説明

膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール

【課題】 耐熱性及び酸化安定性に優れ、且つ発熱量の少ないシール材を提供することができる膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオールを提供する。
【解決手段】 本発明は、ポリマー微粒子(p)がポリオール分散媒(b)中に分散されてなるポリマーポリオールにおいて、(b)がヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有することを特徴とする膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール、これを用いたウレタン樹脂形成性組成物及び該組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール、この製造方法、このポリマーポリオールを用いたポリウレタン樹脂形成性組成物及びシール材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液処理器、浄水器及び水処理装置等を構成する膜モジュールのシール材用にもちいられるポリウレタン樹脂形成性組成物用としては、イソシアネート成分とポリオール成分からなるものは公知である。特に、ポリオールとしてヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(以下において、両者を合わせてヒマシ油系ポリオールと記載することがある)を使用したものが広く知られている。例えば、ヒマシ油系ポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基含有プレポリマーからなるイソシアネート成分とヒマシ油系ポリオール及びN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの混合物からなるポリオール成分からなる該組成物等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、ヒマシ油系ポリオールを使用したポリウレタン系シール材は機械物性の温度依存性が大きく、高温で機械物性が低下し耐熱性に劣るという欠点がある。このため、例えば血液処理機器のオートクレーブ滅菌時、あるいは浄水器で高温の水をろ過する際に、接着固定部で剥離が起こる等の問題があった。この問題を解決するため、ポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートから得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをポリテトラメチレングリコールとヒマシ油系ポリオールからなる硬化剤で硬化させる方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。しかしながらポリテトラメチレングリコールを主体とした該シール材は、依然として耐熱性が十分であるとは言い難く、また酸化安定性に劣るという問題がある。
【0004】
また、従来のポリウレタン系シール材は硬化時の発熱量が大きく、例えば、浄水所などで使用される大型の膜モジュールのように多量のシール材を必要な場合には硬化時の発熱により温度が100℃を超え、合成樹脂性の容器を使用する場合変形が起きることがある等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭53−61695号公報
【特許文献2】特開平7−47239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のような背景から、血液処理器、浄水器及び水処理装置の性能向上のため、耐熱性、酸化安定性に十分優れ、且つ発熱量の少ないポリウレタン系シール材が切望されている。
本発明の目的は、耐熱性及び酸化安定性に優れ且つ発熱量の少ないシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に最適なポリオール組成物及びその製造方法、耐熱性に優れ且つ発熱量の少ないシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、ならび耐熱性に優れ且つ発熱量の少ない膜モジュール用のシール材を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本願の第1の発明は、ポリマー微粒子(p)がポリオール分散媒(b)中に分散されてなるポリマーポリオールにおいて、(b)がヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有することを特徴とする膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール(以下において、単にポリマーポリオールと記載する場合がある)である。
第2の発明は、ポリオール分散媒中で、分散剤の存在下、ビニル単量体(d)を重合させるポリマーポリオールの製造方法において、分散剤として反応性分散剤を用い、ポリオール分散媒としてヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有するポリオール分散媒(b)を用いることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法である。
第3の発明は、イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)を必須成分としてなり、(IS)と(AH)を混合してウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂形成性組成物であって、上記ポリマーポリオールを、イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)の少なくとも一方の成分に用いてなる膜モジュールのシール材用ウレタン樹脂形成性組成物である。
第4の発明は、該ウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリマーポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂形成性組成物はは耐加水分解性、酸化安定性に優れ、かつ耐熱性にも優れるウレタン樹脂を形成でき、さらに硬化時の発熱量が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、ポリマーポリオールを構成するポリオール分散媒(b)はヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有する。
ヒマシ油誘導体(a)とはヒマシ油から化学反応により誘導される化合物である。ヒマシ油誘導体(a)としては、部分脱水ヒマシ油(化合物1)、分子量60〜300の低分子ポリオールもしくは数平均分子量100〜2000のポリエーテルポリオールとヒマシ油とのエステル交換反応によって得られる化合物(化合物2)、分子量60〜300の低分子ポリオールもしくは数平均分子量100〜2000のポリエーテルポリオールとヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られる化合物(化合物3)、多価カルボン酸とヒマシ油とのエステル化反応により得られる化合物(化合物4)、などが挙げられる。
ヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)のうち、好ましくはヒマシ油及び部分脱水ヒマシ油(化合物2)であり、特に好ましくはヒマシ油である。
なお、数平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものである(以下後同様)。
