説明

脱臭器の制御方法および脱臭器

【課題】脱臭能力を維持しながら省電力化が図れる脱臭器の制御方法を提供する。
【解決手段】臭いセンサと、送風機20と、UVランプ74と、脱臭ユニット40と、制御部62とを備え、臭いセンサの検出値に応じて制御部62により送風機20と、UVランプ74とを制御する。臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する。臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、制御部62は、送風機20の回転数を高くし、オゾン発生部から発生するオゾン濃度を低くして、脱臭ユニット40による吸着脱臭運転を優先させるように制御する。臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、制御部62は、送風機20の回転数を低くし、UVランプ74から発生するオゾン濃度を高くして、オゾンによるマスキング脱臭運転を優先させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンと脱臭フィルタを用いて脱臭を行う脱臭器の制御方法および脱臭器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用のオゾン脱臭器がトイレの混雑時間帯を学習し、混雑時間帯ではファン回転数を高くすると共に、オゾン発生量を増やすようにすることで、混雑時間帯におけるトイレの脱臭を短時間で行い、混雑時間帯以外の時間帯では脱臭能力を通常に戻すことにより省電力化を図る家庭用オゾン脱臭器が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−250162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1にあっては、省電力化を実現するためにトイレの混雑時間帯を学習する学習機能を搭載する必要があるため、その分コストがかかる上、学習中は十分な省電力化が図れないという問題があった。また、特許文献1では、混雑時間帯が学習した内容と異なる時間帯にずれると、混雑していない時間帯にファン回転数が高くなって無駄な電力を消費し、混雑しているときに脱臭能力が通常に戻って、脱臭能力が不足するという問題があった。さらに、特許文献1では、混雑時間帯における脱臭能力を最大にするため、混雑時間帯での省電力運転については考慮されていないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、脱臭能力を維持しながら省電力化を図ることができる脱臭器の制御方法および脱臭器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の脱臭器の制御方法は、空気中の臭気強度を検出する臭いセンサと、空気を送風する送風機と、空気からオゾンを発生させるオゾン発生部と、脱臭フィルタに空気を通して臭いを吸着させる吸着脱臭部と、各部を制御する制御部とを備え、前記臭いセンサの検出値に応じて前記制御部により前記送風機と、前記オゾン発生部とを制御する脱臭器の制御方法であって、前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、前記吸着脱臭部による吸着脱臭を優先させるように制御する吸着脱臭運転優先ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、オゾンによるマスキング脱臭を優先させるように制御するマスキング脱臭運転優先ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の脱臭器の制御方法において、前記吸着脱臭運転優先ステップでは、前記制御部が、前記臭いセンサにより検出される臭気強度の低下に応じて、前記送風機の回転数を段階的に下げるように制御することが好ましい。
【0008】
また、本発明の脱臭器の制御方法において、前記所定の臭気強度は、臭気強度が1.0以上3.0未満であることが好ましい。
【0009】
また、本発明の脱臭器の制御方法は、空気中の臭気強度を検出する臭いセンサと、空気を送風する送風機と、空気からオゾンを発生させるオゾン発生部と、脱臭フィルタに空気を通して臭いを吸着させる吸着脱臭部と、各部を制御する制御部とを備え、通常運転モードと省電力運転モードとが選択可能であり、該選択された運転モードと前記臭いセンサの検出値とに応じて前記制御部により前記送風機と、前記オゾン発生部とを制御する脱臭器の制御方法であって、前記通常運転モード選択時には、前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、急速な脱臭運転を行うように制御する急速脱臭運転ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、低速な脱臭運転を行うように制御する低速脱臭運転ステップと、を含み、前記省電力運転モード選択時には、前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、前記吸着脱臭部による吸着脱臭を優先させるように制御する吸着