏れを防ぐ加工としては、該当の面にやすりをかけるなどして光の透過率を下げることなどが有効である。なお、ＬＥＤ４の光の入射する端面６ａと反対の端面６ｂにも反射材の貼付・塗布あるいは光漏れを防ぐ加工を施すと良い。
【００３３】
光路部材６からの光は長手方向の面６ｄより脱臭フィルター２に照射され、脱臭フィルター２は自身の光触媒活性が高まり、脱臭機能が高まる効果が得られる。従って、前面パネル１から吸込まれた汚染空気は、脱臭フィルター２によって臭気成分を吸着され、清浄空気として脱臭ユニットの背面から吹き出される。
【００３４】
ここで、光路部材６は、風向に対して脱臭フィルター２の上流側に配置することにより、脱臭フィルター２の汚染度の高い側の光触媒活性を高めることができ、高い脱臭効果が得られることになる。
【００３５】
（実施の形態２）
本発明の第２の実施の形態について、図４〜５を参照しながら説明する。実施の形態１と同じ構成のものには同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【００３６】
図４は、本発明による脱臭集塵ユニットの概略図、図５は本発明による脱臭集塵ユニットの断面図である。空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭集塵ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、集塵フィルター８と、脱臭フィルター２と集塵フィルター８を収納する収納枠３ｂと、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。
【００３７】
上記構成によれば、前面パネル１より吸込まれた汚染空気は、光触媒活性を高めた脱臭フィルター２によって臭気成分が吸着され、集塵フィルター８によって除塵され、清浄空気となって排出される。このように、本実施の形態の脱臭集塵ユニットによれば、臭気成分だけでなく、粉塵をも除去することが可能である。
【００３８】
（実施の形態３）
本発明の第３の実施の形態について、図６〜７を参照しながら説明する。実施の形態１あるいは実施の形態２と同じ構成のものには同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【００３９】
図６は、本発明による脱臭集塵ユニットの概略図、図７は、本発明による脱臭集塵ユニットの断面図である。空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭集塵ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、集塵フィルター８と、前面パネル１に取り付けられ先端を下流側に向けた複数の尖先部を持つ放電電極９と集塵フィルター８の下流側に設けられたアース電極１０と、脱臭フィルター２と集塵フィルター８とアース電極１０を収納する収納枠３ｃと、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４と放電電極９とアース電極１０のＬＥＤ・電極電源部１１（図示せず）と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。
【００４０】
放電電極９は、単数あるいは複数の電極板を風向と平行に設置し、その風下側に先端を向けた尖先部を複数備えたものである。アース電極１０は、ラスまたはパンチングメタルなど空気が通過するよう加工された板であり、風向と直角に、集塵フィルター８の風下側に集塵フィルター８と接触するように設置する。
【００４１】
上記構成によれば、前面パネル１より吸込まれた汚染空気は、光触媒活性を高めた脱臭フィルター２によって臭気成分が吸着される。放電電極９とアース電極１０間には、ＬＥＤ・電極電源部１１より高電圧が印加されると、放電電極９の付近に大きな電界が形成され、放電電極９から空気中に電子が放出される。塵・埃を含んだ汚染空気がこの電界内を通過すると、放出された電子が別の空気分子に結合するなどして空気分子がイオン化されて空気イオンとなり、空気イオンが電界の力によって拡散し、塵・埃に付着して、塵・埃を帯電させる。帯電した塵・埃の粒子は粒子同士の緩衝を防ぎ、アース電極１０の風路上流側に収納した集塵フィルター８に塵・埃が、引き寄せられ、よって集塵フィルター８に付着し、清浄化された空気が脱臭集塵ユニットから排出される。
【００４２】
また、アース電極１０が集塵フィルター８の下流側に設置されることによって放電電極９とアース電極１０間の沿面距離が確保され、効率の良い集塵が可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４３】
本技術は、空気清浄機やマイナスイオン発生器等、空気浄化の分野に幅広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４４】
【図１】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの構成を示す概略図
