説明

自動車シート

本発明は、使用位置にある際、シート占有者の背中に対する支持体を提供する背凭れと、前記背凭れの前方に前記クッション詰め物キャリヤーを折り込む折り込み機構に加えて、使用位置の際、シート占有者に対するシート面を規定しているシートのクッション詰め物に対して旋回自在に取り付けられたクッション詰め物キャリヤーと、備える自動車シートに関し、前記クッション詰め物キャリヤーが、前記背凭れが前記使用位置にある際、該背凭れに沿って略延在するように為す。本発明に従えば、前記折り込み機構(1,2)はレバー対(1)を備え、それら両レバー(11,12)が膝継手(10)で相互に枢着されて、その膝継手(10)で鋭角(A)を形成し、そして、その鋭角(A)が、前記クッション詰め物キャリヤー(T)が前記背凭れ(R)の前方における使用位置から外れて折り込まれる際、鈍角(B)に変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1及び3の特徴部分に従った自動車シートに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの自動車シートは、(一般に垂直方向に対して僅かに後方に傾斜された)その直立使用位置においてシート・ユーザの背中に対する支持体を形成する背凭れであって、もし適切であれば、後方に更に大きく傾斜させられる更なる使用位置に為(旋回)され得る背凭れと、その使用位置において、シート・ユーザに対するシート面を画成する、シート・クッションに対して旋回自在に取り付けられたクッション・キャリヤーと、クッション・キャリヤーがその直立機能位置において背凭れに沿って略延在することになるように、背凭れの前方にクッション・キャリヤーを折り込むための折り込み機構と、を備える。
【0003】
クッション・キャリヤーは、特に、その水平使用位置又は使用位置にあるシート・クッションであり、該クッション・キャリヤー上に配置されたシート・クッションと一緒に、水平方向に対して幾分傾斜させられたシート・クッションであって、シート・ユーザが着座できるシート面を画成するシート・クッションを受け入れる「シート溝(seat trough)」又はシート・シェルであり得る。
【0004】
一般的なタイプの自動車シートのクッション・キャリヤーがシネマ・チェアのように(「シネマ・チェア機能」)直立位置(実質的に垂直)に折り込まれると云う事実によって、付加的な収容空間が自動車シートの前方に作り出され得る。
【0005】
クッション・キャリヤーが、折り込まれた後、その折り込み上方位置に維持されることを確保するために、クッション・キャリヤーをその折り込まれた上方位置にロックによってロックすることを知られている。しかしながらこれは、そのロックのための付加的な構造空間を必要とすると共に、自動車シートの重量の増大に到る。更には、ロックをアンロックすべく必要とされるロック起動は構成の操作利便性を低減する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に本発明は、クッション・キャリヤーがその折り込み上方位置にロックされると云う、始めに述べたタイプの自動車シートを更に改善する問題、特に簡便な手段で確保する問題に基づいている。
【0007】
この問題は、先ず請求項1の特徴を伴う自動車シートの提供によって本発明に従って達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
それに従えば、上方位置に折り込まれ得るクッション・キャリヤーを伴う折り込み機構は一対のレバーを備え、それら2つのレバーは膝継手において関節連結方式で相互に連結されており、そのレバー対の2つのレバーは先ずクッション・キャリヤーの使用位置において各膝継手での鋭角を完全に取り囲み、その鋭角は、クッション・キャリヤーが使用位置から背凭れの前方における実質的な直立位置への折り込まれに際して、鈍角に変換される。
【0009】
180°の(中立)角度位置を超えることによって、即ち、(レバー対の2つのレバーによって束縛された)初期的な鋭角の鈍角への変換によって、レバー対が、それら2つのレバーが鋭角を取り囲み、そしてクッション・キャリヤーがその(実質的に水平方向の)使用位置になった先行する状態へクッション・キャリヤーに作用する重量によって再度元に容易に戻ることが(復帰)できない新しい安定位置を占める。
【0010】
この場合、180°以上の規定値で鈍角が達成されることによってレバー対の2つのレバーの間の最大達成可能(鈍角)角度を限定する手段が好ましくは設けられて、この角度の更なる増大が防止される。例えば、停止部がこれに対しては適合し、クッション・キャリヤーの直立位置への折り込み中にレバー対の内の少なくとも一方の可能性ある移動を限定する。レバー対は、好ましくは、関節で連結されたレバー(関節連結レバー)対として設計され、その内の一方のレバーがクッション・キャリヤーと旋回自在に結合され、且つ、他方のレバーは対応する自動車のフロア・サブアセンブリと旋回自在に結合され得る。この場合、2つのレバーと膝継手との結合点は、クッション・キャリヤーの旋回軸線(その周りにクッション・キャリヤーが折り込まれ得る)に対して配列されて、クッション・キャリヤーの上方への折り込み中に180°の角度を超えると、クッション・キャリヤーに対して作用する重量の作用の下、クッション・キャリヤーの復帰折り込みが不可能となる。逆に、上方に折り込まれたクッション・キャリヤーに対して作用する重量は、レバー対の2つのレバー間の鈍角を更に拡張する傾向があって、その結果、その構成の締結を解放することになる。
