説明

自動取引装置

【課題】タッチパネルを指でキー押下する際、操作者が気づかずに手首の服の袖や携帯電話のストラップ等が触れてしまった場合でも、正常に入力が行える自動取引装置を提供する。
【解決手段】遮光領域が4つの場合、左上の遮光領域に取引キーが存在していれば、制御部は、左上の遮光領域を押下座標として、その他の遮光領域を無効とし、押下座標に基づいて取引処理を行い、左上の遮光領域に取引キーが存在していなければ、制御部は、全ての遮光領域を無効とする処理を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を入力させるタッチパネル(特に光学式タッチパネル)を備えた現金自動取引装置(ATM)や無人契約端末,ショッピング端末,自動販売機,POS端末(キャッシュレジスタを含む)等の入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関等に設置される自動取引装置はLCD等の表示部上にタッチパネルを配置し、操作ガイダンスと共に表示部にキーを表示し、このキーをタッチパネル上から指で触れる(押下する)ことにより取引の実行に必要な情報を顧客が入力するものとなっている。また、その際、顧客がキーの押下を確認できるように、押下したキーの色を変化させたりすることも行われている。
【0003】
これらに用いられるタッチパネルの方式としては代表的なものに光学式(赤外線方式)がある。赤外線の発光素子と受光素子を対とした光軸を水平方向および垂直方向に複数配置しマトリクス状に構成し、該光軸を順次ON/OFFすることで画面をスキャンし、指等で光軸が遮光されるとその場所を押下座標として検出する仕組みになっている。
【0004】
押下座標が表示部のキーに対応したタッチパネルの座標領域にあれば、該キーを押下したとして顧客の入力操作としている。その際、表示部のキーが2箇所押下されたならば、そのキー入力は無効にする等して、異常な入力を排除している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開昭60−124724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述した従来の技術では、例えば、指でキー押下する際、手首の服の袖が垂れてタッチパネル上に触れてしまうと、結果として2箇所以上の押下となり、正常な入力として扱われないという問題があった。
【0006】
また、袖以外にも携帯電話のストラップ等、操作者が気づかずに触れてしまった場合は、なぜ入力できないのか操作者が戸惑ってしまうという問題も発生し得る。
本発明は、これらの問題を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、発光素子と受光素子を対とした光軸を水平方向および垂直方向に複数配置した表示入力部と、遮光領域から一の座標を押下座標として算出して押下座標に基づいた取引処理を行う制御部を備え、前記表示入力部が押下された結果、遮光領域が4つの場合、左上の遮光領域に取引キーが存在していれば、前記制御部は、左上の遮光領域を押下座標として、その他の遮光領域を無効とし、前記押下座標に基づいて取引処理を行い、左上の遮光領域に取引キーが存在していなければ、前記制御部は、全ての遮光領域を無効とする処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチパネル入力の際、指による押下と同時に服の袖等が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、入力が無効になったりせず、正常に入力されるので、なぜ入力できないのか操作者が戸惑ってしまうこともなく、使い勝手の良い入力装置を提供できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施例を挙げ、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、第1の実施例の構成について説明する。
ここでは、入力装置として現金自動取引装置を例に取り上げて説明することとする。以下に、図面を参照して本発明による現金自動取引装置の実施例について説明する。
図14は現金自動取引装置を示す制御ブロック図であり、図15はその現金自動取引装置の外観を示す斜視図、図16は現金自動取引装置における表示入力部のブロック図である。
【0011】
図14において、1は現金自動取引装置であり、銀行等の金融機関や郵便局、コンビニエンスストア等(金融機関等という。)の営業店等の店舗に設置され、顧客との間で現金の取引を自動で行う。
【0012】
2はカード処理部であり、金融機関が発行したコードや顧客の口座番号,氏名等の顧客情報が記憶された顧客識別カード(以後、キャッシュカードとする)や振込先機関のコード等の振込情報が記録されている振込専用カード(以後、振込カードとする)から記憶されている前記情報を読み出す機能を有する。
【0013】
このカード処理部2の前面側に接続されたカード挿入返却口により、キャッシュカードや振込カードの挿入や返却が行なわれる。尚、前記キャッシュカード及び振込カードには顧客の氏名、口座番号等の情報を格納する磁気ストライプを備える。更に、前記情報を格納する部材としては、前記磁気ストライプに代えて、カードに埋め込まれたICであってもよい。
【0014】
3はレシート処理部であり、取引内容を印字して明細票を発行する。前記明細票は、入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の顧客が行った金融取引に関する情報が印刷される紙片であり、口座番号、金融取引の種類、取引金額等が印刷される。尚、前記明細票は、顧客が希望したときだけに発行されるようにしてもよい。
