説明

自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズル

【課題】 製造原価が安く、洗浄液の噴射量が均一で洗浄性能を向上させることができる自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを提供する。
【解決手段】
本発明は、自動車のフードパネル(200)またはカウルトップカバーに設けられ、洗浄液を供給するハウジング(1)、及び、前記ハウジング(1)と一体形成されてウインドシールドガラスに向かって前記洗浄液を供給するスプレーウォッシャーノズル(10)と、を含み、前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、前記洗浄液が流入して流動するノズル本体(100)と、前記ノズル本体(100)の一側に形成されて前記洗浄液を前記ノズル本体(100)に流入させる洗浄液流入部(110)と、前記洗浄液流入部(110)に対向する前記ノズル本体(100)の他側に形成されて前記洗浄液を噴射するメイン噴射部(120)と、を含んで構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルに係り、より詳しくは、洗浄液の噴射性能を向上させたウジング一体型スプレーウォッシャーノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用として好適なウォッシャーノズルは、短時間に少ない量の洗浄液を広い領域に噴射できることが必要である。このために多様な方式のウォッシャーノズルが開発されて用いられている。
【0003】
そのうち3方向噴射式(3 way spray type)ウォッシャーノズルは、ハウジングに別途のウォッシャーノズルを回動可能に結合させ、洗浄液を三つの方向に噴射する方式である。このような3方向噴射式ウォッシャーノズルの場合、製造原価が安く、噴射角度を調整することができる長所があるが、洗浄液の噴射量が不均一であることで洗浄性能が低下する短所がある。
【0004】
高級車両においては、洗浄性能を向上させるため二重スプレー式(2−layer spray type)ウォッシャーノズルが使用される。二重スプレーウォッシャーノズルは、ハウジングに別途のウォッシャーノズルを固定させ、洗浄液を二重に噴射する方式である。このような二重スプレーウォッシャーノズルの場合、洗浄液の噴射量が均一であり、噴射範囲が広いという長所があるが、噴射角度が調節できず製造原価が高いという短所がある。
【特許文献1】特開2004−050079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製造原価が安く、洗浄液の噴射量が均一で洗浄性能を向上させることができる自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、自動車のフードパネル(200)またはカウルトップカバーに設けられ、洗浄液を供給するハウジング(1)、及び、前記ハウジング(1)と一体形成されてウインドシールドガラスに向かって前記洗浄液を供給するスプレーウォッシャーノズル(10)と、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、前記洗浄液が流入して流動するノズル本体(100)と、前記ノズル本体(100)の一側に形成されて前記洗浄液を前記ノズル本体(100)に流入させる洗浄液流入部(110)と、前記洗浄液流入部(110)に対向する前記ノズル本体(100)の他側に形成されて前記洗浄液を噴射するメイン噴射部(120)と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0008】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、前記洗浄液流入部(110)と前記メイン噴射部(120)との間に半円状に形成されて前記洗浄液を前記ノズル本体(100)の両側に分岐させる分岐部(130)と、前記分岐部(130)及び前記ノズル本体(100)の両側面との間に形成されるサーブ噴射部(140)とをさらに含むことを特徴とする。
【0009】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、前記洗浄液流入部(110)と前記分岐部(130)との間に形成されて前記洗浄液を前記サーブ噴射部(140)に誘導する複数の第1誘導部(150)と、前記分岐部(130)と前記メイン噴射部(120)との間に形成されて前記サーブ噴射部(140)を通過した洗浄液を前記メイン噴射部(120)に誘導する第2誘導部(160)とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルは、ウォッシャーノズルとハウジングが一体形成されて構造が単純であるため、その製造が容易で、製造原価を低減できる効果がある。
また、洗浄液の噴射量が均一であり、既存の3方向噴射式に比べて噴射範囲が広く、洗浄性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明のハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを示した分解斜視図であり、図2は、本発明のハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを示した断面図であり、図3は、本発明のウォッシャーノズルを示した平面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明のスプレーウォッシャーノズル10は、自動車のフードパネル200に設けられて洗浄液タンクと連結されたホースを通じて洗浄液を供給するハウジング1と一体形成される。
【0014】
図3に示すように、スプレーウォッシャーノズル10は、複数の曲線部からなるノズル本体100の一側に洗浄液が流入する洗浄液流入部110が形成され、ノズル本体100の他側に洗浄液が噴射されるメイン噴射部120が形成される。
【0015】
また、ノズル本体100には、洗浄液を分岐させるため分岐部130及びサーブ噴射部140が形成され、これらの間に洗浄液の流れを案内する第1誘導部150及び第2誘導部160がそれぞれ形成される。
【0016】
