説明

自動原稿送り装置

【課題】小型化され、生産コストが低減され、原稿搬送部の保守性を向上させる自動原稿送り装置を提供する。
【解決手段】自動原稿送り装置は、ペーパガイド1に着脱可能な搬送ユニット2を備え、搬送ユニット2は、駆動力を発生するモータ4と、モータ4を保持するモータ保持部5と、原稿3に駆動力を伝えて搬送する駆動ローラ6と、モータ4が発生する駆動力を駆動ローラ軸7を介して駆動ローラ6に伝達する駆動伝達機構8とを含み、ペーパガイド1の一部が切欠かれてスロット9が設けられ、スロット9と搬送ユニット2とに、互いに嵌り合う嵌合部41,42が設けられ、嵌合部41,42が嵌り合うことによって搬送ユニット2がペーパガイド1に組み込まれた状態で、ペーパガイド1の一面および搬送ユニット2の一面が連続した面を形成するように、ペーパガイド1および搬送ユニット2が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を画像読取装置に搬送するための自動原稿送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動原稿送り装置は、原稿を画像読取装置に向けて搬送する。さらに、画像読取装置から原稿を排紙する機能が設けられることもある。自動原稿送り装置は、読取り前の原稿が積載される給紙トレイと、原稿を画像読取装置に搬送する機構を有する原稿搬送部とを含む。
【0003】
特許文献1には、静止原稿読取機能と自動給紙原稿読取機能とを備えた画像読取装置が記載されている。特許文献1に記載された画像読取装置は、原稿を自動給紙原稿読取板等の原稿読取板に自動搬送する自動原稿給紙装置を備えている。
【0004】
図8は、特許文献1に記載された画像読取装置の自動原稿給紙装置において原稿を自動搬送する原稿搬送部の簡易構成を示す説明図である。図8に示す原稿搬送部は、ペーパガイド201、モータ202、駆動伝達機構203、駆動ローラ軸204、駆動ローラ205およびフレーム206を含む。
【0005】
ペーパガイド201は、原稿が搬送される経路である原稿搬送経路を形成する。モータ202は、駆動伝達機構203に回転駆動力を与え、駆動伝達機構203は、与えられた回転駆動力で駆動ローラ軸204を回転させる。駆動ローラ軸204は、ペーパガイドの内部に配置されている。駆動ローラ軸204が回転すると、駆動ローラ軸204に取り付けられている駆動ローラ205も回転する。駆動ローラ205の一部は、ペーパガイド201が形成する原稿搬送経路に接するように配置され、回転する駆動ローラ205は、原稿搬送経路を搬送される原稿に駆動力を与える。フレーム206は、自動原稿給紙装置の強度を保つためにペーパガイド201の両端に設けられる。また、原稿搬送部は、モータ202を保持するためのモータ保持部214(図9参照)および駆動ローラ軸204を保持するための駆動ローラ軸保持部(図示せず)を備えている。また、原稿を挟むように駆動ローラ205の外周面に接触して従動回転する補助ローラ(図示せず)を含む。
【0006】
図9は、図8に示す原稿搬送部が組み込まれた自動原稿給紙装置の簡易構成を示す説明図である。自動原稿給紙装置211において、原稿搬送部213は、モータ202、駆動伝達機構203、モータ保持部214、フレーム206、レジストローラ軸215、フィードローラ軸216、フィードローラ軸217および排紙ローラ軸218を含む。レジストローラ軸215、フィードローラ軸216、フィードローラ軸217および排紙ローラ軸218は、図8に示す駆動ローラ軸204に相当し、それぞれレジストローラ、フィードローラまたは排紙ローラを回転させる。自動原稿給紙装置213において、原稿212が搬送される原稿搬送経路Aの他に、駆動伝達機構203とモータ202とモータ保持部214とを設けるために必要な空間Bが確保されている。矢印Cは、原稿搬送経路Aにおける原稿212の搬送方向を示す。自動原稿給紙装置211では、原稿搬送部213の各ローラがモータ202から駆動伝達機構203を介して得た駆動力を原稿212に与え、原稿212を原稿搬送方向Cの方向に送る。
【0007】
特許文献2には、複数の原稿給紙手段と原稿分離手段とを設けた原稿搬送装置が記載されている。特許文献2に記載された原稿搬送装置は、大サイズ原稿の単独搬送と小サイズ原稿の複数同時搬送とを行うことを目的としている。特許文献2に記載された原稿搬送装置は、複数の原稿給紙手段と原稿分離手段によって、小サイズの原稿の複数同時搬送を正確かつ高速に行うことができる。また、大サイズの原稿の搬送時には、原稿中央部分以外の着脱可能な原稿分離手段を外すことによって原稿のスキューを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−096936号公報(段落0034−0037)
