説明

自動車および車載用表示システム

【課題】運転者の嗜好性により対応できるようにする。
【解決手段】アクセル開度Accと要求トルクTr*との対応関係としてのアクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して得られる要求トルクTr*によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものにおいて、運転者がディスプレイ装置90(ボタン93やタッチパネル94)を操作することによってアクセルトルク対応関係を変更可能なものとする。これにより、アクセル対応関係の変更の自由度をより高くすることができ、運転者の嗜好性により対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車および車載用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載され、車両の駆動力情報を表示する駆動力表示画面を表示し、その駆動力表示画面上に、ノーマルモード,セーブモード,パワーモードのうち現在選択されているモードに対応するアクセル−トルク線(駆動力特性線)を表示すると共に、アクセル−トルク線内のパワー表示領域に表示するパワーレベルを運転者のアクセル操作に応じて変化させる車両用表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両用表示装置では、こうした処理により、運転者が駆動力情報を把握できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−87761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の車両用表示装置では、複数のモードのうち運転者によって選択されたモードに対応するアクセル−トルク線を表示するものの、運転者は、このアクセル−トルク線を詳細に変更することはできない。このため、この車両用表示装置を備える自動車では、運転者の嗜好性に十分に対応できているとは言い難い。
【0005】
本発明の自動車および車載用表示システムは、運転者の嗜好性により対応できるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動車および車載用表示システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の自動車は、
アクセル操作量と走行用トルクまたは走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係を表示可能な表示部を備える表示システムを備え、前記アクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行する自動車であって、
前記表示システムは、運転者によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明の自動車では、アクセル操作量と走行用トルクや走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係を表示可能な表示部を備える表示システムを備え、アクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行するものにおいて、表示システムを、運転者によってアクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムとする。これにより、運転者は、アクセル対応関係をより詳細に変更することができるから、アクセル対応関係の変更の自由度をより高くすることができ、運転者の嗜好性により対応することができる。
【0009】
こうした本発明の自動車において、前記表示システムは、アクセル操作量の複数の領域の各領域毎に、前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、ものとすることもできる。こうすれば、全てのアクセル操作量に対してアクセル対応関係を一律に又は所定の規則性で変更可能に表示システムを形成するものに比して、運転者は、アクセル対応関係をより自由に変更することができる。この態様の本発明の自動車において、前記表示システムは、アクセル操作量の複数の領域の各領域毎に、前記アクセル対応関係を変更可能な範囲を定める許容値が設定されてなるシステムである、ものとすることもできる。
【0010】
また、本発明の自動車において、前記表示システムは、前記表示部にタッチパネルが取り付けられてなり、運転者による前記タッチパネルの操作によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、ものとすることもできる。
【0011】
本発明の車載用表示システムは、
アクセル操作量と走行用トルクまたは走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行する自動車に搭載され、前記アクセル対応関係を表示可能な表示部を備える車載用表示システムであって、
運転者によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなる、
ことを特徴とする。
【0012】
この本発明の車載用表示システムでは、アクセル操作量と走行用トルクまたは走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行する自動車に搭載され、アクセル対応関係を表示可能な表示部を備えるものにおいて、運転者によってアクセル対応関係を変更可能に構成する。これにより、運転者は、アクセル対応関係をより詳細に変更することができるから、アクセル対応関係の変更の自由度をより高くすることができ、運転者の嗜好性により対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例のHVECU70により実行されるアクセルトルク対応関係更新ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】表示部92に表示される更新用画面の一例を示す説明図である。
【図4】棒グラフの高さを変更したときの様子を示す説明図である。
【図5】アクセルトルク対応関係を更新したときの様子を示す説明図である。
【図6】運転者のディスプレイ装置90の操作に応じてアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す説明図である。
【図7】運転者によってディスプレイ装置90が操作されてアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す説明図である。