脱臭運転優先ステップと、前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、オゾンによるマスキング脱臭を優先させるように制御するマスキング脱臭運転優先ステップと、を含み、前記省電力運転モードでは前記通常運転モードよりも多段階の回転数で前記送風機を制御し、前記通常運転モードと前記省電力運転モードでは、前記送風機の回転数が最も高い場合の回転数は同じ回転数とし、前記送風機の回転数が最も低い場合の回転数は前記省電力運転モードの方がより低い回転数とし、前記省電力運転モードでは前記送風機の回転数を切り換える臭気強度を前記通常運転モードの所定の臭気強度よりも高く設定してあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の脱臭器は、上記いずれか一つの脱臭器の制御方法を用いて制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、脱臭能力を維持しながら省電力化が図れる脱臭器の制御方法および脱臭器を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例にかかる脱臭器の外観斜視図である。
【図2】図2は、図1のW−W線断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例にかかる脱臭器のブロック構成図である。
【図4】図4は、通常運転時と省電力運転時におけるファン回転数と臭気強度との関係を示す線図である。
【図5】図5は、本発明の実施例にかかる脱臭器のモータノッチに対するファン回転数と風量とオゾン濃度との関係を示す図である。
【図6】図6は、図2に示す空気調和機の送風板を全開して平均オゾン濃度を検出する状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施例にかかる脱臭器の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、図7の吸着脱臭優先運転における動作を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、図7のマスキング脱臭優先運転における動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる脱臭器の制御方法および脱臭器の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【実施例】
【0014】
まず、本実施例かかる脱臭器の概略構成について説明する。図1は、本発明の実施例にかかる脱臭器の外観斜視図であり、図2は、図1のW−W線断面図であり、図3は、本発明の実施例にかかる脱臭器のブロック構成図である。
【0015】
脱臭器100は、触媒フィルタを用いて空気の脱臭処理を行う脱臭機能に加えて、気化フィルタを用いて空気を加湿する加湿機能を備えている。この脱臭器100は、図1に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筐体10を有している。脱臭器100の上面18と接する角部には、空気中の臭気強度を検出する臭いセンサ50が配置されている。また、筐体10の背面には、図2に示すように、空気の吸込口21が形成されている。また、脱臭器100の上面18には、ユーザが脱臭器100を運転操作するための各種ボタンやランプ等が配置された操作パネル23が配されている。
【0016】
本実施例にかかる脱臭器100は、図2に示すように、筐体10に空気の吸込口21と、第1吹出口としての吹出口22とが設けられ、その吸込口21と吹出口22とを結ぶ空気通路24が内部に形成されている。
【0017】
本実施例にかかる脱臭器100は、図2に示すように、筐体10の上面18の一部に水平方向に所定の深さと幅とを持たせて堀り下げられた溝部12が形成され、この溝部12の底部には、上述した吹出口22が設けられている。そして、取っ手部13は、棒状の取っ手が筐体10の上面18の中央を通っており、溝部12の上を跨ぐように筐体10の上面18に沿って水平方向に固定配置されている。
【0018】
この取っ手部13は、溝部12の上を跨ぐことで、上方に開口した第1開口部14と第2開口部15とを形成している。そして、吹出口22の上方にある第1開口部14は、取っ手部13と接する送風板16によって覆われている。この送風板16は、一端が回動可能に支持され、第1開口部14を開閉できるように構成されている。図2では、送風板16を閉じた状態が示されている。もう一方の第2開口部15は、溝部12の斜面を緩やかに形成した開口部斜面19を備えている。そして、取っ手部13と送風板16とが接する取っ手部13の下部側に段差部17を設けている。このため、吹出口22から上方へ吹出された空気は、送風板16に沿って第2開口部15へ向かって流れ、段差部17の作用によって一旦押し下げられた後、第2開口部15の緩やかな開口部斜面19に沿って吹出されることから、吹出し方向が上方ではなく、水平方向に吹出すことができる。
【0019】
