説明

自動制御装置

【課題】 入力操作の負担を軽減させながらも、柔軟に制御内容を決定することが可能な自動制御装置を提供する。
【解決手段】 ICカード200における第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203は、指静脈情報と取引情報を関連付けて保存している。利用者は、指静脈読取装置40に指を複数回挿入する。ATM100は、1回目に読み取られた指静脈情報と第1の取引情報テーブル202において関連付けられている取引情報と、2回目に読み取られた指静脈情報と第2の取引情報テーブル202において関連付けられている取引情報とを組み合わせて取引内容を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を読み取り、制御内容を決定する自動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金銭に関する自動取引に使用される従来のATMでは、取引を行なう際、取引種類や振込先や振込金額などの取引内容を、タッチパネルから逐次入力しなければならなかった。
【0003】
しかしながら、タッチパネルから取引内容を逐次入力する入力操作は手間がかかり、入力ミスを引き起こす可能性も高かった。
【0004】
また、特許文献1記載の自動車の制御装置では、生体情報を読み取り、生体情報が予め登録されたものであればエンジンを始動するという装置が提案されている。しかし、この技術は、生体情報によりエンジンを始動するというものであり、柔軟に制御内容を決定することはできなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−214241号公報
【特許文献2】特開2002−41169号公報
【0006】
このような問題は、ATMや自動車の制御装置に限らず、利用者の入力により制御内容を取得し、制御内容に応じて自動制御を行なう自動制御装置に共通する問題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、入力操作の負担を軽減させながらも、柔軟に制御内容を決定することが可能な自動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による自動制御装置は、人体の部位における複数の血管パターンを読み取る血管パターン読取装置と、血管パターンと、制御内容の少なくとも一部である制御情報とを関連付けて記憶する記憶部と、読み取られた前記血管パターンに関連付けられている前記制御情報を、前記複数の血管パターンに関して各々取得し、それらの制御情報を組み合わせて、制御内容を決定する制御内容決定部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、複数の血管パターンを読み取り、それらの各々に関連付けられた制御情報を組み合わせて制御内容を決定するので柔軟に制御内容を決定することができる。利用者は血管パターンを読み取らせればよく、入力操作の負担も軽減される。
【0010】
前記記憶部は、前記血管パターンが読み取られる順番と、前記血管パターンと、前記制御情報とを関連付けて記憶しており、前記制御内容決定部は、前記血管パターンと、前記血管パターンが読み取られた順番とに関連付けられた前記制御情報を取得し、制御内容を決定する、ものとしても良い。
【0011】
これによれば、血管パターンが読み取られた順番も考慮されるので、読み取られた順番が異なれば、同じ部位の血管パターンであっても、別の情報とみなされる。したがって、血管パターンに関して、更に多くの制御情報を設定することが可能である。
【0012】
更に、読み取られた前記複数の血管パターンのうち少なくとも1つが、前記記憶部に記憶されている前記血管パターンと一致するか否かにより認証の正否を決定する認証部、を備えるものとしても良い。
【0013】
これによれば、認証部を備えることで、読み取られた血管パターンにより、認証を行なうことができる。
【0014】
前記記憶部は、前記制御情報と関連付けられていない血管パターンも記憶しており、前記認証部は、読み取られた前記複数の血管パターンのうち少なくとも1つが、前記制御情報と関連付けられていない血管パターンも含めた前記記憶部に記憶されている血管パターンと一致するか否かにより認証の正否を決定する、ものとしても良い。
【0015】
これによれば、制御情報と関連付けられていない血管パターンも記憶しているので、更に多くの血管パターンを認証に利用することができる。
【0016】
更に、前記血管パターンと前記制御情報とを関連付けて記憶する携帯可能な記憶媒体から、その記憶内容を読み取る記憶内容読取装置を備え、前記記憶部は、前記記憶内容読取装置が読み取った記憶内容を記憶する、ものとしても良い。
【0017】
これによれば、記憶媒体が血管パターンと制御情報とを関連付けて記憶しており、自動制御装置は、その内容を読み取るので、自動制御装置は常に血管パターンと制御情報とを関連付けて記憶しておく必要がなく、メモリ容量を小さく抑えることができる。
【0018】
前記制御内容決定部は、前記血管パターン読取装置が血管パターンを読み取った後、所定時間、前記血管パターン読取装置が血管パターンを読み取らない場合は、それまでに読み取られた前記血管パターンと一致する血管パターンに関連付けられている前記制御情報に基づいて、制御内容を決定する、ものとしても良い。
【0019】