【図２】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの構成を示す断面図
【図３】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの光路部材を示す概略図
【図４】本発明の実施の形態２の脱臭集塵ユニットの構成を示す概略図
【図５】本発明の実施の形態２の脱臭集塵ユニットの構成を示す断面図
【図６】本発明の実施の形態３の脱臭集塵ユニットの構成を示す概略図
【図７】本発明の実施の形態３の脱臭集塵ユニットの構成を示す断面図
【図８】従来の脱臭装置の構成を示す概略図
【符号の説明】
【００４５】
１ 前面パネル
２ 脱臭フィルター
３ 収納枠
３ｂ 収納枠
３ｃ 収納枠
４ ＬＥＤ
５ 電源部
６ 光路部材
６ａ 端面
６ｂ 端面
６ｃ 面
６ｄ 面
７ 脱臭ユニット本体
８ 集塵フィルター
９ 放電電極
１０ アース電極
１１ ＬＥＤ・電極電源部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気調和機の空気流路に設け、空気調和される空気中に含まれる臭気成分等を除去する脱臭ユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、光触媒を利用した脱臭装置としては、ＬＥＤ（発光ダイオード）を光源として触媒作用を呈するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
従来の光触媒脱臭装置は、図８に示すように、複数個併設された紫外線ＬＥＤ１０３を光源として、導光板１０２の光導入部１０２ｂに照射する。光が紫外線ＬＥＤ１０３から放射されると、導光板１０２を介して光触媒膜１０１に照射される。この光が照射された光触媒膜１０１は、光触媒活性が得られるので、光触媒膜１０１に接触した有機物を効果的に分解する。
【特許文献１】特開２００３−２９０６６４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような従来の脱臭装置では、ＬＥＤを複数個設置することにより光触媒膜１０１（脱臭フィルター）に触媒活性が得られるようにしている。しかし、複数個のＬＥＤを用いることによって回路や構造が複雑になり、また、高価になるという課題がある。
【０００５】
また、このような従来技術によれば、光触媒膜１０１を導光板１０２と一体化して製造しており、製造工程が複雑になり高価になるばかりか、装置を運転することによって導光板１０２の表面に付着した汚れをふき取ることが困難になるなど、メンテ性も悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の脱臭ユニットは、上記目的を達成するために、光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、ＬＥＤと、前記ＬＥＤから照射された光を前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成されたものである。
【０００７】
この手段により、ＬＥＤから発せられた光を光路部材が脱臭フィルターの表面に照射するため、ＬＥＤの配置位置を自由に選択でき、ユニットの薄型化、配置するＬＥＤの数の削減をすることができる。
【０００８】
また、他の手段は、光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したものである。
【０００９】
この手段により、光路部材の長手方向を脱臭フィルターの表面に向けたため、ＬＥＤ１個あたりの照射面積を広く取ることが可能となり、配置するＬＥＤの数を削減することができる。
【００１０】
また、他の手段は、光路部材を、風向に対して脱臭フィルターの上流側に配置したものであり、脱臭フィルターの上流側の触媒活性を高めることにより脱臭効率を上げることができる。
【００１１】
また、他の手段は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００１２】
また、他の手段は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００１３】
また、他の手段は、光路部材の材質を透明アクリルまたは透明ガラスとしたものであり、安価でかつ加工しやすく扱いやすいものとなる。
【００１４】
また、他の手段は、ＬＥＤと光触媒機能を有した脱臭フィルターで構成された脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載したものであり、集塵機能、脱臭機能を併せ持った空気浄化ユニットを提供できる。
【００１５】
また、他の手段は、集塵フィルターを風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置したものであり、風向に対し上流側にＬＥＤと光路部材を配置して薄型化を図ることができる。
【００１６】
