自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置
【課題】自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置を提供することを課題とする。
【解決手段】位置決め・把持装置10は、給油口54を下にしたタンク上半体31の給油口54に嵌る嵌合部55を有し、嵌合部55に給油口54を嵌めて給油口54の三次元的位置を決定する第1治具20と、嵌合部55の放射溝に進入し広がって給油口54を押さえるクランプ機構69を有し、位置決めしたタンク上半体31を把持する第2治具30とを備える。
【効果】給油口を嵌合部に嵌めないで給油口を把持すると、クランプ機構が給油口に当たってタンク上半体が動き、クランプ機構の中心に対し給油口の中心がずれてタンク上半体を精度良く把持できない。本発明では嵌合部55で給油口54を位置決めしてから、クランプ機構69で給油口54を把持するため、タンク上半体31を精度良く把持できる。
【解決手段】位置決め・把持装置10は、給油口54を下にしたタンク上半体31の給油口54に嵌る嵌合部55を有し、嵌合部55に給油口54を嵌めて給油口54の三次元的位置を決定する第1治具20と、嵌合部55の放射溝に進入し広がって給油口54を押さえるクランプ機構69を有し、位置決めしたタンク上半体31を把持する第2治具30とを備える。
【効果】給油口を嵌合部に嵌めないで給油口を把持すると、クランプ機構が給油口に当たってタンク上半体が動き、クランプ機構の中心に対し給油口の中心がずれてタンク上半体を精度良く把持できない。本発明では嵌合部55で給油口54を位置決めしてから、クランプ機構69で給油口54を把持するため、タンク上半体31を精度良く把持できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車の燃料タンクは、給油口を備えるタンク上半体と、底板であるタンク下半体とからなる。タンク上半体とタンク下半体とは、両者のフランジ部を重ねた状態にて溶接して一体化される。この溶接がロボットで実施される場合、タンク上半体とタンク下半体を位置決めし且つ把持できるようにする必要がある。
【0003】
燃料タンク半体の位置決め・把持装置が各種提案されている(例えば、特許文献1(図3、図7)参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は従来の技術の基本原理を説明する図であり、燃料タンク半体の位置決め・把持装置200は、ロボットアーム201の先端に設けられ、ロボットアーム201に連結した支持台202で支持される燃料タンク203の給油口204を把持している。燃料タンク203は、給油口204を備えるタンク上半体205と、このタンク上半体205に嵌められ底板であるタンク下半体206とからなり、タンク上半体205とタンク下半体206の接続部207の溶接準備が整っている状態である。
【0005】
ところで、溶接前には、タンク上半体205は、給油口204が上になるようにして置かれる。位置決め・把持装置200で給油口204を把持しやすくするためである。タンク上半体205を給油口204を上にして置き、位置決め・把持装置200で給油口204を把持する方法を次に説明する。
【0006】
図11は従来の燃料タンク半体の位置決め・把持装置の構成及び給油口の把持方法を説明する図であり、(a)において、位置決め・把持装置200は、支持台202に連結した連結部材208に取付けられているシリンダ209と、このシリンダ209のピストンロッド211の先端に取付けられ連結部材208に設けたガイド部212に案内されるスライダ213と、連結部材208に連結され給油口204に挿入する挿入部材214と、この挿入部材214に設けたピン215に嵌る長穴216が備えられスライダ213に回転可能に取付ける一対の爪部材217、217とからなる。
【0007】
ロボットアーム(図10、符号201)で挿入部材214及び爪部材217を矢印(1)のように給油口204内に挿入し、連結部材208の当て面218を給油口204の上縁219に当てて、シリンダ209でスライダ213をシリンダ209側に引くと、爪部材217の当接面221が給油口204の下縁222に当たる。これで給油口204を位置決めでき、且つ把持できる。
【0008】
しかし、位置決め・把持装置200では、爪部材217の当接面221を給油口204の下縁222に当てて、爪部材217と当て面218で給油口204の上縁219及び下縁222を挟むまでに、タンク上半体205が動くことがある。結果、(b)に示すように、装置100の中心線223と給油口204の中心線224とが距離L1だけずれてしまい、このような給油口204を三次元座標の基準点に用いると、タンク上半体205とタンク下半体(図10、符号206)とを溶接したときに溶接位置にずれが生じる。これは作業の省人化や自動化の妨げとなり、好ましくない。
【0009】
