説明

自己乳化型浴用剤組成物

【課題】入浴中の肌感触が良好で、且つ、自己乳化性が良好で、且つ、浴用剤自体の透明均一性に優れた自己乳化型浴用剤組成物の提供。
【解決手段】 次の成分(A)〜(C)
(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上100以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤
(B)(A)成分とは異なる非イオン性界面活性剤
(C)油性成分
を含有し、
成分(B)と成分(A)の質量比[(A)/(B)]が0.004〜1である自己乳化型浴用剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴水に投入した際に転相しO/W型エマルションを形成することで自己乳化する自己乳化型浴用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴水に投入した際に自己乳化することにより白濁する自己乳化型浴用剤として、種々の油性成分と界面活性剤を組み合わせたものが提案されている(特許文献1〜4)。これらの浴用剤に配合される代表的な油性成分は、流動パラフィン等の炭化水素油類である。これらは、入浴後の肌にしっとり感を与える成分であるが、入浴中の浴水の感触にはほとんど影響を与えない。なぜなら、これら炭化水素油類は、浴水中での乳化分散性を高めるべく多量に併用された界面活性剤により、浴水中では乳化粒子の内部に分配されているからである。
【0003】
一方、入浴中に肌に良好なしっとり感を与える入浴剤として、炭化水素油にそれ以外の油性成分(例えばエステル油等)を加え、さらに非イオン性界面活性剤量を特定量配合した自己乳化型入浴剤が報告されている(特許文献5)。しかしながら、自己乳化型浴用剤は配合可能な成分等に多くの制約があるため、浴水中での自己乳化性や肌の感触、浴水投入前の浴用剤自体の透明均一性を同時に満たすことは非常に難しく、依然検討の余地があった。
また一方、自己乳化型浴用剤とは異なり、浴水に投入する前からO/W型エマルションを形成している乳化型浴用剤組成物で、25℃で液状の油性成分、エチレンオキサイドが100以上の非イオン性界面活性剤、その他の非イオン性界面活性剤及びグリチルレチン酸又はグリチルリチン酸類を含有するものが報告されている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−176520号公報
【特許文献2】特開昭61−227519号公報
【特許文献3】特開昭52−70028号公報
【特許文献4】特開2000−327559号公報
【特許文献5】特開平10−36250号公報
【特許文献6】特開2009−126843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、入浴中の肌感触が良好で、且つ、自己乳化性が良好(浴水への投入した際に転相しすばやく浴水に乳化分散し油浮き等の問題を生じないこと)で、且つ、浴用剤自体の透明均一性に優れた自己乳化型浴用剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、入浴中の浴水の感触と自己乳化後の乳化粒子構造との関係に着目し鋭意検討を行った結果、炭化水素油等の油性成分に加え、特定のエチレンオキサイド鎖を有する非イオン性界面活性剤を組み合わせて配合した自己乳化型浴用剤組成物が、今までの浴用剤にはない極めてツルツル且つまとわりつくような新感触を入浴中に呈するとともに、自己乳化性が極めて良好で、且つ、浴用剤自体の透明均一性にも優れていることを見出した。自己乳化型浴用剤組成物の分野では、入浴後のしっとり感やべたべた感については多数の検討がなされているものの、入浴中の感触に特化しての検討は少なく、まして、本発明で得られた入浴中のツルツル感とまとわりつくような感触という相反する感触が一緒になった感触は、従来の浴用剤で入浴中に得られるしっとり感やすべすべ感とは極めて異質で非常に好ましい感触である。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上100以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤、(B)(A)成分とは異なる非イオン性界面活性剤、及び、(C)油性成分を含有し、成分(B)と成分(A)の質量比[(A)/(B)]が0.004〜1である自己乳化型浴用剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の浴用剤組成物を浴水に投入すると、通常の浴用剤では従来達成し得ない極めてツルツルし、且つまとわりつき、ベールに包まれたような良好な肌感触が入浴中に奏される。前述の特許文献6の乳化型浴用剤組成物で得られるとされるすべすべ感とは、この特許文献6の実施例1、実施例6、比較例1及び比較例3から明らかなとおり、本発明のツルツル且つまとわりつくような新感触とは異なる性質である。
更に、本発明の浴用剤組成物は、自己乳化性が極めて良好であるため、浴水へ投入した際にすばやく転相し浴水中に乳化分散し、更にその乳化粒子の平均粒子径(メジアン径)も1μm以下と極めて微細であるため安定的に浴水を白濁させ、油浮き等の問題も生じず非常に好ましい。
