自動車のルーフ補強構造
【課題】 車両側面衝突時に、ルーフサイドレールの内側への侵入が低減されると共に、センターフレームが下方に撓んで変形しないようにした、ルーフ補強構造を提供する。
【解決手段】 ルーフ開口部の後側の位置で車幅方向に延びるセンターフレーム11と、センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレール12とを連結する第1ブラケット14と、センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレール13とを連結する第2ブラケット15とを備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が第1ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が第2ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲している。
【解決手段】 ルーフ開口部の後側の位置で車幅方向に延びるセンターフレーム11と、センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレール12とを連結する第1ブラケット14と、センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレール13とを連結する第2ブラケット15とを備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が第1ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が第2ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のルーフ補強構造に係り、特にサンルーフの補強にも好適に利用できるルーフ補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のルーフは補強して構成されており、例えば、図7に示すルーフ補強構造1は、ルーフ前端,ルーフ中央付近及びルーフ後端の位置で車幅方向に延びるルーフパネルリインフォースメント2,3,4を備えており、各ルーフパネルリインフォースメント2,3,4の端部は左右のルーフサイドレール(図示省略)に連結している。
このような構成により、例えば図7にて矢印で示すように左方から荷重が加えられたとき、これらの荷重が左方のルーフサイドレールからそれぞれ各ルーフパネルリインフォースメント2,3,4を介して右方のルーフサイドレールに伝達され、分散されることにより、ルーフサイドレール及びルーフの変形が抑制されるようになっている。
【0003】
このような一般のルーフのほかに、近年ではサンルーフを採用した自動車が広く普及している。この種のサンルーフは、例えば、ルーフに形成したルーフ開口部にサンルーフガラスなどの透光板を取り付けて構成されている。また、サンルーフとしては、サンルーフガラスが開閉式のものもあり、例えば、サンルーフガラスがスライドしてルーフ開口部が開き、外気を室内に取り込めるようにしたものも知られている。
【0004】
このようなサンルーフ構造においては、サンルーフガラス5cと、サンルーフガラス5cを支持するフレーム5a,5bとがユニット化されて、ルーフに組み付けられている。図8に示すサンルーフでは、サンルーフユニット5がルーフの前後方向中間辺りに配設されている。
【0005】
このように、ルーフの中央にサンルーフユニット5が配設される場合には、前述したルーフパネルリインフォースメント2,3,4のうち、ルーフのセンターを横切るルーフパネルリインフォースメント3を設けることができない。
【0006】
このため、図8に示すサンルーフの補強構造7においては、上記ルーフパネルリインフォースメント3の代わりに、サンルーフユニット5の左右のフレーム5a,5bを前後方向中央付近で横方向に互いに連結するセンターフレーム6をサンルーフユニット5内に設けて、側面衝突時にセンターフレーム6に荷重を受けさせている。
【0007】
このセンターフレーム6は、例えば図9に示すように構成されており、横方向にほぼ水平に延びていると共に、両端にてそれぞれブラケット8を介して左右の各ルーフサイドレール9に連結されている。
【0008】
ここで、上記センターフレーム6は鋼材により板状に形成されており、さらに、図10及び図11に示すように、両端部6aが斜め上方に延びてブラケット8の端部に連結されている。また、上記ブラケット8はセンターフレーム6と同様に鋼製であって、横方向にほぼ水平に延びており、内端がセンターフレーム6の端部6aに連結されていると共に、外端がルーフサイドレール9のレールインナー9aに連結されている。
【0009】
このような構成により、例えば図8にて矢印で示すように左方から荷重が加えられたとき、これらの荷重が左方のルーフサイドレール9からそれぞれ前端及び後端のルーフパネルリインフォースメント2,4及びセンターフレーム6を介して右方のルーフサイドレール9に伝達されるようになっている。
【0010】
これに対して、特許文献1には、車両側面衝突時におけるルーフサイドレールの車室内側へのねじりをルーフボウ(センターフレーム)へ伝達しないようにした車体骨格部材の結合部構造が開示されている。
