説明

自律走行装置及び自律走行方法並びにそのプログラム

【課題】分岐路のある道路でも白線などのガイド線を用いずに自律走行が可能となる自律走行装置を提供する。
【解決手段】周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、近傍の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を、路肩点を示す点範囲と検出する。そして、検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した路肩点を左右両側ごとにそれぞれ結んだ左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する。また、検出範囲内の左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の経路候補が示す点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さと、当該経路候補が示す点範囲隣接する他の点範囲の高さとの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間平面上を自律走行する自律走行装置及び自律走行方法並びにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路形状認識は、自動車などの自律走行やレーンキープなどの運転アシスト装置に適用されている。ここで、関連する自律走行の技術が特許文献1,2および非特許文献1に開示されている。また、運転アシストのための技術が特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3582449号公報
【特許文献2】特開2010−250743号公報
【特許文献3】特開2007−11994号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Chris Urmson、外15名、「High speed navigation of unrehearsed terrian: Red Team Technology for Crand Challenge 2004」、The Robotics Institute Carnegie Mellon University、June 1,2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述の特許文献1の技術は、車両に搭載したレーザセンサにより道路の白線やガードレールの位置を計測して道路形状を計測し、それに沿った移動経路と目標走行速度を生成して、車両のステアリング、アクセルおよびブレーキを操作して自律走行するための技術である。
【0006】
また、上述の特許文献2の技術は、レーザセンサで得た地形データをもとに路肩(高低差の境界点)を抽出し、複数の路肩の点列を2重円弧で結んだ曲線を道路形状とし、それに沿う移動経路と目標走行速度を生成して、車両のステアリング、アクセルおよびブレーキを操作して自律走行するための技術である。
【0007】
また、上述の非特許文献1は、衛星写真を用いた地図上で、経由点と位置ずれ許容(経由点を中心とした円)からなる点列で基本経路を与え、それらを結んだ曲線を移動経路とする技術である。当該技術においては、GPSにより、地図上での車両位置を判定し、移動経路に沿うように、車両のステアリング、アクセルおよびブレーキを操作して自律走行するための技術である。
【0008】
また、上述の特許文献3は、レーンキープなど運転支援を目的とした技術であり、撮影画像から抽出した道路エッジと、道路モデル(1本道,三叉路,十字路など)を射影変換してマッチングして道路形状を認識する技術である。
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1〜3および非特許文献1の技術は、無人走行車および無人走行車を使った周辺地図作成に適用する場合に次の課題がある。
つまり、上述の特許文献1では、白線等の基準線が必要であり、オフロードを自律走行する技術としては適用することができない。
また、上述の特許文献2の技術では、レーザセンサで検出した路肩の点列を、2重円弧、スプラインなどの曲線で近似するため、認識した道路形状が1本道(直線または曲線)になり、分岐路のある道路を自律走行する技術としては適用することができない。
また、上述の非特許文献1の技術は、地図データにおける経路上の点を、短い間隔で設定するため、長距離走行となるほどオペレータによる経路上の点の入力の負担が増大する。またGPS精度が低い場合には、オペレータが入力した経路とのマッチングができず道路形状を判定できない。
また、上述の特許文献3の技術では、道路の曲率、道幅、分岐に応じた多数の道路モデルを用意する必要があり、効率的でない。