このことを、脱臭器の風の流れを示す図2を用いて説明する。つまり、本実施例にかかる脱臭器100は、図2に示す吸込口21の白抜き矢印Aから吸い込まれた室内の空気が空気通路24内を通り、白抜き矢印B、C、D、E、Fの経路で流れて、第2開口部15から吹出される。この第2開口部15は、上方を向いた開口部であるので、空気の流れとしては第2開口部15を出る際に、上向きに吹出される。しかし、本実施例にかかる脱臭器100は、溝部12の送風路の途中に取っ手部13が配置されているため、送風される空気が取っ手部13の下を潜ってから、第2開口部15から吹出される。この空気の流れは、図3に示すように、送風板16と取っ手部13とその間に設けられた段差部17とによって溝部12を蛇行しながら流れ、第2開口部15に設けられた緩やかな開口部斜面19に沿って登り、そのまま吹出されるため、上面18の操作パネル23の上を水平方向に吹出すことが可能となる(白抜き矢印F参照)。
【0020】
また、本実施例にかかる脱臭器100は、図2に示すように、空気通路24の途中に送風機20が設けられていて、ファンモータ20aとシロッコファンなどのファン20bで構成され、ファンモータ20aがファン20bを回すことによって、吸込口21から外部空気が機器内へ導入される(白抜き矢印A参照)。
【0021】
導入された空気は、既存の脱臭器等で使用されているプレフィルタ70と集塵フィルタ71を通過する間に、除塵される。そして、集塵フィルタ71の風下側には、脱臭ユニット40が配置されている。この脱臭ユニット40は、触媒フィルタ41を用いて脱臭処理を行うと共に、ヒータユニット46により触媒フィルタ41を定期的に加熱することで、触媒に付着した臭い成分の分解を促進し、触媒フィルタ41を繰り返し再生できるようになっている。脱臭ユニット40は、触媒フィルタ41およびヒータユニット46を両側から挟むように、通気性を有する一対の板状断熱材42が配置されて構成されている。
【0022】
脱臭ユニット40のさらに風下側には、水を吸水して湿潤した状態で通過する空気に湿度を与える気化フィルタを含む加湿ユニット30が配置されている。加湿ユニット30で加湿された空気は、送風機20のファン20bによって空気通路24を白抜き矢印BおよびC方向に送られ(図2参照)、さらに白抜き矢印D、E、Fのように、吹出口22、および低濃度オゾン吹出口78を通って、第2開口部15から吐出される。
【0023】
また、本実施例の脱臭器100は、図2に示すように、オゾン発生ユニット73を備えている。送風機20により空気通路17内を流通する空気は、白抜き矢印Bから白抜き矢印Cが分岐してオゾン発生ユニット73内へ流入する。オゾン発生ユニット73内へ取り込まれた空気は、水銀ランプなどのUV(紫外線)ランプ74で照射されると、オゾンが発生する。このオゾンは、オゾン発生ユニット73内に取り込まれた空気の除菌や脱臭を行うことができる。このオゾン発生ユニット73で発生した残留オゾンは、酸化チタンなどのオゾン分解触媒77により分解され、低濃度オゾン吹出口78から外へ放出される(白抜き矢印E参照)。UVランプ74は、所定周期でON/OFFを繰り返している。このON/OFF周期は、運転モードとファン回転数により決定される。
【0024】
さらに、本実施例の脱臭器100は、図2に示すように、マイナスイオンを発生するイオナイザ79がここでは空気通路24内に配置されている。イオナイザ79は、針状の電極を備えており、電極に例えば数kVの高電圧を印加すると、電極の先端でコロナ放電が生じ、マイナスイオンとオゾンを発生させる。イオナイザ79から発生したマイナスイオンは、同じくイオナイザ79やオゾン発生ユニット73から発生したオゾンと反応して、強い酸化力を有するOHラジカルを生成する。
【0025】
本実施例の脱臭器100においては、脱臭ユニット40で脱臭された空気は、空気通路24を通って吹出口22から吹出されると、送風板16に沿って第2開口部15へ向かって流れ、段差部17で一旦押し下げられた後、溝部12を伝って第2開口部15から吹き出される一連の空気の流れが形成される。この空気は、イオナイザ79が空気通路24内に配置されているため、マイナスイオンを含んだ脱臭された空気となる。また、上記オゾン発生ユニット73で発生したオゾンは、低濃度オゾン吹出口78から外へ放出される際に(白抜き矢印E参照)、上記した脱臭された空気の流れ(白抜き矢印D参照)に取り込まれ、第2開口部15から水平方向に吹出される。ここで、上記した低濃度オゾン吹出口78は、図2に示すように、吹出口22の隣接位置から第2開口部15付近までの幅を持っている。このため、図2の取っ手部13の位置よりも吹出口22に近い低濃度オゾン吹出口78から放出されるオゾンは、吹出口22から吹出される脱臭された空気の流れに取り込まれ(白抜き矢印DおよびE参照)、第2開口部15へ送られる。また、図2の取っ手部13の下から第2開口部15寄りに設けられた低濃度オゾン吹出口78から放出されるオゾンは、第2開口部15に近いため、そのまま上方へ放出される可能性がある。しかし、この低濃度オゾン吹出口78から放出されたオゾンは、吹出口22から吹出される脱臭された空気の流れがあるため、これに抑えられて取り込まれ、第2開口部15から水平方向に吹出される(白抜き矢印D、E、F参照)。
【0026】