これによれば、血管パターン読取装置が所定時間血管パターンを読み取らない場合は、それまでに読み取られた血管パターンに基づいて、制御内容を決定するので、自動的に血管パターンの入力終了を検出して、制御内容を決定することができる。また、利用者が、1つの血管パターンを入力するのみで入力を終了しても、それまでに読み取られた1つの血管パターンに基づいて、制御内容を決定することができる。
【0020】
更に、制御内容の少なくとも一部を示す補足情報を入力するための補足情報入力装置を備え、前記制御内容決定部は、前記制御情報の組み合わせと、前記補足情報とに基づいて制御内容を決定する、ものとしても良い。
【0021】
これによれば、更に補足情報を取得して、複雑な制御内容を決定することができる。
【0022】
前記記憶部は、更に、前記人体の部位と前記制御情報とを関連付けて記憶しており、前記自動制御装置は、更に、前記自動制御装置の利用者が前記血管パターンを読み取らせる際の指標として、前記記憶部が記憶している前記人体の部位と前記制御情報との関連付けを表示する表示部、を備えるものとしても良い。
【0023】
これによれば、人体の部位と制御情報との関連付けを表示するので、任意の制御を行なうために、どの部位の血管パターンを入力すれば良いか利用者にガイダンスを示すことができる。
【0024】
なお本発明は種々の形態で実現可能であり、例えば、自動制御方法や、自動取引装置等の形態で実現可能である。また、それらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の自動制御装置の一形態であるATM100と、ATM管理サーバ300を示す説明図である。ATM100とATM管理サーバ300は、ネットワークを介して接続されている。ATM100は、利用者からの入力を受け付け、金銭に関する自動取引を行なう装置である。ATM管理サーバ300は、ATM100を管理するコンピュータであり、銀行口座管理用データベース(以下、DBと呼ぶ)310を記憶している。銀行口座管理用DB310には、口座情報として、口座番号と口座残高と暗証番号、そして取引履歴などが保存されている。
【0026】
ATM100は、制御部10と、液晶ディスプレイ20と、タッチパネル30と、指静脈読取装置40と、メモリ50と、ICカード取扱装置60と、紙幣取扱装置70と、硬貨取扱装置80と、通帳取扱装置90と、現金保管庫95とを備えている。液晶ディスプレイ20は、操作ガイダンスを表示し、タッチパネル30は、利用者からの入力を受け付ける。タッチパネル30は、本発明の補足情報入力装置に相当する。紙幣取扱装置70と、硬貨取扱装置80とは、利用者から紙幣や硬貨を受け取ったり、利用者へ紙幣や硬貨を渡したりする装置である。通帳取扱装置90と、利用者から通帳を受け取って、通帳の情報を読み取ったり、利用者へ通帳を返却したりする装置である。現金保管庫95は、利用者から受け取った現金または利用者へ渡すための現金を保管する保管庫である。
【0027】
指静脈読取装置40は、利用者の指の静脈の血管パターンを読み取る装置であり、内部にCPU41を備えている。指静脈読取装置40は、読み取った血管パターンを指静脈情報としてATM100のメモリ50に一旦保存する。指静脈情報は、画像情報であっても良いし、ベクトル情報であっても良い。保存された指静脈情報は、取引内容の決定及び認証に利用される。詳しくは後述する。指静脈読取装置40は、本発明の血管パターン読取装置に相当する。ICカード取扱装置60は、利用者からICカードを受け取って、ICカードに記憶されている情報を読み取り、ATM100のメモリ50に一旦保存する。ICカード取扱装置60は、本発明の記憶内容読取装置に相当し、メモリ50は、本発明の記憶部に相当する。
【0028】
図2は、タッチパネル30と、指静脈読取装置40と、ICカード取扱装置60の配置を示す説明図である。指静脈読取装置40と、ICカード取扱装置60は、タッチパネル30の両横に各々配置されている。指静脈読取装置40には孔が開いており、利用者は、孔に指を1本ずつ挿入することにより、指の静脈の血管パターンを読み取らせる。指静脈読取装置40は、指を挿入する形式のものに限らず、図2の下方点線の枠内に示した指静脈読取装置42であっても良い。この指静脈読取装置32は、読取部43にあてられた指の静脈の血管パターンを読み取るものである。なお、指静脈読取装置40をタッチパネル30の横に配置することで、利用者は、指静脈読取装置40へ挿入していた指をタッチパネル30へとスムーズに動かすことができる。図2のタッチパネル30は、金額を入力する画面となっている。利用者は、数字のボタンに触れることにより、金額を入力することができる。
【0029】
ICカード取扱装置60にもスリットが開いており、利用者は、スリットにICカード200を挿入することにより、自身が所有するICカード200の記憶内容を読み取らせる。ICカード200には、利用者の口座番号と、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203が記憶されている。ICカード200は、本発明の記憶媒体に相当する。
【0030】
図3は、指静脈テーブル201を示す説明図である。指静脈テーブル201は、ICカード200の正当な使用者の指静脈情報を保存するテーブルである。指静脈テーブル201には、指種類と、IDと、指静脈情報が記憶されている。指種類は、利用者の指の種類を示している。人の指は10本なので、指種類も10通りである。指種類は、本発明の人体の部位に相当する。IDは、指種類固有の番号である。指静脈情報は、指種類の指静脈情報である。指静脈情報は、口座開設時などに指静脈テーブル201に保存するが、全ての指種類の指静脈情報を保存する必要はない。例えば、図3では左手親指の指静脈情報は保存されていない。また、指静脈テーブル201には、利用者の希望により、利用者以外の代理人(例えば配偶者)の指静脈情報を保存するものとしても良い。この場合、指種類は11以上となる。
