説明

自動車車軸成分と自動車車軸成分を製造する方法

【課題】負荷作用と寿命予期を含むこの種の自動車車軸成分を改良し、並びにそのような自動車車軸成分を製造する方法を提供する。
【解決手段】自動車車軸成分、例えば連結連接棒車軸は、軽金属鋳物から成る縦連接棒の形態の軽金属体5と鋼管の形態の管体2とを包含し、互いに接着技術的に結合されていて、管体2の端部3と軽金属体5、6の円筒状収容部12との間に接着剤Kが充填されている一つの接着剤ポケットが形成されている。収容部12の自由端には一つの削面が設けられている。管体2の削面と隣接壁の間の空間が接着剤Kにより充填されている。管体2の自由端3、4には一つの削面が設けられていて、削面と軽金属体5、6の隣接壁の間の空間が接着剤Kにより充填されている。接着剤Kにより継合せ地帯の内外移行領域の密封によって継合せ地帯が腐食から保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに接着技術的に結合されている軽金属体と管体とを包含し、管体の一端と軽金属体の円筒状収容部との間に接着剤が充填されている接着剤ポケットが形成されていて、自動車車軸成分とそのような自動車車軸成分を製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
結合滑り棒車軸の形態のこの種の自動車車軸成分は、欧州特許第1036680号明細書(特許文献1)によって先行技術に数えられる。このような結合連接棒車軸は自動車車軸成分の領域において得られた軽構造を考慮して技術革新であって高い開発ポテンシャルを見込まれる。
【0003】
ドイツ実用新案第20309455号明細書(特許文献2)は、横支持体並びに前後連接棒半部が別体の結合要素によって連結されている自動車の後部車輪懸架用の連接棒軸を記載する。構成部材と結合要素の継ぎ合せは溶接或いは付着によって実施され得る。
【0004】
先行技術には、さらに、管材料から成る連接棒を記載するドイツ特許出願公開第19520520号明細書(特許文献3)が数えられる。このために、保持体要素には、軸方向突起が形成されていて、その突起により保持体要素が連接棒の収容開口に導入され、分離可能に或いは連接棒の自由端と分離なしに結合されている。不分離な結合を製造するために、軸方向突起が連接棒に付着されているか、或いは連接棒と溶接されている。
【0005】
車軸成分の継ぎ合せ地帯は運転中に高い静圧動圧負荷を受ける。これは、構成部材が異なった工作材から成る車軸成分の継ぎ合せ地帯に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1036680号明細書
【特許文献2】ドイツ実用新案第20309455号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第19520520号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の課題は、先行技術から出発して、負荷作用と寿命予期を含むこの種の自動車車軸成分を改良し、並びにそのような自動車車軸成分を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の対象部分の解決策は、請求項1の特徴事項を備える自動車車軸成分にある。
【0009】
その後に、軽金属体の収容部の自由端には削面が設けられていて、削面と管体の隣接壁の間の空間が接着剤で充填されていることが企図されている。さらに、管体の自由端には削面が設けられていて、管体の端部の削面と軽金属体の隣接壁の間の空間が接着剤で充填されている。
【0010】
継合せ地帯と継合せ地帯の内外移行領域の的確な密封とのこの発明による構成によって、継合せ地帯が腐食から保護されている。これによって、自動車車軸成分の負荷作用が改良され、寿命が向上される。特に不均一金属材料対では、つまり、軽金属体と鋼製管体との間の結合では、軽金属と鋼との間の接触領域が接着剤によって封されるので、接触腐食が回避され得る。
【0011】
接着剤として一或いは二成分接着剤が使用され、特にエポキシド樹脂が使用される。接着剤が熱硬化するか、或いは冷間硬化する。
【0012】
この発明による自動車車軸成分の好ましい構成と再現態様が従属請求項2乃至13の対象である。
【0013】
この発明による幾何学的構成は、削面を収容部の自由端並びに管体の自由端に備えている。この削面は直線に或いは彎曲的に延びている傾斜面によって形成され得る。
【0014】
自動車車軸成分の構成に応じて、削面が管体の自由端の内周に設けられている。さらに、削面が管体の自由端の外周に配置されている。
【0015】
同様に、収容部の自由端の削面が収容部の内周に収容部の外周に設けられている。
【0016】