【図8】運転者によってディスプレイ装置90が操作されてアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す説明図である。
【図9】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図10】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図11】変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【図12】変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、各種情報を表示すると共に運転者が操作可能なディスプレイ装置90と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
【0016】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
【0017】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0018】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
【0019】
ディスプレイ装置90は、文字や画像などの各種情報を表示する矩形状の表示部92と、表示部92の下方に設けられて運転者が押下可能なボタン93と、表示部92に取り付けられて運転者が操作可能なタッチパネル94と、を備える。
【0020】
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74やデータを一時的に記憶するRAM76,不揮発性のフラッシュメモリ78,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,ディスプレイ装置90からの操作信号などが入力ポートを介して入力されている。HVECU70からは、ディスプレイ装置90への表示信号や、音声を出力するスピーカ96への音声信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0021】
ここで、実施例の表示システムとしては、主として、ディスプレイ装置90とHVECU70とが該当する。
【0022】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0023】
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*との関係としてのアクセルトルク対応関係にアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accを適用して駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算すると共に計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。ここで、要求パワーPe*は、エンジン22から出力可能な最大パワーPemax(例えば、数十kW〜100kW程度など)以下で設定される。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このエンジン運転モードでは、エンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を運転停止した方がよい要求パワーPe*の範囲の上限として定められた停止用閾値Pstop以下に至ったときなどに、エンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する。
【0024】
モータ運転モードでは、HVECU70は、アクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を運転停止した状態でバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このモータ運転モードでは、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて得られる走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じて得られるエンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を始動した方がよい要求パワーPe*の範囲の下限として定められた始動用閾値Pstart以上に至ったときなどに、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。
【0025】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、アクセルトルク対応関係を更新(変更)する際の動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行されるアクセルトルク対応関係更新ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、運転者によってディスプレイ装置90(ボタン93やタッチパネル94)が操作されて、アクセルトルク対応関係を更新(変更)するための更新用画面を表示部92に表示するよう表示指示がなされたときに実行される。なお、アクセルトルク対応関係は、実施例では、フラッシュメモリ78に記憶されているものとした。
【0026】
アクセル対応トルク更新ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、更新用画面を表示部92に表示する(ステップS100)。図3は、表示部92に表示される更新用画面の一例を示す説明図である。実施例では、更新用画面として、図示するように、複数の棒グラフと、現在のアクセルトルク対応関係(図中、右上がりの太実線参照)と、を表示するものとした。複数の棒グラフは、実施例(図3の例)では、アクセル開度Accの10%毎のアクセル開度Accと要求トルクTr*との関係を表示するものとしたが、5%毎や20%,25%毎などのアクセル開度Accと要求トルクTr*との関係を表示するものとしたり、低開度,中開度,高開度などの複数段階のそれぞれのアクセル開度Accと要求トルクTr*との関係を表示するものとしたりしてもよい。また、アクセルトルク対応関係は、詳細は後述するが、全体として滑らかとなるよう各棒グラフの頂上部の中心を結んだ線形または非線形のライン(要求トルクTr*の設定に用いるライン)であり、図3に示すように、アクセル開度Accが大きいほど各棒グラフの高さ(要求トルクTr*)が比例傾向で大きくなるデフォルト時には線形のラインとなる。さらに、この更新用画面では、運転者がディスプレイ装置90(ボタン93やタッチパネル94)の操作によって各アクセル開度Accにおける棒グラフの高さを変更できるようになっている。なお、以下の説明では、アクセル開度Accが100%のときの要求トルクTr*を最大トルクTrmaxと称し、そのときの棒グラフの高さを最大高さと称することがある。