また、他の手段は、複数の尖先部を持つ針状電極と、前記針状電極と平行に配置された平行電極とを搭載したものであり、集塵効率を高めることができる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、光触媒機能を利用して、脱臭効率が高く、薄型で低コストの脱臭ユニットをを提供できる。
【００１８】
また、集塵機能と脱臭機能を併せ持った脱臭集塵ユニットを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
本発明の請求項１記載の発明の脱臭ユニットは、光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、ＬＥＤと、前記ＬＥＤから照射された光を前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成されたものであり、ＬＥＤから発せられた光を光路部材が脱臭フィルターの表面に照射するため、ＬＥＤの配置位置を自由に選択でき、ユニットの薄型化、配置するＬＥＤの数の削減をすることができるという作用を有する。
【００２０】
また、請求項２記載の発明は、光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したことにより、光路部材の長手方向を脱臭フィルターの表面に向けて、その面から脱臭フィルターに光源の光を照射することができるために、ＬＥＤ１個あたりの照射面積を広く取ることが可能となり、配置するＬＥＤの数を削減することができるという作用を有する。
【００２１】
また、請求項３記載の発明は、光路部材を、風向に対して脱臭フィルターの上流側に配置したものであり、脱臭フィルターの上流側の触媒活性を高めることにより脱臭効率を上げることができる。
【００２２】
また、請求項４記載の発明は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００２３】
また、請求項５記載の発明は、光路部材の脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したものであり、ＬＥＤから発せられた光を効率よく脱臭フィルター表面に照射することが可能になる。
【００２４】
また、請求項６記載の発明は、光路部材の材質を透明アクリルまたは透明ガラスとしたものであり、安価でかつ加工しやすく扱いやすいものとなる。
【００２５】
また、請求項７記載の発明は、ＬＥＤと光触媒機能を有した脱臭フィルターで構成された脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載したものであり、集塵機能、脱臭機能を併せ持った空気浄化ユニットを提供できる。
【００２６】
また、請求項８記載の発明は、他の手段は、集塵フィルターを風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置したものであり、風向に対し上流側にＬＥＤと光路部材を配置して薄型化を図ることができる。
【００２７】
また、請求項９記載の発明は複数の尖先部を持つ針状電極と、前記針状電極と平行に配置された平行電極とを搭載したものであり、集塵効率を高めることができる。
【００２８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【００２９】
（実施の形態１）
図１〜３に示すように、空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、脱臭フィルター２を収納する収納枠３と、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。光路部材６は、光を通しやすいよう、透明な素材であり、透明アクリルあるいは透明ガラスを素材とするのが好ましい。また、光路部材６は柱状に成型され、その端面６ａよりＬＥＤ４の光を受け、長手方向の面を脱臭フィルター２に向けて設置される。柱状とは、端面６ａが楕円形状、円形状、多角形状などでその端面６ａの面積がＬＥＤ４の照射面と略同じになるような形状である。光路部材６は、風向に対して上流側となる前面パネル１に設置し、風向に対し下流側に設置された脱臭フィルター２に光を照射する。
【００３０】
上記構成により、本発明の脱臭ユニットの動作について説明する。
【００３１】
脱臭ユニット本体７は、空気調和機などの吸込口に設置され、前面パネル１側より室内の汚染空気を吸込み、その汚染空気を脱臭フィルター２を通過させることによって臭気成分を吸着させて浄化する。一方ＬＥＤ４は、電源部５から供給された電気により発光し、光路部材６の端面６ａに光を入射する。光路部材６の端面に受けた光は、その内部を通過して他の面より外部へ照射される。
【００３２】
その際、長手方向の面の脱臭フィルター２に向いた面と反対の面６ｃに反射材を貼付あるいは塗布すると、ＬＥＤ４から発せられた光が効率よく脱臭フィルター２に照射されることになる。若しくは、長手方向の面の脱臭フィルター２に向いた面と反対の面６ｃに光漏れを防ぐ加工を施すことによっても同様の効果が得られる。この場合の光漏れを防ぐ加工としては、該当の面にやすりをかけるなどして光の透過率を下げることなどが有効である。なお、ＬＥＤ４の光の入射する端面６ａと反対の端面６ｂにも反射材の貼付・塗布あるいは光漏れを防ぐ加工を施すと良い。