【0010】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる自律走行装置及び自律走行方法並びにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を、路肩点を示す点範囲と検出する路肩検出部と、前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する道路形状認識部と、前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定する走行経路特定部と、を備えることを特徴とする自律走行装置である。
【0012】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記道路形状認識部は、前記左右両側それぞれの路肩線の中央線を道路形状と認識することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記走行経路特定部は、前記道路形状と認識した中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正する座標修正部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記走行経路を示す前記点範囲の情報を記録する走行経路記録部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記路肩線を示す前記点範囲の情報を記録する路肩記録部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、上述の自律走行装置において、前記点範囲それぞれについて算出した高さを記録する高さ情報記録部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、自律走行装置の自律走行方法であって、周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を路肩点を示す点範囲と検出し、前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識し、前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定することを特徴とする自律走行方法である。
【0019】
また本発明は、上述の自律走行方法において、前記走行経路特定部は、前記道路形状と認識した前記左右両側それぞれの路肩線の中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、上述の自律走行方法において、前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、自律走行装置のコンピュータを、周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を、路肩点を示す点範囲と検出する路肩検出手段、前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する道路形状認識手段、前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定する走行経路特定手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0022】
また本発明は、上述のプログラムにおいて、前記走行経路特定手段は、前記道路形状と認識した前記左右両側それぞれの路肩線の中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定することを特徴とする。
【0023】
また本発明は、上述の手段に加え、さらに前記コンピュータを、前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正する座標修正部手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、白線等の基準線が無くとも、路肩点を検出して特定した走行経路上を走行するので、オフロードを自律走行することも可能となる。
また、本発明によれば、基準経路を基に設定した円の検出範囲内において路肩点を検出し、当該路肩点による左右両側の路肩線内の経路候補から走行経路を特定するため、分岐路のある道路でも自律走行が可能となる。
また、本発明によれば、道路の曲率、道幅、分岐に応じた多数の道路モデルを用意しなくとも自律走行を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、GPSセンサにより検出する現在の位置の精度が低下する山間部などにおいても、基準経路との差を判定して、現在の位置を補正するため、山間部などのGPSセンサにより検出する現在の位置の精度が低下する範囲においても自律走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自律走行装置の概要を示す図である。
