自動倉庫装置
【課題】一対の格納棚との間で格納物を移載する移載ユニットの小型化を図ることを目的とする。
【解決手段】一対の格納棚との間で格納物を移載可能な移載ユニット60が、移載部70と移載部70を移動させる移載部移動機構部130とを有している。移載部移動機構部130が、一対の回転支持輪141と、一対の回転支持輪141に巻かけられた無端環状部材150と、無端環状部材150に突出状に設けられた押動部材160とを有している。移載部70が前記押動部材160を挿入可能な溝176を有する受部材170を有している。押動部材160が前記溝176内を移動しつつ、受部材170を介して移載部70を押動する。
【解決手段】一対の格納棚との間で格納物を移載可能な移載ユニット60が、移載部70と移載部70を移動させる移載部移動機構部130とを有している。移載部移動機構部130が、一対の回転支持輪141と、一対の回転支持輪141に巻かけられた無端環状部材150と、無端環状部材150に突出状に設けられた押動部材160とを有している。移載部70が前記押動部材160を挿入可能な溝176を有する受部材170を有している。押動部材160が前記溝176内を移動しつつ、受部材170を介して移載部70を押動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動貸金庫装置等、格納物を自動で出し入れする自動倉庫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動貸金庫装置として、特許文献1に開示のものがある。
【0003】
特許文献1は、収納棚間で昇降自在なキャリッジと、このキャリッジに搭載されて、対面配置された一対の収納棚に対して内函を移載する移載ユニットとを開示している。移載ユニットは、ベースフレームの前後両端に、互いに平行な棒状の係合部材が水平に付設された構成とされている。この移載ユニットの下端部にある一対の支持プレートがタイミングベルトに連結されている。そして、モータの駆動により前記タイミングベルトを回転させることで、一方の係合部材をキャリッジから一方の収納棚に延出させる位置と他方の係合部材をキャリッジから他方の収納棚に延出させる位置との間で移載ユニットを移動させて、収納棚に対する内函の移載を行う構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−328753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の移載ユニットでは、移載ユニットの下端部にある一対の支持プレートがタイミングベルトに連結されている。このため、移載ユニットの支持部分と一方側の棒状部分間の長さ寸法を、収納棚に対して内函を移載可能な十分な長さ寸法に設定する必要がある。また、対面する一対の収納棚に対して内箱を移載するためには、移載ユニットの支持部分と他方側の棒状部分間の長さ寸法も、上記と同様に十分な長さ寸法に設定する必要がある。
【0006】
その結果、移載ユニットの前後長が大きくなってしまい、一対の収納棚間でのキャリッジの長さも大きくなってしまう。すると、一対の収納棚間にも、当該キャリッジが走行可能な十分な間隔を設ける必要があり、自動貸金庫装置全体が大型化してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、一対の格納棚との間で格納物を移載する移載ユニットの小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る自動倉庫装置は、それぞれ格納物を格納可能な格納部を複数有し、間隔を有して対向配置された一対の格納棚と、前記格納物を載置可能な載置部を有するベース部材と、一端部を一方側の前記格納棚側に延出させる一方側延出位置と、他端部を他方側の前記格納棚側に延出させる他方側延出位置との間で移動可能に支持された移載部と、前記移載部を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させる移載部移動機構部とを有し、前記各格納部との間で格納物を移載可能な移載ユニットと、前記移載ユニットを前記各格納部に対向する位置間で移動させる搬送機構部とを備え、前記移載部移動機構部が、前記移載ユニットにおいて一方側の前記格納棚に近い位置と他方側の格納棚に近い位置とのそれぞれに設けられた一対の回転支持輪と、前記一対の回転支持輪に巻きかけられた無端環状部材と、前記無端環状部材に突出状に設けられた押動部材とを有し、前記移載部が、前記押動部材を挿入可能な溝を有する受部材を有し、前記押動部材が前記一対の回転支持輪間を直線状に移動する状態では、前記押動部材が前記溝内に配設されて前記受部材を介して前記移載部を押動し、前記押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態では前記押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動する。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫装置であって、前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されている。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫装置であって、前記押動部材は、前記無端環状部材の外周側に突出している。
【発明の効果】
【0011】
第1の態様によると、押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態でも当該押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動することができる。これにより、移載部の一端部を一方側の前記格納棚側に十分に延出させることができると共に、移載部の他端部を他方側の前記格納棚側に十分に延出させることができ、移載部の小型化、さらには、移載ユニットの小型化を図ることができる。
【0012】
第2の態様によると、前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されているため、押動部材の動きをより正確に移載部に伝達して当該移載部を動かすことができる。
【0013】
第3の態様によると、押動部材が回転支持輪の外形に沿って移動する状態では、無端環状部材よりも押動部材の突出寸法分離れた位置で、押動部材が受部材を押動することができる。このため、無端環状部材に対して押動部材が支持された位置よりも外方位置で押動部材が受部材を押すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る自動貸金庫装置を示す概略斜視図である。
【図2】同上の自動貸金庫装置を示す概略側面図である。
【図3】同上の自動貸金庫装置を示す概略平面図である。
【図4】移載ユニットを示す概略平面図である。
【図5】移載ユニットを示す概略正面図である。
【図6】移載用昇降駆動機構部による昇降動作を示す説明図である。
【図7】移載用昇降駆動機構部による昇降動作を示す説明図である。
【図8】中間支持ベース部、一対の可動支持部、移載部移動機構部及び移載部を示す概略平面図である。
【図9】図8のIX−IX線における概略断面図である。
【図10】図9において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【図11】移載部移動機構部及び移載部を示す概略側面図である。
【図12】移載部移動機構部と移載部との連結部分を示す側面図である。
【図13】同上の連結部分を示す底面図である。
【図14】同上の連結部分を示す正面図である。
【図15】図12と同様側面図において移載部が端部まで移動した状態を示す図である。
【図16】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図17】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図18】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図19】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る自動貸金庫装置について説明する。なお、本実施形態では、格納物として金庫ボックスを対象とし、当該金庫ボックスを格納棚に対して自動で出し入れする自動貸金庫装置の例で説明するが、その他、コンテナ等の格納物を格納棚に対して自動で出し入れする自動倉庫装置に対して適用することができる。
【0016】
<全体構成>
まず、自動貸金庫装置の全体構成について説明する。図1は自動貸金庫装置10を示す概略斜視図であり、図2は同自動貸金庫装置10を示す概略側面図であり、図3は同自動貸金庫装置10を示す概略平面図である。
【0017】
この自動貸金庫装置10は、一対の格納棚12と、ブース台20と、ブース側搬送機構部30と、棚側搬送機構部40と、移載ユニット60とを備えている。この自動貸金庫装置10では、上記一対の格納棚12に格納された金庫ボックス90が、移載ユニット60及び棚側搬送機構部40、さらに、ブース側搬送機構部30を介してブース台20に搬送される。これにより、利用者は、当該ブース台20において金庫ボックス90に対する物品(通常は、貴重品)等の出し入れを行う。また、利用者による金庫ボックス90の利用終了後、ブース台20に位置する金庫ボックス90が、ブース側搬送機構部30、さらに棚側搬送機構部40及び移載ユニット60を介して一対の格納棚12に格納される。
【0018】
格納棚12は、金庫ボックス90を格納可能な格納部13を複数有している。ここでは、格納棚12は、適宜間隔を有して立設された複数の棚支柱に、複数の棚板が略水平面に沿った姿勢で鉛直方向に間隔をあけて多段に配設固定された構成とされている。これにより、棚支柱及び棚段によって画される略直方体空間が、金庫ボックス90を格納可能な格納部13として、縦横に並ぶようにして複数構成されている。もっとも、格納棚は、上記構成に限られず、複数の棒状部材を組合わせた骨組状のフレーム構造によって構成されていてもよい。要するに、格納棚は、金庫ボックスを格納可能な格納部を複数有していればよい。かかる格納棚12は、平面視において所定方向に長い長尺状、より具体的には、所定方向に長い長方形状を呈している。
【0019】
一対の格納棚12は、その長手方向を一方向に揃えた姿勢で、間隔を有して対向配置されている。換言すれば、一対の格納棚12は、間隔を有して並列状に配設されている。一対の格納棚12間には、棚側搬送機構部40及び移載ユニット60を配設可能な幅の隙間が形成されている。
【0020】
この一対の格納棚12は、通常、立入りを管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取囲まれた金庫室18内に設置される。
【0021】
また、金庫室18の近傍、ここでは、金庫室18に隣接して利用ブース28が設けられており、この利用ブース28内にブース台20が設けられている。ここで、利用ブース28は、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉29を通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース28と金庫室18との間も、仕切壁19によって仕切られている。
【0022】
ブース台20は、上部に天板22を有する略筺状に形成されている。天板22には、略方形状の天板開口23が形成されており、ブース台20内部の金庫ボックス90が、当該天板開口23を通じて天板22に突出するように配設される。このように、ブース台20の天板22に突出するように金庫ボックス90が配設されることで、金庫の利用者は金庫ボックス90に対して物品の出し入れを行えるようになる。なお、上記天板開口23は、その内部に金庫ボックス90が配設されていない状態では、開閉自在な蓋によって塞がれていることが好ましい。
【0023】
また、ブース台20の内部空間は、上記仕切壁19を貫通して金庫室18内に連通しており、金庫室18内の金庫ボックス90はその連通部分を経由してブース台20内に搬送される。
【0024】
また、移載ユニット60は、一対の格納棚12の双方に対して金庫ボックス90を移載可能に構成されている。そして、移載ユニット60が各格納棚12のいずれかの格納部13と対向する位置に配設された状態で、当該対向する格納部13に格納された金庫ボックス90を自己に取込むように移載して載置状に支持し、或は、自己に載置状に支持した金庫ボックス90を対向する格納部13に送込むように移載して当該格納部13に載置状に格納する。この移載ユニット60については、後で詳述する。
【0025】
棚側搬送機構部40は、上記移載ユニット60を、一対の格納棚12の任意の格納部13に対向させる位置と、ブース側搬送機構部30に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0026】
より具体的には、棚側搬送機構部40は、走行機構部42と、昇降機構部50とを備えている。
【0027】
走行機構部42は、一対の格納棚12間の隙間の延在方向に沿って、当該一対の格納棚12の各格納部13に対向する位置とブース側搬送機構部30に対向する位置との間で往復移動可能に構成されている。このような走行機構部42としては、モータ等の回転駆動によって車輪を回転させることで走行する機構等、周知構造を含む種々の移動機構を採用することができる。
【0028】