【特許文献2】特開平06−194906号公報(要約書、段落0011、段落0021、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載された画像読取装置の自動原稿給紙装置には、以下の課題がある。
【0010】
原稿搬送経路Aの内側に空間があるにもかかわらず、原稿搬送経路Aの外側に駆動伝達機構203とモータ202とモータ保持部214とを設けているために、自動原稿給紙装置211の幅は、原稿搬送路Aの幅よりも、少なくとも図9に示す空間Bの分だけ広くなる。
【0011】
また、駆動伝達機構203を介してモータ202と連結されている駆動ローラ軸204は、ペーパガイド201の両端に設けられたフレーム206を橋渡しする形で設けられている。原稿搬送経路Aの外側に駆動伝達機構203とモータ202とを設けているために、駆動ローラ軸204の長さはペーパガイド201の両端のフレーム206間に示される距離以上の長さになる。駆動ローラ軸204が長くなるので、駆動ローラ軸204の強度確保のために駆動ローラ軸204を太くする。駆動ローラ軸204の長さおよび太さの増加は、駆動ローラ軸204の生産コストの増加および自動原稿給紙装置211全体の重量の増加につながる。
【0012】
また、原稿搬送部のフレームに、駆動伝達機構、モータ、モータ保持部、駆動ローラおよび駆動ローラ保持部が集約され、さらに、フレームは装置外装カバーで覆われているため、原稿搬送部の構成部品のメンテナンスや交換作業に手間がかかる。
【0013】
また、特許文献2に記載された原稿搬送装置では、各ローラの支持軸の長さが原稿載置部の幅と同程度を必要である。着脱可能なユニットのサイズは、各ローラの支持軸の長さに応じた大きさである。このため、例えば、A3原稿サイズ対応の複写機およびA4原稿サイズ対応の複写機のように原稿搬送経路幅の異なる装置間ではユニットを共有できず、ユニットを作り直す必要がある。
【0014】
そこで、本発明は、小型化され、生産コストが低減され、原稿搬送部の保守性を向上させることができる自動原稿送り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による自動原稿送り装置は、ペーパガイドに着脱可能な搬送ユニットを備えた自動原稿送り装置であって、搬送ユニットは、駆動力を発生するモータと、モータを保持するモータ保持部と、原稿に駆動力を伝えて搬送する駆動ローラと、モータが発生する駆動力を駆動ローラ軸を介して駆動ローラに伝達する駆動伝達機構とを含み、ペーパガイドの一部が切欠かれてスロットが設けられ、スロットと搬送ユニットとに、互いに嵌り合う嵌合部が設けられ、嵌合部が嵌り合うことによって搬送ユニットがペーパガイドに組み込まれた状態で、ペーパガイドの一面および搬送ユニットの一面が連続した面を形成するように、ペーパガイドおよび搬送ユニットが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、原稿搬送部を着脱可能な搬送ユニットとしてペーパガイドに組み込むことによって、自動原稿送り装置の小型化、生産コストの低減および原稿搬送部の保守性の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による自動原稿送り装置の第1の実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す自動原稿送り装置を上側から見た斜視図である。
【図3】原稿搬送部が分離された状態の自動原稿送り装置を示す斜視図である。
【図4】図1に示す自動原稿送り装置の原稿搬送部の簡易構成を示す説明図である。
【図5】搬送ユニットの詳細な構成を示す説明図である。
【図6】搬送ユニットの詳細な構成を示す説明図である。
【図7】本発明による自動原稿送り装置の主要部を示すブロック図である。
【図8】特許文献1に記載された画像読取装置の自動原稿給紙装置において原稿を自動搬送する原稿搬送部の簡易構成を示す説明図である。
【図9】図8に示す原稿搬送部が組み込まれた自動原稿給紙装置の簡易構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態1.
