説明

膜パターンの形成方法及び発光装置の製造方法

【課題】縞状のフォトマスクを利用せずとも縞状パターン膜を形成できるようにする。
【解決手段】方形格子状の明暗パターン502を感光層501に投影し、その後、明暗パターン502をその方形の辺方向にずらして感光層501に投影し、その後、感光層501を現像する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜パターンの形成方法及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの電子機器の表示デバイスとして、自発光素子である複数の有機EL(Electro Luminescence)素子を画素としてマトリクス状に配列したELパネルを適用したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。各有機EL素子のキャリア輸送層(例えば、発光層、正孔注入層、電子注入層等)は、湿式塗布法によって形成される。つまり、有機溶液を画素毎に区切るようにして、有機溶液を塗布する。
【0003】
また、隣り合う画素の有機溶液が乾燥前に混じらないように、水平方向又は垂直方向の画素列の間を仕切る縞状のバンク(隔壁)を予め形成し、バンクの間に有機溶液を塗布することが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。塗布された有機溶液はバンクによって堰き止められるので、隣り合う画素の有機溶液が乾燥前に混じらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−186001号公報
【特許文献2】特開2006−309957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、縞状バンクといった微細な縞状パターンは、感光層の露光・現像をすることによって形成される。感光層の露光に際しては、縞状のフォトマスクによって照射光の一部を遮光することによって、縞状の明暗パターンを感光層に投影する。ところが、縞状のフォトマスクを利用できないこともある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、縞状のフォトマスクを利用せずとも縞状パターン膜を形成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明に係るパターン膜の形成方法は、基板上方に第一の感光材を形成し、
所定方向に並んだ複数の開口部が設けられたマスクを用いて前記第一の感光材を露光した後、前記マスクを前記所定方向にずらして前記第一の感光材を露光し、
前記第一の感光材を現像して縞状パターン膜を形成する方法である。
【0007】
好ましくは、前記基板と前記縞状パターン膜との間に、第二の感光材を露光・現像してなる格子状パターン膜が形成されている。
好ましくは、前記第二の感光材は前記マスクを用いて露光・現像することで形成される。
好ましくは、前記第一の感光材と前記第二の感光材とは同材料からなる。
好ましくは、前記マスクをずらす距離は、前記所定方向の隣り合わせの二つの前記開口部のピッチの整数倍以外である。
【0008】
本発明に係る発光装置の製造方法は、
基板上方に形成された第一電極と、前記第一電極と対向する第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に形成された発光層と、を備えた発光素子と、
前記発光素子を駆動するトランジスタと、を備える発光装置の製造方法において、
前記トランジスタが形成された面上に下部感光材を形成し、
所定方向に並んだ複数の開口部が設けられたマスクを用いて、前記下部感光材を露光・現像して、前記トランジスタ上部に残り且つ前記発光層が形成された領域に開口を有する格子状パターン膜を形成し、
前記格子状パターン膜上に上部感光材を形成し、
前記マスクを用いて前記上部感光材を露光した後、前記マスクを前記所定方向にずらして前記上部感光材を露光し、
前記上部感光材を現像して縞状パターン膜を形成する方法である。
【0009】
好ましくは、前記トランジスタの上には、前記縞状パターン膜の開口が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、縞状のフォトマスクを用いずとも、縞状パターン膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る縞状パターンの形成方法を説明するための断面図である。
【図2】図1に示した工程の後の工程を説明するための平面図である。
【図3】図2に示されたIII−IIIに沿った面の矢視断面図である。
【図4】図2に示されたIV−IVに沿った面の矢視断面図である。
【図5】図2に示した工程の後の工程を説明するための平面図である。
【図6】図5に示されたVI−VIに沿った面の矢視断面図である。
【図7】図5に示されたVII−VIIに沿った面の矢視断面図である。
【図8】完成した縞状パターンを示した平面図である。
【図9】完成した縞状パターンを示した平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る縞状パターンの形成方法を説明するための斜視図である。
【図11】図10に示した工程の後の工程を説明するための斜視図である。
【図12】図11に示した工程の後の工程を説明するための斜視図である。
【図13】図12に示した工程の後の工程を説明するための斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示した概略平面図である。
【図15】XV−XV断面図である。
【図16】同実施の形態に係る発光装置の画素及び配線の位置関係を示す平面図である。
【図17】同実施の形態に係る発光装置の1つの画素の周辺回路の一例を示した回路図である。
【図18】同実施の形態に係る発光装置の1つの画素の周辺回路の一例を示した回路図である。
【図19】同実施の形態に係る発光装置の1つの画素及びその周辺を示した平面図である。
【図20】XX−XX断面図である。
【図21】XXI−XXI断面図である。
【図22】バンクの形状を説明するための概略部分断面斜視図である。
【図23】第3の実施の形態に係る発光装置を表示パネルに適用した携帯電話機の一例を示す正面図である。
【図24】第3の実施の形態に係る発光装置を表示パネルに適用したデジタルカメラの一例を示す正面側斜視図(a)と、後面側斜視図(b)である。
【図25】第3の実施の形態に係る発光装置を表示パネルに適用したパーソナルコンピュータの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
本発明の実施の形態に係る縞状パターン膜の形成方法について説明する。
【0014】
図1の断面図に示すように、基材500の表面に感光層501を形成する。
基材500は、例えば、基板、透明基板、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、回路基板、アクティブマトリクス基板、ディスプレイパネル用マザーパネル、半導体ウエハ、シート、樹脂シート、金属シート、透明シート、可撓性シート、透明シート、ウエブ、印画用媒体又は光学素子(例えば、レンズ)等である。
基材500の表面には、例えば絶縁膜、絶縁パターン(絶縁膜を所定の形状にパターニングしたもの)、導電膜、導体パターン(配線パターン)、電極、回路パターン、半導体素子、薄膜トランジスタ、アクティブ素子若しくは画素又はこれらのうち2種以上のものが形成されていて、それらを感光層501によってコーティングしてもよい。感光層501を基材500の上に直接形成してもよい。
【0015】
