説明

腰痛防止具

【課題】本発明は両脚を固定することで横向きに寝た場合に脚の移動による腰のねじれを解消することができる腰痛防止具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】腰痛防止具1は、所定厚さを有する脚間挟装部2と、この脚間挟装部2の両側面7、7に設けられたバンド部3、3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰痛防止具に関する。詳しくは、就寝時に脊椎に負担がかからない腰痛防止具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
横向きに寝る場合に、例えば、右肩を下向きにし、左足を右足の前部または後部に移動させれば、下半身がねじれ、重力により脊椎に負担が掛る。また、左足を右足の上に乗せて足を合せて寝ても、左足の重力により腰が下がり脊椎が曲がった状態になる。同様に、左肩を下向きにして同じ姿勢をとった場合も同じ結果となる。このように、脊椎に負担が掛ることで、腰痛の発生原因となっている。
【0003】
ここで、腰痛防止具として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
具体的には、特許文献1に記載された腰の体圧軽減癒しベルト101は、図12に示すように、端部に面ファスナー102を備えた帯状のベルト部材と、このベルト部材の中間部分に固着され、内部にマイクロビーズ、または科学繊維類を挿入したマット状部材103を有する。
【0004】
このような構成の腰痛防止用としての体圧軽減癒しベルトは、就寝中に腰に巻き、寝床平面に対する腰部の凹み部分を埋めて、就寝中の身体への荷重を平均化し、腰への荷重負担を減らすことにより腰痛の改善を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3170221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された体圧軽減癒しベルトでは、上向き状態での就寝に対して効果を奏するものであるが横向きに寝た場合では腰への荷重負担を減らすことができない。
【0007】
また、横向きに寝た場合には、左足、あるいは右足の動きを制止することができないため、就寝中に下半身がねじれ、重力により脊椎に負担が掛る恐れがある。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、両脚を固定し、横向きに寝た場合に脚の移動による腰のねじれを解消できる腰痛防止具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る腰痛防止具は、所定厚さを有する脚間挟装部と、該脚間挟装部の両側面に設けられた脚係着手段とを備える。
【0010】
ここで、所定厚さを有する脚間挟装部によって、両脚を所定の間隔で保持することが可能となる。
【0011】
また、脚間挟装部の両側面に脚係着手段を設けることによって、両脚を所定の間隔を保持した状態で固定することが可能となる。
【0012】
また、脚間挟装部が、袋体と、袋体に収納されたクッション部材を有する場合には、クッション部材で脚を一定間隔、かつ違和感なく保持することが可能となる。
【0013】
また、脚係着手段が、脚卷着用のバンド部を有する場合には、脚間挟装部を両脚で挟むようにして固定することが可能となる。
【0014】
また、バンド部が、環状に連結可能とされた面状テープを有する場合には、脚間挟装部を両脚で挟んだ状態から両脚にバンド部を容易に卷着することが可能となる。
【0015】
また、バンド部が、環状の収縮性弾性部材で形成された場合には、バンド部に脚を挿し通すことで脚間挟装部を両脚で挟んだ状態で固定することが可能となる。
【0016】
また、係着手段が、脚間挟装部と一体化されたズボン部を有する場合には、例えば、寝るときにパジャマ等のズボン部を穿くことで脚間挟装部を両脚で挟んだ状態で、固定することが可能となる。
【0017】
また、脚間挟装部が着脱自在とされた場合には、例えば、ズボン部を穿いた状態で脚間挟装部の着脱が可能となる。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る腰痛防止具は、両脚間に挟まれることで、両脚を所定間隔に固定する脚間挟装部と、該脚間挟装部を両脚に係着する脚係着手段とを備える
【0019】
ここで、両脚間に挟まれることで、両脚を所定間隔に固定する脚間挟装部によって両脚を所定の間隔を保持することが可能となる。
【0020】
