説明

自動取引装置

【課題】
現金自動取引装置を用いて利用者の操作によりICカードの更新処理を行い、利用者の利便性とセキュリティを確保する。
【解決手段】
利用者の生体情報を認証して利用者に現金の取引を許容する、例えばATMのような自動取引装置は、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、利用者により用いられる媒体、例えばICカードのメモリに対して情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、該生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な本人であると判定された場合、該生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報を媒体のメモリに記憶して該利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動取引装置に係り、特に利用者の生体情報を読取って本人認証してから取引を行う金融機関における現金自動取引装置及び取引システムにおける生体情報の更新処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、盗難カードや偽造カード等を使用して、現金支払機(CDと言う)や現金自動入出金機等の現金自動取引装置(以下ATMという)で不正に現金の引出しを行う事件が頻発している。そのため、ATMによる現金の取引に対してもセキュリティの一層の向上が要求されている。その1つの対策として、携帯電話や金融機関が発行したカードのICチップに、利用者の指紋等の生体情報を登録しておき、この生体情報を利用して本人の確認を行なうシステムが実用化され始めた。
通常、利用者が生体認証による取引を開始するには、まず金融機関にその旨を申し込むと、その後発行されたICカードが自宅宛に郵送されて来るので、利用者は受領したICカードを持参して金融機関等の営業店に出向く。そこで、係員の操作により生体情報読取装置で利用者本人の生体情報が読取られ、その生体情報は持参したICカードに登録される。ATMでの取引に際しては、ATMに備えられた生体情報読取装置で利用者の生体情報を読取り、予めICカードに登録された生体情報と照合することにより、両者が一致すれば正当な本人であると認証して取引が開始される。
【0003】
ところで、携帯電話やICカードの媒体(以下、携帯媒体という)には、例えば発行されてから5年間というような有効期限が設定されており、このため媒体の更新が必要となる。携帯媒体の更新方法としては、例えば特開平07−152833号公報(特許文献1)には、有効期限が過ぎると、利用者にカードを更新するようにメッセージを出力することが開示されている。また、特開2002−86969号公報(特許文献2)には、携帯媒体に登録されている指紋と更新申請に来た人から読取った指紋とを照合して本人確認することが開示されている。更に、特開2004−110365号公報(特許文献3)には、新旧の携帯媒体を接続しておき、登録されている指紋と更新する人から読取った指紋とを照合して本人確認できれば、旧から新にデータを転送して書込みすることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平07−152833号公報
【特許文献2】特開2002−86969号公報
【特許文献3】特開2004−110365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ICカードの有効期限が近づくと、利用者は、ICカードを更新するために金融機関の営業店に出向き、係員の操作により読取装置で生体情報を読取って、新規のICカードに新たな生体情報を登録することが必要になる。このような更新手続きために利用者が指定の場所に出向くことは面倒であり、また金融機関側でも更新手続きのために一々対応するようでは、効率的とはいえない。
【0006】
本発明の目的は、自動取引装置を用いて利用者の操作に従ってICカードの更新処理を行うことで利用者の利便性を図り、またセキュリティを確保した自動取引装置及びシステム、その方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動取引装置は、好ましくは、利用者の生体情報を認証して利用者に現金の取引を許容する自動取引装置において、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、利用者により用いられる媒体のメモリに対して情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、該生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な本人であると判定された場合、該生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報を媒体のメモリに記憶して該利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有する自動取引装置として構成される。
好ましい例では、上記読み書き部より、媒体のメモリに記憶された有効期限に関する情報を取得し、処理部は有効期限から媒体の残存期間を算出し、残存期間が所定の期間以下になったと判断した場合、表示部に関連する表示を行う。
また、好ましくは、読み書き部より、メモリに記憶された有効期限に関する情報を取得し、処理部は有効期限から媒体の残存期間を算出し、残存期間が所定の期間以下になった場合、媒体の更新方法を表示部に表示して、利用者に選択させるように構成される。
また、一例では、媒体取扱い機構は、利用者が持参して挿入した新規のICカードを受入れ、読み書き部によって新規のICカードのメモリに新たな生体情報を書き込む。
また、好ましい例では、更に、複数の新規のICカードを保管するICカード発行機構を備え、要求に応じてICカード発行機構より1枚ずつICカードを繰り出して、読み書き部を介してICカードのメモリに新たな生体情報を記憶する。