【0031】
図4は、第1の取引情報テーブル202を示す説明図である。第1の取引情報テーブル202は、第1のIDと、第1の取引情報と、第1の補足情報とを保存している。第1の取引情報において、下段は第1の取引情報を示し、上段は第1の取引情報のカテゴリを示す。第1のIDは、指種類のIDである。第1の取引情報は、第1のIDに相当する指種類が、取引の際最初に指静脈読取装置40に挿入された場合に、ATM100が実行する取引の内容の一部を示す。例えば、IDが2の右手中指が、取引の際最初に指静脈読取装置40に挿入されると、ATM100は、出金処理を実行する。なお、IDは指種類固有の番号であるから、第1の取引情報テーブル202において、第1のIDと第1の取引情報が関連付けられているということは、指種類と第1の取引情報が関連付けられているということである。即ち、人体の部位と第1の取引情報が関連付けられているということである。
【0032】
ここで、第1の取引情報のみでは、ATM100は取引を実行することができない場合がある。例えば、出金処理では、出金金額が分からなければ取引を実行することができない。図4における第1の補足情報は、第1の取引情報以外に取引を実行するために必要な情報である。先の例では、出金金額が補足情報である。補足情報は、2番目に読み取られる指静脈か、または利用者の入力に応じて決定される。これについては後述する。取引種類が入金と残高照会の場合は、補足情報は存在しない。なお、以下では取引に必要不可欠な情報を取引内容と呼ぶ。第1の取引情報と第1の補足情報を併せると取引内容となる。第1の取引情報テーブル202は、口座開設時などに利用者の指定によりICカード200に保存されるものとしても良いし、全ての者のICカード200において予め同一に保存されているものとしても良い。
【0033】
図5は、第2の取引情報テーブル203を示す説明図である。第2の取引情報テーブル203は、第2のIDと、第2の取引情報と、第2の補足情報とを保存している。第2の取引情報において、下段は第2の取引情報を示し、上段は第2の取引情報のカテゴリを示す。第2のIDは、指種類のIDである。第2の取引情報は、第2のIDに相当する指種類が、取引の際2番目に指静脈読取装置40に挿入された場合に、ATM100が実行する取引の内容の一部を示す。なお、IDは指種類固有の番号であるから、第2の取引情報テーブル203において第2のIDと第2の取引情報が関連付けられているということは、指種類と第2の取引情報が関連付けられているということである。即ち、人体の部位と第2の取引情報が関連付けられているということである。
【0034】
ATM100は、第1の取引情報と第2の取引情報に基づいて取引を実行する。例えば、IDが2の右手中指が指静脈読取装置40に最初に挿入され、IDが3の右手人指し指が指静脈読取装置40に2番目に挿入された場合は、第1の取引情報が出金で、第2の取引情報が1万円であるから、ATM100は、1万円の出金処理を行なう。ここで、第1の取引情報と第2の取引情報のみでは、ATM100は取引を実行することができない場合がある。例えば、第1のIDが6で、第2のIDが2の場合の振込処理では、第1の取引情報が振込で、第2の取引情報がA銀行B支店口座番号123456であることは分かるが、振込金額が分からなければ取引を実行することができない。図5における第2の補足情報は、第1の取引情報と第2の取引情報以外に取引を実行するために必要な情報である。先の例では、振込金額が補足情報である。補足情報は、利用者の入力により決定される。これについては後述する。第1の取引情報と第2の取引情報と第2の補足情報を併せると取引内容となる。第2の取引情報テーブル203は、口座開設時などに利用者の指定によりICカード200に保存されるものとしても良いし、全ての者のICカード200において予め同一に保存されているものとしても良い。
【0035】
図1に戻り説明する。制御部10は、ATM100内の個々の装置を制御して、取引を実現させる。制御部10は、表示部11と、認証部12と、取引内容決定部13とを備えている。
【0036】
表示部11は、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203とに基づいて、利用者が指静脈を読み取らせる際の指標となるガイダンステーブル400,500を作成し、液晶ディスプレイ20に表示する。図6は、ガイダンステーブル400,500を示す説明図である。図6(a)はガイダンステーブル400を示し、図6(b)はガイダンステーブル500を示す。ガイダンステーブル400,500は、取引情報と指種類との関連付けを示すテーブルである。
【0037】
表示部11は、以下の手順で、指静脈テーブル201と第1の取引情報テーブル202からガイダンステーブル400を作成する。まず、表示部11は、図4の第1の取引情報テーブル202における1列目と2列目、つまり第1のIDと第1の取引情報を抜き出し、第1の取引情報のカテゴリを消去する。次に、第1の取引情報と第1のIDの列順を入れ替える。そして、指静脈テーブル201を参照し、第1のIDを、IDに対応する指種類に変換する。最後に、第1の取引情報と第1のIDの項目名を、それぞれ取引1と指に変換する。
【0038】
表示部11は、同様に、指静脈テーブル201と第2の取引情報テーブル203からガイダンステーブル500を作成する。具体的には、図5の第2の取引情報テーブル203における1列目と2列目、つまり第2のIDと第2の取引情報を選び出し、第2の取引情報のカテゴリを消去する。次に、第2の取引情報と第2のIDの列順を入れ替える。そして、指静脈テーブル201を参照し、第2のIDを、IDに対応する指種類に変換する。第2の取引情報と第2のIDの項目名は、それぞれ取引2と指に変換する。