【特許文献1】特開平10−100936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述した自動車のルーフ補強構造7においては、センターフレーム6が横方向にほぼ水平に延びていると共に、その両端部6aが斜め上方に曲がって延びている。このため、車両側面衝突時に、荷重が図10にて矢印Aで示すように右方のルーフサイドレール9に作用すると、センターフレーム6の端部6aに斜め上方外側に向かう反作用力が作用する。従って、例えば車両側面衝突時から28ms経過後には、図12に示すように、ブラケット8の内端が上方へ押し上げられ、さらに上記荷重が作用すると、例えば車両側面衝突時から60ms経過後には、図13に示すように、右方のルーフサイドレール9が比較的大きく内側に侵入すると共に、センターフレーム6の左端側が下方に大きく撓んで変形してしまうことがある。
【0012】
本発明は、以上の点にかんがみ、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールの内側への侵入が低減されると共に、車幅方向に配設したフレームが下方に撓んで変形しないようにした、自動車のルーフ補強構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の自動車のルーフ補強構造は、ルーフの車幅方向に延びたフレームとこのフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、フレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が第1ブラケットとフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が第2ブラケットとフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、ルーフの車幅方向に延びたフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする。
また、本発明は、ルーフ開口部に透光部材を取り付けたサンルーフの補強構造において、ルーフ開口部の後側又は前側の位置で車幅方向に延びたセンターフレームと、センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が、第1ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が、第2ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴としている。
【0014】
本発明による自動車のルーフ補強構造は、好ましくは、上記ブラケットがそれぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えている。
【0015】
本発明による自動車のルーフ補強構造は、好ましくは、上記ブラケットが、それぞれ横方向に延びるビード部を備えている。また、透光部材が、ルーフ開口部を閉じる位置からスライド移動できるように、車両前後方向に延びる左右のフレームに摺動可能に支持されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記構成によれば、上記ブラケットが、内端の、車幅方向に設けられたフレーム又はサンルーフの場合はセンターフレームに対する連結高さより低い位置でルーフサイドレールに対して連結されているので、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールから内側に向かって荷重が加えられると、この荷重が、ブラケットからセンターフレームを介して、さらにブラケットを介して反対側のルーフサイドレールに伝達されることになり、ルーフサイドレールに加えられる荷重が軽減されるので、このルーフサイドレールの車室内側への変形が抑制される。
【0017】
その際、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していると共に、ブラケットの外端と内端のそれぞれルーフサイドレール及びセンターフレームへの連結高さがずれていることから、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールに対して内側で上方に向かうモーメントが作用したとき、このモーメントがブラケットからセンターフレームに伝達され、センターフレームの中央付近が上方に向かって変形する。これにより、上述したモーメントが軽減され得ることになる。
【0018】
上記ブラケットが、それぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えている場合には、ブラケットが縦壁部により上下方向に剛性を付与されて補強されることになり、ブラケットの外端と内端のそれぞれルーフサイドレール及びセンターフレームへの連結高さがずれていることによる車両側面衝突時に作用するモーメントによって、変形するようなことがない。従って、このモーメントが作用することにより、その内端が確実に上方に押し上げられ、前述したセンターフレームの変形を促進する。
【0019】
上記ブラケットが、それぞれ横方向、即ち車幅方向に延びるビード部を備えている場合には、ブラケットが横方向に関して剛性を付与されて補強されることになり、車両側面衝突時に作用する荷重によって座屈してしまうようなことがなく、この荷重が確実にセンターフレーム、そして反対側のルーフサイドレールに伝達されることができる。
【0020】
