説明

自宅における家族の在・不在通知システム

【課題】自宅における家族の在・不在を、確実かつ容易に、知らせることができ、知ることができる、自宅における家族の在・不在通知システムを提供する。
【解決手段】子供3,4に携帯してもらう無線ICタグc,dと、在・不在の対象となる自宅5において無線ICタグc,dが存在しているか不存在であるかを検知する無線ICタグ親機6と、無線ICタグ親機6からの検知信号に基づいて、無線ICタグc,dが存在から不存在に変化したと判断したときと、無線ICタグc,dが不存在から存在に変化したと判断したときとに、両親1,2の携帯電話のメールアドレスに対してそれに対応する内容のメールを送信する制御を行うサーバー7とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自宅における家族の在・不在通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自宅における家族の在・不在を知らせる方法や、知る方法として、伝言板や、メモ、電話連絡、ICカードリーダーシステム、監視カメラ等は、提供されている。
【0003】
また、自宅に設置された防犯システムのセットや解除は、家族がボタンを押すなどの操作をすることで行われている。携帯電話を使って遠隔でセットや解除を行うことも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−313446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自宅における家族の在・不在を、上記のような従来の方法で知らせたり、知るためには、知らせようとする者や知ろうとする者が、知らせようとしたり、知ろうとするための積極的な行為をする必要があり、それが厄介であったり、し忘れて、知らせることができなかったり、知ることができなかったりするおそれが高かったりする。
【0006】
また、防犯システムのセットや解除についても、セットや解除のし忘れを生じて、いざというときに働かないおそれもある。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、自宅における家族の在・不在を、確実かつ容易に、知らせることができ、知ることができる、自宅における家族の在・不在通知システムを提供することを課題とする。
【0008】
また、防犯システムのセットと解除の切換えを、負担を軽くして、確実に行っていくことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、在・不在の対象となる特定の家族に携帯してもらう無線ICタグと、
在・不在の対象となる自宅において前記無線ICタグが存在しているか不存在であるかを検知する無線ICタグ親機と、
該無線ICタグ親機からの検知信号に基づいて、前記無線ICタグが存在から不存在に変化したと判断したときと、前記無線ICタグが不存在から存在に変化したと判断したときとに、特定のメールアドレスに対してそれに対応する内容のメールを送信する制御を行うサーバーと
が備えられていることを特徴とする、自宅における家族の在・不在通知システムによって解決される(第1発明)。
【0010】
このシステムでは、無線ICタグを在・不在の対象となる特定の家族に携帯してもらうだけで、その家族の自宅における在・不在がメールで通知されるようになされているから、自宅における在・不在を知らせようとする者や知ろうとする者が、知らせようとしたり、知ろうとするための積極的な行為を行わなくても、知らせることができ、知ることができて、自宅における特定の家族の在・不在の通知を確実かつ容易なものにすることができる。
【0011】
第1発明において、前記自宅に設置される人感センサーと、防犯ブザーと、前記人感センサーがヒトの存在を検知したとき、その検知信号に基づいて、前記防犯ブザーに起動指令信号を出力してブザーを鳴らせる制御を行う制御部とを有する防犯システムが備えられ、かつ、
前記無線ICタグを家族全員が携帯し、
前記サーバーは、
・ いずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態から、すべての無線ICタグが不存在の状態に変化したとき、前記防犯システムを防犯モードにセットし、
・ すべての無線ICタグが不存在の状態から、いずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態に変化したとき、前記防犯システムの防犯モードを解除する
制御を行うようになされているとよい(第2発明)。
【0012】
このシステムによれば、無線ICタグを家族全員に携帯してもらうだけで、家族のうちのいずれか少なくとも一人が自宅にいれば、防犯システムは解除状態を維持し、だれも自宅にいなくなれば、防犯システムはセット状態となり、防犯システムのセットと解除の切換えを、負担を軽くして、確実に行っていくことができる。
【0013】