図1は、本発明による自動原稿送り装置の第1の実施形態(実施形態1)の構成を示す断面図である。図1に示す自動原稿送り装置10は、画像読取装置20に搭載されている。図2は、図1に示す自動原稿送り装置を上側から見た斜視図である。図2は、自動原稿送り装置10のトップカバー13を開かれた状態が示されている。図3は、原稿搬送部が分離された状態の自動原稿送り装置を示す斜視図である。図1、図2および図3を参照して、第1の実施形態の自動原稿送り装置の構成を説明する。
【0019】
自動原稿送り装置10は、画像読取装置20に搭載される。画像読取装置20は、自動原稿送り装置10で搬送される原稿30の画像を読み取る装置である。画像読取装置20は、例えば、複写機、ファクシミリ装置またはスキャナ装置である。画像読取装置20は、画像読取部21およびコンタクトガラス22を含む。画像読取部21は、コンタクトガラス22の上にセットされた読み取り対象の原稿30の画像を読み取る。
【0020】
給紙トレイ11には、読取り前の原稿が積載される。排紙トレイ12には、読み取り後の原稿30が積載される。
【0021】
トップカバー13には、ペーパガイド14が設けられている。ペーパガイド14の一部が切欠かれて、切欠かれた部分は、スロットDを形成する。ペーパガイド14におけるスロットDの壁面には、搬送ユニット16をスライドして組み付けるための凹形状の組み付け溝Fが設けられている。また、搬送ユニット16がスロットDに組み付けられた場合に搬送ユニット16の電気的接触部1611(図5参照)と物理的に接触する位置に、電気的接触部1401が設けられている。
【0022】
トップカバー13が閉じられた時にペーパガイド14に対向するように、ペーパガイド15が設置されている。ペーパガイド15の一部が切欠かれ、切欠かれた部分は、スロットEを形成する。ペーパガイド15におけるスロットEの壁面には、搬送ユニット17をスライドして組み付けるための凹形状の組み付け溝Hが設けられている。また、搬送ユニット17がスロットEに組み付けられた場合に搬送ユニット17の電気的接触部1715(図6参照)と物理的に接触する位置に、電気的接触部1501が設けられている。
【0023】
図3に示す搬送ユニット16および搬送ユニット17は、自動原稿送り装置10から分離可能な原稿搬送部である。搬送ユニット16は、原稿30を搬送ユニット17が設けられている側に搬送する。搬送ユニット17は、搬送ユニット16によって搬送された原稿30を画像読取装置20に搬送する。排紙ペーパガイド18は、画像読取装置20で読み取られた原稿30を排紙トレイ12に排紙する。排紙ペーパガイド18は、原稿30を排紙トレイ12に排紙するための排紙ローラ1801および排紙補助ローラ1802を含む。
【0024】
図4は、図1に示す自動原稿送り装置の原稿搬送部の簡易構成を示す説明図である。原稿搬送部である搬送ユニット106は、図3に示す搬送ユニット16または搬送ユニット17に相当し、モータ102、駆動伝達機構軸103、駆動ローラ軸104および駆動ローラ105を含む。搬送ユニット106は、ペーパガイド101の一部を切欠いて設けられたスロットに組み込まれる。搬送ユニット106の一部の部分108の形状は、ペーパガイド101の形状と同様である。搬送ユニット16が、ペーパガイド101におけるスロットに組み込まれた場合には、搬送ユニット106の一面は、ペーパガイド101の一面とともに連続した面を形成する。
【0025】
図5および図6は、搬送ユニットの詳細な構成を示す説明図である。図5には、搬送ユニット16の詳細な構成が示されている。図6(A)には、搬送ユニット17の上半分の詳細な構成が示されている。図6(B)には、搬送ユニット17の下半分の詳細な構成が示されている。
【0026】
図5に示すように、搬送ユニット16は、モータ1601、駆動伝達機構1602、給紙ローラ1603、給紙補助ローラ1604、駆動ローラ軸保持部1605、給紙ローラ軸1606、スロット取り付けガイド1607、モータ保持部1608、取り付けねじ1609、取り付けねじ1610および電気的接触部1611を含む。
【0027】