感光層501はポジ型であってもよいし、ネガ型であってもよい。感光層501の組成は、感光性を実現するものであれば特に限定するものではない。例えば、感光層501の組成物としては、感光性ポリイミド樹脂、感光性エポキシ樹脂等が挙げられる。基材500の表面に感光層501を形成する方法としては、感光性フィルムを基材500の表面を貼り付けることでその感光性フィルムを感光層501とする方法や、液状の感光材を基材500の表面に塗布することで塗布した感光材を感光層501とする方法(例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法又はスクリーン印刷法等)がある。必要に応じて感光層501をプリベークしてもよい。
【0016】
感光層501の形成後、方形格子状のフォトマスク(レクチル)及び露光装置(例えばステッパ)を用いて感光層501を露光する。つまり、露光装置の光源から発した照射光の一部を方形格子状のフォトマスクで遮光しつつ、フォトマスクで遮光されない照射光を露光装置の光学系(レンズ)によって感光層501に投射する。これにより、図2〜図4に示すように、方形格子状の明暗パターン502を感光層501に投影する。図2は平面図であり、図3はIII−III断面図であり、図4はIV−IV断面図である。フォトマスクには、複数の開口部(好ましくは、方形状の開口部であって、更に好ましくは、長方形の開口部)が所定方向(開口部が方形状である場合には、辺方向であり、開口部が長方形である場合には、短辺又は長辺方向である)に一列又は複数列になって配列されている。そのため、明暗パターン502が方形格子状になる。明暗パターン502のうち、格子状に配列された複数の方形明部503(図2、図3では、方形明部503が白抜きで示されている。)が露光された部分であり、これら方形明部503の間を占める格子状暗部504(図2〜図4では、格子状暗部504に模様が付されている。)が露光されていない部分である。図2では、方形明部503の形状が長方形であったが、正方形、ひし形又は平行四辺形であってもよい。投影倍率は等倍であってもよいし、縮小であってもよいし、拡大であってもよい。なお、フォトマスクを感光層501から離して配置して、光学系によってフォトマスクのパターンを感光層501に投影するのではなく、フォトマスクを感光層501上に載置して、光学系を用いずにフォトマスクのパターンを感光層501に投影してもよい。
【0017】
図2では方形明部503の列の隣同士が揃っていたが、列の隣同士が列方向にずれていてもよい。例えば、長方形の方形明部503の長辺方向の列の隣同士が半ピッチ分だけずれていてもよい。
【0018】
次に、基材500と感光層501又はフォトマスクを明暗パターン502の方形の辺方向に移動させて、感光層501を再び露光する。基材500と感光層501又はフォトマスクを方形の辺方向に移動させたので、図5の平面図、図6のVI−VI断面図、図7のVII−VII断面図に示すように、感光層501に投影される方形格子状の明暗パターン502が方形の辺方向にずれる。明暗パターン502をずらす距離は、明暗パターン502のピッチの整数倍以外である。なお、図5〜図7では、方形明部503の形状が長方形であって、明暗パターン502をずらす方向(所定方向)を長辺方向としたが、明暗パターン502をずらす方向を短辺方向としてもよい。方形明部503の形状が平行四辺形(但し、ひし形及び正方形を除く。)である場合も、明暗パターン502をずらす方向が短辺、長辺のどちらでもよい。
【0019】
図5〜図7においても、明暗パターン502のうち、格子状に配列された複数の方形明部503(図5では、方形明部503が白抜きで示されている。)が露光された部分であり、これら方形明部503の間を占める格子状暗部504(図5では、格子状暗部504に模様が付されている。)が露光されていない部分である。また、1回目の露光の際の格子状暗部504と、2回目の露光の際の格子状暗部504とが重なる部分を濃い模様で示し、その部分は縞状に形成され、1,2回目のどちらでも露光されていない未露光部となる。1回目の露光の際の方形明部503と、2回目の露光の際の格子状暗部504とが重なる部分を薄い模様で示す。図5、図6では、1回目の露光の際の明暗パターン502を一点鎖線で示す。なお、方形明部503の列の隣同士が列方向にずれている場合、2回目の露光に際して明暗パターン502をずらす方向は列方向である。
【0020】
感光層501に投影する明暗パターン502を方形の辺方向にずらすようにして再露光を行うことの回数は、1回でもよいし、複数回でもよい。つまり、明暗パターン502を方形の辺方向にずらすようにして再露光を行うことを繰り返してもよい(つまり、間欠的な露光を行う。)
また、露光装置の光源を点灯させた状態で、基材500と感光層501又はフォトマスクを移動させることによって、感光層501に明暗パターン502を投影した状態(感光層501を露光した状態)で明暗パターン502を方形の辺方向にずらしてもよい(つまり、連続的な露光を行う)。
【0021】
次に、感光層501を現像液で現像することによって、感光層501から縞状パターン膜を形成する。感光層501がポジ型である場合には、図8の平面図に示すように、感光層501のうち一回も露光されなかった縞状部分510が残留し、一回でも露光された縞状部分511が現像液に溶解して、除去される。感光層501がネガ型である場合には、図9の平面図に示すように、感光層501のうち一回でも露光された縞状部分513が残留し、一回も露光されなかった縞状部分512が現像液に溶解して、除去される。
現像後、残留した縞状部分(縞状パターン膜)510,513及び基材500を洗浄し、必要に応じて、残留した縞状部分(縞状パターン膜)510,513を焼成する。
【0022】
残留した縞状部分510,513は、エッチングレジスト、メッキレジスト、ソルダーレジスト等のレジストとして利用される。更に、残留した縞状部分510,513は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイといったディスプレイの画素列を仕切るバンクとして利用される。更に、残留した縞状部分510,513は、ディスプレイのカラーフィルタ用の遮光材であって、着色層を仕切るものとして利用される。残留した縞状部分510,512の用途は、以上に挙げた例に限るものではない。
【0023】
以上のような方法によれば、方形格子状のフォトマスクを用いて縞状パターン膜を形成することができる。そのため、縞状パターン膜を形成するために新たな縞状フォトマスクを作成しなくても済む。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
本発明の実施の形態に係る縞状パターン膜の形成方法について説明する。
図10の部分断面斜視図に示すように、基材600の表面に感光層601を形成し、必要に応じて感光層601をプリベークする。基材600は、上述した基材500と同様のものである。感光層601は、上述した感光層501と同様のものであり、感光層601の形成方法も、上述の感光層501の形成方法と同様である。
【0025】
次に、感光層601の露光・現像をすることにより、図11の部分断面斜視図に示すように、感光層601を方形格子状にパターニングする。これにより、感光層601から方形格子状パターン膜602を作成する。
感光層601の露光に際しては、露光装置の光源から発した照射光の一部を方形格子状のフォトマスクで遮光しつつ、フォトマスクで遮光されない照射光を露光装置の光学系によって感光層601に投射することによって、方形格子状の明暗パターンを感光層601に投影する。これにより、方形格子状の潜像を感光層601に形成する。
感光層601の現像は現像液で行い、感光層601のうち格子状に配列された複数の方形部(感光層601がポジ型である場合には、方形部は露光した明部であり、感光層601がネガ型である場合には、方形部は露光していない暗部である。)を現像液で溶解する。
【0026】
現像後、残留した方形格子状パターン膜602及び基材600を洗浄し、必要に応じて、残留した方形格子状パターン膜602を焼成する。なお、感光層601が感光性ポリイミド樹脂である場合、方形格子状パターン膜602の焼成により方形格子状パターン膜602の組成物であるポリイミド前駆体がポリイミド化する。