加えて、本発明の浴用剤組成物は、製品の状態での透明均一性、すなわち浴用剤自体の透明均一性も同時に達成されており非常に好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の浴用剤組成物は、浴用剤としては油性成分中に非イオン性界面活性剤が分散した状態、或いは水を含有する場合は油性成分中に非イオン性界面活性剤により水が分散したW/O型の状態であり、一方、使用時には浴水中で転相して油性成分が非イオン性界面活性剤により分散乳化してO/W型エマルションを形成する自己乳化型浴用剤組成物である。
【0010】
本発明の浴用剤組成物は、成分(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上100以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を含有する。このような特定の構造を有するポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を配合することにより、入浴中のツルツル且つまとわりつくような感触が得られる。このような非イオン性界面活性剤としては、以下のようなエステル系又はエーテル系ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤、例えば、トリC8−C24脂肪酸ポオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.)、ポリオキシエチレンC8−C24アルキルエーテル(30〜100E.O.)、ポリオキシエチレンC8−C24アルケニルエーテル(30〜100E.O.)、モノC8−C24脂肪酸ポリエチレングリコール(30〜100E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(90〜300E.O.)が挙げられる。成分(A)のエチレンオキサイド鎖数は、1〜4が好ましく、さらに2〜4が好ましい。
【0011】
具体的には、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(160E.O.)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(50E.O.)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(40E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(50E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル(85E.O.)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
中でも、エチレンオキサイド鎖を2本以上有するトリC8−C24脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.エチレンオキサイド鎖3又は4本)やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(90〜300E.O.エチレンオキサイド鎖3本)がより好ましい。とりわけ、エチレンオキサイド鎖を3本有するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)、特に、エチレンオキサイド鎖を3本又は4本有するトリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(160E.O.)であると、入浴中にツルツル且つまとわりつくような新感覚が非常に良好に奏されるため好ましい。
【0012】
本発明の浴用剤組成物中の成分(A)の含有量は好ましくは0.1〜4質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%、特に好ましくは0.6〜2質量%であると、油浮き等の問題が抑制され浴水中に良好に乳化分散し、ツルツル且つまとわりつくような新感触が良好に奏されるため非常に好ましい。
【0013】
本発明の浴用剤組成物における成分(B)、すなわち(A)成分とは異なる非イオン性界面活性剤は、成分(C)油性成分を浴水に良好に分散させる機能を有する。
【0014】
具体的には、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(25)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である。
中でも、浴用剤投入時の転相性や良好な乳化分散性によるツルツル感の発現向上の点で、HLB8.5〜16の範囲のものから選ばれる1種又は2種以上、特に、HLB値の異なる2種以上であることが好ましい。
特に、HLB8.5〜10.0の非イオン性界面活性剤1種以上とHLB10.1〜16の非イオン性界面活性剤1種以上とを組み合わせるのが好ましい。さらに、HLB8.5〜10.0の非イオン性界面活性剤1種以上と、HLB10.1〜14.0の非イオン性界面活性剤1種以上と、HLB14.1〜16の非イオン性界面活性剤1種以上とを組み合わせるのが特に好ましい。なお、ここでHLB値はGriffinの式(J.Soc.Cosmet.Chem.,1,311(1949))により求めたものである。
【0015】
成分(B)の浴用剤組成物中の含有量は、自己乳化性や乳化分散性(浴水中へ投入時に速やかに転相し良好に乳化分散する等)、入浴後のしっとり感、皮膚刺激性、及び保存安定性の点から、4〜30質量%、さらに7〜25質量%、特に8〜20質量%が好ましい。