【0015】
4は通帳処理部であり、預金通帳等の通帳に記帳する機能を有する。ここで、前記通帳は、金融機関が顧客に対して発行した預金通帳等の冊子状の通帳であり、入金、出金、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融取引の記録が印刷されるものである。尚、前記通帳の表紙又は裏表紙には、顧客の氏名、口座番号等の情報を格納する磁気ストライプを備える。更に、前記情報を格納する部材としては、前記磁気ストライプに代えて、通帳に埋め込まれたICであってもよい。
【0016】
前記通帳処理部4は、通帳が挿入される通帳挿入返却口を備え、該通帳挿入返却口内には、通帳を搬送する図示されない搬送装置、通帳に前記金融取引の記録を印刷する印字ヘッド、及び、通帳の磁気ストライプやICに格納された情報の読み取り、上書き、消去等を行うための磁気ヘッドやIC接点等が配設される。
【0017】
5は紙幣入出金部であり、顧客により入金される紙幣を真偽鑑別,計数し、図示しない一時貯留部に貯留し、一時貯留部から繰出して搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、又は顧客に支払われる紙幣を金種別保管金庫より繰り出すものである。
紙幣入出金部5は紙幣入出金口を備え、顧客が投入した紙幣を受付けるための紙幣入金口および顧客に紙幣を引渡すための紙幣出金口として機能する。
【0018】
6は硬貨入出金部であり、顧客により入金される硬貨を真偽鑑別,計数し、搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、又は顧客に支払われる硬貨を金種別保管金庫より繰り出すものである。
【0019】
7は表示入力部であり、現金自動取引装置1の前面に設けられ、LCD等の表示画面を有する表示部72とタッチパネルからなる入力部71との組合せで構成されており、表示部72の画面に取引選択画面や顧客の希望等を問合せる画面、顧客の処置を促す画面や処置選択ボタン等を表示する一方、入力部71により顧客からの入力を受付ける。
【0020】
8は音声案内用のスピーカで、このスピーカ8の出力音声も制御部9で制御され、表示部の画面誘導に加え、さらに音声により補助誘導する。
9は現金自動取引装置1の主制御部であり、インタフェース部12より図示しないホストコンピュータ等の上位装置と専用回線や電話回線等の通信回線で接続されている。ホストコンピュータの記憶部には、顧客の住所,氏名やその暗証番号、口座残高及び口座番号情報などを始めとし各種の情報が記憶されている。
【0021】
10は電源部であり、外部から供給された交流電源を直流電源および各部毎に必要な電圧に変換、現金自動取引装置1の各部に電源を供給する。
11はメモリ部であり、主制御部9が実行するプログラムや主制御部9による処理結果等が格納される。
【0022】
次に自動取引装置1の動作、特に表示入力部7の動作について図1〜図5、図16および図17をもとに詳述する。
表示入力部7は、図16に示したように取引の操作案内用のイラストや文字及び入力用の各種のキー等を表示するLCD等の表示部72と、この表示部72に表示されたキーに対応するスイッチ機能を有するタッチパネル71によって構成されている。
【0023】
表示部72には、図17に示すような取引選択画面等が表示され、この画面上のキーを指で押下すると、タッチパネル71は押下位置を認識し、主制御部はその押下位置から何のキーを押下されたかを識別し、押下されたキーに基づいて(例えば「入金」が選択されたならば入金取引の)処理を行う。
ここで、タッチパネル71は、人の指が持続して触れた場合、数拾ms程度の時間間隔で検知信号(検出座標等)を出力するものとなっている。
【0024】
タッチパネル71は光学式であり、図5のように、赤外線の発光素子と受光素子を対にした光軸をマトリクス状に構成し、該光軸を順次ON/OFFすることで画面をスキャンし、指等で光軸が遮光されるとその場所のうち一の座標を検出座標として算出する仕組みになっている。図5では上側と左側に発光素子列が、下側と右側に受光素子列が存在する。
図5において、発光素子と受光素子は、光軸間隔が縦横とも4mmとなるよう配置され、横(X軸方向)に76個(光軸番号をX1〜X76とする)、縦(Y軸方向)に58個(光軸番号をY1〜Y58とする)がそれぞれ実装されている。
【0025】
このタッチパネル71上に指で触れた場合の例を図4に示す。711で示す領域に指で触れたところ、光軸X11〜X13およびY5〜Y7が遮光され(この遮光されたX軸およびY軸の交差する交点群の領域を以後「遮光領域」という)、その情報がタッチパネル71内部に構成される図示しないメモリ等の記憶部に記憶される。タッチパネル71は、その遮光領域の情報を基に、図示しないプログラムやCPU等により、X方向の中央部X12とY方向の中央部Y6より、[X12,Y6]を検出座標712として算出する。遮光軸に対しどこを検出座標とするかは任意であるが、ここではX方向、Y方向とも中央部とする。尚、遮光軸数が偶数の場合、中央部が光軸間となるので、少数点を切り捨てて検出座標とする。
【0026】
尚、タッチパネル71は、異常な遮光軸数(たとえばX軸、Y軸いずれかが10本以上の遮光軸数)と判断した場合には、主制御部に対し、異常な検出があったとしてエラーを通知するようにしてもよい。
【0027】