また、一例では、更に、利用者の顔を撮影するカメラを備え、生体情報を更新する場合、カメラにて撮影された利用者の顔の画像データを新規なICカードのメモリに記憶する。
また、一例では、生体情報を更新して新規に媒体を発行する場合、旧の媒体の処分方法を表示部に表示して、入力部を介して利用者に処分方法を選択させるように構成し、旧の媒体を装置内に回収する処分方法が選択された場合、処理部は読み書き部を介して、旧の媒体のメモリに格納された有効期限に関する情報を期限切れに書替える。
【0008】
また、本発明に係る自動取引装置は、次のようにも把握される。すなわち、媒体に備えられたメモリに記憶された利用者の生体情報(第1の生体情報)を用いて利用者本人を認証して、利用者に現金の取引を許容する自動取引装置において、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、媒体のメモリに対する情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な利用者であると判断された場合、第1の生体情報と、生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報(第2の生体情報)を新規の媒体のメモリに記憶して利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有する自動取引装置である。
好ましい例では、生体情報と媒体のメモリに記憶された生体情報とを照合する照合手段を媒体内に有し、照合手段による照合結果に応じて利用者の認証を行なう。
また、好ましくは、媒体の更新処理後、利用者が媒体を用いて取引を行なう場合、照合手段は、生体情報取得手段から取得された生体情報と媒体のメモリに格納された第1又は第2の生体情報のいずれかと照合し、照合の結果一致した場合、処理部は利用者に対する取引を許容する。
また、一例では、照合手段は、第1の生体情報よりも第2の生体情報から優先して照合する。
また、一例では、照合手段は、第1及び第2の生体情報が媒体のメモリに記憶された後に、生体情報取得部から取得された第2の生体情報とメモリに記憶された第1の生体情報と照合する。
【0009】
本発明に係る取引システムは、取引用媒体を利用する利用者の生体情報を認証して利用者に現金の取引を許容する自動取引装置と、自動取引装置に接続され、利用者の口座情報を含む元帳データを管理するデータベースを有するコンピュータを有する現金取引システムにおいて、
媒体が有するメモリには、取引用の口座情報、媒体の更新に関する情報、及び利用者の生体情報を記憶し、
自動取引装置は、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、媒体のメモリに情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な本人であると判定された場合、生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報を媒体のメモリに記憶して利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有し、
ホストコンピュータは、利用者の媒体が更新された場合、利用者の口座情報に関連付けて媒体の更新に関する情報を登録する自動取引システムとして構成される。
好ましい例では、生体情報の認証は、媒体に備えられたCPUの実行により、生体情報取得部より取得された生体情報と、媒体のメモリに記憶された生体情報とを照合することにより行なう。
また、一例では、生体情報の認証は、ホストコンピュータの処理により、生体情報取得部より取得された生体情報と、データベースに予め登録された利用者の生体情報とを照合することにより行なう。
また、一例では、利用者の個人情報に変更がある場合、利用者により入力部から入力された変更後の個人情報を媒体のメモリに記憶することで利用者の個人情報を更新する。
【0010】
本発明に係る取引方法は、利用者がカード媒体を利用して自動取引装置を操作し、利用者の生体情報を認証して利用者に現金の取引を許容する自動取引方法において、取引に際して、生体情報検知器により利用者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、取得された生体情報と、媒体に備えられたメモリに格納された利用者の生体情報(第1の生体情報)とを照合するステップと、照合の結果、利用者が正当な利用者であると判断された場合、第1の生体情報と生体情報検知器によって取得された利用者の新たな生体情報(第2の生体情報)を新規の媒体のメモリに記憶するステップと、新規の媒体を利用者に対して排出するステップと、を有する自動取引方法である。
また、一例では、利用者が新規の媒体を用いて取引を行なう場合、生体情報検知器から取得された生体情報と新規媒体のメモリに格納された第1又は第2の生体情報のいずれかと照合し、照合の結果一致した場合、利用者に対する取引を許容する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動取引装置を用いてICカードの更新処理ができるので、利用者の利便性が向上し、またセキュリティを確保した自動取引装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は一実施形態によるATMの構成を示すブロック図である。
ATM101は、生体情報として利用者の指静脈パターンを読み取る指静脈リーダ102と、利用者への取引案内を表示する、例えば液晶ディスプレイの如き表示部103と、利用者によって操作されて取引のための情報を入力する、例えばタッチパネルの如き入力部104と、挿入されたカードを処理するカード機構105と、入出金される紙幣を処理する紙幣入出金機構106と、入出金される硬貨を処理する硬貨入出金機構107と、明細票に取引の印字を施す明細票印字機構108と、通帳に印字処理を行う通帳印字機構109と、ATM101の正面から利用者の顔画像を撮影するカメラ118と、これら各部の処理動作を制御する主制御部110を有して構成される。
【0013】