【0016】
また、成分(A)及び成分(B)の浴用剤組成物全体としてのHLB値、すなわち各々のHLBをその各々の重量比率に基づき加算した値が9〜15、好ましくは10〜13であると、自己乳化性が向上し油浮き等が抑制され好ましい。
【0017】
また更に、成分(A)と成分(B)の含有質量比((A)/(B))は、0.004〜1、さらに0.02〜0.4、特に0.03〜0.2であると、自己乳化性が向上し油浮き等が抑制され浴水中に油性成分が良好に乳化分散するため非常に好ましい。
【0018】
本発明の浴用剤組成物において、成分(C)油性成分は、入浴後の保湿効果や肌の感触を高める役割を果たすのみならず、成分(B)により浴水中で乳化粒子を形成し、成分(A)が入浴中に効果を発揮するベースとなる。
成分(C)は、浴水中での分散性等の観点から、25℃にて液体のものが好ましい。なおこれは単独では25℃にて固体や半固体のものを含んでいても成分(C)全体では液体であるならば良いことを意味する。
【0019】
成分(C)油性成分としては、具体的には、グリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、高級アルコールエステル類及びシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。このうちグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジ脂肪酸グリセリンエステル類が好ましく、特にジC8−C24脂肪酸グリセリンエステル、例えば2−エチルヘキサン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸の1種又は2種のグリセリンジエステルが好ましい。天然由来の脂肪酸エステル類としては、主にトリグリセライドであるが、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸トリグリセリド、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、更にはミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル等の総炭素数10〜36の脂肪酸エステル又はヒドロキシ酸エステルが挙げられる。等の合成トリグリセリド等が挙げられる。ロウ類としては、カルナバロウ、鯨ロウ、ミツロウ等が挙げられる。炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ブリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の炭素数8〜24の脂肪酸が挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、2−ヘキシルデカノール等の炭素数8〜24の脂肪族アルコールが挙げられる。エステル類としては、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、各種変性シリコーン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
成分(C)の浴用剤組成物中の含有量は、製剤の安定性を高めるため、入浴中のツルツル且つまとわり付くような感触を良好に発現させるため、且つ、入浴後のしっとり感等の肌感触や保湿性の点から、51〜95質量%、さらに55〜90質量%、特に60〜85質量%が好ましい。
【0020】
また更に、製剤の安定性を高めるためには、(D)水を本発明の浴用剤組成物中に0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは1〜3質量%の範囲で含有させるのが良い。なお、ここでいう水とは、化粧品等で使用される精製水の他に動植物の水抽出物等の水性成分も含む。
【0021】
更に本発明の浴用剤組成物には、上記以外にも本発明の効果を害さない範囲で、通常の浴用剤に用いられる成分、例えば、無機塩類、有機塩類、酸やアルカリ等のpH調整剤、水溶性高分子類、動植物の水抽出物、生薬類やビタミン類等の各種薬効成分、雲母末や中性白土等の白濁剤、色素や顔料類、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤等を適宜含有させることもできる。
【0022】
本発明の自己乳化型浴用剤組成物の製造方法は、成分(A)〜(C)を含む各成分を通常40〜90℃に加温して混合溶解させるが、成分が常温で溶解するならば常温で混合しても良い。なお、水性成分を配合する場合には、あらかじめ水性成分と成分(A)とが接触しないように配合することが特に好ましい。すなわち、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を混合溶解した後に水を添加するか、或いは、成分(B)、成分(C)及び水性成分を混合溶解したものに成分(A)を添加すると、ツルツル且つまとわりつくような感触を非常に高く呈する自己乳化型浴用剤組成物が得られる。なお、攪拌は公知の方法であればよく、羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサーなど装置は特に限定されない。
本発明の浴用剤組成物の形態は液状で且つ透明であることが好ましい。
【実施例】
【0023】