昇降機構部50は、移載ユニット60を、格納棚12の最下段の格納部13と最上段の格納部13との間で昇降移動させ、当該移載ユニット60を、各段の格納部13及びブース側搬送機構部30に対向する各位置に昇降移動させるように構成されている。このような昇降機構部50としては、例えば、移載ユニット60を一対の支柱52によって昇降移動可能に支持し、一方の支柱52の上下端部に設けられた一対の歯車に環状ベルト(環状チェーン等)を巻掛け、移載ユニット60を一対の歯車体間で環状ベルトに連結し、一方の歯車体をモータ等の駆動部で回転させることで、環状ベルトを回転させて、移載ユニット60を昇降移動させる構成を採用することができる。昇降機構部50としては、上記の他、リニアモータを用いた構成であってもよいし、つり合いおもりを用いたトラクション式の機構において滑車部分をモータで駆動して移載ユニット60を昇降させる構成であってもよい。
【0029】
ブース側搬送機構部30は、上記棚側搬送機構部40との間で金庫ボックス90を移載可能に構成されると共に、金庫ボックス90をブース台20に対して搬出入可能に構成されている。より具体的には、ブース側搬送機構部30は、ブース側水平移動部32と、ブース側昇降移動部36とを有している。ブース側水平移動部32は、一方の格納部13の一側部とブース台20内のブース側昇降移動部36との間に配設されている。ブース側水平移動部32は、一方の格納棚12の外側方位置で移載ユニット60との間で金庫ボックス90を移載可能に構成されると共に、一方の格納棚12の外側方位置とブース側昇降移動部36と隣接する位置との間で金庫ボックス90を往復移動させるように構成されている。このようなブース側水平移動部32としては、複数のローラが所定方向に沿って適宜間隔をあけて略並列姿勢で回転可能に支持されると共に、当該ローラがモータ等の駆動により搬送方向に沿って回転駆動されるようにしたコンベア等、周知の水平移動機構を含む種々構成を採用することができる。ブース側昇降移動部36は、ブース台20内部であって天板開口23の下方に設けられており、上記ブース側水平移動部32から金庫ボックス90が移載されると、当該金庫ボックス90を天板開口23から突出させるように上昇させると共に、天板開口23から突出する金庫ボックス90をブース側水平移動部32に移載可能な位置に下降させるように構成されている。このようなブース側昇降移動部36としては、上記昇降機構部50と同様に、モータと環状ベルト等を利用した構成、リニアモータを用いた構成等、周知技術を含む種々の昇降機構を採用することができる。
【0030】
なお、ブース側水平移動部32とブース側昇降移動部36と間における金庫ボックス90の移載は、別途、モータ等の駆動により金庫ボックス90を押圧移動させるプッシャー機構を設け、当該プッシャー機構の駆動によって行ってもよいし、或は、ブース側昇降移動部36にブース側水平移動部32と同様のコンベアを設け、当該コンベアとブース側水平移動部32との協動的な搬送動作により行われるものであってもよい。ここでは、後者の例で説明する。
【0031】
この自動貸金庫装置では、ブース側搬送機構部30によって、移載ユニット60を各格納部13に対向する位置とブース台20に対して金庫ボックス90を搬出入可能な位置との間で移動させる搬送機構部が構成されている。
【0032】
もっとも、ブース側昇降移動部36を省略し、ブース側水平移動部32による金庫ボックス90の移動動作によって金庫ボックス90が天板開口23の下方位置に配設され、金庫ボックス90がその位置から上昇することなく当該位置で利用者が金庫ボックス90を利用可能な構成であってもよい。また、ブース側水平移動部32が省略され、棚側搬送機構部40とブース側昇降移動部36との間で直接的に金庫ボックス90が移載される構成であってもよい。また、ブース側搬送機構部30が省略され、棚側搬送機構部40によって直接的にブース台20に対して金庫ボックス90が搬出入される構成であってもよい。
【0033】
また、自動倉庫装置として構成する場合には、ブース台20、ブース側搬送機構部30等を省略し、棚側搬送機構部40と外部との間で直接格納物を出し入れするようにしてもよい。
【0034】
また、この自動貸金庫装置10は、制御ユニット96と入力部98とを備えている。入力部98は、キーボード、タッチパネル等、本自動貸金庫装置10に対する諸指示を受付け可能に構成されており、受付けた諸指示を制御ユニット96に入力可能なように当該制御ユニット96に接続されている。入力部98は、利用ブース28内に設けられていてもよいし、別箇所に設けられていてもよい。制御ユニット96は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、上記ブース側搬送機構部30と棚側搬送機構部40と移載ユニット60とのそれぞれに対して諸動作指令を付与可能に接続されている。そして、この制御ユニット96は、予め格納されたソフトウエアプログラム及び入力部98を通じて入力された諸指示に従って、次述するように、本自動貸金庫装置10の全体動作を制御する。もっとも、制御ユニット96は、ブース側搬送機構部30と棚側搬送機構部40と移載ユニット60との制御を司る制御ユニットと、金庫ボックス90の出し入れ指令等に係る諸指示を受付ける制御ユニット等、物理的に複数の制御ユニットの連携処理によって実現されていてもよい。
【0035】
この自動貸金庫装置10による金庫ボックス90の出し入れ動作について説明する。
【0036】
まず、一対の格納棚12の各格納部13にそれぞれ金庫ボックス90が格納されている。なお、金庫ボックス90を各格納棚12に格納するに際して、各格納部13の位置と金庫ボックス90の特定情報とを対応づけた格納位置情報が作成され、当該格納位置情報が制御ユニット96の記憶部又は当該制御ユニット96からアクセス可能な記憶部に記憶されている。
【0037】
この状態で、入力部98に対して所定の金庫ボックス90の特定情報及び当該金庫ボックス90を利用したい旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。すると、制御ユニット96は、格納位置情報を参照して特定された金庫ボックス90が存在する格納部13の位置を特定し、当該特定された格納部13に対向する位置に移載ユニット60を移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は当該特定された格納部13に対向する位置に移動する。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の取込み指令が与えられ、移載ユニット60は特定された格納部13から金庫ボックス90を取込むようにして移載動作を行う(図3の矢符P1参照)。
【0038】
上記動作が終了すると、制御ユニット96は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は、一方の格納棚12の外側方位置で、ブース側水平移動部32と対向する位置に配設される(図3の矢符P2参照)。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の送出し指令が与えられ、移載ユニット60は、自己に載置された金庫ボックス90をブース側水平移動部32に送込むようにして移載動作を行う(図3の矢符P3参照)。
【0039】
上記移載動作が完了すると、制御ユニット96からブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36に金庫ボックス90をブース台20側へ搬送する指令が与えられ、ブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を搬送してブース側昇降移動部36に送込む(図2及び図3の矢符P4参照)。金庫ボックス90がブース側昇降移動部36に移載されると、制御ユニット96からブース側昇降移動部36に金庫ボックス90を上昇させる旨の指令が与えられ、ブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を上昇させる(図2の矢符P5参照)。これにより、金庫ボックス90は略方形の天板開口23から突出するようにしてブース台20に配設される。そして、利用者は、当該金庫ボックス90を、自己に貸与された鍵等を用いて解錠し、蓋を開いて利用することができる。
【0040】
金庫ボックス90を格納部13に格納する場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0041】
すなわち、利用者が金庫ボックス90の利用終了後、蓋を閉じて施錠した後、入力部98に対して金庫ボックス90を格納する旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。
【0042】
格納指示入力後、制御ユニット96による制御下、ブース側昇降移動部36が金庫ボックス90を下降移動させ、その後、ブース側昇降移動部36及びブース側水平移動部32は金庫ボックス90をブース側昇降移動部36から一方の格納棚12の外側方位置に搬送する。
【0043】
この後、制御ユニット96による制御下、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させ、続いて、移載ユニット60はブース側水平移動部32上の金庫ボックス90を取込むように移載する。続いて、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60を、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動させる。金庫ボックス90を格納すべき格納部13の位置は、取出し前に格納されていた位置であってもよいし、他の空き位置であってもよい。後者の場合、格納位置情報を当該格納位置に合わせて更新するとよい。そして、移載ユニット60は、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動した状態で、自己に載置された金庫ボックス90を当該格納部13に送込むようにして移載する。これにより、金庫ボックス90が格納部13に格納され、動作を終了する。
【0044】
<移載ユニットについて>
移載ユニット60についてより詳細に説明する。図4は移載ユニット60を示す概略平面図であり、図5は移載ユニット60を示す概略正面図である。
【0045】
移載ユニット60は、ベース部材62と、移載部70と、中間支持ベース部82と、移載用昇降駆動機構部100と、移載部水平支持機構部としての一対の可動支持部110と、移載部移動機構部130とを有している。概略的には、上記ベース部材62は、上記昇降機構部50により格納棚12の各段の格納部13と対向配置可能なように昇降移動される部分であり、本移載ユニット60の基台となる部分である。このベース部材62に対して、中間支持ベース部82が昇降可能に支持されると共に、中間支持ベース部82に対して移載部70が一対の格納棚12間を結ぶ方向(つまり、金庫ボックス90を移載する際に移動させる移載方向)で移動可能に支持されている。そして、移載用昇降駆動機構部100の駆動によって移載部70が昇降移動することで金庫ボックス90に対する移載部70の係脱動作が制御されつつ、移載部移動機構部130の駆動により各格納部13に向けて進退移動することで、移載部70が格納部13に格納された金庫ボックス90をベース部材62上に取込み、或は、移載部70がベース部材62上に載置された金庫ボックス90を格納部13側に押込むようにして、金庫ボックス90の移載動作を行うようになっている。
【0046】
より具体的には、ベース部材62は、金庫ボックス90を載置可能な載置部として一対の金庫ボックス支持フレーム63を有している。金庫ボックス支持フレーム63は、一対の格納棚12を結ぶ方向(移載方向)に延びる長尺部材に形成されている。金庫ボックス支持フレーム63は、金庫ボックス90の一側部底面部分を載置状に支持する底面支持面63aと金庫ボックス90の側面をガイド支持する側面ガイド面63bとを有している。一対の金庫ボックス支持フレーム63は、それぞれの側面ガイド面63bを対向させると共にそれらの間に間隔をあけた略平行姿勢で、一対の横フレーム64を介して連結固定されている。一対の金庫ボックス支持フレーム63の対向する底面支持面63aの内側縁部間の間隔は、金庫ボックス90の幅よりも小さく、かつ、対向する側面ガイド面63b間の間隔は金庫ボックス90の幅よりも大きい。なお、一対の側面ガイド面63bの両端部は、外方に向けて外向き傾斜する傾斜面に形成されている。
【0047】
そして、一対の金庫ボックス支持フレーム63間のいずれかの外方にある金庫ボックス90が、一対の側面ガイド面63bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の底面支持面63a上を滑るようにして移動して、一対の金庫ボックス支持フレーム63間で載置状に支持される。また、逆に、一対の金庫ボックス支持フレーム63間で載置状に支持された金庫ボックス90が、一対の側面ガイド面63bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の底面支持面63a上を滑るようにして移動して、一対の金庫ボックス支持フレーム63間のいずれかの外方に移動される。
【0048】
もっとも、一対の金庫ボックス支持フレーム63は、上記のように金庫ボックス90をスライド移動可能に支持する構成である必要はない。例えば、金庫ボックス支持フレームが、前記移載方向両端部に設けられた一対のプーリー体と、当該一対のプーリー体に巻きかけられた無端環状ベルトとを有し、金庫ボックスの移動方向に応じて一対のプーリー体間で無端環状ベルトが走行する構成であってもよい。この場合、モータによって、金庫ボックスの移動方向に合せて一対のプーリー体間で無端環状ベルトを走行駆動させるとよい。つまり、一対の金庫ボックス支持フレームは、金庫ボックス等の格納物を移動可能に載置支持できる構成であればよい。