このように、本実施例の脱臭器100は、マイナスイオンおよび低濃度オゾンを含む脱臭された空気を脱臭器の前方側(水平方向)に吹出すことができるので、床面付近のイオン濃度やオゾン濃度を上げることが可能となり、床に沈降するダニ、花粉、ペット由来のアレルゲン等を効果的に不活性化することができる。
【0027】
また、本実施例にかかる脱臭器100は、図1に示すように、脱臭器100の上面18の中央に、溝部12の上を跨ぐように溝部12の両側から中央部に向かうに従って取っ手部13の厚さを徐々に減少させるテーパー部13a,13bが形成されている。このテーパー部13a,13bは、テーパーの傾きやテーパーの形状を変えて形成することができ、これにより、取っ手部13の持ち手幅の長さを変えることができる。持ち手幅の長さは、人の手で持つことを想定しているため、140mmとしたが一例であってこれに限定されない。
【0028】
本実施例にかかる脱臭器100の制御を行う制御部62は、図3に示すように、送風機20のファンを回転させるファンモータ20a、操作パネル23、吸着脱臭部としての脱臭ユニット40の触媒フィルタ41を加熱して臭い成分を分解するヒータユニット46、マイナスイオンを発生するイオナイザ79、空気中の臭気強度を検出する臭いセンサ50、時間を計るタイマ64、制御に用いる種々のパラメータを関連づけて格納するテーブルメモリ、およびオゾンを発生させるオゾン発生部としてのUVランプ74と接続されている。制御部62は、これらの間でデータやり取りしながら本実施例にかかる脱臭器100の制御方法を実行する。
【0029】
本実施例の脱臭器100は、以上のように構成されており、以下にその制御動作について説明する。図4は、通常運転時と省電力運転時におけるファン回転数と臭気強度との関係を示す線図であり、図5は、本発明の実施例にかかる脱臭器のファンモータのモータノッチ(ファンモータの回転の設定)に対するファン回転数と風量とオゾン濃度との関係を示す図であり、図6は、図2に示す空気調和機の送風板を全開して平均オゾン濃度を検出する状態を示す図であり、図7は、本発明の実施例にかかる脱臭器の動作を説明するフローチャートであり、図8は、図7の吸着脱臭優先運転における動作を説明するフローチャートであり、図9は、図7のマスキング脱臭優先運転における動作を説明するフローチャートである。
【0030】
図4に示す線図は、通常運転モードと省電力運転(以下、エコ運転という)モードにおけるそれぞれの経過時間に対する臭気強度とファン回転数の関係を示している。本実施例にかかる脱臭器100の制御方法を説明するにあたり、これまでの脱臭器で行われてきた通常運転モードの制御方法を説明した後、本発明に特徴的なエコ運転モードの制御方法について説明することにする。
【0031】
なお、本明細書における臭気強度とは、0〜5までの6段階臭気強度表示法(悪臭防止法において臭気強度尺度として用いられている)に基づいており、「0:無臭」、「1:やっと感知できるにおい」、「2:何のにおいであるかがわかる弱いにおい」、「3:楽に感知できるにおい」、「4:強いにおい」、「5:強烈なにおい」に分類した臭いのレベルをいう。また、本明細書における臭いのマスキング効果とは、ある臭気と別の臭気が交じり合うことで、両者間で臭いの相殺効果があらわれ、臭いが隠蔽される効果のことをいう。
【0032】
[通常運転モード]
まず、通常運転モードでは、図4および図5に示すように、自動運転中に臭気強度「3.6」の何らかの臭いが発生し、臭いセンサ50がこれを検知すると、脱臭器100の制御部62は、ファンモータ20aのモータノッチを「強M」に制御する。これにより、ファン回転数は、(1060回転/分)となり、風量が(1.90m/分)となる(図4のh)。制御部62は、ファン回転数をあげることで、上記脱臭ユニット40の触媒フィルタ41を通過する空気量を増やし、臭いの吸着脱臭処理能力を上げている。
【0033】
また、通常運転モードでモータノッチが「強M」の場合、制御部62は、これと並行して、オゾン発生ユニット73のUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を2/3として、オゾン濃度が0.012ppmのオゾンを発生させる。このオゾン濃度とは、UVランプ74が点灯している間の送風板16を全開した時の吹出口22付近のオゾンの濃度のことをいう。また、風量との関係で平均オゾン濃度は0.008ppmとなる。この平均オゾン濃度とは、UVランプ74の運転周期の間における平均したオゾンの濃度のことをいう。このオゾンは、空気の除菌や脱臭を行う。
【0034】
その結果、臭気強度は、図4中のHからH´までは変化しないが、その後徐々に低下してIを通り、J1の「2.5」まで低下する。制御部62は、臭気強度が「2.5」まで低下したJ1の時点で、ファンモータ20aのモータノッチを「中H」に制御する。これにより、ファン回転数は、(820回転/分)となり、風量が(1.43m/分)となる(図4のj1)。制御部62は、臭気強度が「2.5」まで低下したのに伴い、脱臭ユニット40の触媒フィルタ41による吸着脱臭処理能力を低下させている。
【0035】