【図2】接地面の高さを検出できる範囲を示す図である。
【図3】自律走行装置の機能ブロック図である。
【図4】データベースに記録される基準経路のデータ例を示す図である。
【図5】自律走行装置の処理フローを示す図である。
【図6】自律走行装置の処理概要を示す第1の図である。
【図7】自律走行装置の処理概要を示す第2の図である。
【図8】自律走行装置の処理概要を示す第3の図である。
【図9】座標修正処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態による自律走行装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による自律走行装置の概要を示す図である。
この図において、符号1は、自律走行装置を示している。また符号10は、自律走行装置1に備えられたレーザセンサを示している。自律走行装置10は車輪を備えており、車輪を回転駆動することにより前方または後方へ進むことができる。また自律走行装置10は内部にハンドル機能を備えており、前輪または後輪またはそれら両方の左右の向きを変えることにより、進行方向を変更することができるものである。そして、自律走行装置1に備えられたレーザセンサ10は、周囲の検出範囲Aの接地面Eにレーザを照射して、その反射波によって接地面Eの高さを計測するものである。当該レーザセンサ10は接地面Eに垂直な回転軸Oを中心に回転する。これによりレーザセンサ10は、自律走行装置1の周り360度の各方向にレーザを照射することもできる。従って、自律走行装置1は自装置を囲む360度全ての方向の所定の検出範囲Aの接地面Eの高さを計測することができる。
【0027】
図2は接地面の高さを検出できる範囲を示す図である。
この図が示すように、自律走行装置1に備えられたレーザセンサ10は、レーザセンサ10を中心とする半径Rの検出範囲Aの接地面Eに対してレーザ光を照射することができる。これにより、レーザ光の照射できる半径Rの円の検出範囲Aが、接地面Eの高さを検出できる範囲となる。つまり本実施形態においては、検出範囲Aはレーザセンサ10を中心とした円である。自律走行装置1は、算出した走行経路を走行しながらレーザセンサ10を回転軸O周りに回転させて、自装置の周囲の接地面Eの高さを計測し、これにより、自律走行が可能な走行経路を算出し、これを繰り返す。
【0028】
図3は自律走行装置の機能ブロック図である。
この図が示すように自律走行装置1は、レーザセンサ10、制御装置11、GPSセンサ12、運転装置13、姿勢センサ14、車輪回転センサ15を備えている。制御装置11は自律走行装置1の制御を行う装置である。またGPSセンサ12はGPS衛星から受信した信号に基づいて、現在の自律走行装置1の位置座標を検出する装置である。また運転装置13は、ハンドル角度、ブレーキ強度、アクセル強度を調整する装置である。
制御装置11はレーザセンサ10から入力した情報に基づいて接地面Eの高さを検出し、走行経路を特定する。また制御装置11はGPSセンサ12から入力した位置に基づいて、地図上における自装置の位置を特定する。そして、制御装置11は、特定した走行経路に関する情報を運転装置13に対して出力し、運転装置13が走行経路に基づいてハンドル角度、ブレーキ強度、アクセル強度を調整する。
【0029】
ここで、制御装置11は、自律走行制御部111、路肩検出部112、道路形状認識部113、走行経路特定部114、座標修正部115、処理結果記録部116(走行経路記録部,路肩記録部,高さ情報記録部)、データベース117を備えている。
自律走行制御部111は、制御装置11内の各処理部を制御するとともに、運転装置13に対して自律走行のための制御を行う処理部である。
またデータベース117は各処理に必要な情報を記録し、また各処理部によって算出された結果の情報を記録する。
路肩検出部112、道路形状認識部113、走行経路特定部114、座標修正部115、処理結果記録部116は自律走行制御部111がメモリから制御プログラムを読み込んで実行することにより、制御装置11内に構成される各処理部である。
【0030】
路肩検出部112は、自律走行装置1の周囲の検出範囲Aの接地面E全体に仮想的に設けた点範囲(グリッド)それぞれの高さを検出し、近傍の点範囲(グリッド)との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲(グリッド)を、路肩点を示す点範囲(グリッド)と検出する処理部である。
また、道路形状認識部113は、検出範囲A内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した路肩点を左右両側ごとにそれぞれ結んだ左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する処理部である。
