自己免疫疾患における抗CD3抗体の投薬
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを動物に投与する方法が本明細書中に提供される。ある特定の実施形態において、抗CD3抗体またはそのフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはそれに対して低い結合性を有する。ある特定の実施形態において、その動物は、免疫関連疾患を有する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)少なくとも2日間かつ6日間を超えない治療期間において、該期間の少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン、
(b)7日以上の治療期間において、該期間の最初の6日間のうちの少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン、
(c)少なくとも8日間の治療期間において、該期間の少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であり、該期間の最初の6日間の後に該48時間のうちの少なくとも30時間が存在するようなレジメン、または
(d)少なくとも4日間の治療期間において、該期間の少なくとも90時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、
方法。
【請求項2】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、14日以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、最長14日である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満である前記治療期間の時間が、連続している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満である治療期間内の時間が、連続していない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
1回の投与において投与される前記抗体またはフラグメントの少なくとも1つの用量が、0.5mgより多く、かつ3.0mgを超えない1日最大用量である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体または前記フラグメントの1日最大用量が、1.75mg以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)少なくとも2日間かつ6日間を超えない治療期間において、該期間の少なくとも12時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であるようなレジメン、
(b)7日以上の治療期間において、該期間の最初の6日間のうちの少なくとも18時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であるようなレジメン、
(c)少なくとも7日間の治療期間において、該期間の少なくとも24時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であり、該期間の最初の6日間の後に該少なくとも24時間のうちの少なくとも15時間が存在するようなレジメン、または
(d)少なくとも7日間の治療期間において、該期間の少なくとも40時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であり、該期間の少なくとも40時間の少なくとも半分が、該期間の最初の6日間の後に存在するようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、
方法。
【請求項9】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、14日以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、最長14日である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満である前記治療期間内の時間が、連続していない、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記レジメンの最初の少なくとも4日間が、漸増投薬である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも1mgかつ3mgを超えないようなレジメン、
(b)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも1mgかつ1.75mgを超えないようなレジメン、
(c)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも14μg/kgかつ42μg/kgを超えないようなレジメン、
(d)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、2.5mg〜9mgであり、かつ該レジメンの任意の1日において3mgを超えないようなレジメン、
(e)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、2.5mg〜6.6mgであり、かつ該レジメンの任意の1日において2.2mgを超えないようなレジメン、
(f)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、35μg/kg〜126μg/kgであり、かつ該レジメンの任意の1日において42μg/kgを超えないようなレジメン、
(g)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、35μg/kg〜93μg/kgであり、かつ該レジメンの任意の1日において31μg/kgを超えないようなレジメン、
(h)少なくとも3日間の治療期間において、1回の投薬量が、24時間以上にわたって投与され、該ヒトに投与される総用量が、少なくとも2.5mgであるようなレジメン、または
(i)少なくとも3日間の治療期間において、1回の投薬量が、24時間以上にわたって投与され、該ヒトに投与される総用量が、少なくとも35μg/kgであるようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有し、必要に応じて、該3日は、連続していない、
方法。
【請求項14】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、少なくとも4日間の漸増投薬を含むレジメンで該抗体またはフラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、方法。
【請求項15】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均最高レベルが毎日低下し、ここで、該漸増の少なくとも2日目〜4日目のいずれかの日における平均最高レベルと、その前日における平均最高レベルとの差が、該前日における平均最高レベルの25パーセントを超えない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記漸増の最初の投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均最高レベルが、該漸増の最初の投薬の前の該平均最高レベルの30パーセントを超えずに減少する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのTCR複合体分子の平均最高レベルが毎日低下し、ここで、該漸増の少なくとも2日目〜4日目のいずれかの日における平均最高レベルとその前日における平均最高レベルとの差は、該前日における平均最高レベルの少なくとも5パーセントである、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、該漸増の投薬によって、前記ヒトの末梢血中、必要に応じて、末梢血漿中の抗CD3抗体またはフラグメントの最低濃度(Cmin)が毎日増加する、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒトの末梢血中または末梢血漿中の前記抗体またはフラグメントの濃度が、0.002mg/Lより高いとき、前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、該ヒトの末梢血中のCminが、前日の末梢血中のCminの2.5倍を超えずに毎日増加する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記漸増の最初の投薬によって、0.01mg/Lを超えない前記ヒトの末梢血中または末梢血漿中のCminがもたらされる、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、前記投薬によって、前記ヒトの末梢血中のCminが、前日の該ヒトの末梢血中または末梢血漿中のCminと比べて、毎日少なくとも10パーセント増加する、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体またはフラグメントが、少なくとも5日間の投薬レジメンにわたって投与され、