一方、図1は操作者がタッチパネルを指で押下した際、手首の服の袖もタッチパネルに触れてしまった状態を示している。
押したい領域711aに指で触れたならば、本来光軸X11〜X13およびY5〜Y7のみが遮光領域となるべきところ、袖の触れた領域711bがあるため、光軸X45〜X51およびY35〜37も遮光領域となってしまう。
【0028】
したがって、図1に示す、712a[X12,Y6]、712b[X48,Y36]、712c[X12,Y36]、712d[X48,Y6]の4つの座標が検出座標として算出されることとなる。
また、図2は操作者がタッチパネルを指で押下した際、手首の服の袖もタッチパネルに触れてしまった状態の別の例を示している。
【0029】
押したい領域711eに指で触れたならば、本来光軸X37〜X39およびY5〜Y7のみが遮光領域となるべきところ、袖の触れた領域711fがあるため、光軸X35〜X41およびY48〜Y50も遮光領域となってしまう。
したがって、図2に示す、712e[X38,Y6]、712f[X38,Y49]の2つの座標(いずれもX座標は共通)が検出座標として算出されることとなる。
【0030】
また、図3は操作者がタッチパネルを指で押下した際、手首の服の袖もタッチパネルに触れてしまった状態のさらに別の例を示している。
押したい領域711gに指で触れたならば、本来光軸X12〜X14およびY31〜Y33のみが遮光領域となるべきところ、袖の触れた領域711hがあるため、光軸X49〜X51およびY30〜34も遮光領域となってしまう。
したがって、図3に示す、712g[X13,Y32]、712h[X50,Y32]の2つの座標(いずれもY座標は共通)が検出座標として算出されることとなる。
【0031】
次に、検出した座標から指で押下したであろう座標(以下「押下座標」という)を決定するまでの流れをフローチャートを用いて説明する。
図6は第1の実施例における複数点座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
【0032】
以下に説明する動作は、タッチパネル71内部に構成された図示しないメモリ等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しないCPU等の制御手段により制御される。尚、タッチパネル71は生の遮光軸データのみを主制御部へ通知し、以下に説明する動作を主制御部で行ってもよい。
【0033】
S11:スキャンを開始する。
S12:遮光があった場合、検出座標が複数点あるか否かを判断する。
S13:検出座標が1点であれば、該検出座標を押下座標として処理する。
S14:検出座標が複数点であれば、複数点検出後の処理へ移行する。
図7は第1の実施例における押下座標検出フローチャートであり、複数点検出後の処理動作となる。
【0034】
S101:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S102:検出座標が2点であるか否かを判断する。
S103:図2や図3のように検出座標が2点であれば、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。
ここでいう上側および左側とは、2点の座標を比較してY座標の値が小さいほうを上側、X座標の値が小さいほうを左側という。
【0035】
S104:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
S105:検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0036】
S106:図1のように検出座標が4点であれば、4点のうち右下の領域711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
ここでいう右下および左上とは、4点の座標を比較してX座標およびY座標の値が小さいほうを左上、X座標およびY座標の値が大きいほうを右下という。
【0037】
このように第1の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
【0038】
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖が触れた場合、指の位置は奥側で袖の位置は手前側になるので、タッチパネル上では指の位置は袖の位置より上側になり、また操作者の大多数は右利きであるので、タッチパネル上においても指の位置は袖の位置より左側になると想定されることに基づくものである。
【0039】
尚、第1の実施例においては、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、操作者が右利きか左利きかの情報をキャッシュカードあるいはホストコンピュータに記憶しておき、操作者が左利きであれば上述した処理を左右線対称にして行ってよい。すなわち、操作者が左利きであるという情報を得られたなら「座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理する」ところを、「座標が4点検出されたならば右上を、座標が2点検出されたならば上側または右側を押下座標として処理する」としてもよい。
【実施例2】
【0040】
次に第2の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は第2の実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
【0041】