【0039】
利用者は、これらのガイダンステーブル400,500を参照しつつ指静脈情報を入力する。詳しくは後述する。なお、ガイダンステーブル400,500の形式は、これに限らず、様々に設定可能である。例えば、2つのガイダンステーブル400,500を組み合わせて1つのテーブルとして表示するものとしても良い。また、本実施例では、表示部11は、ガイダンステーブル400,500を作成して表示するが、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203とをそのまま液晶ディスプレイ20に表示するものとしても良い。
【0040】
認証部12は、ICカード取扱装置60がICカード200から読み取ってメモリ50に保存した指静脈テーブル201の指静脈情報と、指静脈読取装置40が読み取ってメモリ50に保存した利用者の指静脈情報とを照合する。そして、利用者がICカード取扱装置60から挿入されたICカード200の正当な使用者であるか否かの認証を行なう。
【0041】
取引内容決定部13は、利用者の指静脈情報と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203とに基づいて、取引内容を決定する。取引内容決定部13は、利用者から入力される指静脈情報のIDと関連した第1の取引情報や第2の取引情報を第1の取引情報テーブル202や第2の取引情報テーブル203から検索し、それらの取引情報に基づいて取引内容を決定する。第1の取引情報や第2の取引情報は、本発明における制御情報に相当し、取引内容は本発明における制御内容に相当し、取引内容決定部13は、本発明における制御内容決定部に相当する。取引内容決定部13は、利用者から入力される指静脈情報のIDと関連した補足情報が存在する場合は、補足情報も取得し、取引情報と補足情報を併せて取引内容とする。補足情報は、利用者からタッチパネル30を介して取得する。
【0042】
図7は、取引処理を示すフローチャートである。ATM100は、利用者からICカード200がICカード取扱装置60に挿入されると(ステップS10)、液晶ディスプレイ20で利用者に暗証番号の入力を促し、タッチパネル30から暗証番号を取得する(ステップS20)。また、ICカード取扱装置60は、ICカード200の記憶内容を読み出し、メモリ50に保存する。読み出す記憶内容は、口座番号と、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203である(ステップS30)。
【0043】
次に、表示部11は、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203とに基づいて、ガイダンステーブル400,500を作成し、液晶ディスプレイ20に表示する(ステップS40)。
【0044】
次に、認証部12と取引内容決定部13は、認証処理及び取引内容決定処理を実行する(ステップS50)。図8は、認証処理及び取引内容決定処理を示すフローチャートである。利用者は、ガイダンステーブル400を参照し、取引1の中から、任意の取引を選択し、その取引1に関連付けられた指を指静脈読取装置40に挿入する。例えば、振込をする場合は、ガイダンステーブル400において、振込に関する指は左手薬指であるから、左手薬指を挿入する。指静脈読取装置40は、指が挿入されると、指静脈を読み取り、指静脈情報としてメモリ50に保存する(ステップS51)。最初に挿入された指の指静脈情報を、第1の指静脈情報と呼ぶ。
【0045】
次に、認証部12は、第1の指静脈情報と、指静脈テーブル201の指静脈情報を照合し、第1の指静脈情報と一致する指静脈情報が指静脈テーブル201に存在するか否か調べる(ステップS52)。ところで、指静脈情報が一致するとは、2つの指静脈情報が所定値以上の割合で一致する場合も含む。
【0046】
第1の指静脈情報と一致する指静脈情報が指静脈テーブル201に存在する場合は、指を挿入した利用者は、ICカード200の正当な利用者として登録されているので、認証する。一致する指静脈情報が存在しない場合、つまり認証しない場合は(ステップS53:NO)、エラー処理を行ない(ステップS54)、処理を終了する。エラー処理では、具体的には、エラーメッセージ「あなたは、このカードの正当な利用者として登録されていません。」を液晶ディスプレイ20に表示し、ICカード200をICカード取扱装置60から排出する。なお、ここでは、一致する指静脈情報が存在しない場合は(ステップS53:NO)、直ちにエラー処理を行なっている(ステップS54)が、更に数回指静脈情報を入力する機会を利用者に与え、それにより一致する指静脈情報が存在した場合は、ステップS55以降の処理に進み、それでも一致する指静脈情報が存在しない場合に始めてエラー処理を行なうものとしても良い。
【0047】
一方、認証した場合は(ステップS53:YES)、その指静脈情報に相当するIDを第1のIDと決定する(ステップS55)。
【0048】
利用者は、最初に指を挿入した後、指静脈読取装置40から指を抜き、ガイダンステーブル500を参照し、更に指を指静脈読取装置40に挿入しても良い。つまり、利用者は、ガイダンステーブル500を参照し、実行したい取引に相当する取引2がガイダンステーブル500内に登録されていれば、その取引2に相当する指を指静脈読取装置40に挿入する。具体的には、A銀行B支店口座番号123456への振込を実行する場合、ガイダンステーブル500において、A銀行B支店口座番号123456に関する指は右手中指であるから、右手中指を挿入する。指静脈読取装置40は、指が挿入されると、指静脈を読み取り、指静脈情報としてメモリ50に保存する。2番目に挿入された指の指静脈情報を、第2の指静脈情報と呼ぶ。
