説明

自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法

【課題】 自動車の外観構造でセンタピラーは前後ドアのサッシで覆うことによって、外部からは見えないようになっているが、フロントピラーやリヤピラーは従来から独立した外観の一部としてデザインされており、自動車の空気抵抗や風切り音を低減する上で支障となっている。
【解決手段】 上述の目的を達成する本発明の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法は、従来の自動車のフロントピラーやリヤピラーが独立して存在していたところにまでフロントウィンドウ、リヤウィンドウを回りこませ、側面のドアサッシやドアウィンドウとの段差を極力少なくして、走行中の自動車の空気の流れをスムースに行い空気抵抗や風切り音をより低減させたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントやリヤに用いられるウィンドウの取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の外観構造は図3及び図4に示すようなフロントピラー及びリヤピラーが独立してデザインされ、そこにフロントウィンドウ、リヤウィンドウ及び前後ドアが取付けられている。一方で、自動車の構造においてこれらのピラーは強度部材であり決して欠かせないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動車の外観構造でセンタピラーは、前後ドアのサッシで覆うことによって外面からは見えないようになっているが、フロントピラーやリヤピラーは従来から独立して外観の一部としてデザインされており、走行中の自動車の空気抵抗や風切り音を低減するうえで支障となっている。
【0004】
近年自動車の燃料消費低減が叫ばれており、外観のデザインにおいては自動車の空気抵抗を下げることが必要条件であり、そのためにはフロントウィンドウに当たった空気をルーフ上や両サイド面に空気の流れを乱すことなく、スムースに流すことが必要アイテムである。
【0005】
そのためには、近年一つの方法としてドアのサッシ部とドアウィンドウの段差を極力少なくするようなデザインが多くなってきている。
【0006】
同様にフロントピラーやリヤピラーが独立しているような従来の自動車のデザインでは、フロントピラーとフロントウィンドウ、リヤピラーとリヤウィンドウとの間の段差や空気の流れを阻害するような形状のピラーがあると、空気の流れが乱れて空気抵抗となり得る。また、風切り音の原因にもなり得る。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて成されたもので、その目的は、自動車の更なる空気抵抗と風切り音を減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成する本発明の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法は、従来の自動車のフロントピラーやリヤピラーのところにまでフロントウィンドウ、リヤウィンドウを回りこませて、空気の流れを阻害する要因を除き、更に側面のドアサッシやドアウィンドウとの段差を極力少なくして、走行中の自動車の空気の流れをスムースに行い、空気抵抗や風切り音をより低減させたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、走行中の自動車の空気抵抗を更に減少し、走行性能、燃料消費量及び風切り音の改善を図ることに極めて有効である。また、自動車の外観においてもピラーの存在を隠すことができるようになってスッキリさせることができるため、自動車のデザインについても更に自由度を増すのに極めて有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1に本発明の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法についての側面図、図2にその平面図、図3は従来の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法についての側面図、図4はその平面図である。
【0012】
図1、図2に示すように、フロントウィンドウ1の両サイドがフロントピラー5を覆うまで曲げることにより、フロントピラー5の上にフロントウィンドウ1を重ね、ウェザストリップ(図示なし)と共に接着剤等で固定する。この時、フロントウィンドウ1のサイド表面はフロントドア8のドアサッシ2と同一高さにして、段差をなくすようにする。
【0013】
同様に、リヤウィンドウ4についてもリヤピラー6を覆い隠すようにリヤウィンドウ4の両サイドを曲げて、リヤピラー6上に重ねウェザストリップ(図示なし)と共に接着剤等で固定する。この時、リヤウィンドウ4のサイド表面はリヤドア9のドアサッシ3と同一高さにし、段差をなくすようにする。
【0014】
また、フロントウィンドウ1とフロントピラー5、リヤウィンドウ4とリヤピラー6との重ねた部分は、ピラーが見えないようにウィンドウにスモークを付けて中のピラーの存在を隠し外観をすっきりとさせる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は自動車用ガラス及び自動車を製造、販売する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 本発明の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法についての側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 従来の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法についての側面図である。
【図4】 図3の平面図である。
【符号の説明】
1:フロントウィンドウ
2:フロントドアサッシ
3:リヤドアサッシ
4:リヤウィンドウ
5:フロントピラー
6:リヤピラー
7:ルーフ
8:フロントドア
9:リヤドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の構造上の強度を確保するためのフロントピラー及びリヤピラーは、従来外観上独立してデザインされていたが、フロントウィンドウ、リヤウィンドウの両サイドを曲げてフロントピラー及びリヤピラーを覆い隠すまで延ばすことによって取り付けたことを特徴とする自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法。
【請求項2】
請求項1記載の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法において、フロントウィンドウ及びリヤウィンドウの最表面が、該ウィンドウと隣り合うフロントドア及びリヤドアのサッシ部の最表面がほぼ同一高さにあって、段差を極力少なくしたことを特徴とする自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法。
【請求項3】
請求項1記載の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法において、フロントピラー及びリヤピラーを覆い隠す部分(ピラーとウィンドウとの重なり部分)のフロントウィンドウ及びリヤウィンドウにスモークを付けてフロント、リヤピラーの存在を覆い隠したことを特徴とする自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法。
【請求項4】
請求項1記載の自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法において、フロントウィンドウのサイドエンドとフロントドアサッシの段差及びリヤウィンドウのサイドエンドとリヤドアサッシの段差を極力小さくしたことにより、自動車が走行中にフロントウィンドウに受けた空気の流れをドアサイドからリヤウィンドウ方向に空気の流れを乱すことなく流すことによって、自動車の空気抵抗や風切り音を更に低減することができることを特徴とする自動車用フロントウィンドウ、リヤウィンドウの取付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−189285(P2008−189285A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52012(P2007−52012)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(506313224)
【出願人】(506313235)
【出願人】(506312582)
【出願人】(506312593)
【Fターム(参考)】