説明

自動的なバス検出を備えるマルチプロトコルフィールド装置インターフェイス

汎用コンピュータ(14)にフィールド装置(12)を連結するためのマルチプロトコルインターフェイス(10)が開示される。インターフェイス(10)は測定回路(32)を含み、接続されたプロセス通信ループ(16)上で複数の測定を行い、プロセス通信ループのタイプを判断する。その後、インターフェイス(10)が、検出されたループタイプと一致するプロトコルインターフェイスモジュール(26、28)を含む場合、プロトコルインターフェイスモジュール(26、28)を結合することができる。また、汎用コンピュータ(14)にフィールド装置(12)を連結するための方法(100)が提供される。一つの態様では、ループ(16)が電力供給されていないとインターフェイス(10)が判断した場合、汎用コンピュータ(14)からの電力を用いて、プロセス通信ループ(16)に電力供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
工業界において、フィールド装置は、製油所等のプロセスの動作を制御するために用いられる。フィールド装置、たとえばトランスミッタは、一般的にプロセス通信ループの一部であり、フィールドに位置付けられて、圧力、流れ又は温度といったプロセス変数を測定して、たとえば制御室機器に伝達する。フィールド装置、たとえばバルブ制御器もまたプロセス通信ループの一部にすることができ、プロセス制御ループを通して受信されるか又は内部で生成された制御信号に基づいてバルブの位置を制御する。その他のタイプの制御器は、たとえば電動機又はソレノイドを制御する。制御室機器もまたプロセス通信ループの一部であり、制御室内のオペレータ又はコンピュータが、フィールド内のトランスミッタから受信したプロセス変数に基づいてプロセスを監視し、適切な制御装置に制御信号を送信することにより、プロセスを応答的に制御することが可能である。プロセス制御ループは、プロセス通信ループ上で監視して信号を伝達することができる携帯型通信機を含む場合がある。一般的に、そのような携帯型通信機を用いて、プロセス通信ループを形成するフィールド装置を構成する。本明細書で用いられる用語“プロセス通信ループ”は、接続が実際のループを形成しているかどうかに関わらずプロセス信号を伝送する、あらゆる物理的な接続及び媒体を意味することを意図する。したがって、厳密にはループとは見なされないにも関わらず、プロセス通信ループをHART(登録商標)又はFOUNDATION(商標)フィールドバスセグメントにすることができる。
【0002】
低電力マイクロプロセッサの登場により、フィールド装置は著しい変化を遂げてきた。数年前、フィールド装置は、所定のプロセス変数、たとえば温度を単に測定し、4〜20(mA)の間で変動する電流の形式のアナログ表示を生成して、測定された温度を表示していた。現在は、多くのフィールド装置がディジタル通信テクノロジの他に、より高性能な制御及び通信技術を使用している。フィールド装置が多くの場合低電力の電子機器を使用するのは、多くの設備において、わずか4mAで稼動することが依然として要求されているためである。この設計要件では、市販されているマイクロプロセッサ回路の複数使用が禁じられている。しかし、低電力マイクロプロセッサであっても、そのようなフィールド装置のために膨大な数の機能が与えられていた。
【0003】
そのようなマイクロプロッセサベースのフィールド装置の可用性は、飛躍的に上昇してきた。そのようなフィールド装置は、“スマート”又は“インテリジェント”と呼ばれることがある。これらのスマートフィールド装置を構成して、試験して、診断するために用いられるソフトウェアアプリケーションの可用性もまた、飛躍的に上昇してきた。一般的に、汎用コンピュータ装置、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)又はポータブルラップトップコンピュータの接続は、コンピュータ装置とインテリジェントフィールド装置との間でモデムを用いることにより達成される。きわめて数多くのプロセス通信プロトコル、たとえばHART(登録商標)、FOUNDATION(商標)フィールドバス、モドバス(登録商標)、及びプロフィバスプロトコル等があり、さまざまなプロセス制御タスクを支援している。さらに、全く同じプロセス設備で、いくつもの通信プロトコルが用いられているのが見られることはよくあることである。
【0004】
さまざまなプロセス通信プロトコルを有するプロセス通信ネットワークに、汎用コンピュータ装置を連結するための一つの技術は、米国特許第6,839,790号に見出される。’790特許は、再構成可能な回路を含むインターフェイス装置を報告しており、これにより、いくつかの任意のフィールドバスネットワークの中から、選択されたフィールドバスネットワークへのアクセスが提供される。しかし、’790特許により教示された技術は一般に、ユーザが予め、接続している特定のタイプのフィールドバスの知識を有することが要求される。したがって、ユーザがプロフィバスネットワークに接続したい場合、ユーザはその選択を明らかにしなければならず、その後インターフェイスがそれ自体を再構成する。しかし、ユーザが、どのタイプのプロセス通信プロトコルが用いられているのか分からない、又はユーザの選択に誤りがある場合には、インターフェイスが、用いられている実際のプロトコルと適合しないプロトコルを用いて通信を開始することもあり得る。このことは、破損する可能性のある危険な信号伝達レベルを導入するか、又はプロセス制御ループ上の通信を劣化させる場合があり、インターフェイスモジュール自体を破損又は劣化させるか、又は場合によっては、プロセス制御ループの適正な動作に干渉することになる。