また、走行経路特定部114は、検出範囲A内の左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す点範囲(グリッド)を特定し、当該経路候補が示す各点範囲(グリッド)の高さと、当該経路候補が示す点範囲(グリッド)が隣接する他の点範囲(グリッド)の高さとの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定する処理部である。
【0031】
また、座標修正部115は、道路形状が示す左右両側それぞれの路肩線の幅の中央を結ぶ中央線を示す座標と、基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合に、中央線と基準線との距離を示す評価関数により当該距離が最小と算出できる距離に、道路形状を示す路肩点の座標を修正する処理部である。
また、処理結果記録部116は、走行経路を示す点範囲(グリッド)の情報、路肩線を示す点範囲(グリッド)の情報、点範囲(グリッド)それぞれの高さの情報を記録する処理部である。
【0032】
図4はデータベースに記録される基準経路のデータ例を示す図である。
自律走行装置1は、データベース117において、予めオペレータによって作成された基準経路の情報を記憶している。当該基準経路は、オペレータが、地図上にプロットした座標と、当該座標をスプラインなどの公知の曲線で補完して結んだ線の情報を含むものである。例えば、オペレータが制御装置11を操作して、制御装置11に接続されたモニタに地図を表示し、当該地図上に基準経路上の点をプロットすることにより、当該地図上にプロットされた点に対応する座標が制御装置11のデータベース117内に基準経路情報として記録される。また、制御装置11の自律走行制御部111は、当該入力された基準経路上の点をスプライン曲線により補完して、基準経路の線データを生成するとともに、線データを所定の距離毎に分割した分割点を、当該線データをデータベース117内に基準経路情報として記録する。つまり、基準経路情報は、オペレータから入力された点と、基準経路の線データを分割して得た分割点とからなる情報である。基準経路を表す線上の各分割点の距離は、例えば、10メートルなどの距離である。
【0033】
図5は自律走行装置の処理フローを示す図である。
図6は自律走行装置の処理概要を示す第1の図である。
図7は自律走行装置の処理概要を示す第2の図である。
次に、自律走行装置の処理フローについて順を追って説明する。
まず、オペレータの入力部の操作等により、自律走行装置1の自律走行制御部111が自律走行開始の信号を入力すると、当該自律走行制御部111は、データベース117から基準経路情報を読み取る。そして、自律走行制御部111は、基準経路情報内から始点として記録されている座標を取得する。また自律走行制御部111は、基準経路情報内の始点から2つ先の点(走行ベクトル算出点)までの座標を取得する。そして、自律走行制御部111は、現在位置を示す点(始点)と次の基準経路上の点(走行ベクトル算出点)とを結ぶ走行ベクトルを算出し(ステップS101)、当該走行ベクトルを運転装置13へ出力する。これにより、運転装置13は走行ベクトル方向にハンドル角度を制御して、自律走行を開始する(ステップS102)。当該自律走行の初期速度は、例えば、予めメモリ等に記録された初期速度まで加速し、その後その初期速度により自律走行を行う。
【0034】
走行を開始する同時に、自律走行制御部111は路肩検出部112へ処理開始を通知する。すると、路肩検出部112は、レーザセンサ10を制御して、当該レーザセンサ10から得た情報に基づいて、検出範囲A内における前方の接地面全体に仮想的に設けたグリッドそれぞれに対応する接地面Eの高さを検出する。なお検出範囲A内における前方とは、例えばレーザセンサ10を原点とし、走行ベクトル方向を基準とした左右の所定の角度(例えば左右45度)の検出範囲A内の扇形の範囲である。
【0035】
ここで、接地面Eに仮想的に設けられたグリッドそれぞれの高さは、レーザセンサ10のレーザ照射源pを基準とした接地面Eとの距離である。図1より、レーザ照射源pの高さを接地面Eからの高さをH、レーザ照射源pからレーザ照射先の接地面の点までの距離をD、レーザ照射源からレーザ照射先の接地面の点までの距離の水平成分をLとすると、H=√(L−D)により算出することができる。Hはレーザ照射源pからの垂直方向の距離であるため、Hの値が小さいほど、計測対象のグリッドにおける接地面Eの高さが高いと判定される。なお、距離Dはレーザ光の照射時刻からそのレーザ光の反射波の受信時刻の差tと、高速cとを用いてD=ctにより算出できる。また距離Lはレーザ光の照射角度によって予め定められた値である。なお、グリッドそれぞれの接地面Eにおける高さの算出はこれ以外の公知の技術であればどのようなものであってもよい。
【0036】