主制御部110は、現在の時刻を計時する時計1131と、時計1131から計時信号を逐次受け、またプログラムの実行によって各部の処理を制御するCPU113と、CPU113で実行されるプログラムや取引情報等を記憶する記憶部114と、ホストコンピュータ207やサーバとデータを送受信するための通信部115と、利用者との取引情報等を逐次記録する記憶装置116、及び電源117を備えて構成される。
【0014】
カード機構105は、利用者が挿入したICカード(図2参照)の磁気ストライプに対して読み書きする磁気R/W部111と、ICチップの記憶部に対して情報の読み書きを行うICR/W部112を有する。
【0015】
図2に、本実施例で使用されるICカード201の例を示す。
ICカード201には、表面に磁気ストライプ202が設けられ、内部にメモリとマイクロプロセッサ(CPU)を備えた接触式ICチップ203が搭載される。接触式ICカードはコンタクト部を介してICR/W部112と情報の伝送を行なう。
尚、非接触式のICカード201の場合には、アンテナを含む無線通信部204を備える。非接触式のICカード201に更に非接触式ICカードの機能も具備させて無線通信部204を搭載することも可能である。
【0016】
図1におけるカード機構105の構成例を図13に示す。
磁気R/W部111は磁気へッドを備え、カード機構105に挿入されたICカード201の磁気ストライプ202の情報を読み取る。ICR/W部112はコンタクト部を備え、ICカード201のコンタクト部を介してICチップ203の情報が読取り又はICチップのメモリに情報を書き込む。尚、ICカード201が非接触式カードの場合には、ICR/W部112としてアンテナを含む無線通信部を有することになる。
【0017】
本実施例において、カード機構105はICカード発行機構120を備え、そこに複数枚の新規のICカード201を保管しておく。主制御部110から新規カード発行の指示があると、挿入されたICカード201(旧カード)を退避・回収路121に一旦送り込み、その後、ICカード発行機構120から新規のICカード201を搬走路に繰い出す。そして、ICR/W部112でICチップ203のメモリに情報が書込まれて、利用者に放出される。なお、利用者から廃棄の指示があったICカード201は退避・回収路121を経由して、回収箱122に回収される。
【0018】
図3は、ATMを含む現金取引システムの概要を示す。
利用者がICカード201を用いてATM101で取引きを行うと、利用者の認証及び取引きに係わる種々の情報はセンタのホストコンピュータ207に送信され、本人の認証が行われると共に、データベース(DB)206に格納された利用者の口座残高の情報が更新される。DB206に記憶される利用者口座元帳の登録データの形式については、図6を参照して後述する。
【0019】
図4は、ICチップ203に内蔵されるサービス機能を示す。
ICチップ203のメモリには、カードを発行する金融機関がサポートするキャッシュカードやクレジットカード等の口座情報や、生体情報として利用者の指静脈パターンを記憶する。
【0020】
図5はICカード201のICチップ203内のメモリに登録されるデータフォーマットの一例を示す。
ICカードの登録データとして、利用者の口座情報や、新規登録及び更新年月日、期限情報、更新方法、及び生体情報を登録する生体情報が含まれる。期限情報として、有効期限及び予報開始時期を示す情報が含まれる。更新方法とは、ICカードの更新の方法について示す情報であり、新規ICカードへ更新をATMを用いて行なう場合、新規ICカードを利用者へ郵送する場合、又は営業店に出向く場合、等を含む。利用者は、ATMの入力部からの操作によってこれらの内から1つの方法を選択できる。生体情報としては、新らたな生体情報(新Ver)及び旧の生体情報(旧Ver)が含まれる。
【0021】
図6は、ホストコンピュータのDB206に登録される口座元帳のフォーマットの例を示す。
口座元帳のデータとして、利用者の口座情報、新規登録及び更新年月日、期限情報、更新方法が含まれる。なお、図示していないが、通帳に記帳されていない取引情報(未記帳データ)や口座残高情報、及び暗証番号情報が更に含まれる。これらの情報は同じDBに格納されても良いし、或いは口座情報をキーとしてリンクが形成されて記憶される場合もある。
【0022】
次に、図7を参照してICカードの更新の仕組みについて説明する。
ICカード201の有効期間は例えば5年間であり、その残存期限が例えば3ヶ月以下になると、ICカード201の更新手続きを案内する予報期間となる。金融機関から利用者への新規ICカード201の郵送開始は有効期限の1ヶ月前、有効期限を過ぎると、現在のカードは有効期限切れとなるので、新規ICカード201への生体情報の登録を督促する警報期間となる。
【0023】
次に、図8の取引処理フローチャートを参照して、ATMによる取引について説明する。
通常、利用者待ちの状況では、主制御部110は図14に示す取引選択画面を表示部103に表示している。表示された選択画面から、例えば利用者は「引出し」キーを選択して入力部104を操作し(ステップ301)、カード機構105にICカード201を挿入する。すると、磁気R/W部111で磁気ストライプ202の情報を読み取り、ICR/W部112でICカードのICチップのメモリから登録情報(図5)を読取る(ステップ302)。ICチップから取得された情報は、主制御部110内の記憶部114に一時格納される。次に、生体認証を行なうために、表示部103に案内画面を表示し又は音声で操作案内して、利用者の指を指静脈リーダ102にかざし、指の静脈パターンを読取る(ステップ303)。指静脈リーダ102で読取られた利用者の指静脈パターンは主制御部110画像処理されてICR/W部112を経由して、ICチップ203に送信される。
【0024】
ICカード210のICチップ203のメモリ内には、図5に示すように、利用者の生体情報として、新Verの生体情報と旧Verの生体情報の2世代が記憶されている。尚、未だ更新されていないICカードの場合には、旧Verの生体情報のみが記憶されている。
