説明

自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置

【課題】自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置を提供する。
【解決手段】自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置は、プラットフォーム、光源、イメージセンサー、駆動ユニット、および、コントローラーを含む。プラットフォームは物件を支えるのに用いられる。光源は照明光を提供する。イメージセンサーは、物件のイメージを捕捉するのに用いられる。駆動ユニットは、イメージセンサーを駆動して、イメージセンサーを物件に相対して移動させる。コントローラーは感知イメージを分析して、プラットフォームに物件が存在するか判断すると共に、物件が存在時、スキャン工程を起動する。イメージスキャニング装置は、別にハードウェア素子を設置しなくても、スキャン工程を自動的に起動でき、且つ、ユーザーの操作を簡潔にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージスキャニング装置に関するものであって、特に、自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のイメージスキャニング装置は、多くが、裝置本身により提供されるボタン、または、コンピュータによるソフトウェア方式でスキャン工程を起動するもので、操作が煩雑である。大量の文件をデジタル化しなければならないユーザーにとって、自動的にスキャンする功能がないので、スキャン効率を大幅に低下させている。
現在、自動スキャン功能を有するイメージスキャニング装置は、スイッチ、または、センサーを設置し、イメージスキャニング装置の上蓋が閉じているかを判断することにより、スキャン工程を起動する。これにより、別にハードウェア素子を追加して、コストを増加し、操作時、ユーザーは、上蓋を閉めないと、スキャン工程を起動しないので、効果的にスキャン効率を向上することができない。
よって、いかにして、ユーザーの操作を簡潔にし、且つ、別にハードウェア素子を設置しなくても、イメージスキャニング装置がスキャン工程を起動することができるようにするかが、現在の目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置を提供し、スキャン効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置を提供し、イメージスキャニング装置自身のイメージセンサーにより、プラットフォーム上のイメージを捕捉し、イメージ分析により、プラットフォーム上に物件が存在するか判断する。プラットフォーム上に物件が存在する場合、本発明のイメージスキャニング装置は、スキャン工程を起動する。
本発明の1つの実施例による自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置は、プラットフォーム、光源、イメージセンサー、駆動ユニット、および、コントローラーを含む。プラットフォームは物件を支えるのに用いられる。光源は、プラットフォームの一側に設置されて、照明光を提供する。イメージセンサーは、物件が照明光を反射する反射光を捕捉し、感知イメージを出力する。駆動ユニットは、イメージセンサーを駆動し、物件を相対して移動させる。コントローラーはイメージセンサーと駆動ユニットとに電気的に接続されて、感知イメージを分析して、プラットフォームに物件が存在するか判断すると共に、物件が存在時に、スキャン工程を起動する。
【発明の効果】
【0005】
本発明のイメージスキャニング装置により、別にハードウェア素子を設置しなくても、自動的にスキャン工程を起動することができ、コストが減少でき、且つ、ユーザーの操作を簡潔にし、スキャン効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の1つの実施例による自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置を示す図である。
【図2a】本発明の1つの実施例によるイメージセンサーの感知ブロックの配置を示す図である。
【図2b】本発明の1つの実施例によるイメージセンサーの感知ブロックの配置を示す図である。
【図3】本発明の1つの実施例による自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置のスキャンステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1を参照すると、本発明の1つの実施例による自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置1は、プラットフォーム11、光源12、イメージセンサー13、駆動ユニット14、および、コントローラー15を含む。プラットフォーム11は物件20、例えば、文件、書籍等を支えるのに用いられる。光源12は、プラットフォーム11の一側に設置されて、照明光を提供する。例えば、光源12は、発光ダイオード、または、冷陰極蛍光ランプ(cold cathode fluorescent lamp,CCFL)である。イメージセンサー13は、物件20が光源12から発する照明光を反射する光を捕捉して、感知イメージを出力する。例えば、イメージセンサー13は、電荷結合素子(Charge Coupled Device,CCD)、相補型MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor,CMOS)センサー、または、密着型イメージセンサー(Contact image sensor,CIS)である。