そして、路肩検出部112は、検出範囲Aの前方において仮想的に設けたグリッドそれぞれに対応する接地面Eの高さを検出する(ステップS103)。路肩検出部112は、検出範囲Aの前方の所定の範囲において、1つの路肩判定対象のグリッドを選択する。そして、路肩検出部112は選択した路肩判定対象のグリッドの接地面Eの高さと、当該路肩判定対象のグリッドの近傍のグリッド群のうち、検出範囲A内における外側方向のグリッド群の高さの平均値との差が路肩検出基準値以上となるかを、全てのグリッドについて行う(ステップS104)。ここで、検出範囲A内における外側方向のグリッド群とは、レーザセンサ10から対象グリッドを見たときに、検出範囲A内においてその路肩判定対象のグリッドより外側にある領域に位置するグリッド群を言う。例えば、右側45度方向に位置するグリッドを路肩判定対象とすれば、検出範囲A内における外側方向のグリッド群とは、当該路肩判定対象のグリッドの右側45度方向に外側の隣接するグリッド群である。グリッド群に含まれるグリッド数やグリッド範囲の形状などは予め定められていてもよい。そして、路肩検出部112は、路肩判定対象のグリッドの高さと、当該グリッドの近傍のグリッド群のうち、検出範囲A内における外側方向のグリッド群の高さの平均値との差の絶対値が路肩検出基準値以上となる場合には、当該路肩判定対象のグリッドを、路肩点候補として特定する。なお、路肩点候補の特定方法はこれ以外の公知の技術を用いるようにしてもよい。図6(a)は検出された路肩点を示している。
【0037】
ここで、路肩検出部112は、検出範囲Aの前方の所定の範囲内において、路肩判定対象のグリッドの高さと、当該路肩判定対象のグリッドの近傍のグリッド群のうち検出範囲A内における外側方向のグリッド群の高さの平均値と、の差の絶対値が路肩検出基準値以上となるグリッドが存在したかを判定する(ステップS105)。そして、当該差の絶対値が路肩検出基準値以上となるグリッドが存在する場合には走行経路の特定を開始する。そして、路肩検出部112は、現在の位置から基準経路上の2つ先の分割点までの方向を示す進行方向を算出する。そして路肩検出部112は、算出した進行方向に一致する直線を中心に、検出範囲A内の左側半分の範囲と右側半分の範囲のそれぞれにおいて路肩を示す路肩点を別々に、左側の路肩点、右側の路肩点として特定する。図6(b)は、検出範囲A内の左側半分の範囲と右側半分の範囲をそれぞれ異なるハッチングで示している。そして、処理結果記録部116は、左側の路肩点と特定したグリッドの情報と、右側の路肩点と特定したグリッドの情報とを、路肩情報としてデータベース117に記録していく。
【0038】
また処理結果記録部116は、路肩点と特定した各グリッドを路肩点情報として記録するだけでなく、各グリッドについて走行可または走行不可と判定した情報を示す走行可否情報をデータベース117に記録するようにしてもよい。例えば、路肩検出部112が、路肩点を示すグリッド以外のグリッドについて、隣接する他のグリッドまたは所定の距離離れた他のグリッドとの高さの差が走行不可と判定する閾値以上であるかを判定し、閾値以上である場合には、そのグリッド上の走行を走行不可と判定する。そして、処理結果記録部116が、各グリッドについて走行可、または走行不可を示す走行可否情報をデータベース117に登録する。また、処理結果記録部116は、各グリッドについて算出された高さ情報をデータベース117に記録する。
【0039】
検出範囲Aの前方における所定の範囲の全てのグリッドについて路肩点であるかの判定が終了すると次に、道路形状認識部113が基準経路情報をデータベース117から読み込む。そして道路形状認識部113は、当該基準経路情報から特定できる基準経路であって、検出範囲Aの前方における所定の範囲内の基準経路上の点をスプライン曲線により結ぶ線を所定の間隔xごとに区切り、各区間の中間を通過点として特定する。道路形状認識部113は、GPSセンサ12から入力した現在の座標と、通過点が示す座標が一致した場合には、通過点に到達したと判定し、道路形状の認識処理を開始する。
【0040】
当該道路形状の認識処理においては、道路形状認識部113は、左側および右側の路肩点の座標を路肩検出部112内に備えられたメモリ等の記憶部から読み込む。そして道路形状認識部113は、左側の路肩点の座標を曲線により補完して左側の路肩線を生成するとともに、右側の路肩点の座標を曲線により補完して右側の路肩線を生成する。そして、道路形状認識部113は、左側の路肩線と、右側の路肩線の中央線を算出する。道路形状認識部113は、算出した中央線を道路形状と認識する(ステップS106)。図6(c)においては、右側と左側の路肩線の間の中央線を示している。
【0041】
ここで、左側の路肩線と右側の路肩線の間の中央線は、例えば、左側の路肩線上の点と、当該点を通る路肩線の接線に垂直な線と右側の路肩線が交差する点と、を結ぶ直線の中央点を、左側の路肩線上の複数の異なる位置の点に基づいて算出し、それら中央点をスプライン曲線により補完した線である。または中央線として、右側の路肩線上の点と、当該点を通る右側路肩線の接線に垂直な線と左側の路肩線が交差する点と、を結ぶ直線の中央点を、右側の路肩線上の複数の異なる位置の点に基づいて算出し、それら中央点をスプライン曲線により補完した線であるようにしてもよい。または他の手法によって中央線を算出するようにしてもよい。中央点の算出と、当該中央点を結ぶことにより中央線を算出する例は、他の技術であってもよい。