給紙ローラ軸1606は、駆動ローラ軸保持部1605によって保持される。給紙ローラ軸1606の端部には、駆動伝達機構1602が固定されている。搬送ユニット16の一部には、凸形状のスロット取り付けガイド1607が設けられている。また、搬送ユニット16の一部には、モータ1601等に電力を供給する電気的接触部1611が設けられている。モータ保持部1608は、モータ1601を保持する。駆動ローラ保持部1605とモータ保持部1608とは、取り付けねじ1609によって固定されている。そして、固定された搬送ユニット16(駆動ローラ保持部1605とモータ保持部1608とが取り付けねじ1609によって固定されたユニット)は、取り付けねじ1610によって、ペーパガイド14に固定される。
【0028】
搬送ユニット16は、ペーパガイド14に設けられたスロットDに、搬送ユニット16の凸形状のスロット取り付けガイド1607が凹形状の組み付け溝Fに嵌まるようにスライドすることによって組み込まれる。組み込まれた搬送ユニット16は、位置決めされて、取り付けねじ1610によってペーパガイド14に固定される。搬送ユニット16の一部の部分1612の表面形状は、ペーパガイド14の表面形状と同様である。部分1612は、搬送ユニット16がスロットDに組み込まれたときに、原稿搬送経路の一部を形成する。よって、搬送ユニット16がスロットDに組み込まれた場合には、搬送ユニット16の一面は、ペーパガイド14の一面とともに連続した面を形成する。搬送ユニット16の電気的接触部1611およびペーパガイド14の電気的接触部1401は、搬送ユニット16がスロットDに組み込まれ固定された時に物理的に接触し、電流経路を形成する。
【0029】
図6に示すように、搬送ユニット17は、モータ1701、駆動伝達機構1702、レジストローラ1703、レジストローラ軸1705、フィードローラ1706、1709、フィードローラ軸1708、1711、モータ保持部1712、駆動ローラ軸保持部1713、スロット取り付けガイド1714、電気的接触部1715および取り付けねじ1716を含む。
【0030】
各駆動ローラ軸(レジストローラ軸1705、フィードローラ軸1708およびフィードローラ軸1711)は、モータ保持部1712および駆動ローラ軸保持部1713によって保持される。各駆動ローラ軸には駆動伝達機構1702が固定される。なお、一つの駆動ローラ軸が複数の駆動ローラを保持する場合には、搬送ユニット17は、駆動伝達機構1702を複数の駆動ローラ間に設けることによって、搬送ユニット17全体の大きさが大きくならないようにする。モータ1701は、モータ保持部1712により保持されている。搬送ユニット17の構造体の一部には、凸形状のスロット取り付けガイド1714が設けられている。また、搬送ユニット17の一部には、モータ1701等に電力を供給する電気的接触部1715が設けられている。図6(A)に示された搬送ユニット17の上半分と図6(B)に示された搬送ユニット17の下半分とは結合され、取り付けねじ1716によって、ペーパガイド15に固定される。
【0031】
搬送ユニット17は、ペーパガイド15に設けられたスロットEに、凸形状のスロット取り付けガイド1714が凹形状の組み付け溝Hに嵌まるようにスライドすることによって組み込まれる。組み込まれた搬送ユニット17は、位置決めされて、取り付けねじ1716によってペーパガイド15に固定される。搬送ユニット17の一部の部分1717の表面形状は、ペーパガイド15の表面形状と同様である。部分1717は、搬送ユニット17がスロットEに組み込まれたときに、原稿搬送経路の一部を形成する。よって、搬送ユニット17が、スロットEに組み込まれた場合には、搬送ユニット17の一面は、ペーパガイド15の一面とともに連続した面を形成する。搬送ユニット17の電気的接触部1715およびペーパガイド15の電気的接触部1501は、搬送ユニット17がスロットEに組み込まれ固定された時に物理的に接触し、電流経路を形成する。なお、ペーパガイド15において、スロットEの近傍には、自動原稿送り装置10全体の強度を高めるために、支柱19が原稿搬送経路を橋渡しするように設けられている。すなわち、原稿走行方向と交差する方向に延びる支柱19が設けられている、また、搬送ユニット17の一部の部分1718の表面形状は、ペーパガイド15の裏面形状と同様である。部分1718は、搬送ユニット17がスロットEに組み込まれたときに、原稿排紙経路の一部を形成する。
【0032】
図1に示す自動原稿送り装置が、原稿を給紙、搬送および排紙する動作を説明する。
【0033】