【0011】
これは、上方に折り込まれたクッション・キャリヤーに対して作用する力によって使用位置へのクッション・キャリヤーの復帰を防止する。
【0012】
本発明の上述した変形と好適に組み合わせ可能な本発明の別の局面に従えば、即ち、請求項3に従えば、ガイド装置がレバー対の内の一方に設けられ、特にレバー対の膝継手がガイドされるガイド・スロットの形態であるガイド装置がその一方に設けられ、該ガイド装置は、クッション・キャリヤーが使用位置から背凭れの前方へ折り込まれ際に、膝継手が移動する範囲にわたって不連続点を有する。ガイド装置における、特に屈曲部として設計可能なこの不連続点によって、クッション・キャリヤーの使用位置への復帰折り込みが不連続点(屈曲部)で曲げられたガイド装置によって防止されて、上方に折り込まれたクッション・キャリヤーに対して作用する重量によって膝継手による不連続点を超える移動が防止される。
【0013】
本発明の両変形例は、上方に折り込まれたクッション・キャリヤーの重量或は該クッション・キャリヤーに対して作用する加速力に関連してのロッキングが、不連続点を超えて移動することによって、即ち、一方の場合、前方レバー対の2つのレバー間の180°の角度的位置を超えて移動することによって、そして、他方の場合、レバー対の一方のレバー上におけるガイド装置の特に屈曲部によって形成された不連続点を超えて移動することによって、生ずると云う共通の技術的原理に基づく。
【0014】
クッション・キャリヤーの自動車シートの背凭れの前方への上方折り込み中、その旋回移動を限定するため、即ち、この場合、通過される調整距離を限定するため、例えば停止部を、レバー対の内の一方レバーの移動、正確には、自動車のフロア・サブアセンブリと結合されることになるレバー対の内の1つのレバーの移動を限定するように設けることができる。
【0015】
本発明の一実施例に従えば、停止部は自動車のフロア・サブアセンブリ上に設けられることになる。本発明の別の実施例に従えば、停止部は2つのレバーの内の他方のレバー上に設けられて、対応するレバー内に設けられたがガイド装置の特に末端停止部によって形成され、その中で、レバー対の膝継手がガイドされ、末端停止部が好ましくは対応するレバーの曲がった末端区分におけるガイド装置の不連続点(屈曲部)を越えて形成されている。
【0016】
ガイド装置はレバーの対応する対の継手がガイドされ得るガイド手段を一般的に意味するとここでは理解されている。これは、例えば、特に長尺状穴の形態のガイド・スロットであり得るが、ガイド装置は、ガイド・レール、ガイド・ウェブ、U形状断面ガイド等々として設計されることが可能である。
【0017】
クッション・キャリヤーを使用位置に戻すように折り込むべく、例えば、レバー対の一方のレバー上に、正確にはクッション・キャリヤーと連結された特に(上方)レバー上に起動ループ或は起動ハンドルの形態で起動要素を設けることが可能である。
【0018】
対応車両シートの背凭れの前方に実質的に延在するようにクッション・キャリヤーをその直立位置に保持するために、弾性手段がレバーの内の少なくとも一方に対して作用するように、そして、クッション・キャリヤーのリセット移動と対抗するように設けられる。
【0019】
クッション・キャリヤーが直立位置に向かって上方に折り込まれると、2つのレバーによって束縛される初期的な鋭角が鈍角に変換されると云う事実がここでは使用される。これは弾性手段のそうした構成及び設計を可能として、後者が2つのレバーの鈍角から鋭角へのリセット移動を防止する。
【0020】
本発明の一実施例に従えば、弾性手段は膝継手上に配列され、例えば、その関節周りに輪を作るトーション・スプリングの形態であって、2つのレバーの各々に対してそれぞれ2つの脚部で作用している。
【0021】
本発明の別の実施例に従えば、弾性手段は2つのレバーの特に一方に対して作用する線形スプリングであって、特に、自動車のフロア・サブアセンブリと連結される(下方)レバー上に対して作用する。この線形スプリングは、好ましくは、張力スプリングの形態での螺旋スプリングとしてここでは設計されている。
【0022】
最終的に、背凭れクッション及びシート・クッションがクッショ・キャリヤーの上方折り込み位置で相互作用する際、弾性力は背凭れクッションのシート・クッションに対する相互作用によっても付与され得る。
【0023】
クッション・キャリヤーの使用位置において、膝継手は車両のフロア・サブアセンブリ上に好ましくは支持されて、クッション・キャリヤーの上方折り込み中に該フロア・サブアセンブリから垂直位置に上昇させられる。
【0024】
本発明の特に好適な実施例に従えば、シート上方に付加的な収容空間を獲得すべく、背凭れもその使用位置でクッション・キャリヤー上に前方へ折り込まれ得る。このタイプ車両シートの場合、それ故に、クッション・キャリヤーを上方へ折り込むことによってシート前方に付加的な収容空間を提供する可能性、或は、背凭れをシート・クッションの方向に前方へ折り込むことによってシート上方に付加的な収容空間を提供する可能性が代替的には存在する。
【0025】