【0042】
道路形状の認識の後、道路形状認識部113は座標修正部115へ座標修正処理が必要であるかの判定の開始を指示する。そして、座標修正部115は、座標修正処理が必要かを判定する(ステップS107)。座標修正処理が必要と判定した場合には、座標修正部115は座標修正処理を行う(ステップS114)。座標修正処理の詳細については後述する。
【0043】
次に走行経路特定部114が、左右の路肩線の間における線状の経路候補であって、算出した中央線に平行な複数の異なる経路候補の情報を算出する(ステップS108)。当該経路候補は、例えば、検出範囲A内に限定されて算出される。そして例えば、当該経路候補の情報は、検出範囲A内において中央線を算出するにあたり特定した左右の路肩線を結ぶ線の中央点から一定距離、中央線から垂直に離れた点を示す座標の集合により表される線の情報などである。図7(d)においては、左右の路肩線の間に複数の経路候補を示している。次に走行経路特定部114は、検出範囲A内における1つの経路候補の線上に位置する全てのグリッドを特定し、当該各グリッドの走行可否情報を取得する。
【0044】
ここで、走行可否情報は走行可の場合は「1」を示し、走行不可の場合は「0」を示すものとする。なお、図7(e)において、接地面Eのグリッドを示し、走行不可のグリッドと、走行可のグリッドとを色分けして表している。また、走行経路特定部114は、検出範囲A内における経路候補の線上にある全てのグリッドの数を特定する。そして、走行経路特定部114は、検出範囲A内における1つの経路候補の評価スコアを、当該経路候補の線上にあるグリッドの可否情報の合計値と、当該経路候補の線上にある全てのグリッド数とを乗じることにより算出する。また、走行経路特定部14は検出範囲A内において設定した全ての経路候補の評価スコアを同様に算出する。そして、走行経路特定部114は、最も評価スコアが高い経路候補を走行経路と特定する(ステップS109)。図7(f)においては左右の路肩線の間において特定した走行経路を示している。
【0045】
また走行経路特定部114は、特定した走行経路を示す線データを所定の距離毎に分割した分割点の座標を走行経路情報として算出する。そして、走行経路特定部114は、算出した走行経路情報を自律走行制御部111へ出力する。次に自律走行制御部111は、走行経路情報が示す走行経路の分割点のうち、現在の座標に近い座標を示す分割点と、その次の分割点とを結ぶ走行ベクトルを算出する(ステップS110)。そして、自律走行制御部111は、算出した走行ベクトルを運転装置13へ出力する。すると運転装置13は、走行ベクトル方向にハンドル方向を操作する。これにより自律走行装置1は、制御装置11によって特定された走行経路上を走行する(ステップS111)。
【0046】
上述の処理において、路肩判定対象のグリッドの高さと、当該路肩判定対象のグリッドの近傍のグリッド群のうち検出範囲A内における外側方向のグリッド群の高さの平均値と、の差が路肩検出基準値以上となるグリッドが存在しない場合がある。このような場合には、走行経路特定部114は、基準経路をデータベース117から読み取って、当該基準経路を走行経路と特定する(ステップS112)。これにより自律走行制御部111は、基準経路を用いて、当該基準経路が示す走行経路の分割点のうち、現在の座標に近い座標を示す分割点と、その次の分割点とを結ぶ走行ベクトルを算出することとなる。これにより、自律走行装置1は、基準経路に沿った走行を行う。なお、自律走行装置1の自律走行制御部111は、左右両側の路肩線の幅(道幅)に応じた1以下の係数を最高速度に乗じて、自律走行装置1の走行速度を算出し、これを運転装置13へ出力するようにしてもよい。この場合、運転装置13は入力した走行速度に達するまで加速制御する。
【0047】
そして、ステップS111の後、GPSセンサ12から入力した現在の座標と、基準経路情報で示される終点の座標との距離が、自律走行終了と判定するための所定の距離以下になったかを判定する(ステップS113)。そして、自律走行終了で無い場合には、制御装置11は、上述のステップS103〜ステップS114の処理を、例えば1秒間に20回程度の周期で繰り返す。現在の座標と、基準経路情報で示される終点の座標との距離が、自律走行終了と判定するための所定の距離以下になった場合には、自律走行制御部111は、自律走行の制御を停止する。
【0048】
図8は自律走行装置の処理概要を示す第3の図である。