2世代の生体情報が登録されている場合、指静脈リーダ102で読取られた指静脈パターンはまず新Verの生体情報と照合される(ステップ304)。指静脈の生体情報の照合により、利用者が正当な本人かを認証する(ステップ305)。この照合処理は、ICチップ203内のCPUの実行により行なわれる。認証の結果(第1回目の認証:ステップ305)、利用者が正当な本人でないと判断されると、次に、旧Verの生体情報と照合される(ステップ306)。この照合(第2回目の認証)の結果、利用者が正当な本人かを確認し(ステップ307)、認証否(正当な本人でない)の場合には、利用者にICカード201を返却して(ステップ308)、終了する。尚、旧Verの生体情報のみを保持しているICカードの場合には、新Ver.の生体情報が無いので、即ステップ306による認証処理となる。
【0025】
第1回目の認証(ステップ305)及び第2回目の認証(ステップ307)の結果、正当な本人と認証されれば、取引選択が「生体情報登録」かその他の取引かを確認する(ステップ309)。利用者により入力部104から「生体情報登録」が選択された場合には、図9の[A]、又は図11の[A1]に移行する。
「生体情報登録」が選択されなければ、ICチップ203のメモリから有効期限と予報開始の期限情報を読取る(ステップ310)。そして、現取引時点が予報期間に該当するか確認する(ステップ311)。予報期間に該当していれば、図9の[A]、又は図11の[A1]に移行する。予報期間に該当していなければ、有効期限切れとなっていないかを確認する(ステップ312)。この確認の結果、有効期限切れならば、図15の案内画面を表示部103に表示して、利用者の所持する現在のICカード201は期限切れである旨を知らせる(ステップ313)。
【0026】
次に、ICカード201の更新方法を選択するための案内画面を表示部103に表示する。表示される更新方法とは、(1)現在使用しているATMでこのまま更新処理を継続する、(3)金融機関の営業店に出向いて更新手続きを行う、の2通りであり、これらが表示部103に表示されて、利用者により選択されることになる(ステップ314)。選択された後は、図9の[F]、又は図11の[F1]に移行する。
有効期限の判定(ステップ312)で、ICカード201が有効期間内ならば、通常の取引処理となり、入力部104から暗証番号を入力させ(ステップ315)、次に引出し金額を入力させる(ステップ316)。
【0027】
一連の情報の入力が済むと、主制御部110の通信部115は、ICチップ203から読み取った口座情報、入力された暗証番号、及び引出し金額をホストコンピュータ207に送信し、必要な情報を受信する(ステップ317)。ホストコンピュータ207では、受信した暗証番号と登録された暗証番号を照合して、利用者の認証を行なうと共に、利用者の口座残高を更新処理する。そして、その処理の結果をATM101へ送信する。
【0028】
ATM101の主制御部110は、ホストコンピュータ207から受信した回答から取引許可か否かを判断する。取引許可の回答ならば、紙幣入出金機構106や硬貨入出金機構107を駆動して、利用者が入力部104から入力した金額の出金準備をする(ステップ318)。カード機構105はカード201を排出し、明細票印字機構108は明細票に取引情報を印字してそれを排出する(ステップ319)。紙幣入出金機構106や硬貨入金機構107は、それぞれの出金口から紙幣あるいは硬貨を放出する(ステップ320)。
以上の説明が、通常の現金引出しの取引きである。尚、他の取引、例えば振込みが選択された場合でも、上記の基本的な動作フローは同様であると理解してよい。
【0029】
さて、図14に示した取引選択画面で、利用者が「生体情報登録」を選択した場合や、ステップ311で現時点が予報期間に該当していれば、図9の[A]、又は図11の[A1]に移行する。
【0030】
図9はICカード201の更新処理フローチャートを示す。
主制御部110は、記憶部114に格納されている、先に取得されたICカードのICチップの読取り情報(図5)から、更新方法を示す情報を取得する(ステップ401)。そして、過去の取引時に、ICカード201の更新方法がICチップに登録されているか確認する(ステップ402)。登録済ならば、図8の[C]ステップ315に移行する。更新方法が登録されていなければ、図16の案内画面を表示部103に表示して、有効期限に対する残存期間を表示する(ステップ403)。
【0031】
次に図17の案内画面を表示して、ICカード201の複数の更新方法を案内する。それらの更新方法として、(1)現在取引中のATMでこのまま更新処理を継続する、(2)新規のICカード201を自宅宛に郵送してもらう、(3)金融機関の営業店に出向いて更新手続きを行う、(4)次回以降の取引時に更新手続きを行う、の4通りが表示され、この中から入力部104から利用者に選択してもらう(ステップ404)。(1)〜(3)が選択された場合は、選択結果をICチップ203の更新方法のエリアに書込む(ステップ405)。次に、記憶部114に格納されたICチップ203の口座情報から氏名、住所、電話番号等の個人情報を取得して、表示部103に表示する(ステップ406)。そして、適当な案内画面を表示して、個人情報に変更がないかを利用者に確認してもらう(ステップ407)。個人情報に変更が有れば、その部分を入力部104より入力させて、ICチップ203の口座情報を書替える(ステップ408)。
尚、更新方法として、(2)、(3)の方法が選択された場合は、図10の[D]ステップ518へ移行し、(4)が選択された場合は図8の[C]ステップ315へ移行する。
【0032】
ICカード201の更新方法として(1)が選択された場合、記憶部114に格納されたICカードの登録情報から、口座情報、新規登録年月日、生体情報(新Ver)が抽出される(ステップ409)。次に、カード機構105に挿入され搬送されたICカード201は一旦退避・回収路121(図13)に搬送して、現在のICカード201を一旦退避させる(ステップ410)。そして、利用者が新規のICカード201を持参してきているかの案内画面を、表示部103に表示して、利用者の確認入力を得る(ステップ411)。新規のICカードを持参してきていれば、新規ICカード201を装置に挿入させる(ステップ412)。また、新規のICカードを持参していなければ、ICカード発行機構120を駆動して、そこに予め保管された新規のICカード201を搬走路に繰出し搬送する(ステップ413)。そして、ICR/W部112は、ステップ409で取得した口座情報、新規登録年月日、新Verの生体情報を、新規ICカード201のICチップ203のメモリに書込む(ステップ414)。この場合、新Ver生体情報は、ICチップ203のメモリの旧Verエリアに記憶される。また、現在の年月日をICチップの更新年月日エリアに書込み、更新日に基づく有効期限、予報開始日の期限情報を書込む(ステップ415)。