【0027】
次に、図12の部分断面斜視図に示すように、感光層603を方形格子状パターン膜602の上から基材600の表面に形成し、方形格子状パターン膜602を感光層603でコーティングする。感光層603は、上述した感光層501と同様のものであり、感光層603の形成方法も、上述の感光層501の形成方法と同様である。感光層603の組成と感光層601の組成は同じものであり、感光層601と感光層603とは同材料からなる。なお、感光層603の組成と感光層601の組成が異なっていてもよい。
【0028】
次に、感光層603の露光・現像をすることにより、図13の部分断面斜視図に示すように、感光層603を縞状にパターニングする。これにより、感光層603から縞状パターン膜604を作成する。
【0029】
感光層603の露光方法は、上述した感光層501の露光方法と同様である。
具体的に説明すると、まず、露光装置の光源から発した照射光の一部を方形格子状のフォトマスクで遮光しつつ、フォトマスクで遮光されない照射光を露光装置の光学系によって感光層603に投射することによって、方形格子状の明暗パターンを感光層603に投影する。この際、感光層603がポジ型である場合には、方形格子状のフォトマスクの開口部又は明暗パターンの方形明部を方形格子状パターン膜602の列方向の複数の方形状開口部に重ねるようにして、フォトマスク又は明暗パターンを方形格子状パターン膜602に重ねる。つまり、感光層603がポジ型である場合、平面視して、方形格子状のフォトマスク又は方形格子状の明暗パターンを方形格子状パターン膜602に合致させる。一方、感光層603がネガ型である場合には、方形格子状のフォトマスクの開口部でない格子部又は明暗パターンの格子状暗部を方形格子状パターン膜602の方形状開口部に重ねて、フォトマスクの開口部又は明暗パターンの方形明部を方形格子状パターン膜602の開口部に重ねずに方形格子状パターン膜602に重ねる。つまり、感光層603がネガ型である場合、平面視して、方形格子状のフォトマスク又は明暗パターンを方形格子状パターン膜602から半ピッチ分だけ列方向にずらした状態にする。
その後、格子状のフォトマスク又は基材600を列方向にずらすようにして、感光層603を再露光する。フォトマスク又は基材600をずらす距離は、開口部の列方向の一辺の長さW1と、開口部間の格子部の列方向の長さW2を合わせたフォトマスクのピッチの整数倍以外である(図2参照)。W1>W2の関係が成り立つ場合は、フォトマスク又は基材600をずらす距離は、W2以上W1以下であることが好ましい(二度露光を行うだけでよいため)。なお、方形格子状のフォトマスク又は基材600をW1以内で列方向にずらすようにして感光層603の再露光を行うことを繰り返してもよいし(つまり、間欠的な露光を行う)、感光層603を露光した状態でフォトマスク又は基材600をW1以内で方形の列方向にずらしてもよい(つまり、連続的な露光を行う)。
【0030】
感光層601の露光の際に用いる格子状フォトマスクを感光層603の露光の際に用いて、感光層603の露光の際の投影倍率を感光層601の露光の際の投影倍率に等しくすることが好ましい。感光層603の露光の際に用いる格子状フォトマスクとは別の格子状フォトマスクを用いて感光層603を露光してもよい。
【0031】
感光層603の現像方法は、上述した感光層501の現像方法と同様である。感光層603がポジ型である場合には、感光層603のうち一回も露光されなかった部分が残留して、縞状パターン膜604が形成される。一方、感光層603がネガ型である場合には、感光層603のうち一回でも露光された部分が残留して、縞状パターン膜604が形成される。先に、方形格子状パターン膜602を焼成していれば、感光層603の現像の際に、方形格子状パターン膜602が現像液によって確実に溶解しないようにすることができる。
【0032】
現像後、残留した縞状パターン膜604及び基材600を洗浄し、必要に応じて、残留した縞状パターン膜604を焼成する。
【0033】
以上のような方法によれば、感光層601の露光の際に用いたフォトマスクを感光層603の露光にも用いることができる。そのため、感光層603の露光用に新たなフォトマスクを作成しなくても済む。
【0034】
〔第3の実施の形態〕
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置1を示した概略平面図である。図15は、図14に示されたXV−XVに沿った面の矢視断面図である。
【0035】
この発光装置1は、パネル状のものである。この発光装置1は、発光パネルの中でも特にドットマトリクス型のディスプレイパネルであって、更に具体的にはアクティブマトリクス型のディスプレイパネルである。
【0036】
この発光装置1は、基板10と対向基板40を対向させて、これらを貼り合わせたものである。基板10の表側の中央部には、発光領域30が設けられている。発光領域30は、複数の発光素子8をマトリクス状に配列したものである。発光素子8は画素であり、発光領域30は表示領域である。つまり、これら発光素子8が個別に発光し、発光強度若しくは発光時間又はそれらの両方が発光素子8ごとに制御されることによって、発光素子8(画素)ごとに階調が制御されて、発光領域30に画像が表示される。
【0037】
以下の説明において、トップエミッション型とは、発光領域30内の各発光素子8から発した光が対向基板40の表側の面から外部に放射されることをいい、ボトムエミッション型とは、各発光素子8から発した光が基板10の裏側の面から外部に放射されることをいう。
【0038】
基板10及び対向基板40は絶縁性の基板であり、例えばガラス又は樹脂(例えば、アクリル、ポリカーボネート)からなる。トップエミッション型の場合、対向基板40が透明である。ボトムエミッション型の場合、基板10が透明である。
【0039】
発光領域30が枠状のシール材31によって囲われている。シール材31は、基板10と対向基板40との間に挟持された状態でこれら基板10と対向基板40に固着されている。シール材31によって基板10と対向基板40がこれらの間に間隔をおいて接合されている。このような構造によって、発光領域30は封緘されて、外的環境の影響を受けないように保護されている。シール材31がガラスビーズ等のギャップ材を含有することによって、圧力によってシール材31が押し潰されないようになっている。これにより、基板10と対向基板40との間隔が保たれ、基板10の表側と対向基板40の裏側が接触しない。シール材31の内側にフィル材が充填されていてもよいし、シール材31の内側が空洞となっていてもよい。トップエミッション型の場合、フィル材は透明である。なお、対向基板40が基板10に貼り合わせられておらず、発光領域30が封緘されていなくてもよい。
【0040】
発光領域30内には、発光素子8のアドレシング、階調指定、電圧供給、接地等に用いられる各種の配線(例えば、走査線、信号線、電圧供給線、グランド線等)が張り巡らされ、これら配線が発光領域30内から発光領域30の周囲に引き回されている。具体的には、発光領域30の周囲に引き回された配線の集まりが、配線群50である。発光領域30内の構成については、後に詳述する。
【0041】
図14に示すように、対向基板40のサイズが基板10のサイズよりも小さく、基板10の一部10aが対向基板40の縁からはみ出ている。基板10のはみ出し部分10aの表側の面には、複数の端子からなる端子群60が設けられている。配線群50の各配線がはみ出し部分10aまで引き回されており、配線群50の各配線が端子群60の各端子に接続されている。ドライバ用ICチップが基板10のはみ出し部分10aに搭載されたり、ドライバ用ICチップに接続されたフレキシブル配線シート(いわゆるFPC:Flexible printed circuits)がはみ出し部分10aに接合されたりすることによって、ドライバ用ICチップの各端子が端子群60の各端子に導通する。
【0042】
以下、発光領域30内について具体的に説明する。