特に、管体の自由端の削面が管体の前面に対して30°と60°の角度に延びている。
【0017】
収容部の自由端の削面が収容部の前面に関して20°と60°の角度に延びている。
【0018】
軽金属構成部材、例えば縦連接棒では、特に鋳型部材が重要である。特に、軽金属体はアルミニュウム、アルミニュウム合金或いはマグネシウム、或いはマグネシウム合金から成る。
【0019】
管構成部材は特に鋼から成る。特に鋼管は管構成部材として使用される。少なくとも部分的に例えば炭素繊維によって繊維補強されている管構成部材も可能である。管構成部材は繊維補強された合成樹脂或いは繊維合成樹脂結合体(FKV)から成る。管構成部材が被覆されていないか、或いは被覆されている、例えば普遍的浸漬ラッカー塗布を備えている。
【0020】
この発明は、異なった工作材から成る管体と軽金属体との間に接着技術的に結合を可能とする。この場合には、継合せ地帯の幾何学的構成によって縦プレス座が達成されて、移行地帯に最適腐食保護を有する。
【0021】
結合箇所は好ましくは丸く或いは楕円に形成される。軽金属体の収容部が特に管体の自由端を受けるジャーナルとして形成されている。好ましくは、ジャーナルは管体の端部に挿入され得るか、或いは管体の自由端を外方に包囲し得る。
【0022】
削面と接着剤ポケットを製造する軽金属体と管体の加工は、好ましくは、屑出し或いは屑除去して行われる。この場合には、接着剤ポケットが好ましくは、循環する環状溝によって収容部に形成される。接着剤ポケットの深さが0.2mmから1.0mmまで間にあり、特にポケットは0.5mmの深さを有する。
【0023】
軽金属体の継合せ面が表面処理の継合せ前に、特に不動態にされていた。これは、同様に腐食保護に役立ち、接着剤結合の耐久性を向上させる。不動態は適した不動態溶液の塗布によって行われる。この場合には、転換層(不動態層)が生じて、不動態溶液と基本工作材の酸化物から成る。不動態層は均一に且つ輪郭高価に軽金属体の継合せ面上に形成される。不動態層の層厚は1μm以内にある。
【0024】
表面前処理はプラズマ技術によって行われ、特に大気圧プラズマ前処理によって行われ得る。活性化によって後の継合せ地帯の領域における接着剤の付着が明確に向上される。
【0025】
課題の方法による部分の解決策は、請求項14による自動車車軸成分を製造する方向である。
【0026】
この発明による方法は、次の措置:
・管体を準備して管体の自由端に削面を製造し;
・円筒状収容部を軽金属体に準備して収容部の自由端に削面を製造し;
・加工ステーションに軽金属体を受け取り;
・加工ステーションに管体を供給し;
・収容部或いは管体の端部の少なくとも一方に接着剤を塗布し;
・収容部と管体の端部を加工ステーションに一緒に案内し;
・自動車車軸成分を加工ステーションから取り出すことを包含する。
【0027】
この発明による方法は、合理的であり、量的に高品質の自動車車軸成分の経済的製造を可能とし、構成部材が少なくとも二つの異なった工作材から成り、互いに接着技術的に継合せられる。
【0028】
従属請求項15乃至21はこの発明による方法の好ましい構成に関する。
【0029】
管体の収容部或いは端部への接着剤塗布が完全自動的に加工ステーションで行われる。このために、加工ステーションは少なくとも一つの接着剤塗布装置を有し、この接着剤塗布装置が加工ステーションの横木に沿って移行でき、加工ステーションの両面が用いられ得る。加工ステーションが各面で接着剤塗布装置を有するので、接着剤塗布装置の方法は必要としない。これは、特に周期、保守などを含めて利点である。
【0030】
既に説明されるように、接着剤の付着を向上させるために、少なくとも軽金属体の継合せ面が接着剤塗布前に表面前処理を受けられ、特に不動態或いは不動態溶液による活性化、防腐剤過程或いはプラズマ処理を受けられる。
【0031】
管体の端部が軽金属体の収容部に押し込まれる前に、管内径の測定が行われ得る。
【0032】
収容部は軽金属体から突き出すジャーナルとして構成されている。特に軽金属体は接着剤印加或いは塗布の際に回転して移動される。この場合には、接着剤が収容部の継合せ地帯の領域に塗布される。
【0033】
接着剤塗布後に管体の収容部と端部が加工ステーションに一緒に案内される。特に、管体の端部が収容部に押し込まれる。この場合には、縦プレス座が生じる。余分の接着剤が管体の収容部と端部の一緒の案内後に的確に取り除かれる。
【0034】
特に、接着剤ポケットが接着剤で充填されていて、しかも、接着剤の一部が互いに移動自在に、或いは管構成部材の収容部と端部を構成部材の端位置にまで移動されて、ここで管体の収容部の削面と隣接した側壁の間の空間並びに管体の自由端の削面と軽金属体の隣接した側壁の間の空間が接着剤で充填されるので、接着密封機能を満たすような量で充填されている。