なお、上記の説明では、第2発明を、第1発明を前提とした発明として特定しているが、本明細書は、第2発明において第1発明を前提としない内容の発明、即ち、防犯システムのセットと解除の切換えシステムの発明をも開示するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自宅における家族の在・不在通知システムは、以上のとおりのものであるから、自宅における家族の在・不在を、確実かつ容易に、知らせることができ、知ることができる。また、防犯システムのセットと解除の切換えを、負担を軽くして、確実に行っていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のシステムを示す説明図である。
【図2】サーバーにおける第1の制御内容を示すフローチャート図である。
【図3】図(イ)および図(ロ)はそれぞれ、システムの作動状態を示す説明図である。
【図4】サーバーにおける第2の制御内容を示すフローチャート図である。
【図5】図(イ)および図(ロ)はそれぞれ、システムの作動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図5に示す実施形態の通知システムは、夫1と妻2、長男3、長女4の4人家族に適用した場合のもので、図1において、5は自宅建物、a,b,c,dはカード型に形成された無線ICタグであり、建物5には、無線ICタグ親機6と、サーバーとしてのホームサーバー7と、防犯システム8とが設置されている。
【0018】
無線ICタグは、本実施形態では、家族1〜4の人数分である4つ用意されていて、夫1に無線ICタグaを携帯させ、妻2に無線ICタグbを携帯させ、長男3に無線ICタグcを携帯させ、長女4に無線ICタグdを携帯させ、無線ICタグaで夫1が特定され、無線ICタグbで妻2が特定され、無線ICタグcで長男3が特定され、無線ICタグdで長女4が特定されるようになされていて、在・不在の対象となる特定の家族を長男3と長女4としている。
【0019】
無線ICタグ親機6は、在・不在の対象となる自宅建物5において無線ICタグa,b,c,dが存在しているか不存在であるかを検知するものであり、その設置数は、建物や敷地の広さ、検知能力等に応じて、適宜決められてよい。
【0020】
防犯システム8は、人感センサー9と、防犯ブザー10と、人感センサー9がヒトの存在を検知したとき、その検知信号に基づいて、防犯ブザー10に起動指令信号を出力してブザーを鳴らせる制御を行う接点装置等による制御部11とを有する。
【0021】
ホームサーバー7は、本実施形態では、2つの制御を行う。一つは、家族の在・不在の通知のための制御であり、もう一つは、防犯システム8のセットと解除の制御である。
【0022】
家族の在・不在の通知のための制御の内容は、図2に示すように、無線ICタグ親機6からの検知信号に基づいて(ステップS1)、長男3の携帯する無線ICタグcが不存在から存在に変化(即ち、帰宅)したか否かを判断し(ステップS2)、したなら、特定のメールアドレス、例えば、夫1及び妻2の携帯電話のメールアドレスに「長男3(無線ICタグc)が帰宅しました」という内容のメールを送信して(ステップS3)、ステップS4に移行し、
していないなら、ステップS4に移行して、長男3の携帯する無線ICタグcが存在から不存在に変化(即ち、外出)したか否かを判断し、したなら、前記メールアドレスに「長男3(無線ICタグc)が家を出ました」という内容のメールを送信して(ステップS5)、ステップS6に移行し、
していないなら、ステップS6に移行して、長女4の携帯する無線ICタグdが不存在から存在に変化(即ち、帰宅)したか否かを判断し、したなら、前記メールアドレスに「長女4(無線ICタグd)が帰宅しました」という内容のメールを送信して(ステップS7)、ステップS8に移行し、
していないなら、ステップS8に移行して、長女4の携帯する無線ICタグdが存在から不存在に変化(即ち、外出)したか否かを判断し、したなら、前記メールアドレスに「長女4(無線ICタグd)が家を出ました」という内容のメールを送信して(ステップS9)、ステップS1に戻って上記のステップを繰り返し、
していないなら、やはりステップS1に戻って上記のステップを繰り返すというものである。
【0023】
このような制御によって、図3(イ)に示すように、午後3時頃、長女4が在宅中に、長男3が帰宅すると、両親1,2の図示しない携帯電話に「長男3(無線ICタグc)が帰宅しました」という内容のメールが送信されて、両親1,2は長男3が学校から帰宅したことを知り、その後、図3(ロ)に示すように、午後6時頃に、長女4が家を出ると、両親1,2の携帯電話に「長女4(無線ICタグd)が家を出ました」という内容のメールが送信されて、両親1,2は長女4が塾へ行ったことを知ることができる。
【0024】
このように、上記の通知システムでは、無線ICタグc,dを長男3と長女4に携帯してもらうだけで、彼ら3,4の自宅における在・不在がメールで両親1,2に通知されるようになされているから、自宅における在・不在を知らせようとする者(長男と長女)や知ろうとする者(両親)が、知らせようとしたり、知ろうとするための積極的な行為を行わなくても、知らせることができ、知ることができて、自宅における子供3,4の在・不在の通知を確実かつ容易なものにすることができる。