S201:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S202:検出座標が2点であるか否かを判断する。
S203:検出座標が2点であれば、上下に2点(図2のケース)であるか、左右に2点(図3のケース)であるかを判断する。
S204:上下に2点の場合(図2のケース)であれば、X軸の遮光軸数が6本以上であるか否かを判断する。
【0042】
S205:X軸の遮光軸数が6本以上であれば、2点のうち下側の領域711fに袖が触れていると推定し、上側の点712eを押下座標として処理する。
S206:上下に2点でない場合(図3のケース)であれば、Y軸の遮光軸数が6本以上であるか否かを判断する。
S207:Y軸の遮光軸数が6本以上であれば、2点のうち右側の領域711hに袖が触れていると推定し、左側の点712gを押下座標として処理する。
【0043】
S208:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
S209:検出座標が4点であれば、右下の領域711bにおいてX軸またはY軸いずれかの遮光軸数が6本以上であるか否かを判断する。
S210:図1のように、右下の座標においてX軸またはY軸いずれかの遮光軸数が6本以上であれば、4点のうち右下の領域711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0044】
S211:S204、S206、S209において遮光軸数が6本未満であったり、S208において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0045】
このように第2の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
【0046】
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、ある一定の遮光軸数未満であれば、(接触面積が小さいため)ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
【0047】
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、指の接触面積に対し袖の接触面積は大きいものであるため、接触面積が小さいときは袖以外の要因である可能性が高いとの推定に基づくものである。
尚、第2の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
【0048】
また、第2の実施例において、検出座標が4点の場合に右下の座標においてX軸またはY軸いずれかの遮光軸数が一定本数以上であれば、左上の点712aを押下座標として処理するようにしたが、X軸とY軸両方が一定本数以上の場合に、あるいはX軸とY軸の遮光軸数の合計数がある一定以上の場合に、左上の点712aを押下座標としてもよい。
【実施例3】
【0049】
次に第3の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は第3の実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
【0050】
S301:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S302:検出座標が2点であるか否かを判断する。
S303:図2または図3のように検出座標が2点であれば、その2点間の距離が100mm以上でかつ200mm以下であるかを判断する。図2のケースであればY軸に着目し、「4mm*(49−6)=172mm」の計算式で2点間距離を算出できる。同様に、図3のケースであれば「4mm*(50−13)=148mm」のように算出できる。したがって図2、図3のケースいずれもが該当する。
【0051】
S304:図2や図3のように検出座標の2点間の距離が予め定めた距離内(本実施例では100mm以上かつ200mm以下)であれば、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。
【0052】
S305:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
S306:図1のように検出座標が4点であれば、左上の座標712aと右下の座標712bの2点間の距離が100mm以上でかつ200mm以下であるかを判断する。図1のケースであれば「4mm*√((48−12)^2+(36−6)^2)=187mm」の計算式で2点間距離を算出できる。したがって図1のケースは該当する。
【0053】
S307:図1のように検出座標の対角線上の2点間の距離が予め定めた距離内(本実施例では100mm以上かつ200mm以下)であれば、4点のうち右下の点711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0054】
S308:S303において2点間の距離が予め定めた距離内(本実施例では100mm以上かつ200mm以下)でなかったり、S306において検出座標の対角線上の2点間の距離が予め定めた距離内(本実施例では100mm以上かつ200mm以下)でなかったり、S305において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0055】
このように第3の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、2点間の距離がある一定値内でなければ、(指先と袖との距離関係にないため)ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
