説明

自動車用のボックス機構

本発明は自動車(26),好ましくは乗用車に取り付けるためのルーフボックス機構(1)に関するものであって,該ルーフボックス機構(1)は下部(2)及び上部(3)から成るコンテナを有し,それによりルーフボックス機構(1)は少なくとも一つの積み降ろしための開位置と物品を収納するための閉位置とを有する。ルーフボックス機構(1)はコンテナ内に配置可能な巻上装置(4)を具備し,該巻上装置はコンテナに関して両側に回動可能に取り付けられる。巻上装置(4)は物品と係合するための保持具(6)を具備し,該保持具は,ルーフボックス機構(1)が開位置にあり,巻上装置(4)が外側に回動した位置にある時に昇降可能であり,それによりルーフボックス機構(1)の両側での物品の昇降が許容される。本発明は折り畳み車椅子(15)をルーフボックス機構(1)へ/からの積み降ろしを許容する積載システムにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車,好ましくは乗用車に取り付けるためのルーフボックス機構に関するものであって,該ルーフボックス機構は下部及び上部から成るコンテナを有し,それによりルーフボックス機構は少なくとも一つの積み降ろしのための開位置と物品を収納するための閉位置とを有する。本発明は折り畳み車椅子のルーフボックス機構へ/からの積み降ろしを許容する積載システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
身障者はしばしば車椅子のような,周辺での移動を可能にする更なる補助具を携帯する必要を経験する。自動車での運搬に関して,身体障害のために自動車の内部空間がしばしば制限され,多くの収納領域への接近しやすさも制限されるため,このような補助具は収納の問題に直面する。現在,身障者のために車椅子を運転席の該身障者の位置から取り出し,助手席へ該車椅子を持ち上げることが車椅子を運搬する一般的な方法である。この方法は煩雑且つ困難で,例えば車椅子が汚れている場合等には他の不都合を伴うことが多くの人々に認識されている。
【0003】
米国特許第4,376,611号は,車椅子をルーフボックスに属する巻上装置により内外に持ち上げるためのルーフボックスを記載している。車椅子はウインチに接続されており,運搬中に収納される片側にハッチを有するルーフボックスまで自動車の側部に沿って持ち上げられる。このタイプのルーフボックスに伴う1つの問題は,自動車の片側からのみ積載が可能なことである。多くの場合,例えば自動車を小さな空間に駐車する場合,或いは身障者が助手席に座り,該身障者以外の人が運転する場合には自動車の両側から自動車を取り付け可能であることが望ましい。このタイプのルーフボックスも右ハンドル車の代わりに左ハンドル車にルーフボックスを使用する場合,或いはその逆の場合に全く異なる実施を必要とする。
【0004】
米国特許第3,823,839号も上部を外側に片側へ延長し,下からルーフボックスを持ち上げることによりルーフボックスが開けられ,その後,折り畳み車椅子を収容したルーフボックスの上部が自動車の上の位置に押し返されるルーフボックスを示す。この解決策も自動車の片側からの積載に限定される。
【0005】
その代わりに,欧州特許第1 031 336号は収納装置を取り付けた自動車のルーフに関して回転可能な収納装置を示す。欧州特許第1 031 336号による収納装置は自動車に沿って立設している車椅子上へ旋回可能であり,そのため,巻上装置により車椅子を持ち上げ,所定の弾性を示すコンテナの下に車椅子を降ろすことが可能となる。従来技術の巻上装置は特に巻上操作中は比較的扱いにくいため,従来技術のルーフボックスは大きく特に高さがあることが多い。コンテナを弾性にすることにより,持ち上げるための自由高さの必要性が減少する。しかし,弾性コンテナは,美観及び交通安全の両方に関する他の不都合を有する。
【0006】
現在の設計に伴う1つの問題は,それらが重くて扱いにくいということである。チェアートッパー(ChairTopper)という名前の車椅子ルーフボックスが現在市販されている。その重量は55kgであり,高さは56cmである。現在,多くの乗用車の最大ルーフ荷重は約75kgに設計され,それは車椅子の重量の限界である。車の操縦性は高い重心の影響を受け,高いルーフボックスも,風に露出する面の増加の原因となる。
【発明の開示】
【0007】
したがって,旅行中に車椅子を安全に収納可能で,同時に,積み降ろしの間に車椅子が自動車を傷つける或いは破損させるリスクを最小にする解決策を見つけることが望ましい。また,自動車の両側からの車椅子の積み降ろしを許容する解決策を見つけることが望ましい。