このようにして、本発明によれば、車両側面衝突時にルーフサイドレールから内側に向かって荷重が作用したとき、ルーフサイドレールの内側への変形が抑制されると共に、車幅方向に配設したフレームが上方に向かって凸状に湾曲され、上方への変形が促進されることにより、このフレームが下方に向かって湾曲して、車室内に突出するようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図3は本発明の実施形態に係る自動車のルーフ補強構造10を示す図であり、ルーフ補強構造10を備えたルーフは、図8に示す従来のルーフと同様に、サンルーフとして構成されている。即ち、本発明の実施形態に係るルーフは、図8に示すルーフと同様に、ルーフ中央にサンルーフユニット5を配設している。このサンルーフユニット5は、図8に示すように、サンルーフガラス等の透光部材5cと、透光部材5cをスライド可能に支持する左右のフレーム5a,5bと、から構成されている。また、本発明の実施形態に係るルーフにおいては、透光部材5cがルーフ前端寄りに形成したルーフ開口部を閉塞する位置から後方にスライド移動してルーフ開口部が開くようになっている。
このようなサンルーフを補強するために、本発明の実施形態に係るルーフ補強構造10は、センターフレーム11と、このセンターフレーム11の両端をそれぞれ左右のルーフサイドレール12,13に連結するブラケット14,15と、を備えている。
【0022】
センターフレーム11は、例えば鋼材により細長い板状に形成され、ルーフの中央付近で車幅方向に延びるように配設されており、センターフレーム11の一端が右側のルーフサイドレール12付近まで延び、他端が左側のルーフサイドレール13付近まで延びている。なお、センターフレーム11は、例えば、図8に示すセンターフレーム6と同様に、サンルーフユニット5内に備えられていて、サンルーフユニット5の左右のフレーム5a,5bを前後方向中央付近で横方向に互いに連結している。
さらに、本発明の実施形態に係るセンターフレーム11は、横方向に関して中央付近が上方に向かって凸状に湾曲して、アーチ状に形成されている。なお、本発明の別の態様における、サンルーフ仕様ではない通常のルーフ構造にあって車幅方向に設けたフレームについても、中央付近が上方に向かって凸状に湾曲してアーチ状に形成されていることは、上記サンルーフにおけるセンターフレーム11の場合と同様である。
【0023】
ブラケット14,15は、互いに同じ構成であって、例えば鋼製であり、図10及び図11に示した従来の板状のブラケット8と比較するとブロック状に形成されていて、図2及び図3に示すように、ブラケット14,15は上下方向に延びる縦壁部14a,15aを備えていると共に、横方向に延びるビード部14b,15bを備えている。
これにより、各ブラケット14,15は、それぞれ上下方向及び横方向に剛性を付与され、補強されている。
【0024】
さらに、ブラケット14,15の内端は、ほぼ垂直な端面14c,15cとして形成されており、端面14c,15cにセンターフレーム11の両端が当接するように連結されている。具体的には、センターフレーム11は両端に段部11a,11bを備えており、これらの段部11a,11bが、対応するブラケット14,15の端部に載置されて、スポット溶接などにより固定されている。
【0025】
また、図2に示すように、ブラケット14,15の外端は、内端のセンターフレーム11との連結位置aよりも低い位置bで、ルーフサイドレール12,13のレールインナー12a,13aに連結されている。即ち、ブラケット14,15とレールインナー12a,13aとの連結位置bは、車幅方向に延びるセンターフレーム11の高さ位置よりも低く設定されている。
これにより、車両側面衝突時に、図4に示すように、一方のルーフサイドレール12に対して荷重が作用すると、横方向の力Fがセンターフレーム11を介して他方のルーフサイドレール13に伝達されると共に、内側で上方に向かうモーメントMによって、ブラケット14の内端が上方へ押し上げられ、センターフレーム11の上方への湾曲を促進することになる。
【0026】
なお、本発明の実施形態に係るサンルーフは、図8に示すサンルーフと同様にルーフ前端,ルーフ後端の位置で車幅方向に延びるルーフパネルリインフォースメント2,4を備えており、各ルーフパネルリインフォースメント2,4の端部が左右のルーフサイドレール12,13に連結している。
【0027】
本発明実施形態による自動車のサンルーフ補強構造10は、以上のように構成されており、車両側面衝突時に、荷重が図2にて矢印Bで示すように、右方のルーフサイドレール12に作用すると、この荷重がこのルーフサイドレール12から右方のブラケット14を介してセンターフレーム11に伝達され、さらに左方のブラケット15を介して左方のルーフサイドレール13に伝達される。これにより、右方のルーフサイドレール12に加えられた荷重が軽減されることになり、右方のルーフサイドレール12の車室内側への変形が抑制される。
【0028】
また、センターフレーム11がアーチ状に湾曲して形成されていることによって、右方のルーフサイドレール12からブラケット14を介してセンターフレーム11に対して荷重が伝達されたとき、センターフレーム11は、その中央付近が上方に向かって変形しようとする。
【0029】
ここで、ブラケット14の外端と内端のそれぞれルーフサイドレール12及びセンターフレーム11への連結高さがずれていることにより、ブラケット14に対して内側で上方に向かうモーメントMが作用することになり、このモーメントMがブラケット14からセンターフレーム11に伝達される。これにより、センターフレーム11の中央付近における上方に向かう変形が促進されることになる。
【0030】
従って、車両側面衝突時に、荷重が図2にて矢印Bで示すように、右方のルーフサイドレール12に作用すると、この荷重がセンターフレーム11を介して左方のルーフサイドレール13に伝達されると共に、例えば車両側面衝突時から28ms経過後には、図5に示すように、センターフレーム11の中央付近を上方に向かって変形させる。これにより、右方のルーフサイドレール12の車室内側(左方)への変形が低減されると共に、センターフレーム11の下方への変形が抑制されることになる。