そこで、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−074261公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置において、ベースに設けられ、前記給油口が下になるようにした前記タンク上半体の前記給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に前記給油口の径方向に複数の放射溝を設け、前記嵌合部に前記給油口が嵌められることで前記給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、前記ベースに対して移動する移動体に設けられ、前記放射溝に進入し拡がることで前記給油口を押さえるクランプ機構を有し、前記位置決めされた前記タンク上半体を把持する第2治具と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、給油口が下になったタンク上半体の給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に給油口が嵌められることで給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、嵌合部に設けた放射溝に進入し拡がることで給油口を押さえるクランプ機構を有し、位置決めされたタンク上半体を把持する第2治具とを備える。
【0014】
仮に給油口を嵌合部に嵌めないでクランプ機構で給油口を押さえると、クランプ機構が給油口に当たったときにタンク上半体が動いて、クランプ機構の中心に対して給油口の中心がずれやすくなり、タンク上半体を精度良く把持できない。
その点、本発明では、嵌合部で給油口の位置決めをしてから、クランプ機構で給油口を押さえるため、タンク上半体を精度良く把持できる。したがって、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る位置決め・把持装置の正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】給油口が下になるようにしたタンク上半体の平面図である。
【図4】位置決め・把持装置の断面図である。
【図5】図4の5矢視図である。
【図6】図4の6矢視図である。
【図7】タンク上半体をベースに載せて後端フランジ部のビードを研削するまでの作用を説明する図である。
【図8】位置決め・把持装置をタンク上半体の内側に挿入して後端フランジ部を位置決めするまでの作用を説明する図である。
【図9】タンク上半体を把持して後端フランジ部を把持するまでの作用を説明する図である。
【図10】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【図11】従来の燃料タンク半体の位置決め・把持装置の構成及び給油口の把持方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明では、給油口が下になるようにしたタンク上半体の給油口側を前、タンク上半体の長手方向に対し給油口と反対側のタンク上半体の端部側を後とする。
【0017】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置10は、ベース11に設けられている第1治具20(詳細後述)と、ベース11に対して移動するロボットアーム21の下端に支持フレーム22を介して設けられている第2治具30(詳細後述)とを備えている。また、位置決め・把持装置10は、給油口が下になるようにベース11に置かれたタンク上半体31(詳細後述)を、位置決めし、把持する装置である。なお、支持フレーム22を支持する装置は、実施例では、移動体にロボットアーム21を適用したが、三次元座標を基に移動できる移動機械であれば形式を問わずに適用可能である。
【0018】
ベース11の後部に、タンク上半体31の上板後端部32を支持する後側支持台33が設けられ、ベース11の前部に、タンク上半体31がベース11に載せられたことを検出する非接触式のタンク上半体センサ34が設けられている。タンク上半体センサ34は、ベース11に設けたセンサ支持部材35で支持されている。タンク上半体センサ34は、非接触式センサを用いるのが好適であるが、接触式センサを用いてもよい。
【0019】
支持フレーム22の前側筒部材36の下部に、第2治具30がタンク上半体31を把持する前の待機位置に下ろされたことを検出する把持待機位置センサ37が、センサ連結部材38を介して設けられている。把持待機位置センサ37は、点39を中心にして揺動するレバー41を備え、このレバー41の下端に回転可能なローラ42が取付けられている。ローラ42がタンク上半体31の上板内面に当たって、レバー41が揺動することにより、第2治具30が待機位置にあることを検出できる。なお、把持待機位置センサ37は、実施例では、接触式センサを用いたが、非接触式センサを用いてもよい。
【0020】
支持フレーム22の後側筒部材43の下部後端に、タンク上半体31の後端フランジ部44を把持する後側クランプ機構45が設けられている。後側クランプ機構45は、後側筒部材43に連結したシリンダ支持部材46に設けられている後側シリンダ47と、シリンダ支持部材46に揺動可能に取付けられているリンク48と、このリンク48と後側シリンダ47のピストンロッド49とに回転可能に連結されシリンダ支持部材46の前部下端に設けた後側受け面51とで後端フランジ部44を挟む後側爪部材52とからなる。