【0010】
部分脱水ヒマシ油とはヒマシ油の脱水反応により水酸基の一部が脱離したものである。通常、部分脱水ヒマシ油の水酸基価は100〜160mgKOH/gであり、110〜130mgKOH/gが好ましい。ヒマシ油脂肪酸はそれぞれヒマシ油の加水分解により得られる脂肪酸である。
【0011】
低分子ポリオールとしては、炭素数(以下Cと略記)2〜24のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオール、ソルビトール、シュークローズ及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。低分子量ポリオールの分子量は60〜300のものが好ましい。
【0012】
ポリエーテルポリオールとしては前記低分子量ポリオール、多価フェノール(ビスフェノールA、ハイドロキノン等)、アミン化合物(アンモニア、エチルアミン、エチレンジアミン等)にC2〜C4のアルキレンオキサイドを付加したものが挙げられる。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。ポリエーテルポリオールの数平均分子量は100〜2000のものが好ましい。
【0013】
多価カルボン酸としては、C2〜40の脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、二量化リノール酸等);C8〜40の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等);C4〜40の脂肪族あるいは芳香族のトリカルボン酸(ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等);C5〜40の脂肪族あるいは芳香族のテトラカルボン酸(ブタンテトラカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸等)及びこれらの無水物が挙げられる。また、これらのカルボン酸2種以上を併用することもできる。
これらのカルボン酸の中で、得られるポリエステルの粘度の観点から、2価のカルボン酸が好ましい。
【0014】
ポリオール分散媒(b)はヒマシ油及びヒマシ油誘導体(a)以外の通常用いられるポリオールも含有することができる。これらの含有量は、(b)の重量に基づいて通常40%以下、好ましくは20%以下である。
該ポリオールとしては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、多価アミン、多価カルボン酸等)にアルキレンオキサイドを付加した化合物及びこれらの混合物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加された化合物である。
また、ポリオール分散媒(b)はイソパラフィン、トルエン、キシレン等の炭化水素化合物、ジイソノニルフタレート、セバシン酸オクチル等のエステル類などを含有することができる。これらのの含有量は、(b)の重量に基づいて通常40%以下、好ましくは20%以下である。
【0015】
ポリマー微粒子のポリマーとは、ヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(以後両者を合わせてヒマシ油系ポリオールと記載することがある)に不溶のポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン・アクリロニトリル共重合物など、ビニル単量体(d)の1種以上を構成単位とするポリマー;ポリエチレンテレフタレート、6,6−ナイロン、フェノール樹脂等の重縮合反応によって得られるポリマー;及びポリウレタン樹脂等の重付加反応によって得られるポリマーが挙げられる。これらのポリマーのうち、ヒマシ油系ポリオールを含有する媒体中で合成可能なことから、ビニル単量体(d)の1種以上を構成単位とするポリマーが好ましい。
さらに好ましくはポリマー微粒子の分散性の観点から、ビニル単量体(d)の1種以上を構成単位とするポリマー並びに、ビニル単量体(d)及び数平均分子量1000〜50000のヒマシ油可溶性エチレン性不飽和化合物(e)を構成単位とするコポリマーを含有する混合ポリマーである。
(e)は後記のポリマーポリオールの製造方法において反応性分散剤として用いられる単量体である。
混合ポリマー中の、構成単位としての(e)の含有量はポリマーポリオールの安定性と粘度の観点から好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.5〜15%、特に好ましくは1〜10%である。
【0016】
本発明においてビニル単量体(d)とは、ビニル基あるいはビニリデン基を有する化合物のことである。例えば、エチレン、プロピレン等の脂肪族炭化水素系単量体(d1);スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン等芳香族ビニル単量体(d2)、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、モルフォリノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン等の窒素含有ビニル単量体(d3);メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート単量体(d4)等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは(d2)、(d3)及び(d4)であり、特に好ましくはスチレン、アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物である。
【0017】
ポリマーポリオールの製造方法、即ちポリオール分散媒(b)にポリマー微粒子(p)を分散する方法として以下の方法が挙げられる。
(1)ポリオール分散媒中で、ビニル単量体を重合し直接ポリマー微粒子分散液を得る方法。
(2)有機溶剤に溶解したポリマー溶液をポリオール分散媒に加え、必要により脱溶剤し、ポリマー微粒子を析出、分散させる方法。
(3)有機溶剤にポリマー微粒子を分散した溶液を、ポリオール分散媒に加え、必要により脱溶剤する方法。
(4)乳化重合や分散重合後単離して得られるポリマー微粒子又は塊状ポリマーを粉砕して得られるポリマー微粒子を、ポリオール分散媒に分散する方法。これらの方法のなかで、上記(1)の方法が、工程が少なく好ましい。
【0018】
ヒマシ油系ポリオールを含有する分散媒中で、ビニル単量体をラジカル重合し直接ポリマー微粒子分散液を得る場合の一例を以下に示す。反応容器にヒマシ油系ポリオール及び必要により後記する有機媒体を仕込む。別容器にビニル単量体及び必要によりヒマシ油系ポリオールと後記する分散剤を仕込み、攪拌混合しビニル単量体溶液とする。別容器に重合開始剤及び必要によりヒマシ油系ポリオールあるいは有機媒体を仕込み、攪拌混合し重合開始剤溶液とする。反応容器を攪拌加熱し、重合温度に達したら、ビニル単量体溶液及び重合開始剤溶液を滴下し、重合反応を行う。重合反応終了後、必要により、減圧し、残存単量体及び有機媒体を留出させ、ポリマーポリオールを得る。なお、重合温度は使用する開始剤により異なるが、通常70〜180℃であり、好ましくは100〜160℃である。なお1段バッチ重合反応以外に、多段バッチ反応、あるいは連続反応などもとることができる。
【0019】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオコサイド、ジブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。重合開始剤の使用量はビニル単量体の合計重量に基づいて、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。以下、「%」は特に断りのない限り「重量%」を表す。