【0035】
好ましくは、管体の端部がブロックに受けて移行される、即ち管体が軽金属体の前側設備にまで移動される。接着剤のこの発明による塗布と利用される接着剤量によって、しかし、管構成部材を遠隔制御されてプレスすることを可能とするので、管体の前面の完全でない設備が軽金属体の対向位置する前面に可能である。これによって、管体と軽金属体の間の移行領域において腐食或いは不機密性を含む損失が生じない。
【0036】
接着剤の硬化は、自動車車軸成分が加工ステーションから取り除かれる前に、例えば誘導迅速硬化によって加工ステーションで行われる。合理的には、接着剤の硬化が自動車車軸成分の加工ステーションからの取除き後にも行われる。これは、特に自動車車軸成分の表面被膜過程で行われ、例えば普遍的浸漬ラッカー塗布中に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
この発明は、次に図面に基づいて詳細に記載されている。
【図1】結合連接棒或いは連結連接棒車軸の形態のこの発明による自動車車軸成分の平面図を示す。
【図2】管体の自由端を垂直断面で示す。
【図3】管体の端部の三つの実施態様の内の一つの態様を垂直断面で示す。
【図4】管体の端部の三つの実施態様の内の他の態様を垂直断面で示す。
【図5】管体の端部の三つの実施態様の内の別の態様を垂直断面で示す。
【図6】軽金属体の収容部の表示を備える軽金属体の断面を示す。
【図7】図6の表示を詳細に示す。
【図8】軽金属体と管体の端部の間の継合せ領域を示す。
【図9】自動車車軸成分を製造する設備を技術的に簡略化して示す。
【図10】自動車車軸成分を製造する際の経過概略を示す。
【図11】図9の表示に類似して接着剤塗布中に図6の表示による軽金属体の収容部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、結合連接棒或いは連結連接棒車軸1の形態のこの発明による自動車車軸成分を示す。
【0039】
連結滑り棒車軸1は、ねじれ形状として作用して、鋼から成る管体2を有し、管体の両端部3、4にはそれぞれ一つの軽金属体5、6が接着技術的に継合せられている。軽金属体5、6は軽金属鋳物、特にアルミニュウム鋳物、或いはマグネシウム鋳物から成り、連結連接棒車軸1の車輪案内する縦連接棒を形成する。管構成部材2は繊維補強され得て、例えば炭素繊維によって或いは繊維合成樹脂結合物から成る。
【0040】
軽金属体5、6或いは縦連接棒は彎曲された縦輪郭断面を有し、その前縦部分7にはサイレント軸受を組み立てる軸受ブッシュ8が設けられていて、その後縦部分9には車輪保持体10とばね脚支持体11が配置されている。
【0041】
前後縦部分7と9間の移行領域には、各軽金属体5、6に一部材で円筒状収容部12がジャーナルの形態で形成されている。
【0042】
管体2と軽金属体5、6の間の結合は収容部12によって行われ、収容部には管体2のそれぞれ一つの端部3、4が挿入されて接着技術的に継合せられる。接着剤Kとして一或いは二成分接着剤が使用される、特にエポキシド樹脂接着剤が使用される。
【0043】
図6乃至8によって、収容部12には接着剤ポケット13が設けられていて、接着剤Kを充填されることが明確になる。接着剤ポケット13は循環する溝14として収容部12の外周に形成されている。接着剤ポケット13の深さdkが0.2mmと1mmの間にある。特に接着剤ポケット13が0.5mmの深さを有する。接着剤ポケット13の軸方向長さyは負荷の種類と大きさに適合して結合領域に敷設されている。接着剤ポケット13が収容部12の自由端16における突起15と収容部12の内側に位置する端部18における突起17によって形成されている。
【0044】
図2乃至5は、管体2の一つの自由端3或いは4の四つの異なった実施態様を示す。すべての実施態様は、管体2の自由端3或いは4には、一つの削面19、20が設けられている。
【0045】
図2による端部3或いは4の構成には、削面19が管体2の外周に設けられている。削面19は傾斜されて循環する面によって形成されて、管体2の前面21に対して30°と60°の間の角度αをなす。前面21の幅はbで示されている。実際には、0.5mmと1.0mmの間の幅bから出発すべきである。図2には、さらに、dj により管構成部材2の内径が示されている。
【0046】
管体2の図3に図示された自由端3、4には、管体2の内周に並びに管体2の外周に一つの削面19、20が斜面の形態に配置されている。
【0047】
図4による管体2の端部3、4は内周に削面20を有する。
【0048】
図5で明らかであるように、自由端3或いは4は内周や外周に一つの削面19、20を有し、その削面がそれぞれに一つの彎曲されて延びる面によって形成されている。
【0049】