ここで、該抗体またはフラグメントは、1日目に投与され、1日目および2日目の各々において投与される抗体またはフラグメントの量は、1日あたり0.5mgを超えず、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、2日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.5mg未満多く、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、3日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.55mg未満多く、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、4日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.6mg未満多く、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、2日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも0.3mg超多く、かつ
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、少なくとも約0.5mgである、
請求項1〜21のいずれかに一項記載の方法。
【請求項23】
1回以上の漸増前の投薬が、1日目の投薬よりも前に投与される、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記漸増が、1日最大用量の投与の前に与えられ、そして少なくとも4日間の漸増なしの最高用量の投与後に観察される、
(i)少なくとも1つの炎症促進性サイトカインまたはトリプターゼの産生と
(ii)免疫原性
の一方または両方と比べて、
(a)該少なくとも1つの炎症促進性サイトカインまたはトリプターゼの産生と
(b)免疫原性
の一方または両方の減少を引き起こす、
請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの炎症促進性サイトカインが、IL2、IL6、IL10、IFN−ガンマおよびTNF−アルファからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体またはフラグメントが、
(a)1日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.1mgであり、
2日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.2mgであり、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.3mgであり、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.75mgであり、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.0mgであり、
6日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.25mgであり、
7日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.5mgであり、かつ
8日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.75mgである、投薬レジメン、
および
(b)1日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.2mgであり、
2日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.4mgであり、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.6mgであり、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.8mgであり、かつ
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.1mgである、投薬レジメン
から選択される投薬レジメンで投与される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬および治療薬からなる群から選択される1つ以上の追加の薬剤の投与をさらに含んでなる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記抗CD3抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは異なる抗CD3抗体もしくはその抗原結合フラグメントの投与を含む1つ以上の追加のレジメンをさらに含んでなる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記抗体またはフラグメントが、少なくとも0.968μg/mLの結合親和定数および約1.39日−1のkelを有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記抗体またはフラグメントが、75ng/ml未満のIC50を有する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗体が、前記レジメンにおいて投与される用量において5〜20時間の半減期を有する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記抗体が、ヒト化γ重鎖およびラット/ヒトキメラλ軽鎖を含んでなり、必要に応じて非グリコシル化されているモノクローナル抗体である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗原特異的エフェクター(Teff)T細胞または抗原特異的制御性(Treg)T細胞の一方または両方の活性または数の調節を引き起こす、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗原特異的T制御性細胞の数が増加する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記治療期間の少なくとも1日において、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のCD3/TCR複合体の前記平均レベルが、前記平均ベースラインレベルと比べて、少なくとも20%かつ90%未満減少する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ヒトが、免疫関連疾患を有する、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記免疫関連疾患が、I型糖尿病、II型糖尿病、乾癬、関節リウマチ、狼瘡、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、グレーブス甲状腺炎、グレーブス眼症、代謝症候群、多発性硬化症、臓器移植または組織移植に起因する病理学的状態、移植片対宿主病および重症筋無力症からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項1】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)少なくとも2日間かつ6日間を超えない治療期間において、該期間の少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン、
(b)7日以上の治療期間において、該期間の最初の6日間のうちの少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン、
(c)少なくとも8日間の治療期間において、該期間の少なくとも48時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であり、該期間の最初の6日間の後に該48時間のうちの少なくとも30時間が存在するようなレジメン、または
(d)少なくとも4日間の治療期間において、該期間の少なくとも90時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満であるようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、
方法。
【請求項2】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、14日以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、最長14日である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満である前記治療期間の時間が、連続している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも10パーセントかつ40パーセント未満である治療期間内の時間が、連続していない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