【0056】
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、指先の位置と袖の位置は概ね150mm前後であるため、2点間の距離が100mm未満や200mmを超えるようなときは袖以外の要因である可能性が高いとの推定に基づくものである。
尚、第3の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
【実施例4】
【0057】
次に第4の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は第4の実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
S401:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S402:検出座標が2点であるか否かを判断する。
【0058】
S403:図2または図3のように検出座標が2点であれば、下側の座標または右側の座標がON/OFFしているか否かを判断する。具体的には、4回センスする間に1回以上OFF(遮光しないケース)の検出があるかを判断する。例えば1回センスするのに20msの時間を要する場合、4回センスすると80msの時間がかかる。指先で押下した箇所(図2の場合であれば712e)であれば80msの間にON/OFFすることは通常発生しないが、袖の接触の場合タッチパネルに触れたり触れなかったりすることがあるので、その4回センスの80ms以内に1回以上OFF(以後「チャタリング」という)することがある。そのチャタリングが発生するか否かを判断する。図2のように711f領域に袖が触れたり触れなかったりした場合、X37〜X39は指により遮光されているものの、Y48〜Y50においては袖によりチャタリングが発生する。
【0059】
S404:図2や図3のような場合において、図2であれば下側の座標712f、図3の場合であれば右側の座標712hがチャタリングを発生していれば、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。
S405:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
【0060】
S406:図1のように検出座標が4点であれば、右下の領域711bにチャタリングが発生しているか否かを判断する。図1のように711bの領域に袖が触れたり触れなかったりした場合、711bにおいてはX45〜X51、Y35〜Y37ともにチャタリングが発生する。
S407:図1のような場合において、左上の領域711aはチャタリングが発生していないにもかかわらず、右下の領域711bにチャタリングが発生していれば、4点のうち右下の点711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0061】
S408:S403において図2の下側の領域711fまたは図3の右側の領域711hにチャタリングが発生していなかったり、S406において図1の右下の領域711bにチャタリングが発生していなかったり、S405において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0062】
このように第4の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、2点検出における下側または右側、4点検出における右下の領域にチャタリングが発生していなければ、(袖のような接触に関し不安定なものでないため)ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
【0063】
また、服の袖以外のたとえば携帯電話のストラップ等が触れてしまった場合でも、チャタリング発生により指以外と判断できるので、無効になったりせず正常に入力される。
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、指先は一定時間安定した押下状態が保たれるのに対し、袖はタッチパネル上でふらつき不安定な状態であるのでチャタリングが発生したときは袖による可能性が高いとの推定に基づくものである。
【0064】
尚、第4の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
また、第4の実施例においては、たえとば図1における右上、図3における右側の領域にチャタリングが無く、図1における左下、図3における左側の座標にチャタリングがあることをもって左利きの操作者であることを識別することも可能である。このようにすれば、上記のように操作者が右利きか左利きかの情報を得なくても、左利きの操作者に対応した袖検知が可能となる。
【実施例5】
【0065】
次に第5の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図11は第5の実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
S501:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S502:検出座標が2点であるか否かを判断する。
【0066】