更に、指静脈リーダ102で読取られた利用者の指静脈パターンを、新規ICカードのメモリの新Ver生体情報エリアに書込む(ステップ416)。そして、書込み内容が正常か、新規ICカードのICチップ203から口座情報、期限情報を読取って表示部103に表示し、その内容を利用者に確認させる(ステップ417)。登録内容の確認した旨が入力されると、図10の[B]ステップ501に移行する。
【0033】
次に、図10のフローチャートを参照する。
図10は生体情報の登録データの確認から、旧ICカードを処分するまでの動作を示す。
利用者の指を指静脈リーダ102にかざし、指の静脈パターンを読取る(ステップ501)。指静脈リーダ102で読取られた利用者の指静脈パターンは、主制御部110内の記憶部114に一時記憶されると共にICR/W部112を経由してICチップ203に送信される。そして、ICチップ203内のCPUの実行により、メモリに予め登録されている指静脈の新Ver生体情報と照合される(ステップ502)。指静脈の生体情報の照合により、利用者が本人かを認証する(ステップ503)。照合の結果、利用者が正当な本人と認証できなければ、認証否(No)が1回目か確認する(ステップ504)。認証否が1回目ならば、読取られた利用者の指静脈の生体情報をICカードのメモリの生体情報新Verエリアに書込んだ後(ステップ505)、ステップ501に戻る。認証否が2回目以上の時は、書き込み失敗と判断して、新規ICカード201を回収する(ステップ506)。回収が1回目か確認し(ステップ507)、回収が2回目以上の場合は、主制御部110は新規ICカードへの書き込み不備と判断して、利用者に営業店でのICカード201の更新手続き行なう旨の案内を表示部103に表示した上で、図8の[C]ステップ315に移行する(ステップ508)。ステップ507で回収が1回目の場合は、新規ICカード201を繰出して、図9の[E]ステップ414に移行する(ステップ509)。
【0034】
さて、ステップ503で新Ver生体情報との照合の結果、認証可(Yes)であれば、次に旧Verの生体情報と照合する(ステップ510)。これは念のための確認であり、旧Verの生体情報との照合結果は、主制御部110内の記憶装置116にログとして記憶するのみで、以後の処理には影響しない。上記照合による認証(ステップ503)で、利用者が正当な本人であると確認できると、主制御部110はICカード201の更新処理の記録として、利用者の顔を撮影する旨の案内を表示部103に表示する(ステップ511)。利用者に撮影可(OK)を確認して、その旨を入力部104より入力させる(ステップ512)。撮影OKならばカメラ118で利用者の顔を撮影して、撮影された顔画像のデータを主制御部110の記憶装置116に記憶する(ステップ513)。
【0035】
次に、旧となったICカード201の処分の処理に移る。処分方法として、(1)ICカードを無効処理した上で、ATMで回収、廃棄する、(2)利用者に返却して廃棄する、の2つの方法を表示部103に表示し、入力部104からいずれかの方法を選択させる(ステップ514)。(2)を選択すると、カード機構105を駆動して、一時退避されていた旧ICカード201を利用者に返却する(ステップ515)。
【0036】
一方、利用者が(1)を選択すると、主制御部110はICR/W部112を介して旧ICカード201のメモリ内の生体情報の登録データを削除し、かつ有効期限を期限切れに書替えて、ICチップを無効とする処理を行なう(ステップ516)。そして、旧ICカードは退避・回収路121を経由して、回収箱122に回収される(ステップ517)。
【0037】
また、ホストコンピュータの利用者口座元帳の登録データを更新するため、新規ICカード201に書き込まれた個人情報、更新年月日、期限情報、更新方法を更新情報としてホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータでは、図6に示す利用者口座元帳の登録データから、個人情報、更新年月日、期限情報、更新方法を書き替えて更新する(ステップ518)。そして、当初選択された取引(図8のステップ301で選択された)が、生体情報の登録かを確認し、生体情報の登録のみの取引の場合は終了し、そうでなければ図8の[C]ステップ315に移行する(ステップ519)。
【0038】
次に、図11及び図12を参照して、他の実施形態について説明する。
図9、図10に示した処理は、旧ICカード201から読取った旧の生体情報及びその他の情報を新規ICカード201へ移行する例であった。これに対して、図11、図12に示す実施例は、ホストコンピュータの利用者口座元帳の登録データを格納するDB206を利用する例である。以下、図11を参照する。尚、場合よっては、図8等を参照することがある。
【0039】
さて、図8のステップ309における取引選択で、生体情報の登録が選択されたり、ステップ311で予報期間であった場合[A1]、ICチップ203から更新方法を読取る(ステップ601)。そして過去の取引時に、ICカード201の更新方法を登録されているかを確認する(ステップ602)。登録済ならば、図8の[C]ステップ315に移行する。更新方法が登録されていなければ、有効期限に対する残存期間を表示部103に表示して、ICカード201の更新手続きを案内する(ステップ603)。
【0040】
ICカードの更新方法として、(1)現在、操作中のATMで、このまま更新処理を継続する、(2)新規のICカード201を自宅宛に郵送してもらう、(3)金融機関の営業店に出向いて更新手続きを行う、(4)次回以降の取引時に更新手続きを行う、の4通りを表示し、利用者に入力部104からいずれかを選択してもらう(ステップ604)。次に、ICチップ203の口座情報から氏名、住所、電話番号等の個人情報を読取って表示部103に表示し(ステップ605)、個人情報に変更がないか、利用者に確認させる(ステップ606)。