【0021】
加えて、シリンダ支持部材46の後側受け面51の左右両側に、タンク上半体31の後端フランジ部44の左右側面を挟んでタンク上半体31が動くのを規制する左右一対の回り止め部材53(詳細後述)が設けられている。
【0022】
タンク上半体31の構造を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、タンク上半体31の給油口54が、第1治具20から上方へ突出している嵌合部55に嵌められている。
【0023】
タンク上半体31は、底板であるタンク下半体を取付けるための下半体接続フランジ部56、57を有する。フランジ部56は左側のフランジ部、フランジ部57は右側のフランジ部である。フランジ部56とフランジ部57との間に形成される開放部23から、第2治具(図1、符号30)が挿入される。
【0024】
タンク上半体31の組立てを図3に基づいて説明する。
図3に示すように、タンク上半体31は、上半体左部58と、上半体右部59とからなる。上半体左部58と上半体右部59は、突合わせ溶接で一体になる。符号61は、突合わせ溶接で生じた長手溶接線である。
【0025】
位置決め・把持装置の構造を図4に基づいて説明する。
図4に示すように、第1治具20は、ベース11に設けられ、給油口(図2、符号54)が下になるようにしたタンク上半体(図2、符号31)の給油口に嵌合する嵌合部55を有する。また、第1治具20は、嵌合部55に給油口が嵌められることで給油口の三次元的位置を決定させる治具である。嵌合部55の平面形状は後述するが、嵌合部55は、上方に突出した嵌合部材95を3つ備える。
【0026】
第1治具20は、嵌合部材95よりも外側に配置されタンク上半体の上板(図2、符号62)を支持すると共に平面である上板支持面63を備える。加えて、嵌合部材95は、上板支持面63に直交するように設けられ、給油口の内周面(図2、符号64)に当たって給油口を位置決めする下側位置決め面65を備える。
【0027】
また、嵌合部材95に、下側位置決め面65に連続し第1治具20外方から内方へ向けて傾斜している傾斜面66が設けられている。嵌合部材95に傾斜面66を設けると、傾斜面がない場合に比べて、給油口を嵌合部55に嵌める作業が円滑になる。
【0028】
第1治具20は、ベース11に設けたピン部材67に嵌る穴68を底部に備えている。ベース11に第1治具20を組付ける際、穴68がピン部材67に嵌るので、第1治具20の組付けを容易に実施できる。
【0029】
第2治具30は、放射溝(後述)に進入し拡がることで給油口を押さえる前側クランプ機構69を有し、位置決めされたタンク上半体(図1、符号31)を把持する治具である。
【0030】
前側クランプ機構69は、前側筒部材36に連結されたシリンダ支持ブロック71にボルト72で取付けられている前側シリンダ73と、この前側シリンダ73のピストンロッド74の下端にボルト75で取付けられている連結部材76と、シリンダ支持ブロック71の下端に連結された中間ブロック78にボルト79で取付けられている上側位置決めブロック81(詳細後述)と、このブロック81に支持ピン82で回転自在に取付けられ連結部材76に設けた移動ピン83に挿入される長穴84を有する前側爪部材85とからなる。上側位置決めブロック81及び前側爪部材85は、第2治具30に3つ設けられており、詳細は後述する。
【0031】
上側位置決めブロック81の下端に、上方に凹んでいる溝部86が設けられ、この溝部86の第2治具30内側に、第2治具30を下降させたときに給油口(図2、符号54)の内周面(図2、符号64)が当たる上側位置決め面87が設けられている。加えて、上側位置決めブロック81の下端に、溝部86よりも第2治具30外側に配置した前側受け面88が設けられている。この前側受け面88と、前側爪部材85の先端に備えた前側押さえ面89とで、タンク上半体の上板(図2、符号62)を挟む。
【0032】
前側シリンダ73を作動させてピストンロッド74を押出すと、連結部材76と共に移動ピン83が下降するので、前側爪部材85が支持ピン82を中心として回転する。結果、想像線で示すように、前側爪部材85が上側位置決めブロック81の下端に接近する。前側受け面88と前側押さえ面89との間の高さH1で、タンク上半体の上板(図2、符号62)を挟む。
【0033】
嵌合部55の平面上での配置を図5に基づいて説明する。
図5に示すように、嵌合部55に、タンク上半体の給油口(図2、符号54)の径方向に3つの放射溝96が設けられている。この放射溝96は、前側クランプ機構(図4、符号69)の前側爪部材(図4、符号85)が進入する部位である。
【0034】
加えて、嵌合部55は、3つの放射溝96で分割されているため、円弧上に形成される3つの嵌合部材95を備える。3つの嵌合部材95に、各々下側位置決め面65が設けられ、3つの下側位置決め面65の半径R1は同一である。なお、点P1は第1治具20の中心点であり、この中心点P1は位置決め・把持装置(図1、符号10)の中心線(図1、符号24)に一致する。タンク上半体の給油口を嵌合部55に嵌めるとき、給油口の内周面(図2、符号64)が3つの下側位置決め面65に当たるので、給油口を確実に位置決めできる。