【0049】
また、一対の金庫ボックス支持フレーム63のそれぞれの外方部分に、昇降ガイドローラ66a、66bを有する昇降ガイド部材66がそれぞれ取付けられている。そして、昇降ガイドローラ66a、66bが昇降機構部50の一対の支柱52に形成された昇降ガイド溝52aに従動回転可能に配設されることで、本ベース部材62が昇降可能に支持されている。
【0050】
また、一方の金庫ボックス支持フレーム63の外方部分にベルト連結部材54が取付けられており、当該ベルト連結部材54が一方の支柱52に沿って配設された環状ベルト53に連結固定されている。そして、昇降機構部50に備えられたモータの駆動により前記環状ベルト53が回転することで、本ベース部材62が昇降駆動される。
【0051】
中間支持ベース部82は、平面視において一対の金庫ボックス支持フレーム63の間隔よりも幅狭でかつ一対の金庫ボックス支持フレーム63と略同じ又は小さい長さを有する部材に形成されている。この中間支持ベース部82の底面には昇降ガイドロッド83Gが複数(ここでは、中間支持ベース部82の両端部に2つ)垂設されている。そして、当該各昇降ガイドロッド83Gがベース部材62側の対応する昇降ガイド部材65に移動可能に挿通されることによって、中間支持ベース部82が、ベース部材62上であって一対の金庫ボックス支持フレーム63間の位置(一対の可動支持部110間の位置でもある)で、後述する移載部70の移動力作用片74を金庫ボックス90に当接、係合させる上昇位置と、移動力作用片74を金庫ボックス90に当接、係合、或は干渉させない下降位置との間(図6、図7参照、後述する)で昇降可能に支持されている。
【0052】
移載用昇降駆動機構部100は、上記中間支持ベース部82を上記上昇位置と下降位置との間で昇降駆動可能に構成されている。すなわち、移載用昇降駆動機構部100は、モータ102と、昇降機構部104と、昇降中間伝達部としての環状ベルト体106とを有している。モータ102は、一方の金庫ボックス支持フレーム63にブラケットを介して固定されている。昇降機構部104は、一対の金庫ボックス支持フレーム63の幅方向中間部において一対の金庫ボックス支持フレーム63の延在方向に沿って延びる軸部104aと、当該軸部104aに回転不能に固着されたカム片104bとを有している。軸部104aは、一対の横フレーム64に垂下状に取付けられたブラケットに回転自在に支持されている。また、カム片104bは、略卵板状に形成されており、軸部104aの長手方向に沿って複数箇所(ここでは両端の2カ所)に設けられている。また、環状ベルト体106は、モータ102の回転駆動力を、軸部104aを回転させる力として伝達する要素であり、ここでは、モータ102の回転軸部に固着されたプーリー体102aと上記軸部104a側のプーリー体104dとに巻掛けられた環状ベルト体106として構成されている。なお、軸部104a側のプーリー体104dの回転は歯車を介して軸部104aに伝達される。また、モータ102と軸部104aとの中間にあるプーリー体104eは、環状ベルト体106と他の部材との干渉を避けつつ環状ベルト体106にテンションを付与するものである。勿論、このプーリー体104eは省略されてもよい。
【0053】
図6及び図7は、移載用昇降駆動機構部100による昇降動作を示す説明図である。図4〜図7に示すように、モータ102の回転により軸部104a周りにカム片104bが回転し、当該カム片104bの大径部分が上方に回転移動して中間支持ベース部82の底面側(ここでは中間支持ベース部82の底面に突設状に設けられた介在受部82a)に接触するようになると、当該中間支持ベース部82が上昇位置に上昇移動する。この状態からさらにカム片104bが回転し前記大径部分が下方に回転移動して小径部分が中間支持ベース部82の底面に接触するようになると、当該中間支持ベース部82が下降位置に下降移動する。この中間支持ベース部82の上昇下降移動に応じて、移載部70が昇降移動する。
【0054】
なお、カム片104bは、上記のように略卵板状に形成された構成に限られず、円盤又は円柱状のローラを、軸部104aに対して偏心させて当該軸部104aに取付けた構成であってもよい。特に、円柱状のローラを用いた方が耐摩耗性という点で有利である。
【0055】
中間支持ベース部82上に移載部70を水平移動自在に支持する構成について説明する。図8は中間支持ベース部82、一対の可動支持部110、移載部移動機構部130及び移載部70を示す概略平面図であり、図9は図8のX−X線における概略断面図であり、図10は図9において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【0056】
上記したように、中間支持ベース部82はベース部材62に対して昇降可能に支持されており、平面視においてはベース部材62に対して一定位置に支持されている。この中間支持ベース部82上に一対の可動支持部110が前記移載方向に沿って移動可能に支持され、一対の可動支持部110上に移載部70が移載方向に沿って移動可能に支持されている。
【0057】
より具体的には、一対の可動支持部110は、それぞれ前記移載方向に沿って金庫ボックス支持フレーム63内に収る長さ寸法で当該移載方向に沿って延在する部材に形成されている。一対の可動支持部110は、次の構成によって中間支持ベース部82上に移動可能に支持されている。
【0058】
すなわち、一対の可動支持部110のうち外側を向く外面には、複数のガイドローラ112が回転可能に支持されている。ここでは、可動支持部110の両端部よりも内側よりの中間領域に、間隔をあけて複数(ここでは4つ)のガイドローラ112が設けられている。
【0059】
中間支持ベース部82は、一対の金庫ボックス支持フレーム63間に存在する部材であり、一対の主ガイド部材84を有している。主ガイド部材84は、金庫ボックス支持フレーム63の長さ寸法と略同じ長さ寸法を有する長尺部材であり、一対の金庫ボックス支持フレーム63間であって中間支持ベース部82の両側部分に、移載方向に沿って配設されている。また、主ガイド部材84のうち相互に対向する部分には、移載方向に沿って延びるガイド溝84aが形成されている。ガイド溝84aは、主ガイド部材84の両端部及び内向きに開口しており、その内向き開口部分はやや幅狭に形成されている。そして、ガイドローラ112が、ガイド溝84a内に上下方向及び幅方向の位置を規制された状態で移載方向に沿って移動可能に支持されるようになっている。
【0060】
そして、一対の可動支持部110のそれぞれの複数のガイドローラ112が、一対の主ガイド部材84のガイド溝84a内にその長手方向に沿って移動可能に配設されることで、一対の可動支持部110が移載方向に対して略直交する方向で間隔を有して配設され、それぞれ中間支持ベース部82上に前記移載方向に沿って移動可能に支持される。より具体的には、一対の可動支持部110は、一方側の端部を載置部としての一対の金庫ボックス支持フレーム63から延出させる位置と他方側の端部を載置部としての一対の金庫ボックス支持フレーム63から前記とは反対側に延出させる位置との間で移載方向に沿って移動可能に支持される。
【0061】
なお、一対の可動支持部110を中間支持ベース部82上に移動可能に支持する構成は上記例に限られない。例えば、レールとそのレールに沿って移動する可動体との間にボール等の転動体を介在させた機構(スライドベアリング等と呼ばれるもの)を採用してもよい。
【0062】
また、一対の可動支持部110は、それぞれ移載部70を移載方向に沿って移動可能、より具体的には、一方側の格納棚12に近い側の一端部と他方側の格納棚12に近い側の端部との間で移動可能に支持するように構成されている。
【0063】
すなわち、移載部70は、移載ベース部72と、一対の移動力作用片74とを有している。移載ベース部72は、水平方向に沿って延在する略方形板状に形成されており、そのうちの一方側の格納棚12側の端部及び他方側の格納棚12側の端部のそれぞれに移動力作用片74が形成されている。各移動力作用片74は、移載ベース部72の端部から上方に向うと共に金庫ボックス支持フレーム63の延在方向に対して略直交する方向に延びる長尺板状に形成されている。そして、各移動力作用片74が金庫ボックス90の本体部92の一対の側面に形成された押出引込片94(後述する)の内面に当接することで当該金庫ボックス90を引出し、或は、移動力作用片74が金庫ボックス90の本体部92の側面或は押出引込片94の外面に当接することで当該金庫ボックス90を押出して、金庫ボックス90を移動させる。つまり、移動力作用片74は、金庫ボックス90に対して移動力を作用させる移動力作用部として用いられている(図16〜図19参照)。なお、この移載部70の底部には、移載部移動機構部130からの駆動力を受ける受部材170が設けられている。この受部材170については後で詳述する。
【0064】
上記移載部70は、一対の可動支持部110に対してガイド部115により移載方向に沿って移動可能に支持されている。ガイド部115が移載部70を移動可能に支持する構成としては、ガイド部115に形成された溝内を、移載部70に設けられた可動部材がその開口方向への抜けを防止された状態で移動に配設された構成、ガイド部115に設けられたガイドロッドが移載部70に設けられた孔付の突部に挿通された構成等を採用することができる。
【0065】
なお、上記ガイド部115の両端部には、ネジ等によるストッパ118が取付固定されており、ガイド部115の両端部からの移載部70の脱落が防止されている。
【0066】
なお、ここでは、一対の可動支持部110によって移載部70を移動可能に支持しているが、一対のレール等によって移動可能に支持された単一の可動支持部によって移載部70が移動可能に支持されていてもよい。
【0067】
上記構成により一対の可動支持部110のいずれかの端部を一対の金庫ボックス支持フレーム63のいずれかの端部から延出させる位置に移動させることができ、かつ、移載部70を一対の可動支持部110のいずれかの端部に移動させることができる。そして、一対の可動支持部110の一方側の端部を一対の金庫ボックス支持フレーム63の一方側の端部から延出させる位置に移動させると共に、移載部70を可動支持部110の一端側に移動させることで、移載部70の一方側の端部(つまり、一方側の移動力作用片74)が一対の金庫ボックス支持フレーム63から一方側の格納棚12側に向けて延出する位置(一方側延出位置)に配設される(図10参照)。この状態で、移載部70に大きな荷重が加わったとしても、可動支持部110は、その移載方向に沿って複数配設されたガイドローラ112によって支持されているため、当該荷重を十分に受止めることができる支持強度が得られる。また、これとは逆方向に可動支持部110及び移載部70を移動させることで、移載部70の他方側の端部(他方側の移動力作用片74)が一対の金庫ボックス支持フレーム63から他方側の格納棚12側に向けて延出する位置(他方側延出位置)に配設される。
【0068】
上記のように移動可能に支持された移載部70を移動させる構成について説明する。図11は移載部移動機構部130及び移載部70を示す概略側面図であり、図12は移載部移動機構部130と移載部70との連結部分を示す側面図であり、図13は同連結部分を示す底面図であり、図14は同連結部分を示す正面図であり、図15は図12と同様側面図において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【0069】
移載部移動機構部130は、移載部70を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させるように構成され、一対の回転支持輪141と、無端環状部材150と、押動部材160とを備えている。そして、水平移動駆動力発生源としての水平駆動用モータ132の駆動によって押動部材160を移載方向に沿って移動させるようになっている。なお、これらの各部は、これらの各部は、中間支持ベース部82に適宜ブラケット、支軸部等を介して取付けられており、中間支持ベース部82と共に昇降移動可能とされている。
【0070】
より具体的には、水平駆動用モータ132は、回転駆動力を発生させる要素であり、平面視において一対の金庫ボックス支持フレーム63間に位置するように、中間支持ベース部82に支持されている。ここでは、水平駆動用モータ132は、その回転軸を移載方向に沿って配設した姿勢で中間支持ベース部82の移載方向中間部に支持されている。
【0071】
一対の回転支持輪141及び無端環状部材150は、水平駆動用モータ132による駆動力を、押動部材160を移動させる力として伝達する水平移動伝達部140の構成要素の一部である。すなわち、水平移動伝達部140は、一対の回転支持輪141、無端環状部材150と複数の伝達歯車144とを有している。
【0072】
一対の回転支持輪141は、外周部に突状の歯が複数形成されたチェーン用歯車であり、移載ユニット60において一方側の格納棚12に近い位置と他方側の格納棚12に近い位置とのそれぞれに設けられている。より具体的には、一対の回転支持輪141は、中間支持ベース部82の移載方向両端部であって、一対のガイド部115間に設けられている。もっとも、一対の回転支持輪141は、一対のガイド部115間ではなく、当該一対のガイド部115の外側方に設けられていてもよい。
【0073】
無端環状部材150は、複数のコマ部材152が連結軸部154を介して回転可能な態様で環状に連結された環状チェーンに構成されており、一対の回転支持輪141に循環回転可能に巻かけられている。
【0074】