【0020】
本発明において、ポリマー微粒子の分散に分散剤を使用することが好ましい。分散剤の使用により、ポリマー微粒子の体積平均粒径の制御が容易になり、ポリマーポリオール中のポリマー微粒子の分散安定性が増す。分散剤には非反応性と反応性がある。
非反応性分散剤としては、一般にはポリマーに親和性を有する部分と分散媒に親和性を有する化合物が用いられる。例えば、スチレンを構成単位として含有するポリマー用の分散剤として、スチレン化フェノールのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が挙げられ、この分散剤においてはスチレン化フェノールあるいはビスフェノールAの部分がスチレンと親和性を有しポリプロピレンオキサイド部分がヒマシ油系ポリオールと親和性を有する。
【0021】
反応性分散剤としては分散媒に親和性を有する部分とポリマーに組み込み可能な反応性基を有する化合物が用いられる。特に、ビニル単量体の重合によるポリマーの場合、分散安定性の観点から、反応性分散剤が好ましい。ビニルポリマー用の反応性分散剤として、数平均分子量1000〜50000のヒマシ油可溶性エチレン性不飽和化合物(e)が、分散性の観点から好ましい。
なお、本発明において、ヒマシ油可溶性とは、化合物30重量部とヒマシ油系ポリオール70重量部の混合物が、均一透明な溶液であることを意味する。
【0022】
(e)はビニル単量体の重合時に添加される。(e)はビニル単量体と共重合するので、重合により生成するポリマーの少なくとも一部は(e)とビニル単量体の共重合体となり、この共重合体がポリマー微粒子の分散に効果的に働く。
【0023】
好ましい(e)としては、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する数平均分子量が500〜10000のヒマシ油可溶性化合物(f)とカルボキシル基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物(g)との反応で得られる化合物(e1);上記(f)とポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基含有化合物と水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物(i)との反応で得られる化合物(e2)などが挙げられる。
【0024】
水酸基含有の(f)としては、
ヒマシ油及び/またはヒマシ油誘導体(f1);
1〜6価のアルコールのC2〜4アルキレンオキサイド付加物であり、かつエチレンオキサイド含量が30重量%以下のもの(f2);
ポリオレフィンポリオール(f3);
ダイマー酸、及び/又はトリマー酸と低分子量ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとの水酸基含有ポリエステルポリオール(f4);
C4〜C40のジカルボン酸1種以上からなりかつ平均C数5〜12のジカルボン酸とC2〜C12のジオールからなりかつ平均C数4〜12のジオールとの水酸基含有ポリエステルポリオール(f5);
(f1)〜(f5)とポリイソシアネートとの水酸基含有ポリウレタン(f6−1)〜(f6−5);
(f1)〜(f5)とC4〜C40のジカルボン酸との水酸基含有ポリエステル(f7−1)〜(f7−5);
が挙げられる。
【0025】
(f2)としては、C1〜C24のアルコールのアルキレンオキサイド付加物;及び前記ポリエーテルポリオール(エチレンオキサイド含量が30%以下のもの)が挙げられる。具体的にはポリオキシプロピレングリコール、PTMG、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物及びペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0026】
(f3)としては、水酸基含有ポリブタジエン、水素化水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素化水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水素化水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有スチレンイソプレン共重合体及び水素化水酸基含有スチレンイソプレン共重合体等が挙げられる。
【0027】
(f4)に用いられる低分子量ポリオール、あるいはポリエーテルポリオールとしては、前記のものが挙げられるが、特に2価及び3価のものが好ましい。具体例としては、ダイマー酸と1,4−ブタンジオールの水酸基含有ポリエステル、ダイマー酸とトリメチロールプロパンの水酸基含有ポリエステル、トリマー酸と数平均分子量200のポリプロピレングリコールとの水酸基含有ポリエステルなどが挙げられる。
(f5)の具体例としては、セバシン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの水酸基含有ポリエステル、アジピン酸とネオペンチルグリコールとノナンジオールの水酸基含有ポリエステル等が挙げられる。
【0028】
(f6)に用いられるポリイソシアネートとしては、2価又は3価のポリイソシアネートが好ましい。例えばトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらのカルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、イソシアヌレートなどが挙げられる。
(f7)に用いられるジカルボン酸としては、前記の多価カルボン酸の中のジカルボン酸が挙げられる。
【0029】
アミノ基含有の(f)の例としては、ポリプロピレングリコールジアミン、ダイマー酸又はトリマー酸とC2〜C12のポリアミンとのポリアミドなどが挙げられる。
【0030】
カルボキシル基含有の(f)としては、ダイマー酸又はトリマー酸と低分子量ポリオールとのカルボキシル基含有ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0031】
(f)としては、水酸基含有の(f)が好ましく、(f1)、(f6−1)及び(f7−1)が特に好ましい。
【0032】
カルボキシル基を有する(g)としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、などが挙げられる。エポキシ基を有する(g)としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。イソシアネート基を有する(g)としては、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メチルアクリロイルオキシエチルイソシアネート、ヒドロキシエチルメタクリレートとトルエンジイソシアネートのイソシアネート基含有ウレタン化合物、ヒドロキシエチルアクリレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアネート基含有ウレタン化合物などが挙げられる。
【0033】
水酸基を有する(i)としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール等が挙げられる。
アミノ基を有する(i)としては、4−アミノスチレン、アリルアミン、N−(2−アミノエチル)アクリルアミド、N−(2−アミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カルボキシル基を有する(i)としてはカルボキシル基を有する(g)と同じものを用いることができる。
【0034】