また、間挟装部を両脚に係着する脚係着手段によって脚間挟装部を両脚間に固定することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の腰痛防止具は、脚間挟装部で両脚を所定の間隔を保持した状態で固定することにより、横向きに寝た場合に脚の移動による腰のねじれを解消し、腰痛を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用した腰痛防止具の一例を説明するための立体模式図である。
【図2】本発明を適用した腰痛防止具の一例を説明するための断面模式図である。
【図3】本発明を適用した腰痛防止具の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【図4】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例を説明するための立体模式図である。
【図5】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例を説明するための断面模式図である。
【図6】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【図7】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例を説明するための正面模式図である。
【図8】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例を説明するための側面模式図である。
【図9】本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【図10】本発明を適用した腰痛防止具の更に他の一例を説明するための立体模式図である。
【図11】本発明を適用した腰痛防止具の更に他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【図12】従来の腰痛防止具の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0024】
<第1の実施の形態>
図1は本発明を適用した腰痛防止具の一例を説明するための立体模式図、図2は本発明を適用した腰痛防止具の一例を説明するための断面模式図である。
【0025】
ここで示す腰痛防止具1は、脚間挟装部2と、この脚間挟装部2の両側面に配置されるバンド部3、3とから構成されている。
【0026】
ここで、脚間挟装部2は布等で形成された袋体4の一端側にファスナー等の開閉部5が設けられている。
【0027】
そして、袋体3の開閉部5からクッション部材6が収納されることで、縦長さ約30cm、横長さ約19cm、厚さ約9cmの枕形状の脚間挟装部2が形成されている。
【0028】
なお、脚間挟装部2の縦長さ、横長さ及び厚さが、着用する人にとって違和感がなく、かつ寝反りをうった時に邪魔にならない大きさであればよく、必ずしも各サイズを限定するものでは無い。
【0029】
更に、脚間挟装部2の両側面7、7の長手方向に対して直交するような状態で、幅約10cm、長さ約60cmの帯状のバンド部3、3が取付けられている。
【0030】
ここで、バンド部3、3は、その開放端8に面状テープ9「マジックテープ(登録商標)」が取付けられ、バンド部3、3の内径を自在に調整できる状態で、環状に連結可能な構成とされている。
【0031】
なお、本実施例ではバンド部3、3を、面状テープ9で環状に連結可能とする形態について詳述するものであるが、必ずしも面状テープ9で連結する形態とする必要性な無い。
【0032】
例えば、バックルによるベルト式やゴム等による収縮部材のバンド体であっても構わないが、片手でも容易に連結することができる面状テープによる形態が望ましい。
【0033】
また、本実施例では袋体4にファスナー等による開閉部5を設けた脚間挟装部2について詳述するものであるが、必ずしも開閉部5を設ける必要性な無い。
【0034】
例えば、袋体内にクッション部材を充填した状態で袋体の開口部を縫製等で閉じる構成であっても構わない。
【0035】
次に、図3は本発明を適用した腰痛防止具の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【0036】
ここで、腰痛防止具1は、脚間挟装部2を両脚A、Aの内股に挟んだ状態でバンド部3、3を脚A、Aに巻き付けて面状テープ9で固定する。この面状テープ9により大腿部の周囲長さに応じて自在に卷着することが可能となる。
【0037】
この様に両脚A、A間に脚間挟装部2を挟むことで、脊椎が真っ直ぐに近い状態で固定することが可能となる。
【0038】