また、通常運転モードでモータノッチが「中H」の場合、制御部62は、オゾン発生ユニット73のUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を1/3として、オゾン濃度が0.016ppmのオゾンを発生させるが、風量との関係で平均オゾン濃度は0.0053ppmとなる。
【0036】
さらに、制御部62は、臭気強度が「2.2」まで低下したLの時点で、ファンモータ20aのモータノッチを「中L」に制御する。これにより、ファン回転数は、(630回転/分)となり、風量が(1.04m/分)となる(図4のl)。制御部62は、臭気強度が「2.2」まで低下してきたのに伴って、風量をさらに低減させて吸着脱臭処理能力を低下させている。また、制御部62は、UVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を1/10とし、オゾン濃度が0.022ppmとなるが、風量との関係で平均オゾン濃度は0.0022ppmとなり、平均オゾン濃度もさらに低下させている。
【0037】
このように、通常運転モードにおける制御方法は、臭気強度の低下に比例させて、送風機20による風量を徐々に下げて、脱臭ユニット40の触媒フィルタ41による吸着脱臭処理能力を下げると共に、オゾン発生ユニット73により発生する平均オゾン濃度も徐々に低下させるものであった。
【0038】
[エコ運転モード]
これに対して、本実施例にかかるエコ運転モードでは、図4および図5に示すように、自動運転中に臭気強度「3.6」の何らかの臭いが発生し、臭いセンサ50がこれを検知すると、脱臭器100の制御部62は、最初は通常運転モードと同じファンモータ20aのモータノッチを「強M」として、ファン回転数を(1060回転/分)とし、風量を(1.90m/分)とする(図4のh)。これは、臭気強度が高い時点では通常運転モードと同様に素早い脱臭処理が求められているからである。
【0039】
しかし、エコ運転モードでは、臭気強度が「3.2」程度まで低下したIの時点で、ファンモータ20aのモータノッチを「強L」に制御する。これにより、ファン回転数は、(950回転/分)となり、風量が(1.70m/分)となる(図4のi)。このため、エコ運転モードは、ファン回転数を通常運転モードよりも早めに低下させたことにより、省電力効果が得られる。エコ運転モードは、通常運転モードと比べて風量を少なくしたことにより、脱臭ユニット40の吸着脱臭処理能力も低下するが、臭気強度の低下に伴って段階的にファン回転数を下げるようにしたため、極端な吸着脱臭処理能力の低下を避けることができる。
【0040】
また、エコ運転モードでモータノッチが「強L」の場合における制御部62は、図4のi〜jに至るまでのオゾン発生ユニット73のUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を1/2とし、オゾン濃度が0.013ppmのオゾンを発生させるが、風量との関係で平均オゾン濃度は0.0065ppmとなる。この平均オゾン濃度は、通常運転モードの0.008ppmと比べると低くなっている。これは、本実施例の制御方法の特徴的な技術思想に基づいている。つまり、本実施例の制御方法は、オゾンが除菌や分解脱臭の他にマスキングによる脱臭効果を有しているが、臭気強度が高い状態ではマスキング効果があまり得られない点に着目し、図4のh〜jに至るまでの平均オゾン濃度を低く抑え、省電力効果が得られるようにしている。
【0041】
また、エコ運転モードの制御部62では、臭気強度が「2.6」まで低下したJ2の時点で、ファンモータ20aのモータノッチを「中M」に制御する。これにより、ファン回転数は、(700回転/分)となり、風量が(1.18m/分)となる(図4のj2)。制御部62は、臭気強度が「2.6」まで低下したのに伴って、脱臭ユニット40の触媒フィルタ41による吸着脱臭処理能力を通常運転モードよりもさらに低下させている。このため、エコ運転モードは、さらなる省電力効果を得ることができる。
【0042】
このように、エコ運転モードは、通常運転モードと比べると段階的にファン回転数を低下させているため、触媒フィルタ41による吸着脱臭処理能力が低下している。しかし、エコ運転モードにおける制御部62は、ここからオゾンのマスキング効果を利用して、脱臭能力の低下分を補うための制御を開始する。つまり、臭気強度が「2.6」程度まで低下してくると、何の臭いかわかる程度の弱い臭いとなるため、オゾンのマスキング効果を期待することができる。エコ運転モードでモータノッチが「中M」の場合における制御部62は、オゾン発生ユニット73のUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を1/2のままとしている。上記したように、ファン回転数を(700回転/分)とし、風量を(1.18m/分)に落としているため、オゾン濃度は0.019ppmであるが、風量との関係で平均オゾン濃度は高濃度の0.0095ppmとなる。この平均オゾン濃度は、直前のi〜j2に至るまでの平均オゾン濃度の0.0065ppmと比べると増大している上、通常運転モードにおける同程度の臭気強度における平均オゾン濃度の0.0053ppmと比べても明らかに高い平均オゾン濃度に制御されている。従って、図4のj2〜kの間のエコ運転モードの制御方法では、触媒フィルタ41による吸着脱臭効果に加えて、オゾンによるマスキング効果により消臭効果が加わるため、ファン回転数の低下に伴う触媒フィルタ41の吸着脱臭処理能力の低下を補うことができる。