【0008】
本発明の目的は,解決策を前述の問題に使用可能とすることである。本発明の更なる目的は,省スペースの収納と減量を許容する解決策を利用可能にすることである。
【0009】
これらの目的は,本発明による自動車,好ましくは乗用車に取り付けるためのルーフボックス機構により達成し,該ルーフボックス機構が上部及び下部から成るコンテナを有し,それによりルーフボックス機構が少なくとも一つの積み降ろしのための開位置と物品を収納するための閉位置とを有し,ルーフボックス機構はコンテナ内に配置可能な巻上装置を具備し,該巻上装置はコンテナに関して両側に回動可能に取り付けられ,巻上装置は物品と係合するための保持具を具備し,該保持具は,ルーフボックス機構が開位置にあり,巻上装置が外側に回動した位置にある時に昇降可能であり,それにより最適にルーフボックス機構の両側での物品の昇降が許容される。
【0010】
好適な実施形態によると,物品をコンテナの下部の内外へ動かす巻上装置により物品をルーフボックス機構から積み降ろすことが可能となる。この積載方法は制御された積み降ろしを可能にし,ルーフボックス機構の小型化を許容する。本発明の好適な実施形態によると,ルーフボックスが使用され,該ルーフボックスは短側部の1つの下部に関節式に取付けた上部を有する。ルーフボックスの上部を支持する他の手段は,更なる実施形態に関して後述するように,例えば長手側に沿って変位する,或いは持ち上げるように上部を支持することが勿論可能である。
【0011】
巻上装置は,好ましくはルーフボックス機構の長手側の略中間に配置された開始位置から両側へ0〜135度の間で回動可能であり,それにより積み降ろしの際の適応性(flexibility)を許容する。巻上装置のクレーンアームは70〜110度の範囲,より好ましくは約90度の順(order)で外側に回動した位置に係止可能であることが好ましい。
【0012】
本発明によると,巻上装置は供給ローラから供給可能な牽引装置を具備し,昇降を制御するために保持具が牽引装置に接続される。
【0013】
本発明の好適な実施形態では,ルーフボックス機構は折り畳み車椅子を収容するよう配置される。巻上装置付属品はルーフボックス機構の支持機構に取り付けられ,該支持機構は当該自動車のドアの位置に関する適切な点でルーフボックス機構の長手方向範囲での取り付けを許容する。
【0014】
更なる実施形態では,コンテナの上部はクラブ(Crab)アクチュエータの起動により開閉可能である。ルーフボックス機構の開閉は,実際のルーフボックスにおいて手動の介入を必要としないため、身障者にとって有利なこの設計により許容される。
【0015】
本発明の第二の態様によると,折り畳み車椅子のための積載システムは,本発明によるルーフボックス機構を具備して成る。巻上装置が変位自在な支持体を具備するため,積み降ろしと関連して折り畳み車椅子の位置が略垂直位置から離れる間の巻上操作の少なくとも一部に折り畳み車椅子が支持体に対して接触することにより,本発明の積載システムによる全積載サイクルの間,車椅子を堅固に支持しながらの積み降ろしが可能となる。
【0016】
身障者のために操作をさらに単純化するべく,本発明による積載システムは好ましくは制御盤から調整されるルーフボックス機構の下記機能のうちの一以上を可能にする制御システムに接続される;
ルーフボックス機構を開閉する機能,
ルーフボックスを開けると,左右にルーフボックス機構を旋回させる機能,
車椅子を保持具に係合すると,折り畳み車椅子を昇降させる機能。
そのため,この積載システムは車椅子の使用者にとって作動が非常に容易である。保持具を車椅子の横のフレームに取り付け,例えば制御盤に押圧することにより車椅子がルーフボックスに持ち上げられる。車椅子がルーフボックス内に置かれると上部が閉鎖可能である。逆の手順でも同じように車椅子を降ろすことが可能である。
【0017】
前記種類の機構のための発明についての考えの範囲内で,前述した特徴は自由に結合されてもよく,勿論,或いは個々の実施形態として存在し得る。例えば,発明についての考えから逸脱せずにルーフボックスのためのコンテナが多くの様々な設計及び寸法を有し得ることが認められる。
【0018】
巻上装置の適切な設計は,該巻上装置が自動車の両側に回動可能であれば,特定の外観に制限されない。保持具は車椅子のモデルに依存してフックの形状,例えばコートハンガーの形状等で具現化できる。
【0019】
物品は,折り畳み車椅子が用途の基礎的な範囲ではあるが,身障者のための他の機構,例えば松葉杖,歩行器,車輪付き歩行器(walking frames on wheels)及び,より進歩した車椅子を含んでもよい。