この場合、シート上方に提供される収容空間を最大化するために、背凭れをシート面の方向に前方へ折り込む際、同時にクッション・キャリヤーを降下することは有益である。この目的のため、クッション・キャリヤーの旋回軸線、即ち、その周りを後者がその直立位置に折り込まれ得る旋回軸線は、自動車のフロア・サブサブアセンブリ上のクッション・キャリヤーの旋回軸線から遠方へ向いているその末端によって取り付けられる後方レバー上に形成される。クッション・キャリヤーの旋回軸線に作用するこの後方レバーの旋回は、クッション・キャリヤーが降下させられることを可能とする。後方レバーの旋回、それ故に背凭れの前方への折り込みを伴うクッション・キャリヤーの降下を調整するために、結合レバーは、一方において、背凭れと結合させられ、そして他方において後方レバーと結合させられる。背凭れのシート面の方向における前方への折り込み中、この結合レバーはクッション・キャリヤーの後方レバーに対して作用して、背凭れの前方への折り込み中、該後方レバーの旋回移動はクッション・キャリヤーの同時降下に到るように生ずる。
【0026】
レバーの前方対における2つのレバーの間の初期的鋭角の鈍角への変換の代替として或はそれに加えて、クッション・キャリヤーの追求される上方折り込み(直立)位置に到達する直前に、該レバーの前方対における膝継手が移動する範囲における不連続点(例えば、屈曲部の形態)を有するガイド装置における膝継手をガイドすることが提供され得る。この目的のため、ガイド装置は鍵穴方式に従ったガイド・スロットとして構成され得るか、或は、差し込みキャッチの方式でその中でガイドされる膝継手と相互作用し得て、クッション・キャリヤーの上方折り込み状態において、膝継手は不連続点の遠方側におけるスロット付きガイド機構の領域内に受け入れられて、安定位置に保持される。レバー対は、それ故に、規定された位置で安定化させられ、そして、クッション・キャリヤーは直立の前方折り込み位置に保持される。
【0027】
本発明の更なる特徴及び長所等は図面を参照して以下の例示的実施例の記載で明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は自動車シート、特に後方シートを示し、シート・ユーザに対するシート面Fを規定するシート・クッションSを支持するシート溝又はシートシェルの形態のクッション・キャリヤーTを伴う。更には、車両シートは軸線A周りを旋回自在に取り付けられた背凭れRを有し、そうして、背凭れフレームGを有しており、シート・ユーザの背中を支持すると共に頭部拘束手段Kを支持する、その背凭れフレームG上に配列された背凭れクッションLを伴う。図1に示される状態で、背凭れRは直立使用位置であって、一般に垂直方向に対して僅かに後方へ傾斜されている。
【0029】
その中央領域(シート長手方向xで見た場合)、クッション・キャリヤーTは関節連結レバー1の対を介して自動車のフロア・サブアセンブリBと関節連結方式で連結され、その後方領域(再びシート長手方向xで見た場合)、クッション・キャリヤーTは後方旋回レバー2の対を介して自動車のフロア・サブアセンブリBと関節連結方式で更に連結され、この後方旋回レバー2は、クッション・キャリヤーTと対向するその末端で、クッション・キャリヤーTの旋回軸線20を同時に画成している。
【0030】
関節連結レバー1の前方対は、主要旋回レバー11を備え、該主要旋回レバーは、一方において、(シート長手方向xから見た場合)その中央領域内におけるクッション・キャリヤーTと旋回自在な継手13を介して第1の上方末端によって旋回自在に結合されており、他方において、関節継手レバーの対の第2旋回レバー12と膝継手10を介して他方の下方末端によって関節連結方式で連結されている。この第2旋回レバー12は、次いで、膝継手10から遠ざかる方向に向いているその末端によって、支持ブラケット15とそれに設けられた継手14を介して、自動車のフロア・サブアセンブリBと旋回自在に結合されている。図1に示されると共にクッション・キャリヤーTが水平方向に対して幾分傾斜されているクッション・キャリヤーTの使用位置において、膝継手10はフロア・サブアセンブリB上に支持されると共に、もし適切であればそこに解放自在にロックされ得る。
【0031】
関節連結レバー1の前方対における第2旋回レバー12は、螺旋スプリングとして設計された張力スプリングの形態のスプリング要素4によって保持され、その位置で第2旋回レバー12の一方末端に設けられた膝継手10は、フロア・サブアセンブリB上に支持されている。この目的のため、スプリング要素4は、一方末端41によってフロア・アセンブリBに固定(結着)される共に、他方末端によって第2旋回レバー12の他方末端に固定されている。
【0032】
クッション・キャリヤーTが(車両長手方向xから見た場合)フロア・サブアセンブリBとその後方末端に置いて関節連結方式で連結させる後方旋回レバー2も、同様に、支持ブラケット25とそこに設けられた継手24を介してフロア・サブアセンブリBと旋回自在に連結されている。後方旋回レバー2は、フロア・サブアセンブリBから遠方へ向いているその他方末端によって、ブラケットR直下に配置されているクッション・キャリヤーTの旋回軸線20を同時に規定する継手を介して、該クッション・キャリヤーTと連結されている。
【0033】
後方旋回レバー2は、次いで、その一方末端によって継手33を介してブラケット・フレームGと結合されると共に、他方末端によって継手34を介して後方旋回レバー2と結合されている。
【0034】
図1に示される自動車シートの使用状態は、先ず、先に記載したように、クッション・キャリヤーTと、シート長手方向又は車両長手軸線xに対して僅かな傾斜を伴うシート面Fとのプロファイルによって特徴付けられて、車両占有者がそこに着座し得て、そして、第2として、フロア・サブアセンブリBのピラーP上方において、垂直方向zに対して僅かに傾斜させられている背凭れRの実質的な直立程度によって特徴付けられ、背凭れクッションLがシート・ユーザの背中を支持する役割を果たし得る。
【0035】