【0049】
第1の指静脈情報が入力されてから、5秒経過するまでに(ステップS56:NO)、第2の指静脈情報が入力された場合は(ステップS57:YES)、認証部12は、第2の指静脈情報と、指静脈テーブル201の指静脈情報を照合し、第2の指静脈情報と一致する指静脈情報が指静脈テーブル201に存在するか否か調べる(ステップS58)。一致する指静脈情報が存在する場合は(ステップS59:YES)、その指静脈情報に相当するIDを第2のIDと決定する(ステップS60)。そして、取引内容決定部13は、第1のIDと第2のIDに基づいて取引内容を決定する第1の取引内容決定処理を実行する(ステップS70)。
【0050】
図9は、第1の取引内容決定処理を示すフローチャートである。まず、取引内容決定部13は、第1の取引情報テーブル202から、第1のIDに関連する第1の取引情報を検索する(ステップS71)。第1のIDに関連した第1の取引情報が、第1の取引情報テーブル202に登録されていない場合は(ステップS72:NO)、取引内容を決定できないので、エラー処理を行ない(ステップS73)、処理を終了する。第1のIDに関連した第1の取引情報が、第1の取引情報テーブル202に登録されていない場合とは、例えば、第1のIDが「5」である場合である。エラー処理では、「間違った指が挿入されました。確認し、再度最初から処理を実行してください。」と表示する。あるいは、エラー処理に替えて、制御部10が、タッチパネル30を介し、利用者から全ての取引内容を取得するものとしても良い。利用者は、既にICカード200の正当な使用者として認証されているからである。
【0051】
第1のIDに関連した第1の取引情報が、第1の取引情報テーブル202に登録されている場合は(ステップS72:YES)、取引内容決定部13は、第1の取引情報を取得する(ステップS74)。そして、第2の取引情報テーブル203から、第2のIDに関連する第2の取引情報を検索する(ステップS75)。第2のIDに関連した第2の取引情報が、第2の取引情報テーブル203に登録されていない場合、又は第2のIDから取得される第2の取引情報のカテゴリが、第1の補足情報に含まれていない情報である場合は(ステップS76:NO)、利用者が、2度目に指静脈読取装置40に指を挿入する際、誤った指を挿入したので、第1の補足情報を取得し(ステップS77)、第1の取引情報と第1の補足情報を併せて取引内容とする(ステップS78)。第1の補足情報を取得するとは、例えば、第1のIDが6の場合は、振込先と振込金額を取得することである。具体的には、液晶ディスプレイ20で利用者に振込先と振込金額の入力を促し、タッチパネル30から振込先と振込金額を取得する。第1の補足情報が存在しない場合は、ステップS77は省略し、第1の取引情報を取引内容とする。
【0052】
なお、第2のIDから取得される第2の取引情報のカテゴリが、第1の補足情報に含まれていない情報である場合は、例えば、第1のIDが3の場合に発生する。このとき、第1のIDが3なので、第1の補足情報が存在せず、第1の取引情報以外に取引を実行するために必要な情報はない。従って、第2のIDが指定されても、これから取得される第2の取引情報は、第1の補足情報として必要とされていないものである。また、第1のIDが6であり、第2のIDが2である場合も同様である。なお、第2のIDから取得される第2の取引情報のカテゴリが、第1の補足情報に含まれていない情報である場合は、1度目に指静脈読取装置40に指を挿入する際、誤った指を挿入した可能性もある。したがって、この場合はエラー処理を行ない、処理を終了するものとしても良い。
【0053】
第2のIDに関連した第2の取引情報が、第2の取引情報テーブル203に登録されており、第2の取引情報のカテゴリが、第1の補足情報に含まれている場合は(ステップS76:YES)、取引内容決定部13は、カテゴリが第1の補足情報に含まれている第2の取引情報を取得する(ステップS79)。例えば、第1のIDが6で、第2のIDが2である場合は、第1の取引情報として振込を、第2の取引情報として、A銀行B支店口座番号123456を取得する。第2の取引情報テーブル203において、第2のIDが2の第2の取引情報は2つ存在するが、カテゴリにより、取得する第2の取引情報を判別できる。そして、第2の補足情報を、取得する(ステップS80)。第2の補足情報は、液晶ディスプレイ20で利用者に第2の補足情報の入力を促して取得する。入力を促された利用者は、タッチパネル30から第2の補足情報を入力する。そして、取引内容決定部13は、第1の取引情報と、第2の取引情報と、第2の補足情報を併せて取引内容とする(ステップS81)。例えば、第1のIDが6で、第2のIDが2である場合は、第2の補足情報として、振込金額を取得し、「A銀行B支店口座番号123456に○○円振込」という情報を取引内容とする。
【0054】
図8に戻り説明する。一方、第2の指静脈情報が入力されずに(ステップS57:NO)、第1の指静脈情報が入力されてから、5秒間経過した場合(ステップS56:YES)、あるいは、第2の指静脈情報と一致する指静脈情報が指静脈テーブル201に存在しない場合は(ステップS59:NO)、第1のIDに基づいて取引内容を決定する第2の取引内容決定処理を実行する(ステップS90)。
【0055】