【００３３】
光路部材６からの光は長手方向の面６ｄより脱臭フィルター２に照射され、脱臭フィルター２は自身の光触媒活性が高まり、脱臭機能が高まる効果が得られる。従って、前面パネル１から吸込まれた汚染空気は、脱臭フィルター２によって臭気成分を吸着され、清浄空気として脱臭ユニットの背面から吹き出される。
【００３４】
ここで、光路部材６は、風向に対して脱臭フィルター２の上流側に配置することにより、脱臭フィルター２の汚染度の高い側の光触媒活性を高めることができ、高い脱臭効果が得られることになる。
【００３５】
（実施の形態２）
本発明の第２の実施の形態について、図４〜５を参照しながら説明する。実施の形態１と同じ構成のものには同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【００３６】
図４は、本発明による脱臭集塵ユニットの概略図、図５は本発明による脱臭集塵ユニットの断面図である。空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭集塵ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、集塵フィルター８と、脱臭フィルター２と集塵フィルター８を収納する収納枠３ｂと、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４の電源部５と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。
【００３７】
上記構成によれば、前面パネル１より吸込まれた汚染空気は、光触媒活性を高めた脱臭フィルター２によって臭気成分が吸着され、集塵フィルター８によって除塵され、清浄空気となって排出される。このように、本実施の形態の脱臭集塵ユニットによれば、臭気成分だけでなく、粉塵をも除去することが可能である。
【００３８】
（実施の形態３）
本発明の第３の実施の形態について、図６〜７を参照しながら説明する。実施の形態１あるいは実施の形態２と同じ構成のものには同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【００３９】
図６は、本発明による脱臭集塵ユニットの概略図、図７は、本発明による脱臭集塵ユニットの断面図である。空気調和機（図示せず）などの空気流路に設けられる脱臭集塵ユニットは、格子状に成形した前面パネル１と、粉末状の酸化チタンを基材上に担持させた脱臭フィルター２と、集塵フィルター８と、前面パネル１に取り付けられ先端を下流側に向けた複数の尖先部を持つ放電電極９と集塵フィルター８の下流側に設けられたアース電極１０と、脱臭フィルター２と集塵フィルター８とアース電極１０を収納する収納枠３ｃと、ＬＥＤ４と、ＬＥＤ４と放電電極９とアース電極１０のＬＥＤ・電極電源部１１（図示せず）と、ＬＥＤ４の発する光を端面に受けて、その長手方向の面から脱臭フィルター２に光を照射する光路部材６とで構成される。
【００４０】
放電電極９は、単数あるいは複数の電極板を風向と平行に設置し、その風下側に先端を向けた尖先部を複数備えたものである。アース電極１０は、ラスまたはパンチングメタルなど空気が通過するよう加工された板であり、風向と直角に、集塵フィルター８の風下側に集塵フィルター８と接触するように設置する。
【００４１】
上記構成によれば、前面パネル１より吸込まれた汚染空気は、光触媒活性を高めた脱臭フィルター２によって臭気成分が吸着される。放電電極９とアース電極１０間には、ＬＥＤ・電極電源部１１より高電圧が印加されると、放電電極９の付近に大きな電界が形成され、放電電極９から空気中に電子が放出される。塵・埃を含んだ汚染空気がこの電界内を通過すると、放出された電子が別の空気分子に結合するなどして空気分子がイオン化されて空気イオンとなり、空気イオンが電界の力によって拡散し、塵・埃に付着して、塵・埃を帯電させる。帯電した塵・埃の粒子は粒子同士の緩衝を防ぎ、アース電極１０の風路上流側に収納した集塵フィルター８に塵・埃が、引き寄せられ、よって集塵フィルター８に付着し、清浄化された空気が脱臭集塵ユニットから排出される。
【００４２】
また、アース電極１０が集塵フィルター８の下流側に設置されることによって放電電極９とアース電極１０間の沿面距離が確保され、効率の良い集塵が可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４３】
本技術は、空気清浄機やマイナスイオン発生器等、空気浄化の分野に幅広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【００４４】
【図１】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの構成を示す概略図
【図２】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの構成を示す断面図
【図３】本発明の実施の形態１の脱臭ユニットの光路部材を示す概略図