表1、表2及び表3に示す成分を混合して製造し(水以外の成分を混合した後、水を添加した)、浴用剤の外観、入浴中及び出浴30分後の肌の感触、乳化分散性、浴水中に分散した乳化粒子径を下記の方法で測定した。結果を表1、表2及び表3に併せて示す。
【0024】
(評価方法)
(1)外観:各浴用剤組成物を、以下の基準で目視により判定した。
○;分離や析出が認められず、透明均一。
×;分離や析出が認める。
【0025】
(2)入浴中及び出浴30分後の肌の感触:各浴用剤組成物30gを、40℃、180Lの浴水に溶解した浴水に、健常肌の者5名により、10分間入浴してもらい、入浴中の肌の感触(しっとり感、ツルツル且つまとわりつくような感触)を以下の基準で官能評価し、平均点を求めた。その後出浴し、30分経過後の肌の感触(しっとり感)を以下の基準で官能評価し、平均点を求めた。なお、比較品9、10及び11は、製品の外観が分離や析出が生じた状態を呈し著しく悪く、浴水に溶解しても油浮きが多く、使用に耐えられないため、評価を行わなかった。
【0026】
[しっとり感]
5;非常にしっとりする。
4;しっとりする。
3;ややしっとりする。
2;僅かにしっとりする。
1;しっとりしない(さら湯と同等)。
[ツルツル且つまとわりつくような感触]
5;非常にツルツル且つまとわりつくような感触がする。
4;ツルツル且つまとわりつくような感触がする。
3;ややツルツル且つまとわりつくような感触がする。
2;僅かにツルツル且つまとわりつくような感触がする。
1;ツルツル且つまとわりつくような感触がしない(さら湯と同等)
【0027】
(3)乳化分散性:各浴用剤組成物30gを、40℃、180Lの浴水に溶解したときの乳化分散性を、以下の基準で目視により判定した。
○;乳化物が浴水に容易に分散する。
△;乳化物が浴水にやや分散しづらい。
×;乳化物が浴水に分散しづらい。
【0028】
(4)乳化粒子径
各浴用剤組成物30gを、40℃、180Lの浴水に溶解したときの乳化粒子径(メジアン径)をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて測定した。なお、比較品12は、浴水に溶解しても油浮きが多かったため、乳化粒子径測定は行わなかった。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
(結果)
表1、表2及び表3から明らかなとおり、本発明の浴用剤組成物を浴水に投入すると通常の浴用剤では従来達成し得ない極めてツルツル且つまとわりつくような良好な肌感触が入浴中に奏された。更に、本発明の浴用剤組成物は、製品の状態での外観、すなわち透明均一性に優れていた。また、浴水への投入時の乳化分散性も非常に良好であり(40℃の浴水に溶解時の乳化粒子の平均粒子径は1μm以下)、油浮き等が見られず非常に好ましかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C)
(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上100以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤
(B)(A)成分とは異なる非イオン性界面活性剤
(C)油性成分
を含有し、
成分(B)と成分(A)の質量比[(A)/(B)]が0.004〜1である自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項2】
成分(A)のエチレンオキサイド鎖数が2〜4である請求項1に記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項3】
成分(A)がトリC8〜C24脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.)である請求項1又は2記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項4】
浴用剤組成物中の成分(A)の含有量が0.1〜4質量%である請求項1〜3の何れか一項に記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項5】
成分(B)が、HLB8.5〜10.0の非イオン性界面活性剤1種以上とHLB10.1〜16の非イオン性界面活性剤1種以上とを組み合わせたものである請求項1〜4の何れか一項に記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項6】
成分(B)が、HLB8.5〜10.0の非イオン性界面活性剤1種以上と、HLB10.1〜14.0の非イオン性界面活性剤1種以上と、HLB14.1〜16の非イオン性界面活性剤1種以上とを組み合わせたものである請求項1〜5の何れか一項に記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項7】
浴用剤中の成分(C)油性成分の含有量が51〜95質量%である請求項1〜6の何れか一項に記載の自己乳化型浴用剤組成物。
【請求項8】
更に成分(D)水を0.01〜10質量%含有する請求項1〜7の何れか一項に記載の自己乳化型浴用剤組成物。

【公開番号】特開2011−16764(P2011−16764A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163170(P2009−163170)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】