特に好ましい(f)である(f1)、(f6−1)及び(f7−1)を用いた(e1)の具体的な例としては、ヒマシ油とアジピン酸の水酸基含有のポリエステルと2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの反応生成物、部分脱水ヒマシ油と1,6−ヘキサンジイソシアネートのOH基含有のウレタンプレポリマーとヒドロキシエチルメタクリレートとトルエンジイソシアネートとのイソシアネート基含有ウレタン化合物との反応生成物、部分脱水ヒマシ油と1,6−ヘキサンジイソシアネートのOH基含有のウレタンプレポリマーとメタクリル酸からのエステル化合物などが挙げられる。また、(e2)の具体的な例としては、ヒマシ油又は部分脱水ヒマシ油とトルエンジイソシアネートとのNCO基含有ウレタンプレポリマーとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応生成物などが挙げられる。
【0035】
本発明において、ポリマーポリオール中のポリマー微粒子量は、通常10〜80%、耐熱性と粘度の観点から、好ましくは20〜70%、特に好ましくは30〜60%である。含有量は、ポリマーポリオールをポリマーを溶解しない有機媒体で希釈後遠心分離し、得られた沈降物の重量から測定することができる。
【0036】
本発明において、ポリマー微粒子の体積平均粒径は、粘度と安定性の観点から0.01〜60μm、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。体積平均粒径は、動的光散乱法で測定できる。
【0037】
本発明のポリマーポリオールは、イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)を必須成分としてなるウレタン樹脂形成性組成物において、イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)の少なくとも一方の成分に用いることができる。
ウレタン樹脂形成性組成物は、硬化反応させることによりウレタン樹脂を形成することができる。
【0038】
ウレタン樹脂形成性組成物は、通常のポリオールを用いたものと同様、用途に適した種々の選択が可能で、以下のような形態が挙げられる。
(1)ポリマーポリオールを活性水素化合物成分とし、ポリイソシアネート及び/又はポリオールを当量以上のポリイソシアネートと反応して得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをイソシアネート成分とした、2液型ウレタン樹脂形成性組成物。
(2)ポリマーポリオールと当量以上のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをイソシアネート成分とし、ポリオールを活性水素化合物成分とした、2液型ウレタン樹脂形成性組成物。
(3)ポリマーポリオールと当量以上のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをイソシアネート成分とし、ポリマーポリオールを活性水素化合物成分として使用した2液型ウレタン樹脂形成性組成物。
(4)ポリマーポリオールを活性水素化合物成分とし、ブロック化ポリイソシアネート(ブロック化剤:メチルエチルケトンオキシム、ε−カプロラクタム、ジシクロヘキシルアミン、フェノール類等)をイソシアネート成分とした、1液型ウレタン樹脂形成性組成物。
(5)ポリマーポリオールと当量以上のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなる1液湿気硬化型ウレタン樹脂形成性組成物。
膜モジュールのシール材用のウレタン樹脂形成性組成物としては、作業性及び得られる樹脂の樹脂物性の観点から好ましくは(1)〜(3)の2液型である。
【0039】
ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、例えば、C(NCO中のCを除く)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部を、ビュレット、カルボジイミド等により変性してなる化合物が挙げられる。
【0040】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等]、ならびにトリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等]が挙げられる。
【0041】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート等]が挙げられる。
【0042】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びナフタレンジイソシアネート等]、あるいは3個以上のイソシアネート基を有するもの[ベンゼン環を3個以上有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等]が挙げられる。
【0043】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート等]が挙げられる。
【0044】
これらのポリイソシアネートのうち、反応性の観点から好ましいのは芳香族ポリイソシアネート及びその変性体、さらに好ましいのはジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性体である。
【0045】
(1)及び(2)に記載されたポリオールとしては、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記の低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、ポリオレフィンポリオール、後記するポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。官能基数2〜8のポリオールの水酸基価は好ましくは20〜1,850mgKOH/g、さらに好ましくは40〜1,400mgKOH/gである。
【0046】
ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸[脂肪族飽和又は不飽和ポリカルボン酸(例えばアジピン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸)、芳香族ポリカルボン酸(例えばフタル酸及びイソフタル酸)等]と、ポリオール(前記の低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオール)とから形成される線状又は分岐状ポリエステルポリオール;
ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子ポリオール(2〜3価)を出発原料としてこれにカプロラクトン(例えばε−カプロラクトン)を触媒(有機金属化合物等)の存在下に付加重合させたポリエステルポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)]が挙げられる。
【0047】
ポリカーボネートポリオールとしては、前記の低分子量ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート及びジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートとの反応によって得られるものが挙げられる。
【0048】
上記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの製造方法としては、ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上のポリオールとを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。