図16は、発光領域30内の画素(発光素子8)及び配線の配置を示す平面図である。発光領域30内に設けられた配線は、図16に示すように発光領域30内に張り巡らされた複数の走査線52、信号線53及び電圧供給線54と、である。
【0043】
複数の走査線52は、基板10の表側に敷設されている。これら走査線52は、互いに略平行となっているとともに、所定間隔をおいて配列されている。これら走査線52の延びる方向を水平方向という。
【0044】
複数の電圧供給線54は、基板10の表側に敷設されている。これら電圧供給線54は、互いに平行となっているとともに、所定間隔をおいて配列されている。電圧供給線54と走査線52が互いに平行であり、電圧供給線54と走査線52が交互に配列されている。電圧供給線54の両側に配置される2本の走査線52のうち一方は、他方よりもその電圧供給線54の近くに配置されている。
【0045】
複数の信号線53は、基板10の表側に敷設されている。これら信号線53は、互いに平行となっているとともに、所定間隔をおいて配列されている。平面視して、信号線53は、走査線52及び電圧供給線54に対して直交している。これら信号線53の延びる方向を垂直方向という。信号線53と走査線52が絶縁されているとともに、信号線53と電圧供給線54が絶縁されている。なお、電圧供給線54が垂直方向に延び、平面視して、走査線52と電圧供給線54が交差してもよい。この場合、走査線52と電圧供給線54が絶縁されている。
【0046】
発光素子8は、隣り合う信号線53の間で垂直方向に配列されている。また、発光素子8は、走査線52とその走査線52の片側隣りの電圧供給線54との間で水平方向に配列されている。
【0047】
図17、図18は、1つの画素の周辺回路の一例を示した回路図である。図17、図18に示すように、各発光素子8の周辺には、アクティブ素子等を有した画素周辺回路4が設けられている。画素周辺回路4は、走査線52、信号線53及び電圧供給線54に接続されている。
【0048】
画素周辺回路4は、その画素周辺回路4に接続された走査線52が選択された時に、その画素周辺回路4に接続された信号線53から階調信号を取り込むとともに、その走査線52が次に選択されるまでの間に、取り込んだ階調信号に応じたレベルの電流を電圧供給線54から発光素子8に流して発光素子8を発光させるものである。信号線53に出力される階調信号は、信号線53に印加される電圧のレベルで表されたものでもよいし、信号線53に印加される電流のレベルで表されたものでもよい。
【0049】
画素周辺回路4が有するアクティブ素子は薄膜トランジスタ(TFT)であり、アクティブ素子の数は複数である。例えば、画素周辺回路4が有するアクティブ素子の数が2である場合、画素周辺回路4が図17に示すように構成され、画素周辺回路4が有するアクティブ素子の数が3である場合、画素周辺回路4が図18に示すように構成されている。
【0050】
図17に示すように、画素周辺回路4は、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及びキャパシタ7を有する。スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6が、アクティブ素子としての薄膜トランジスタである。
【0051】
スイッチトランジスタ5のゲートが走査線52に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線53に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方がキャパシタ7の一方の電極及び駆動トランジスタ6のゲートに接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの一方が電圧供給線54に接続され、駆動トランジスタ6のソースとドレインのうち他方がキャパシタ7の他方の電極及び発光素子8のアノードに接続されている。
【0052】
図18に示すように、画素周辺回路4は、スイッチトランジスタ5A、駆動トランジスタ6A、キャパシタ7A及び保持トランジスタ9Aを有する。スイッチトランジスタ5A、駆動トランジスタ6A及び保持トランジスタ9Aが、アクティブ素子としての薄膜トランジスタである。
【0053】
スイッチトランジスタ5Aのゲートは、保持トランジスタ9のゲートと、走査線52とに接続されている。スイッチトランジスタ5Aのソースとドレインのうち一方は、信号線53に接続されている。スイッチトランジスタ5Aのソースとドレインのうち他方は、発光素子8のアノードと、駆動トランジスタ6Aのソースとドレインのうち一方と、キャパシタ7Aの一方の電極とに接続されている。
【0054】
保持トランジスタ9Aのゲートは、スイッチトランジスタ5Aのゲートと、走査線52とに接続されている。保持トランジスタ9Aのソースとドレインのうち一方は、駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの他方と、電圧供給線54とに接続されている。保持トランジスタ9Aのソースとドレインのうち他方は、駆動トランジスタ6のゲートと、キャパシタ7Aの他方の電極とに接続されている。
【0055】
駆動トランジスタ6Aのゲートは、保持トランジスタ9Aのソースとドレインのうち他方と、キャパシタ7Aの他方の電極とに接続されている。駆動トランジスタ6Aのソースとドレインのうち一方は、発光素子8のアノードと、スイッチトランジスタ5Aのソースとドレインのうち他方と、キャパシタ7Aの一方の電極とに接続されている。駆動トランジスタ6Aのソースとドレインのうち他方は、保持トランジスタ9Aのソースとドレインのうち一方と、電圧供給線54とに接続されている。
【0056】
画素周辺回路4、走査線52、信号線53及び電圧供給線54は、基板10の表側に形成されている。つまり、絶縁膜が基板10の表側に積層され、導体や半導体等がそれら絶縁膜の間にパターニングされることによって、画素周辺回路4、走査線52、信号線53及び電圧供給線54が形成される。
【0057】
画素周辺回路4が図17に示すように構成されている場合に、図19〜図21を参照して、基板10の表側に積層された層構造について説明する。図19は、一つの画素に相当する平面図である。図20は、図19に示されたXX−XXに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。図21は、図19に示されたXXI−XXIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。なお、図19においては、電極及び配線を主に示す。
【0058】
図17に示すように、スイッチトランジスタ5は、走査線52と信号線53の交差部近傍に配置されているとともに、信号線53に沿うように配置されている。駆動トランジスタ6は、信号線53に沿うように配置されている。スイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6は、信号線53に沿う方向に並列されている。キャパシタ7とスイッチトランジスタ5は、走査線52に沿う方向に並列されている。キャパシタ7と発光素子8は、信号線53に沿う方向に並列されている。発光素子8と駆動トランジスタ6は、電圧供給線54に沿う方向に並列されている。また、走査線52と電圧供給線54の間に、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及び発光素子8が配置されている。
【0059】
図19、図21に示すように、スイッチトランジスタ5は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。このスイッチトランジスタ5は、ゲート電極5a、半導体膜5b、保護絶縁膜5d、不純物半導体膜5f,5g、電極5h及び電極5i等を有するものである。電極5hと電極5iのどちらか一方がドレインであり、他方がソースである。また、図19、図20に示すように、駆動トランジスタ6は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。この駆動トランジスタ6は、ゲート電極6a、半導体膜6b、保護絶縁膜6d、不純物半導体膜6f,6g、電極6h及び電極6i等を有するものである。電極6hと電極6iのどちらか一方がドレインであり、他方がソースである。
