説明

自然循環型原子炉

【課題】チムニーの製造時間を短縮することができる自然循環型原子炉を提供する。
【解決手段】原子炉圧力容器2内で、炉心4の上方にチムニー7が配置される。チムニー7のチムニー隔壁7Aは、上端部に格子部を有し、格子部から下方に向かって伸びる複数の隔壁部を有する。炉心4内に挿入される制御棒8は、原子炉圧力容器2の内面に設置されたワイヤ巻き取り装置21に巻き取られるワイヤ27に接続されている。ワイヤ巻き取り装置21によるワイヤ27の巻き取り、巻き戻しにより、制御棒8が炉心4に出し入れされる。炉心4から引き抜かれた制御棒8のブレードが、隔壁部とスライド可能に嵌合されてチムニー隔壁7Aの側壁の一部になり、チムニー7内に形成される複数の冷却材通路の形成に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然循環型原子炉に係わり、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な自然循環型原子炉に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、提唱されている自然循環型原子炉である自然循環型沸騰水型原子炉(以下、自然循環型BWRという)では、冷却水を炉心に供給する自然循環の駆動力を確保するために、複数の燃料集合体が装荷された炉心の上方に、炉心からの蒸気と水の二相流が流れる区画された領域形成するチムニーが設けられる(例えば、特公平7−27051号公報参照)。この自然循環型BWRの炉心の反応度を調整して原子炉出力を制御する原子炉出力制御系は、従来の強制循環型沸騰水型原子炉と同様に、原子炉圧力容器の底部に設けた複数の制御棒駆動機構ハウジング内に制御棒駆動機構をそれぞれ設置し、それぞれの制御棒駆動機構に制御棒を連結して構成される。
【0003】
制御棒は、制御棒駆動機構により炉心から引き抜かれ炉心に挿入されることによって、原子炉出力を制御する。制御棒の炉心への挿入操作及び炉心からの引抜き操作は、炉心の下方から行われる。制御棒駆動機構としては、水圧駆動の制御棒駆動機構及びモータ駆動の制御棒駆動機構がある。
【0004】
制御棒駆動機構を炉心の下方に設置し、制御棒操作を炉心の下方にて行う理由の一つは、制御棒及び制御棒駆動機構を炉心の上方に配置した場合には、炉心から上方に流出する気液二相流により制御棒の流動振動が懸念されることである。制御棒駆動機構を原子炉圧力容器の底部に設けた自然循環型BWRでは、炉心から引き抜かれた制御棒を原子炉圧力容器内で炉心下方に形成された下部プレナムに配置する必要があり、チムニーの設置と相俟って原子炉圧力容器の高さが高くなる。
【0005】
自然循環型BWRにおける制御棒駆動機構及び制御棒の配置について、以下の技術が知られている。特開2002−55189号公報では、原子炉圧力容器内において、炉心の上方にチムニーを設置し、このチムニーと気水分離器の間にモータ駆動の制御棒駆動機構を配置している。この制御棒駆動機構を用いて上方より制御棒の炉心への出し入れを行っている。
【0006】
特開平6−249988号公報は、制御棒を操作するワイヤ巻上げ/巻下げ装置を設けた強制循環型沸騰水型原子炉を記載している。ワイヤ巻上げ/巻下げ装置は、気水分離器及び蒸気乾燥器より上方に配置されて原子炉圧力容器内に設置されている。制御棒はワイヤでワイヤ巻上げ/巻下げ装置に吊り下げられ、ワイヤ巻上げ/巻下げ装置がワイヤを巻き取ることによって制御棒を炉心から上方に向かって引き抜き、ワイヤを巻き戻すことによって制御棒を炉心内に挿入する。
【0007】
特表平5−509166号公報は、自然循環型原子炉に反応度制御装置を設けることを記載している。この反応度制御装置は、炉心内の燃料集合体相互間に配置されて横断面が十字形をしている制御ブレード内に液体ポイズンを供給し、制御ブレード内におけるこの液体ポイズンの液位を調節して原子炉出力を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平7−27051号公報
【特許文献2】特開2002−55189号公報
【特許文献3】特開平6−249988号公報
【特許文献4】特表平5−509166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特開2002−55189号公報及び特開平6−249988号公報に記載されたように、制御棒を炉心の上方から炉心に出し入れする場合には、炉心から引き抜かれている制御棒の、炉心から流出する冷却材による流動振動を抑制する必要がある。また、チムニーを有する自然循環型原子炉では、チムニーの製造に要する時間を短縮することが望まれている。