【0043】
さらに、エコ運転モードの制御部62では、臭気強度が「2.3」まで低下したKの時点で、ファンモータ20aのモータノッチを「弱」に制御する。これにより、ファン回転数は、(480回転/分)となり、風量が(0.76m/分)となる(図4のk)。制御部62は、臭気強度が「2.3」まで低下してきたのに伴って、風量をさらに低減させて吸着脱臭処理能力を低下させている。また、エコ運転モードでモータノッチが「弱」の場合における制御部62は、UVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合を1/10とし、オゾン濃度が0.030ppmとなるが、風量との関係で平均オゾン濃度は0.003ppmとなる。この平均オゾン濃度の値は、j2〜kの間の0.0095ppmと比べると減少しているが、通常運転モードにおける同程度の臭気強度における平均オゾン濃度の0.0022ppmと比べると高くなっている。このため、ファン回転数の低下に伴う触媒フィルタ41の吸着脱臭処理能力の低下を補うことができる。
【0044】
このように、エコ運転モードにおける制御方法は、オゾンによるマスキング効果が出始める所定の臭気強度を境に、それ以前は触媒フィルタ41による吸着脱臭処理を優先し、平均オゾン濃度が低くなるように制御すると共に、臭気強度の低下に伴ってファン回転数を段階的に低下させるようにする。これにより、ファンモータ20aの消費電力を大幅に低下させることが可能となり、省電力効果を得ることができる。
【0045】
また、オゾンによるマスキング効果が出始める所定の臭気強度以降は、発生させる平均オゾン濃度が高くなるように制御することで、触媒フィルタ41による吸着脱臭効果に加えて、オゾンによるマスキング効果が得られるため、吸着脱臭能力の低下分を補うことが可能となる。エコ運転モードにおける所定の臭気強度以降のファン回転数については、臭気強度の低下に伴って段階的に低下させていることから、ファンモータ20aの消費電力を大幅に低下させることが可能となり、省電力効果を得ることができる。
【0046】
[エコ運転モードの動作]
本実施例にかかる脱臭器の制御方法の動作を、図7〜9のフローチャートを用いて説明する。まず、脱臭器100の制御部62は、自動運転中に何らかの臭いが発生して臭いセンサ50がこれを検知すると、検知した臭気強度が所定強度(予め設定した閾値)よりも高いか否かを判断する(ステップS200)。この閾値は、臭気強度がマスキング効果が得られる範囲、すなわち1.0以上、3.0未満の範囲で設定すべきであり、省電力効果を高めるために、好ましくは、2.0以上、3.0未満、より好ましくは、2.3〜2.6の範囲で設定するようにする。図4のエコ運転モードの場合は、「2.6」に設定されている。
【0047】
制御部62は、閾値と、臭気センサ50からの検出値とを比較し、検出された臭気強度が閾値よりも高いと判断すると(ステップS200でYes)、吸着脱臭優先運転を行う(ステップS201)。また、制御部62は、検出された臭気強度が閾値よりも低いと判断すると(ステップS200でNo)、マスキング脱臭優先運転を行う(ステップS204)。つまり、制御部62は、臭気強度に対応した臭気センサ50からの検出値を閾値と比較することにより、吸着脱臭優先運転とマスキング脱臭優先運転との切り換えを行う。
【0048】
まず、図4に示すエコ運転モードのh〜iの間では、検出された臭気強度が閾値の「2.6」よりも高いため、吸着脱臭優先運転が行われる(ステップS201)。この吸着脱臭優先運転において、制御部62は、図4、5、7に示すように、臭気強度に応じて送風ファンの回転数を高くして(1060回転/分)、風量を増加させ(1.90m/分)、脱臭ユニット40の触媒フィルタ41を通る空気量を増やすことで、吸着脱臭処理を優先した運転とする。一方、制御部62は、平均オゾン濃度が低くなるように制御する(ステップS210)。これは、臭気強度が高い間は、平均オゾン濃度を上げてもオゾンによるマスキング効果があまり得られないことによる。
【0049】
続いて、図4に示すエコ運転モードのi〜j2の間では、検出された臭気強度が「3.6」から「3.2」に低下している(ステップS211でYes)。このため、制御部62は、臭気強度の低下に応じて送風ファンの回転数を段階的に下げるように制御する(ステップS212)。ここでは、図4に示すように、送風ファンの回転数を(1060回転/分)から(950回転/分)まで下げる。これにより、ファン回転数を下げたことによる省電力効果が得られる。また、この間は、オゾン濃度=0.013ppmであるが、UVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合が1/2であるため、平均オゾン濃度=0.013×1/2=0.0065ppmとなる。
【0050】