第2の取引内容決定処理は、図9の第1の取引内容決定処理のステップS71〜ステップS78とほぼ同じ内容であるので図示を省略する。第2の取引内容決定処理において、取引内容決定部13は、第1の取引情報テーブル202から、第1のIDに関連する第1の取引情報を検索する。第1のIDに関連した第1の取引情報が、第1の取引情報テーブル202に登録されていない場合は、取引内容を決定できないため、エラー処理を行ない、処理を終了する。第1のIDに関連した第1の取引情報が、第1の取引情報テーブル202に登録されている場合は、取引内容決定部13は、第1の取引情報を取得する。そして、第1の補足情報を取得し、第1の取引情報と第1の補足情報を併せて取引内容とする。第1の補足情報は、液晶ディスプレイ20で利用者に第1の補足情報の入力を促して取得する。入力を促された利用者は、タッチパネル30から第1の補足情報を入力する。第1の補足情報が存在しない場合は、第1の取引情報をそのまま取引内容とする。
【0056】
図7に戻り説明する。ATM100は、取引内容を決定した後、取引内容に応じた制御を行なう。例えば、1万円を出金するという取引内容の場合は、現金保管庫95から1万円を搬送し、紙幣取扱装置70から出金するという動作制御を行なう。本実施例では、制御の一部をATM管理サーバ300で実行する。具体的にはATM100は、ATM管理サーバ300へ、取引内容と口座番号と暗証番号を送信する(ステップS100)。ATM管理サーバ300は、銀行口座管理用DB310において、受信した口座番号に相当する口座情報(口座残高、暗証番号など)を検索し、受信した取引内容を実行可能か否か判断する。例えば、口座残高が5千円であるのに1万円出金という取引内容を受信すれば、実行不可能と判断する。また、受信した暗証番号と、口座情報の暗証番号が不一致であれば、実行不可能と判断する。実行不可能であれば、ATM100に取引結果をエラーと応答する。実行可能であれば、銀行口座管理用DB310の口座情報を書き換える。例えば、1万円出金という取引内容であれば、口座残高から1万を引いて口座残高とする。そして、ATM100へ取引結果をOKと応答する。
【0057】
ATM管理サーバ300から取引結果を受信した制御部10は、取引結果がOKの場合は(ステップS110:YES)、取引内容に応じて、取引結果の印字やICカード200の排出、などの制御を行なう(ステップS120)。取引種類が出金の場合は、出金の制御も行なう。取引結果がエラーの場合は(ステップS110:NO)、エラーメッセージの表示などのエラー処理をする(ステップS130)。
【0058】
以上のように、本実施例のATM100によれば、複数の指静脈情報を読み取り、それらの各々に関連付けられた取引情報を組み合わせて取引内容を決定することで、柔軟に取引内容を決定することができる。本実施例のATM100は、利用者側から見れば、指静脈を読み取らせる毎に、取引種類や出金金額、振込み先などの入力が、段階的に省略されていくので、入力操作の負担が少ない。また、指静脈情報を利用して取引内容を決定するので、個人情報としての取引内容が他人に使用されることを防ぐことができる。血管パターンは指紋に比べて捏造が難しく、盗用されにくいという利点もある。
【0059】
また、本実施例のATM100は、指静脈情報が読み取られた順番も考慮するので、同一の指静脈情報に関して、複数の取引情報を設定することが可能である。更に、認証部12を備えることで、読み取られた指静脈情報により、認証を行なうことができる。また、指静脈テーブル201に、取引情報と関連付けられていない指静脈情報も記憶しているので、多くの指静脈情報を認証に利用することができる。
【0060】
また、ICカード200が指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203とを記憶しており、ATM100は、その記憶内容を読み取るので、ATM100のメモリ50の容量を小さく抑えることができる。
【0061】
更に、指静脈読取装置40が5秒間血管パターンを読み取らない場合は、それまでに読み取られた指静脈情報に基づいて、取引内容を決定するので、自動的に指静脈情報の入力終了を検出して、取引内容を決定することができる。また、本実施例のATM100によれば、利用者が、1つの指静脈情報を入力するのみで入力を終了しても、取引内容を決定することができる。
【0062】
また、表示部11が、ガイダンステーブル400,500を液晶ディスプレイ20に表示するので、利用者が指静脈情報を入力する際の指標を示すことができる。
【0063】
その他の実施例:
(1)上記実施例では、利用者から暗証番号を取得し、ATM管理サーバ300において、暗証番号が銀行口座管理用DB310に登録されているか否かに基づいて、取引を実行可能であるか否か調べた。これは、利用者が口座番号の正当な利用者であるか否か調べるためである。本実施例では、指静脈情報によりICカード200の正当な利用者であるか否か認証を行なっているので、暗証番号の入力は省略するものとしても良い。また、本実施例では、暗証番号が銀行口座管理用DB310に登録されているか否かを、取引内容決定後に調べているが、暗証番号取得時にすぐに調べ、登録されていなければ、エラーとしてそのまま処理を終了するものとしても良い。
【0064】
(2)上記実施例では、血管パターンとして指の血管パターンを用いたが、これに限らず、手のひらやその他の部位の血管パターンを利用するものとしても良い。
【0065】