1つの実施例中、プラットフォーム11は透明材質で、光源12とイメージセンサー13はプラットフォーム11の下方に設置される。光源12から発する照明光は、プラットフォーム11により物件20の表面に照射される。照明光は、物件20の表面により反射され、イメージセンサー13により捕捉されて、イメージを形成する。注意すべきことは、本発明の精神を脱離しない範囲で、光源12とイメージセンサー13はプラットフォームの上方に設置してもよい。
駆動ユニット14とイメージセンサー13は連接して、イメージセンサー13を駆動し、イメージセンサー13を物件20に相対して移動させ、大面積のイメージをスキャンする。例えば、駆動ユニット14は、イメージセンサー13を軌道141に沿って移動させ、これにより、イメージセンサー13は、物件20の全てのイメージを捕捉することができる。注意すべきことは、駆動ユニット14とプラットフォーム11は連接して、駆動ユニット14がプラットフォーム11をイメージセンサー13に相対して移動させて、大面積イメージをスキャンする目的を達成することもできることである。
コントローラー15はイメージセンサー13と、駆動ユニット14とに電気的に接続され、イメージセンサー13と駆動ユニット14とを制御し、スキャン工程を起動する。この他、コントローラー15は、イメージセンサー13により捕捉される感知イメージを分析して、プラットフォーム11の上にスキャンが必要な物件20が存在するか判断することもできる。プラットフォーム11の上に物件20が存在する時、例えば、イメージのプレビュー、イメージのスキャン、物件タイプに基づくスキャンパラメータの変更等のスキャン工程を起動する。
図3で、本発明のイメージスキャニング装置1の操作工程を説明する。まず、イメージスキャニング装置1をスタートアップさせるか、または、手動スキャンモードから自動スキャンモードに切り換える時、イメージセンサー13は、所定の検出位置に移動する(S31)と共に、イメージを捕捉する(S32)。コントローラー15は、イメージセンサー13により捕捉される感知イメージを分析し(S33)、プラットフォーム11の上に物件20が存在するか判断する(S34)。プラットフォーム11の上に物件20が存在しない場合、イメージセンサー13は、所定の検出位置で、イメージの捕捉を継続する。プラットフォーム11の上に物件20が存在する場合、コントローラー15は、イメージセンサー13と駆動ユニット14を起動して、スキャン工程を実行する(S35)。イメージスキャン完成(S36)後、イメージセンサー13は、所定の検出位置に移動する(S31)と共に、イメージを捕捉して、コントローラー15に分析、判断させる。
1つの実施例中、コントローラー15は、一回、または、複数回捕捉される感知イメージの輝度変化に基づいて、プラットフォーム11の上に物件20があるか判断する。例えば、イメージセンサー13が、所定の検出位置で、イメージを捕捉する時、光源12は、恒久的な照明光を提供する。プラットフォーム11上に物件20が存在する時、物件20は照明光を反射し、感知イメージに輝度変化を生じさせる。輝度変化が1つの設定値を超過する場合、または、輝度変化が1つの設定時間を超過する時、プラットフォーム11の上に物件20が存在すると判断し、コントローラー15はスキャン工程を起動する。1つの実施例中、イメージセンサー13が、所定の検出位置で、イメージを捕捉する時、光源12は、断続的に発光する。プラットフォーム11の上に物件20が存在しない時、感知イメージの輝度変化は大きくない。感知イメージに規律的な輝度変化が生じる時、プラットフォーム11の上に物件20があると判断し、コントローラー15はスキャン工程を起動する。
図2aを参照すると、1つの実施例中、コントローラー15は、イメージセンサー13を複数の感知ブロック13a〜13eに分けると共に、それぞれ、各感知ブロック13a〜13eにより捕捉される感知イメージの輝度変化を分析する。例えば、物件20は感知ブロック13a、13b、13cの検出範囲に置かれ、感知ブロック13a、13b、13cにより捕捉される感知イメージの輝度と感知ブロック13d、13eにより捕捉される感知イメージの輝度に差異を生じる。コントローラー15は、これにより、感知ブロック13a、13b、13cの検出範囲内に物件20が存在すると判断し、コントローラー15がスキャン工程を起動する。1つの実施例中、感知ブロック13a〜13e中、所定数量を超過する感知ブロックが物件を検出する時だけ、物件20の存在を判定することができる。よって、例えば、体積が設定値より小さい雜物が検出範囲内にあることで生じる輝度変化等の判断ミスを回避することができる。
図2bを参照すると、1つの実施例中、イメージセンサー13は複数の感知ブロック13a〜13eに分けられ、コントローラー15に、感知ブロック13a〜13eにより捕捉される感知イメージの輝度変化により、プラットフォーム11の上に物件20が存在するかを判断することができるだけでなく、コントローラー15が、個別の感知ブロック13a〜13eにより捕捉される感知イメージの輝度変化に基づいて、対応する操作を実行することもできる。例えば、ユーザーの指30が感知ブロック13eの検出範囲に置かれるとき、感知ブロック13eの感知イメージの輝度に変化を生じさせ、コントローラー15が対応する操作、例えば、スキャンタイプ(白黒/グレイレベル/カラー)設定、解像度調整、手動/自動スキャンモード切り換え等を実行する。つまり、適当な配置の感知ブロック13a〜13eは、ユーザーの操作介面となる。注意すべきことは、感知ブロック13a〜13eの大小、位置等は、必要に応じて変更できることである。この他、イメージセンサー13は、点、線、面、または、不規則形状で配置される。