更に、バンド部3、3で両脚A、Aが動けない状態に固定されることで、脊椎がねじれるのを抑止することが可能となる。
【0039】
以上の構成の腰痛防止具は、両脚間に脚間挟装部を挟んだ状態でバンド部により容易に固定することができる。
【0040】
従って、横向きに寝た場合に脊椎が真っ直ぐに近い状態で保持されることで、体重が体全体に分散されて脊椎を痛めることがない。
【0041】
また、両脚が固定されることで脊椎がねじれることもなく、重力で脊椎を痛めることがない。
【0042】
<第2の実施の形態>
図4は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例を説明するための立体模式図、図5は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例を説明するための断面模式図である。
【0043】
ここで示す腰痛防止具1Aは、縦長状の袋体4A内にクッション部材6が収納された脚間挟装部2Aと、この脚間挟装部2Aの両側面7、7の長手方向に対して直交するような状態で2個ずつ配置される帯状のバンド部3A、3Aが取付けられている。
【0044】
このバンド部3A、3Aは、その開放端8に面状テープ9「マジックテープ(登録商標)」が取付けられ、バンド部3A、3Aの内径を自在に調整できる状態で環状に連結可能な構成とされている。
【0045】
なお、本実施例ではバンド部3A、3Aを、面状テープ9で環状に連結可能とする形態について詳述するものであるが、必ずしも面状テープ9で連結する形態とする必要性は無い。
【0046】
例えば、バックルによるベルト式やゴム等による収縮部材のバンド体であっても構わないが、片手でも容易に連結することができる面状テープによる形態が望ましい。
【0047】
次に、図6は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【0048】
ここで、腰痛防止具1Aは、脚間挟装部2Aを両脚A、Aの内股に挟んだ状態でバンド部3A、3Aを脚A、Aに巻き付けて面状テープ9で固定する。
【0049】
この様に両脚A、A間に脚間挟装部2Aを挟むことで、脊椎が真っ直ぐに近い状態で固定することが可能となる。
【0050】
更に、バンド部3A、3Aで両脚A、Aが動けない状態に固定されることで、脊椎がねじれるのを抑止することが可能となる。
【0051】
以上の構成の腰痛防止具は、両脚間に脚間挟装部を挟んだ状態で4個のバンド部により両脚を一定間隔で保持した状態で固定することでできる。
【0052】
従って、横向きに寝た場合に脊椎が真っ直ぐに近い状態で保持されることで体重が体全体に分散されて脊椎を痛めることがない。
【0053】
また、両脚が固定されることで脊椎がねじれることもなく、重力で脊椎を痛めることがない。
【0054】
<第3の実施の形態>
図7は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例を説明するための正面模式図、図8は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例を説明するための側面模式図である。
【0055】
ここで示す腰痛防止具1Bは、脚間挟装部2Bと、この脚間挟装部2Bの両側面に、その内股10、10が固着されるズボン部11とから構成されている。
【0056】
ここで、脚間挟装部2Bは布等で形成された袋体4B内にクッション部材(図示せず。)が収納されている。
【0057】
そして、パジャマ、あるいはパンツ等のズボン部11の内股10、10面に脚間挟装部2Aの両側面が縫製等で固着された構成とされている。
【0058】
なお、ズボン部11の内股10、10面と脚間挟装部2Bの両側面に互いに係着し合う面状テープ(図示せず。)を配置することで脚間挟装部2Bが着脱自在な構成とすることが可能となる。
【0059】
次に、図9は本発明を適用した腰痛防止具の係着手段の更に他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【0060】
ここで、腰痛防止具1Bは、ズボン部11を穿くことで脚間挟装部2Bは、両脚A、Aの内股に挟んだ状態で保持されることになる。
【0061】
この様に両脚A、A間に脚間挟装部2Bを挟むことで、脊椎が真っ直ぐに近い状態で固定することが可能となる。
【0062】
更に、ズボン部11で両脚A、Aが動けない状態に固定されることで、脊椎がねじれるのを抑止することが可能となる。
【0063】
なお、脚間挟装部2Bが着脱自在な構成とされる場合には、ズボン部11を穿いた後に、ズボン部11の内股間に脚間挟装部2Bを挟んだ状態で取り付けるものとする。
【0064】