【0035】
上側位置決めブロック81及び前側爪部材85の平面上での配置を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、第2治具30に、上側位置決めブロック81及び前側爪部材85が放射状に配置されている。
【0036】
3つの上側位置決めブロック81に、各々上側位置決め面87が設けられている。3つの上側位置決め面87の半径R1は、すべて同一であると共に、3つの下側位置決め面(図5、符号65)の半径R1(図5参照)とも同一である。なお、点P2は第2治具30の中心点であり、この中心点P2は位置決め・把持装置(図1、符号10)の中心線(図1、符号24)に一致する。第2治具30を給油口(図2、符号54)に向けて下降させると、3つの上側位置決め面87が給油口の内周面(図2、符号64)に当たるので、給油口を確実に位置決めできる。
【0037】
なお、前側爪部材85の数量は、ロボットアームへの教示難易度等を考慮して実施例で示した3つが好適であるが、2つにしても4つにしてもよい。
【0038】
以上に述べた位置決め・把持装置10の作用を次に述べる。
図7(a)に示すように、第1治具20及び後側支持台33を準備する。
(b)に示すように、タンク上半体31の給油口54を、第1治具20の嵌合部55に嵌め、次にタンク上半体31の上板後端部32を後側支持台33に載せる。
【0039】
(c)に示すように、後端フランジ部44を後側クランプ機構(図1、符号45)で把持する前に、後端フランジ部44の長手溶接線61を回転砥石97で研削する。回転砥石97を矢印(2)のように長手溶接線61の上面に当てて研削し、回転砥石97を矢印(3)のように長手溶接線61の下面に当てて研削する。
【0040】
図8(a)に示すように、第2治具30及び後側クランプ機構45を矢印(4)のように下降させる。
(b)に示すように、把持待機位置センサ37にレバー41を介して設けたローラ42を、タンク上半体31の上板内面101に当てると、レバー41が点39を中心にして矢印(5)のように揺動する。結果、把持待機位置センサ37がオン状態になる。
【0041】
(c)に示すように、後端フランジ部44の上面102に、シリンダ支持部材46に連結された後側受け部材103を当てる。加えて、後端フランジ部44の左端104に、後側受け部材103に連結された左回り止め部材105を当て、後端フランジ部44の右端106に、後側受け部材103に連結された右回り止め部材53を当てる。
【0042】
図9(a)に示すように、給油口54を嵌合部55に嵌め、給油口54の内周面64を上側位置決めブロック81の上側位置決め面87に当てる。前側シリンダ(図4、符号73)のピストンロッド(図4、符号74)を押出すと、連結部材76が矢印(6)のように下降し、同時に移動ピン83も下降する。
【0043】
結果、前側爪部材85が支持ピン82を中心にして矢印(7)のように揺動するため、(b)に示すように、上側位置決めブロック81と前側爪部材85で上板62を把持する。
【0044】
(c)に示すように、後側シリンダ47のピストンロッド49を矢印(8)のように押出すと、ピン112を中心にして想像線で示すリンク48が揺動すると同時に、想像線で示す後側爪部材52が矢印(9)のように揺動する。結果、後側爪部材52の爪113と後側受け部材103とで後端フランジ部44を挟むことができる。
【0045】
仮に給油口を嵌合部に嵌めないでクランプ機構で給油口を押さえると、クランプ機構が給油口に当たったときにタンク上半体が動いて、クランプ機構の中心に対して給油口の中心がずれやすくなり、タンク上半体を精度良く把持できない。
その点、本発明では、嵌合部55で給油口54の位置決めをしてから、前側クランプ機構69で給油口54を押さえるため、タンク上半体31を精度良く把持できる。したがって、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置10を提供することができる。
【0046】
尚、本発明に係る位置決め・把持装置は、実施の形態では自動二輪車の燃料タンク半体(タンク上半体)に適用したが、その他に一般家庭用灯油タンクや各種缶類にも適用可能であり、一般の製缶機器に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の位置決め・把持装置は、自動二輪車の燃料タンク半体に好適である。
【符号の説明】
【0048】
10…位置決め・把持装置、11…ベース、20…第1治具、21…移動体、30…第2治具、31…タンク上半体、54…給油口、55…嵌合部、69…クランプ機構、96…放射溝。
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車の燃料タンクは、給油口を備えるタンク上半体と、底板であるタンク下半体とからなる。タンク上半体とタンク下半体とは、両者のフランジ部を重ねた状態にて溶接して一体化される。この溶接がロボットで実施される場合、タンク上半体とタンク下半体を位置決めし且つ把持できるようにする必要がある。