イソシアネート基とOH基の当量比(NCO/OH)を通常1.1/1〜100/1である。
プレポリマー化反応における反応温度は通常30〜140℃、反応性の観点及び副反応防止の観点から好ましくは60〜120℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
【0049】
膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂は、ウレタン樹脂形成性組成物であるイソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)とを反応されてなるが、反応におけるNCO/OH当量比は、未反応物低減の観点から好ましくは0.5〜2、さらに好ましくは0.7〜1.5、特に好ましくは0.8〜1.2である。
【0050】
ポリウレタン樹脂形成性組成物の粘度(混合後、注型前の粘度)は、通常50〜30,000mPa・s、硬化性及び成形性の観点から好ましくは100〜20,000mPa・s、さらに好ましくは200〜10,000mPa・sである。
【0051】
ウレタン樹脂形成性組成物は、通常のポリウレタン樹脂に使用される添加剤、すなわち、ウレタン化触媒、発泡剤、難燃剤、充填剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、離型剤、脱水剤及び炭酸ガス吸収剤等の発泡抑制剤などを含有することができる。これらの添加剤は(IS)及び(AH)のいずれか一方又は両方に添加することができる。
【0052】
膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(IS)及び活性水素化合物成分(AH)を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサー又はメカニカルミキサー等で混合、反応させることにより製造することができる。上記反応において流動性がなくなるまでの時間(ポットライフ)は通常3〜300分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜240時間の養生を要する。ここにおいてポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後記の硬度範囲となるまでは養生を要する。また、養生温度を高く(例えば40〜60℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
【0053】
硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーD:10秒値)は通常10〜100、シール材として具備すべき機械強度及び切断性(後記する、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜の切断性)の観点から好ましくは30〜70である。
【0054】
膜モジュールのシール材は、該ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなり、特に、中空糸型血液処理器及び中空糸型水処理器用として好適に使用される。
【0055】
ポリウレタン樹脂形成性組成物を膜モジュールのシール材として適用する場合の方法としては、静置成型法及び遠心成型法いずれも適応できる。遠心成型法の具体的な1例を以下に示す。
まず、イソシアネート成分(IS)及び活性水素化合物成分(AH)を個別に減圧脱泡(0.1mmHg×2時間)する。遠心成型機に中空糸を収納した容器を取り付け、回転を開始する。該(IS)及び(AH)を所定量計量して撹拌混合後、回転している容器の端部に注入し、さらに回転を行い、(IS)、(AH)混合物を中空糸間及び中空糸−容器間に浸透させる。時間と共に(IS)、(AH)混合物の硬化反応が進行し、中空糸同士が接着すると共に容器に固定される。該遠心成型法の例は特公昭57−58963号公報等に記載されている。
中空糸の素材としては一般に、セルロース、アクリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が使用される。上記容器としては一般に、ポリカーボネート製、ABS製、ポリスチレン製等のものが使用される。該二液混合液は注入から3〜300分後には流動性がなくなり、膜モジュールを成型機から取り出すことができる。ついで室温(20〜30℃)〜60℃で養生を行い硬化させた後、該ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜を回転式カッター等で切断して中空糸膜端部の開口部を得る。
【実施例】
【0056】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。また数平均分子量(以後Mnと記載)、重量平均分子量(以後Mwと記載)はGPC分析で測定したものである。
【0057】
以下の製造例及び実施例において使用されている下記の原料の組成、メーカー等は以下の通りである。
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート、商品名「ミリオネートMT」;日本ポリウレタン(株)製)
TDI:トルエンジイソシアネート、商品名「コロネートT−80」;日本ポリウレタン(株)製
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=29.5%、商品名「ルプラネートMM−103」;BASF INOAC ポリウレタン(株)製)
部分脱水ヒマシ油:水酸基価120mgKOH/g、商品名「TOYOACE P−110F」;(株)東化研社製 )
ヒマシ油:水酸基価161mgKOH/g、商品名「ヒマシ油SL」;伊藤製油(株)製
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート、商品名「アクリルエステルHO」;三菱レーヨン(株)社製
MMA:メチルメタクリレート、商品名「アクリエステルM」;三菱レーヨン(株)製)
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、商品名「V−59」;和光純薬工業(株)製
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
PE7000:ペンタエリスリトールのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド含量=12%、水酸基価=32mgKOH/g、
Mn=8300 、Mw=11000
GP−250;グリセリンのプロピレンオキサイド付加物、水酸基価=673mgKOH/g、商品名「サンニックスGP−250」;三洋化成工業(株)製
キョーワード600:酸及びアルカリ用合成吸着剤;協和化学工業(株)製
【0058】
以下の製造例及び実施例において用いられた分析法は下記のとおり。
<GPC測定>
(GPC装置)
装置本体:HLC−8220GPC[東ソー(株)製]
データ解析ソフトウェア:GPC−8020modelII[東ソー(株)製]
GPCカラム
ガードカラム : TSKguardcolumn SuperH−L(4.6mmI.D.×15cm)
分離カラム : TSKgel SuperH2000(6mmI.D.×15cm)
+TSKgel SuperH3000(6mmI.D.×15cm)
+TSKgel SuperH4000(6mmI.D.×15cm)
検出器 :RI検出器
(測定条件)
流動媒体 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :0.6ml/min.