【0027】
続いて、ディスプレイ装置90が操作されたか否かを判定し(ステップS110)、ディスプレイ装置90が操作されていないと判定されたときには、操作されるのを待つ。そして、ディスプレイ装置90が操作されたときには、その操作内容を確認する(ステップS120)。ここで、ディスプレイ装置90の操作内容としては、実施例では、棒グラフの操作(高さの変更),更新用画面の表示終了の指示(いずれも図3参照)を考えるものとした。
【0028】
ディスプレイ装置90の操作内容が棒グラフの操作(高さの変更)のときには、その操作内容を更新用画面の表示内容(棒グラフの高さ)に反映する(ステップS130)。図4は、棒グラフの高さを変更したときの様子を示す説明図である。図4の例では、アクセル開度Accが80%の棒グラフの高さが変更されたときの様子を示した。このようにして、運転者は、それぞれの棒グラフの高さを変更することができる。なお、この時点では、未だアクセルトルク対応関係(図4中太実線参照)は変更されていない。
【0029】
続いて、運転者の操作に応じて変更した棒グラフの高さ(要求トルクTr*)が制約条件を満たすか否かを判定する(ステップS140,S150)。ここで、制約条件は、車両として不適切な挙動をさせないようにするための条件であり、例えば、アクセル開度Accが低開度のときの車両の飛び出し感を抑制するためにアクセル開度Accが所定開度Aref1(例えば5%や10%,15%など)以下の範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr1(例えば、最大トルクTrmaxの10%や15%,20%など)に相当する高さ以下とする条件や、アクセル開度Accが中開度のときの車両の飛び出し感を抑制するためにアクセル開度Accが所定開度Aref1より大きく所定開度Aref2(例えば45%や50%,55%など)以下の範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr2(例えば最大トルクTrmaxの65%や70%,75%など)に相当する高さ以下とする条件,アクセル開度Accが高開度のときの走行を確保するためにアクセル開度Accが所定開度Aref3(例えば90%や95%など)以上の範囲では棒グラフの高さ(アクセルトルク対応関係)を変更させない条件,アクセル開度Accが低開度のときの走行を確保するためにアクセル開度Accが所定開度Aref4(例えば、5%や10%,15%など)以下で0%より大きい範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr3(例えば3%や5%,7%など)に相当する高さ以上とする条件,単調増加とする(アクセル開度Accが大きいほど棒グラフの高さが大きくなる傾向とする)条件などの少なくとも一部を用いることができる。
【0030】
ステップS140,S150で運転者の操作に応じて変更した棒グラフの高さが制約条件を満たすと判定されたときには、その変更を踏まえてアクセルトルク対応関係を更新してフラッシュメモリ78に記憶させると共にその更新内容を更新用画面の表示内容(ライン)に反映して(ステップS180)、ステップS110に戻る。図5は、アクセルトルク対応関係を更新したときの様子を示す説明図である。実施例では、図5に示すように、全体として滑らかとなるよう各棒グラフの頂上部の中心を結ぶことによってアクセルトルク対応関係を更新するものとした。これにより、アクセル開度Accの変化に対して要求トルクTr*が急変する(ショックが生じる)のを抑制することができる。このように、アクセルトルク対応関係を更新すると、その後の走行時には、更新後のアクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、エンジン運転モードやモータ運転モードで、要求トルクTr*がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して走行する。実施例では、このように運転者の操作に応じて変更した棒グラフの高さを踏まえてアクセルトルク対応関係を更新するから、運転モード(パワーモードやエコモードなど)に応じたアクセル対応トルク関係を用いるものに比してアクセル対応関係を変更する自由度をより高くすることができ、運転者の嗜好性により対応することができる。
【0031】
ステップS140,S150で運転者の操作に応じて変更した棒グラフの高さが制約条件を満たさないと判定されたときには、制約条件を満たすように棒グラフの高さを補正すると共にその補正内容を更新用画面の表示内容(棒グラフの高さ)に反映し(ステップS160)、棒グラフの高さを補正した旨を示す情報を表示部92(更新用画面に比して前面など)に表示したりスピーカ96から音声出力したりして運転者に報知し(ステップS170)、補正後の棒グラフの高さに応じてアクセルトルク対応関係を更新してフラッシュメモリ78に記憶させると共にその更新内容を更新用画面の表示内容(ライン)に反映して(ステップS180)、ステップS110に戻る。
【0032】
ここで、ステップS160の処理は、例えば、運転者のディスプレイ装置90の操作によってアクセル開度Accが上述の所定開度Aref1より大きく所定開度Aref2以下の範囲の棒グラフの高さが最大高さ(最大トルクTrmaxに相当する高さ)まで引き上げられたときにその高さを所定トルクTr2に相当する高さに制限したり、アクセル開度Accが所定開度Aref3以上の範囲の棒グラフの高さが変更されたときにその変更を解除したり(変更前に戻したり)、アクセル開度Accが所定開度A1の棒グラフの高さがアクセル開度Accが所定開度A2(>A1)の棒グラフの高さより高くされたときに所定開度A2の棒グラフの高さに制限したりする処理である。
【0033】
このように、運転者のディスプレイ装置90の操作によって棒グラフの高さが制約条件を超えて変更されたときには、制約条件を満たすように棒グラフの高さを補正すると共にその補正内容を踏まえてアクセルトルク対応関係を更新するから、車両として不適切な挙動をさせずに運転者の嗜好性により対応することができる。
【0034】
ステップS110〜S180の処理を繰り返し実行している最中にディスプレイ装置90が操作されて更新用画面の表示終了が指示されると(ステップS110,S120)、更新用画面の表示を終了して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
【0035】