図2は、「シネマ・チェア機能」が実行された後、即ち、クッション・キャリヤーTがシート・クッションSと一緒に背凭れR及びその背凭れクッションLの前方で上方へ折り込まれた後の図1の車両シートを示す。これは、クッション・キャリヤーTの後方旋回レバー2の上方末端における旋回軸線20周りの旋回によって可能であり、関節連結レバー1の対における、図1に示される車両シートの使用状態における鋭角αを取り囲む関節連結レバー1の対の2つの旋回レバー11,12が180°より幾分大きな鈍角βを形成するように移動させられる。
【0036】
上方に折り込まれるクッション・キャリヤーTの結果として、膝継手10と関節連結レバー1の前方対における2つの更なる継手13,14とは、クッション・キャリヤーTに対して作用すると共に、その使用位置の方向における旋回軸線20周りに再びクッション・キャリヤーTを前方へ折り込む傾向を有する力が、2つの旋回レバー11,12の間の鈍角βの拡大に到るような位置をとる。しかしながら、これは、関節連結レバー1の前方対における第2旋回レバー12が後方旋回レバー2の下方末端に対する停止部として作用する支持ブラケット25によってその移動が限定されるので不可能である。これは、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12が、鈍角βを更に拡大するように引き締めることを不可能とする。この場合、一実施例に従えば、クッション・キャリヤーTは関節連結レバーの対の主要旋回レバー11上に設けられた停止部11a上に支持され得る。
【0037】
関節連結レバー1の対における主要旋回レバー11の膝継手10周りの前方へ旋回移動のみ(その使用位置に戻るように折り込まれるクッション・キャリヤーTの結果を同様に有する)は、それ故に、生ずることがなく、その理由は、膝継手10とクッション・キャリヤーTの旋回軸線20とが拡開するからであり、その結果、関節連結レバー1の前方対における主要旋回レバー11と特定旋回軸線10又は20周りのクッション・キャリヤーTとの共通旋回移動は可能ではない。
【0038】
関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12の鋭角αの更新された形成を伴うクッション・キャリヤーTのその使用位置に戻る折り込み(復帰折り込み)は更に防止され、クッション・キャリヤーTの折り込み上方位置において、下方区分LUにおける背凭れクッションLはシート・クッションSの後方領域SHと係合して、その上に静止して、使用位置へ向かうシート・クッションSと一緒にクッション・キャリヤーTの復帰折り込みと対抗する弾性力は、2つのクッションL,Sの間に作用する。
【0039】
更に、線形スプリングとして設計されると共に関節連結レバー1の前方対における第2旋回レバー12に対して作用するスプリング要素4は、前記旋回レバーに対して作用して、それが、停止部として作用する支持ブラケット25と当接する第2旋回レバー12を引っ張ることによって、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12の間の鈍角βを支持する傾向を有する。
【0040】
もしクッション・キャリヤーTが、関節連結レバー1の前方対における継手10,13,14の固定(締め付け)によって、及び/或は、背凭れクッションLのシート・クッションSとの相互作用によって、背凭れRの前方に上方へ折り込まれる状態で充分安定化させられれば、後方旋回レバー2に対して作用する付加的なスプリング要素4が省略され得る。
【0041】
更には、線形スプリングの形態のスプリング要素4の代わりに、トーション・スプリングも、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバーが鈍角βを形成し且つクッション・キャリヤーTが背凭れRに沿って略上方に延在する位置に、関節連結レバー1の前方対におけるそれら2つの旋回レバー11,12を安定化させるために使用され得る。これに適合すると共に図2における破線で示されるトーション・スプリング5は、関節連結レバー1の前方対における膝継手10上に配置されると共に、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12における2つの脚部51,52によって支持されて、それら旋回レバーが鈍角βを形成するそれらの位置で安定化させられる。
【0042】
先行する観察及び説明は、クッション・キャリヤーTがその位置にある際、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12によって包囲される鋭角αに常に基づき、そして、それはクッション・キャリヤーTが背凭れRの前方に略上方位置に折り込まれる際に鈍角βに変換され、該鈍角βは180°の限定角度を数度上回る。勿論、またこの観察は、鋭角αと隣接し、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12によって初期的に包囲され、そして、クッション・キャリヤーTが略上方位置に上方へ折り込まれる際、180°を幾分下回る鋭角(鈍角βと隣接)に変換される鈍角を出発点として作用し得る。
【0043】
決定的な点は、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12によって初期的には包囲される鋭角或は鈍角(アプローチに依存)が、シート・クッションTが上方に折り込まれる際、鈍角或は鋭角に変換され、即ち、初期的な鋭角が鈍角に、そして、初期的な鈍角が鋭角に変換される。これによって達成され得る効果は、関節連結レバー1の前方対における個々別々の継手10,13,14の配列と、クッション・キャリヤーTの旋回軸線20の配列とによって、全体にわたる構成が固定或は締結されて、クッション・キャリヤーTがその上方位置に保持される。
