説明

自己潤滑性ブラシシール組立体及び漏洩低減方法

【課題】 発電システム用の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)及び複数の自己潤滑性部材(30)を含む発電システムにおいて空気漏洩を低減する方法を提供すること。
【解決手段】 複数の自己潤滑性部材(30)は、複数の自己潤滑性ブリストル(42)と、自己潤滑性編組(54)のシースで被覆された複数のコア(52)と、自己潤滑性材料(62)でコートされた外径(56)を有する複数のコア(52)と、ソリッド潤滑パック(80)とを含む。潤滑性材料は、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、炭化窒化チタン(TiCN)及びこれらの組合せから選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的には発電システムに関し、より具体的には、発電システム内のシーリングシステムを維持する改善された摩耗特性を有する自己潤滑性ブラシシールに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラシシールは通常、固定構成要素と回転構成要素との間をシールするため、例えば、限定ではないが、ガスタービン及び蒸気タービンのような発電システムにおいて回転軸の周り、並びにシールの両側の高圧領域と低圧領域との間をパッキングするために用いられる。特に高温環境における従来型のブリストルパックは、厳しい公差を維持しながら超合金ブリストルの正確な配置を必要とする。
【0003】
皮膜なしのロータと接触する金属製ブラシシールは、ロータへの侵入が20ミルを超えた場合には重大な摩耗を受ける。皮膜なしのロータは、摩耗を受けて粗面を生じ、その結果としてブラシ組立体におけるブリストルに対しより多くの摩耗を引き起こすようになる。
【0004】
従来は、CrC-NiCr又はCrC−NiCr−Ag−CaF2BaF2のような硬質の滑らかな耐摩耗コーティングをロータに施工して、ブラシ組立体におけるブリストルに対する摩耗に対処してきた。硬質の滑らかな耐摩耗コーティングは、ブリストルを磨滅させる代わりにブリストルを研磨する。現場においてブラシシール組立体の摩耗が生じた状態で作動が起った場合には、耐摩耗コーティングを再施工するためにガスタービン又は蒸気タービンのロータ全体を取り外して修理工場に持ち込まねばならないことになる。更に、耐摩耗コーティングを施工するために大きなロータを小さな噴霧セル内に収容することは、重大な問題を引き起こしかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第7883315号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、発電システムにおいて上述の短所のない自己循環式ブラシシール組立体及び空気漏洩を低減する方法が当技術分野では望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態では、複数の自己潤滑性部材を含む自己潤滑性ブラシシール組立体が提供される。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態では、構成要素に接触する自己潤滑性ブラシシール組立体を含む発電システムが提供される。自己潤滑性ブラシシール組立体は、複数の自己潤滑性部材を含む。
【0009】
本発明の更に別の例示的な実施形態では、発電システムにおける空気漏洩を低減する方法が提供される。本方法は、発電システムの構成要素に接触する複数の自己潤滑性部材を有する1以上の自己潤滑性ブラシシール組立体を配置するステップを含む。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、例証として本発明の原理を示す添付図面を参照しながら、以下の好ましい実施形態のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態に従って構築された自己潤滑性ブラシシール組立体のパッキングリング及びシャフト取り付けの部分斜視図。
【図2】本発明の可撓性レールに装着されたブリストルパックを含むブリストルストリップの側面図。
【図3】本発明の自己潤滑性ブラシシール組立体の複数の自己潤滑性部材の部分底面図。
【図4】本発明の自己潤滑性部材の側面図。
【図5】本発明の図4の自己潤滑性部材の底面図。
【図6】本発明の自己潤滑性部材の図3の線6−6に沿った断面図。
【図7】本発明の図6の自己潤滑性部材の底面図。
【図8】本発明の自己潤滑性部材を含むブリストルストリップの底面図。
【図9】本発明の、ロータを囲む自己潤滑性部材を備えるブラシシール組立体及びブラシシールセグメントの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可能な限り、同じ要素を示すために図面全体を通じて同じ参照符号が使用される
従来技術における欠点を生じない、自己潤滑性ブラシシール組立体、発電システム、及び発電システムにおける漏洩を低減する方法が提供される。
【0013】
発電システムは、限定ではないが、ガスタービン、蒸気タービン、及びその他のタービンを含む。本明細書で使用する場合、「自己潤滑性」とは、オイル、グリース、又はミスト/スプレー潤滑のような付加的な外部潤滑剤を使用する必要もなく、潤滑特性を与える材料、粉末、コーティング、又は他の品目を指す。
【0014】