図6は、運転者のディスプレイ装置90の操作に応じてアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す説明図である。実施例では、運転者は、複数の棒グラフの高さをそれぞれ変更することができるから、アクセル開度Accの複数の領域の各領域毎(図の例では10%毎)に運転者の操作に応じてアクセルトルク対応関係を更新することができる。この結果、運転者の嗜好性に対する対応性能をより向上させることができる。なお、アクセル開度Accの複数の領域は10%毎の各領域に限られず、5%毎や20%毎,25%などの各領域としたり、低開度や中開度,高開度などの各領域としたりしてもよい。
【0036】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン運転モードや走行運転モードで、アクセル開度Accと要求トルクTr*との対応関係としてのアクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して得られる要求トルクTr*がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものにおいて、運転者がディスプレイ装置90(ボタン93やタッチパネル94)を操作することによってアクセルトルク対応関係を変更可能なものとするから、アクセル対応関係の変更の自由度をより高くすることができ、運転者の嗜好性により対応することができる。この結果、運転者は、ディスプレイ装置90を操作することによって気分や道路状況などに応じてアクセルトルク対応関係を変更することができ、アクセルトルク対応関係の変更と試運転とを繰り返しながら運転者の好みにより合わせたアクセルトルク対応関係とすることができる。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accの複数の領域の各領域毎の制約条件(例えば、アクセル開度Accが所定開度Aref1以下の範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr1に相当する高さ以下とする条件や、アクセル開度Accが所定開度Aref1より大きく所定開度Aref2以下の範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr2に相当する高さ以下とする条件,アクセル開度Accが所定開度Aref3以上の範囲では棒グラフの高さ(アクセルトルク対応関係)を変更させない条件,アクセル開度Accが所定開度Aref4以下で0%より大きい範囲では棒グラフの高さを所定トルクTr3に相当する高さ以上とする条件など)と、アクセル開度Accの全領域に対する制約条件(例えば、単調増加とする(アクセル開度Accが大きいほど棒グラフの高さが大きくなる傾向とする)条件など)とを用いるものとしたが、アクセル開度Accの複数の領域の各領域毎の制約条件を用いずにアクセル開度Accの全領域に対する制約条件だけを用いるものとしてもよい。
【0038】
実施例のハイブリッド自動車20では、運転者がディスプレイ装置90を操作によって複数の棒グラフのそれぞれの高さを変更できるようにすると共にその変更を踏まえてアクセルトルク対応関係を更新する、即ち、運転者が間接的にアクセルトルク対応関係を変更できるようにするものとしたが、運転者が直接的にアクセルトルク対応関係を変更できるようにするものとしてもよい。図7および図8は、運転者によってディスプレイ装置90が操作されてアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す説明図である。図7では、デフォルトのアクセルトルク対応関係(点線参照)に対して全体的に高トルク側となるようアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示し、図8では、デフォルトのアクセルトルク対応関係に対して部分的(中開度〜高開度)に低トルク側となるようアクセルトルク対応関係を変更したときの様子を示す。この場合でも、実施例と同様に、運転者の嗜好性により対応することができる。なお、デフォルトのアクセルトルク対応関係については、更新用画面に表示するものとしてもよいし、表示しないものとしてもよい。また、この場合、実施例と同様の制約条件を用いるものとしてもよい。
【0039】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accの複数の領域の各領域毎にアクセルトルク対応関係を変更可能なもの、例えば、図6に示したように、アクセル開度Accの第1の領域(70%〜90%)についてはデフォルトのアクセルトルク対応関係(図3参照)に対して高トルク側で第2の領域(30%〜60%)についてはデフォルトのアクセルトルク対応関係に対して低トルク側に変更可能なものとしたが、全体としてのみアクセル対応トルク対応関係を変更可能なもの、例えば、デフォルトのアクセルトルク対応関係(図3参照)に対して全体的に高トルク側または低トルク側に変更可能なものとしてもよい。この場合でも、運転者の操作(変更の程度)に応じてアクセルトルク対応関係を変更するから、運転モード(パワーモードやエコモードなど)に応じたアクセルトルク対応関係を用いるものに比して運転者の嗜好性により対応することができる。
【0040】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセルトルク対応関係は、実施例では、アクセル開度Accと要求トルクTr*との関係としたが、アクセル開度Accに対する要求トルクTr*の傾向を定めるものであればよく、例えば、アクセル開度Accと要求トルクTr*の最大トルクTrmaxに対する割合との関係などとしてもよい。アクセル開度Accと要求トルクTr*の最大トルクTrmaxに対する割合との関係をアクセルトルク対応関係とする場合、要求トルクTr*の設定は、アクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して得られる値に最大トルクTrmaxを乗じることによって行なうことができる。なお、最大トルクTrmaxは、車速Vに応じた値(車速Vが高いほど小さくなる傾向の値)を用いるものとしてもよいし、固定値を用いるものとしてもよい。
【0041】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して要求トルクTr*を設定すると共にその要求トルクTr*に基づいてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしたが、アクセルトルク対応関係にアクセル開度Accを適用して得られる値(要求トルクTr*)を車速Vに応じて補正すると共に補正後の要求トルクTr*に基づいてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしてもよい。