図8(g)で示すように、予め記録する基準経路が示す座標と、GPSセンサ12から得た座標に基づいて特定した路肩点に基づいて認識した道路形状が示す座標とが、著しく離れている場合には、基準経路に基づいて走行経路を特定する場合に備えて、座標修正をすることが必要となる。従って、上述のステップS107において座標修正処理が必要であると判定した場合には、座標修正部115は座標修正処理を開始する(ステップS114)。より具体的には、座標修正処理が必要であるかどうかの判定は、まず、座標修正部115が、GPSセンサ12から入力した座標と、基準経路上の分割点が示す座標のうち最も近い分割点の座標との距離が、所定の距離以上になったかを判定する。そして、GPSセンサ12から入力した座標と、基準経路上の分割点が示す座標のうち最も近い分割点の座標との距離が、所定の距離以上である場合には、座標修正部115は、座標修正処理を行うと判定する。
【0049】
すると、座標修正部115は、ステップS106で認識した検出範囲A内の道路形状を、データベース117から読み取る。そして、座標修正部115は、図8(h)で示すように、基準経路を(x,y)方向に移動させた移動後基準経路と、上述の処理で認識した検出範囲A内の道路形状との違いの度合いを、評価関数を用いて算出する。そして、座標修正部115は、異なる移動後基準経路について、上述の処理で認識した検出範囲A内の道路形状との違いの度合いを評価関数を用いて算出し、最も違いの度合いが低い値を示す場合の移動後基準経路についての基準経路からの移動量(x方向、y方向の移動量)を特定する。そして、座標修正部115は、当該移動量と逆方向の移動量を、検出した路肩点や道路形状を示す点の座標に加算することにより、路肩点の位置、車両の現在位置、認識した道路形状の情報を補正する。
【0050】
図9は座標修正処理の概要を示す図である。
図9で示すように、座標修正部115は、基準経路上の分割点に移動量を加算して、移動後基準経路の各分割点(p1,p2・・・pn)を算出する。また座標修正部115は、認識した道路形状上の各分割点(q1,q2・・・qn)を特定する。そして、移動後基準経路上および認識した道路形状上の対応する分割点の曲率のずれをr、当該対応する分割点のユークリッド距離をdとして表すと、ある移動量nによる移動後基準経路と、認識した道路形状との間の評価関数E(n)は式(1)により表すことができる。
【0051】
【数1】

【0052】
この式においてkおよびkは重み付け係数である。また当該式においてΣは、全ての対応する分割点について算出した「k・r+k・d」の総和を示している。そして例えば、n=1,2,…100により、100ケースの移動量による移動後基準経路と、認識した道路形状との間の評価関数Eによる評価値に基づいて、最も評価値が小さい、つまり違いの度合いが低い値を示す場合の移動量を特定する。そして、座標修正部115は、当該移動量と逆方向の移動量を、検出した路肩点や道路形状を示す点の座標に加算することにより、路肩点の位置や、認識した道路形状の情報を補正する。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、白線等の基準線が無くとも、路肩点を検出して特定した走行経路上を走行するので、オフロードを自律走行することも可能となる。
【0054】
また、上述の処理によれば、基準経路を基に設定した円の検出範囲内において路肩点を検出し、当該路肩点による左右両側の路肩線内の経路候補から走行経路を特定するため、分岐路のある道路でも自律走行が可能となる。また、上述の処理によれば、道路の曲率、道幅、分岐に応じた多数の道路モデルを用意しなくとも自律走行を行うことが可能となる。つまり、本実施形態の自律走行装置では、オペレータが地図上にプロットした点を曲線補完して作った基準経路を、道路モデルとして使用している。そして自律走行装置は、道路形状認識の処理において、基準経路に沿って左右の範囲円を設定して路肩点を絞り、その路肩点を通る曲線を計算している。すなわち、基準経路の周辺にある路肩点だけを抽出しているので、基準経路に近い形状の走行経路が得られる。これにより自律走行装置は、分岐路等の道路モデルを用意することなく走行することができる。
【0055】
また、GPSセンサにより検出する現在の位置の精度が低下する山間部などにおいても、基準経路との差を判定して、現在の位置を補正するため、山間部などのGPSセンサにより検出する現在の位置の精度が低下する範囲においても自律走行することができる。
【0056】
なお、上述の自律走行装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0057】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1・・・自律走行装置
10・・・レーザセンサ
11・・・制御装置
12・・・GPSセンサ
13・・・運転装置
111・・・自律走行制御部
112・・・路肩検出部
113・・・道路形状認識部
114・・・走行経路特定部
115・・・座標修正部
116・・・処理結果記録部
117・・・データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を、路肩点を示す点範囲と検出する路肩検出部と、