【0031】
そして、さらに上記荷重が作用すると、例えば車両側面衝突時から60ms経過後には、図6に示すように、この荷重によってさらにセンターフレーム11が上方に向かって大きく変形して荷重を吸収することになる。この場合、センターフレーム11が荷重によって上方に向かって変形することになるので、センターフレーム11の下方への変形が抑制され得ることになる。
【0032】
以上説明したが、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施できる。例えば、上述の説明では、サンルーフのサンルーフガラスがサンルーフユニット5に備えられて、サンルーフガラス5cが例えば前後にスライドできる場合を前提に説明したが、サンルーフガラスを固定してルーフに取り付けたサンルーフにも、本発明を適用することができるのは勿論である。また、本発明はサンルーフ仕様の補強構造のみならず、サンルーフ無しの通常のルーフの補強構造にも適用できることは勿論であり、これも本発明の範囲内である。
【0033】
なお、上記説明では、図8に示すセンターフレーム6のように、センターフレーム11がルーフ開口部の後側の位置で車幅方向に延びる場合を前提に説明したが、ルーフ開口部自体がルーフの後部寄りに形成される場合には、センターフレーム11はルーフ開口部の前側に設けられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による自動車のルーフ補強構造の一実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のルーフ補強構造における要部の構成を示す部分断面図である。
【図3】図2の要部を示す概略斜視図である。
【図4】図1のルーフ補強構造における荷重伝達作用を示す概略図である。
【図5】図1のルーフ補強構造における車両側面衝突時から28ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図6】図1のルーフ補強構造における車両側面衝突時から60ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図7】従来の通常のルーフ構造の自動車におけるルーフ構造を示す概略平面図である。
【図8】従来のサンルーフの構造を示す概略平面図である。
【図9】従来の自動車のルーフ補強構造の一例の構成を示す概略断面図である。
【図10】図9の自動車のルーフ補強構造における要部の構成を示す部分断面図である。
【図11】図9の要部を示す概略斜視図である。
【図12】図9の自動車のルーフ補強構造における車両側面衝突時から28ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図13】図9の自動車のルーフ補強構造における車両側面衝突時から60ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 自動車のルーフ補強構造
11 センターフレーム
12,13 ルーフサイドレール
14,15 ブラケット
14a,15a 縦壁部
14b,15b ビード部
14c,15c 端面
5 サンルーフユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のルーフ補強構造に係り、特にサンルーフの補強にも好適に利用できるルーフ補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のルーフは補強して構成されており、例えば、図7に示すルーフ補強構造1は、ルーフ前端,ルーフ中央付近及びルーフ後端の位置で車幅方向に延びるルーフパネルリインフォースメント2,3,4を備えており、各ルーフパネルリインフォースメント2,3,4の端部は左右のルーフサイドレール(図示省略)に連結している。
このような構成により、例えば図7にて矢印で示すように左方から荷重が加えられたとき、これらの荷重が左方のルーフサイドレールからそれぞれ各ルーフパネルリインフォースメント2,3,4を介して右方のルーフサイドレールに伝達され、分散されることにより、ルーフサイドレール及びルーフの変形が抑制されるようになっている。
【0003】
このような一般のルーフのほかに、近年ではサンルーフを採用した自動車が広く普及している。この種のサンルーフは、例えば、ルーフに形成したルーフ開口部にサンルーフガラスなどの透光板を取り付けて構成されている。また、サンルーフとしては、サンルーフガラスが開閉式のものもあり、例えば、サンルーフガラスがスライドしてルーフ開口部が開き、外気を室内に取り込めるようにしたものも知られている。
【0004】
このようなサンルーフ構造においては、サンルーフガラス5cと、サンルーフガラス5cを支持するフレーム5a,5bとがユニット化されて、ルーフに組み付けられている。図8に示すサンルーフでは、サンルーフユニット5がルーフの前後方向中間辺りに配設されている。
【0005】
このように、ルーフの中央にサンルーフユニット5が配設される場合には、前述したルーフパネルリインフォースメント2,3,4のうち、ルーフのセンターを横切るルーフパネルリインフォースメント3を設けることができない。
【0006】
このため、図8に示すサンルーフの補強構造7においては、上記ルーフパネルリインフォースメント3の代わりに、サンルーフユニット5の左右のフレーム5a,5bを前後方向中央付近で横方向に互いに連結するセンターフレーム6をサンルーフユニット5内に設けて、側面衝突時にセンターフレーム6に荷重を受けさせている。