搬送ユニット16において、モータ1601が発生した駆動力は、駆動伝達機構1602を介して搬送ユニット16の駆動ローラ(給紙ローラ1603、給紙補助ローラ1604)に伝達される。駆動力を得た駆動ローラは回転し、給紙トレイ11に積載された原稿30を、自動原稿送り装置10の内部に搬送する。
【0034】
搬送ユニット17において、モータ1701が発生した駆動力は、駆動伝達機構1702を介して搬送ユニット17の駆動ローラ(レジストローラ1703、フィードローラ1706、フィードローラ1709)に伝達される。駆動力を得た駆動ローラは回転し、補助ローラ(レジスト補助ローラ1704、フィード補助ローラ1707、フィード補助ローラ1710)は、駆動ローラの外周面に接触して従動回転する。搬送ユニット16によって自動原稿送り装置10の内部に搬送された原稿30は、搬送ユニット17の駆動ローラおよび補助ローラの回転によって、画像読取装置20のコンタクトガラス22上に搬送される。
【0035】
画像読取装置20のコンタクトガラス22上に搬送された原稿30の内容は、画像読取部21によって読み取られる。その後、原稿30は、図1における点線矢印で示される原稿搬送方向に搬送される。排紙ローラ1801および排紙補助ローラ1802は、搬送された原稿30を排紙トレイ12に排紙する。
【0036】
なお、図1に示す自動原稿送り装置10では、搬送ユニットとは別に排紙ローラ1801が備えられているが、例えば、排紙ローラ1801および排紙補助ローラ1802が搬送ユニット17に含まれる構成にしてもよい。
【0037】
また、ガイドと溝を用いて、ペーパガイドと搬送ユニットとを組み合わせる場合(例えば、凸形状のスロット取り付けガイド1607と凹形状の組み付け溝F)には、結合する部分が一対の凹凸の組み合わせになっていればよい。例えば、ペーパガイドに凸形状のガイドを設け、搬送ユニットに凹形状の溝を設けてもよい。
【0038】
実施形態2.
本発明による自動原稿送り装置の第2の実施形態(実施形態2)を説明する。第1の実施形態の自動原稿送り装置では、原稿搬送部が搬送ユニット16と搬送ユニット17とで構成されているが、第2の実施形態の自動原稿送り装置では、原稿搬送部が1つの搬送ユニットで構成される。
【0039】
原稿搬送部が1つの搬送ユニットで構成される場合には、例えば、図1〜図3に示す自動原稿送り装置において、搬送ユニット16をなくし、給紙ローラおよび給紙ローラ軸も搬送ユニット17の内部に配置する。
【0040】
このような自動原稿送り装置では、原稿搬送部を着脱可能な1つの搬送ユニットにまとめることができるので、自動原稿送り装置をより小型化することができる。よって、小さい原稿サイズ専用の複写機に搭載する等の用途に適した自動原稿送り装置を得ることができる。
【0041】
実施形態3.
本発明による自動原稿送り装置の第3の実施形態(実施形態3)を説明する。第1の実施形態の自動原稿送り装置では、原稿搬送部が搬送ユニット16と搬送ユニット17とで構成されているが、第3の実施形態の自動原稿送り装置では、原稿搬送部が3つ以上の搬送ユニットで構成される。
【0042】
原稿搬送部が3つ以上の搬送ユニットで構成される場合には、例えば、図1〜図3に示す自動原稿送り装置において、搬送ユニット17の駆動ローラ(レジストローラ1703、フィードローラ1706、フィードローラ1709)をそれぞれ個別の搬送ユニットに配置する。なお、それぞれの搬送ユニットの形状は、ペーパガイド14またはペーパガイド15の一部を切欠いて設けられるスロットに組み込まれるような形状である。それぞれの搬送ユニットは、対応するスロットに組み込まれた場合には、搬送ユニットの一面はペーパガイドの一面とともに連続した面を形成する。さらに、排紙ローラ1801が配置された搬送ユニットを独立して設けてもよい。
【0043】
このような自動原稿送り装置では、原稿搬送部が着脱可能な3つ以上の搬送ユニットで構成されるので、個々の搬送ユニットをより小型化することができ、原稿搬送経路が異なる複数の装置に装着可能な自動原稿送り装置において、搬送ユニットの構成部品を共通化することができる。また、個々の搬送ユニットが小型化されるので、搬送ユニットの構成部品のメンテナンスも容易となる。
【0044】
なお、上記の搬送ユニットの分割の仕方は一例であり、自動原稿送り装置において必要とされる駆動ローラを、どの搬送ユニットに配置してもよい。