続いて、図4に示すエコ運転モードのj2〜kの間では、検出された臭気強度が「2.6」の閾値よりも低くなると(ステップS202でNo)、吸着脱臭優先運転が終わり、ステップS203に移行する。ここで脱臭運転の終了指示がなければ(ステップS203でNo)、ステップS204のマスキング脱臭優先運転に移行する。このマスキング脱臭優先運転は、図9に示すように、臭気強度が低くなればそれに応じてファン回転数を低くし、オゾン濃度が高くなるように制御する(ステップS220)。図4に示すエコ運転のj2では、ファン回転数を(950回転/分)から(700回転/分)まで下げている。これにより、エコ運転モードのファン回転数(700回転/分)は、通常運転モードのj1〜lの間のファン回転数(820回転/分)よりも低いため、一層の省電力効果が得られる。
【0051】
また、エコ運転モードのj2〜kの間のオゾン濃度は、エコ運転モードのi〜j2の間のオゾン濃度よりも逆に高くなるように制御する。エコ運転モードのh〜kまでのUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合は、1/2と変わらないが、エコ運転モードのj2〜kの間にファン回転数を大幅に低下させたため、オゾン濃度で見ると0.013ppmから0.019ppmのように高くなっている。また、これを平均オゾン濃度で比較すると、0.013×1/2=0.0065ppmから0.019×1/2=0.0095ppmとなり、平均オゾン濃度が高くなっている。このため、エコ運転モードのj〜kの間では、ファン回転数を大幅に低下させたことにより触媒による吸着脱臭能力が低下しているが、オゾン濃度を高くすることでマスキング効果による消臭効果が得られることから、脱臭(消臭)効果を低下させることなく、省電力効果が得られるという利点がある。
【0052】
また、図9に示すマスキング脱臭優先運転において、制御部62は、臭気強度に応じてファン回転数を低くし、オゾン濃度は高くなるように制御した後(ステップS220)、臭気強度を検出して、臭気強度が低下していなければ(ステップS221でNo)、ステップS220の制御を継続する。また、ステップS221において臭気強度が低下した場合は(ステップS221でYes)、臭気強度の低下に応じてファン回転数を段階的に下げるようにする(ステップS222)。
【0053】
これを図4で見ると、エコ運転モードのj2〜kの間で臭気強度が「2.6」から「2.35」まで低下している。このため、制御部62は、図9に示すマスキング脱臭優先運転のフローチャートのステップS222に基づいて、ファン回転数を(700回転/分)から(480回転/分)まで下げている(図5参照)。エコ運転モードのk〜mの間では、図4に示すように、ファン回転数が(480回転/分)が維持される。このエコ運転モードのk〜mの間におけるオゾン濃度は、0.030ppmであり、通常運転のl〜mの間におけるオゾン濃度は、0.022ppmである。この間におけるエコ運転と通常運転のUVランプ74のON/OFF周期における点灯時間の割合は、何れも1/10と同じであるが、エコ運転のファン回転数の方が低いため、多少オゾン濃度が高くなっている。また、これを平均オゾン濃度で比較すると、通常運転の平均オゾン濃度=0.022×1/10=0.0022ppmとなり、エコ運転の平均オゾン濃度=0.030×1/10=0.0030ppmとなる。脱臭器100は、臭気強度が「2.0」前後まで低下すると、何のにおいかかがわかる弱いにおいのため、ほぼ脱臭運転の目的が達成されている。
【0054】
その後、図7のステップS205において、新たなにおいが発生して臭気強度が所定強度(閾値)よりも高くなった場合については、ステップS201の吸着脱臭優先運転に戻って処理されるが、臭気強度が所定強度(閾値)よりも高くなく(ステップS205でNo)、運転終了でなければ(ステップS203でNo)、マスキング脱臭優先運転が継続的に行われる(ステップS204)。
【0055】
このように、本実施例にかかる脱臭器100の制御方法は、臭いセンサ50が空気中の臭気強度を検出して、制御部62が所定の臭気強度(閾値)よりも高い値を検出すると、ファン回転数を高回転数とするが、吹出し空気の平均オゾン濃度は低濃度として、吸着脱臭部による吸着脱臭運転を優先させるように制御する。また、制御部62は、臭いセンサ50により所定の臭気強度(閾値)よりも低い値を検出すると、送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度になるように制御して、オゾンによるマスキング脱臭運転を優先させるように制御する。このため、臭気強度が減少傾向にあるときは、ファン回転数を段階的に減少させることで、省電力効果を得ることができる。また、平均オゾン濃度は、オゾンによるマスキング効果が得られるようになるまで低濃度とし、マスキング効果が得られる臭気強度になってからオゾン濃度を高濃度とするため、効率的に電力を使用することで省電力効果が得られる。
【0056】
なお、上記実施例では、主にエコ運転モードにおける制御動作を通常運転モードと対比しながら説明してきたが、通常運転制御を否定するものではなく、エコ運転制御と通常運転制御とを併用し、状況に応じて適宜選択できるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる脱臭器の制御方法および脱臭器は、オゾンと脱臭フィルタを用いて脱臭運転を行う脱臭器に有用であり、特に、脱臭能力を維持しつつ省電力化することのできる脱臭器の制御方法および脱臭器に適している。