【0007】
このセンターフレーム6は、例えば図9に示すように構成されており、横方向にほぼ水平に延びていると共に、両端にてそれぞれブラケット8を介して左右の各ルーフサイドレール9に連結されている。
【0008】
ここで、上記センターフレーム6は鋼材により板状に形成されており、さらに、図10及び図11に示すように、両端部6aが斜め上方に延びてブラケット8の端部に連結されている。また、上記ブラケット8はセンターフレーム6と同様に鋼製であって、横方向にほぼ水平に延びており、内端がセンターフレーム6の端部6aに連結されていると共に、外端がルーフサイドレール9のレールインナー9aに連結されている。
【0009】
このような構成により、例えば図8にて矢印で示すように左方から荷重が加えられたとき、これらの荷重が左方のルーフサイドレール9からそれぞれ前端及び後端のルーフパネルリインフォースメント2,4及びセンターフレーム6を介して右方のルーフサイドレール9に伝達されるようになっている。
【0010】
これに対して、特許文献1には、車両側面衝突時におけるルーフサイドレールの車室内側へのねじりをルーフボウ(センターフレーム)へ伝達しないようにした車体骨格部材の結合部構造が開示されている。
【特許文献1】特開平10−100936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述した自動車のルーフ補強構造7においては、センターフレーム6が横方向にほぼ水平に延びていると共に、その両端部6aが斜め上方に曲がって延びている。このため、車両側面衝突時に、荷重が図10にて矢印Aで示すように右方のルーフサイドレール9に作用すると、センターフレーム6の端部6aに斜め上方外側に向かう反作用力が作用する。従って、例えば車両側面衝突時から28ms経過後には、図12に示すように、ブラケット8の内端が上方へ押し上げられ、さらに上記荷重が作用すると、例えば車両側面衝突時から60ms経過後には、図13に示すように、右方のルーフサイドレール9が比較的大きく内側に侵入すると共に、センターフレーム6の左端側が下方に大きく撓んで変形してしまうことがある。
【0012】
本発明は、以上の点にかんがみ、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールの内側への侵入が低減されると共に、車幅方向に配設したフレームが下方に撓んで変形しないようにした、自動車のルーフ補強構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の自動車のルーフ補強構造は、ルーフの車幅方向に延びたフレームとこのフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、フレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が第1ブラケットとフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が第2ブラケットとフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、ルーフの車幅方向に延びたフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする。
また、本発明は、ルーフ開口部に透光部材を取り付けたサンルーフの補強構造において、ルーフ開口部の後側又は前側の位置で車幅方向に延びたセンターフレームと、センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、第1ブラケットと右側のルーフサイドレールとの連結位置が、第1ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く、第2ブラケットと左側のルーフサイドレールとの連結位置が、第2ブラケットとセンターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴としている。
【0014】
本発明による自動車のルーフ補強構造は、好ましくは、上記ブラケットがそれぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えている。
【0015】
本発明による自動車のルーフ補強構造は、好ましくは、上記ブラケットが、それぞれ横方向に延びるビード部を備えている。また、透光部材が、ルーフ開口部を閉じる位置からスライド移動できるように、車両前後方向に延びる左右のフレームに摺動可能に支持されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記構成によれば、上記ブラケットが、内端の、車幅方向に設けられたフレーム又はサンルーフの場合はセンターフレームに対する連結高さより低い位置でルーフサイドレールに対して連結されているので、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールから内側に向かって荷重が加えられると、この荷重が、ブラケットからセンターフレームを介して、さらにブラケットを介して反対側のルーフサイドレールに伝達されることになり、ルーフサイドレールに加えられる荷重が軽減されるので、このルーフサイドレールの車室内側への変形が抑制される。
【0017】