【0003】
燃料タンク半体の位置決め・把持装置が各種提案されている(例えば、特許文献1(図3、図7)参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は従来の技術の基本原理を説明する図であり、燃料タンク半体の位置決め・把持装置200は、ロボットアーム201の先端に設けられ、ロボットアーム201に連結した支持台202で支持される燃料タンク203の給油口204を把持している。燃料タンク203は、給油口204を備えるタンク上半体205と、このタンク上半体205に嵌められ底板であるタンク下半体206とからなり、タンク上半体205とタンク下半体206の接続部207の溶接準備が整っている状態である。
【0005】
ところで、溶接前には、タンク上半体205は、給油口204が上になるようにして置かれる。位置決め・把持装置200で給油口204を把持しやすくするためである。タンク上半体205を給油口204を上にして置き、位置決め・把持装置200で給油口204を把持する方法を次に説明する。
【0006】
図11は従来の燃料タンク半体の位置決め・把持装置の構成及び給油口の把持方法を説明する図であり、(a)において、位置決め・把持装置200は、支持台202に連結した連結部材208に取付けられているシリンダ209と、このシリンダ209のピストンロッド211の先端に取付けられ連結部材208に設けたガイド部212に案内されるスライダ213と、連結部材208に連結され給油口204に挿入する挿入部材214と、この挿入部材214に設けたピン215に嵌る長穴216が備えられスライダ213に回転可能に取付ける一対の爪部材217、217とからなる。
【0007】
ロボットアーム(図10、符号201)で挿入部材214及び爪部材217を矢印(1)のように給油口204内に挿入し、連結部材208の当て面218を給油口204の上縁219に当てて、シリンダ209でスライダ213をシリンダ209側に引くと、爪部材217の当接面221が給油口204の下縁222に当たる。これで給油口204を位置決めでき、且つ把持できる。
【0008】
しかし、位置決め・把持装置200では、爪部材217の当接面221を給油口204の下縁222に当てて、爪部材217と当て面218で給油口204の上縁219及び下縁222を挟むまでに、タンク上半体205が動くことがある。結果、(b)に示すように、装置100の中心線223と給油口204の中心線224とが距離L1だけずれてしまい、このような給油口204を三次元座標の基準点に用いると、タンク上半体205とタンク下半体(図10、符号206)とを溶接したときに溶接位置にずれが生じる。これは作業の省人化や自動化の妨げとなり、好ましくない。
【0009】
そこで、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−074261公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置において、ベースに設けられ、前記給油口が下になるようにした前記タンク上半体の前記給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に前記給油口の径方向に複数の放射溝を設け、前記嵌合部に前記給油口が嵌められることで前記給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、前記ベースに対して移動する移動体に設けられ、前記放射溝に進入し拡がることで前記給油口を押さえるクランプ機構を有し、前記位置決めされた前記タンク上半体を把持する第2治具と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、給油口が下になったタンク上半体の給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に給油口が嵌められることで給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、嵌合部に設けた放射溝に進入し拡がることで給油口を押さえるクランプ機構を有し、位置決めされたタンク上半体を把持する第2治具とを備える。
【0014】
仮に給油口を嵌合部に嵌めないでクランプ機構で給油口を押さえると、クランプ機構が給油口に当たったときにタンク上半体が動いて、クランプ機構の中心に対して給油口の中心がずれやすくなり、タンク上半体を精度良く把持できない。
その点、本発明では、嵌合部で給油口の位置決めをしてから、クランプ機構で給油口を押さえるため、タンク上半体を精度良く把持できる。したがって、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る位置決め・把持装置の正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】給油口が下になるようにしたタンク上半体の平面図である。