【0010】
本発明の目的は、チムニーの製造時間を短縮することができる自然循環型原子炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器内に配置され、複数の燃料集合体が装荷された炉心と、炉心の上方に配置されたチムニーと、炉心に装荷された燃料集合体間に挿入される、軸心から四方に伸びる複数のブレードをそれぞれ有する複数の制御棒とを備え、
そのチムニーが、筒状体であるチムニー胴及びこのチムニー胴内に配置されたチムニー隔壁を有し、このチムニー隔壁が上端部に配置された格子部及びこの格子部から下方に向かって伸びている複数の隔壁部を有し、格子部の真下に位置する制御棒のブレードの先端部が、このブレードと隣り合う隔壁部に形成された、原子炉圧力容器の軸方向に伸びるガイド溝に噛み合い、炉心から引き抜かれた、格子部の真下に位置する制御棒のブレードが、隔壁部と共に、チムニー内に形成される冷却材通路の側壁を形成することにある。
【0012】
炉心から引き抜かれた制御棒のブレードを、チムニー隔壁の一部としてチムニー内に形成される冷却材通路を画定するために用いることができるので、チムニー隔壁の交点における隔壁同士の溶接が格子部の高さの部分だけになり、チムニー隔壁の溶接長さを著しく短くすることができる。このため、自然循環型原子炉に用いるチムニーの製造時間を短縮することができる。
【0013】
原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器内に配置され、複数の燃料集合体が装荷された炉心と、炉心の上方に配置されたチムニーと、炉心に装荷された燃料集合体間に挿入される、軸心から四方に伸びる複数のブレードをそれぞれ有する複数の制御棒と、それぞれの制御棒を別々に収納する制御棒案内管と、各々の制御棒案内管の下端部に別々に接続された複数の駆動水供給管とを備え、
そのチムニーが、筒状体であるチムニー胴及びこのチムニー胴内に配置されたチムニー隔壁を有し、このチムニー隔壁が上端部に配置された格子部及びこの格子部から下方に向かって伸びている複数の隔壁部を有し、格子部の真下に位置する制御棒案内管が、隔壁部と共に、チムニー内に形成される冷却材通路の側壁を形成することによっても、上記した目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自然循環型原子炉に備えられるチムニーの製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な一実施例である実施例1の自然循環型原子炉の自然循環型沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】制御棒とチムニーとの係合状態を示す図3の拡大図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図5に示したワイヤ巻き取り装置の拡大縦断面図である。
【図7】制御棒とチムニーとの係合状態の他の実施例の横断面図である。
【図8】本発明の他の実施例である実施例2の自然循環型原子炉の自然循環型沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【図9】図8のIX部の拡大図で図10のXI−XI断面図である。
【図10】図9のX−X断面図である。
【図11】本発明の他の実施例である実施例3の自然循環型原子炉の自然循環型沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の好適な一実施例である実施例1の自然循環型原子炉である自然循環型BWRを、図1、図2、図3、図4及び図6を用いて説明する。
【0018】
自然循環型BWR1は、原子炉圧力容器2、炉心シュラウド3、炉心4、チムニー7、複数の制御棒8、ロープ巻き取り装置21を備えている。複数の燃料集合体5が装荷されている炉心4が、炉心シュラウド3によって取り囲まれて原子炉圧力容器2内に配置される。各燃料集合体5の下端部は、炉心シュラウド3内に配置されて炉心シュラウド3に取り付けられた炉心支持板(図示せず)によって支持される。各燃料集合体5の上端部は、炉心シュラウド3内に配置されて炉心シュラウド3に取り付けられた上部格子板6によって支持される。
【0019】