1回の投与において投与される前記抗体またはフラグメントの少なくとも1つの用量が、0.5mgより多く、かつ3.0mgを超えない1日最大用量である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体または前記フラグメントの1日最大用量が、1.75mg以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)少なくとも2日間かつ6日間を超えない治療期間において、該期間の少なくとも12時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であるようなレジメン、
(b)7日以上の治療期間において、該期間の最初の6日間のうちの少なくとも18時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であるようなレジメン、
(c)少なくとも7日間の治療期間において、該期間の少なくとも24時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であり、該期間の最初の6日間の後に該少なくとも24時間のうちの少なくとも15時間が存在するようなレジメン、または
(d)少なくとも7日間の治療期間において、該期間の少なくとも40時間にわたって、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが、平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満であり、該期間の少なくとも40時間の少なくとも半分が、該期間の最初の6日間の後に存在するようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、
方法。
【請求項9】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、14日以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(b)、(c)および(d)について、前記レジメン、前記治療期間、または該レジメンと該治療期間の両方が、最長14日である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記フリーのCD3/TCR複合体の平均レベルが前記平均ベースラインレベルの少なくとも20パーセントかつ30パーセント未満である前記治療期間内の時間が、連続していない、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記レジメンの最初の少なくとも4日間が、漸増投薬である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、
(a)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも1mgかつ3mgを超えないようなレジメン、
(b)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも1mgかつ1.75mgを超えないようなレジメン、
(c)3日以上のレジメンにおいて、投与される1日用量が、該レジメンの任意の24時間および少なくとも3日間の各日において少なくとも14μg/kgかつ42μg/kgを超えないようなレジメン、
(d)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、2.5mg〜9mgであり、かつ該レジメンの任意の1日において3mgを超えないようなレジメン、
(e)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、2.5mg〜6.6mgであり、かつ該レジメンの任意の1日において2.2mgを超えないようなレジメン、
(f)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、35μg/kg〜126μg/kgであり、かつ該レジメンの任意の1日において42μg/kgを超えないようなレジメン、
(g)3日以上のレジメンにおいて、投与される総用量が、35μg/kg〜93μg/kgであり、かつ該レジメンの任意の1日において31μg/kgを超えないようなレジメン、
(h)少なくとも3日間の治療期間において、1回の投薬量が、24時間以上にわたって投与され、該ヒトに投与される総用量が、少なくとも2.5mgであるようなレジメン、または
(i)少なくとも3日間の治療期間において、1回の投薬量が、24時間以上にわたって投与され、該ヒトに投与される総用量が、少なくとも35μg/kgであるようなレジメン
で該抗体または該フラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、
ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有し、必要に応じて、該3日は、連続していない、
方法。
【請求項14】
抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントを用いてヒトを処置する方法であって、該方法は、少なくとも4日間の漸増投薬を含むレジメンで該抗体またはフラグメントを該ヒトに投与する工程を含んでなり、ここで、該抗体またはフラグメントは、少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に結合しないか、またはOKT3抗体と比べて少なくとも1つのクラスのFc(ガンマ)受容体に対して低い結合性を有する、方法。
【請求項15】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均最高レベルが毎日低下し、ここで、該漸増の少なくとも2日目〜4日目のいずれかの日における平均最高レベルと、その前日における平均最高レベルとの差が、該前日における平均最高レベルの25パーセントを超えない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記漸増の最初の投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのCD3/TCR複合体の平均最高レベルが、該漸増の最初の投薬の前の該平均最高レベルの30パーセントを超えずに減少する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、前記平均ベースラインレベルと比べて、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のフリーのTCR複合体分子の平均最高レベルが毎日低下し、ここで、該漸増の少なくとも2日目〜4日目のいずれかの日における平均最高レベルとその前日における平均最高レベルとの差は、該前日における平均最高レベルの少なくとも5パーセントである、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、該漸増の投薬によって、前記ヒトの末梢血中、必要に応じて、末梢血漿中の抗CD3抗体またはフラグメントの最低濃度(Cmin)が毎日増加する、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒトの末梢血中または末梢血漿中の前記抗体またはフラグメントの濃度が、0.002mg/Lより高いとき、前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、投薬によって、該ヒトの末梢血中のCminが、前日の末梢血中のCminの2.5倍を超えずに毎日増加する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記漸増の最初の投薬によって、0.01mg/Lを超えない前記ヒトの末梢血中または末梢血漿中のCminがもたらされる、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記漸増の少なくとも2〜4日目にわたって、前記投薬によって、前記ヒトの末梢血中のCminが、前日の該ヒトの末梢血中または末梢血漿中のCminと比べて、毎日少なくとも10パーセント増加する、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体またはフラグメントが、少なくとも5日間の投薬レジメンにわたって投与され、
ここで、該抗体またはフラグメントは、1日目に投与され、1日目および2日目の各々において投与される抗体またはフラグメントの量は、1日あたり0.5mgを超えず、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、2日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.5mg未満多く、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、3日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.55mg未満多く、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、4日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも約0.6mg未満多く、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、2日目に投与される抗体またはフラグメントの量よりも0.3mg超多く、かつ