カラム温度 :40℃
サンプル注入量:10μl
(試薬等)
THF :酸化防止剤無添加品[三菱化学(株)製]
標準ポリスチレン:TSK標準ポリスチレンA−500、A−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10[東ソー(株)製]
(較正曲線の作成)
分子量既知の標準ポリスチレン(A−500、A−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10)のそれぞれ0.02gを200ml密栓付き三角フラスコに秤り取り、THF100gを加えて溶解させ、各標準ポリスチレン0.02重量%のTHF溶液を作成する。該溶液10μlを注入し、保持時間(注入から検出までの時間)と分子量の較正曲線を作成する。
(分子量測定)
サンプル約10mgを20mlのガラス管に秤取り、THF4mlを加え、振り混ぜて溶解させる。該溶液を0.2μmのメンブランフィルターを取り付けたシリンジフィルターを用いてろ過する。ろ液をGPC測定用バイアルに1ml採取し、注入量が10μlに調整されたオートサンプラーにセットし、データ処理装置を稼動させ測定する。
【0059】
<ポリマー微粒子の体積平均粒径>
ヒマシ油30mlにポリマーポリオール2mgを投入し、マグネチックスターラーで3分間攪拌、均一分散させる。直ちに測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750;(株)堀場製作所製)を用い動的光散乱法により体積平均粒径を測定した。
【0060】
<粘度>
25℃に温調したサンプルを回転式B型粘度計(RB−80L;東機産業(株)製)で測定した。
【0061】
<ポリマー粒子含有量>
50mlの遠心分離用遠沈管及び100mlナスフラスコの重量を小数点3桁まで精秤する(それぞれ、W1及びW2)。遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを加え精秤する(W3)。とする。アセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加え、振とうする。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて、ナスフラスコに移す。残留沈降物にアセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。残留沈降物を含む遠沈管を減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W4)とする、また乾燥物をポリマー粒子分とする。一方、ナスフラスコはエバポレータにセットし、60℃、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で留出がほぼなくなるまで揮発分を除去し、その後、減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W5)とする、また得られた溶液を分散媒相分とする。次式(A)で算出した値を、ポリマー粒子含有量とする。
ポリマー粒子含有量(重量%)=(W4−W1)×100/(W3−W1) (A)
また、次式(B)で算出した値を分散相含量とし、ポリマー粒子含有量と分散媒相含量の和が、100±1.5以内であることを確認する。和がこの範囲外の場合は、再実験を行う。
分散媒相含量(重量%)=(W5−W2)×100/(W3−W1) (B)
【0062】
<分散媒相の水酸基価>
上記操作で得た分散媒相の水酸基価を下記の方法で測定した。
300ml三角フラスコに分散媒相分約2gを精秤(Sg)し、無水フタル酸/ピリジン溶液(無水フタル酸42gをピリジン300mlに溶解した液)25mlを加える。冷却管を取り付け、120℃のオイルバスに入れ、1時間反応させる。反応後、三角フラスコをオイルバス上にあげ5分間放冷後、冷却管の上部から10mlの高純度水を加え振り混ぜ、更に5分間放置する。オイルバスより三角フラスコを取り外し、室温まで冷却後、冷却管を取り外す。フェノールフタレイン指示薬0.5mlを加え、0.5mol/l水酸化カリウム液で滴定し、微紅色が30秒間持続する点を終点とする。同時に空試験を行う。水酸基価を下式により算出する。
水酸基価=(B−A)×f×28.05/S
B;空試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
A;試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
f;0.5mol/l水酸化カリウム溶液の力価
S;試料の重量(g)
【0063】
分散剤用原料(f1)の製造
<製造例1>
温度調節器、撹拌翼、窒素ガス吹き込み管、留出管および冷却管を備えた1L容量の四つ口フラスコにヒマシ油462.5部、アジピン酸36.5部を仕込んだ(水酸基/カルボキシル基当量比=100/38)。さらにパラトルエンスルフォン酸3部を仕込み、窒素ガスを液中に吹き込みながら、150℃で12時間攪拌し、エステル化反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を12部加え、同温度で1時間攪拌しパラトルエンスルフォン酸を吸着処理した。このものを加圧ろ過しポリエステルポリオール(f−1)を得た。
(f−1)の分析値;Mn=2910、Mw=4630
水酸基価=78mgKOH/g、酸価=1.9mgKOH/g
【0064】
反応性分散剤(e)の製造
<製造例2>
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた100mL容量の四つ口フラスコに、TDIを28部(0.16モル)、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に温調し、続いてHEMA9部(0.07モル)を2時間で滴下し、さらに40〜50℃で1時間攪拌した。その反応液を、温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた2L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいた製造例1のポリエステルポリオール(f−1)524部に加え、反応温度80〜90℃で8時間攪拌した。イソシアネート基含量(以後NCO%と記載する)が0.01以下であることを確認した。キシレン561部を加え攪拌し、均一化し、反応性分散剤溶液(e−1)を得た。
(e−1)の分析値;Mn=3340、Mw=11500
【0065】
<製造例3> 温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた2L容量の四つ口フラスコにキシレン600部を仕込み、MDI148部を加え50℃で攪拌し、溶解させる。さらに、部分脱水ヒマシ油414部を仕込み、70℃で4時間攪拌した。このもののNCO%は1.08であった。さらにHEMA39部を加え、さらに70℃で6時間反応し、NCO%が0.01%以下であることを確認し、反応性分散剤溶液(e−2)とした。
(e−2)の分析値;GPC Mn=6550、Mw=50600
【0066】
<製造例4>
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた100mL容量の四つ口フラスコに、TDIを28部、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に温調し、続いてHEMA9部を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を、温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた3L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたPE7000 963部の中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。滴定法でNCO%が0.01%以下であることを確認した。キシレン1000部を加え攪拌し、均一化し、反応性分散剤溶液(e−3)を得た。