【図4】位置決め・把持装置の断面図である。
【図5】図4の5矢視図である。
【図6】図4の6矢視図である。
【図7】タンク上半体をベースに載せて後端フランジ部のビードを研削するまでの作用を説明する図である。
【図8】位置決め・把持装置をタンク上半体の内側に挿入して後端フランジ部を位置決めするまでの作用を説明する図である。
【図9】タンク上半体を把持して後端フランジ部を把持するまでの作用を説明する図である。
【図10】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【図11】従来の燃料タンク半体の位置決め・把持装置の構成及び給油口の把持方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明では、給油口が下になるようにしたタンク上半体の給油口側を前、タンク上半体の長手方向に対し給油口と反対側のタンク上半体の端部側を後とする。
【0017】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置10は、ベース11に設けられている第1治具20(詳細後述)と、ベース11に対して移動するロボットアーム21の下端に支持フレーム22を介して設けられている第2治具30(詳細後述)とを備えている。また、位置決め・把持装置10は、給油口が下になるようにベース11に置かれたタンク上半体31(詳細後述)を、位置決めし、把持する装置である。なお、支持フレーム22を支持する装置は、実施例では、移動体にロボットアーム21を適用したが、三次元座標を基に移動できる移動機械であれば形式を問わずに適用可能である。
【0018】
ベース11の後部に、タンク上半体31の上板後端部32を支持する後側支持台33が設けられ、ベース11の前部に、タンク上半体31がベース11に載せられたことを検出する非接触式のタンク上半体センサ34が設けられている。タンク上半体センサ34は、ベース11に設けたセンサ支持部材35で支持されている。タンク上半体センサ34は、非接触式センサを用いるのが好適であるが、接触式センサを用いてもよい。
【0019】
支持フレーム22の前側筒部材36の下部に、第2治具30がタンク上半体31を把持する前の待機位置に下ろされたことを検出する把持待機位置センサ37が、センサ連結部材38を介して設けられている。把持待機位置センサ37は、点39を中心にして揺動するレバー41を備え、このレバー41の下端に回転可能なローラ42が取付けられている。ローラ42がタンク上半体31の上板内面に当たって、レバー41が揺動することにより、第2治具30が待機位置にあることを検出できる。なお、把持待機位置センサ37は、実施例では、接触式センサを用いたが、非接触式センサを用いてもよい。
【0020】
支持フレーム22の後側筒部材43の下部後端に、タンク上半体31の後端フランジ部44を把持する後側クランプ機構45が設けられている。後側クランプ機構45は、後側筒部材43に連結したシリンダ支持部材46に設けられている後側シリンダ47と、シリンダ支持部材46に揺動可能に取付けられているリンク48と、このリンク48と後側シリンダ47のピストンロッド49とに回転可能に連結されシリンダ支持部材46の前部下端に設けた後側受け面51とで後端フランジ部44を挟む後側爪部材52とからなる。
【0021】
加えて、シリンダ支持部材46の後側受け面51の左右両側に、タンク上半体31の後端フランジ部44の左右側面を挟んでタンク上半体31が動くのを規制する左右一対の回り止め部材53(詳細後述)が設けられている。
【0022】
タンク上半体31の構造を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、タンク上半体31の給油口54が、第1治具20から上方へ突出している嵌合部55に嵌められている。
【0023】
タンク上半体31は、底板であるタンク下半体を取付けるための下半体接続フランジ部56、57を有する。フランジ部56は左側のフランジ部、フランジ部57は右側のフランジ部である。フランジ部56とフランジ部57との間に形成される開放部23から、第2治具(図1、符号30)が挿入される。
【0024】
タンク上半体31の組立てを図3に基づいて説明する。
図3に示すように、タンク上半体31は、上半体左部58と、上半体右部59とからなる。上半体左部58と上半体右部59は、突合わせ溶接で一体になる。符号61は、突合わせ溶接で生じた長手溶接線である。
【0025】
位置決め・把持装置の構造を図4に基づいて説明する。
図4に示すように、第1治具20は、ベース11に設けられ、給油口(図2、符号54)が下になるようにしたタンク上半体(図2、符号31)の給油口に嵌合する嵌合部55を有する。また、第1治具20は、嵌合部55に給油口が嵌められることで給油口の三次元的位置を決定させる治具である。嵌合部55の平面形状は後述するが、嵌合部55は、上方に突出した嵌合部材95を3つ備える。
【0026】