その際、センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していると共に、ブラケットの外端と内端のそれぞれルーフサイドレール及びセンターフレームへの連結高さがずれていることから、車両側面衝突時に、ルーフサイドレールに対して内側で上方に向かうモーメントが作用したとき、このモーメントがブラケットからセンターフレームに伝達され、センターフレームの中央付近が上方に向かって変形する。これにより、上述したモーメントが軽減され得ることになる。
【0018】
上記ブラケットが、それぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えている場合には、ブラケットが縦壁部により上下方向に剛性を付与されて補強されることになり、ブラケットの外端と内端のそれぞれルーフサイドレール及びセンターフレームへの連結高さがずれていることによる車両側面衝突時に作用するモーメントによって、変形するようなことがない。従って、このモーメントが作用することにより、その内端が確実に上方に押し上げられ、前述したセンターフレームの変形を促進する。
【0019】
上記ブラケットが、それぞれ横方向、即ち車幅方向に延びるビード部を備えている場合には、ブラケットが横方向に関して剛性を付与されて補強されることになり、車両側面衝突時に作用する荷重によって座屈してしまうようなことがなく、この荷重が確実にセンターフレーム、そして反対側のルーフサイドレールに伝達されることができる。
【0020】
このようにして、本発明によれば、車両側面衝突時にルーフサイドレールから内側に向かって荷重が作用したとき、ルーフサイドレールの内側への変形が抑制されると共に、車幅方向に配設したフレームが上方に向かって凸状に湾曲され、上方への変形が促進されることにより、このフレームが下方に向かって湾曲して、車室内に突出するようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図3は本発明の実施形態に係る自動車のルーフ補強構造10を示す図であり、ルーフ補強構造10を備えたルーフは、図8に示す従来のルーフと同様に、サンルーフとして構成されている。即ち、本発明の実施形態に係るルーフは、図8に示すルーフと同様に、ルーフ中央にサンルーフユニット5を配設している。このサンルーフユニット5は、図8に示すように、サンルーフガラス等の透光部材5cと、透光部材5cをスライド可能に支持する左右のフレーム5a,5bと、から構成されている。また、本発明の実施形態に係るルーフにおいては、透光部材5cがルーフ前端寄りに形成したルーフ開口部を閉塞する位置から後方にスライド移動してルーフ開口部が開くようになっている。
このようなサンルーフを補強するために、本発明の実施形態に係るルーフ補強構造10は、センターフレーム11と、このセンターフレーム11の両端をそれぞれ左右のルーフサイドレール12,13に連結するブラケット14,15と、を備えている。
【0022】
センターフレーム11は、例えば鋼材により細長い板状に形成され、ルーフの中央付近で車幅方向に延びるように配設されており、センターフレーム11の一端が右側のルーフサイドレール12付近まで延び、他端が左側のルーフサイドレール13付近まで延びている。なお、センターフレーム11は、例えば、図8に示すセンターフレーム6と同様に、サンルーフユニット5内に備えられていて、サンルーフユニット5の左右のフレーム5a,5bを前後方向中央付近で横方向に互いに連結している。
さらに、本発明の実施形態に係るセンターフレーム11は、横方向に関して中央付近が上方に向かって凸状に湾曲して、アーチ状に形成されている。なお、本発明の別の態様における、サンルーフ仕様ではない通常のルーフ構造にあって車幅方向に設けたフレームについても、中央付近が上方に向かって凸状に湾曲してアーチ状に形成されていることは、上記サンルーフにおけるセンターフレーム11の場合と同様である。
【0023】
ブラケット14,15は、互いに同じ構成であって、例えば鋼製であり、図10及び図11に示した従来の板状のブラケット8と比較するとブロック状に形成されていて、図2及び図3に示すように、ブラケット14,15は上下方向に延びる縦壁部14a,15aを備えていると共に、横方向に延びるビード部14b,15bを備えている。
これにより、各ブラケット14,15は、それぞれ上下方向及び横方向に剛性を付与され、補強されている。
【0024】
さらに、ブラケット14,15の内端は、ほぼ垂直な端面14c,15cとして形成されており、端面14c,15cにセンターフレーム11の両端が当接するように連結されている。具体的には、センターフレーム11は両端に段部11a,11bを備えており、これらの段部11a,11bが、対応するブラケット14,15の端部に載置されて、スポット溶接などにより固定されている。
【0025】
また、図2に示すように、ブラケット14,15の外端は、内端のセンターフレーム11との連結位置aよりも低い位置bで、ルーフサイドレール12,13のレールインナー12a,13aに連結されている。即ち、ブラケット14,15とレールインナー12a,13aとの連結位置bは、車幅方向に延びるセンターフレーム11の高さ位置よりも低く設定されている。
これにより、車両側面衝突時に、図4に示すように、一方のルーフサイドレール12に対して荷重が作用すると、横方向の力Fがセンターフレーム11を介して他方のルーフサイドレール13に伝達されると共に、内側で上方に向かうモーメントMによって、ブラケット14の内端が上方へ押し上げられ、センターフレーム11の上方への湾曲を促進することになる。
【0026】
なお、本発明の実施形態に係るサンルーフは、図8に示すサンルーフと同様にルーフ前端,ルーフ後端の位置で車幅方向に延びるルーフパネルリインフォースメント2,4を備えており、各ルーフパネルリインフォースメント2,4の端部が左右のルーフサイドレール12,13に連結している。