【0044】
関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12の間の初期的な鋭角αの鈍角βへの変換とは代替的に或はそれに加えて、関節連結レバー1の前方対における膝継手10をスロット付きガイド機構内にガイドするように為され、そのスロット付きガイド機構はクッション・キャリヤーTの希求される折り込み上方(直立)位置が達成される直前に(例えば、曲げることによって)不連続点を有し、鍵穴原理に従って構成され得るか或は差し込みキャッチの方式でその中にガイドされる継手と相互作用して、クッション・キャリヤーの折り込み上方状態で、継手10が不連続点の遠方側におけるスロット付きガイド機構の領域内に受け入れられることになる。関節連結レバー1の対は、それ故に、特定位置に安定化され、そしてクッション・キャリヤーTは直立折り込み上方位置に保持される。これは図4及び図5を参照して以下に更に詳細に説明される。
【0045】
図3は、背凭れRがシート・クッションSによって規定されたシート面Fの方向へ前方に折り込まれた状態の図1の車両シートを示す。この前方折り込みは、背凭れRをその旋回軸線A周りに旋回することによって既知の方式で生ずる。背凭れRのクッション・キャリヤーTの、同時に旋回軸線20をも形成する後方旋回レバー2との結合によって、フロア側における後方旋回レバー2のその継手24周りの旋回移動がここで生じ、クッション・キャリヤーTの旋回軸20であって、後方旋回レバー2の他の末端に設けられた旋回軸線20はフロア・サブアセンブリBに向かって降下させられ、それに、背凭れRから遠ざかるように、シート長手方向xへの同時的な前方移動が伴う。これは関節連結レバー1の前方対における主要旋回レバー11の対応する旋回移動と関連し、それはクッション・キャリヤーTの前方縁の降下に到る。後方旋回レバー2(及び、クッション・キャリヤーTの後方末端における旋回軸線20の関連された降下)と、関節連結レバー1の前方対における主要旋回レバー11(及び、クッション・キャリヤーTの前方縁における関連された降下)との組み合わせ移動によって、クッション・キャリヤーTは全体として、背凭れRがシート面Fの方向へ前方に折り込まれる際に降下させられる。
【0046】
この手段によって、最大収容空間は自動車シートの前方折り込み背凭れR上方に有効となる。
【0047】
図4は図1の自動車シートの変更例を図示し、関節連結レバー11,12の前方対における主要旋回レバー11が車両シートのクッション・キャリヤーTと旋回自在に結合されず、むしろ逆に、クッション・キャリヤーT上に設けられたホルダHに堅固に配列され、即ち、該ホルダと連結されるか或はその上に一体的に形成される。
【0048】
屈曲された長尺穴50によって形成されたガイド・スロット5は主要旋回レバー11に沿って走って、2つの末端停止部51,52の間に延在し、それらの内の第2末端停止部52は不連続点50aの後方にガイド・スロット5内に屈曲部の形態で形成されている。この屈曲部50aの後方に、ガイド・スロット5の屈曲された末端区分5aが、第2末端停止部52がそこでにある限り主要旋回レバー11の屈曲区分11a内を走る。
【0049】
主要旋回レバー11と、フロア側における継手14及び支持ブラケット15によって自動車のフロア・サブアセンブリBと結合された第2旋回レバー12とを介して、膝継手10’は、この場合、第2旋回レバー12から突出するガイド・ボルトの形態のガイド要素として設計されると共に、主要旋回レバー11の、屈曲された長尺スロット50によって形成されたガイド・スロット50内にガイドされる。図4に図示された自動車シートの使用位置において、膝継手を形成しているガイド要素10’は、主要旋回レバー11におけるガイド・スロット5として延在する長尺穴50の第1停止部51と当接する。
【0050】
もし、図1乃至図3を参照して先に説明されたシネマ・チェア機能を実行することによって、即ち、クッション・キャリヤーTを自動車シートの背凭れRの前方に上方へ折り込むことによって、図4に図示される自動車シートは図5に図示されるより小型な状態に転換され、膝継手を形成しているガイド要素10’は、この場合、ガイド・スロット5に沿って移動し、第2停止部52がガイド・スロット5の屈曲末端区分5aに屈曲部50aの後方に向かって配置されている限り、そのガイド・スロットは主要ロッキング要素11の長尺穴50によって形成されている。
【0051】
ガイド・スロット5の第2停止部52に当たるガイド要素10’によって、図1及び図2を参照して図示された例示的実施例におけるようにクッション・キャリヤーTの上方への折り込みは、後方旋回レバー2によって規定された旋回軸線20’周りの旋回移動と対応して終了する。この場合、旋回軸線を形成するため、後方旋回レバー2はクッション・キャリヤー1(より精密にはシート側部)に堅固に配列された延長部21を介してクッション・キャリヤーTと関節連結方式で連結される。また、図1及び図2を参照して図示された例示的実施例の場合、関節連結レバー1の前方対における2つの旋回レバー11,12によって元々包囲された鋭角αは鈍角βに変換される。
【0052】