(3)上記実施例では、認証部12は、2つの指静脈情報により、第1と第2のIDを決定し、取引内容決定部13は、2つのIDに基づいて第1の取引情報と第2の取引情報を取得していた。しかし、これに限らず、利用者が3度以上指を指静脈読取装置40に挿入し、3つ以上の指静脈情報を取得するものとしても良い。この場合は、認証部12は、3つ以上のIDを決定し、取引内容決定部13は、3つ以上のIDに基づいて、3つ以上の取引情報を取得し、3つ以上の取引情報に基づいて取引内容を決定する。
【0066】
(4)上記実施例では、表示部11は、ガイダンステーブル400,500を液晶ディスプレイ20に表示しているが、ガイダンステーブル400,500は表示しなくとも良い。利用者が、ガイダンステーブル400,500の内容を暗記していれば良い。ガイダンステーブル400,500を表示するか否かは、口座開設時等に個別に設定可能であるものとしても良い。
【0067】
(5)上記実施例では、補足情報を取得し、補足情報と取引情報とを併せて取引内容(制御内容)としたが、補足情報を取得する処理から取引内容(制御内容)に含むものとしても良い。この場合の制御内容は、例えば「振込金額を取得し、その振込金額をA銀行B支店口座番号123456に振込み」となる。
【0068】
(6)上記実施例では、第1の指静脈情報が入力されてから5秒間経過しても次の指静脈情報が入力されない場合は、第1のIDのみに基づいて取引内容を決定しているが、この5秒間という時間は、ICカード200などに登録することにより、利用者が任意に設定可能であるものとしても良い。テーブルを確認しながら指を挿入する利用者のために、30秒間としても良い。また、次の指静脈情報が入力されるまでは待機する設定としても良い。
【0069】
(7)上記実施例では、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203は、ICカード200に記憶されており、ICカード取扱装置60によりICカード200の記憶内容を読み取るものとしたが、これに限らない。例えば、指静脈テーブル201と、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203は、ATM100のメモリ50に予め記憶されているものとしても良いし、ATM管理サーバ300に記憶されているものとしても良い。
【0070】
(8)上記実施例では、指静脈テーブル201を備え、指静脈テーブル201に第1の指静脈情報が保存されているか否かにより認証の正否を決定しているが、これに限らない。例えば、第1の指静脈情報と第2の指静脈情報が共に指静脈テーブル201に保存されている場合に、認証するものとしても良いし、第1の指静脈情報と第2の指静脈情報のいずれか一方が指静脈テーブル201に保存されている場合に、認証するものとしても良い。また、指静脈テーブル201を備えず、以下のように認証の正否を決定するものとしても良い。即ち、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203に、IDではなく、IDに相当する指静脈情報を保存し、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203のいずれかに、第1の指静脈情報や第2の指静脈情報が登録されているか否かにより認証の正否を決定するものとしても良い。
【0071】
また、暗証番号により認証を行なっているので、ステップS53〜ステップS54の認証処理は省略するものとしても良い。省略する場合、指静脈テーブル201を備えず、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203に、IDに相当する指静脈情報を保存するものとしても良い。そして、第1の指静脈情報で第1の取引情報テーブル202を、第2の指静脈情報で第2の取引情報テーブル203を検索して、第1の取引情報と第2の取引情報を取得し、それらを組み合わせて取引内容を決定するものとしても良い。
【0072】
(9)上記実施例では、第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203を別個に用意したが、1つの取引情報テーブルであっても良い。図10は、取引情報テーブルが1つの場合の取引情報テーブルを示す説明図である。図4と図5の第1の取引情報テーブル202と、第2の取引情報テーブル203では、2や3という同一のIDを使用することができたが、取引情報テーブルにおいては、指静脈情報が読み取られた順番を考慮していないので、すべての取引情報に対して、各々異なるIDが与えられている必要がある。つまり、取引情報がそれぞれ異なる指静脈情報と対応している必要がある。
【0073】
(10)上記実施例では、複数の指静脈情報を1つずつ順番に取得したが、複数の指静脈情報を同時に読み取るものとしても良い。
【0074】
(11)上記実施例では、ATM管理サーバ300に銀行口座管理用DB310を保存し、ATM管理サーバ300で制御の一部を実行しているが、すべての制御をATM100単体で実行するものとしても良い。
【0075】
(12)上記実施例では、自動制御装置としてATM100を例に挙げて説明したが、これに限らず、自動制御を行なう装置であれば本発明は適用可能である。例えば、自動制御装置は、コンピュータであって、複数の指静脈情報を読み取り、指静脈情報に応じて制御内容(プログラムの起動や設定の変更など)を決定し、決定した制御内容にあわせて自動制御を行なうものであっても良い。また、自動制御装置は、自動車の制御装置であっても良い。
【0076】
以上、実施例に基づき本発明に係る自動制御装置、自動制方法および自動制御装置の機能を実現させるためのプログラムを説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の自動制御装置の一形態であるATM100とATM管理サーバ300を示す説明図。