【0027】
本発明実施形態による自動車のサンルーフ補強構造10は、以上のように構成されており、車両側面衝突時に、荷重が図2にて矢印Bで示すように、右方のルーフサイドレール12に作用すると、この荷重がこのルーフサイドレール12から右方のブラケット14を介してセンターフレーム11に伝達され、さらに左方のブラケット15を介して左方のルーフサイドレール13に伝達される。これにより、右方のルーフサイドレール12に加えられた荷重が軽減されることになり、右方のルーフサイドレール12の車室内側への変形が抑制される。
【0028】
また、センターフレーム11がアーチ状に湾曲して形成されていることによって、右方のルーフサイドレール12からブラケット14を介してセンターフレーム11に対して荷重が伝達されたとき、センターフレーム11は、その中央付近が上方に向かって変形しようとする。
【0029】
ここで、ブラケット14の外端と内端のそれぞれルーフサイドレール12及びセンターフレーム11への連結高さがずれていることにより、ブラケット14に対して内側で上方に向かうモーメントMが作用することになり、このモーメントMがブラケット14からセンターフレーム11に伝達される。これにより、センターフレーム11の中央付近における上方に向かう変形が促進されることになる。
【0030】
従って、車両側面衝突時に、荷重が図2にて矢印Bで示すように、右方のルーフサイドレール12に作用すると、この荷重がセンターフレーム11を介して左方のルーフサイドレール13に伝達されると共に、例えば車両側面衝突時から28ms経過後には、図5に示すように、センターフレーム11の中央付近を上方に向かって変形させる。これにより、右方のルーフサイドレール12の車室内側(左方)への変形が低減されると共に、センターフレーム11の下方への変形が抑制されることになる。
【0031】
そして、さらに上記荷重が作用すると、例えば車両側面衝突時から60ms経過後には、図6に示すように、この荷重によってさらにセンターフレーム11が上方に向かって大きく変形して荷重を吸収することになる。この場合、センターフレーム11が荷重によって上方に向かって変形することになるので、センターフレーム11の下方への変形が抑制され得ることになる。
【0032】
以上説明したが、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施できる。例えば、上述の説明では、サンルーフのサンルーフガラスがサンルーフユニット5に備えられて、サンルーフガラス5cが例えば前後にスライドできる場合を前提に説明したが、サンルーフガラスを固定してルーフに取り付けたサンルーフにも、本発明を適用することができるのは勿論である。また、本発明はサンルーフ仕様の補強構造のみならず、サンルーフ無しの通常のルーフの補強構造にも適用できることは勿論であり、これも本発明の範囲内である。
【0033】
なお、上記説明では、図8に示すセンターフレーム6のように、センターフレーム11がルーフ開口部の後側の位置で車幅方向に延びる場合を前提に説明したが、ルーフ開口部自体がルーフの後部寄りに形成される場合には、センターフレーム11はルーフ開口部の前側に設けられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による自動車のルーフ補強構造の一実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のルーフ補強構造における要部の構成を示す部分断面図である。
【図3】図2の要部を示す概略斜視図である。
【図4】図1のルーフ補強構造における荷重伝達作用を示す概略図である。
【図5】図1のルーフ補強構造における車両側面衝突時から28ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図6】図1のルーフ補強構造における車両側面衝突時から60ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図7】従来の通常のルーフ構造の自動車におけるルーフ構造を示す概略平面図である。
【図8】従来のサンルーフの構造を示す概略平面図である。
【図9】従来の自動車のルーフ補強構造の一例の構成を示す概略断面図である。
【図10】図9の自動車のルーフ補強構造における要部の構成を示す部分断面図である。
【図11】図9の要部を示す概略斜視図である。
【図12】図9の自動車のルーフ補強構造における車両側面衝突時から28ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【図13】図9の自動車のルーフ補強構造における車両側面衝突時から60ms経過後の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 自動車のルーフ補強構造
11 センターフレーム
12,13 ルーフサイドレール
14,15 ブラケット
14a,15a 縦壁部
14b,15b ビード部
14c,15c 端面
5 サンルーフユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフの車幅方向に延びたフレームと、このフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、上記フレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、