クッション・キャリヤーTは、図4に図示された使用位置の方向における前方への折り込みに対抗して固定されており、これは特に、長尺穴50として設計された屈曲ガイド・スロット5における屈曲部50aによって形成された不連続点によって、クッション・キャリヤーTの使用位置への復帰移動と対抗して、ガイド・スロット5の屈曲末端区分5a内に形成された停止部52に締結される。言い換えれば、屈曲末端区分5aは、主要旋回レバー11上のガイド・スロット5の第2末端停止部52を形成して、図5と比較して、前方に折り込まれるクッション・キャリヤーTの方向における該クッション・キャリヤーTに対して作用する重量Fが屈曲分50a及び末端停止部52の間に保持されているガイド要素10’であり、屈曲部50a及び末端停止部52の間に締結された末端位置からガイド・スロット5の後方に配列されたガイド要素10’を解放できないように設計される。即ち、クッション・キャリヤーTを介して導入された重量、そしてそれ故に、クッション・キャリヤーTの固有重量のために主要ロッキング要素11を介して導入された重量は、ガイド・スロット5の形状のため図4に図示される使用位置に戻るように折り込まれるクッション・キャリヤーTに到ることがない。前方に折り込まれたクッション・キャリヤーに対して作用する重量を考慮しての使用位置へのクッション・キャリヤーの復帰は、それ故に防止される。逆にクッション・キャリヤーTを使用位置に戻すように折り込むべく対応する力は、ループの形態の起動要素6がこの目的のために配列されている第2旋回レバー12に付勢されなければならない。
【0053】
不連続点或は屈曲部50aとガイド・スロット5の第2末端停止部52との間にガイド要素10’を固定するために、また図5に示されるように、例えばトーション・スプリングDとして設計された弾性要素は提供され得て、関節連結レバー1の前方対の第2旋回レバー12に圧縮応力を与える弾性要素は、その圧縮応力の付与方向がそれに沿って、図4に図示される使用位置にクッション・キャリヤーTを持ち込むために第2旋回レバー12が移動しなければならない方向である。加えて、トーション・スプリングDの形態の弾性要素はガタガタ音に抗しての保護としての役割を果たし得る。
【0054】
図4及び図5に図示された自動車シートの更なる詳細及び構成要素に関して、図1乃至図3を参照して説明された自動車シートの同一参照番号が設けられた対応する構成要素に対する説明が参照され、この場合、結合レバー3は、後方旋回レバー2と、延長部35から堅固に突出する該延長部35を介して関節連結方式で付加的に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、シート面及びクッション・キャリヤー上に前方へ折り込まれ得る背凭れを伴う自動車シートを示し、それらの使用位置における各場合において、シート・クッションは直立背凭れの前方に折り込まれる。
【図2】図2は、クッション・キャリヤーが背凭れの前方で上方へ向けて折り込まれた後の図1の自動車シートを示す。
【図3】図3は、背凭れがシート面の方向に前方に折り込まれた後の図1の自動車シートを示す。
【図4】図4は、その使用位置にある図1の自動車シートの変更例を示す。
【図5】図5は、クッション・キャリヤーが背凭れの前方で上方へ折り込まれた後の図4の自動車シートを示す。
【符号の説明】
【0056】
1,2 折り込み機構
3 結合レバー
5 ガイド装置
10 膝継手
11,12 レバー対
20 旋回軸線
25,52 停止部
50 長尺穴
B フロア・サブアセンブリ
F シート面
R 背凭れ
T クッション・キャリヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車シートであって、
シート・ユーザの背中に対する支持体を形成すべく直立使用位置になり得る背凭れと、
その使用位置でシート・ユーザに対するシート面を規定するシート・クッションに対して旋回自在に取り付けられたクッション・キャリヤーと、
前記クッション・キャリヤーを前記背凭れの前方に折り込む折り込み機構であって、前記クッション・キャリヤーが前記背凭れの使用位置になった際、該背凭れに沿って略延在することから成る折り込み機構と、を具備し、
前記折り込み機構(1,2)が、レバー対(1)を備え、それら2つのレバー(11,12)が、膝継手(10,10’)において、関節連結方式で相互に連結され、それらによって前記膝継手(10,10’)で鋭角(α)を包囲し、そして、前記クッション・キャリヤー(T)が使用位置から前記背凭れ(R)の前方に折り込まれる際、その鋭角(α)が鈍角(β)に変換されることを特徴する、自動車シート。
【請求項2】
180°以上の規定値を有する鈍角(β)が達成されると、折り込み機構(1,2)による角度(α)の更なる増大が防止されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車シート。
【請求項3】
自動車シートであって、
シート・ユーザの背中に対する支持体を形成すべく実質的に直立使用位置になり得る背凭れと、
その使用位置でシート・ユーザに対するシート面を規定するシート・クッションに対して旋回自在に取り付けられたクッション・キャリヤーと、
前記クッション・キャリヤーを前記背凭れの前方に折り込む折り込み機構であって、前記クッション・キャリヤーが前記背凭れのその直立使用位置になった際、該背凭れに沿って略延在することから成る折り込み機構と、を具備し、