また、伝達歯車144は、水平駆動用モータ132の回転軸部に取付けられた傘歯車144a及び当該傘歯車144aと噛合して回転方向を変換する傘歯車144b(図4、図8参照)、一対の回転支持輪141間の下方で無端環状部材150に噛合するチェーン噛合歯車144c等を有している。なお、チェーン噛合歯車144cの近傍に、無端環状部材150がチェーン噛合歯車144cにより強い力で押付けられるように、無端環状部材150にテンションを付与する補助歯車144dが設けられている。そして、水平駆動用モータ132による回転駆動力が傘歯車144a、傘歯車144b及びチェーン噛合歯車144c等を介して無端環状部材150に伝達され、水平駆動用モータ132の正逆両方向への回転駆動に応じて、無端環状部材150が正逆両方向に回転駆動される構成とされている。
【0075】
なお、モータ等によって一対の回転支持輪141の一方を回転駆動させて、無端環状部材150を正逆両方向に回転駆動させる構成であってもよい。
【0076】
この移載部移動機構部130は、一方側の移動力作用片74が一対の金庫ボックス支持フレーム63から一方側の格納棚12側に向けて延出するように移載部70を移動させると共に、他方側の移動力作用片74が一対の金庫ボックス支持フレーム63から他方側の格納棚12側に向けて延出するように移載部70を移動させるように構成されている。
【0077】
上記を実現するため、無端環状部材150が移載部70に力を作用させる構成についてより詳細に説明する。
【0078】
すなわち、押動部材160が無端環状部材150に突出状に設けられている。ここでは、無端環状部材150を構成するコマ部材152の途中に介在するように、回転可能な態様で押動部材160が連結されている。
【0079】
より具体的には、押動部材160は、押動本体部162と、棒状部164とを有している。
【0080】
押動本体部162は、コマ部材152よりも厚み寸法及び高さ寸法共に大きい略直方体ブロック状に形成され、その底部にコマ部材152を配設可能なコマ配設溝163が形成されている。そして、押動本体部162の一部を無端環状部材150の外周側に突出させるようにして、2つのコマ部材152の各端部がコマ配設溝163内に配設され、連結軸部163aを介して回転可能に連結されている。
【0081】
また、棒状部164は、押動本体部162の上部に、回転支持輪141の軸方向に沿って設けられている。従って、この棒状部164は、無端環状部材150の外周側に突出位置に配設されているといえる。また、棒状部164の両端部は無端環状部材150及び押動本体部162の両側外方に突出している。棒状部164のうち少なくとも外方に突出する部分は丸棒状に形成され、後述する受部材170に形成された溝内に回転可能に配置可能とされている。
【0082】
また、移載部70の底面には、受部材170が取付固定されている。受部材170は、上記棒状部164の端部を挿入可能な溝176を有している。より具体的には、受部材170は、移載部70の底面にねじ止等により固定された基板部171と、基板部171の両側部に垂下状に設けられた一対の側板部172とを有している。基板部171の底面略中央部には、上記押動本体部162を配設可能な凹部173が形成されている。また、一対の側板部172の移載方向略中央には、当該移載方向に略直交する方向(上下方向)に沿って溝176が形成されている。溝176は、側板部172の下方に開口すると共に凹部173の天井面を超える長さ寸法の溝に形成されている。なお、溝176の下方は必ずしも開口している必要はない。なお、基板部171にも、溝176の先端部同士を繋ぐように溝171gが形成されている。また、溝176は、棒状部164の棒状部164の両端部の直径に応じた幅寸法、即ち、棒状部164の直径よりも僅かに大きい幅寸法に形成されている。これにより、棒状部164の両端部を溝176の下方開口より挿入すると、当該棒状部164を溝176内にその長手方向に沿って移動可能かつ回転可能に配設できるようになっている。
【0083】
そして、棒状部164が一対の回転支持輪141の軸間に存在する状態では、押動本体部162の上部が凹部173内に配設されると共に、棒状部164の両端部が溝176の先端部内に配設された状態となっている(図12参照)。この状態で、無端環状部材150の回転により押動部材160を移載方向に沿って直線状に移動させると、棒状部164が溝176のいずれかの側面を押して受部材170及び移載部70を移載方向に沿って移動させることができる。
【0084】
また、上記状態から押動部材160が一対の回転支持輪141の軸間外方に移動すると、押動部材160及び棒状部164は、回転支持輪141の弧状外形状に沿って外方に向けて徐々に下方に移動する。すると、棒状部164は、溝176内で回転しつつ溝176の下方に向けて移動する。そして、棒状部164は、溝176の下方でも溝176のいずれか一方の側面を押して受部材170及び移載部70を移動させることができる。これにより、移載部70の一端部(又は他端部)が格納棚12に向けて十分に延出するように、移載部70を一対の回転支持輪141の軸間外方に向けて移動させることができる。また、この状態から無端環状部材150を逆方向に回転させると、棒状部164が溝176の他方側の側面を押して受部材170及び移載部70を一対の回転支持輪141間に向けて移動させることができる。このように、押動部材160が回転支持輪141に沿って弧状に移動する際にも、押動部材160と受部材170との係合状態を保つことで、押動部材160の移動により受部材170及び移載部70を移動させることができることとなる。
【0085】
上記移載ユニット60の移載動作について図16〜図19を参照して説明する。なお、図16〜図19では説明の便宜上、各構成部分を簡略化或は誇張して描いている場合がある。
【0086】
まず、図16に示すように、格納棚12の格納部13に金庫ボックス90が載置状に格納されているとする。金庫ボックス90は、略筺状の本体部92と本体部92の対向する一対の側面に設けられた押出引込片94とを有している。押出引込片94は、板状部材を略L字状に折曲げた部材であり、略筺状の本体部92の側面から離れた位置で下方に延設された垂片94aを有している。垂片94aの下端部は、本体部92の底面よりも上側(若干上側)の位置に配設されている。
【0087】
そして、棚側搬送機構部40により移載ユニット60が格納部13に対向する位置に移動される。なお、この状態で、一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面は、格納部13の載置支持面よりも上方(僅かに上方)位置にある。
【0088】
上記状態で、移載ユニット60の移載部70は、下降位置に配設されている。この下降位置では、移動力作用片74の上端部は、押出引込片94の垂片94aの下端部よりも下方にあり、さらに、一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面よりも下方にある。
【0089】
上記状態から、図17に示すように、移載部移動機構部130の駆動により移載部70が格納部13側に向けて移動する。そして、一方側の移動力作用片74が垂片94aを越えて当該垂片94aと本体部92間に移動すると、移載用昇降駆動機構部100の駆動により移載部70が上昇位置に上昇する。一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面と格納部13の載置支持面との高さ違い分と同じもしくはそれ以上、金庫ボックス90の一側部を上方に持上げるように、移載部70を上昇させる。
【0090】
この後、図18に示すように、移載部移動機構部130の駆動により移載部70が反対側の格納部13側に向けて移動する。すると、一方側の移動力作用片74と垂片94aとの当接により、金庫ボックス90が一対の金庫ボックス支持フレーム63上を滑るようにして一対の金庫ボックス支持フレーム63上に引込まれ、格納部13から移載ユニット60への移載動作が終了する。
【0091】
一方、移載ユニット60上にある金庫ボックス90を格納部13に向けて移載する場合には、図19に示すように、移載部70の一方側の移動力作用片74を押出引込片94の外面に当接させた状態で、移載部移動機構部130の駆動により移載部70を当該格納部13側に向けて移動させる。すると、金庫ボックス90が一対の金庫ボックス支持フレーム63上を滑るようにして移動して、格納部13側に所定位置まで押込まれる。これにより、移載ユニット60から格納部13への移載動作が終了する。
【0092】
なお、金庫ボックス90を一対の金庫ボックス支持フレーム63から格納部13に押込移動させる際、それらの載置面の高さ違い分、金庫ボックス90が下方に落ちてしまう。そこで、移載部70の一対の移動力作用片74の基端側部分から外方に向けて補助片を形成し、移載部70の一方の移動力作用片74により金庫ボックス90を格納部13内に押込んだ後、押出引込片94の垂片94aの下端部を前記補助片で支持しつつ、移載部70を下降させることで、金庫ボックス90の一側部分を自由落下させることなく低衝撃で格納部13の載置面に載置させることができる。
【0093】
以上のように構成された自動貸金庫装置によると、押動部材160が回転支持輪141の外周形状に沿って弧状に移動する状態でも、押動部材160が溝176内を移動しつつ受部材170を押して移載部70を押動することができる。これにより、移載部70の一端部を一方側の格納棚12側に十分に延出させることができると共に、移載部70の他端部を他方側の格納棚12側に十分に延出させることができる。これにより、移載方向における移載部70の小型化を実現でき、さらには、移載ユニット60の小型化も実現できる。
【0094】
また、本構成によると、無端環状部材150に押動部材160を突出状に設け、この押動部材160を受部材170の溝176に挿入しているため、無端環状部材150のうち押動部材160を設けた部位でも回転支持輪141を噛合させることができる。
【0095】
また、押動部材160が回転支持輪141の軸方向に沿って配設された棒状部164を有し、溝176が棒状部164の直径に応じた幅寸法に形成され、棒状部164の両端部が溝176内に移動可能に配設されているため、移載方向における溝176内での棒状部164の遊びを少なくできる。これにより、押動部材160の動きをより正確に受部材170及び移載部70に伝達して当該移載部70を移動させることができる。
【0096】
また、押動部材160は無端環状部材150の外周側に突出するように設けられているため、押動部材160が回転支持輪141の外周形状に沿って弧状に移動する状態では、無端環状部材150よりも押動部材160の突出寸法分離れた位置で、押動部材160が受部材170を押動することができる。換言すれば、押動部材160と無端環状部材150との固定部分よりも外方で、当該押動部材160が受部材170を押すことができる。このため、受部材170及び移載部70を、より外方に押動して移載部70の端部をより格納棚12側に延出させることができる。
【0097】
なお、押動部材160が受部材170を押動する構成は上記例に限られない。
【0098】
押動部材の棒状部は無端環状部材の幅方向一方側にのみ突出していてもよい。また、受部材の溝が無端環状部材の幅方向外側ではなく無端環状部材の外周側位置に設けられ、押動部材が、無端環状部材の外周側位置で、受部材の溝に挿入される構成であってもよい。
【0099】
要するに、押動部材は無端環状部材の外周側又は幅方向外側に突出して、受部材の溝に対して移動可能に挿入される構成であればよい。
【0100】
また、上記実施形態では、無端環状部材150がチェーン状の部材であり、回転支持輪141は歯車であると説明したが、これらは樹脂等で形成された環状ベルト部材、プーリー等であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 自動貸金庫装置
12 格納棚
13 格納部
60 移載ユニット
70 移載部
90 金庫ボックス
130 移載部移動機構部
141 回転支持輪
150 無端環状部材
160 押動部材
164 棒状部
170 受部材
172 側板部
176 溝
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動貸金庫装置等、格納物を自動で出し入れする自動倉庫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動貸金庫装置として、特許文献1に開示のものがある。
【0003】
特許文献1は、収納棚間で昇降自在なキャリッジと、このキャリッジに搭載されて、対面配置された一対の収納棚に対して内函を移載する移載ユニットとを開示している。移載ユニットは、ベースフレームの前後両端に、互いに平行な棒状の係合部材が水平に付設された構成とされている。この移載ユニットの下端部にある一対の支持プレートがタイミングベルトに連結されている。そして、モータの駆動により前記タイミングベルトを回転させることで、一方の係合部材をキャリッジから一方の収納棚に延出させる位置と他方の係合部材をキャリッジから他方の収納棚に延出させる位置との間で移載ユニットを移動させて、収納棚に対する内函の移載を行う構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−328753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の移載ユニットでは、移載ユニットの下端部にある一対の支持プレートがタイミングベルトに連結されている。このため、移載ユニットの支持部分と一方側の棒状部分間の長さ寸法を、収納棚に対して内函を移載可能な十分な長さ寸法に設定する必要がある。また、対面する一対の収納棚に対して内箱を移載するためには、移載ユニットの支持部分と他方側の棒状部分間の長さ寸法も、上記と同様に十分な長さ寸法に設定する必要がある。