【0020】
本発明は二,三の実施形態に関して添付図面を参照して後に更に詳細に説明され,図1〜3は第1の実施形態,図4〜7は第2の実施形態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の好適な実施形態のルーフボックス機構は図1において符号1で示され,固締装置21により乗用車26のルーフ22に配置される。このルーフボックス機構の高さが他の先に開示された車椅子を収納するためのルーフボックスと比較して低いことも認識できる。この目的のためのルーフボックスの適切なモデルは,2mを僅かに越える長さと共に約34cmの高さ及び約115cmの幅を有する。
【0022】
好適な実施形態によるルーフボックス機構1を図2aに示す。過度に詳しくなることを避けるために,ルーフボックス機構1を取り付けた自動車は図2a〜2fには図示していない。ルーフボックス機構1は下部2及び上部3から成るコンテナを有する。ルーフボックス機構1は積み降ろしのための少なくとも一つの開位置と物品を収納するための一つの閉位置とを有する。コンテナの下部2の一方の短側部に関節式に取付けられた上部3を有するルーフボックスを使用することが好ましい。
【0023】
コンテナ内に配置される巻上装置4がコンテナに関して両側に回動可能なように取り付けられる。巻上装置4は物品,特に車椅子15と係合するための保持具6を具備し,該保持具は昇降自在である。この場合,保持具6は巻上装置4から成る一つのクレーンアーム23に配置した供給機9に取り付けた牽引装置8に関連して配置される。巻上装置4は調節可能な巻上装置付属品11に関して回動可能に配置され,該巻上装置付属品は支持機構12に関して取り付け可能である。支持機構12はルーフボックス機構1に沿った範囲を有するので,ルーフボックス機構が取り付けられる自動車26のドア27に関する巻上装置の位置は巻上操作が当該自動車のモデルに依存して可能な限り適切で便利となるよう適合される。支持板12は荷重を吸収する機能を有するため,この取り付けは適応性をもって容易に実施される。巻上装置を支持するために,特に巻上操作の間に積載が行われる際は,支持車輪がクレーンアーム23の下側に配置される。巻上装置4はモータ14により駆動される。
【0024】
ルーフボックス機構を開閉するために,アクチュエータ16は動作可能にコンテナの上部3に接続される。好適な実施形態によると,アクチュエータ16は,いわゆるクラブギアである。SKFは「回転式アクチュエータクラブ05(Rotary actuator CRAB 05)」の表示の下,目的に適したモデルを供給する。ルーフボックス機構1を開閉する必要はアクチュエータにより回避される。他の解決策も同様の効果を達成するために利用可能であることは当業者によって認められる。
【0025】
本発明の第二態様によると,前述の種類のルーフボックス機構1を含む積載システムが利用可能となる。積み降ろしの間のルーフボックス機構1の機能を伴う積載システムの機能を図2a〜2fを参照して詳細に記載する。
【0026】
本発明による積載システムの好適な実施形態に含まれる制御システムは,ルーフボックス機構1の積み降ろしの制御と調整を許容する。ルーフボックス装置1の下記機能のうちの一以上を調整するために,制御盤25は略動作可能に積載システムのルーフボックス機構1に接続されている;
ルーフボックス機構1を開閉する機能,
ルーフボックスを開けると,左右に巻上装置4を回動する機能,
折り畳み車椅子15が保持具6に係合されると,車椅子15を昇降する機能。
当然のことながら,これらの操作は様々な方法で実行可能であり,本発明の範囲内にあり,特許請求の範囲により提供される保護範囲により定義された様々な段階に組み込まれることができるため,ここでは一つの例のみを示す。
【0027】
図2aではルーフボックス機構1のコンテナは開位置にある。巻上装置4は好ましくは長手方向範囲に関してルーフボックスの中心端部の初期位置に配置される。
【0028】
図2bでは巻上装置4は外側に回動した位置にある。巻上装置4はルーフボックス1の長手方向の外縁部に関して略対称的に配置されるため,ルーフボックス機構1の新たな側部の巻上操作の前に巻上装置4の初期位置のあらゆる調整をする必要無しに持ち上げる側部を選ぶことが可能となる。
【0029】