【0041】
個人情報に変更があれば、変更の情報を入力部104から入力させる(ステップ607)。入力された変更後の個人情報は、主制御部110からICR/W部112を介して、ICカードのICチップ203の該当する個人情報のエリアを書替えられる。(1)〜(3)が選択された場合は、個人情報や更新方法の情報はホストコンピュータに送信される(ステップ608)。ホストコンピュータでは、DB206の利用者元帳の登録データを更新した上で、(1)を選択した場合は、口座情報、新規登録年月日、更新年月日、期限情報をATM101に返信する。
ATMではホストコンピュータからの回答を受信する(ステップ609)。そして、現在使用しているICカードのICチップ203から新Verの生体情報を読取る(ステップ610)。
次に、ICR/W部112の直下に現在のICカード201を退避路121に一旦退避させる(ステップ611)。そして、利用者に新規のICカード201を持参してきているかを表示部103に表示して確認する(ステップ612)。利用者が持参して来ていれば、新規ICカード201をカード機構105に挿入させ(ステップ613)、持参していなければ、ICカード発行機構120から新規ICカード201を繰出す(ステップ614)。
カード機構105の搬送路に挿入又は繰り出された新規のICカードに対して、ステップ609で受信した口座情報、新規登録年月日、更新年月日、期限情報等の情報を、新規ICチップ203のメモリの口座情報、新規登録年月日、更新年月日、期限情報のエリアに書込む(ステップ615)。また、現在まで使用して来たICカードのICチップ203から読取った新Ver生体情報を、新規ICカードの旧Ver生体情報のエリアに書込む(ステップ616)。次に、指静脈リーダ102で読取られた利用者の指静脈パターンの生体情報を新規ICカードのメモリの新Ver生体情報のエリアに書込む(ステップ617)。そして、新規ICカードへの書込み内容が正常かを確認するために、ICR/W部112を介して新規ICカードのICチップ203から口座情報及び期限情報を読取って、表示部103に表示し、この表示内容が正しいかを利用者に確認してもらう(ステップ618)。正しくない場合には入力部104よりその旨の入力をさせ、この場合には例えば再度登録をやり直す。一方、登録内容が正しい場合にはその旨が入力されるので、登録内容の確認動作を終了し、図13の[B1]に移行する。
【0042】
図12は、他の実施形態における生体情報の登録データ確認から旧ICカードの処分に至る処理フローチャートである。第1の実施例の図10に対する代替である。
利用者の指を指静脈リーダ102にかざし、指の静脈パターンを読取る(ステップ701)。指静脈リーダ102で読取られた利用者の指静脈パターンは、主制御部110内の記憶部114に一時記憶されると共にICR/W部112を経由してICチップ203に送信され、CPUの実行によってICチップ203のメモリ内に予め登録されている指静脈の新Ver生体情報と照合される(ステップ702)。指静脈パターンの照合により、利用者本人かを認証する(ステップ703)。認証の結果、利用者本人と認証されなければ、認証否(No)が1回目か確認する(ステップ704)。認証否が1回目ならば、読取られた利用者の指静脈の生体情報をICカードのメモリの生体情報新Verエリアに書込んだ後(ステップ705)、ステップ701に戻る。そして、認証否が2回目以上の場合は、書き込み失敗と判断して新規ICカード201を回収する(ステップ706)。回収が1回目か確認し(ステップ707)、回収が2回目以上の場合は、利用者に営業店でのICカード201の更新手続きを案内した上で、図8の[C]ステップ315に移行する(ステップ708)。ステップ707で、回収が1回目の場合は、新規ICカード201を繰出して、図11の[G]ステップ615]に移行する(ステップ709)。
【0043】
ステップ703で新Verの生体情報と照合の結果、認証可であれば、念のために旧Verの生体情報とも照合する(ステップ710)。以上で、利用者が正当な本人であると確認できると、主制御部110はICカード201の更新処理の記録として、利用者の顔を撮影する旨の案内を表示部103に表示する(ステップ711)。利用者に撮影可(OK)を確認して(ステップ712)、撮影OKならばカメラ118による利用者の顔を撮影して、その顔画像データを主制御部110の記憶装置116に記憶する(ステップ713)。
【0044】
次に、旧ICカード201の処分方法として、(1)カードを無効処理した上でATMにて回収廃棄、(2)利用者に返却して廃棄する、の2つの方法を表示部103に表示し、いずれかを利用者に選択してもらう(ステップ714)。(2)を選択すると、旧ICカード201を利用者に返却する(ステップ715)。(1)を選択すると、旧ICカード201の有効期限を期限切れに書替える等の無効処理した上で(ステップ716)、ATM内の回収部に回収する(ステップ717)。そして、図8のステップ301で選択された取引は、生体情報登録のみかを確認し、生体情報登録のみの場合は一連の処理を終了し、そうでなければ図8の[C]ステップ315に移行する(ステップ718)。
【0045】
以上、本実施形態において、生体情報として指静脈の認証を利用する例について説明したが、他の例として手静脈認証、指紋認証、虹彩認証、顔認証、署名等による生体認証の利用も考えられる。
【0046】
また、上記実施形態では、ICカード内のCPUの実行によって、ICチップ内のメモリに予め登録されている生体情報と、ATMの例えば指静脈リーダ(生体検知器)で読まれた生体情報と照合することで、認証を行っている。しかし、変形例によれば、この照合は、ATMの主制御部110内のCPU113によって実行することもできる。この場合、ICカードのメモリに予め記憶されている生体情報を取得し、CPU113の実行の下、このICカードの生体情報とATMの生体検知器で検知された生体情報とを照合することになる。