【0006】
その結果、移載ユニットの前後長が大きくなってしまい、一対の収納棚間でのキャリッジの長さも大きくなってしまう。すると、一対の収納棚間にも、当該キャリッジが走行可能な十分な間隔を設ける必要があり、自動貸金庫装置全体が大型化してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、一対の格納棚との間で格納物を移載する移載ユニットの小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る自動倉庫装置は、それぞれ格納物を格納可能な格納部を複数有し、間隔を有して対向配置された一対の格納棚と、前記格納物を載置可能な載置部を有するベース部材と、一端部を一方側の前記格納棚側に延出させる一方側延出位置と、他端部を他方側の前記格納棚側に延出させる他方側延出位置との間で移動可能に支持された移載部と、前記移載部を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させる移載部移動機構部とを有し、前記各格納部との間で格納物を移載可能な移載ユニットと、前記移載ユニットを前記各格納部に対向する位置間で移動させる搬送機構部とを備え、前記移載部移動機構部が、前記移載ユニットにおいて一方側の前記格納棚に近い位置と他方側の格納棚に近い位置とのそれぞれに設けられた一対の回転支持輪と、前記一対の回転支持輪に巻きかけられた無端環状部材と、前記無端環状部材に突出状に設けられた押動部材とを有し、前記移載部が、前記押動部材を挿入可能な溝を有する受部材を有し、前記押動部材が前記一対の回転支持輪間を直線状に移動する状態では、前記押動部材が前記溝内に配設されて前記受部材を介して前記移載部を押動し、前記押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態では前記押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動する。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫装置であって、前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されている。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫装置であって、前記押動部材は、前記無端環状部材の外周側に突出している。
【発明の効果】
【0011】
第1の態様によると、押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態でも当該押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動することができる。これにより、移載部の一端部を一方側の前記格納棚側に十分に延出させることができると共に、移載部の他端部を他方側の前記格納棚側に十分に延出させることができ、移載部の小型化、さらには、移載ユニットの小型化を図ることができる。
【0012】
第2の態様によると、前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されているため、押動部材の動きをより正確に移載部に伝達して当該移載部を動かすことができる。
【0013】
第3の態様によると、押動部材が回転支持輪の外形に沿って移動する状態では、無端環状部材よりも押動部材の突出寸法分離れた位置で、押動部材が受部材を押動することができる。このため、無端環状部材に対して押動部材が支持された位置よりも外方位置で押動部材が受部材を押すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る自動貸金庫装置を示す概略斜視図である。
【図2】同上の自動貸金庫装置を示す概略側面図である。
【図3】同上の自動貸金庫装置を示す概略平面図である。
【図4】移載ユニットを示す概略平面図である。
【図5】移載ユニットを示す概略正面図である。
【図6】移載用昇降駆動機構部による昇降動作を示す説明図である。
【図7】移載用昇降駆動機構部による昇降動作を示す説明図である。
【図8】中間支持ベース部、一対の可動支持部、移載部移動機構部及び移載部を示す概略平面図である。
【図9】図8のIX−IX線における概略断面図である。
【図10】図9において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【図11】移載部移動機構部及び移載部を示す概略側面図である。
【図12】移載部移動機構部と移載部との連結部分を示す側面図である。
【図13】同上の連結部分を示す底面図である。
【図14】同上の連結部分を示す正面図である。
【図15】図12と同様側面図において移載部が端部まで移動した状態を示す図である。
【図16】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図17】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図18】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【図19】移載ユニットの移載動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る自動貸金庫装置について説明する。なお、本実施形態では、格納物として金庫ボックスを対象とし、当該金庫ボックスを格納棚に対して自動で出し入れする自動貸金庫装置の例で説明するが、その他、コンテナ等の格納物を格納棚に対して自動で出し入れする自動倉庫装置に対して適用することができる。
【0016】
<全体構成>
まず、自動貸金庫装置の全体構成について説明する。図1は自動貸金庫装置10を示す概略斜視図であり、図2は同自動貸金庫装置10を示す概略側面図であり、図3は同自動貸金庫装置10を示す概略平面図である。
【0017】
この自動貸金庫装置10は、一対の格納棚12と、ブース台20と、ブース側搬送機構部30と、棚側搬送機構部40と、移載ユニット60とを備えている。この自動貸金庫装置10では、上記一対の格納棚12に格納された金庫ボックス90が、移載ユニット60及び棚側搬送機構部40、さらに、ブース側搬送機構部30を介してブース台20に搬送される。これにより、利用者は、当該ブース台20において金庫ボックス90に対する物品(通常は、貴重品)等の出し入れを行う。また、利用者による金庫ボックス90の利用終了後、ブース台20に位置する金庫ボックス90が、ブース側搬送機構部30、さらに棚側搬送機構部40及び移載ユニット60を介して一対の格納棚12に格納される。
【0018】
格納棚12は、金庫ボックス90を格納可能な格納部13を複数有している。ここでは、格納棚12は、適宜間隔を有して立設された複数の棚支柱に、複数の棚板が略水平面に沿った姿勢で鉛直方向に間隔をあけて多段に配設固定された構成とされている。これにより、棚支柱及び棚段によって画される略直方体空間が、金庫ボックス90を格納可能な格納部13として、縦横に並ぶようにして複数構成されている。もっとも、格納棚は、上記構成に限られず、複数の棒状部材を組合わせた骨組状のフレーム構造によって構成されていてもよい。要するに、格納棚は、金庫ボックスを格納可能な格納部を複数有していればよい。かかる格納棚12は、平面視において所定方向に長い長尺状、より具体的には、所定方向に長い長方形状を呈している。
【0019】
一対の格納棚12は、その長手方向を一方向に揃えた姿勢で、間隔を有して対向配置されている。換言すれば、一対の格納棚12は、間隔を有して並列状に配設されている。一対の格納棚12間には、棚側搬送機構部40及び移載ユニット60を配設可能な幅の隙間が形成されている。
【0020】
この一対の格納棚12は、通常、立入りを管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取囲まれた金庫室18内に設置される。
【0021】
また、金庫室18の近傍、ここでは、金庫室18に隣接して利用ブース28が設けられており、この利用ブース28内にブース台20が設けられている。ここで、利用ブース28は、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉29を通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース28と金庫室18との間も、仕切壁19によって仕切られている。
【0022】
ブース台20は、上部に天板22を有する略筺状に形成されている。天板22には、略方形状の天板開口23が形成されており、ブース台20内部の金庫ボックス90が、当該天板開口23を通じて天板22に突出するように配設される。このように、ブース台20の天板22に突出するように金庫ボックス90が配設されることで、金庫の利用者は金庫ボックス90に対して物品の出し入れを行えるようになる。なお、上記天板開口23は、その内部に金庫ボックス90が配設されていない状態では、開閉自在な蓋によって塞がれていることが好ましい。
【0023】
また、ブース台20の内部空間は、上記仕切壁19を貫通して金庫室18内に連通しており、金庫室18内の金庫ボックス90はその連通部分を経由してブース台20内に搬送される。
【0024】
また、移載ユニット60は、一対の格納棚12の双方に対して金庫ボックス90を移載可能に構成されている。そして、移載ユニット60が各格納棚12のいずれかの格納部13と対向する位置に配設された状態で、当該対向する格納部13に格納された金庫ボックス90を自己に取込むように移載して載置状に支持し、或は、自己に載置状に支持した金庫ボックス90を対向する格納部13に送込むように移載して当該格納部13に載置状に格納する。この移載ユニット60については、後で詳述する。
【0025】
棚側搬送機構部40は、上記移載ユニット60を、一対の格納棚12の任意の格納部13に対向させる位置と、ブース側搬送機構部30に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0026】
より具体的には、棚側搬送機構部40は、走行機構部42と、昇降機構部50とを備えている。
【0027】
走行機構部42は、一対の格納棚12間の隙間の延在方向に沿って、当該一対の格納棚12の各格納部13に対向する位置とブース側搬送機構部30に対向する位置との間で往復移動可能に構成されている。このような走行機構部42としては、モータ等の回転駆動によって車輪を回転させることで走行する機構等、周知構造を含む種々の移動機構を採用することができる。
【0028】
昇降機構部50は、移載ユニット60を、格納棚12の最下段の格納部13と最上段の格納部13との間で昇降移動させ、当該移載ユニット60を、各段の格納部13及びブース側搬送機構部30に対向する各位置に昇降移動させるように構成されている。このような昇降機構部50としては、例えば、移載ユニット60を一対の支柱52によって昇降移動可能に支持し、一方の支柱52の上下端部に設けられた一対の歯車に環状ベルト(環状チェーン等)を巻掛け、移載ユニット60を一対の歯車体間で環状ベルトに連結し、一方の歯車体をモータ等の駆動部で回転させることで、環状ベルトを回転させて、移載ユニット60を昇降移動させる構成を採用することができる。昇降機構部50としては、上記の他、リニアモータを用いた構成であってもよいし、つり合いおもりを用いたトラクション式の機構において滑車部分をモータで駆動して移載ユニット60を昇降させる構成であってもよい。
【0029】
ブース側搬送機構部30は、上記棚側搬送機構部40との間で金庫ボックス90を移載可能に構成されると共に、金庫ボックス90をブース台20に対して搬出入可能に構成されている。より具体的には、ブース側搬送機構部30は、ブース側水平移動部32と、ブース側昇降移動部36とを有している。ブース側水平移動部32は、一方の格納部13の一側部とブース台20内のブース側昇降移動部36との間に配設されている。ブース側水平移動部32は、一方の格納棚12の外側方位置で移載ユニット60との間で金庫ボックス90を移載可能に構成されると共に、一方の格納棚12の外側方位置とブース側昇降移動部36と隣接する位置との間で金庫ボックス90を往復移動させるように構成されている。このようなブース側水平移動部32としては、複数のローラが所定方向に沿って適宜間隔をあけて略並列姿勢で回転可能に支持されると共に、当該ローラがモータ等の駆動により搬送方向に沿って回転駆動されるようにしたコンベア等、周知の水平移動機構を含む種々構成を採用することができる。ブース側昇降移動部36は、ブース台20内部であって天板開口23の下方に設けられており、上記ブース側水平移動部32から金庫ボックス90が移載されると、当該金庫ボックス90を天板開口23から突出させるように上昇させると共に、天板開口23から突出する金庫ボックス90をブース側水平移動部32に移載可能な位置に下降させるように構成されている。このようなブース側昇降移動部36としては、上記昇降機構部50と同様に、モータと環状ベルト等を利用した構成、リニアモータを用いた構成等、周知技術を含む種々の昇降機構を採用することができる。
【0030】
なお、ブース側水平移動部32とブース側昇降移動部36と間における金庫ボックス90の移載は、別途、モータ等の駆動により金庫ボックス90を押圧移動させるプッシャー機構を設け、当該プッシャー機構の駆動によって行ってもよいし、或は、ブース側昇降移動部36にブース側水平移動部32と同様のコンベアを設け、当該コンベアとブース側水平移動部32との協動的な搬送動作により行われるものであってもよい。ここでは、後者の例で説明する。