【0060】
図19〜図21に示すように、信号線53及びゲート電極5a,6aが基板10上に形成されている。キャパシタ7の一方の電極7aも基板10上に形成されている。第一絶縁膜11が基板10上の一面に成膜されており、信号線53とゲート電極5a,6aと電極7aが第一絶縁膜11によって覆われている。第一絶縁膜11は、スイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6のゲート絶縁膜となるとともに、キャパシタ7の誘電体となる。第一絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。ボトムエミッション型の場合、第一絶縁膜11が透明である。トップエミッション型の場合、第一絶縁膜11が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0061】
走査線52、電圧供給線54及び電極5h,5i,6h,6iは、第一絶縁膜11上に形成されている。キャパシタ7の他方の電極7bも第一絶縁膜11上に形成されている。例えばシリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる第二絶縁膜12が第一絶縁膜11上に成膜されており、走査線52、電圧供給線54及び電極5h,5i,6h,6i,7bが第二絶縁膜12によって覆われている。このため、信号線53及びゲート電極5a,6aは、第一絶縁膜11と基板10との間に形成され、走査線52、電圧供給線54及び電極5h,5i,6h,6i,7bは、第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間に形成されている。
【0062】
図19に示すように、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとキャパシタ7の一方の電極7aが一体に連なっている。駆動トランジスタ6のゲート電極6a及びキャパシタ7の一方の電極7aは、信号線53から分離している。スイッチトランジスタ5のゲート電極5aは、駆動トランジスタ6のゲート電極6a及びキャパシタ7の一方の電極7aから分離しているとともに、信号線53からも分離している。駆動トランジスタ6の電極6iとキャパシタ7の他方の電極7bが一体に連なっている。駆動トランジスタ6の電極6i及びキャパシタ7の他方の電極7bは、駆動トランジスタ6の電極6h、スイッチトランジスタ5の電極5i,5h、走査線52及び電圧供給線54から分離している。駆動トランジスタ6の電極6hと電圧供給線54が一体に連なっている。駆動トランジスタ6の電極6hは、スイッチトランジスタ5の電極5h,5i及び走査線52から分離している。スイッチトランジスタ5の電極5hは、電極5i、走査線52及び電圧供給線54から分離している。スイッチトランジスタ5の電極5iは、走査線52及び電圧供給線54から分離している。
【0063】
ゲート電極5a,6a、電極7a及び信号線53は、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。ゲート電極5a,6a、電極7a及び信号線53は、基板10上に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成されたものである。
【0064】
走査線52、電圧供給線54及び電極5h,5i,6h,6i,7bは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。走査線52、電圧供給線54及び電極5h,5i,6h,6i,7bは、第一絶縁膜11上に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
【0065】
なお、信号線53が、ゲートメタル膜(ゲート電極5a,6a及び電極7aの元となる導電性膜)から形状加工されたものであって、走査線52,電圧供給線54が、ドレインメタル膜(電極5h,5i,6h,6i,7bの元となる導電性膜)から形状加工されてものであってもよい。
【0066】
図21を参照して、スイッチトランジスタ5の構造について具体的に説明する。図21に示すように、第一絶縁膜11上であってゲート電極5aに対応する位置には、真性な半導体膜5bが形成されている。この半導体膜5bは、第一絶縁膜11を挟んでゲート電極5aと相対している。半導体膜5bは、例えば、アモルファスシリコン又は結晶性シリコンからなる。スイッチトランジスタ5の動作時には、半導体膜5bにチャネルが形成される。半導体膜5bの中央部上には、チャネルをエッチングから保護する保護絶縁膜5dが形成されている。この保護絶縁膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。半導体膜5bの一端部の上には、不純物半導体膜5fが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されており、半導体膜5bの他端部の上には、不純物半導体膜5gが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されている。不純物半導体膜5f,5gは、互いに離間している。スイッチトランジスタ5がn型トランジスタであれば、不純物半導体膜5f,5gがn型半導体であり、スイッチトランジスタ5がp型トランジスタであれば、不純物半導体膜5f,5gがp型半導体である。不純物半導体膜5fの上に電極5hが形成され、電極5hと第一絶縁膜11との間に不純物半導体膜5f及び半導体膜5bが挟まれている。不純物半導体膜5gの上に電極5iが形成され、電極5iと第一絶縁膜11との間に不純物半導体膜5g及び半導体膜5bが挟まれている。保護絶縁膜5d、電極5h及び電極5iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜5d、電極5h及び電極5iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そのため、スイッチトランジスタ5は、第二絶縁膜12によって覆われている。
【0067】
図20を参照して、駆動トランジスタ6の構造について具体的に説明する。図20に示すように、第一絶縁膜11の上であってゲート電極6aに対応する位置には、真性な半導体膜6bが形成されている。この半導体膜6bは、第一絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。半導体膜6bは、例えば、アモルファスシリコン又は結晶性シリコンからなる。駆動トランジスタ6の動作時には、半導体膜6bにチャネルが形成される。半導体膜6bの中央部上には、チャネルをエッチングから保護する保護絶縁膜6dが形成されている。この保護絶縁膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されており、半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されている。不純物半導体膜6f,6gは、互いに離間している。不純物半導体膜6f,6gがn型半導体であり、駆動トランジスタ6がp型トランジスタであれば、不純物半導体膜6f,6gがp型半導体である。不純物半導体膜6fの上に電極6hが形成され、電極6hと第一絶縁膜11との間に不純物半導体膜6f及び半導体膜6bが挟まれている。不純物半導体膜6gの上に電極6iが形成され、電極6iと第一絶縁膜11との間に不純物半導体膜6g及び半導体膜6bが挟まれている。保護絶縁膜6d、電極6h及び電極6iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜6d、電極6h及び電極6iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、第二絶縁膜12によって覆われている。