上記第1ブラケットと上記右側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第1ブラケットと上記フレームとの連結位置よりも低く、上記第2ブラケットと上記左側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第2ブラケットと上記フレームとの連結位置よりも低く設定されていて、
上記ルーフの車幅方向に延びたフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする、自動車のルーフ補強構造。
【請求項2】
ルーフ開口部に透光部材を取り付けたサンルーフの補強構造であって、
上記ルーフ開口部の後側又は前側の位置で車幅方向に延びたセンターフレームと、上記センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、上記センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、
上記第1ブラケットと上記右側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第1ブラケットと上記センターフレームとの連結位置よりも低く、上記第2ブラケットと上記左側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第2ブラケットと上記センターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、
上記センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする、自動車のルーフ補強構造。
【請求項3】
前記第1ブラケット及び第2ブラケットが、それぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車のルーフ補強構造。
【請求項4】
前記第1ブラケット及び第2ブラケットが、それぞれ横方向に延びるビード部を備えていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の自動車のルーフ補強構造。
【請求項5】
上記透光部材が、上記ルーフ開口部を閉じる位置からスライド移動できるように、車両前後方向に延びる左右のフレームに摺動可能に支持されていることを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の自動車のルーフ補強構造。
【請求項1】
ルーフの車幅方向に延びたフレームと、このフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、上記フレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、
上記第1ブラケットと上記右側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第1ブラケットと上記フレームとの連結位置よりも低く、上記第2ブラケットと上記左側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第2ブラケットと上記フレームとの連結位置よりも低く設定されていて、
上記ルーフの車幅方向に延びたフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする、自動車のルーフ補強構造。
【請求項2】
ルーフ開口部に透光部材を取り付けたサンルーフの補強構造であって、
上記ルーフ開口部の後側又は前側の位置で車幅方向に延びたセンターフレームと、上記センターフレームの右端部と右側のルーフサイドレールとを連結した第1ブラケットと、上記センターフレームの左端部と左側のルーフサイドレールとを連結した第2ブラケットと、を備え、
上記第1ブラケットと上記右側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第1ブラケットと上記センターフレームとの連結位置よりも低く、上記第2ブラケットと上記左側のルーフサイドレールとの連結位置が、該第2ブラケットと上記センターフレームとの連結位置よりも低く設定されていて、
上記センターフレームが上方に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする、自動車のルーフ補強構造。
【請求項3】
前記第1ブラケット及び第2ブラケットが、それぞれ上下方向に延びる縦壁部を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車のルーフ補強構造。
【請求項4】
前記第1ブラケット及び第2ブラケットが、それぞれ横方向に延びるビード部を備えていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の自動車のルーフ補強構造。
【請求項5】
上記透光部材が、上記ルーフ開口部を閉じる位置からスライド移動できるように、車両前後方向に延びる左右のフレームに摺動可能に支持されていることを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の自動車のルーフ補強構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−298021(P2006−298021A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118995(P2005−118995)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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