【0005】
発明の概要
汎用コンピュータにフィールド装置を連結するためのマルチプロトコルインターフェイスが開示される。インターフェイスはループ測定回路を含み、接続されたプロセス通信ループ上で複数の測定を行い、プロセス通信ループのタイプを判断する。その後、インターフェイスが、検出されたループタイプと一致するプロトコルインターフェイスモジュールを含む場合、プロトコルインターフェイスモジュールを結合することができる。また、汎用コンピュータにフィールド装置を連結するための方法が提供される。一つの態様では、ループが電力供給されていないとインターフェイスが判断した場合、汎用コンピュータからの電力を用いて、プロセス通信ループに電力供給する。
【0006】
詳細な説明
図1は、本発明の実施形態の、汎用コンピュータ装置にフィールド装置を連結したマルチプロトコルインターフェイスの線図である。マルチプロトコルインターフェイス10は、汎用コンピュータ装置14にフィールド装置12を連結し、コンピュータ装置はラップトップコンピュータとして図示されている。マルチプロトコルインターフェイス10とフィールド装置12との間の連結は、直接接続を介して、たとえばフィールド装置内部の配線端子を介して、又はプロセス通信ループ16を通じて行うことができる。マルチプロトコルインターフェイス10は、プロセス通信ループに連結するように構成されたネットワーク接続回路18と、汎用コンピュータ装置14に連結するように構成されたコネクタモジュール20とを含む。コネクタモジュール20は、コンピュータ14に接続するための任意の好適なコネクタの形状を含むことができる。好適な例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、DB9又はDB25コネクタを使用するもののような標準的なシリアル接続、パラレル接続、PCMCIA接続、PCI接続、及びファイヤワイヤ接続を含むが、これらに限定されない。本発明の実施形態では、コネクタモジュール20が汎用コンピュータ装置14への有線結線を含み、好ましくは、マルチプロトコルインターフェイス10が有線通信インターフェイスを通じて電力供給される。また、本発明の実施形態は、マルチプロトコルインターフェイスモジュール10と汎用コンピュータ装置14との間のデータ通信が無線接続である場合にも実施することができる。好適な無線接続の例は、赤外線通信、Bluetooth通信、及びWIFI通信(たとえばIEEE802.11b又はIEEE802.11g)を含む。さらに、汎用コンピュータ装置の技術の進歩にしたがい、現在既知であるか又は今後開発されるかに関わらず、汎用コンピュータを適応させるための任意の好適なデータ通信を用いて、本発明の実施形態を実施することができる。
【0007】
図2は、本発明の実施形態の、ネットワーク接続回路18のブロック図である。図示されるように、ネットワーク接続回路18は、電線46を介してコネクタモジュール20(図1に示す)に連結するように構成されたマイクロプロセッサ38を含む。また、回路18は、マイクロプロセッサ38に連結されたアナログディジタル変換器36を含む。変換器36は、制御論理ブロック34を介して測定回路32に連結される。また、マイクロプロセッサ38は外部データバス40に連結され、これを通じてリードオンリーメモリ42及びランダムアクセスメモリ44と相互通信する。データバス40を通じて、マイクロプロセッサ38は、第一のプロトコルインターフェイスモジュール26及びプロトコルインターフェイスモジュール28と相互通信することも可能である。各モジュール26及び28は、標準的なプロセス通信プロトコルに準拠して通信するように設計される。たとえば、第一のプロトコルインターフェイスモジュール26は、HART(登録商標)プロトコルに準拠して通信するように構成され、一方で第二のプロトコルインターフェイスモジュール28は、FOUNDATION(商標)フィールドバスプロトコルに準拠して通信するように構成される。加えて、図2は一対のモジュールを図示しているが、本発明の実施形態は、3個以上のそのようなプロトコルインターフェイスモジュールを使用することによって実施することができる。各プロトコルインターフェイスモジュールは、それぞれのプロセス通信プロトコルに準拠した通信を可能にする。
【0008】