【0068】
図19、図21を参照して、キャパシタ7の構造について具体的に説明する。図19に示すように、キャパシタ7は、駆動トランジスタ6のゲート電極6aと電極6iとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ7の一方の電極7aは、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに接続され、他方の電極7bは、駆動トランジスタ6の電極6iに接続されている。図21に示すように、電極7aが基板10と第一絶縁膜11との間に形成され、電極7bが第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間に形成され、電極7aと電極7bが第一絶縁膜11を挟んで相対している。
【0069】
図19を参照して、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7の接続について説明する。第一絶縁膜11のうち、ゲート電極5aと走査線52とが重なる位置には、コンタクトホール11aが形成されている。第一絶縁膜11のうち、電極5hと信号線53とが重なる位置には、コンタクトホール11bが形成されている。第一絶縁膜11のうち、ゲート電極6aと電極5iとが重なる位置には、コンタクトホール11cが形成されている。コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20aによってスイッチトランジスタ5のゲート電極5aと走査線52が電気的に導通する。コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ5の電極5hと信号線53が電気的に導通する。コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ5の電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともに、スイッチトランジスタ5の電極5iと駆動トランジスタ6のゲート電極6aが電気的に導通する。なお、コンタクトプラグ20a〜20cを介することなく、走査線52がコンタクトホール11aを通じて直接ゲート電極5aと接触し、電極5hがコンタクトホール11bを通じて信号線53と接触し、電極5iがコンタクトホール11cを通じてゲート電極6aと接触してもよい。
【0070】
図20に示すように、発光素子8は、有機EL素子であって、画素電極8a、キャリア輸送層(ここでは、正孔注入層8bと発光層8c)及び対向電極8dを備える。画素電極8aは、第一電極であって、発光素子8のアノードである。対向電極8dは、第二電極であって、発光素子8のカソードである。
【0071】
画素電極8aは、基板10との間に第一絶縁膜11を介して基板10の上に設けられている。画素電極8aが画素ごと(発光素子8ごと)に独立して形成され、発光領域30内では複数の画素電極8aがマトリクス状に配列されている。ボトムエミッション型の場合、この画素電極8aは透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)若しくはカドミウム−錫酸化物(CTO)又はこれらの混合物からなる。また、トップエミッション型の場合、画素電極8aは、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層を下層として光反射性層とし、上層として上述の透明電極の積層構造とすることが好ましい。画素電極8aの一部が駆動トランジスタ6の電極6iに重なり、画素電極8aと電極6iとが接続されている。
【0072】
画素電極8aの周縁部が第二絶縁膜12によって覆われているが、画素電極8aの中央部が第二絶縁膜12によって覆われていない。つまり、図19に示すように、第二絶縁膜12には、開口部12aが形成されており、開口部12aが画素電極8aに重なっている。開口部12aが画素ごと(発光素子8ごと)に独立して形成され、複数の開口部12aがマトリクス状に配列されている。そのため、第二絶縁膜12は、平面視して、格子状に形成されている。
【0073】
なお、第二絶縁膜12に開口部12aが形成されておらず、画素電極8aが第二絶縁膜12上に形成されていてもよい。その場合、画素電極8aが、第二絶縁膜12に形成されたコンタクトホールを介して駆動トランジスタ6の電極6iに接続されている。更に、その場合、ボトムエミッション型であれば、第二絶縁膜12が透明である。
【0074】
図20に示すように、画素電極8aの上に、キャリア輸送層が積み重ねられている。キャリア輸送層とは、画素電極8aと対向電極8dとの間に電圧が印加されることによって正孔又は電子を輸送する層である。キャリア輸送層は正孔注入層8bと発光層8cの積層体であり、正孔注入層8bが画素電極8a上に形成され、発光層8cが正孔注入層8b上に形成されている。なお、キャリア輸送層の構成は正孔注入層8bと発光層8cの積層体に限るものではない。例えば、キャリア輸送層は、画素電極8aから順に正孔注入層、発光層、電子注入層を積層してなる三層構造であっても良いし、発光層からなる一層構造であっても良いし、これらの層構造において適切な層間に電子若しくは正孔の輸送層が介在した積層構造であっても良いし、その他の積層構造であっても良い。
【0075】
正孔注入層8bは、化合物膜である。例えば、正孔注入層8bは、導電性高分子であるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)からなる層であって、画素電極8aから発光層8cに向けて正孔を注入するキャリア注入層である。
【0076】
発光層8cは、化合物膜である。例えば、発光層8cは、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料からなる層である。発光層8cは、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する。発光層8cは、発光色を定める発光材料を含有していてもよい。発光層8cに含有する発光材料が赤色(R)の発光材料であれば、発光素子8が赤の画素であり、発光層8cに含有する発光材料が緑色(G)の発光材料であれば、発光素子8が緑の画素であり、発光層8cに含有する発光材料が青色(B)の発光材料であれば、発光素子8が青の画素である。このため、画素の色ごとに、発光層8cの発光材料が異なる。なお、画素のRGB配列はストライプ配列でもよいし、モザイク配列でもよいし、デルタ配列でもよい。ストライプ配列とは、垂直方向に同じ色を配列し、水平方向にR、G、Bの順に繰り返し配列したものである。モザイク配列とは、水平方向にR、G、Bの順に繰り返し配列して、垂直方向にもR,G,Bの順に繰り返し配列して、斜め方向に同じ色が配列したものである。デルタ配列とは、隣り合う垂直方向の列(又は隣り合う水平方向の列)が半ドットずれて、RGBを三角形に配置したものである。
【0077】
キャリア輸送層の上には(図20の場合、発光層8cの上には)、対向電極8dが積み重ねられている。対向電極8dは、画素電極8aよりも仕事関数の低い材料で形成されている。対向電極8dがカソードとして適用される場合、例えば、対向電極8dは下層とその下層の上に形成された上層とを有する積層体である。対向電極8dの下層は、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム又は希土類金属を含む単体であるか、これらのうち2種以上を含む合金、混合物又は化合物である。対向電極8dの上層は、対向電極8dのシート抵抗を下げる。トップエミッション型の場合、対向電極8dの上層は、透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)若しくはカドミウム−錫酸化物(CTO)又はこれらの混合物からなる。ボトムエミッションの場合、対向電極8dの上層は、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層が好ましい。