【図４】本発明の実施の形態２の脱臭集塵ユニットの構成を示す概略図
【図５】本発明の実施の形態２の脱臭集塵ユニットの構成を示す断面図
【図６】本発明の実施の形態３の脱臭集塵ユニットの構成を示す概略図
【図７】本発明の実施の形態３の脱臭集塵ユニットの構成を示す断面図
【図８】従来の脱臭装置の構成を示す概略図
【符号の説明】
【００４５】
１ 前面パネル
２ 脱臭フィルター
３ 収納枠
３ｂ 収納枠
３ｃ 収納枠
４ ＬＥＤ
５ 電源部
６ 光路部材
６ａ 端面
６ｂ 端面
６ｃ 面
６ｄ 面
７ 脱臭ユニット本体
８ 集塵フィルター
９ 放電電極
１０ アース電極
１１ ＬＥＤ・電極電源部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、
ＬＥＤと、
前記ＬＥＤから照射された光を受け、前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成された脱臭ユニット。
【請求項２】
光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、
ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したことを特徴とする請求項１記載の脱臭ユニット。
【請求項３】
光路部材は、脱臭フィルターの上流側に配置したことを特徴とする請求項２記載の脱臭ユニット。
【請求項４】
光路部材は、脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたことを特徴とする請求項２または３記載の脱臭ユニット。
【請求項５】
光路部材は、脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したことを特徴とする請求項２または３記載の脱臭ユニット。
【請求項６】
光路部材の材質は、透明アクリルまたは透明ガラスであることを特徴とする請求項１〜５いずれかに記載の脱臭集塵ユニット。
【請求項７】
請求項１〜６いずれかに記載の脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載した脱臭集塵ユニット。
【請求項８】
集塵フィルターは風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置した請求項７記載の脱臭集塵ユニット。
【請求項９】
複数の尖先部を持つ針状電極と、
前記針状電極と平行に配置された平行電極とを
搭載した請求項７または８記載の脱臭集塵ユニット。
【請求項１】
光触媒機能を持つ脱臭材料を担持した脱臭フィルターと、
ＬＥＤと、
前記ＬＥＤから照射された光を受け、前記脱臭フィルターの表面へ導く透明な光路部材とで構成された脱臭ユニット。
【請求項２】
光路部材は、柱状の形状で脱臭フィルターの正面に長手方向を向け、
ＬＥＤは光路部材の端面に光を当てるよう配置したことを特徴とする請求項１記載の脱臭ユニット。
【請求項３】
光路部材は、脱臭フィルターの上流側に配置したことを特徴とする請求項２記載の脱臭ユニット。
【請求項４】
光路部材は、脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光漏れを抑える加工をしたことを特徴とする請求項２または３記載の脱臭ユニット。
【請求項５】
光路部材は、脱臭フィルターに向いた面と反対側の面に光反射材を貼付または塗布したことを特徴とする請求項２または３記載の脱臭ユニット。
【請求項６】
光路部材の材質は、透明アクリルまたは透明ガラスであることを特徴とする請求項１〜５いずれかに記載の脱臭集塵ユニット。
【請求項７】
請求項１〜６いずれかに記載の脱臭ユニットと集塵フィルターを搭載した脱臭集塵ユニット。
【請求項８】
集塵フィルターは風向に対し脱臭フィルターの下流側に配置した請求項７記載の脱臭集塵ユニット。
【請求項９】
複数の尖先部を持つ針状電極と、
前記針状電極と平行に配置された平行電極とを
搭載した請求項７または８記載の脱臭集塵ユニット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２００７−１０５２８６（Ｐ２００７−１０５２８６Ａ）
【公開日】平成１９年４月２６日（２００７．４．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３０００３８（Ｐ２００５−３０００３８）
【出願日】平成１７年１０月１４日（２００５．１０．１４）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年４月２６日（２００７．４．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１０月１４日（２００５．１０．１４）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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