チムニー7が、炉心シュラウド3の上端に設置される。チムニー7は円筒状のチムニー胴(図示せず)の内部にチムニー隔壁7Aを設けており、チムニー隔壁7Aがチムニー胴の内面に取り付けられている。チムニー胴は炉心シュラウド3と同じ外径を有する。チムニー隔壁7Aは、上端部に格子部7Eを有し(図2及び図5参照)、格子部7Eに連結されて格子部7Eから下方に向かって伸びる複数の隔壁部7Bを有する(図3及び図4参照)。隔壁部7Bの下端は、上部格子板6の上面まで達している。チムニー隔壁7Aは、横断面において、1つの升目内に16体の燃料集合体5が配置される大きさを有する(図2参照)。
【0020】
気水分離器11がチムニー7の上方に配置されて原子炉圧力容器2内に設置され、蒸気乾燥器12が気水分離器11の上方に配置されて原子炉圧力容器2内に設置される。給水配管14及び主蒸気配管15が原子炉圧力容器2に接続される。
【0021】
複数の制御棒8が原子炉圧力容器2内に配置される。制御棒8を操作するワイヤ巻き取り装置21が原子炉圧力容器2の内面に設置される。ワイヤ巻き取り装置21は制御棒8の数だけ設けられ、1本の制御棒8に対して1台のワイヤ巻き取り装置21が設けられる。制御棒8ごとに制御棒8の上端部にワイヤ27が取り付けられる。このワイヤ27は、該当するワイヤ巻き取り装置21に巻き付けられている。ワイヤ巻き取り装置21がワイヤ27を巻き戻すことによって、制御棒8が、炉心4内に、すなわち、燃料集合体5相互間に挿入される。ワイヤ巻き取り装置21がワイヤ27を巻き取ることによって、制御棒8が、炉心4から引き抜かれる。
【0022】
ワイヤ巻き取り装置21の構成を、図6を用いて説明する。ワイヤ巻き取り装置21は、ケーシング22、モータ23、ボビン24及び結合機25,26を有する。モータ23がケーシング22に固定される。ボビン24及び結合機25,26がケーシング22内に配置される。ボビン24及び結合機25が、互いに連結され、回転可能にケーシング22に取り付けられる。結合機26が、結合機25に対向して配置され、モータ23の回転軸に連結されている。ワイヤ27はボビン24に巻き取られる。結合機25,26はクラッチ装置を構成する。
【0023】
チムニー7の構成を具体的に説明する。自然循環型BWR1の運転中において、炉心4から引き抜かれた制御棒8は、チムニー7内に存在する。このとき、各隔壁部7Bは、図3に示すように、隣り合う制御棒8のブレード先端部の間に配置されている。この状態での、制御棒8と隔壁部7Bの関係を、図4及び図5を用いて詳細に説明する。
【0024】
制御棒8の横断面形状は十字形をしており、制御棒8は中心軸から四方に伸びる4枚のブレードを有する。格子部7Eの交点の真下に位置する制御棒8では、4枚のブレードの先端部9Aでの厚みが、ブレードの、制御棒の中心軸側における厚みよりも薄くなっている。格子部7Eの交点以外で格子部7Eの真下に位置する制御棒8では、180°反対方向に伸びる2枚のブレードの先端部9Aでの厚みが、ブレードの、制御棒の中心軸側における厚みよりも薄くなっている。
【0025】
チムニー7の各隔壁部7Bは、横断面における両端部に、縦溝(ガイド溝)7Cを形成している。この縦溝7Cは、隔壁部7Bの上端から下端まで伸びており、制御棒8のブレードの幅が狭くなっている先端部9Aに対向する。
【0026】
格子部7Eの真下に位置する各制御棒8が炉心4から引き抜かれたとき、これらの制御棒8のブレードの厚みが薄くなっている先端部9Aが、縦溝7C内に挿入され、水平方向において隔壁部7Bによって保持される(図4参照)。制御棒8の各ブレードの上端部9Bは、その下方よりも厚みが薄くなっている。格子部7Eの下端部には、制御棒8の真上の位置で、下側に解放された水平溝7Dが形成されている。格子部7Eの真下に位置する各制御棒8が炉心4から完全に引き抜かれたとき、これらの制御棒8の上端部9Bが、水平溝7D内に挿入される。
【0027】
複数の制御棒保持装置18が、チムニー7の軸方向に所定の間隔を置いて、各隔壁部7Bに設けられる(図4参照)。これらの制御棒保持装置18は、隔壁部7Bの水平方向における両端部にそれぞれ形成された収納室17内に配置される。収納室17は縦溝7Cの底から水平方向において隔壁部7Bの内部に向かって伸びている。収納室17と縦溝7Cは、収納室17の縦溝7C側で隔壁部7Bに設けられた仕切り部材28によって仕切られる。ノッチ19が仕切り部材28を貫通できるようになっている。仕切り部材28の縦溝7C側の平面は、縦溝7Cの底の一部を形成する。
【0028】
制御棒保持装置18は、ピン形状のノッチ19、押し付けバネ20及びピストン部材29を有する。ピストン部材29がノッチ19に一体化されてノッチ19の周囲を取り囲んでいる。ノッチ19、押し付けバネ20及びピストン部材29が収納室17内に配置される。押し付けバネ20が収納室17の底部とピストン部材29の間に配置され、ピストン部材29を仕切り部材28側に押圧している。