【0045】
さらに、実施形態1〜実施形態3の自動原稿送り装置では、駆動伝達機構としてギヤが用いられているが、駆動伝達機構は、歯付プーリやタイミングベルトなどであってもよい。
【0046】
図7は、本発明による自動原稿送り装置の主要部を示すブロック図である。図7に示すように、自動原稿送り装置は、ペーパガイド1(例えば、図3に示すペーパガイド14に相当)に着脱可能な搬送ユニット2(例えば、図3に示す搬送ユニット16に相当)を備えた自動原稿送り装置であって、搬送ユニット2は、駆動力を発生するモータ4(例えば、図5に示すモータ1601に相当)と、モータ4を保持するモータ保持部5(例えば、図5に示すモータ保持部1608に相当)と、原稿3に駆動力を伝えて搬送する駆動ローラ6(例えば、図5に示す給紙ローラ1603に相当)と、モータ4が発生する駆動力を駆動ローラ軸7(例えば、図5に示す給紙ローラ軸1606に相当)を介して駆動ローラ6に伝達する駆動伝達機構8(例えば、図5に示す駆動伝達機構1602に相当)とを含み、ペーパガイド1の一部が切欠かれてスロット9(例えば、図3に示すスロットDに相当)が設けられ、スロット9と搬送ユニット2とに、互いに嵌り合う嵌合部41,42(例えば、図3に示す組み付け溝F、および図5に示すスロット取り付けガイド1607に相当)が設けられ、嵌合部41,42が嵌り合うことによって搬送ユニット2がペーパガイド1に組み込まれた状態で、ペーパガイド1の一面および搬送ユニット2の一面が連続した面を形成するように、ペーパガイド1および搬送ユニット2が形成されている。このように構成された自動原稿送り装置では、原稿搬送経路の外部に、搬送ユニット2がスロット9に組み込まれるので、モータ4、モータ保持部5および駆動伝達機構8といった構成部品を設ける空間を確保せずに済み、自動原稿送り装置を小型化することができる。また、駆動ローラ軸7の長さを原稿搬送経路の幅以下にすることができるので、その点でも、自動原稿送り装置を小型化することができる。また、嵌合部41,42によって確実に搬送ユニット2をペーパガイド1に組み込むことができる。また、ペーパガイド1の一面および搬送ユニット2の一面によって連続した面が形成されるので、滑らかな原稿搬送経路が確保され、原稿搬送機能の信頼性向上を期待することができる。さらに、原稿搬送を行う部品を着脱可能な搬送ユニット2にまとめることによって、原稿搬送部の構成部品のメンテナンスが楽になり、保守性を向上させることができる。
【0047】
また、上記の各実施形態では、以下の(1)〜(4)に示すような自動原稿送り装置も開示されている。
【0048】
(1)搬送ユニット2とスロット9のそれぞれに、搬送ユニット2がペーパガイド1に組み込まれたときに接触する電気的接触部(電気的接触部1401および電気的接触部1611に相当)が設けられている自動原稿送り装置。このような自動原稿送り装置では、複数の搬送ユニットがある場合に、各々の搬送ユニットとペーパガイドとの間で電流経路を形成することができるので、搬送ユニットごとに電気的な制御を実現することができる。
【0049】
(2)搬送ユニット2が、駆動ローラ6を保持する駆動ローラ軸保持部(例えば、駆動ローラ軸保持部1605に相当)を含み、駆動ローラ軸保持部は、ねじによって搬送ユニット2に固定されている自動原稿送り装置。このような自動原稿送り装置では、駆動ローラを確実に搬送ユニット2に固定することができる。
【0050】
(3)一つの駆動ローラ軸7が複数の駆動ローラ6を保持し、駆動伝達機構8が、一の駆動ローラと他の駆動ローラとの間に設けられている自動原稿送り装置。このような自動原稿送り装置では、駆動ローラの間に駆動伝達機構が設けられているので、駆動ローラの外側に駆動伝達機構を設ける場合に比べて、小さいサイズで搬送ユニットを形成することができる。
【0051】
(4)スロット9の近傍に、原稿走行方向と交差する方向に延びる支柱(例えば、支柱19に相当)が設けられている自動原稿送り装置。このような自動原稿送り装置では、支柱によって自動原稿送り装置全体の強度を上げることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 ペーパガイド
2 搬送ユニット
3 原稿
4 モータ
5 モータ保持部
6 駆動ローラ
7 駆動ローラ軸
8 駆動伝達機構