図6と7によると、収容部12の自由端16にも一つの削面22が構成されていることが認められる。ここに図示された実施例では、削面22は収容部12の自由端16の外周における斜面によって構成されている。βによって収容部12の前面23に対する削面22の角度が示されている。角度βは、20°と60°の間にあり、特におよそ30°である。
【0050】
削面22として管体2の自由端3、4における削面19、20並びに収容部12における接着剤ポケット13は適切な前構成部材或いは中間構成部材の屑出し加工によって形成されていた。
【0051】
図8は管構成部材2と軽金属体5、6の間の結合領域を示す。管構成部材2は自由端3、4により収容部12に押し込まれて、接着剤Kによって継合せられる。人は、接着剤ポケット13が完全に接着剤Kにより充填されることを認識する。さらに、収容部12の自由端16における削面22と管体2の隣接壁25の間の空間24が接着剤Kによって充填されている。同様に、管体2の自由端3、4における削面19、20と軽金属体5、6の隣接壁27の間の空間26が接着剤Kによって充填されている。これによって、管体2の自由端3、4と軽金属体5、6の収容部12の間の継合せが達成される。図8によると、さらに、接着剤Kが管体2の自由端3、4の外周と軽金属体5、6の間のスパンドレル28に設けられていることが明らかである。全体に継合せ地帯の内外移行領域が接着剤Kによって密封されて、腐食から保護される。これは、特に異なった工作材の背景の前にかなり重要である。
【0052】
図9と10は加工ステーション29の設備概念と自動車車軸成分の製造の際の経過概略を示す。
【0053】
加工ステーション29は、図9と10で明らかであるように、実質的に二つの横支柱30、31を包含し、これらの上端32の間に高く移動可能な(矢印P1)横木33が挿入されている。各支柱30、31には、軽金属体5、6を収容する固定ユニット34が設けられている。固定ユニット34が矢印P2により回転可能に支承されて、圧力ユニット35によって矢印P3により軸方向に移動でき、逆にも移動できる。
【0054】
横木33には、ノズル37を備える接着剤塗布装置36が縦に移動可能に配置されている。移動性は矢印P4により説明される。基本的には、当然に加工ステーション29の各側面に接着剤塗布装置36が設けられている。接着剤塗布装置36の移動は必要ではない。これは、特に周期を含めて利点である。
【0055】
さらに、管体2を供給する搬送装置38を確認する。搬送装置38では、特にロールコンベアが使用される。
【0056】
自動車車軸成分1を製造するために、軽金属体5、6が準備されている。図10では、M1とM2により予め準備された軽金属体5、6を備えるマガジンが示されている。軽金属体5、6は中空円筒状収容部12を有し、自由端16には削面22が図6乃至8の表示に一致して屑出しで製造されている。さらに、軽金属体5、6は、同様に図6乃至8によって認識するように、接着剤ポケット13を有する。
【0057】
管体2がマガジンM3に貯蔵されている。管体2は鋼から成り、被覆されていないか、或いは被覆され得る。管体2の自由端3、4が屑出しで加工されて、図2乃至5により説明されるように、一つの削面19、20を備えている。
【0058】
軽金属体5、6はロボット39によって受け取られそれぞれに左右に固定ユニット34に位置決めされる。この過程は矢印Z1とZ2によって説明される。固定ユニット34に位置決めされると、接着剤Kが収容部12に塗布される。これは接着剤塗布装置36によって行われる。ここに図示された実施例では、図10と同様に図9の左像半部で明らかであるように、先ず最初に軽金属体5に接着剤塗布が行われる。引き続いて、接着剤塗布装置36が横木33に沿って像方向に右へ移動されて、接着剤Kを第二軽金属体6の収容部12に塗布される。接着剤塗布中に軽金属体5、6は固定ユニット34によって軸線Hを中心に回転して移動されるので、接着剤ポケット13の周辺に分布された均一な接着剤塗布が行われる。
【0059】
接着剤塗布を補充的に説明するために、図11に示唆されている。図11は接着剤Kの塗布中に軽金属体5、6を示し、軽金属体5、6が回転して移動される。回転は矢印P2により説明される。接着剤Kは面ノズル37によって面キャタピラーとして収容部12に塗布され、この場合には、削面22、突起15と接着剤ポケット13の一部を備える自由端16が接着剤Kにより覆われる。接着剤Kの量は、接着剤Kが収容部12に管構成部材2の一端3、4を押し込まれる際に分離可能な結合を製造し、接着剤ポケット13を充填させ、図8に図示されるように、空間24と空間26並びにスパンドレル28を密封するように測定される。
【0060】
