説明

自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置

【課題】 本発明は、幼児,子供の手指もドアとの間の隙間に挟まれる事故を確実に防止することができる新規の自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置を提供するものである。
【解決手段】 本発明は、方立てまたは戸袋と自動ドアとの間の隙間で手指の挟み事故等の発生を防止するために、該方立て等のドア側に触手した手指をドアから離す凹み斜面を設け、該凹み斜面の凹み奥に触手を感知してドアの走行を停止または反転させる感知センサーを設けたことを特徴とする自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は図7に示すように、方立て1の自動ドア2側に膨出曲面形をしたヘッド3を設け、その内側に触手を感知して作動する感知センサー4を設けて、ドアが開く際にヘッド3に手指等が当たるとその圧にて感知センサー4が作動してドアの開き走行を止めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、成人はともかく、幼児,子供の手指はヘッド3の膨出曲面をすべってドア2との間の隙間にしばしば挟まれて傷を負う等の事故が発生しているという課題がある。
【0005】
しかも手指がヘッド3のドア側にすべったのでは感知センサー4が作動せずしてドアが止まらないために挟み事故が深刻になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は方立てまたは戸袋のドア側に手指が触れるとその手指を自動ドアから離す凹み斜面を設けて、大人は当然のこと、幼児,子供の手指も従来のヘッド3に相当する凹み斜面の先端に振れると該斜面をすべって手指はドアから離され、凹み奥に至って感知センサーを作動してドアの走行を停止または反転することとなるので、幼児,子供の手指を挟む事故も確実に防止するようにして、かかる課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、方立て等のドア側に触手した手指をドアから離す凹み斜面を設けたので、幼児,子供の手指もドアとの間の隙間に挟まれる事故が確実に防止されるという効果を生ずる。
【0008】
万一、手指が凹み斜面とドアとの間の隙間に挟入しても凹み斜面が斜面側に傾倒するために、手指の挟み圧は軽減され、且つ感知センサーが押されることで、ドアは手指の挟入の初期の段階で停止または反転して挟み事故の進行を防止するという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施例を示す部分拡大横断平面図
【図2】同、自動ドアに触れた手指等が凹み斜面をすべってドアから離される状態を示す平面図
【図3】同、底面に至った手指等の押圧により感知センサーが通電作動した状態を示す平面図
【図4】同、手指等がドアとの隙間に入ったときの凹み斜面の傾倒圧により感知センサーが作動した状態を示す平面図
【図5】凹み斜面を対称に設けた例を示す外装カバーの横断平面図
【図6】戸袋のドアを挟んだ内外の出入口の双方に挟み事故防止装置を備えた実施例を示す部分拡大横断平面図
【図7】従来例を示す部分拡大横断平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、方立て,戸袋と自動ドアとの間の隙間で手指の挟み事故等の発生を防止するために、該方立て等のドア側に触手した手指をドアから離す凹み斜面を設け、該凹み斜面の凹み奥に触手を感知してドアの走行を止め、または反転走行させる感知センサーを設けて、自動ドアの開き時に手指が凹み斜面の先端に触れると、手指は凹み斜面3aを滑ってドア2から離れ、万一、手指の先端が隙間2aに入ったときも、凹み斜面が斜面側に傾倒し、その傾倒圧によって感知センサーが作動してドアを停止または反転するようにして挟み事故の進行を防止するようにしたのである。
【実施例1】
【0011】
図1乃至図4は本発明の第1実施例で、方立て1の自動ドア2側の縦方向全長に凹部1aを設け、該凹部1aの縦長全長に断面箱形をした外装カバー5を嵌付け、該カバー5の前面のドア2側に手指等が触れたときにこれらをドア2から離す先薄形をした突出部3aを設け、その内面にて凹み斜面3bを形成する。凹み斜面3bにつながる底面3cの奥、つまり外装カバー5内に感知センサー4を設ける。
【0012】
しかして、感知センサー4は図3,図4からわかるように、導電部6a,6bの押し接触により作動し、離れて解除するようにしている。
【0013】
自動ドア2の開き時に誤ってドア2に近い凹み斜面3bの先端に手指が触れると、手指は凹み斜面3bをすべってドア2から離れて底面3cに至り、底面奥の感知センサー4を作動してドア2を停止または反転することとなるので、ドア2との間の隙間2aに手指等が挟まれる事故は確実に防止されることとなる。
【0014】
万一、手指の先端が隙間2aに入ったとしても図4に示すように凹み斜面3bが斜面側に傾倒して、その傾倒圧によって感知センサー4を作動するので、ドア2は直ちに停止し、または反転して挟み事故に発展することがないものとなる。
【0015】
なお、外装カバー5は図5に示すように凹み斜面3bに対称してドア2から離れた側にも先細の突出部とその内面に斜面3dを設けて均衡させることもある。
【実施例2】
【0016】
図6は本発明の第2実施例で、戸袋1bのドア2を挟んだ内外の出入口1c,1dの双方のドア2側に外装カバー5を嵌付けて凹み斜面3bと感知センサー4を設けたものである。
ドア2を開いて入るときは勿論、出るときも第1実施例に記載した作用を奏すこととなる。
【0017】
いずれにしても、凹み斜面3bは図に示すように触手した手指を凹み底にすべり落ち誘導する長さを持って形成することが望まれる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は外装カバーの前面に先薄の突出部とその内面に凹み斜面を設けてドア開閉の際に誤って触手した手指をセンサー側に滑らせてドアを停止または反転させるという構成によって、新規は勿論のこと、既設の自動ドアにも適用することができることで広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0019】
1は方立て
1aは凹部
1bは戸袋
1c,1dは内外の出入口
2は自動ドア
2aは自動ドアと方立てまたは戸袋間の隙間
3aは突出部
3bは凹み斜面
3cは底面
3dは対称側の凹み斜面
4は感知センサー
5は外装カバー
6a,6bは導電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方立てまたは戸袋と自動ドアとの間の隙間で手指の挟み事故等の発生を防止するために、該方立て等のドア側に触手した手指をドアから離す凹み斜面を設け、該凹み斜面の凹み奥に触手を感知してドアの走行を停止または反転させる感知センサーを設けたことを特徴とする自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置。
【請求項2】
凹み斜面は触手した手指を凹み底に滑り到達させるに充分な長さを有せしめる請求項1に記載の自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置。
【請求項3】
凹み斜面は自動ドアの走行路を挟んだ内外両面の方立てまたは戸袋に設ける請求項1または2に記載の自動ドアにおける手指等の挟み事故防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−242384(P2010−242384A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92575(P2009−92575)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000146582)株式会社信明産業 (17)
【Fターム(参考)】