前記折り込み機構(1,2)が、レバー対(1)を備え、それら2つのレバー(11,12)がそれらレバー(11,12)の内の一方に設けられたガイド装置(5)内でガイドされる膝継手(10’)で関節連結方式で相互に連結され、そして、そのガイド装置(5)が、前記クッション・キャリヤー(T)が使用位置から前記背凭れ(R)の前方まで折り込まれる際、前記膝継手(10’)が移動する範囲にわたって不連続点(50a)を有して、前記クッション・キャリヤー(T)が前記背凭れ(R)の前方へ上方に折り込まれる際、前記膝継手(10’)が前記不連続点後方における前記ガイド装置(5)の区分(5a)を通過するように為すことを特徴とする自動車シート。
【請求項4】
前記不連続点(50a)が、前記ガイド装置(5)の末端区分(5a)内における該ガイド装置(5)の屈曲部によって形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の自動車シート。
【請求項5】
前記クッション・キャリヤー(T)の折り込み中に前記レバー対(1)の内の少なくとも一方レバー(12)の調整距離を限定すると共に、前記レバー対(1)の2つのレバー(11,12)の間の所定角度(β)が達成される際、前記角度(β)の拡大に到る前記少なくとも一方のレバー(12)の更なる移動と対抗するように手段(25,52)が設けられることを特徴とする、請求項1乃至4の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項6】
前記調整距離を限定する前記手段(25,52)が、停止部によって形成されることを特徴とする、請求項5に記載の自動車シート。
【請求項7】
前記停止部(25,52)が、関節連結レバー(1)の対における一方レバー(12)の移動を限定し、前記停止部(25,52)と相互作用するそのレバー(12)が自動車のフロア・サブアセンブリ(B)と好ましくは結合できることを特徴とする、請求項6に記載の自動車シート。
【請求項8】
前記停止部(25,52)が、自動車のフロア・サブアセンブリ(B)に設けられるか、或は、関節連結レバー(1)の対におけるレバー(11)上に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の自動車シート。
【請求項9】
前記停止部(52)が、前記レバー対(1)における一方レバー(11)上におけるガイド装置(5)上に形成され、そして、それらレバー対(1)の他方レバー(12)がこのガイド装置(5)内でガイドされることを特徴とする、請求項8に記載の自動車シート。
【請求項10】
前記他方レバー(12)が、前記レバー対(1)における継手(10’)を形成しているガイド要素によって前記ガイド装置(5)内でガイドされることを特徴とする、請求項9に記載の自動車シート。
【請求項11】
前記停止部(52)が、前記ガイド装置(5)の屈曲末端区分(5a)上に形成されていることを特徴とする、請求項9或は10に記載の自動車シート。
【請求項12】
前記ガイド装置(5)が、前記レバー対(1)の一方レバー(11)に沿って延在された長尺穴(50)によって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の自動車シートか或は9乃至11の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項13】
前記レバー対(1)が、2つのレバー(11,12)によって形成され、その内の一方が前記クッション・キャリヤー(T) 上に配列され、他方が前記自動車のフロア・サブアセンブリ(B)と旋回自在に結合されることになることを特徴とする、請求項1乃至12の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項14】
前記一方のレバー(11)が、前記クッション・キャリヤー(T)と旋回自在に結合されるか、或は、前記クッション・キャリヤー(T)と堅固に結着されることを特徴とする、請求項13に記載の自動車シート。
【請求項15】
前記クッション・キャリヤー(T) 及び前記フロア・サブアセンブリ(B)上の前記2つのレバー(11,12)の結合点(13,14,H)と前記レバー対(1)の前記膝継手(10,10’)とが、前記クッション・キャリヤー(T)が折り込まれ得る旋回軸線(20,20’)に対して配列されて、前記鈍角(β)が前記2つのレバー(11,12)の間にある際、前記結合点と前記膝継手(10、10’)との配列が、前記クッション・キャリヤー(T)の使用位置への復帰折り込みに到る、前記クッション・キャリヤー(T)の該キャリヤーの旋回軸線(20,20’)の旋回移動と対抗するように為すことを特徴とする、請求項13或は14に記載の自動車シート。
【請求項16】
前記背凭れ(R)の前方に折り込まれる前記クッション・キャリヤー(T)の状態において、前記レバー対(1)における一方レバー(11)の停止面(11a)が前記クッション・キャリヤー(T)と当接し、それによって前記クッション・キャリヤー(T)の前方への折り込みと対抗することを特徴とする、請求項1乃至15の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項17】
起動要素(6)が前記レバー対(1)の一方レバー(12)上に配列され、その起動によって、前記レバー対(1)の前記2つのレバー(11,12)の間の鈍角(β)が鋭角に変換されて、前記クッション・キャリヤー(T)を使用位置に再び戻すように折り込むことが(復帰折り込み)できることを特徴とする、請求項1乃至16の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項18】
