説明

自動車面材の取付け方法

本発明は、自動車の面材(10)の取付け方法に関し、前記自動車の面材(10)は、下方構造要素(20)に取付けるための、自動車の内側に延びた基本的に水平のスポイラー(18)を備える。本発明は、スポイラー(18)の各端部(22)に、車両の内部に向かって配向したスプリングタブ(24)を備えることを特徴とする。本発明によれば、少なくとも1つの装着位置(28)と少なくとも1つの取付けラック(30)が各スプリングタブに設けられ、これにより面材(10)が、ラック(30)が下方構造要素(20)の一面に位置する、車両の外側の初期の取付け前位置から、ラック(30)が下方構造要素(20)の反対の面に位置する、最終取付け位置に向かって内側に、基本的に縦方向の経路に沿って動くことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、車両の内側に向かって延び、おおむね水平に配向した、下方構造要素上に取付けられるディフレクタを備える、自動車バンパーの取付け方法に関する。
【0002】
バンパーはほとんどの場合、垂直位置決め手段を使用して、通常車両の最前部から後部へ取付けられる。バンパーの下方部分は、取付けの際にバンパーが、バンパーの下方部分が構造要素に装着可能となる位置を占めるまで、構造要素に沿って摺動するディフレクタを備える。しかし、バンパーが問題なく迅速に動くようにしなければならない。従ってディフレクタが、取付けの際に車両の一要素に引っかかる可能性のある突出した部分を含むと、この作業が更にやりにくくなる可能性がある。この結果、バンパーを間違った位置に置き、作業をやり直すというリスクが生じる。突出した部分は、車両の一要素を損傷する可能性もある。これらすべての要因は従って、時間を無駄にし、更なるコストがかさむというリスクを伴う。
【0003】
これらの欠点を解決するため、本発明の目的は、バンパーの簡単で迅速な、また信頼性のある取付けを可能にする方法である。
【0004】
このため本発明は、ディフレクタがその各端部に、車両の内側に向かって配向した弾性タブを備え、前記タブ上には、ランプが下方構造要素の一面に位置する取付け前の初期位置から、ランプが下方構造要素の反対の面に位置する取付け後の最終位置まで、車両の外側から内側に向かうほぼ縦方向の経路に沿ってバンパーが通ることが可能なように、少なくとも1つの装着スタッドと少なくとも1つの取付けランプが形成されていることを特徴とする、上述したタイプの自動車バンパーの取付け方法を提案する。
【0005】
本発明の別の特徴によれば、
− バンパーを取付ける際に、
− バンパーの上方部分が垂直位置決め手段に沿って動くと同時に、
− まず第1に、下方構造要素の端部に沿ってランプが摺動し、そして第2に、弾性タブの影響下において、ランプが自動的に下方構造要素の反対の面に再び上昇するまで、ランプの頂部が、下方構造要素の下方壁に沿って動く。
− ランプの頂部が平面領域によって延びている。
− 装着スタッドが、ランプ及び、タブとディフレクタとの接合領域の間に位置する。
− 装着スタッドが、ランプと平面領域の間に位置する。
− ランプと装着スタッドが、バンパーを取付ける際に、装着スタッドが下方構造要素の端部に阻止されることなく、下方構造要素に当接して摺動可能であるように構成されている。
− ランプが、縦リブ形状である。
− 装着スタッドは、ホイールウェルシールドを装着するためである。
− バンパーの上方部分の垂直位置決め手段が、上方構造要素によって形成されている。
− バンパーの上方部分の垂直位置決め手段が、フェンダーサポートにより形成されている。
− バンパーを装着する手段が、下方構造要素に設けられている。
【0006】
本発明の別の特徴及び利点は、添付の図を参照し、自動車バンパーの取付け方法の実施形態の説明を読むことにより明らかとなる。
下記の説明においては、図1〜3における参照構造体L、V、Tに示されるように、縦、垂直、横方向に配向した限定しない実施例を用いる。
【実施例】
【0007】
図1に示すように、車両(図示せず)の最前部に取付けるバンパー10は両側に、バンパー10が取付け位置にある時に車両本体(図示せず)を延長する側面湾曲部14を有する、ほぼ垂直の壁12を備える。バンパー10の下方端部16は、車両の内側に向かってほぼ水平に延びるディフレクタ18を備え、例えば下方クロスメンバー等の、車両の下方構造要素20に装着される。
【0008】
ディフレクタ18は、その各端部22に、車両の内側に向かってほぼ水平に延びる弾性タブ24を備える。
各タブ24の上面26は、少なくとも1つの装着スタッド28と、少なくとも1つのランプ30を備える。装着スタッド28は、例えばホイールウェルシールド(図示せず)を装着する。
【0009】
図2〜3に示すように、ランプ30は縦方向に配向し、ランプ30の底部32は、タブ24の自由端部34に隣接して位置し、ランプ30の頂部36は、ディフレクタ18とタブ24の間の接合領域38に隣接して位置している。ランプ30の頂部36は、平面領域40によって延長されていてもよい。
装着スタッド28は、ランプ30及び、タブ24とディフレクタ18との接合領域38の間に位置する。更に具体的には、ランプ30と平面領域40の間に位置する。
【0010】
本明細書に記述した形態において、取付け方法は、縦リブ形状を有する3つのランプ30を含み、装着スタッド28は各側面リブに形成されている。
バンパー10は、車両の外側から内側に向かってほぼ縦方向に取付けられている。
【0011】
下方クロスメンバー20は、前記クロスメンバーの底部42が車両の内側に向かって配向し、頂部44が車両の外側に向かって配向するように、湾曲した形状を有する。
【0012】
取付け作業の際、自動車の外側から内側に向かって、バンパー10はまず、ランプ30が下方クロスメンバー20の一面に位置している、「取付け前」の初期位置を占め、それからランプ30がクロスメンバー20の反対の面に位置している、「取付け後」の最終的な位置におさまる。
バンパー10は、バンパー10の上方部分46が垂直位置決め手段(図示せず)に沿って動くのと同時にディフレクタ18が1つの下方クロスメンバー20に当接して動くことによって、その取付け前の初期位置から取付け後の最終位置まで移動する。
【0013】
これにより、バンパー10の上端部50から延びた中央要素48を、上方クロスメンバーまたはその他の前端部のキャリア(図示せず)上の上方構造要素(図示せず)に位置する垂直位置決め手段に沿って誘導することが可能となり、バンパー10の側面湾曲部14の上端部50を、車両のフェンダー(図示せず)上に位置した垂直位置決め手段に沿って誘導することが可能となる。