【0031】
この自動貸金庫装置では、ブース側搬送機構部30によって、移載ユニット60を各格納部13に対向する位置とブース台20に対して金庫ボックス90を搬出入可能な位置との間で移動させる搬送機構部が構成されている。
【0032】
もっとも、ブース側昇降移動部36を省略し、ブース側水平移動部32による金庫ボックス90の移動動作によって金庫ボックス90が天板開口23の下方位置に配設され、金庫ボックス90がその位置から上昇することなく当該位置で利用者が金庫ボックス90を利用可能な構成であってもよい。また、ブース側水平移動部32が省略され、棚側搬送機構部40とブース側昇降移動部36との間で直接的に金庫ボックス90が移載される構成であってもよい。また、ブース側搬送機構部30が省略され、棚側搬送機構部40によって直接的にブース台20に対して金庫ボックス90が搬出入される構成であってもよい。
【0033】
また、自動倉庫装置として構成する場合には、ブース台20、ブース側搬送機構部30等を省略し、棚側搬送機構部40と外部との間で直接格納物を出し入れするようにしてもよい。
【0034】
また、この自動貸金庫装置10は、制御ユニット96と入力部98とを備えている。入力部98は、キーボード、タッチパネル等、本自動貸金庫装置10に対する諸指示を受付け可能に構成されており、受付けた諸指示を制御ユニット96に入力可能なように当該制御ユニット96に接続されている。入力部98は、利用ブース28内に設けられていてもよいし、別箇所に設けられていてもよい。制御ユニット96は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、上記ブース側搬送機構部30と棚側搬送機構部40と移載ユニット60とのそれぞれに対して諸動作指令を付与可能に接続されている。そして、この制御ユニット96は、予め格納されたソフトウエアプログラム及び入力部98を通じて入力された諸指示に従って、次述するように、本自動貸金庫装置10の全体動作を制御する。もっとも、制御ユニット96は、ブース側搬送機構部30と棚側搬送機構部40と移載ユニット60との制御を司る制御ユニットと、金庫ボックス90の出し入れ指令等に係る諸指示を受付ける制御ユニット等、物理的に複数の制御ユニットの連携処理によって実現されていてもよい。
【0035】
この自動貸金庫装置10による金庫ボックス90の出し入れ動作について説明する。
【0036】
まず、一対の格納棚12の各格納部13にそれぞれ金庫ボックス90が格納されている。なお、金庫ボックス90を各格納棚12に格納するに際して、各格納部13の位置と金庫ボックス90の特定情報とを対応づけた格納位置情報が作成され、当該格納位置情報が制御ユニット96の記憶部又は当該制御ユニット96からアクセス可能な記憶部に記憶されている。
【0037】
この状態で、入力部98に対して所定の金庫ボックス90の特定情報及び当該金庫ボックス90を利用したい旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。すると、制御ユニット96は、格納位置情報を参照して特定された金庫ボックス90が存在する格納部13の位置を特定し、当該特定された格納部13に対向する位置に移載ユニット60を移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は当該特定された格納部13に対向する位置に移動する。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の取込み指令が与えられ、移載ユニット60は特定された格納部13から金庫ボックス90を取込むようにして移載動作を行う(図3の矢符P1参照)。
【0038】
上記動作が終了すると、制御ユニット96は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は、一方の格納棚12の外側方位置で、ブース側水平移動部32と対向する位置に配設される(図3の矢符P2参照)。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の送出し指令が与えられ、移載ユニット60は、自己に載置された金庫ボックス90をブース側水平移動部32に送込むようにして移載動作を行う(図3の矢符P3参照)。
【0039】
上記移載動作が完了すると、制御ユニット96からブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36に金庫ボックス90をブース台20側へ搬送する指令が与えられ、ブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を搬送してブース側昇降移動部36に送込む(図2及び図3の矢符P4参照)。金庫ボックス90がブース側昇降移動部36に移載されると、制御ユニット96からブース側昇降移動部36に金庫ボックス90を上昇させる旨の指令が与えられ、ブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を上昇させる(図2の矢符P5参照)。これにより、金庫ボックス90は略方形の天板開口23から突出するようにしてブース台20に配設される。そして、利用者は、当該金庫ボックス90を、自己に貸与された鍵等を用いて解錠し、蓋を開いて利用することができる。
【0040】
金庫ボックス90を格納部13に格納する場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0041】
すなわち、利用者が金庫ボックス90の利用終了後、蓋を閉じて施錠した後、入力部98に対して金庫ボックス90を格納する旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。
【0042】
格納指示入力後、制御ユニット96による制御下、ブース側昇降移動部36が金庫ボックス90を下降移動させ、その後、ブース側昇降移動部36及びブース側水平移動部32は金庫ボックス90をブース側昇降移動部36から一方の格納棚12の外側方位置に搬送する。
【0043】
この後、制御ユニット96による制御下、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させ、続いて、移載ユニット60はブース側水平移動部32上の金庫ボックス90を取込むように移載する。続いて、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60を、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動させる。金庫ボックス90を格納すべき格納部13の位置は、取出し前に格納されていた位置であってもよいし、他の空き位置であってもよい。後者の場合、格納位置情報を当該格納位置に合わせて更新するとよい。そして、移載ユニット60は、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動した状態で、自己に載置された金庫ボックス90を当該格納部13に送込むようにして移載する。これにより、金庫ボックス90が格納部13に格納され、動作を終了する。
【0044】
<移載ユニットについて>
移載ユニット60についてより詳細に説明する。図4は移載ユニット60を示す概略平面図であり、図5は移載ユニット60を示す概略正面図である。
【0045】
移載ユニット60は、ベース部材62と、移載部70と、中間支持ベース部82と、移載用昇降駆動機構部100と、移載部水平支持機構部としての一対の可動支持部110と、移載部移動機構部130とを有している。概略的には、上記ベース部材62は、上記昇降機構部50により格納棚12の各段の格納部13と対向配置可能なように昇降移動される部分であり、本移載ユニット60の基台となる部分である。このベース部材62に対して、中間支持ベース部82が昇降可能に支持されると共に、中間支持ベース部82に対して移載部70が一対の格納棚12間を結ぶ方向(つまり、金庫ボックス90を移載する際に移動させる移載方向)で移動可能に支持されている。そして、移載用昇降駆動機構部100の駆動によって移載部70が昇降移動することで金庫ボックス90に対する移載部70の係脱動作が制御されつつ、移載部移動機構部130の駆動により各格納部13に向けて進退移動することで、移載部70が格納部13に格納された金庫ボックス90をベース部材62上に取込み、或は、移載部70がベース部材62上に載置された金庫ボックス90を格納部13側に押込むようにして、金庫ボックス90の移載動作を行うようになっている。
【0046】
より具体的には、ベース部材62は、金庫ボックス90を載置可能な載置部として一対の金庫ボックス支持フレーム63を有している。金庫ボックス支持フレーム63は、一対の格納棚12を結ぶ方向(移載方向)に延びる長尺部材に形成されている。金庫ボックス支持フレーム63は、金庫ボックス90の一側部底面部分を載置状に支持する底面支持面63aと金庫ボックス90の側面をガイド支持する側面ガイド面63bとを有している。一対の金庫ボックス支持フレーム63は、それぞれの側面ガイド面63bを対向させると共にそれらの間に間隔をあけた略平行姿勢で、一対の横フレーム64を介して連結固定されている。一対の金庫ボックス支持フレーム63の対向する底面支持面63aの内側縁部間の間隔は、金庫ボックス90の幅よりも小さく、かつ、対向する側面ガイド面63b間の間隔は金庫ボックス90の幅よりも大きい。なお、一対の側面ガイド面63bの両端部は、外方に向けて外向き傾斜する傾斜面に形成されている。
【0047】
そして、一対の金庫ボックス支持フレーム63間のいずれかの外方にある金庫ボックス90が、一対の側面ガイド面63bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の底面支持面63a上を滑るようにして移動して、一対の金庫ボックス支持フレーム63間で載置状に支持される。また、逆に、一対の金庫ボックス支持フレーム63間で載置状に支持された金庫ボックス90が、一対の側面ガイド面63bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の底面支持面63a上を滑るようにして移動して、一対の金庫ボックス支持フレーム63間のいずれかの外方に移動される。
【0048】
もっとも、一対の金庫ボックス支持フレーム63は、上記のように金庫ボックス90をスライド移動可能に支持する構成である必要はない。例えば、金庫ボックス支持フレームが、前記移載方向両端部に設けられた一対のプーリー体と、当該一対のプーリー体に巻きかけられた無端環状ベルトとを有し、金庫ボックスの移動方向に応じて一対のプーリー体間で無端環状ベルトが走行する構成であってもよい。この場合、モータによって、金庫ボックスの移動方向に合せて一対のプーリー体間で無端環状ベルトを走行駆動させるとよい。つまり、一対の金庫ボックス支持フレームは、金庫ボックス等の格納物を移動可能に載置支持できる構成であればよい。
【0049】
また、一対の金庫ボックス支持フレーム63のそれぞれの外方部分に、昇降ガイドローラ66a、66bを有する昇降ガイド部材66がそれぞれ取付けられている。そして、昇降ガイドローラ66a、66bが昇降機構部50の一対の支柱52に形成された昇降ガイド溝52aに従動回転可能に配設されることで、本ベース部材62が昇降可能に支持されている。
【0050】
また、一方の金庫ボックス支持フレーム63の外方部分にベルト連結部材54が取付けられており、当該ベルト連結部材54が一方の支柱52に沿って配設された環状ベルト53に連結固定されている。そして、昇降機構部50に備えられたモータの駆動により前記環状ベルト53が回転することで、本ベース部材62が昇降駆動される。
【0051】
中間支持ベース部82は、平面視において一対の金庫ボックス支持フレーム63の間隔よりも幅狭でかつ一対の金庫ボックス支持フレーム63と略同じ又は小さい長さを有する部材に形成されている。この中間支持ベース部82の底面には昇降ガイドロッド83Gが複数(ここでは、中間支持ベース部82の両端部に2つ)垂設されている。そして、当該各昇降ガイドロッド83Gがベース部材62側の対応する昇降ガイド部材65に移動可能に挿通されることによって、中間支持ベース部82が、ベース部材62上であって一対の金庫ボックス支持フレーム63間の位置(一対の可動支持部110間の位置でもある)で、後述する移載部70の移動力作用片74を金庫ボックス90に当接、係合させる上昇位置と、移動力作用片74を金庫ボックス90に当接、係合、或は干渉させない下降位置との間(図6、図7参照、後述する)で昇降可能に支持されている。
【0052】
移載用昇降駆動機構部100は、上記中間支持ベース部82を上記上昇位置と下降位置との間で昇降駆動可能に構成されている。すなわち、移載用昇降駆動機構部100は、モータ102と、昇降機構部104と、昇降中間伝達部としての環状ベルト体106とを有している。モータ102は、一方の金庫ボックス支持フレーム63にブラケットを介して固定されている。昇降機構部104は、一対の金庫ボックス支持フレーム63の幅方向中間部において一対の金庫ボックス支持フレーム63の延在方向に沿って延びる軸部104aと、当該軸部104aに回転不能に固着されたカム片104bとを有している。軸部104aは、一対の横フレーム64に垂下状に取付けられたブラケットに回転自在に支持されている。また、カム片104bは、略卵板状に形成されており、軸部104aの長手方向に沿って複数箇所(ここでは両端の2カ所)に設けられている。また、環状ベルト体106は、モータ102の回転駆動力を、軸部104aを回転させる力として伝達する要素であり、ここでは、モータ102の回転軸部に固着されたプーリー体102aと上記軸部104a側のプーリー体104dとに巻掛けられた環状ベルト体106として構成されている。なお、軸部104a側のプーリー体104dの回転は歯車を介して軸部104aに伝達される。また、モータ102と軸部104aとの中間にあるプーリー体104eは、環状ベルト体106と他の部材との干渉を避けつつ環状ベルト体106にテンションを付与するものである。勿論、このプーリー体104eは省略されてもよい。