上記のように、プロセス通信ループ上で、不適当なタイプのプロトコルインターフェイスモジュールが通信した場合、適合しない信号レベル、データ、干渉、又はその他の望ましくない影響によって、プロセス通信ネットワークの通信性能が低下するか、又はそれどころか関連する装置が破損するかする可能性がある。本発明の実施形態では、ネットワーク接続回路18はループ測定回路32を含む。図2に図示するように、モジュール18は一対の端子50、52を含み、各端子50、52は、それぞれのプロトコルインターフェイスモジュール26及び28、ならびにループ測定回路32と連結されている。ループ測定回路32を利用することにより、ネットワーク接続回路18が、プロトコルインターフェイスモジュール26又は28の一つに結合する前に、接続されたプロセス通信ループに対してさまざまな測定を行うことが可能になる。
【0009】
好ましくは、マルチプロトコルインターフェイス10の回路は、本質的な安全要求の遵守を容易にする。本質的な安全要求の遵守とは、本質的な安全仕様、たとえば1998年10月にFactory Mutual Researchにより、APPROVAL STANDARD INTRINSICALLY SAFE APPARATUS AND ASSOCIATED APPARATUS FOR USE IN CLASS I, II AND III, DIVISION 1 HAZARDOUS (CLASSIFIED) LOCATIONS, CLASS NUMBER 3610という表題で発表された規格の一部分以上の遵守を意味する。
【0010】
HART(登録商標)プロセス制御ループによって動作する場合、インターフェイス10は、直流電流(DC)を減衰させたり出力してはならない。FOUNDATION(商標)フィールドバスの本質的な安全要求を満たすため、インターフェイス10は、プロセス制御ループにいかなるエネルギも注入してはならない。これら二つのプロトコルは、二つの根本的に異なる(及び相反する)通信方法を有するため、インターフェイス10の回路はHART(登録商標)プロセス制御ループの電流を決して減衰させてはならず、またFOUNDATION(商標)フィールドバスセグメントにエネルギを注入しては(電圧を与えては)ならない。
【0011】
図2に図示するように、ネットワーク接続回路18は、一つ以上の別個の測定信号調整回路を含むループ測定回路32を含む。好ましくは、回路32は、ネットワークからの小振幅で短時間の電流を減衰させることができる回路を含む。もう一つの実施形態では、回路32は、3つ以上の別個の測定調整回路を含むことができ、FOUNDATION(商標)フィールドバスネットワークコネクタ上の電圧信号を計って、直流電圧、通信信号振幅、及びネットワーク又はループのノイズを測定する。また、測定回路32は、ネットワーク上の直流電圧を測定する測定回路を含むことができる。これらのさまざまな信号調整回路はすべて、制御論理ブロック34に入力する。制御論理ブロック34は、アナログ・ディジタル変換器36に接続されたマルチプレクサを含む。制御論理ブロック34は、バス40を介してマイクロプロセッサ38によりアクセスされる。図2は、マイクロプロセッサ38とデータバス40から離れた変換器36との間の接続を図示しているが、本発明の実施形態は、シリアル周辺機器インターフェイス(SPI)を含む任意の好適な外部バスを介して、マイクロプロセッサ38に連結された変換器36により実践することができる。インターフェイス10が最初に電源投入されるか、又は電力供給されるかすると、マイクロプロセッサ38は、アナログ・ディジタル変換器36にネットワーク接続端子50及び52上の直流電圧を監視するよう指示する。この状態の間、インターフェイス10はネットワーク(プロセス制御ループとも呼ばれる)を、どのようにも(すなわち、電流を減衰させる/出力する、又は電圧を与える等)妨害しない。ネットワーク接続が存在しない場合、ループ接続上で測定された電圧はゼロに近くなる。プロセス制御ループが端子50及び52に連結されている場合、直流電圧が測定される。HART(登録商標)プロセス制御ループでは、およそ12〜50ボルトの間の直流電圧が測定されるようになり、一方FOUNDATION(商標)フィールドバスループ接続では、9〜32ボルトの間の直流電圧が測定されるようになる。いったん直流電圧が認識されると、極性が測定されて、ループ接続リード線が正しく接続されているかが判断される。詳細には、共通のリード線50とリード線52との間で測定された直流電圧が負極性を有する場合、このことはループ接続リード線が反転していることを意味する。マイクロプロセッサ38はその後、好ましくは、ユーザに、ループ接続リード線が反転しているに違いないということを知らせるメッセージを送信する。一つの実施形態では、インターフェイス10が、極性が反転していると判断した場合、インターフェイス10は、プロトコルインターフェイスモジュールが後で結合されたときに、インターフェイスの回路を用いて、確実に、反転した極性が自動的に修正されるような方法で結合されるようにする。この修正は単に、各プロトロルインターフェイスユニットに入る前に、端子を実質的に反転させるスイッチを用いて実行することができる。しかし、その他の形式の回路及び/又は手法を利用して、極性を自動的に修正することができる。
【0012】