【0047】
また、他の例として、利用者の生体情報とホストコンピュータのDB206に、利用者の暗証番号と関連付けて記憶する例では、上記の照合動作をホストコンピュータで実行することもできる。この場合、ホストコンピュータは、DB206に予め記憶された利用者の生体情報と、ATMの生体検知器で検知された生体情報とを照合することになる。また、この場合、生体情報の更新とは、DB206内の生体情報を更新する処理となる。
【0048】
また、上記実施形態では、ICカードの更新処理として新規ICカードに置き換えることを前提としてが、新規ICカードに置き換えない場合には、生体情報の更新処理となり、新らたに取得した生体情報を現在まで使用していたICカード(図5)の新Verエリアに記憶し、今まで新Verエリアに記憶されていた生体情報を同じカードの旧Verエリアに記憶し直す処理となる。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、金融機関の営業店等に出向くことなく、ATMでの現金取引のついでに、利用者本人の操作に従って自分のICカードの更新処理を行なうことができ、利用者の利便性とセキュリティが確保できる。また、ICカードに登録する利用者の生体情報を、新データと旧データの2世代の生体情報とすることにより、生体情報の認証に際して新データと旧データのいずれも使用することができる。このため、読取り部から得られた生体情報との照合の結果、新旧いずれかの生体情報が一致すればよく、照合率が向上する。
また、新規ICカードの発行機構を備えたATMやCDによれば、金融機関の係員は、装置内に新規のICカードをセットするのみで済む。このため、従来のように新規のICカードに利用者毎の情報を記録して郵送したり、営業店に出向いた利用者の生体情報を機械で読取ってICカードに登録するための処理や操作を行なう係員が不要となり、経費節減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態によるATMの構成を示すブロック図、
【図2】ICカードの外観図、
【図3】ATMを含む現金取引システムの概要を示す図、
【図4】ICカードに備えられサービス機能の例を示す図、
【図5】ICカードのメモリに登録されるデータのフォーマットの例を示す図、
【図6】ホストコンピュータのDB206に登録される口座元帳のフォーマットの例を示す図、
【図7】ICカードの更新の仕組みを示す図、
【図8】本実施形態における取引処理のためのフローチャートを示す図、
【図9】本実施形態におけるICカードの更新処理のフローチャートを示す図、
【図10】本実施形態におけるICカードの更新処理のフローチャートを示す図、
【図11】他の実施形態によるICカードの更新処理のフローチャートを示す図、
【図12】他の実施形態による新ICカードへの登録確認から旧ICカードの処分に至る処理フローチャートを示す図、
【図13】本実施形態におけるカード機構105の構成例を示す側面図、
【図14】本実施形態におけるATMの取引選択画面の例を示す図、
【図15】本実施形態におけるATMの取引案内画面の例を示す図、
【図16】本実施形態におけるATMの取引案内画面の例を示す図、
【図17】本実施形態におけるATMの取引案内画面の例を示す図、
【符号の説明】
【0051】
101:ATM 102:指静脈リーダ 103:表示部
104:入力部 105:カード機構 106:紙幣入出金機構
107:硬貨入出金機構 108:明細票印字機構 109:通帳印字機構
110:主制御部 111:磁気R/W部
112:ICR/W部 113:CPU 114:記憶部
116:記憶装置 118:カメラ 201:カード
202:磁気ストライプ 203:ICチップ 206:データベース
207:ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報を認証して利用者に現金の取引を許容する自動取引装置において、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、利用者により用いられる媒体のメモリに対して情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、該生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な本人であると判定された場合、該生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報を媒体のメモリに記憶して該利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
該読み書き部より、該媒体のメモリに記憶された有効期限に関する情報を取得し、該処理部は該有効期限から該媒体の残存期間を算出し、該残存期間が所定の期間以下になったと判断した場合、該表示部に関連する表示を行うことを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
該読み書き部より、該メモリに記憶された有効期限に関する情報を取得し、該処理部は該有効期限から該媒体の残存期間を算出し、該残存期間が所定の期間以下になった場合、該媒体の更新方法を該表示部に表示して、利用者に選択させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2の自動取引装置。
【請求項4】
該媒体取扱い機構は、利用者が持参して挿入した新規のICカードを受入れ、該読み書き部によって該新規のICカードのメモリに新たな生体情報を書き込むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの現金自動取引装置。
【請求項5】
更に、複数の新規のICカードを保管するICカード発行機構を備え、要求に応じて該ICカード発行機構より1枚ずつ該ICカードを繰り出して、該読み書き部を介して該ICカードのメモリに新たな生体情報を記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの現金自動取引装置。
【請求項6】