図1〜図8に示すように、複数の自己潤滑性部材30を含む自己潤滑性ブラシシール組立体18の実施形態が提供される。本発明の自己潤滑性ブラシシール組立体は、ガスタービンエンジン又は蒸気タービンエンジンのようなタービンエンジンに適用可能である。図1を参照すると、一方の側部に固定構成要素に固定するためのダブテール12と、その反対の側部上で回転構成要素16をシールするための複数のラビリンス歯14とを含むパッキングリング10が提供される。図示のように、自己潤滑性ブラシシール組立体18は、パッキングリング10のスロット内に配置される。一実施形態では、自己潤滑性ブラシシール組立体18は、複数のベースブリストル20及び複数の自己潤滑性部材30を含む。ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30の先端は、回転構成要素16の表面に沿って係合する。正圧又は前部プレート22及びフェンス又は後部プレート24は、例えば機械加工によって、パッキングリング10に形成され、ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30のそれぞれ両側に位置している。従来と同様に、ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30は通常、回転構成要素16の回転方向に角度をつけられ、又は傾斜され、各ブリストルは、ロータ16の交差する半径と鋭角を形成している。パッキングリング10は、好ましくは、セグメント(図9参照)で形成されて、回転構成要素16の周りで環状ブラシシールを完成する。パッキングリング10の外径に沿った止めねじ(図示していない)を使用して、パッキングリングスロット内にブラシシール組立体18を固定することができる。
【0015】
図2は、可撓性レール16に装着されたブリストルパック36を含むブリストルストリップ34の側面図である。図1に示すように、ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30は、半径方向(「r」)に約0〜70°の角度θ(シータ)でレール16に支持されるのが好ましい。このように、ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30の自由端部28は、矢印「A」(図1参照)で示すようなロータ16の回転方向、又はシステムの他の可動構成要素の回転方向に向けられるのが好ましい。ベースブリストル20及び自己潤滑性部材30は、好ましくは、レール16間に溶接によって保持することができるが、当業者には公知であるような他の取り付け方法を利用することもできる。更に、複数のベースブリストル20及び複数の自己潤滑性部材30は、個々に又はブリストルパック36内に取り付けることができる。複数のベースブリストル20は、ベースブリストル20の形状及び向きを維持するのを助け、耐摩耗性を与えるために、例えば、限定ではないが、合金鋼、ニッケル合金のような金属、及び/又はコバルトベース超合金のような高温度合金、及び/又はこれらの組合せから選択される。ベースブリストル20のための好適な材料の実施例として、限定ではないが、Haynes Internatioal, Inc(インディアナ州ココモ市所在)により提供されるHaynes(登録商標)25合金、Haynes(登録商標)188合金、Hastelloy(登録商標)C−276合金、或いはHigh Performanc Alloys(インディアナ州チプトン市所在)から提供されるNitronic(登録商標)60がある。
【0016】
ベースブリストル20及び複数の自己潤滑性部材30がレール16に固定された後、レール16は、任意選択的に所定寸法に機械加工することができる。更に、各レール16は、互いに等しいか、或いは異なることがきる厚みを有する。好ましくは、レール16の寸法は、ブリストルストリップ34が実質的に可撓性である、すなわち、環状ホルダ内に収まるように手で容易に曲げることができるようになっている。レール16の幅は、好ましくは、約0.05〜0.01インチの範囲内にあり、厚みは、約0.05〜0.01インチの範囲にある。一実施形態では、レール16の幅と厚みが等しい。更に、レール16は、好ましくは、例えば、限定ではないが、可撓性を維持しながら高温環境に耐えることができる、High Performanc Alloys(インディアナ州チプトン市所在)から提供されるInconel(登録商標)625のような、例えば、限定ではないがニッケルベース超合金などのあらゆる好適な材料で製作することができる。レール16は、当業者には公知であるような、機械加工、押し出し成型、又は他の金属製造法によって形成することができる。
【0017】
図3は、自己潤滑性ブラシシール組立体18の複数のベースブリストル20及び複数の自己潤滑性部材30を含むブリストルストリップ34の部分底面図である。一実施形態では、ベースブリストル20は、金属製材料で製作され且つ全体的に約50μm〜約150μm、或いは約60μm〜約125μm、或いは約75μm〜約100μmの直径を有している。ベースブリストル20は、複数の自己潤滑性部材30と積重ねられ、前部プレート22及び後部プレート24(図1参照)によって狭持されたリング10を形成する。一実施形態では、複数の自己潤滑性部材30は、ブラシパック36のベースブリストル20間に不規則に相互分散される。別の実施形態では、自己潤滑性部材30は、ベースブリストル20間で1又は複数の列38として提供される。他の実施形態では、自己潤滑性部材30は、ベースブリストル20間に不規則に相互分散され、自己潤滑性組立体18におけるブリストルの10に約1つ、又はブリストルの8に約1つ、或いはブリストルの5に約1つが自己潤滑性部材30であるようにされる。更に別の実施形態では、自己潤滑性部材30は、自己潤滑性ブリストル組立体18のブリストルパック36におけるブリストルの総数のうちの約5〜約30体積%又は10〜約25体積%、或いは約15〜約20体積%を占める。一実施形態では、複数の自己潤滑性部材30は、黒鉛、カーボンナノ繊維バンドル及びこれらの組合せから選択される。自己潤滑性ブリストル42は、該自己潤滑性ブリストル42がブリストルパック36内のベースブリストル20とほぼ同じサイズとなるように構成される。