前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する道路形状認識部と、
前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定する走行経路特定部と、
を備えることを特徴とする自律走行装置。
【請求項2】
前記道路形状認識部は、前記左右両側それぞれの路肩線の中央線を道路形状と認識する
ことを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
【請求項3】
前記走行経路特定部は、前記道路形状と認識した中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、
当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自律走行装置。
【請求項4】
前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正する座標修正部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の自律走行装置。
【請求項5】
前記走行経路を示す前記点範囲の情報を記録する走行経路記録部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の自律走行装置。
【請求項6】
前記路肩線を示す前記点範囲の情報を記録する路肩記録部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の自律走行装置。
【請求項7】
前記点範囲それぞれについて算出した高さを記録する高さ情報記録部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の自律走行装置。
【請求項8】
自律走行装置の自律走行方法であって、
周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を路肩点を示す点範囲と検出し、
前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識し、
前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定する
ことを特徴とする自律走行方法。
【請求項9】
前記走行経路特定部は、前記道路形状と認識した前記左右両側それぞれの路肩線の中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、
当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定する
ことを特徴とする請求項8に記載の自律走行方法。
【請求項10】
前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の自律走行方法。
【請求項11】
自律走行装置のコンピュータを、
周囲の検出範囲の接地面に仮想的に設けた点範囲それぞれの高さを検出し、前記検出範囲外側に隣接する他の点範囲との高さの差が路肩検出基準値以上となる場合の点範囲を、路肩点を示す点範囲と検出する路肩検出手段、
前記検出範囲内における基準経路の左右両側それぞれにおいて検出した前記路肩点を前記左右両側ごとにそれぞれ結んで前記左右両側それぞれの路肩線を特定し、当該左右両側それぞれの路肩線に基づいて道路形状を認識する道路形状認識手段、
前記検出範囲内の前記左右の路肩線の間に仮想的に設けた複数の線状の経路候補が示す前記点範囲を特定し、当該経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい前記経路候補を走行経路と特定する走行経路特定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記走行経路特定手段は、前記道路形状と認識した前記左右両側それぞれの路肩線の中央線に平行な、異なる複数の前記経路候補を前記左右の路肩線の間に仮想的に設け、
当該複数の経路候補のうち、経路候補が示す各点範囲の高さの変化量の小さい経路候補を走行経路と特定する
ことを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
上述の手段に加え、さらに前記コンピュータを、
前記道路形状と認識した前記中央線を示す座標と、前記基準経路を示す座標とが、所定の距離以上離れている場合には、前記中央線と前記基準経路との距離を示す評価関数に基づいて、当該距離が最小と評価できる前記基準経路の移動量を用いて、前記道路形状を示す前記路肩点の座標を修正する座標修正部手段、
として機能させることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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