【0078】
対向電極8dは、複数の画素(発光素子8)に共通した電極であって、発光領域30全体に及んでいる。対向電極8dは、全ての画素(発光素子8)に共通したものでもよいし、全ての画素(発光素子8)を幾つかのグループに分けた場合に各グループ内の複数の画素(発光素子8)に共通したものでもよい(この場合、対向電極8dは、グループの数だけある)。
【0079】
図22は、発光領域30内の一部を破断した状態で示した部分断面斜視図である。図22に示すように、発光領域30内には、隔壁である格子状バンク13及び縞状バンク14が設けられている。格子状バンク13は格子状パターン膜であり、縞状バンク14は縞状パターン膜である。
【0080】
格子状バンク13は、平面視して、格子状に形成されている。つまり、格子状バンク13には、複数の方形開口部13aが形成されており、これら方形開口部13aが格子状に配列されている。図19〜図22に示すように、格子状バンク13は、第二絶縁膜12の上から、キャパシタ7の電極7b、走査線52、信号線53、電圧供給線54、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及び第一絶縁膜11を覆うように形成されている。特に、スイッチトランジスタ5は、格子状バンク13のうち水平方向に延びた部分によって覆われており、駆動トランジスタ6は、格子状バンク13のうち垂直方向に延びた部分によって覆われている。
【0081】
方形開口部13aが第二絶縁膜12の開口部12a及び画素電極8aに重なっており、画素電極8aの周縁部が格子状バンク13によって覆われているが、画素電極8aの中央部は格子状バンク13によって覆われていない。第二絶縁膜12を格子状バンク13よりも幅広とした構造にすることによって、方形開口部13aが開口部12aより幅広となるようにしてもよい。
【0082】
縞状バンク14は、平面視して、ストライプ状に形成されている。つまり、縞状バンク14が垂直方向に延びているとともに、水平方向に間隔を置いて配列されており、縞状バンク14の間が溝(開口)14aとなっている。縞状バンク14は、格子状バンク13のうち垂直方向に延びた部分の上に重なっており、格子状バンク13の方形開口部13a及び第二絶縁膜12の開口部12aは、縞状バンク14の間の溝14aで垂直方向に配列されている。従って、縞状バンク14は、信号線53に沿うように設けられている。駆動トランジスタ6が縞状バンク14の下に配置されている。スイッチトランジスタ5の上には縞状バンク14の溝14aが形成されており、スイッチトランジスタ5の全体又は一部が縞状バンク14の間の溝14a内に位置している。なお、縞状バンク14が、走査線52及び電圧供給線54に沿って水平方向に延びているとともに、格子状バンク13のうち水平方向に延びた部分の上に重なっていてもよい。
【0083】
格子状バンク13及び縞状バンク14は、感光材料(例えば、感光性ポリイミド樹脂)からなり、好ましくはポジ型の感光材料からなる。更に、格子状バンク13及び縞状バンク14は、黒色の材料を含有して、遮光性を有していてもよい。
【0084】
なお、図22では、画素電極8aと格子状バンク13と縞状バンク14の関係を把握しやすいように、基板10、画素電極8a、格子状バンク13及び縞状バンク14以外の要素の図示を省略する。
【0085】
格子状バンク13の方形開口部13aは、画素ごと(発光素子8ごと)に独立して形成されている。方形開口部13aの内側では、画素電極8aの上に正孔注入層8b、発光層8c及び対向電極8dが積層されている。方形開口部13aの内側で画素電極8a、キャリア輸送層及び対向電極8dが積層されてなる積層体が発光素子8であり、その発光素子8が画素となる。発光素子8の正孔注入層8b及び発光層8cが格子状バンク13によって画素(発光素子8)ごとに区切られている。
【0086】
対向電極8dが共通電極であるので、その対向電極8dは発光層8c等の化合物膜とともに縞状バンク14を被覆している。更に、対向電極8dは、縞状バンク14の間において格子状バンク13を被覆している。
【0087】
格子状バンク13は、正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により格子状バンク13で囲まれた領域(方形開口部13a)に形成するに際して、その領域内に塗布された液状体(正孔注入層8b又は発光層8cとなる材料が溶媒に溶解又は分散されたもの)が隣接画素に流出しないように堰き止める隔壁として機能する。そして、各方形開口部13aに囲まれた各画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。さらに、各方形開口部13aに囲まれた各正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。なお、正孔注入層8bは、縞状バンク14の間において垂直方向に配列された複数の方形開口部13aに跨るように連続して形成されていてもよい。この場合、正孔注入性のある酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0088】
図20、図21に示すように、対向電極8d上には、その対向電極8dを保護するための保護膜(パッシベーション膜)15が成膜されている。保護膜15は、絶縁性を有し、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。トップエミッション型の場合、保護膜15が透明である。ボトムエミッションの場合、保護膜15が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0089】
ボトムエミッション型の場合、画素電極8a、基板10及び第一絶縁膜11が透明であり、発光層8cから発した光が画素電極8a、第一絶縁膜11及び基板10を透過して出射する。そのため、基板10の裏側の面が表示面となる。
トップエミッション型の場合、対向電極8d、保護膜15及び対向基板40が透明であり、発光層8cから発した光が対向電極8d、保護膜15及び対向基板40を透過して出射する。そのため、対向基板40の表側の面が表示面となる。トップエミッション型の場合、画素電極8aを反射電極とすることが好ましい。
【0090】
基板10から第二絶縁膜12まで積層されたものであって、画素電極8a、画素周辺回路4、走査線52、信号線53及び電圧供給線54が形成されたものが、アクティブマトリクス基板である。アクティブマトリクス基板の上に格子状バンク13、縞状バンク14、キャリア輸送層(正孔注入層8b、発光層8c)、対向電極8d及び保護膜15を形成してなるものが、封緘されていない状態の発光装置である。
【0091】
以上の発光装置1の製造方法について説明する。
まず、アクティブマトリクス基板を作成する。つまり、複数の発光装置1を取ることができる大きさの切断前の基板10の表側の面に対して、所定の成膜法(例えば、気相成長法、液体塗布法等)、フォトリソグラフィー法、エッチング法、印刷法等を適宜行うことによって、各種素子(スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及びキャパシタ7)、各種配線(走査線52、信号線53及び電圧供給線54)、各種絶縁膜(第一絶縁膜11及び第二絶縁膜12)及び画素電極8aを基板10の表側の面上に形成する。これにより、アクティブマトリクス基板が得られる。
【0092】
次に、アクティブマトリクス基板の表側の面(画素電極8aが形成された面)上に格子状バンク13を形成する。格子状バンク13の形成方法は、上記第2実施形態における方形格子状パターン膜602を形成方法と同様である。なお、格子状バンク13の元となる感光層がポジ型である場合には、各画素電極8aの中央部に重なる方形状の部分を露光するともに、それらの周囲の部分を露光せず、格子状バンク13の元となる感光層がネガ型である場合には、画素電極8aの中央部に重なる方形状の部分を露光せず、それらの周囲の部分を露光する。