総合すると、本発明の自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置は、イメージスキャニング装置自身のイメージセンサーにより、プラットフォーム上のイメージを捕捉し、イメージ分析により、直接、プラットフォームの上に物件が存在するかを判断し、スキャン工程を起動する。これにより、本発明の自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置は、別にハードウェア素子を設置しなくても、自動的にスキャン工程を起動することができ、コストが減少でき、且つ、ユーザーの操作を簡潔にし、スキャン効率を向上させることができる。
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0008】
1 自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置
11 プラットフォーム
12 光源
13 イメージセンサー
13a〜13e 感知ブロック
14 駆動ユニット
141 軌道
15 コントローラー
20 物件
30 指
S31〜S36 スキャンステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動スキャンが可能なイメージスキャニング装置であって、
物件を支えるプラットフォームと、
前記プラットフォームの一側に設置されて、照明光を提供する光源と、
前記物件が反射する前記照明光の反射光を捕捉して、感知イメージを出力するイメージセンサーと、
前記イメージセンサーを駆動して、前記イメージセンサーを前記物件に相対して移動させる駆動ユニットと、
前記イメージセンサーと前記駆動ユニットとに電気的に接続され,前記感知イメージを分析し、前記プラットフォームに前記物件が存在するかを判断すると共に、前記物件が存在する時、スキャン工程を起動するコントローラーと、
を含むことを特徴とする自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記イメージセンサーを複数の感知ブロックに分け、且つ、所定数量を超過する前記感知ブロックが前記物件を検出する時、前記物件が存在すると判定することを特徴とする請求項1に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項3】
前記コントローラーは、前記イメージセンサーを複数の感知ブロックに分け、ユーザーは、特定の前記感知ブロックにより捕捉される前記感知イメージを変化させることにより、対応する操作を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項4】
前記イメージセンサーが、一回、または、複数回捕捉される前記感知イメージを捕捉して、前記コントローラーに一回、または、複数回捕捉される前記感知イメージを分析させると共に、前記プラットフォームの上に前記物件が存在するかを判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項5】
前記光源は、前記プラットフォームに前記物件が存在しない時、恒久的、または、断続的に発光することを特徴とする請求項1から4のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項6】
前記光源は、発光ダイオード、または、冷陰極蛍光ランプを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項7】
前記イメージセンサーは、前記プラットフォームの下側に設置され、且つ、前記プラットフォームは透明材質であることを特徴とする請求項1から6のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項8】
前記イメージセンサーは、点、線、面、または、不規則形状のイメージセンサーであることを特徴とする請求項1から7のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。
【請求項9】
前記イメージセンサーは、電荷結合素子、相補型MOSセンサー、または、密着型イメージセンサーを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかの一項に記載の自動スキャンが可能なイメージスキャンニング装置。


【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−235362(P2012−235362A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103269(P2011−103269)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(511110267)上海中晶科技有限公司 (1)
【Fターム(参考)】