【0042】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accと要求トルクTr*との対応関係としてのアクセルトルク対応関係を運転者が変更可能なものとしたが、アクセル開度Accと走行用パワーPdrv*との対応関係や、アクセル開度Accと走行用パワーPdrv*の最大パワーPdrvmaxに対する割合などを運転者が変更可能なものとしてもよい。ここで、最大パワーPdrvmaxは、車速Vに応じた値(車速Vが高いほど大きくなる傾向の値)を用いるものとすればよい。
【0043】
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accに基づいて要求トルクTr*を設定するものにおいて、アクセル開度Accと要求トルクTr*との対応関係としてのアクセルトルク対応関係を運転者が変更可能なものとしたが、アクセル開度Accに基づいて要求トルクTr*を設定するのに代えて、アクセル開度Accに基づいて制御用アクセル開度Acc*を設定すると共に設定した制御用アクセル開度Acc*に基づいて要求トルクTr*を設定する場合、アクセル開度Accと制御用アクセル開度Acc*との対応関係を運転者が変更可能なものとしてもよい。
【0044】
実施例のハイブリッド自動車20では、表示部92とボタン93とタッチパネル94とを備えるディスプレイ装置90を用いるものとしたが、ボタン93またはタッチパネル94を備えないディスプレイ装置90を用いるものとしてもよい。
【0045】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪39a,39bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0046】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
【0047】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図12の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力を変速機430を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪38a,38bが接続された車軸とは異なる車軸(図12における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
【0048】
実施例では、本発明をエンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するハイブリッド自動車20に適用するものとしたが、エンジンを備えずにモータからの動力だけを用いて走行する単純な電気自動車に適用するものとしてもよいし、走行用の動力を出力するモータを備えずにエンジンからの動力だけを用いて走行する自動車に適用するものとしてもよい。
【0049】
実施例では、本発明をハイブリッド自動車20に適用するものとしたが、自動車に搭載される車載用表示システムの形態としてもよい。
【0050】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、表示部92とボタン93とタッチパネル94とを備えるディスプレイ装置90と、図2のアクセルトルク対応関係更新ルーチンを実行するHVECU70と、を組み合わせたものが「表示システム」に相当する。
【0051】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0052】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
20,120,220,320,420 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 フラッシュメモリ、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ディスプレイ装置、92 表示部、93 ボタン、94 タッチパネル、96 スピーカ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機、MG,MG1,MG2 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセル操作量と走行用トルクまたは走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係を表示可能な表示部を備える表示システムを備え、前記アクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行する自動車であって、
前記表示システムは、運転者によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、
ことを特徴とする自動車。
【請求項2】
請求項1記載の自動車であって、
前記表示システムは、アクセル操作量の複数の領域の各領域毎に、前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、
自動車。
【請求項3】
請求項2記載の自動車であって、
前記表示システムは、アクセル操作量の複数の領域の各領域毎に、前記アクセル対応関係を変更可能な範囲を定める許容値が設定されてなるシステムである、
自動車。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
前記表示システムは、前記表示部にタッチパネルが取り付けられてなり、運転者による前記タッチパネルの操作によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなるシステムである、
自動車。
【請求項5】
アクセル操作量と走行用トルクまたは走行用パワーとの対応関係であるアクセル対応関係にアクセル操作量を適用して得られる走行用トルクまたは走行用パワーによって走行する自動車に搭載され、前記アクセル対応関係を表示可能な表示部を備える車載用表示システムであって、
運転者によって前記アクセル対応関係を変更可能に構成されてなる、
ことを特徴とする車載用表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−95149(P2013−95149A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236411(P2011−236411)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】