【0018】
図4及び図5に示すように、一実施形態では、自己潤滑性部材30、自己潤滑性ブリストル50は、限定ではないが、例えば自己潤滑性編組(ブレイズ)54によって囲まれたワイヤのようなコア52から構成される。一実施形態では、ブリストルパック36は、あらゆる自己潤滑性ブリストル50から構築される。別の実施形態では、ブリストルパック36は、複数の自己潤滑性ブリストル50及び複数のコアブリストル20から構成され、ブリストルパック36におけるブリストルの総数の約5〜約30体積%、又は10〜約25体積%、或いは約15〜約20体積%を自己潤滑性ブリストル50がほぼ占めるようにする。自己潤滑性ブリストル50の自己潤滑性編組54はコア52を囲む。自己潤滑性編組54は、シース(鞘)としてコア52に施工されて自己潤滑性ブリストル50を形成する。コア52は、限定ではないが、例えば、合金鋼、ニッケル合金のような金属、及び/又はコバルトベース超合金のような高温度合金、及び/又はこれらの組合せから選択される。自己潤滑性編組54は、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む。一実施形態では、カーボンナノ繊維の直径は約30nm〜200nmである。一実施形態では、自己潤滑性編組を含むカーボンナノ繊維は、ブリストルパック36のコア52の周りに又はコア52に対してシースとして施工された編組内にカーボンナノ繊維を電界紡糸することによって施工される。一実施形態では、コア52を囲む自己潤滑性編組54は、自己潤滑性ブリストル50の全体積の総量の約5〜約30体積%、或いは10〜25体積%、或いは約15〜約20体積%を含む。
【0019】
図6及び図7に示すように、一実施形態では、自己潤滑性部材30、自己潤滑性ブリストル60は、コア52を自己潤滑性材料62でコートしたものからなる。図6は、自己潤滑性部材30、自己潤滑性ブリストル60に関する図3の線6−6に沿った断面図である。図7は、自己潤滑性材料62がコア52の外径56を完全に囲んでいることを示した、自己潤滑性ブリストル60の底面図である。一実施形態では、自己潤滑性材料62は、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せである。更に別の実施形態では、化学的蒸着法(CVD)を使用して、コア52を自己潤滑性材料62でコートして自己潤滑性ブリストル60を形成する。自己潤滑性材料62の好適な実施例は、限定ではないが、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、及び炭化窒化チタン(TiCN)のようなセラミックコーティングを含む。一実施形態では、自己潤滑性材料62は、最終引抜ダイの間にコア52の次に位置付けられた潤滑性材料のビレット又はロッドによってコア52の外径56に導入され、自己潤滑性材料62がコア52の外径56を完全に取り囲み、自己潤滑性ブリストル60を形成するようになる。別の実施形態では、自己潤滑性ブリストル60を形成するために、コア52は、自己潤滑性材料62が可動コア52に200〜300°Cの温度でスパッタリングされ矩形スパッタリングターゲットにより物理的蒸着(PVD)チャンバを通じてスプールされる。更に別の実施形態では、化学蒸着(CVD)を使用して、コア52を自己潤滑性材料62でコートして自己潤滑性ブリストル60を形成する。一実施形態では、自己潤滑性材料62は、自己潤滑性ブリストル60の全体積の約10〜約30体積%、又は約15〜約25体積%、或いは17〜約23体積%を含む。
【0020】
図8及び図9に示すように、自己潤滑性ブラシシール組立体18の別の実施形態が提供される。自己潤滑性ブラシシール組立体18は、ブラシパック36及び自己潤滑性部材30を一体的に保持するためにレール32を更に備える複数のブラシシールセグメント70を含む。図8に示すように、ブラシパック36は、ブラシシール組立体18の少なくとも一方に設置された1以上の自己潤滑性部材30に隣接した複数のベースブリストル20を含む。別の実施形態では、自己潤滑性部材30は、該自己潤滑性部材30の交換を容易にしてベースブリストル20(図9参照)の寿命を延ばすため、ブラシシール組立体18に対して取り外し可能に(例えば、82で表記された矢印で示す方向に取り外し可能)取り付けられる。図9に示すように、自己潤滑性ブラシシール組立体18は、複数の自己潤滑性部材30を有する複数のセグメント70を含む。一実施形態では、1以上の自己潤滑性部材30は潤滑パック80である。一実施形態では、潤滑パック80は、ブラシシール組立体18の複数のセグメント70の少なくとも一端に配置される。別の実施形態では、潤滑パック80は、限定ではないが、溶接、締結手段による取り付け、潤滑パック80を保持するためのブラシシール組立体18内の溝形成、或いは他のあらゆる好適な手段などのあらゆる好適な取り付け手段を使用して、ブラシシール組立体18のセグメント70の1以上の端部に取り付けられ、又はセグメント70の1以上に取り外し可能に取り付けられる。図9に示すように、潤滑パック80は通常、円周方向に動いているロータ16が、固体潤滑剤を潤滑パック80から移送して、これを接触するベースブリストル20とロータ表面84との間に塗布するようにして、各ブラシシールセグメント70の端部に配置される。潤滑パック80により、ロータ表面84及びベースブリストル20の摩擦及び摩耗が低減される。
【0021】