上記に示すように、HART(登録商標)プロセス通信ループ及びFOUNDATION(商標)フィールドバスプロセス通信ループの両方で用いられる作動直流電圧の間に重複がある。したがって、直流電圧のみを用いて、装置10が接続されているループのタイプを確実に表示することはできない。ループのタイプを判断するために、インターフェイス10は、測定回路32を用いて、(好ましくは、適当な直流電圧及び正しいリード線極性を有する)プロセス制御ループの直流インピーダンスを実際に測定する。インターフェイス10は、少量の電流、たとえば1mAを、きわめて短時間、たとえば5ミリ秒間に減衰させ、その後プロセス通信ループ上で結果として得られた電圧パルスの波形及び振幅を測定することにより、ネットワーク直流インピーダンスを測定する。この外乱により、プロセス制御ループに沿って、プロセス制御ループ自体の直流インピーダンスに比例した電圧パルスが生成される。HART(登録商標)プロセス通信ループとFOUNDATION(商標)フィールドバスプロセス通信ループとの間には、特徴的な範囲のインピーダンスが存在する。また、インターフェイス10が生成する外乱に応じて観察する信号は、プロセス制御ループ上に存在するかもしれない任意のHART(登録商標)又はFOUNDATION(商標)フィールドバス通信信号を含む。通信信号自体は、好適なローパスフィルタを用いて濾波され、装置10によって短期間のパルスの影響のみが観察される。アナログ・ディジタル変換器36は関連する外乱の振幅を測定し、この電圧測定からネットワークタイプを判断する。FOUNDATION(商標)フィールドバスネットワークは、およそ50オームの計算されたインピーダンスを有する。HART(登録商標)ネットワークは、およそ125オームよりも大きい計算されたインピーダンスを有する。検出されたネットワーク又はプロセス制御ループのタイプが、プロトコルインターフェイスモジュール26又は28の一つと合致する場合、通信はその後、それぞれのプロトコルインターフェイスモジュールを結合することにより、続行することができる。
【0013】
図3は、本発明の実施形態のマルチプロトコルプロセス通信モジュールを用いて、プロセス通信ループに汎用コンピュータを連結する方法のフロー図である。方法100は、まずマルチプロトコルインターフェイスが電力供給されると、ブロック102から開始する。このステップは、インターフェイスが最初に汎用コンピュータに連結されてコンピュータから電気的動作エネルギを受けるか、又は単にユーザがスイッチ又はインターフェイスモジュール上のその他の好適な対象物を結合するかして、装置に電源投入したときに生じる。方法100はブロック104に続き、ここでマルチプロトコルインターフェイスがそのプロセス通信端子間の電圧を監視する。このステップは、プロセス通信又はループ端子間で非ゼロ電圧が観察されるまで続く。いったんこのことが生じると、制御はブロック106に移動し、ここでマルチプロトコルインターフェイスは、上述のようなループ測定回路を用いて、一つ以上のループ関連の測定を実行する。ループ関連の測定は、プロセス通信ループのタイプを識別することができるまでか、又はすべての利用可能な測定が使い果たされるまで実行される。図3は任意的なブロック108を示し、本発明の実施形態で使用することができる。詳細には、いったんループ関連の測定が実行されると、ユーザに、プロセス通信ループのタイプに関する示唆を自動的に提供することができる。そして、ユーザは、プロセス通信の選択及び関連する媒体アクセスユニットが結合されることを確認することができる。ユーザに自動的な示唆を提供することは、ユーザが単に媒体アクセスユニットを選択することが可能になることとは異なる。たとえば、ユーザが誤って、HART(登録商標)プロセス通信ループと相互通信中であると思い込んでいるが、マルチプロトコルインターフェイスが、汎用コンピュータ装置14との接続を通じて、ループ関連の測定が実際にはFOUNDATION(商標)フィールドバスループを表示していることを報告した場合、ユーザの選択肢は、FOUNDATION(商標)フィールドバスを示唆していることを黙認するか、又はループ上のインターフェイス10を結合しないかである。このように、プロセス通信ループがHART(登録商標)ループであるというユーザの誤った思い込みによって、通信及び/又は装置が破損又は劣化しないようにする。ブロック110では、ループ関連の測定に対応し、任意的にはブロック108に表示するように、ユーザが自動的な示唆を了解している関連するプロトコルインターフェイスモジュールが結合される。
【0014】
全体として、本発明の実施形態は、プロセス通信ループの通信プロトコルを自動的に検出する検出回路を含む。加えて、本発明の実施形態はまた、好ましくは、適切な通信を可能にするために通信プロトコルのパラメータを自動的に検出する。全体として、本発明の実施形態は、適合しないプロトコルについてユーザに通知して、ユーザが、接続された装置に不適当な通信プロトコルを用いることを防止する。たとえば、電力供給されたHART(登録商標)ループに接続されると、本装置は自動的にHART(登録商標)プロトコルパラメータを検出し、汎用コンピュータ装置とループ上のHART(登録商標)フィールド装置との間で、HART(登録商標)通信を自動的に使用可能にする。電力供給されたFOUNDATION(商標)フィールドバスセグメントに接続されると、本装置は自動的にFOUNDATION(商標)フィールドバスプロトコルパラメータを検出し、汎用コンピュータ装置とセグメント上のFOUNDATION(商標)フィールドバスフィールド装置との間で、FOUNDATION(商標)フィールドバス通信を自動的に使用可能にする。