管体2は、マニピュレータによってマガジンM3から取り出されて、搬送装置38によって加工ステーション29に引き渡され、矢印Z3、Z4によって説明される。周期制御されて、管体2は加工ステーション29に位置決めされ、接着剤Kを備えた軽金属体5、6が圧力作用によって圧力ユニット35を介して軸方向に移動されて、収容部12を管体2の自由端3、4に押し込まれる。
【0061】
継合せた自動車車軸成分1は取り出され(矢印Z5)、再加工或いは他の使用に供給される。
【0062】
接着結合の製造の前に管体2の端部3、4の内径di の測定が実施される。
【0063】
軽金属体5、6の継合せ面或いは軽金属体5、6における収容部12は接着剤塗布前に表面前処理を受けられ得る。特にこの場合には、通過が考慮されていて、薄く孔なし酸化カバー層が形成されている。
【0064】
軽金属体5、6の収容部12に管体2の端部3、4を押し込まれる際に、継合せ地帯が接着剤Kにより濡らされ、この場合には、接着剤ポケット13の傍で収容部12の自由端16における削面22と管体2の隣接壁25の間の空間24並びに管体2の端部3、4における削面19、20と軽金属体5、6の隣接壁27の間の空間26が接着剤Kにより充填される。余分の接着剤は除去される。使用の場合或いは製品に応じて、接着剤が構成部材に残留する。
【0065】
接着剤Kの硬化は、場合によっては、加工ステーション29でも行われる。けれども、自動車車軸成分1が取り出された後に特に接着剤Kの硬化が加工ステーション29の外部で行われる。硬化は自動車車軸成分1の表面被膜の経過で行われ、例えば普遍的に浸漬ラッカー塗布中に行われる。
【0066】
異なった工作材から成る軽金属体5、6と管体2の間のかなり安定で、長時間耐久性のある接着結合が生じる。継合せ地帯の内外移行領域は接着剤Kによって密封されて、腐食から保護されている。
【符号の説明】
【0067】
1.....連結連接棒車軸
2.....管体
3.....管体の端部
4.....管体の端部
5.....軽金属体
6.....軽金属体
7.....軽金属体の前縦部分
8.....軸受ブッシュ
9.....軽金属体の後縦部分
10.....車輪保持体
11.....ばね脚支持体
12.....円筒状収容部
13.....接着剤ポケット
14.....溝
15.....突起
16.....収容部の内側に位置する端部
17.....突起
18.....収容部の内側に位置する端部
19.....削面
20.....削面
21.....管体の前面
22.....削面
23.....管体の前面
24.....空間
25.....管体の壁
26.....空間
27.....軽金属体の壁
28.....スパンドレル
29.....加工ステーション
30.....支柱
31.....支柱
32.....支柱の上端
33.....横木
34.....固定ユニット
35.....圧力ユニット
36.....接着剤塗布装置
37.....ノズル
38.....搬送装置
39.....ロボット

b.....前面の幅
i ....管体の内径
dk.....接着剤ポケットの深さ
H.....軸線
K.....接着剤
M1.....マガジン
M2.....マガジン
M3.....マガジン
y.....接着剤ポケットの長さ
α.....角度
β.....角度
P1〜P4....矢印
Z1〜Z5....矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接着技術的に結合されている一つの軽金属体(5、6)と一つの管体(2)とを包含し、管体(2)の一端(3、4)と軽金属体(5、6)の円筒状収容部(12)との間に接着剤(K)が充填されている一つの接着剤ポケット(13)が形成されていて、自動車車軸成分において、収容部(12)の自由端(16)には一つの削面(22)が設けられていて、管体(2)の削面(22)と隣接壁(25)の間の空間(24)が接着剤(K)により充填されており、並びに管体(2)の自由端(3、4)には一つの削面(19、20)が設けられていて、削面(19、20)と軽金属体(5、6)の隣接壁(27)の間の空間(26)が接着剤(K)により充填されていることを特徴とする自動車車軸成分。
【請求項2】
管体(2)の自由端(3、4)における削面(20)が管体(2)の内周に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車車軸成分。
【請求項3】
管体(2)の自由端(3、4)における削面(19)が管体(2)の外周に設けられていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の自動車車軸成分。
【請求項4】
収容部(12)の自由端(16)における削面(22)が収容部(12)の外周に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項5】