クレーンアームが側部に達し,自動車のドアと持ち上げる物品に関する位置を仮定すると,牽引装置8は起動され供給機9から供給される。クレーンアーム23の遠方には支持体5が位置制御機器19を介して回動自在に取り付けられる。牽引装置8が供給されると,留め金7は位置制御機器19を外し,該位置制御機器が新たな位置へ移動し,これは支持体5が略水平位置から垂直位置を仮定することを意味する。多くの容易に調節可能な停止装置が支持体に配置され,その位置は巻上げに関連して物品を保持するために適合可能である。
【0030】
次の手順は図2cに図示され,車椅子15に関して,この場合,該車椅子が物品を表し,単純な操作の後に保持具6に係合され,巻上操作を始めるために供給機9は牽引装置8に供給を開始することが可能である。
【0031】
牽引装置8の供給の間,留め金7は位置制御機器19と接触する位置に達し,その後,位置制御機器19は関節式の付属品に関して回動することによりクレーンアーム23へ変位する。この手順の開始を図2dに示す。
【0032】
車椅子15を輸送する位置制御機器19とそれに伴う支持体5が略水平位置に達すると,巻上装置4はルーフボックス機構1の初期位置にもう一度回動できる。巻上装置4がルーフボックス機構1の収納位置に車椅子15を移送する方法は図2eの矢印により図示される。
【0033】
積載サイクルの最終段階では,コンテナを共に牽引し閉鎖するため,アクチュエータ16,好ましくはクラブ05タイプのアクチュエータを起動することによりルーフボックス機構1は閉鎖する。車椅子または他の物品は,ルーフボックス機構に収納される際に,支持体5と共に保持具6及び停止装置13で保持されることにより確実に収納され,それは安全な道路輸送に貢献する。
【0034】
当然のことながら,逆の手順でも好適な積載システムによりルーフボックス機構1からの車椅子15の積み降ろしと関連して前述の操作は繰り返され,このため,ここでは詳細は説明しない。
【0035】
図3では,本発明の巻上装置4のこの部分がどのように構成されるかを明確にするために支持体5及び位置制御機器19は様々な角度で示される。様々な設計が本発明の範囲内で可能であることは当業者により認められる。記載されている解決策は他の事項,動作信頼度,交通安全及び費用効果に関連する現時点での一つの好ましい実施形態である。
【0036】
図4〜7に示したルーフボックス機構101の第2の好適な設計は主に,例えば車椅子115及びその効果と調整のための支持体105の設計及び機能に関して第1実施形態と異なる。
【0037】
前述の回動可能な巻上装置104は図6の水平な静止位置に図示され,位置Iでは巻上装置のアクチュエータ150が収納位置に保持される。支持体105が保持されているのと同様に,巻上装置の運搬アーム151,152が略水平位置に保持される。前述の支持体は,例えば弓形フレーム105の形状が好ましい。
【0038】
アクチュエータ150の僅かな作動により,前述の支持フレーム105及び前方アーム152が最初に下方ボックス下部102の底部102Aから略15cm持ち上げられる。前述の上昇位置では,ルーフボックス機構101の所望の側へ外側にアーム153全体を略水平位置に保持された支持フレーム105により矢印154の方向に略90度回転することは可能である。
【0039】
前述の位置では,適切な駆動装置の起動の後にそれぞれボックスを開閉するシザーズ型(scissor function)155または他のいくつかのジャッキ型(jack effect)156の助けを借りてボックスの上部103の全体は,真上へ上がる。例えば,シザーズ型は,図示されない電動モータ及びネジ棒の助けを借りて駆動可能である。ジャッキ型は例えば,ボックスの四隅に取り付けられた4つの伸縮アームまたはガス充填されたダンパ,及びボックスの下部102に取り付けた前述の巻上装置104により達成可能である。
【0040】
巻上装置104は,図6のここでは示されない架空のボックスの下方の折り畳まれた位置に示される。これに関連して,例えば持ち上げられた車椅子115はルーフボックスの下部102の底部102Aに配置される。前述の位置ではアクチュエータ150は略25mm延長され,それは前方運搬アーム152が略20度の角度を保つことを意味する。車椅子115及び支持フレーム105はこの場合ボックスの底部102Aに共に配置される。前述した収納及び運搬位置では,アクチュエータ150は略25mm延長され,それは前方運搬アーム152が略20度の角度を保つことを意味する。
【0041】