【0014】
ディフレクタ18が動く際に、ランプ30がまずクロスメンバー20の頂点部分44の下を通り、ディフレクタ18が含まれる面、及びクロスメンバー20の底部分42によって形成された面が、ランプ30の底部32がクロスメンバー20の底部42の端部52に接触するまで、相互にほぼ一直線上に並ぶ。
【0015】
バンパー10の上方部分46が垂直に維持されると、タブ24が変形する。まず第1に、ランプ30がその頂部36まで、端部52に沿って摺動する。第2に、弾性タブ24の影響下において、ランプ30が自動的に下方クロスメンバー20の反対の面に再び上昇するまで、ランプ30の頂部36が、底部42の下面54に沿って摺動する。
【0016】
ランプ30が平面領域40によって延長される場合、前記平面領域40の一部分がやはり下方クロスメンバー20の下面54に沿って摺動する。
これにより、装着スタッド28が、ランプ30の頂部36に対し非常にわずかな範囲にのみ突出し、クロスメンバー20の端部52がまずランプ30と接し、それから装着スタッド28に接するため、この装着スタッドが下方クロスメンバー20に引っかかるリスクがなく、従ってバンパー10の取付け経路に位置しない。
【0017】
しかし、記載されていない別の形態によれば、装着スタッド28の高さは、ランプ30の頂部36の高さより低い可能性もある。
バンパー10を取付けた後、ディフレクタ18が下方クロスメンバー20に既知の装着手段の使用により装着されるため、詳細に記述されていない。その後、装着スタッド28を用いてホイールウェルシールドを装着することが可能となる。
前記形態においては、フロントバンパーの取付けが記載されているが、本発明はリアバンパーの取付けにも同じように適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】バンパーが取付け位置にある、本発明によるバンパー取付け方法の内部の全体斜視図である。
【図2】バンパーを取付ける前の、取付け方法の断面側面図である。
【図3】バンパーが取付け位置にある、取付け方法の断面側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車バンパー(10)の取付け方法であって、この取付け方法が、
車両の内側に向かって延び、おおむね水平に配向した、下方構造要素(20)上に取付けられるディフレクタ(18)を備え、
前記ディフレクタ(18)が、その各端部(22)に、車両の内側に向かって配向した、弾性タブ(24)を備え、前記タブ上には、ランプ(30)が下方構造要素(20)の一面に位置する取付け前の初期位置から、ランプ(30)が下方構造要素(20)の反対の面に位置する取付け後の最終位置まで、車両の外側から内側に向かうほぼ縦方向の経路に沿ってバンパー(10)が通ることが可能なように、少なくとも1つの装着スタッド(28)と少なくとも1つの取付けランプ(30)が形成されていることを特徴とする、自動車バンパー(10)の取付け方法。
【請求項2】
バンパー(10)を取付ける際に、
− バンパー(10)の上方部分(46、48、50)が垂直位置決め手段に沿って動くと同時に、
− まず第1に、下方構造要素(20)の端部(52)に沿ってランプ(30)が摺動し、それから第2に、弾性タブ(24)の影響下において、ランプ(30)が自動的に下方構造要素(20)の反対の面に再び上昇するまで、ランプ(30)の頂部(36)が、下方構造要素(20)の下方壁(54)に沿って動くことを特徴とする、請求項1に記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項3】
ランプ(30)の頂部(36)が平面領域(40)によって延びていることを特徴とする、請求項2に記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項4】
装着スタッド(28)が、ランプ(30)及び、タブ(24)とディフレクタ(18)の接合領域(38)の間に位置することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項5】
装着スタッド(28)が、ランプ(30)と平面領域(40)の間に位置することを特徴とする、請求項3に記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項6】
ランプ(30)と装着スタッド(28)が、バンパー(10)を取付ける際に、装着スタッド(28)が下方構造要素(20)の端部(52)に阻止されることなく、下方構造要素(20)に当接して摺動可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項7】
ランプ(30)が、縦リブ形状であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項8】
装着スタッド(28)が、ホイールウェルシールドを装着するよう構成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項9】
バンパー(10)の上方部分(46)の垂直位置決め手段が、上方構造要素によって形成されていることを特徴とする、請求項2または、請求項2に従属する場合の請求項3〜8のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項10】
バンパー(10)の上方部分(46)の垂直位置決め手段が、フェンダーサポートにより形成されていることを特徴とする、請求項2または、請求項2に従属する場合の請求項3〜9のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。
【請求項11】
バンパー(10)を装着する手段が、下方構造要素(20)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のバンパー(10)の取付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−539123(P2008−539123A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508270(P2008−508270)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050381
【国際公開番号】WO2006/114545
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】