9 スロット
10 自動原稿送り装置
11 給紙トレイ
12 排紙トレイ
13 トップカバー
14 ペーパガイド
15 ペーパガイド
16 搬送ユニット
17 搬送ユニット
18 排紙ペーパガイド
19 支柱
20 画像読取装置
21 画像読取部
22 コンタクトガラス
30 原稿
41,42 嵌合部
101 ペーパガイド
102 モータ
103 駆動伝達機構
104 駆動ローラ軸
105 駆動ローラ
106 搬送ユニット
108 搬送ユニットの一部の部分
201 ペーパガイド
202 モータ
203 駆動伝達機構
204 駆動ローラ軸
205 駆動ローラ
206 フレーム
211 自動原稿給紙装置
212 原稿
213 原稿搬送部
214 モータ保持部
215 レジストローラ軸
216,217 フィードローラ軸
218 排紙ローラ軸
1401 電気的接触部
1501 電気的接触部
1601 モータ
1602 駆動伝達機構
1603 給紙ローラ
1604 給紙補助ローラ
1605 駆動ローラ軸保持部
1606 給紙ローラ軸
1607 スロット取り付けガイド
1608 モータ保持部
1609 取り付けねじ
1610 取り付けねじ
1611 電気的接触部
1612 搬送ユニットの一部の部分
1701 モータ
1702 駆動伝達機構
1703 レジストローラ
1704 レジスト補助ローラ
1705 レジストローラ軸
1706 フィードローラ
1707 フィード補助ローラ
1708 フィードローラ軸
1709 フィードローラ
1710 フィード補助ローラ
1711 フィードローラ軸
1712 モータ保持部
1713 駆動ローラ軸保持部
1714 スロット取り付けガイド
1715 電気的接触部
1716 取り付けねじ
1717,1718 搬送ユニットの一部の部分
1801 排紙ローラ
1802 排紙補助ローラ
A 原稿搬送経路
B 空間
C 原稿搬送方向
D,E スロット
F,H 組み付け溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパガイドに着脱可能な搬送ユニットを備えた自動原稿送り装置であって、
前記搬送ユニットは、
駆動力を発生するモータと、
前記モータを保持するモータ保持部と、
原稿に駆動力を伝えて搬送する駆動ローラと、
前記モータが発生する駆動力を駆動ローラ軸を介して前記駆動ローラに伝達する駆動伝達機構とを含み、
前記ペーパガイドの一部が切欠かれてスロットが設けられ、
前記スロットと前記搬送ユニットとに、互いに嵌り合う嵌合部が設けられ、
前記嵌合部が嵌り合うことによって前記搬送ユニットが前記ペーパガイドに組み込まれた状態で、前記ペーパガイドの一面および前記搬送ユニットの一面が連続した面を形成するように、前記ペーパガイドおよび前記搬送ユニットが形成されている
ことを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項2】
搬送ユニットとスロットのそれぞれに、前記搬送ユニットが前記ペーパガイドに組み込まれたときに接触する電気的接触部が設けられている
請求項1記載の自動原稿送り装置。
【請求項3】
搬送ユニットは、駆動ローラを保持する駆動ローラ軸保持部を含み、
前記駆動ローラ軸保持部は、ねじによって前記搬送ユニットに固定されている
請求項1または請求項2記載の自動原稿送り装置。
【請求項4】
一つの駆動ローラ軸が複数の駆動ローラを保持し、
駆動伝達機構は、一の駆動ローラと他の駆動ローラとの間に設けられている
請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の自動原稿送り装置。
【請求項5】
スロットの近傍に、原稿走行方向と交差する方向に延びる支柱が設けられている
請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の自動原稿送り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−243600(P2010−243600A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89450(P2009−89450)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】