(e−3)の分析値;Mn=8700、Mw=31000
【0067】
ポリマーポリオールの製造
<実施例1>
温度調節器、撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、ヒマシ油200部を加え、1L/分で窒素ガスを30分流し、空間部を窒素ガスで置換した。微量の窒素ガスを流しながら、攪拌下125℃に昇温した。攪拌下125℃で、ヒマシ油200部、アクリロニトリル160部、メチルメタクリレート40部、および分散剤(e−1)20部、AMBN4部およびキシレン20部の混合物を6分割し、0.5時間毎、合計2.5時間で投入した。投入後1時間攪拌し、AMBN2部およびキシレン溶液20部の混合物を追加投入した。さらに1時間攪拌した後100Paまで徐々に減圧にし、溶剤(キシレン)および未反応スチレンを3時間ストリッピングし、ポリマーポリオール(POP−1)を得た。
【0068】
<実施例2>
実施例1と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、アクリロニトリル160部、メチルメタクリレート40部、および分散剤(e−1)20部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物に代えてヒマシ油200部、アクリロニトリル160部、スチレン40部、および分散剤(e−2)10部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を投入した以外は実施例1と同じ操作を行い、ポリマーポリオール(POP−2)を得た。
【0069】
<実施例3>
実施例1と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、アクリロニトリル160部、メチルメタクリレート40部、および分散剤(e−1)20部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物に代えてヒマシ油200部、アクリロニトリル160部、メチルメタクリレート20部、スチレン20部、および分散剤(e−3)10部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を投入した以外は実施例1と同じ操作を行い、ポリマーポリオール(POP−3)を得た。ポリマーポリオールの分析値を表1に示す。
【0070】
(ポリマーポリオールの安定性試験)
ポリマーポリオールの貯蔵安定性を評価するため、300mlのガラス瓶に入れ40℃の恒温槽に貯蔵し、1、3、6ヶ月後に外観及び粘度を測定した。結果を表1に示した。
【0071】
【表1】

【0072】
実施例1〜3のポリマーポリオールはいずれも、3ヶ月貯蔵では、大きな変化なく貯蔵安定性は良好である。なお、実施例1,2のポリマーポリオールは6ヶ月貯蔵でも殆んど変化がみられないが、実施例3のポリマーポリオールが6ヶ月貯蔵で若干の粘度増加が見られた。
【0073】
イソシアネート成分の製造
<製造例5>
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI250部と実施例1で製造した(POP−1)150部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(IS−1)を得た。
(IS−1)の分析値;NCO%=20.3%、粘度=2000mPa・s
【0074】
<製造例6>
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI200部とヒマシ油150部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(IS−2)を得た。
(IS−2)の分析値;NCO%=17.5%、粘度=3100mPa・sであった。
【0075】
活性水素化合物成分の製造
<製造例7>
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、(POP−1)400部およびHPEDA50部を加え、攪拌混合し、活性水素化合物成分(AH−1)を得た。
(AH−1)の分析値;水酸基価=182mgKOH/g、粘度=3600mPa・s
【0076】
<製造例8>
製造例7と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(POP−2)400部とHPEDA30部およびGP−250 30部を加え、混合攪拌し、活性水素化合物成分(AH−2)を得た。
(AH−2)の分析値;水酸基価=189mgKOH/g、粘度=3800mPa・s
【0077】
<製造例9>
製造例7と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(POP−3)400部とHPEDA30部およびGP−250 30部を加え、混合攪拌し、活性水素化合物成分(AH−3)を得た。
(AH−3)の分析値;水酸基価=187mgKOH/g、粘度=4750mPa・s
【0078】
<製造例10>
製造例7と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油400部とHPEDA50部を加え、混合攪拌し、活性水素化合物成分(AH−4)を得た。
(AH−4)の分析値;水酸基価=228mgKOH/g、粘度=850mPa・s
【0079】
<製造例11>
製造例7と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油370部とHPEDA50部およびGP−250 80部を加え、混合攪拌し、活性水素化合物成分(AH−5)を得た。
(AH−5)の分析値;水酸基価=303mgKOH/g、粘度=870mPa・s
【0080】
<実施例4〜9、比較例1>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、タテ120mm、ヨコ120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが1mmになるように加え、50℃の恒温槽で48時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。
得られた硬化物について、下記の方法により貯蔵弾性率を測定し、耐加水分解性試験及び耐酸化安定性試験を行った。その結果を表2に示す。
【0081】
(ウレタン樹脂硬化物の貯蔵弾性率)
耐熱性を評価するため、以下の方法で貯蔵弾性率を測定した。上記ウレタン樹脂硬化物をタテ20mm、ヨコ5mmの長方形に切り出し、動的粘弾性測定装置(Rheogel−E4000;(株)ユービーエム製)を用い、10Hzで0℃及び80℃における貯蔵弾性率を測定した。
【0082】
(耐加水分解性試験および耐酸化安定性試験)
上記ウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とした。試験片を1NのNaOH水溶液に40℃で30日間浸漬し、耐加水分解性試験を行った。同様に、試験片を塩素濃度5000ppmの次亜塩素酸水溶液に40℃で30日間浸漬し、酸化安定性試験を行った。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機((株)島津製作所製)を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。最高値、最低値を除いた、中間値3点の平均値を測定値とし、試験前後の値を比較した。
【0083】
<ウレタン樹脂硬化物の硬度>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、150mlのポリプロピレン製容器(口径65mm、高さ70mm)に100gを秤取った。50℃の恒温槽で48時間養生後、25℃で硬度ショアーD(10秒値)をショアーD硬度計(高分子計器(株)製)で測定した。結果を表2に示す。
【0084】