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量は、少なくとも約0.5mgである、
請求項1〜21のいずれかに一項記載の方法。
【請求項23】
1回以上の漸増前の投薬が、1日目の投薬よりも前に投与される、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記漸増が、1日最大用量の投与の前に与えられ、そして少なくとも4日間の漸増なしの最高用量の投与後に観察される、
(i)少なくとも1つの炎症促進性サイトカインまたはトリプターゼの産生と
(ii)免疫原性
の一方または両方と比べて、
(a)該少なくとも1つの炎症促進性サイトカインまたはトリプターゼの産生と
(b)免疫原性
の一方または両方の減少を引き起こす、
請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの炎症促進性サイトカインが、IL2、IL6、IL10、IFN−ガンマおよびTNF−アルファからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体またはフラグメントが、
(a)1日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.1mgであり、
2日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.2mgであり、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.3mgであり、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.75mgであり、
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.0mgであり、
6日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.25mgであり、
7日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.5mgであり、かつ
8日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.75mgである、投薬レジメン、
および
(b)1日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.2mgであり、
2日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.4mgであり、
3日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.6mgであり、
4日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約0.8mgであり、かつ
5日目に投与される抗体またはフラグメントの量が、約1.1mgである、投薬レジメン
から選択される投薬レジメンで投与される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、制吐薬および治療薬からなる群から選択される1つ以上の追加の薬剤の投与をさらに含んでなる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記抗CD3抗体もしくは抗原結合フラグメントまたは異なる抗CD3抗体もしくはその抗原結合フラグメントの投与を含む1つ以上の追加のレジメンをさらに含んでなる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記抗体またはフラグメントが、少なくとも0.968μg/mLの結合親和定数および約1.39日−1のkelを有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記抗体またはフラグメントが、75ng/ml未満のIC50を有する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗体が、前記レジメンにおいて投与される用量において5〜20時間の半減期を有する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記抗体が、ヒト化γ重鎖およびラット/ヒトキメラλ軽鎖を含んでなり、必要に応じて非グリコシル化されているモノクローナル抗体である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗原特異的エフェクター(Teff)T細胞または抗原特異的制御性(Treg)T細胞の一方または両方の活性または数の調節を引き起こす、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗原特異的T制御性細胞の数が増加する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記治療期間の少なくとも1日において、CD4+T細胞上およびCD8+T細胞上のCD3/TCR複合体の前記平均レベルが、前記平均ベースラインレベルと比べて、少なくとも20%かつ90%未満減少する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ヒトが、免疫関連疾患を有する、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記免疫関連疾患が、I型糖尿病、II型糖尿病、乾癬、関節リウマチ、狼瘡、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、グレーブス甲状腺炎、グレーブス眼症、代謝症候群、多発性硬化症、臓器移植または組織移植に起因する病理学的状態、移植片対宿主病および重症筋無力症からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
【図17A】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
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【図36】
【図37】
【図38】
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【図44】
【図45】
【図46】
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【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
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【図58】
【図59】
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【図14】
【図15A】
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【図16】
【図17B】
【図18】
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【図28】
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【図33】
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【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
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【図46】
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【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【公表番号】特表2013−508392(P2013−508392A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535347(P2012−535347)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053438
【国際公開番号】WO2011/050106
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053438
【国際公開番号】WO2011/050106
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】
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