【0025】
また、ホームサーバー7によるもう一つの制御である、防犯システム8のセットと解除の制御の内容は、図4に示すように、無線ICタグ親機6からの検知信号に基づいて(ステップS10)、無線ICタグa〜dのうちのいずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態から、すべての無線ICタグa〜dが不存在の状態に変化したか否かを判断し(ステップS11)、したなら、防犯システム8の防犯モードをセットして(ステップS12)、ステップS13に移行し、
していないなら、すべての無線ICタグa〜dが不存在の状態から、無線ICタグa〜dのうちのいずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態に変化したか否かを判断し(ステップS13)、したなら、防犯システム8の防犯モードを解除して(ステップS14)、ステップS10に戻って上記のステップを繰り返し、
していないなら、やはり、ステップS10に戻って、上記のステップを繰り返すというものである。
【0026】
このような制御によって、図5(イ)に示すように、家族4人全員が自宅にいると、防犯システム8は解除の状態にあって、人感センサー9がヒトの存在を検知しても、ブザー10は鳴らず、図5(ロ)に示すように、家族4人全員がすべて家を出ると、防犯システム8はセット状態となって、人感センサー9がヒトを検知すると、制御部11がブザー10を鳴らす制御を行う。
【0027】
これによれば、無線ICタグa〜dを家族1〜4の全員に携帯してもらうだけで、家族1〜4のうちのいずれか少なくとも一人が自宅にいれば、防犯システム8は解除状態を維持し、だれも自宅にいなくなれば、防犯システム8はセット状態となり、防犯システム8のセットと解除の切換えを、家族の負担を軽くして、確実に行っていくことができる。
【0028】
なお、上記の二つの制御は、上記のように家族全員が無線ICタグを携帯することで、両立する関係にあり、一方の制御を行えばもう一方が成り立たないという関係にならないことは、いうまでもない。
【0029】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、家族全員がそれぞれ無線ICタグを携帯しているシステムについて説明したが、防犯システムとの連繋を省略したシステム構成にしてもよく、その場合は、長男3と長女4のみに無線ICタグc,dを携帯させるシステム構成としてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…夫(家族)
2…妻(家族)
3…長男(家族)
4…長女(家族)
5…自宅建物
6…無線ICタグ親機
7…ホームサーバー(サーバー)
8…防犯システム
9…人感センサー
10…防犯ブザー
11…制御部
a〜d…無線ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
在・不在の対象となる特定の家族に携帯してもらう無線ICタグと、
在・不在の対象となる自宅において前記無線ICタグが存在しているか不存在であるかを検知する無線ICタグ親機と、
該無線ICタグ親機からの検知信号に基づいて、前記無線ICタグが存在から不存在に変化したと判断したときと、前記無線ICタグが不存在から存在に変化したと判断したときとに、特定のメールアドレスに対してそれに対応する内容のメールを送信する制御を行うサーバーと
が備えられていることを特徴とする、自宅における家族の在・不在通知システム。
【請求項2】
前記自宅に設置される人感センサーと、防犯ブザーと、前記人感センサーがヒトの存在を検知したとき、その検知信号に基づいて、前記防犯ブザーに起動指令信号を出力してブザーを鳴らせる制御を行う制御部とを有する防犯システムが備えられ、かつ、
前記無線ICタグを家族全員が携帯し、
前記サーバーは、
・ いずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態から、すべての無線ICタグが不存在の状態に変化したとき、前記防犯システムを防犯モードにセットし、
・ すべての無線ICタグが不存在の状態から、いずれか少なくとも一つの無線ICタグが存在の状態に変化したとき、前記防犯システムの防犯モードを解除する
制御を行うようになされている請求項1に記載の、自宅における家族の在・不在通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−38165(P2012−38165A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178993(P2010−178993)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】