S503:図2または図3のように検出座標が2点であれば、下側の座標または右側の座標が移動しているか否かを判断する。具体的には、4回センスする間に検出した座標が変化するかを判断する。例えば1回センスするのに20msの時間を要する場合、4回センスすると80msの時間がかかる。指先で押下した箇所(図2の場合であれば712e)であれば80msの間に座標が変化することは通常発生しないが、袖の接触の場合タッチパネル上でふらつき不安定な状態にあるので、その4回センスの80ms以内に1回以上座標の変化(すなわち移動)することがある。その移動が発生するか否かを判断する。図2のように711f領域で袖がふらついた場合、X37〜X39は指により遮光されているものの、Y48〜Y50は袖により遮光範囲が変化することがある。
【0067】
S504:図2や図3のような場合において、図2であれば下側の座標712f、図3の場合であれば右側の座標712hが移動していれば、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。
S505:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
【0068】
S506:図1のように検出座標が4点であれば、右下の座標712bが移動しているか否かを判断する。図1において711bの領域付近で袖がふらついていた場合、711bにおいてはX45〜X51、Y35〜Y37の遮光範囲が変化するので、それにともない検出座標712bも変化する。
S507:図1において、左上の座標712aは移動していないにもかかわらず、右下の座標712bが変化していれば、4点のうち右下の点711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0069】
S508:S503において図2の下側の座標712fまたは図3の右側の座標712hに変化がなかったり、S506において図1の右下の座標712bに変化がなかったり、S505において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0070】
尚、S503において袖がふらついたとき図2の下側の座標712f、図の右側の座標712hとともに上側712e、左側712gも移動する場合がある。その場合も押下座標として定まらないため、入力を無効として扱う。
このように第5の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
【0071】
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、2点検出における下側または右側、4点検出における右下の座標に変化が発生していなければ、(袖のような接触に関し不安定なものでないため)ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
また、服の袖以外のたとえば携帯電話のストラップ等が触れてしまった場合でも、座標の移動により指以外と判断できるので、無効になったりせず正常に入力される。
【0072】
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、指先は一定時間安定した押下状態が保たれるのに対し、袖はタッチパネル上でふらつき不安定な状態であるので座標に変化があるときは袖による可能性が高いとの推定に基づくものである。
尚、第5の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
【0073】
また、第5の実施例においては、たとえば図1における右上、図3における右側の座標の変化が無く、図1における左下、図3における左側の座標に変化があることをもって左利きの操作者であることを識別することも可能である。このようにすれば、上記のように操作者が右利きか左利きかの情報を得なくても、左利きの操作者に対応した袖検知が可能となる。
【実施例6】
【0074】
次に第6の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は第6の実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
S601:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S602:検出座標が2点であるか否かを判断する。
【0075】
S603:図2または図3のように検出座標が2点であれば、下側の座標が上側の座標より先に、または右側の座標が左側の座標より先にON(遮光)したか否かを判断する。具体的には、4回センスして押下座標を得る場合に、最初の1回目のセンス時に下側または右側の座標を検出し、2回目以降に上側または左側の座標を検出したかを判断する。例えば1回センスするのに20msの時間を要する場合、4回センスすると80msの時間がかかる。指先で(図2の場合であれば712eを)押下しようとした場合、袖は下に垂れているため、指よりも早くタッチパネルに触れてしまう。その後袖の接触から40ms遅れて指先がタッチパネルに触れたならば、1回目、2回目のセンスは下側の座標のみが検出され、3回目以降に上側と下側の座標両方が検出されることとなる。
【0076】
S604:図2や図3のような場合において、図2であれば下側の座標712f、図3の場合であれば右側の座標712hが先にONしていれば、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。
【0077】
S605:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