第1治具20は、嵌合部材95よりも外側に配置されタンク上半体の上板(図2、符号62)を支持すると共に平面である上板支持面63を備える。加えて、嵌合部材95は、上板支持面63に直交するように設けられ、給油口の内周面(図2、符号64)に当たって給油口を位置決めする下側位置決め面65を備える。
【0027】
また、嵌合部材95に、下側位置決め面65に連続し第1治具20外方から内方へ向けて傾斜している傾斜面66が設けられている。嵌合部材95に傾斜面66を設けると、傾斜面がない場合に比べて、給油口を嵌合部55に嵌める作業が円滑になる。
【0028】
第1治具20は、ベース11に設けたピン部材67に嵌る穴68を底部に備えている。ベース11に第1治具20を組付ける際、穴68がピン部材67に嵌るので、第1治具20の組付けを容易に実施できる。
【0029】
第2治具30は、放射溝(後述)に進入し拡がることで給油口を押さえる前側クランプ機構69を有し、位置決めされたタンク上半体(図1、符号31)を把持する治具である。
【0030】
前側クランプ機構69は、前側筒部材36に連結されたシリンダ支持ブロック71にボルト72で取付けられている前側シリンダ73と、この前側シリンダ73のピストンロッド74の下端にボルト75で取付けられている連結部材76と、シリンダ支持ブロック71の下端に連結された中間ブロック78にボルト79で取付けられている上側位置決めブロック81(詳細後述)と、このブロック81に支持ピン82で回転自在に取付けられ連結部材76に設けた移動ピン83に挿入される長穴84を有する前側爪部材85とからなる。上側位置決めブロック81及び前側爪部材85は、第2治具30に3つ設けられており、詳細は後述する。
【0031】
上側位置決めブロック81の下端に、上方に凹んでいる溝部86が設けられ、この溝部86の第2治具30内側に、第2治具30を下降させたときに給油口(図2、符号54)の内周面(図2、符号64)が当たる上側位置決め面87が設けられている。加えて、上側位置決めブロック81の下端に、溝部86よりも第2治具30外側に配置した前側受け面88が設けられている。この前側受け面88と、前側爪部材85の先端に備えた前側押さえ面89とで、タンク上半体の上板(図2、符号62)を挟む。
【0032】
前側シリンダ73を作動させてピストンロッド74を押出すと、連結部材76と共に移動ピン83が下降するので、前側爪部材85が支持ピン82を中心として回転する。結果、想像線で示すように、前側爪部材85が上側位置決めブロック81の下端に接近する。前側受け面88と前側押さえ面89との間の高さH1で、タンク上半体の上板(図2、符号62)を挟む。
【0033】
嵌合部55の平面上での配置を図5に基づいて説明する。
図5に示すように、嵌合部55に、タンク上半体の給油口(図2、符号54)の径方向に3つの放射溝96が設けられている。この放射溝96は、前側クランプ機構(図4、符号69)の前側爪部材(図4、符号85)が進入する部位である。
【0034】
加えて、嵌合部55は、3つの放射溝96で分割されているため、円弧上に形成される3つの嵌合部材95を備える。3つの嵌合部材95に、各々下側位置決め面65が設けられ、3つの下側位置決め面65の半径R1は同一である。なお、点P1は第1治具20の中心点であり、この中心点P1は位置決め・把持装置(図1、符号10)の中心線(図1、符号24)に一致する。タンク上半体の給油口を嵌合部55に嵌めるとき、給油口の内周面(図2、符号64)が3つの下側位置決め面65に当たるので、給油口を確実に位置決めできる。
【0035】
上側位置決めブロック81及び前側爪部材85の平面上での配置を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、第2治具30に、上側位置決めブロック81及び前側爪部材85が放射状に配置されている。
【0036】
3つの上側位置決めブロック81に、各々上側位置決め面87が設けられている。3つの上側位置決め面87の半径R1は、すべて同一であると共に、3つの下側位置決め面(図5、符号65)の半径R1(図5参照)とも同一である。なお、点P2は第2治具30の中心点であり、この中心点P2は位置決め・把持装置(図1、符号10)の中心線(図1、符号24)に一致する。第2治具30を給油口(図2、符号54)に向けて下降させると、3つの上側位置決め面87が給油口の内周面(図2、符号64)に当たるので、給油口を確実に位置決めできる。
【0037】
なお、前側爪部材85の数量は、ロボットアームへの教示難易度等を考慮して実施例で示した3つが好適であるが、2つにしても4つにしてもよい。
【0038】
以上に述べた位置決め・把持装置10の作用を次に述べる。
図7(a)に示すように、第1治具20及び後側支持台33を準備する。
(b)に示すように、タンク上半体31の給油口54を、第1治具20の嵌合部55に嵌め、次にタンク上半体31の上板後端部32を後側支持台33に載せる。
【0039】
(c)に示すように、後端フランジ部44を後側クランプ機構(図1、符号45)で把持する前に、後端フランジ部44の長手溶接線61を回転砥石97で研削する。回転砥石97を矢印(2)のように長手溶接線61の上面に当てて研削し、回転砥石97を矢印(3)のように長手溶接線61の下面に当てて研削する。