以上の構成の腰痛防止具は、パジャマ等のズボン部を穿くことで、脚間挟装部を両脚間に挟んだ状態で取り付けることが可能となる。
【0065】
従って、横向きに寝た場合に脊椎が真っ直ぐに近い状態で保持されることで体重が体全体に分散されて脊椎を痛めることがない。
【0066】
また、両脚が固定されることで脊椎がねじれることもなく重力で脊椎を痛めることがない。
【0067】
また、脚間挟装部が着脱自在とされる場合には、起き上がりの際に脚間挟装部を取り外すことができるためにズボンを穿いたままでの移動が可能となる。
【0068】
<第4の実施の形態>
図10は本発明を適用した腰痛防止具の更に他の一例を説明するための立体模式図である。
【0069】
ここで示す腰痛防止具1Cは、脚に挟んだ状態で胸までの長さを有する脚間挟装部2Cと、この脚間挟装部2Cの一端側に、配置される環状のバンド部3B、3Bとから構成されている。
【0070】
ここで、脚間挟装部2Cは使用する人の身長長さを有する筒状の袋体4C内にクッション部材(図示せず。)が収納されている。
【0071】
また、環状のバンド部3B、3Bはゴム等の収縮性弾性部材で環状に形成されている。この環状のバンド部3B、3B内に脚を通すことで、脚間挟装部2Cを両脚間に挟んだ状態で固定することが可能となる。
【0072】
なお、本実施例ではバンド部3B、3Bをゴム等の収縮性弾性部材で形成される場合について詳述するものであるが、必ずしも環状の収縮性弾性部材で形成する必要性は無い。
【0073】
例えば、前記<第1の実施の形態>及び<第2の実施の形態>において詳述したように、面状テープによるバンド部、あるいはベルト形態であっても構わない。
【0074】
次に、図11は本発明を適用した腰痛防止具の更に他の一例の使用状態を説明するための模式図である。
【0075】
ここで、腰痛防止具1Cは、環状のバンド部3B、3Bに両脚A、Aを挿し通して脚間挟装部2Cの一端側を両脚A、Aで挟んだ状態で固定する。
【0076】
更に、両脚A、Aより身体Bの前面に延びる脚間挟装部2Cを両腕D、Dで抱くようにして横向きに寝る。
【0077】
これにより、両脚A、A間に脚間挟装部2Cを挟むことで、脊椎が真っ直ぐに近い状態で固定されると共に、両腕D、Dで脚間挟装部2Cの他端側を抱くことで、脊椎がねじれるのを抑止することが可能となる。
【0078】
以上の構成の腰痛防止具は、脚間挟装部を両脚間に挟さむと共に、両腕で抱いた状態で横向きに寝ることが可能となる。
【0079】
従って、精神的にリラックスした自然な状態を維持することができ、脊椎が真っ直ぐに近い状態で保持されることで体重が体全体に分散されて脊椎を痛めることがない。
【0080】
また、両脚と両腕が固定されることでより一層脊椎がねじれることもなく重力で脊椎を痛めることがない。
【符号の説明】
【0081】
1、1A、1B、1C 腰痛防止具
2、2A、2B、2C 脚間挟装部
3、3A、3B バンド部
4、4A、4B、4C 袋体
5 開閉部
6 クッション部材
7 両側面
8 開放端
9 面状テープ
10 内股
11 ズボン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定厚さを有する脚間挟装部と、
該脚間挟装部の両側面に設けられた脚係着手段とを備える
腰痛防止具。
【請求項2】
前記脚間挟装部は、袋体と、該袋体に収納されたクッション部材を有する
請求項1に記載の腰痛防止具。
【請求項3】
前記脚係着手段は、脚卷着用のバンド部を有する
請求項1または請求項2に記載の腰痛防止具。
【請求項4】
前記バンド部が、環状に連結可能とされた面状テープを有する
請求項3に記載の腰痛防止具。
【請求項5】
前記バンド部が、環状の収縮性弾性部材で形成された
請求項3または請求項4に記載の腰痛防止具。
【請求項6】
前記脚係着手段は、前記脚間挟装部と一体化されたズボン部を有する
請求項1または請求項2に記載の腰痛防止具。
【請求項7】
前記脚間挟装部が着脱自在とされた
請求項6に記載の腰痛防止具。
【請求項8】
両脚間に挟まれることで、両脚を所定間隔に固定する脚間挟装部と、
該脚間挟装部を両脚に係着する脚係着手段とを備える
腰痛防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−99498(P2013−99498A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−13713(P2012−13713)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【出願人】(596095644)
【Fターム(参考)】