S606:図1のように検出座標が4点であれば、右下の座標712bが左上の座標712aより早くONしているか否かを判断する。
S607:図1において、右下の座標712bが左上の座標712aより早くONしていれば、4点のうち右下の点711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0078】
S608:S603において図2の下側の座標712fまたは図3の右側の座標712hが上側の座標712eまたは左側の座標712gと同時または後にONしていたり、S606において図1の右下の座標712bが左上の座標712aと同時または後にONしていたり、S605において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0079】
このように第6の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、2点検出における下側または右側が上側または左側より先に、4点検出における右下の座標が左上の座標より先にONしていなければ、ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
【0080】
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、袖は垂れ下がっているため指先が触れる前に先に触れてしまう可能性が高いとの推定に基づくものである。
尚、第6の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
また、第6の実施例においては、たとえば図1における右上より左下が先に、図3における左側が右側の座標より先にONしたことをもって左利きの操作者であることを識別することも可能である。このようにすれば、上記のように操作者が右利きか左利きかの情報を得なくても、左利きの操作者に対応した袖検知が可能となる。
【実施例7】
【0081】
次に第7の実施例について説明する。尚、第1の実施例と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図13は第7実施例における押下座標検出フローチャートであり、図中のSで示すステップにしたがって説明する。
【0082】
第7の実施例においては、タッチパネル71は主制御部から表示画面毎にキー領域の座標情報を取得しておくこと(すなわち図示しない記憶部に、予め定められた複数の座標群を記憶しておくこと)で、検出した座標が該キー領域に入っているか否かを判断できるようになっている。
S701:複数点の座標を検出する。(図6のS14からの接続)
S702:検出座標が2点であるか否かを判断する。
【0083】
S703:図2または図3のように検出座標が2点であれば、上側の座標または左側の座標にキーが存在するか否かを判断する。具体的には、図17において「ご入金」のキーを押下した際、右下のキーのない領域に袖が触れてしまったような場合である。そのような場合は、指先の座標にキーが存在し、袖が触れた座標にはキーが存在しないということになる。
【0084】
S704:図2や図3のような場合において、図2であれば上側の座標712e、図3の場合であれば左側の座標712gの場所に表示されたキーがあった場合には、上側の座標または左側の座標を押下座標として処理する。図2の場合であれば712eが、図3の場合であれば712gが押下座標として処理されることとなる。この場合、図2における下側の座標712fや図3における右側の座標712hにはキーが存在しているか否かに拘らず処理する。
【0085】
S705:検出座標が2点でない場合、4点であるか否かを判断する。
S706:図1のように検出座標が4点であれば、左上の座標712aにキーが存在するか否かを判断する。
S707:図1において、左上の座標712aにキーが存在していれば、4点のうち右下の点711bに袖が触れていると推定し、左上の点712aを押下座標として処理する。
【0086】
S708:S703において図2の上側の座標712eまたは図3の左側の座標712gにキーが存在しなかったり、S707において図1の左上の座標712aにキーが存在していなかったり、S706において検出座標が4点でなければ(たとえば6点を検出した場合は)、ごみの付着や素子不良による遮光など袖の接触以外の要因が考えられるため、入力を無効(例えばとしてタッチパネルの入力エラー)として処理する。
【0087】
このように第7の実施例によれば、座標が4点検出されたならば左上を、座標が2点検出されたならば上側または左側を押下座標として処理するので、タッチパネル入力の際、指による押下に加え服の袖が触れたことによる操作者が意図しない押下があっても、無効になったりせず正常に入力される。
また、2点または4点の座標が検出された場合であっても、2点検出における上側または左側に、4点検出における左上の座標にキーが存在していなければ、ごみや素子不良による袖以外の要因と推定し、そのようなケースは入力を無効としたので、より誤操作が減少することが期待できる。
【0088】
また、服の袖以外のたとえば携帯電話のストラップ等が触れてしまった場合でも、座標の移動により指以外と判断できるので、無効になったりせず正常に入力される。
このように処理するのは、指の押下に加え服の袖等がふれた場合、袖はどこに触れられるか分からないが、指先はキーを押下しているので少なくとも指先の位置の座標はキーの存在する場所である可能性が高いとの推定に基づくものである。
【0089】
尚、第7の実施例においても、操作者が右利きであることを前提に処理をするようにしたが、第1の実施例と同様に、操作者が右利きか左利きかの情報を記憶しておき、利き手に応じて左右線対称処理を行ってもよい。