【0040】
図8(a)に示すように、第2治具30及び後側クランプ機構45を矢印(4)のように下降させる。
(b)に示すように、把持待機位置センサ37にレバー41を介して設けたローラ42を、タンク上半体31の上板内面101に当てると、レバー41が点39を中心にして矢印(5)のように揺動する。結果、把持待機位置センサ37がオン状態になる。
【0041】
(c)に示すように、後端フランジ部44の上面102に、シリンダ支持部材46に連結された後側受け部材103を当てる。加えて、後端フランジ部44の左端104に、後側受け部材103に連結された左回り止め部材105を当て、後端フランジ部44の右端106に、後側受け部材103に連結された右回り止め部材53を当てる。
【0042】
図9(a)に示すように、給油口54を嵌合部55に嵌め、給油口54の内周面64を上側位置決めブロック81の上側位置決め面87に当てる。前側シリンダ(図4、符号73)のピストンロッド(図4、符号74)を押出すと、連結部材76が矢印(6)のように下降し、同時に移動ピン83も下降する。
【0043】
結果、前側爪部材85が支持ピン82を中心にして矢印(7)のように揺動するため、(b)に示すように、上側位置決めブロック81と前側爪部材85で上板62を把持する。
【0044】
(c)に示すように、後側シリンダ47のピストンロッド49を矢印(8)のように押出すと、ピン112を中心にして想像線で示すリンク48が揺動すると同時に、想像線で示す後側爪部材52が矢印(9)のように揺動する。結果、後側爪部材52の爪113と後側受け部材103とで後端フランジ部44を挟むことができる。
【0045】
仮に給油口を嵌合部に嵌めないでクランプ機構で給油口を押さえると、クランプ機構が給油口に当たったときにタンク上半体が動いて、クランプ機構の中心に対して給油口の中心がずれやすくなり、タンク上半体を精度良く把持できない。
その点、本発明では、嵌合部55で給油口54の位置決めをしてから、前側クランプ機構69で給油口54を押さえるため、タンク上半体31を精度良く把持できる。したがって、自動二輪車の燃料タンク半体を精度良く把持できる位置決め・把持装置10を提供することができる。
【0046】
尚、本発明に係る位置決め・把持装置は、実施の形態では自動二輪車の燃料タンク半体(タンク上半体)に適用したが、その他に一般家庭用灯油タンクや各種缶類にも適用可能であり、一般の製缶機器に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の位置決め・把持装置は、自動二輪車の燃料タンク半体に好適である。
【符号の説明】
【0048】
10…位置決め・把持装置、11…ベース、20…第1治具、21…移動体、30…第2治具、31…タンク上半体、54…給油口、55…嵌合部、69…クランプ機構、96…放射溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置において、
ベースに設けられ、前記給油口が下になるようにした前記タンク上半体の前記給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に前記給油口の径方向に複数の放射溝を設け、前記嵌合部に前記給油口が嵌められることで前記給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、
前記ベースに対して移動する移動体に設けられ、前記放射溝に進入し拡がることで前記給油口を押さえるクランプ機構を有し、前記位置決めされた前記タンク上半体を把持する第2治具と、を備えていることを特徴とする自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置。
【請求項1】
給油口が設けられ底板であるタンク下半体が取付けられていないタンク上半体を、位置決めし、把持する自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置において、
ベースに設けられ、前記給油口が下になるようにした前記タンク上半体の前記給油口に嵌合する嵌合部を有し、この嵌合部に前記給油口の径方向に複数の放射溝を設け、前記嵌合部に前記給油口が嵌められることで前記給油口の三次元的位置を決定させる第1治具と、
前記ベースに対して移動する移動体に設けられ、前記放射溝に進入し拡がることで前記給油口を押さえるクランプ機構を有し、前記位置決めされた前記タンク上半体を把持する第2治具と、を備えていることを特徴とする自動二輪車の燃料タンク半体の位置決め・把持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−218008(P2012−218008A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83855(P2011−83855)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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