<硬化時の温度>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計1500gを円筒状ポリ容器(内径12cm、高さ20cm)に秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。温度記録計の熱電対の先端が攪拌混合物の中央部になるようにセットし、硬化時の発熱による温度変化を測定し最高温度を求めた。表2に示す。
【0085】
<膜モジュールの作成>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計600gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液をポリスルフォン製中空糸膜(内径0.75mm外径1.35mm)3000本を挿入した円筒状ポリカーボネート製モジュールケース(内径108mm、長さ580mm)に投入し、遠心成型機で1時間遠心成型した。さらに50℃で48時間養生後、シール部の端部を切断して中空糸を開口させ、膜モジュールを作製した。
【0086】
(膜モジュールの熱サイクル試験)
上記作成した該モジュールを120℃飽和蒸気圧のオートクレーブに2時間、その後0℃の恒温槽に24時間静置する。該冷熱の繰り返しを10サイクル行った後、ポリカーボネート円筒容器とシール材との間に剥離がないか観察した。本試験は10本の試験用膜モジュールを用いて行った。結果を表2に示す。
【0087】
(膜モジュールの加圧耐久性試験)
実施例4および実施例8の膜モジュールを用いて、0℃と80℃でそれぞれ、最高水圧200kPaで濾過と逆洗の繰り返し試験を2000回行った。比較例1の膜モジュールについては80℃のみ同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0088】
【表2】

【0089】
実施例4〜9と比較例の性能評価結果
実施例4〜9の硬化物の貯蔵弾性率は0℃、80℃で差が小さくいずれも590〜890MPaの範囲にあり、温度依存性が小さく、低温特性、耐熱性ともに良いが、比較例は温度依存性が大きいことが判る。
同様に実施例4〜9の硬化物の硬度は0℃、80℃で差が小さくいずれも45〜65の範囲にあり中空糸膜モジュール用のシール材として適した硬度である。比較例1は0℃硬度が高く、80℃硬度が低く、温度依存性が大きい。
実施例4〜9の硬化物、および比較例1の硬化物はいずれも良好な耐加水分解性および耐酸化安定性を示した。
【0090】
実施例4〜9の膜モジュールの熱サイクル試験ではいずれも剥離は認められなかったが、比較例1の膜モジュールでは剥離が認められた。
実施例4及び7の膜モジュールは、いずれもリークを発生しなかった。また、比較例1の膜モジュールを用いて、同条件で80℃の試験を行ったところ、380回目でリークが発生した。膜モジュールを観察するとモジュールケースとシール材の界面に剥離が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のシール材用ウレタン樹脂用ポリマーポリオールおよびポリウレタン樹脂形成性組成物はポリウレタン樹脂に耐熱性を付与すると共に、硬化時の発熱量が少ないことから、これらの性能が重要な中空糸型血液処理器および中空糸型水処理器のシール材として特に好適に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー微粒子(p)がポリオール分散媒(b)中に分散されてなるポリマーポリオールにおいて、(b)がヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有することを特徴とする膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール。
【請求項2】
ヒマシ油誘導体(a)が、下記の化合物1〜4からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリマーポリオール。
化合物1:部分脱水ヒマシ油
化合物2:分子量60〜300の低分子ポリオールもしくは数平均分子量100〜2000のポリエーテルポリオールと、ヒマシ油とのエステル交換反応物
化合物3:分子量60〜300の低分子ポリオールもしくは数平均分子量100〜2000のポリエーテルポリオールと、ヒマシ油脂肪酸とのエステル化物
化合物4:多価カルボン酸とヒマシ油とのエステル化物
【請求項3】
ポリマー微粒子(p)の体積平均粒径が0.01〜60μmである請求項1又は2に記載のポリマーポリオール。
【請求項4】
ポリマーポリオールの重量に基づいて、ポリマー微粒子(p)を20〜70重量%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーポリオール。
【請求項5】
ポリマー微粒子(p)が、ビニル単量体(d)を構成単位とするポリマーを含有する微粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマーポリオール。
【請求項6】
ポリマー微粒子(p)が、さらに、ビニル単量体(d)及び数平均分子量1000〜50000のヒマシ油可溶性エチレン性不飽和化合物(e)を構成単位とするコポリマーを含有する請求項5項に記載のポリマーポリオール。
【請求項7】
(e)が下記(e1)又は(e2)である請求項6に記載のポリマーポリオール。
(e1);水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する数平均分子量が500〜10000のヒマシ油可溶性化合物(f)とカルボキシル基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物(g)との反応物。
(e2);上記化合物(f)とポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基含有化合物(h)と水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物(i)との反応物
【請求項8】
上記化合物(f)が、下記(f1)、(f6−1)、(f7−1)のいずれか1種である請求項7に記載のポリマーポリオール。
(f1);ヒマシ油及び/またはヒマシ油誘導体
(f6−1);(f1)とポリイソシアネートとの水酸基含有ポリウレタン
(f7−1);(f1)とC4〜C40のジカルボン酸との水酸基含有ポリエステル
【請求項9】
ポリオール分散媒中で、分散剤の存在下、ビニル単量体(d)を重合させるポリマーポリオールの製造方法において、分散剤として反応性分散剤を用い、ポリオール分散媒としてヒマシ油及び/又はヒマシ油誘導体(a)を含有するポリオール分散媒(b)を用いることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法。
【請求項10】
反応性分散剤が、数平均分子量1000〜50000のヒマシ油可溶性エチレン性不飽和化合物(e)である請求項9記載の製造方法。
【請求項11】
イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)を必須成分としてなり、(IS)と(AH)を混合してウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂形成性組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリマーポリオールを、イソシアネート成分(IS)と活性水素化合物成分(AH)の少なくとも一方の成分に用いてなる膜モジュールのシール材用ウレタン樹脂形成性組成物。
【請求項12】
請求項11に記載のウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材。

【公開番号】特開2011−98310(P2011−98310A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255721(P2009−255721)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】