潤滑パック80は、金属粉末又は粒子及び潤滑粉末又は粒子を備える、環境的に安定した(耐酸化性)金属マトリックスを含む。一実施形態では、金属マトリックスの金属粉末又は粒子は、限定ではないが、NiCr、CoCr、NiCoCrを含む。金属粉末又は粒子は、潤滑パック80の所望寸法を含む多孔性粉末冶金プリフォーム、又は圧粉体に形成される。次いで、圧粉体粉末プリフォームは、金属粉末又は粒子の絶対温度単位の融点の約50%〜約70%の温度で焼結される。プリフォームが焼結された後、限定ではないが、WS2、MoS2、hBN及びこれらの組合せのような潤滑粉末又は粒子は、限定ではないが、有機媒体中に潤滑粉末又は粒子を含むようなあらゆる好適な技法を用いてプリフォームに真空含浸されてスラリーを生成する。一実施形態では、潤滑粒子は、最終金属マトリックスの約40%〜約60重量%、又は約42%〜約58重量%、或いは約45%〜約55重量%を含む。別の実施形態では、潤滑パック80は、金属粉末又は粒子及び潤滑粉末又は粒子を配合することによって構築される。次いで、配合された金属粉末又は粒子及び潤滑粉末又は粒子は、圧縮成形してプリフォームにされ、次いで、使用される潤滑粉末又は粒子の分解温度よりも低い温度で焼結される。
【0022】
潤滑パック80は、発電システムのロータ16(図1)のような構成要素と接触する。一般的には、潤滑パック80の寸法は、該潤滑パック80が既存のブラシシール組立体内に収められ且つ潤滑パック80がベースブリストル20と同じ長さを有するようなものである。別の実施形態では、潤滑パック80は、パックとして一体的に形成された複数の自己潤滑性ブリストル42、50又は60によって形成される。
【0023】
一実施形態では、発電システムの性能を最大にするために、自己潤滑性ブラシシール組立体18は、発電システムの高圧セクション及び低圧セクションの両方の中間段及び端部パッキンに設置されて端部漏洩を防止する。
【0024】
本発明の実施形態の1つの利点は、スパ低減を可能にするブラシシール組立体を含む。
【0025】
本発明の実施形態の別の利点は、持続的なタービン性能を提供するブラシシール組立体を含む。
【0026】
本発明の実施形態の別の利点は、二次漏洩を制限することによって性能を向上させるための費用効果のある方法をもたらす、改善されたシール設計を含む。
【0027】
本発明の実施形態の別の利点は、自己潤滑性部材によって得られた潤滑相により摩擦係数が低減されることである。
【0028】
本発明の更に別の利点は、自己潤滑性部材によって得られた潤滑相によりタービンのロータの熱不均衡が軽減されることである。
【0029】
本発明の他の利点は、自己潤滑性ブラシシール組立体をタービンの交換ブラシシール組立体として使用できることである。
【0030】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができ且つ本発明の要素を均等物で置き換えることができる点は理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物的事項を本発明の教示に適合するように多くの修正を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、また本発明は、添付の特許請求の範囲の技術的範囲内に属する全ての実施形態を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0031】
10 パッキングリング
12 ダブテール
14 ラビリンス歯
16 回転要素
18 自己潤滑性ブラシシール組立体
20 ベースブリストル
22 前部プレート
24 後部プレート
28 自由端部
30 自己潤滑性部材
32 レール
34 ブリストルストリップ
36 ブリストルパック
42 自己潤滑性ブリストル
50 自己潤滑性ブリストル
52 コア
54 自己潤滑性編組
56 外径
60 自己潤滑性ブリストル
62 自己潤滑性材料
70 ブラシシールセグメント
80 潤滑パック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自己潤滑性部材(30)を備える自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項2】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む複数の自己潤滑性ブリストル(42)から選択される、請求項1記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項3】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、自己潤滑性編組(54)のシースで被覆された複数のコア(52)から選択される、請求項1記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項4】
前記自己潤滑性編組(54)が、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む、請求項3記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項5】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、自己潤滑性材料(62)でコートされた外径(56)を有する複数のコア(52)を含む、請求項1記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項6】