【0053】
図6及び図7は、移載用昇降駆動機構部100による昇降動作を示す説明図である。図4〜図7に示すように、モータ102の回転により軸部104a周りにカム片104bが回転し、当該カム片104bの大径部分が上方に回転移動して中間支持ベース部82の底面側(ここでは中間支持ベース部82の底面に突設状に設けられた介在受部82a)に接触するようになると、当該中間支持ベース部82が上昇位置に上昇移動する。この状態からさらにカム片104bが回転し前記大径部分が下方に回転移動して小径部分が中間支持ベース部82の底面に接触するようになると、当該中間支持ベース部82が下降位置に下降移動する。この中間支持ベース部82の上昇下降移動に応じて、移載部70が昇降移動する。
【0054】
なお、カム片104bは、上記のように略卵板状に形成された構成に限られず、円盤又は円柱状のローラを、軸部104aに対して偏心させて当該軸部104aに取付けた構成であってもよい。特に、円柱状のローラを用いた方が耐摩耗性という点で有利である。
【0055】
中間支持ベース部82上に移載部70を水平移動自在に支持する構成について説明する。図8は中間支持ベース部82、一対の可動支持部110、移載部移動機構部130及び移載部70を示す概略平面図であり、図9は図8のX−X線における概略断面図であり、図10は図9において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【0056】
上記したように、中間支持ベース部82はベース部材62に対して昇降可能に支持されており、平面視においてはベース部材62に対して一定位置に支持されている。この中間支持ベース部82上に一対の可動支持部110が前記移載方向に沿って移動可能に支持され、一対の可動支持部110上に移載部70が移載方向に沿って移動可能に支持されている。
【0057】
より具体的には、一対の可動支持部110は、それぞれ前記移載方向に沿って金庫ボックス支持フレーム63内に収る長さ寸法で当該移載方向に沿って延在する部材に形成されている。一対の可動支持部110は、次の構成によって中間支持ベース部82上に移動可能に支持されている。
【0058】
すなわち、一対の可動支持部110のうち外側を向く外面には、複数のガイドローラ112が回転可能に支持されている。ここでは、可動支持部110の両端部よりも内側よりの中間領域に、間隔をあけて複数(ここでは4つ)のガイドローラ112が設けられている。
【0059】
中間支持ベース部82は、一対の金庫ボックス支持フレーム63間に存在する部材であり、一対の主ガイド部材84を有している。主ガイド部材84は、金庫ボックス支持フレーム63の長さ寸法と略同じ長さ寸法を有する長尺部材であり、一対の金庫ボックス支持フレーム63間であって中間支持ベース部82の両側部分に、移載方向に沿って配設されている。また、主ガイド部材84のうち相互に対向する部分には、移載方向に沿って延びるガイド溝84aが形成されている。ガイド溝84aは、主ガイド部材84の両端部及び内向きに開口しており、その内向き開口部分はやや幅狭に形成されている。そして、ガイドローラ112が、ガイド溝84a内に上下方向及び幅方向の位置を規制された状態で移載方向に沿って移動可能に支持されるようになっている。
【0060】
そして、一対の可動支持部110のそれぞれの複数のガイドローラ112が、一対の主ガイド部材84のガイド溝84a内にその長手方向に沿って移動可能に配設されることで、一対の可動支持部110が移載方向に対して略直交する方向で間隔を有して配設され、それぞれ中間支持ベース部82上に前記移載方向に沿って移動可能に支持される。より具体的には、一対の可動支持部110は、一方側の端部を載置部としての一対の金庫ボックス支持フレーム63から延出させる位置と他方側の端部を載置部としての一対の金庫ボックス支持フレーム63から前記とは反対側に延出させる位置との間で移載方向に沿って移動可能に支持される。
【0061】
なお、一対の可動支持部110を中間支持ベース部82上に移動可能に支持する構成は上記例に限られない。例えば、レールとそのレールに沿って移動する可動体との間にボール等の転動体を介在させた機構(スライドベアリング等と呼ばれるもの)を採用してもよい。
【0062】
また、一対の可動支持部110は、それぞれ移載部70を移載方向に沿って移動可能、より具体的には、一方側の格納棚12に近い側の一端部と他方側の格納棚12に近い側の端部との間で移動可能に支持するように構成されている。
【0063】
すなわち、移載部70は、移載ベース部72と、一対の移動力作用片74とを有している。移載ベース部72は、水平方向に沿って延在する略方形板状に形成されており、そのうちの一方側の格納棚12側の端部及び他方側の格納棚12側の端部のそれぞれに移動力作用片74が形成されている。各移動力作用片74は、移載ベース部72の端部から上方に向うと共に金庫ボックス支持フレーム63の延在方向に対して略直交する方向に延びる長尺板状に形成されている。そして、各移動力作用片74が金庫ボックス90の本体部92の一対の側面に形成された押出引込片94(後述する)の内面に当接することで当該金庫ボックス90を引出し、或は、移動力作用片74が金庫ボックス90の本体部92の側面或は押出引込片94の外面に当接することで当該金庫ボックス90を押出して、金庫ボックス90を移動させる。つまり、移動力作用片74は、金庫ボックス90に対して移動力を作用させる移動力作用部として用いられている(図16〜図19参照)。なお、この移載部70の底部には、移載部移動機構部130からの駆動力を受ける受部材170が設けられている。この受部材170については後で詳述する。
【0064】
上記移載部70は、一対の可動支持部110に対してガイド部115により移載方向に沿って移動可能に支持されている。ガイド部115が移載部70を移動可能に支持する構成としては、ガイド部115に形成された溝内を、移載部70に設けられた可動部材がその開口方向への抜けを防止された状態で移動に配設された構成、ガイド部115に設けられたガイドロッドが移載部70に設けられた孔付の突部に挿通された構成等を採用することができる。
【0065】
なお、上記ガイド部115の両端部には、ネジ等によるストッパ118が取付固定されており、ガイド部115の両端部からの移載部70の脱落が防止されている。
【0066】
なお、ここでは、一対の可動支持部110によって移載部70を移動可能に支持しているが、一対のレール等によって移動可能に支持された単一の可動支持部によって移載部70が移動可能に支持されていてもよい。
【0067】
上記構成により一対の可動支持部110のいずれかの端部を一対の金庫ボックス支持フレーム63のいずれかの端部から延出させる位置に移動させることができ、かつ、移載部70を一対の可動支持部110のいずれかの端部に移動させることができる。そして、一対の可動支持部110の一方側の端部を一対の金庫ボックス支持フレーム63の一方側の端部から延出させる位置に移動させると共に、移載部70を可動支持部110の一端側に移動させることで、移載部70の一方側の端部(つまり、一方側の移動力作用片74)が一対の金庫ボックス支持フレーム63から一方側の格納棚12側に向けて延出する位置(一方側延出位置)に配設される(図10参照)。この状態で、移載部70に大きな荷重が加わったとしても、可動支持部110は、その移載方向に沿って複数配設されたガイドローラ112によって支持されているため、当該荷重を十分に受止めることができる支持強度が得られる。また、これとは逆方向に可動支持部110及び移載部70を移動させることで、移載部70の他方側の端部(他方側の移動力作用片74)が一対の金庫ボックス支持フレーム63から他方側の格納棚12側に向けて延出する位置(他方側延出位置)に配設される。
【0068】
上記のように移動可能に支持された移載部70を移動させる構成について説明する。図11は移載部移動機構部130及び移載部70を示す概略側面図であり、図12は移載部移動機構部130と移載部70との連結部分を示す側面図であり、図13は同連結部分を示す底面図であり、図14は同連結部分を示す正面図であり、図15は図12と同様側面図において移載部70が端部まで移動した状態を示す図である。
【0069】
移載部移動機構部130は、移載部70を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させるように構成され、一対の回転支持輪141と、無端環状部材150と、押動部材160とを備えている。そして、水平移動駆動力発生源としての水平駆動用モータ132の駆動によって押動部材160を移載方向に沿って移動させるようになっている。なお、これらの各部は、これらの各部は、中間支持ベース部82に適宜ブラケット、支軸部等を介して取付けられており、中間支持ベース部82と共に昇降移動可能とされている。
【0070】
より具体的には、水平駆動用モータ132は、回転駆動力を発生させる要素であり、平面視において一対の金庫ボックス支持フレーム63間に位置するように、中間支持ベース部82に支持されている。ここでは、水平駆動用モータ132は、その回転軸を移載方向に沿って配設した姿勢で中間支持ベース部82の移載方向中間部に支持されている。
【0071】
一対の回転支持輪141及び無端環状部材150は、水平駆動用モータ132による駆動力を、押動部材160を移動させる力として伝達する水平移動伝達部140の構成要素の一部である。すなわち、水平移動伝達部140は、一対の回転支持輪141、無端環状部材150と複数の伝達歯車144とを有している。
【0072】
一対の回転支持輪141は、外周部に突状の歯が複数形成されたチェーン用歯車であり、移載ユニット60において一方側の格納棚12に近い位置と他方側の格納棚12に近い位置とのそれぞれに設けられている。より具体的には、一対の回転支持輪141は、中間支持ベース部82の移載方向両端部であって、一対のガイド部115間に設けられている。もっとも、一対の回転支持輪141は、一対のガイド部115間ではなく、当該一対のガイド部115の外側方に設けられていてもよい。
【0073】
無端環状部材150は、複数のコマ部材152が連結軸部154を介して回転可能な態様で環状に連結された環状チェーンに構成されており、一対の回転支持輪141に循環回転可能に巻かけられている。
【0074】
また、伝達歯車144は、水平駆動用モータ132の回転軸部に取付けられた傘歯車144a及び当該傘歯車144aと噛合して回転方向を変換する傘歯車144b(図4、図8参照)、一対の回転支持輪141間の下方で無端環状部材150に噛合するチェーン噛合歯車144c等を有している。なお、チェーン噛合歯車144cの近傍に、無端環状部材150がチェーン噛合歯車144cにより強い力で押付けられるように、無端環状部材150にテンションを付与する補助歯車144dが設けられている。そして、水平駆動用モータ132による回転駆動力が傘歯車144a、傘歯車144b及びチェーン噛合歯車144c等を介して無端環状部材150に伝達され、水平駆動用モータ132の正逆両方向への回転駆動に応じて、無端環状部材150が正逆両方向に回転駆動される構成とされている。
【0075】
なお、モータ等によって一対の回転支持輪141の一方を回転駆動させて、無端環状部材150を正逆両方向に回転駆動させる構成であってもよい。
【0076】
この移載部移動機構部130は、一方側の移動力作用片74が一対の金庫ボックス支持フレーム63から一方側の格納棚12側に向けて延出するように移載部70を移動させると共に、他方側の移動力作用片74が一対の金庫ボックス支持フレーム63から他方側の格納棚12側に向けて延出するように移載部70を移動させるように構成されている。
【0077】
上記を実現するため、無端環状部材150が移載部70に力を作用させる構成についてより詳細に説明する。
【0078】
すなわち、押動部材160が無端環状部材150に突出状に設けられている。ここでは、無端環状部材150を構成するコマ部材152の途中に介在するように、回転可能な態様で押動部材160が連結されている。
【0079】
より具体的には、押動部材160は、押動本体部162と、棒状部164とを有している。
【0080】
押動本体部162は、コマ部材152よりも厚み寸法及び高さ寸法共に大きい略直方体ブロック状に形成され、その底部にコマ部材152を配設可能なコマ配設溝163が形成されている。そして、押動本体部162の一部を無端環状部材150の外周側に突出させるようにして、2つのコマ部材152の各端部がコマ配設溝163内に配設され、連結軸部163aを介して回転可能に連結されている。
【0081】
また、棒状部164は、押動本体部162の上部に、回転支持輪141の軸方向に沿って設けられている。従って、この棒状部164は、無端環状部材150の外周側に突出位置に配設されているといえる。また、棒状部164の両端部は無端環状部材150及び押動本体部162の両側外方に突出している。棒状部164のうち少なくとも外方に突出する部分は丸棒状に形成され、後述する受部材170に形成された溝内に回転可能に配置可能とされている。
【0082】