更に、利用者の顔を撮影するカメラを備え、生体情報を更新する場合、該カメラにて撮影された利用者の顔の画像データを新規なICカードのメモリに記憶することを特徴とする請求項4又は5のいずれかの現金自動取引装置。
【請求項7】
生体情報を更新して新規に媒体を発行する場合、旧の媒体の処分方法を該表示部に表示して、該入力部を介して利用者に処分方法を選択させるように構成し、旧の媒体を装置内に回収する処分方法が選択された場合、該処理部は該読み書き部を介して、旧の媒体のメモリに格納された有効期限に関する情報を期限切れに書替えることを特徴とする請求項請求項1乃至6のいずれかの現金自動取引装置。
【請求項8】
媒体に備えられたメモリに記憶された利用者の生体情報(第1の生体情報)を用いて利用者本人を認証して、該利用者に現金の取引を許容する自動取引装置において、
利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、該媒体のメモリに対する情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、該生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な利用者であると判断された場合、該第1の生体情報と、該生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報(第2の生体情報)を新規の媒体のメモリに記憶して該利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項9】
該生体情報取得部より取得された生体情報と、該媒体のメモリに記憶された生体情報とを照合する照合手段を該媒体内に有し、該照合手段による照合結果に応じて利用者の認証を行なうことを特徴とする請求項8の自動取引装置。
【請求項10】
該媒体の更新処理後、利用者が媒体を用いて取引を行なう場合、該照合手段は、該生体情報取得手段から取得された生体情報と該媒体のメモリに格納された第1又は第2の生体情報のいずれかと照合し、照合の結果一致した場合、該処理部は該利用者に対する取引を許容することを特徴とする請求項9の自動取引装置。
【請求項11】
該照合手段は、該第1の生体情報よりも該第2の生体情報から優先して照合することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかの自動取引装置。
【請求項12】
該照合手段は、該第1及び第2の生体情報が該媒体のメモリに記憶された後に、該生体情報取得部から取得された第2の生体情報と該メモリに記憶された第1の生体情報と照合することを特徴とする請求項9乃至11のいずれかの自動取引装置。
【請求項13】
取引用媒体を利用する利用者の生体情報を認証して該利用者に現金の取引を許容する自動取引装置と、該自動取引装置に接続され、利用者の口座情報を含む元帳データを管理するデータベースを有するコンピュータを有する現金取引システムにおいて、
該媒体が有するメモリには、取引用の口座情報、媒体の更新に関する情報、及び利用者の生体情報を記憶し、
該自動取引装置は、利用者に取引のための案内を表示する表示部と、利用者により入力操作が行なわれる入力部と、該媒体のメモリに情報の読み書きを行う読み書き部を有する媒体取扱い機構と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、該生体情報取得部より取得された生体情報に対する認証の結果、正当な本人であると判定された場合、該生体情報取得部によって取得された利用者の新たな生体情報を媒体のメモリに記憶して該利用者に対する媒体の更新処理を行なう処理部を有し、
該ホストコンピュータは、利用者の該媒体が更新された場合、該利用者の口座情報に関連付けて媒体の更新に関する情報を登録すること、
を特徴とする自動取引システム。
【請求項14】
生体情報の認証は、該媒体に備えられたCPUの実行により、該生体情報取得部より取得された生体情報と、該媒体のメモリに記憶された生体情報とを照合することにより行なうことを特徴とする請求項13の自動取引システム。
【請求項15】
生体情報の認証は、該ホストコンピュータの処理により、該生体情報取得部より取得された生体情報と、該データベースに予め登録された該利用者の生体情報とを照合することにより行なうことを特徴とする請求項13の自動取引システム。
【請求項16】
利用者の個人情報に変更がある場合、利用者により該入力部から入力された変更後の個人情報を該媒体のメモリに記憶することで利用者の個人情報を更新することを特徴とする請求項13乃至15のいずれかの自動取引システム。
【請求項17】
利用者がカード媒体を利用して自動取引装置を操作し、利用者の生体情報を認証して該利用者に現金の取引を許容する自動取引方法において、
取引に際して、生体情報検知器により利用者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
該取得された該生体情報と、該媒体に備えられたメモリに格納された利用者の生体情報(第1の生体情報)とを照合するステップと、
該照合の結果、利用者が正当な利用者であると判断された場合、該第1の生体情報と、該生体情報検知器によって取得された利用者の新たな生体情報(第2の生体情報)を新規の媒体のメモリに記憶するステップと、
該新規の媒体を該利用者に対して排出するステップと、
を有することを特徴とする自動取引方法。
【請求項18】
利用者が該新規の媒体を用いて取引を行なう場合、該生体情報検知器から取得された生体情報と該新規媒体のメモリに格納された第1又は第2の生体情報のいずれかと照合し、照合の結果一致した場合、該利用者に対する取引を許容することを特徴とする請求項17の自動取引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−338444(P2006−338444A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163596(P2005−163596)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】