また、第7の実施例においては、たとえば図1における右上にキーが存在し左下にキーが存在しないこと、図3における右側にキーが存在し左側の座標にキーが存在しないことをもって左利きの操作者であることを識別することも可能である。このようにすれば、上記のように操作者が右利きか左利きかの情報を得なくても、左利きの操作者に対応した袖検知が可能となる。
【0090】
尚、第7の実施例においては、タッチパネル71が主制御部から表示画面毎にキー領域の座標情報を取得しておくことで、検出した座標が該キー領域に入っているか否かを判断できるようにしたが、取得した複数の座標データをタッチパネル71から主制御部に通知し、その座標がキー領域内にあるか否かを主制御部が判断するようにしてもよい。
【0091】
尚、本発明は前述した各実施例の形態に限定されるものではなく、種々変形させることが可能である。
(1)各実施例においては、各々の遮光領域において検出座標を算出しその検出座標が複数点あるか否かを判断するようにしたが、検出座標を算出せずに遮光領域が複数あるか否かを判断して以後の処理を行ってもよい。
(2)各実施例においては、複数点を検出した場合、さらにその複数点が2点か否か、さらには4点か否かを判断して処理するようにしたが、2点の場合は入力を無効として処理し4点を検出したときのみを実施例のように処理してもよい。
【0092】
(3)各実施例においては、タッチパネル(特に光学式タッチパネル)を備えた現金自動取引装置(ATM)についての例を説明したが、無人契約端末,ショッピング端末,自動販売機,POS端末等でもよいし、さらにはモバイル端末やカーナビゲーション等においても適用可能である。
(4)各実施例においては、右手で操作する者が多いとの推定を基に動作の説明をしたが、たとえば自動車の運転席からカーナビゲーション画面を操作する場合など、左手で操作するケースがほとんどであると推定される場合には、各実施例で述べた動作を左右線対称にして同様に処理してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1の実施例における押下状態の説明図
【図2】第1の実施例における押下状態の説明図
【図3】第1の実施例における押下状態の説明図
【図4】第1の実施例における押下状態の説明図
【図5】光学式タッチパネルのマトリクス構成の説明図
【図6】第1の実施例における複数点座標検出フローチャート
【図7】第1の実施例における押下座標検出フローチャート
【図8】第2の実施例における押下座標検出フローチャート
【図9】第3の実施例における押下座標検出フローチャート
【図10】第4の実施例における押下座標検出フローチャート
【図11】第5の実施例における押下座標検出フローチャート
【図12】第6の実施例における押下座標検出フローチャート
【図13】第7の実施例における押下座標検出フローチャート
【図14】第1の実施例におけるATMの制御ブロック図
【図15】第1の実施例におけるATMの斜視図
【図16】第1の実施例における表示入力部のブロック図
【図17】第1の実施例における取引選択画面
【符号の説明】
【0094】
1 自動取引装置
7 表示部力部
71 タッチパネル
72 表示部
711 遮光領域
712 検出座標
711a、711e、711g 指の触れた領域
712a、712e、712g 指の触れた座標
711b、711f、711h 袖の触れた領域
712b、712f、712h 袖の触れた座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と受光素子を対とした光軸を水平方向および垂直方向に複数配置した表示入力部と、遮光領域から一の座標を押下座標として算出して押下座標に基づいた取引処理を行う制御部を備え、
前記表示入力部が押下された結果、遮光領域が4つの場合、左上の遮光領域に取引キーが存在していれば、前記制御部は、左上の遮光領域を押下座標として、その他の遮光領域を無効とし、前記押下座標に基づいて取引処理を行い、
左上の遮光領域に取引キーが存在していなければ、前記制御部は、全ての遮光領域を無効とする処理を行うことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記表示入力部が押下された結果、遮光領域が2つの場合、上側又は左側の遮光領域に取引キーが存在していれば、下側又は右側の遮光領域に取引キーが存在していても、前記制御部は、上側又は左側の遮光領域を押下座標として、その他の遮光領域を無効とし、前記押下座標に基づいて取引処理を行い、
上側又は左側の遮光領域に取引キーが存在していなければ、前記制御部は、全ての遮光領域を無効とする処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記表示入力部が押下された結果、遮光領域が6つの場合、前記制御部は、全ての遮光領域を無効とする処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−128883(P2012−128883A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−65260(P2012−65260)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2011−222936(P2011−222936)の分割
【原出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】