また、移載部70の底面には、受部材170が取付固定されている。受部材170は、上記棒状部164の端部を挿入可能な溝176を有している。より具体的には、受部材170は、移載部70の底面にねじ止等により固定された基板部171と、基板部171の両側部に垂下状に設けられた一対の側板部172とを有している。基板部171の底面略中央部には、上記押動本体部162を配設可能な凹部173が形成されている。また、一対の側板部172の移載方向略中央には、当該移載方向に略直交する方向(上下方向)に沿って溝176が形成されている。溝176は、側板部172の下方に開口すると共に凹部173の天井面を超える長さ寸法の溝に形成されている。なお、溝176の下方は必ずしも開口している必要はない。なお、基板部171にも、溝176の先端部同士を繋ぐように溝171gが形成されている。また、溝176は、棒状部164の棒状部164の両端部の直径に応じた幅寸法、即ち、棒状部164の直径よりも僅かに大きい幅寸法に形成されている。これにより、棒状部164の両端部を溝176の下方開口より挿入すると、当該棒状部164を溝176内にその長手方向に沿って移動可能かつ回転可能に配設できるようになっている。
【0083】
そして、棒状部164が一対の回転支持輪141の軸間に存在する状態では、押動本体部162の上部が凹部173内に配設されると共に、棒状部164の両端部が溝176の先端部内に配設された状態となっている(図12参照)。この状態で、無端環状部材150の回転により押動部材160を移載方向に沿って直線状に移動させると、棒状部164が溝176のいずれかの側面を押して受部材170及び移載部70を移載方向に沿って移動させることができる。
【0084】
また、上記状態から押動部材160が一対の回転支持輪141の軸間外方に移動すると、押動部材160及び棒状部164は、回転支持輪141の弧状外形状に沿って外方に向けて徐々に下方に移動する。すると、棒状部164は、溝176内で回転しつつ溝176の下方に向けて移動する。そして、棒状部164は、溝176の下方でも溝176のいずれか一方の側面を押して受部材170及び移載部70を移動させることができる。これにより、移載部70の一端部(又は他端部)が格納棚12に向けて十分に延出するように、移載部70を一対の回転支持輪141の軸間外方に向けて移動させることができる。また、この状態から無端環状部材150を逆方向に回転させると、棒状部164が溝176の他方側の側面を押して受部材170及び移載部70を一対の回転支持輪141間に向けて移動させることができる。このように、押動部材160が回転支持輪141に沿って弧状に移動する際にも、押動部材160と受部材170との係合状態を保つことで、押動部材160の移動により受部材170及び移載部70を移動させることができることとなる。
【0085】
上記移載ユニット60の移載動作について図16〜図19を参照して説明する。なお、図16〜図19では説明の便宜上、各構成部分を簡略化或は誇張して描いている場合がある。
【0086】
まず、図16に示すように、格納棚12の格納部13に金庫ボックス90が載置状に格納されているとする。金庫ボックス90は、略筺状の本体部92と本体部92の対向する一対の側面に設けられた押出引込片94とを有している。押出引込片94は、板状部材を略L字状に折曲げた部材であり、略筺状の本体部92の側面から離れた位置で下方に延設された垂片94aを有している。垂片94aの下端部は、本体部92の底面よりも上側(若干上側)の位置に配設されている。
【0087】
そして、棚側搬送機構部40により移載ユニット60が格納部13に対向する位置に移動される。なお、この状態で、一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面は、格納部13の載置支持面よりも上方(僅かに上方)位置にある。
【0088】
上記状態で、移載ユニット60の移載部70は、下降位置に配設されている。この下降位置では、移動力作用片74の上端部は、押出引込片94の垂片94aの下端部よりも下方にあり、さらに、一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面よりも下方にある。
【0089】
上記状態から、図17に示すように、移載部移動機構部130の駆動により移載部70が格納部13側に向けて移動する。そして、一方側の移動力作用片74が垂片94aを越えて当該垂片94aと本体部92間に移動すると、移載用昇降駆動機構部100の駆動により移載部70が上昇位置に上昇する。一対の金庫ボックス支持フレーム63の載置支持面と格納部13の載置支持面との高さ違い分と同じもしくはそれ以上、金庫ボックス90の一側部を上方に持上げるように、移載部70を上昇させる。
【0090】
この後、図18に示すように、移載部移動機構部130の駆動により移載部70が反対側の格納部13側に向けて移動する。すると、一方側の移動力作用片74と垂片94aとの当接により、金庫ボックス90が一対の金庫ボックス支持フレーム63上を滑るようにして一対の金庫ボックス支持フレーム63上に引込まれ、格納部13から移載ユニット60への移載動作が終了する。
【0091】
一方、移載ユニット60上にある金庫ボックス90を格納部13に向けて移載する場合には、図19に示すように、移載部70の一方側の移動力作用片74を押出引込片94の外面に当接させた状態で、移載部移動機構部130の駆動により移載部70を当該格納部13側に向けて移動させる。すると、金庫ボックス90が一対の金庫ボックス支持フレーム63上を滑るようにして移動して、格納部13側に所定位置まで押込まれる。これにより、移載ユニット60から格納部13への移載動作が終了する。
【0092】
なお、金庫ボックス90を一対の金庫ボックス支持フレーム63から格納部13に押込移動させる際、それらの載置面の高さ違い分、金庫ボックス90が下方に落ちてしまう。そこで、移載部70の一対の移動力作用片74の基端側部分から外方に向けて補助片を形成し、移載部70の一方の移動力作用片74により金庫ボックス90を格納部13内に押込んだ後、押出引込片94の垂片94aの下端部を前記補助片で支持しつつ、移載部70を下降させることで、金庫ボックス90の一側部分を自由落下させることなく低衝撃で格納部13の載置面に載置させることができる。
【0093】
以上のように構成された自動貸金庫装置によると、押動部材160が回転支持輪141の外周形状に沿って弧状に移動する状態でも、押動部材160が溝176内を移動しつつ受部材170を押して移載部70を押動することができる。これにより、移載部70の一端部を一方側の格納棚12側に十分に延出させることができると共に、移載部70の他端部を他方側の格納棚12側に十分に延出させることができる。これにより、移載方向における移載部70の小型化を実現でき、さらには、移載ユニット60の小型化も実現できる。
【0094】
また、本構成によると、無端環状部材150に押動部材160を突出状に設け、この押動部材160を受部材170の溝176に挿入しているため、無端環状部材150のうち押動部材160を設けた部位でも回転支持輪141を噛合させることができる。
【0095】
また、押動部材160が回転支持輪141の軸方向に沿って配設された棒状部164を有し、溝176が棒状部164の直径に応じた幅寸法に形成され、棒状部164の両端部が溝176内に移動可能に配設されているため、移載方向における溝176内での棒状部164の遊びを少なくできる。これにより、押動部材160の動きをより正確に受部材170及び移載部70に伝達して当該移載部70を移動させることができる。
【0096】
また、押動部材160は無端環状部材150の外周側に突出するように設けられているため、押動部材160が回転支持輪141の外周形状に沿って弧状に移動する状態では、無端環状部材150よりも押動部材160の突出寸法分離れた位置で、押動部材160が受部材170を押動することができる。換言すれば、押動部材160と無端環状部材150との固定部分よりも外方で、当該押動部材160が受部材170を押すことができる。このため、受部材170及び移載部70を、より外方に押動して移載部70の端部をより格納棚12側に延出させることができる。
【0097】
なお、押動部材160が受部材170を押動する構成は上記例に限られない。
【0098】
押動部材の棒状部は無端環状部材の幅方向一方側にのみ突出していてもよい。また、受部材の溝が無端環状部材の幅方向外側ではなく無端環状部材の外周側位置に設けられ、押動部材が、無端環状部材の外周側位置で、受部材の溝に挿入される構成であってもよい。
【0099】
要するに、押動部材は無端環状部材の外周側又は幅方向外側に突出して、受部材の溝に対して移動可能に挿入される構成であればよい。
【0100】
また、上記実施形態では、無端環状部材150がチェーン状の部材であり、回転支持輪141は歯車であると説明したが、これらは樹脂等で形成された環状ベルト部材、プーリー等であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 自動貸金庫装置
12 格納棚
13 格納部
60 移載ユニット
70 移載部
90 金庫ボックス
130 移載部移動機構部
141 回転支持輪
150 無端環状部材
160 押動部材
164 棒状部
170 受部材
172 側板部
176 溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ格納物を格納可能な格納部を複数有し、間隔を有して対向配置された一対の格納棚と、
前記格納物を載置可能な載置部を有するベース部材と、一端部を一方側の前記格納棚側に延出させる一方側延出位置と、他端部を他方側の前記格納棚側に延出させる他方側延出位置との間で移動可能に支持された移載部と、前記移載部を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させる移載部移動機構部とを有し、前記各格納部との間で格納物を移載可能な移載ユニットと、
前記移載ユニットを前記各格納部に対向する位置間で移動させる搬送機構部と、
を備え、
前記移載部移動機構部が、前記移載ユニットにおいて一方側の前記格納棚に近い位置と他方側の格納棚に近い位置とのそれぞれに設けられた一対の回転支持輪と、前記一対の回転支持輪に巻きかけられた無端環状部材と、前記無端環状部材に突出状に設けられた押動部材とを有し、
前記移載部が、前記押動部材を挿入可能な溝を有する受部材を有し、
前記押動部材が前記一対の回転支持輪間を直線状に移動する状態では、前記押動部材が前記溝内に配設されて前記受部材を介して前記移載部を押動し、前記押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態では前記押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動する、自動倉庫装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動倉庫装置であって、
前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、
前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されている、自動倉庫装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の自動倉庫装置であって、
前記押動部材は、前記無端環状部材の外周側に突出している、自動倉庫装置。
【請求項1】
それぞれ格納物を格納可能な格納部を複数有し、間隔を有して対向配置された一対の格納棚と、
前記格納物を載置可能な載置部を有するベース部材と、一端部を一方側の前記格納棚側に延出させる一方側延出位置と、他端部を他方側の前記格納棚側に延出させる他方側延出位置との間で移動可能に支持された移載部と、前記移載部を前記一方側延出位置と前記他方側延出位置との間で移動させる移載部移動機構部とを有し、前記各格納部との間で格納物を移載可能な移載ユニットと、
前記移載ユニットを前記各格納部に対向する位置間で移動させる搬送機構部と、
を備え、
前記移載部移動機構部が、前記移載ユニットにおいて一方側の前記格納棚に近い位置と他方側の格納棚に近い位置とのそれぞれに設けられた一対の回転支持輪と、前記一対の回転支持輪に巻きかけられた無端環状部材と、前記無端環状部材に突出状に設けられた押動部材とを有し、
前記移載部が、前記押動部材を挿入可能な溝を有する受部材を有し、
前記押動部材が前記一対の回転支持輪間を直線状に移動する状態では、前記押動部材が前記溝内に配設されて前記受部材を介して前記移載部を押動し、前記押動部材が前記回転支持輪の外形に沿って移動する状態では前記押動部材が前記溝内を移動しつつ受部材を介して前記移載部を押動する、自動倉庫装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動倉庫装置であって、
前記押動部材は、前記一対の回転支持輪の軸方向に沿って配設された棒状部を有し、
前記溝が前記棒状部の直径に応じた幅寸法に形成され、前記棒状部が前記溝内に移動可能に配設されている、自動倉庫装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の自動倉庫装置であって、
前記押動部材は、前記無端環状部材の外周側に突出している、自動倉庫装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−241069(P2011−241069A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116133(P2010−116133)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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