【0093】
格子状バンク13の形成後、格子状バンク13及びアクティブマトリクス基板を洗浄し、必要に応じて格子状バンク13を焼成する。
【0094】
次に、格子状バンク13のうち垂直方向に延びた部分の上に縞状バンク14を形成する。縞状バンク14の形成方法は、上記第2実施形態における縞状パターン膜604の形成方法と同様である。なお、縞状バンク14の元となる感光層がポジ型である場合には、その感光層のうち、各画素電極8aの中央部に重なる方形状の部分を露光するとともに、それらの露光箇所(明部)を水平方向又は垂直方法にずらす。一方、縞状バンク14の元なる感光層がネガ型である場合には、その感光層のうち、水平方向の隣り合った画素電極8aと画素電極8aとの間に重なる部分を露光するとともに、それらの露光箇所(方形状明部)を垂直方向にずらすか、又は、感光層のうち、垂直方向に隣り合った画素電極8aと画素電極8aとの間に重なる部分を露光するとともに、それらの露光箇所(方形状明部)を水平方向にずらす。
【0095】
次に、液滴吐出法(インクジェット法)、ディスペンサ法、スクリーン印刷法等の湿式塗布法によって、格子状バンク13の各方形開口部13a内に液状体(正孔注入層8bの材料が溶媒に溶解又は分散されたもの)を塗布する。これにより、各方形開口部13a内であって画素電極8a上に正孔注入層8bを形成する。画素電極8aに塗布した液状体は、格子状バンク13及び縞状バンク14によって堰き止められる。特に、格子状バンク13上に縞状バンク14が形成されているから、画素電極8aに塗布した液状体が縞状バンク14の上に乗り上がることがなく、塗布ムラの防止を図ることができる。これは、液状体が粘度の低い低分子材料である場合に特に有効である。また、スイッチトランジスタ5が画素電極8aに対して垂直方向に隣接していて、スイッチトランジスタ5が縞状バンク14によって覆われていなくても、そのスイッチトランジスタ5が格子状バンク13によって覆われているから、液状体が垂直方向に滲まないようにすることができる。
その後、塗布した液状体を乾燥させる。
【0096】
次に、液滴吐出法(インクジェット法)、ディスペンサ法、スクリーン印刷法等の湿式塗布法によって、格子状バンク13の各方形開口部13a内に液状体(発光層8cの材料が溶媒に溶解又は分散されたもの)を塗布する。これにより、各方形開口部13a内であって正孔注入層8b上に発光層8cを形成する。発光層8cを形成する場合でも、塗布した液状体が格子状バンク13及び縞状バンク14によって堰き止められ、塗布ムラの防止を図ることができる。
その後、塗布した液状体を乾燥させる。
【0097】
次に、対向電極8dによって発光層8c、縞状バンク14及び格子状バンク13をコーティングするように対向電極8dを発光領域30内に形成する。
次に、対向電極8d上に保護膜15を成膜する。
次に、アクティブマトリクス基板を発光装置1ごとに切断する。対向基板40の貼り合わせは、アクティブマトリクス基板を切断する前でもよいし、アクティブマトリクス基板を切断した後でもよい。また、対向基板40を複数枚取ることができる大きなマザー対向基板を切断前のアクティブマトリクス基板に貼り合わせた後、アクティブマトリクス基板を切断してもよい。その場合、マザー対向基板を複数の対向基板40に分断する工程は、アクティブマトリクス基板の切断と同時でもよいし、アクティブマトリクス基板の切断の前又は後でもよい。予め分断された複数の対向基板を切断前のアクティブマトリクス基板に貼り合わせた後に、アクティブマトリクス基板を切断してもよい。
【0098】
なお、上記においては、発光装置1がアクティブマトリクス型のディスプレイパネルであった。パッシブ型のディスプレイパネルの画素を仕切るために、上述のような格子状バンク13及び縞状バンク14を用いてもよい。
【0099】
〔応用例〕
ディスプレイパネルとしての発光装置1は、各種電子機器の表示パネルとして用いられる。
例えば、図23に示した携帯電話機200の表示パネル1aや、図24(a)、(b)に示したデジタルカメラ300の表示パネル1bや、図25に示したパーソナルコンピュータ400の表示パネル1cが、発光装置1である。
【0100】
また、ディスプレイパネルとしての発光装置1は、印刷機(例えばページプリンタ)の露光装置として用いることもできる。具体的には、発光装置1の発光領域30に形成された像(発光した複数の発光素子8によって形成される像)が光学系(例えばロッドレンズアレイ)によって感光材(例えば感光ドラム)に投影されることによって、感光材に静電潜像が形成される。その後、トナーが感光材に付着することによって静電潜像が顕在化する。その後、記録媒体(例えば紙)が感光材に押し当てられることによって、顕在化した静電潜像が記録媒体に転写される。
【符号の説明】
【0101】
1 発光装置
13 格子状バンク(格子状パターン膜)
14 縞状バンク(縞状パターン膜)
501、603 感光層(感光材)
502 明暗パターン
503 方形明部
504 格子状暗部
510、511 縞状部分(縞状パターン膜)
512、513 縞状部分(縞状パターン膜)
602 格子状パターン膜
604 縞状パターン膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上方に第一の感光材を形成し、
所定方向に並んだ複数の開口部が設けられたマスクを用いて前記第一の感光材を露光した後、前記マスクを前記所定方向にずらして前記第一の感光材を露光し、
前記第一の感光材を現像して縞状パターン膜を形成することを特徴とする膜パターンの形成方法。
【請求項2】
前記基板と前記縞状パターン膜との間に、第二の感光材を露光・現像してなる格子状パターン膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の膜パターンの形成方法。
【請求項3】
前記第二の感光材は前記マスクを用いて露光・現像することで形成されることを特徴とする請求項2に記載の膜パターンの形成方法。
【請求項4】
前記第一の感光材と前記第二の感光材とは同材料からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の膜パターンの形成方法。
【請求項5】
前記マスクをずらす距離は、前記所定方向の隣り合わせの二つの前記開口部のピッチの整数倍以外であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法。
【請求項6】
基板上方に形成された第一電極と、前記第一電極と対向する第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に形成された発光層と、を備えた発光素子と、
前記発光素子を駆動するトランジスタと、を備える発光装置の製造方法において、
前記トランジスタが形成された面上に下部感光材を形成し、
所定方向に並んだ複数の開口部が設けられたマスクを用いて、前記下部感光材を露光・現像して、前記トランジスタ上部に残り且つ前記発光層が形成された領域に開口を有する格子状パターン膜を形成し、
前記格子状パターン膜上に上部感光材を形成し、
前記マスクを用いて前記上部感光材を露光した後、前記マスクを前記所定方向にずらして前記上部感光材を露光し、
前記上部感光材を現像して縞状パターン膜を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記トランジスタの上には、前記縞状パターン膜の開口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−79435(P2012−79435A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220969(P2010−220969)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】