弾性手段(D;LU,SH;4;5)が、前記背凭れ(R)の前方に折り込まれる前記クッション・キャリヤー(T)のその使用位置へのリセット移動と対抗するように設けられることを特徴とする、請求項1乃至17の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項19】
前記弾性手段(4,5)が、前記レバー対の前記レバー(11,12)の内の何れか一方に対して作用することを特徴とする、請求項18に記載の自動車シート。
【請求項20】
前記弾性手段(5)が、前記レバー対(1)の前記膝継手(10)上に配列されていることを特徴とする、請求項19に記載の自動車シート。
【請求項21】
前記弾性手段(5)が、前記レバー対(1)の前記レバー(11,12)における各レバーにそれぞれ支持される2つの自由リム(51,52)を伴うトーション・スプリングによって形成されることを特徴とする、請求項20に記載の自動車シート。
【請求項22】
前記弾性手段(4)が前記レバー対(1)の一方レバー(12)に特に作用し、そして殊に前記レバー対(1)のレバー(12)に作用し、それは前記フロア・サブアセンブリ(B)と関節連結方式で連結さていることを特徴とする、請求項21に記載の自動車シート。
【請求項23】
前記弾性手段(4)が線形スプリングによって形成されていることを特徴とする、請求項19に記載の自動車シート。
【請求項24】
前記背凭れクッション(L)及び/或は前記シート・クッション(P)の区分(LU,LH)が、前記クッション・キャリヤー(T)の前背凭れ(R)の前方への折り込み位置からのリセット移動と対抗する弾性手段としての役割を果たすことを特徴とする、請求項18に記載の自動車シート。
【請求項25】
前記膝継手(10)が、前記クッション・キャリヤー(T)が使用位置にある際、フロア・サブアセンブリ(B)上に支持されることを特徴とする、請求項1乃至24の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項26】
前記クッション・キャリヤー(T)が前記背凭れ(R)の前方に折り込まれる際、前記膝継手(10)が、前記フロア・サブアセンブリ(B)から上昇させられることを特徴とする、請求項25に記載の自動車シート。
【請求項27】
前記背凭れ(R)が、前記クッション・キャリヤー(T)によって規定された前記シート面(F)の方向に前方へ折り込まれ得ることを特徴とする、請求項1乃至26の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項28】
前記背凭れ(R)が、軸線(A)周りに旋回自在に取り付けられることを特徴とする、請求項27に記載の自動車シート。
【請求項29】
前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20,20’)が移動自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至28の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項30】
前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20,20’)がレバー(2)上に配列されていることを特徴とする、請求項29に記載の自動車シート。
【請求項31】
前記レバー(2)が、前記クッション・キャリヤー(T)と一方末端によって旋回自在に結合され、そして、この結合点で前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20)を形成することを特徴とする、請求項30に記載の自動車シート。
【請求項32】
前記レバー(2)が、自動車のフロア・サブアセンブリ(B)とその他方末端によって結合されることを特徴とする、請求項31に記載の自動車シート。
【請求項33】
前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20,20’)を形成している前記レバー(2)が、結合レバー(3)を介して前記背凭れ(R)と作動的に連結されることを特徴とする、請求項27或は28、若しくは、請求項31或は32の内の何れか一項に記載の自動車シート。
【請求項34】
前記背凭れ(R)が前記クッション・キャリヤー(T)によって規定された前記シート面(F)の方向に前方へ折り込まれる際、前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20)を形成している前記レバー(2)が、前記結合レバー(3)によって起動されて、前記クッション・キャリヤー(T)の前記旋回軸線(20)がフロア・サブアセンブリ(B)の方向へ降下させることを特徴とする、請求項33に記載の自動車シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−514590(P2007−514590A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544210(P2006−544210)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002785
【国際公開番号】WO2005/058636
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(500093708)ブローゼ・ファールツォイクタイレ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・コマンディットゲゼルシャフト・コーブルク (15)
【Fターム(参考)】