収容部の自由端における削面が収容部の内周に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項6】
管体(2)の自由端(3、4)における削面(19、20)が管体(2)の前面(21)に対して30°と60°の間の角度(α)に延びていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項7】
収容部(12)の自由端(16)における削面(22)が収容部(12)の前面(23)に対して20°と60°の間の角度(β)に延びていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項8】
接着剤ポケット(13)が環状溝(14)によって収容部(12)に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項9】
管体(2)が鋼から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項10】
管体(2)が繊維補強されていて、特に繊維補強された合成樹脂から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項11】
軽金属体(5、6)はアルミニュウム或いはアルミニュウム合金から成ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項12】
軽金属体(5、6)はマグネシウム或いはマグネシウムから成ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項13】
軽金属体(5、6)における継合せ面が不動態にされることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の自動車車軸成分。
【請求項14】
次の工程を包含する自動車車軸成分(1)を製造する方法において、
・管体(2)を準備して管体(2)の自由端(3、4)に削面(19、20)を製造し;
・円筒状収容部(12)を軽金属体(5、6)に準備して収容部(12)の自由端(16)に削面(22)を製造し;
・加工ステーション(29)に軽金属体(5、6)を受け取り;
・加工ステーション(29)に管体(2)を供給し;
・収容部(12)或いは管体(2)の端部(3、4)の少なくとも一方に接着剤(K)を塗布し;
・収容部(12)と管体(2)の端部(3、4)を加工ステーション(29)に一緒に案内し;
・自動車車軸成分(1)を加工ステーション(29)から取り出す
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
軽金属体(5、6)の少なくとも継合せ面が接着剤塗布前に表面前処理を受けることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
収容部(12)と管体(2)の端部(3、4)との一緒の案内前に管体(2)の端部(3、4)の内径(di )の測定が実施されることを特徴とする請求項14或いは15に記載の方法。
【請求項17】
軽金属体(5、6)が接着剤(K)の塗布の際に回転して移動されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
過剰の接着剤が収容部(12)と管体(2)の端部(3、4)との一緒の案内後に取り除かれることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
接着剤(K)が加工ステーション(29)から自動車車軸成分(1)を取り出す前に硬化されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
接着剤(K)が加工ステーション(29)から自動車車軸成分(1)を取り出す後に硬化されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
自動車車軸成分(1)が表面被膜、特に普遍的浸漬ラッカー塗布(KTL)を備えていることを特徴とする請求項14乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
接着剤(K)が表面被膜過程中に硬化されることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−42359(P2011−42359A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179916(P2010−179916)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】