図6Cはどのように巻上装置104が自動車の通常の進行方向から見て左側へ90度の完全に外側に回動した位置IIに配置されるかを示す。前述の位置IIでは,アクチュエータ150はその動程全体に略150mm延長される。これは前方運搬アーム152が最初に運搬アーム151,152間に結合した関節部157に該関節部157の内蔵型止め具(built-in stop)の効果に対して略20度下向きの方向でヒンジ結合されることを意味する。この操作は動程の略25mmを縮め,アクチュエータ150の全動程のうちの残存した125mmは垂直位置に形成された荷重支持フレーム105をヒンジ結合する動作により達成される。一旦この動作が実行されると,当該電動モータが車椅子115等に接続した巻上フック106の巻上ベルト108を駆動するために起動する。巻上フック106は持ち上げられる物品,例えば車椅子115,例えばその座席158が接続される領域より略90cm上の点まで降ろされる。その後,逆の手順においても同じフローが行われることと関連して,この目的のための運転制御が前述の方法で行われると,車椅子115はボックスの中に持ち上げられる。
【0042】
図7にはアーム152と支持フレーム105との間の内蔵ロック160を有する関節部159を示す。一旦関節部159が略20度にヒンジ結合されると,前方支持アーム152の下端は関節部の後部付属品の止め具と接触する。これは,図6cに示すようにアクチュエータの動程が支持フレーム105を垂直位置にヒンジ結合させるために利用される結果としてアームの連続した回動運動が機械式止め具(mechanical stop)により抑えられることを意味する。
【0043】
図6に図示された他の構成部品は,アーム104のギア161を有する電動モータ,アーム104の中央ハブ162,及び,駆動輪を有する支持体164としてのサブフレーム163であり,モータはアームの水平方向の旋回と関連して半円形の軌道上を動く。アクチュエータ150は,後部及び前部取付具165,166のそれぞれを介してアーム104に取り付けられる。
【0044】
フック106の巻上テープ108はテープ及びフックを巻き上げ,降ろすための電力で駆動するモータを具備するローラ167の周りを走行する。
【0045】
椅子115を持ち上げると,この椅子は支持フレーム105に対して例えば強風のために椅子が回転するリスクを回避するべく支持され,それにより,前述した支持フレーム105はボックス101及び自動車の隣で扱われる間,椅子の支持を提供する。
【0046】
本発明は当然,ここで図示及び記載されている実施形態に限定されると考えられないが,以下の特許請求の範囲で要求される特許保護の範囲内で適切な様に補足,変更が可能である。
【0047】
したがって,例えばルーフボックス機構1,102のためのコンテナは発明についての考えから逸脱することなく多くの様々な設計及び寸法を有し得る。巻上装置4,104の的確な設計は,自動車26の両側に回動することを可能にし得る状態であり,特定の外観に制限されない。保持具6,106は,フックのような形を示すことができ,例えば,或いは物品のタイプに依存して,コートハンガーによく似た形状でもよい。
【0048】
例えば,物品は折り畳み車椅子が用途の基礎的な範囲ではあるが,身障者のための他の装置,例えば松葉杖,歩行器,車輪付き歩行器及びより進歩した車椅子を含んでもよい。本発明は比較的低いルーフボックスの利用を許容するが,より大きいタイプを使用することが可能であることも認識される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1は本発明の第1実施形態によるルーフボックス機構を有する自動車の斜視図である。
図2a〜2fは本発明の前述した第1実施形態によるルーフボックス機構の斜視図として積載手順を示す。
図3はルーフボックス機構と結合した図2cの巻上装置の部分図である。
図4は,持ち上げ可能な上部を有するルーフボックスの斜視図である。
図5は,ボックス内の荷造りした位置に固定された一体的な巻上装置を有する本発明の第2実施形態によるルーフボックス機構の斜視図である。
図6は,折り畳まれ,荷造りした位置より上の角度からのルーフボックス機構の斜視図である。
図6aは,移動前の初期位置のルーフボックス機構を示す。
図6bは,側部へ回動した位置のルーフボックス機構を示す。
図6cは,下に示した車椅子を持ち上げる準備が整った位置のルーフボックス機構を示す。
図7は,実際の巻上装置の詳細を示す。
【図1】






【図3】

【図4】

【図5】

【図6】