洗浄液流入部110は、円状に形成され、ハウジング1を介して供給される洗浄液をノズル本体100に供給する。洗浄液流入部110が円状であることで、洗浄液がノズル本体100に均一に流動する。
【0017】
メイン噴射部120は、洗浄液流入部110に対向するノズル本体100の端部に形成され、その幅は、後述するサーブ噴射部140の幅より大きく形成される。しかしながら、二つのサーブ噴射部140の幅を合わせたものよりは多少小さく形成されるか、類似の幅を有するように形成される。これは、メイン噴射部120を介して噴射される洗浄液の噴射圧力及び噴射速度を維持するためである。
【0018】
分岐部130は、洗浄液流入部110とメイン噴射部120との間に形成されるが、洗浄液流入部110の方に湾曲した半円形状を有するように形成される。
また、分岐部130によって洗浄液の流れの一部が遮断され、分岐部130に衝突した洗浄液は分岐部130の形状に沿って分岐部130の両端の方に移動する。分岐部130とノズル本体100の両側面との間は、狭い流路を形成し、この部分で洗浄液の流動速度及び圧力が大きくなる。
【0019】
このように形成された狭い部分がサーブ噴射部140をなし、洗浄液が早い速度で噴射されるような効果を有する。このためノズル本体100は、分岐部130の方に行くほどその幅が細くなることが好ましい。
サーブ噴射部140を通過した洗浄液は、その速度及び圧力を維持したままメイン噴射部120に流入する。このようにメイン噴射部120に流入した洗浄液が自動車の全面ウインドシールドガラスに噴射されて洗浄される。
【0020】
一方、洗浄液流入部110と分岐部130との間及び分岐部130とメイン噴射部120との間には、それぞれ第1誘導部150と第2誘導部160とが形成される。
また、第1誘導部150は、2つ備えられ、断面が楕円形状を有する。第1 誘導部150は、洗浄液流入部110の両側に傾くように形成され、洗浄液流入部110を介して流入した洗浄液をノズル本体100の両側に誘導する役割を有する。
【0021】
また、第2誘導部160は、断面が円形になるように形成され、サーブ噴射部140を通過した洗浄液の流れを遮断しない位置に形成されることが好ましい。 第2誘導部160は、洗浄液がその速度及び圧力を維持した状態でメイン噴射部120に流入するようにその流れを誘導する。第2誘導部160を形成した方が形成しない場合より洗浄液の速度及び圧力を維持することに有効である。
【0022】
洗浄液流入部110を介して流入した洗浄液は、第1誘導部150及び分岐部130によってノズル本体100の両側に流動する。幅の狭いサーブ噴射部140を経由しながら、洗浄液の流動速度及び圧力が早くなる。洗浄液は、第2 誘導部160によって流動速度及び圧力を維持したままメイン噴射部120に流動してスプレーウォッシャーノズル10の外部に噴射される。
【0023】
洗浄液の流動速度及び圧力が早くなった状態で噴射されるので、既存の3方向噴射式に比べて噴射範囲が広く洗浄性能が向上する。また、洗浄液の噴射量が均一であるという長所がある。
このように、本発明のスプレーウォッシャーノズル10は、ハウジング1と一体形成されているので、従来のウォッシャーノズルに比べてその構成が簡単であり、製造原価を低減することができる。
【0024】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを示した分解斜視図である。
【図2】本発明のハウジング一体型スプレーウォッシャーノズルを示した断面図である。
【図3】本発明のウォッシャーノズルを示した平面図である。
【符号の説明】
【0026】
1ハウジング
10スプレーウォッシャーノズル
100ノズル本体
110洗浄液流入部
120メイン噴射部
130分岐部
140サーブ噴射部
150第1誘導部
160第2誘導部
200フードパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフードパネル(200)またはカウルトップカバーに設けられ、洗浄液を供給するハウジング(1)、及び、
前記ハウジング(1)と一体形成されてウインドシールドガラスに向かって前記洗浄液を供給するスプレーウォッシャーノズル(10)と、
を含むことを特徴とする自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズル。
【請求項2】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、
前記洗浄液が流入して流動するノズル本体(100)と、
前記ノズル本体(100)の一側に形成されて前記洗浄液を前記ノズル本体(100)に流入させる洗浄液流入部(110)と、
前記洗浄液流入部(110)に対向する前記ノズル本体(100)の他側に形成されて前記洗浄液を噴射するメイン噴射部(120)と、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズル。
【請求項3】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、
前記洗浄液流入部(110)と前記メイン噴射部(120)との間に半円状に形成されて前記洗浄液を前記ノズル本体(100)の両側に分岐させる分岐部(130)と、
前記分岐部(130)及び前記ノズル本体(100)の両側面との間に形成されるサーブ噴射部(140)とをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズル。
【請求項4】
前記スプレーウォッシャーノズル(10)は、
前記洗浄液流入部(110)と前記分岐部(130)との間に形成されて前記洗浄液を前記サーブ噴射部(140)に誘導する複数の第1誘導部(150)と、
前記分岐部(130)と前記メイン噴射部(120)との間に形成されて前記サーブ噴射部(140)を通過した洗浄液を前記メイン噴射部(120)に誘導する第2誘導部(160)とをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の自動車用ハウジング一体型スプレーウォッシャーノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−150012(P2008−150012A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13035(P2007−13035)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】