前記自己潤滑性材料(60)が、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、炭化窒化チタン(TiCN)及びこれらの組合せから選択される、請求項5記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項7】
前記自己潤滑性ブラシシール組立体(18)が、複数のセグメント(70)を含み、前記複数の自己潤滑性部材(30)が、前記ブラシシール組立体(18)の複数のセグメント(70)の少なくとも一端に配置された1以上の潤滑パック(80)を含む、請求項1記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項8】
前記潤滑パック(80)が、金属マトリックス及び複数の潤滑粒子を含み、前記複数の潤滑粒子が、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せから選択される、請求項7記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項9】
前記潤滑パック(80)が、前記ブラシシール組立体(18)の複数のセグメント(70)の1以上の外側部分に配置される、請求項7記載の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)。
【請求項10】
自己潤滑性ブラシシール組立体(18)を備える発電システムであって、該自己潤滑性ブラシシール組立体(18)が前記発電システムのロータと接触しており、前記ブラシシール組立体(18)が複数の自己潤滑性部材(30)を有する、発電システム。
【請求項11】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む複数の自己潤滑性ブリストル(42)から選択される、請求項10記載の発電システム。
【請求項12】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、自己潤滑性編組(54)のシースで被覆された複数のコア(52)から選択され、前記自己潤滑性編組(54)が、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの材料の組合せを含む、請求項10記載の発電システム。
【請求項13】
前記複数の自己潤滑性部材(30)の各々が、自己潤滑性材料(62)でコートされた外径(56)を有するコア(52)を含み、前記自己潤滑性材料(62)が、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せから選択される、請求項10記載の発電システム。
【請求項14】
前記自己潤滑性ブラシシール組立体(18)が、複数のセグメント(70)を含み、前記複数の自己潤滑性部材(30)が、前記ブラシシール組立体(18)の複数のセグメント(70)の1以上の一端に配置された1以上の潤滑パック(80)を含み、該1以上の潤滑パック(80)が、金属マトリックス及び複数の潤滑粒子を含み、前記複数の潤滑粒子が、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(Mo2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せから選択される、請求項10記載の発電システム。
【請求項15】
前記潤滑パック(80)が、前記ブラシシール組立体(18)の複数のセグメント(70)の1以上の外側部分に配置される、請求項14記載の発電システム。
【請求項16】
発電システムにおける空気漏洩を低減する方法であって、該方法が、前記発電システムの構成要素(16)と接触する複数の自己潤滑性部材(30)を有する1以上の自己潤滑性ブラシシール組立体(18)を位置付けるステップを含む、方法。
【請求項17】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む複数の自己潤滑性ブリストル(42)から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記複数の自己潤滑性部材(30)が、
黒鉛、カーボンナノ繊維及びこれらの組合せを含む自己潤滑性編組(54)のシースで被覆された複数のコア(52)、及び
黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せから選択された自己潤滑性材料(62)でコートされる外径を有する複数のコア(52)
から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記自己潤滑性ブラシシール組立体(18)が、複数のセグメント(70)を含み、前記自己潤滑性部材(30)が、前記ブラシシール組立体(18)の複数のセグメント(70)の1以上の少なくとも一端に配置された潤滑パック(80)を含み、該潤滑パック(80)が、金属マトリックス及び複数の潤滑粒子を含み、該複数の潤滑粒子が、黒鉛、六方晶窒化ホウ素(hBN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)及びこれらの組合せから選択される、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記発電システムの構成要素(16)が回転部品及び非回転部品から選択される、請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−40682(P2013−40682A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−177635(P2012−177635)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】