【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(26),好ましくは乗用車に取り付けるためのルーフボックス機構(1;101)であって,前記ルーフボックス機構(1;101)が下部(2;102)及び上部(3;103)から成るコンテナを有し,それにより前記ルーフボックス機構(1;101)が少なくとも一つの積み降ろしのための開位置と物品を収納するための閉位置とを有し,前記ルーフボックス機構(1;101)は前記コンテナ内に配置可能な巻上装置(4;104)を具備し,前記巻上装置は前記コンテナに関して両側に回動可能に取り付けられ,前記巻上装置(4;104)は物品と係合するための保持具(6;106)を具備し,前記保持具(6;106)は,前記ルーフボックス機構(1;101)が開位置にあり,前記巻上機構(4;104)が外側に回動した位置にある時に昇降可能であり,それにより前記ルーフボックス機構(1;101)の両側での前記物品の昇降が許容されることを特徴とするルーフボックス機構(1;101)。
【請求項2】
前記物品を前記コンテナの前記下部(2)の内外に移動させる前記巻上装置により前記物品を前記ルーフボックス機構(1)へ/から積み降ろし可能な請求項1記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項3】
前記ルーフボックス機構(1)において,前記巻上装置(4)が前記ルーフボックス機構(1)の長手方向側の略中間に配置された開始位置から両側に0〜135度の間で回動されることが可能な請求項1〜2の1項以上に記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項4】
前記巻上機構が供給ローラ(9)から供給可能な牽引装置(8)を備え,昇降を制御するために前記牽引装置に前記保持具(6)が接続される請求項1〜3の1項以上に記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項5】
前記ルーフボックス機構(1)が折り畳み車椅子(15)を収容するよう配置される請求項1〜4の1項以上に記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項6】
巻上装置付属品(11)が支持装置(12)に取り付けられ,前記支持装置(12)が,関連する前記自動車(26)の前記ドア(27)の位置に関する適切な点にルーフボックス機構(1)の長手方向範囲への取り付けを許容する請求項1〜5の1項以上に記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項7】
前記コンテナの前記上部(3)はクラブアクチュエータ(16)の起動により開閉可能である請求項1〜6の1項以上に記載のルーフボックス機構(1)。
【請求項8】
共通アーム(104)として回動させるためにアクチュエータ(150)により作動可能である、2つの回動自在に取り付けられたアーム(151,152)により、前記巻上装置(104)が形成されることを特徴とする請求項1記載のルーフボックス機構(101)。
【請求項9】
前記アーム(152)が前記アームの回動を制限するロック(160)を具備することを特徴とする請求項8記載のルーフボックス機構。
【請求項10】
支持フレーム(105)が関節部(159)を介して回動自在に前記アーム(104)に取り付けられることを特徴とする請求項8〜9の1項以上に記載のルーフボックス機構。
【請求項11】
請求項1〜10の1項以上に記載のルーフボックス機構(1;101)を具備した折り畳み車椅子(15;115)の積載システム。
【請求項12】
前記巻上装置(4)が変位自在な支持体(5)を具備し,積み降ろしと関連して前記折り畳み車椅子(15)の位置が略垂直位置から離れる間の前記巻上操作の少なくとも一部に前記折り畳み車椅子(15)が前記支持体(5)に対して接触する請求項11記載の積載システム(1)。
【請求項13】
前記積載システムが制御盤(25)から調整される前記ルーフボックス機構(1)の下記機能の一以上を可能にする制御システムに連結される請求項11〜12記載の積載システム;
前記ルーフボックス機構(1)を開閉する機能,
前記ルーフボックスを開けると,左右に前記巻上装置(4)を回動する機能,
前記折り畳み車椅子(15)が前記保持具(6)に係合されると,前記車椅子(15)を昇降する機能。

【公表番号】特表2006−501100(P2006−501100A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541384(P2004−541384)
【出願日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001536
【国際公開番号】WO2004/030990
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505123929)
【Fターム(参考)】