【符号の説明】
【0058】
100 脱臭器
10 筐体
12 溝部
13 取っ手部
13a,13b テーパー部
14 第1開口部
15 第2開口部
16 送風板
17 段差部
18 上面
19 開口部斜面
20 送風機
20a ファンモータ
20b ファン
21 吸込口
22 吹出口
23 操作パネル
24 空気通路
30 加湿ユニット
40 脱臭ユニット
41 触媒フィルタ
42 板状断熱材
46 ヒータユニット
62 制御部
64 タイマ
66 テーブルメモリ
70 プレフィルタ
71 集塵フィルタ
73 オゾン発生ユニット
74 UVランプ
77 オゾン分解触媒
78 低濃度オゾン吹出口
79 イオナイザ






































【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の臭気強度を検出する臭いセンサと、空気を送風する送風機と、空気からオゾンを発生させるオゾン発生部と、脱臭フィルタに空気を通して臭いを吸着させる吸着脱臭部と、各部を制御する制御部とを備え、前記臭いセンサの検出値に応じて前記制御部により前記送風機と、前記オゾン発生部とを制御する脱臭器の制御方法であって、
前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、前記吸着脱臭部による吸着脱臭を優先させるように制御する吸着脱臭運転優先ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、オゾンによるマスキング脱臭を優先させるように制御するマスキング脱臭運転優先ステップと、
を含むことを特徴とする脱臭器の制御方法。
【請求項2】
前記吸着脱臭運転優先ステップでは、前記制御部が、前記臭いセンサにより検出される臭気強度の低下に応じて、前記送風機の回転数を段階的に下げるように制御することを特徴とする請求項1に記載の脱臭器の制御方法。
【請求項3】
前記所定の臭気強度は、臭気強度が1.0以上3.0未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱臭器の制御方法。
【請求項4】
空気中の臭気強度を検出する臭いセンサと、空気を送風する送風機と、空気からオゾンを発生させるオゾン発生部と、脱臭フィルタに空気を通して臭いを吸着させる吸着脱臭部と、各部を制御する制御部とを備え、通常運転モードと省電力運転モードとが選択可能であり、該選択された運転モードと前記臭いセンサの検出値とに応じて前記制御部により前記送風機と、前記オゾン発生部とを制御する脱臭器の制御方法であって、
前記通常運転モード選択時には、
前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、急速な脱臭運転を行うように制御する急速脱臭運転ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、低速な脱臭運転を行うように制御する低速脱臭運転ステップと、
を含み、
前記省電力運転モード選択時には、
前記臭いセンサが、空気中の臭気強度を検出する検出ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも高い値を検出すると、前記送風機の回転数を高回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を低濃度として、前記吸着脱臭部による吸着脱臭を優先させるように制御する吸着脱臭運転優先ステップと、
前記制御部が、前記臭いセンサにより所定の臭気強度よりも低い値を検出すると、前記送風機の回転数を低回転数とすると共に、吹出し空気の平均オゾン濃度を高濃度として、オゾンによるマスキング脱臭を優先させるように制御するマスキング脱臭運転優先ステップと、
を含み、前記省電力運転モードでは前記通常運転モードよりも多段階の回転数で前記送風機を制御し、前記通常運転モードと前記省電力運転モードでは、前記送風機の回転数が最も高い場合の回転数は同じ回転数とし、前記送風機の回転数が最も低い場合の回転数は前記省電力運転モードの方がより低い回転数とし、前記省電力運転モードでは前記送風機の回転数を切り換える臭気強度を前記通常運転モードの所定の臭気強度よりも高く設定してあることを特徴とする脱臭器の制御方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載された脱臭器の制御方法を用いて制御されることを特徴とする脱臭器。












































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−31582(P2013−31582A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169614(P2011−169614)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】