【図2】タッチパネル30と指静脈読取装置40とICカード取扱装置60の配置を示す説明図。
【図3】指静脈テーブル201を示す説明図。
【図4】第1の取引情報テーブル202を示す説明図。
【図5】第2の取引情報テーブル203を示す説明図。
【図6】ガイダンステーブル400,500を示す説明図。
【図7】取引処理を示すフローチャート。
【図8】認証処理及び取引内容決定処理を示すフローチャート。
【図9】第1の取引内容決定処理を示すフローチャート。
【図10】取引情報テーブルを示す説明図。
【符号の説明】
【0078】
10...制御部
11...表示部
12...認証部
13...取引内容決定部
20...液晶ディスプレイ
30...タッチパネル
40...指静脈読取装置
41...CPU
42...指静脈読取装置
43...読取部
50...メモリ
60...ICカード取扱装置
70...紙幣取扱装置
80...硬貨取扱装置
90...通帳取扱装置
95...現金保管庫
201...指静脈テーブル
202...第1の取引情報テーブル
203...第2の取引情報テーブル
400,500...ガイダンステーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動制御装置であって、
人体の部位における複数の血管パターンを読み取る血管パターン読取装置と、
血管パターンと、制御内容の少なくとも一部である制御情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
読み取られた前記血管パターンに関連付けられている前記制御情報を、前記複数の血管パターンに関して各々取得し、それらの制御情報を組み合わせて、制御内容を決定する制御内容決定部と、
を備えた自動制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動制御装置であって、
前記記憶部は、前記血管パターンが読み取られる順番と、前記血管パターンと、前記制御情報とを関連付けて記憶しており、
前記制御内容決定部は、前記血管パターンと、前記血管パターンが読み取られた順番とに関連付けられた前記制御情報を取得し、制御内容を決定する、
自動制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動制御装置であって、更に、
読み取られた前記複数の血管パターンのうち少なくとも1つが、前記記憶部に記憶されている前記血管パターンと一致するか否かにより認証の正否を決定する認証部、
を備えた自動制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動制御装置であって、
前記記憶部は、前記制御情報と関連付けられていない血管パターンも記憶しており、
前記認証部は、読み取られた前記複数の血管パターンのうち少なくとも1つが、前記制御情報と関連付けられていない血管パターンも含めた前記記憶部に記憶されている血管パターンと一致するか否かにより認証の正否を決定する、
自動制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の自動制御装置であって、更に、
前記血管パターンと前記制御情報とを関連付けて記憶する携帯可能な記憶媒体から、その記憶内容を読み取る記憶内容読取装置を備え、
前記記憶部は、前記記憶内容読取装置が読み取った記憶内容を記憶する、
自動制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の自動制御装置であって、
前記制御内容決定部は、前記血管パターン読取装置が血管パターンを読み取った後、所定時間、前記血管パターン読取装置が血管パターンを読み取らない場合は、それまでに読み取られた前記血管パターンと一致する血管パターンに関連付けられている前記制御情報に基づいて、制御内容を決定する、
自動制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の自動制御装置であって、更に、
制御内容の少なくとも一部を示す補足情報を入力するための補足情報入力装置を備え、
前記制御内容決定部は、前記制御情報の組み合わせと、前記補足情報とに基づいて制御内容を決定する、
自動制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の自動制御装置であって、
前記記憶部は、更に、前記人体の部位と前記制御情報とを関連付けて記憶しており、
前記自動制御装置は、更に、前記自動制御装置の利用者が前記血管パターンを読み取らせる際の指標として、前記記憶部が記憶している前記人体の部位と前記制御情報との関連付けを表示する表示部、
を備えた自動制御装置。
【請求項9】
自動制御方法であって、
血管パターンと、制御内容の少なくとも一部である制御情報とを関連付けて予め設定する設定工程と、
複数の血管パターンを読み取る血管パターン読取工程と、
読み取られた前記血管パターンに関連付けられている前記制御情報を、前記複数の血管パターンに関して各々取得し、それらの制御情報を組み合わせて、制御内容を決定する制御内容決定工程と、
を備えた自動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−172034(P2006−172034A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362288(P2004−362288)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】