【0015】
図4は、本発明の実施形態の、プロセス通信ループに汎用コンピュータを連結する方法のフロー図である。方法200は、まずインターフェイスが電力供給されると、ブロック202から開始する。ブロック202は、インターフェイスが最初に汎用コンピュータに連結されるか、又はユーザがインターフェイス上にスイッチを結合するかしたときに生じさせることができる。ブロック204で、インターフェイスは、プロセス通信端子に関して少なくとも一つの測定を行う。好適な測定は、電圧の検出を試みることか、プロセス通信端子間の導通の検出を試みることか、又はその他の任意の好適な測定かを含む。ブロック206で、インターフェイスは、ループ関連の測定結果を用いて、プロセス通信ループがインターフェイスに接続されたかを判断する。接続されていない場合、制御はブロック204に戻り、本方法はループ接続待ちを続ける。しかし、ブロック206で、プロセス通信ループがインターフェイスの端子に連結されたと判断された場合、制御はその後ブロック208に移動し、ここでインターフェイスは、ループがすでに電力供給されているかを判断する。このステップは、測定回路、たとえば回路32を用いて、新たに接続されたループの電圧及び/又はインピーダンスを測定することにより達成することができる。新たに接続されたループが電力供給されていない場合、制御はブロック210に移動し、ここでインターフェイスは、汎用コンピュータへの接続から(たとえばUSB接続を通じて)受けたエネルギを用いて、プロセス制御ループに電力を供給する。いったんインターフェイスが、ブロック210でプロセス通信ループに電力供給すると、制御はブロック212に移動する。ブロック208でプロセス通信ループが電力供給されたと判断された場合、制御はブロック208からブロック212に移動する。ブロック212で、インターフェイスの測定回路が再び使用されて複数の測定を行い、インターフェイスが接続されたプロセス制御ループのタイプが判断される。いったん十分な測定が行われるか、又はすべての測定が使い果たされるかすると、制御はブロック214に移動し、ここで、検出されたループタイプに一致するプロトコルインターフェイスモジュールが結合される。検出されたループタイプがいかなる利用可能なプロトコルインターフェイスモジュールとも合致しない場合、インターフェイスはその後、単に誤りを記録し、誤ったプロトコルインターフェイスモジュールを結合しない。
【0016】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者においては、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、形状及び詳細に改変を加えてもよいことが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の、汎用コンピュータ装置にフィールド装置を連結するマルチプロトコルインターフェイスの略線図である。
【図2】本発明の実施形態のモデムモジュール18のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の、マルチプロトコルプロセス通信モジュールを用いたプロセス通信ループに汎用コンピュータを連結する方法のフロー図である。
【図4】本発明の実施形態の、プロセス通信ループに汎用コンピュータを連結する方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用コンピュータにフィールド装置を連結するためのマルチプロトコルインターフェイスであって、
汎用コンピュータに連結するように構成されたコネクタモジュールと、
プロセス通信ループに連結可能な、複数のプロセス通信端子と、
複数のプロセス通信端子に連結され、第一のプロトコルに準拠して通信するように構成された、第一のプロトコルインターフェイスモジュールと、
複数のプロセス通信端子に連結され、第一のプロトコルとは異なる第二のプロトコルに準拠して通信するように構成された、第二のプロトコルインターフェイスモジュールと、
プロセス通信端子に動作可能に連結されたループ測定回路と、
第一及び第二のプロトコルインターフェイスモジュール並びに測定回路に連結され、プロセス通信ループがプロセス通信端子に連結されたとき、測定回路によって行われた複数のループ関連測定の少なくとも一部に基づいて、プロセス通信ループのタイプを判断するように構成されるマイクロプロセッサであって、検出されたプロセス通信ループのタイプに一致するプロトコルを有するプロトコルインターフェイスモジュールが、通信のために結合されるマイクロプロセッサと、
を含むインターフェイス。
【請求項2】
コネクタモジュールがUSBコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項3】
コネクタモジュールが標準的なシリアルコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項4】
コネクタモジュールがパラレルコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項5】
コネクタモジュールがファイヤワイヤコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項6】
コネクタモジュールがPCMCIAコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項7】
コネクタモジュールがPCIコネクタを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項8】
コネクタモジュールが無線接続を含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項9】
少なくとも一つのループ関連の測定が、プロセス通信端子間の電圧を含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項10】
少なくとも一つのループ関連の測定が、ループインピーダンスの測定を含む、請求項9記載のインターフェイス。
【請求項11】
インターフェイスが本質的に安全である、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項12】
マイクロプロセッサが、ユーザに提供される、ループタイプの示唆に対するユーザの応答の少なくとも一部に基づいてプロセス通信ループのタイプを判断する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項13】
マルチプロトコルインターフェイスを用いて汎用コンピュータ装置にフィールド装置を連結するための方法であって、
インターフェイスに連結されたプロセス通信ループを検出することと、
プロセス通信ループのタイプを判断するために、プロセス通信ループ上で複数のループ関連の測定を行うことと、
検出されたプロセス通信ループのタイプに一致するインターフェイスのプロトコルインターフェイスモジュールを自動的に結合することと、
を含む方法。
【請求項14】
少なくとも一つのループ関連の測定が、プロセス通信ループ間の電圧を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
少なくとも一つのループ関連の測定が、ループインピーダンスの測定を含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
プロセス通信ループが電力供給されたかを判断することと、プロセス通信ループが電力供給されていない場合、汎用コンピュータ装置からプロセス通信ループに電力を選択的に供給することとをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項17】
少なくとも一つのループ関連の測定が、プロセス通信ループ接続の極性を検出することと、プロトコルインターフェイスモジュールが自動的に結合する前に、正しくない極性を自動的に反転させることとを含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
少なくとも一つのループ関連の測定が、プロセス通信ループ接続の極性を検出することと、検出された極性が正しくない場合、ユーザに誤りを報告することとを含む、請求項13記載の方法。
【請求項19】
汎用コンピュータにフィールド装置を連結するためのマルチプロトコルインターフェイスであって、
汎用コンピュータに連結するように構成されたコネクタモジュールと、
プロセス通信ループに連結可能な、複数のプロセス通信端子と、
複数のプロセス通信端子に連結され、第一のプロトコルに準拠して通信するように構成された、第一のプロトコルインターフェイスモジュールと、
複数のプロセス通信端子に連結され、第一のプロトコルとは異なる第二のプロトコルに準拠して通信するように構成された、第二のプロトコルインターフェイスモジュールと、
プロセス通信ループのタイプを自動的に判断し、プロセス通信ループタイプに一致するプロトコルインターフェイスモジュールを選択的に結合するための手段と、
を含むインターフェイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−546116(P2008−546116A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515883(P2008−515883)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/022161
【国際公開番号】WO2006/133308
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】