【0029】
水圧通路16Aが、隔壁部7B内に形成され、収納室17の、ピストン部材29と仕切り部材28の間の領域に連絡されている。水圧通路16Aは、格子部7E内を通過して水圧配管16に接続される。水圧配管16は、チムニー7のチムニー胴及び原子炉圧力容器2を貫通して原子炉圧力容器2の外部に設けられた水圧駆動系(図示せず)に接続されている。
【0030】
ワイヤ巻き取り装置21に巻き取られるワイヤ27は、図5に示すように、格子部7Eの上端部に取り付けられた複数のガイド部材28内を通って、格子部7Eの上端面に沿って張られている。このワイヤ27は制御棒8の上端部に取り付けられる(図5参照)。
【0031】
自然循環型BWR1が起動されると、炉心4内に全挿入されている制御棒8がワイヤ巻き取り装置21の駆動により、順次、炉心4から引き抜かれる。制御棒8を操作するとき、結合機25と結合機26が接触しており、モータ23の回転力が結合機25,26を介してボビン24に伝えられ、ボビン24がワイヤ27を巻き取る方向に回転する。ワイヤ27がボビン24に巻き取られることによって、該当する制御棒8が炉心4から引き抜かれる。
【0032】
格子部7Eの真下に位置する制御棒8が炉心4から引き抜かれるとき、この制御棒8のブレードの先端部9Aが隔壁部7Bの縦溝7C内に挿入される。格子部7Eの交点の真下に位置する制御棒8が引き抜かれるとき、4枚のブレードの先端部9Aがそれぞれのブレードの先端に対向する4つの隔壁部7Bの各縦溝7C内に挿入される。その交点以外で格子部7Eの真下に位置する制御棒8が引き抜かれるとき、180度反対方向に伸びる2枚のブレードの先端部9Aがそれぞれのブレードの先端に対向する2つの隔壁部7Bの各縦溝7C内に挿入される。これらの制御棒8は、炉心4から引き抜かれるとき、隔壁部7Bの縦溝7Eをガイドにして上方に向かって移動する。
【0033】
原子炉出力が定格出力である100%出力に到達したとき、自然循環型BWR1に設けられた全制御棒8のうち、定格運転時に原子炉出力を制御する制御棒8(出力制御用制御棒)を除く他の全ての制御棒(原子炉停止用制御棒)8が、炉心4から全引き抜きされる。全引き抜きされた全制御棒8は、隣り合う隔壁部7Bの間に配置されてチムニー隔壁7Aの一部になり、チムニー隔壁7A(格子部7E及び隔壁部7B)と共にチムニー7内に複数の冷却材通路35を形成する(図2及び図3参照)。格子部7Eよりも下方では、冷却材通路35は、全引き抜きされた制御棒の各ブレード及びこれらの制御棒8のブレード間に存在する各隔壁部7Bによって画定される。1つの冷却材通路35の真下では、炉心4内に装荷された16体の燃料集合体5が存在する。
【0034】
自然循環型BWR1が定格出力で運転されているとき、炉心4内で各燃料集合体5に含まれた核燃料物質の核分裂によって発生する熱により燃料集合体5内を上昇する冷却水が加熱され、冷却水の一部が蒸気になる。冷却水及び蒸気を含む気液二相流が、炉心4から上方に向かって流出し、チムニー7内に形成された各冷却材通路35内を上昇する。各冷却材通路35から流出した気液二相流は、気水分離器11内に導かれ、気水分離器11により蒸気と水分に分離される。気水分離器11で分離された蒸気は、蒸気乾燥器12でさらに湿分を除去され、主蒸気配管15に流出する。この蒸気は、タービン(図示せず)に供給され、発電機(図示せず)に連結されたタービンを回転させる。タービンから排気された蒸気は、復水器(図示せず)で水に凝縮される。復水器で蒸気から生成された水は、給水として、給水配管14を通って原子炉圧力容器2に供給される。
【0035】
気水分離器11で分離された冷却水及び給水配管14で供給された給水は、チムニー7のチムニー胴及び炉心シュラウド3と原子炉圧力容器2の間に形成された環状のダウンカマ13内で混合され、冷却水となって炉心4の下方に形成された下部プレナム34に達する。この冷却水は、下部プレナム34から炉心4内の各燃料集合体5内に供給される。
【0036】
自然循環型BWR1は、強制循環型BWRのように冷却水を炉心に供給する再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)を有していないので、炉心に冷却水を供給する駆動力は、ダウンカマ13内に存在する冷却水の密度と炉心4から冷却材通路35に流出する気液二相流の密度の差によって生じる。チムニー隔壁7Aを有するチムニー7は、煙突効果によって気液二相流の上昇力を高める。このため、炉心4、冷却材通路35、ダウンカマ13及び炉心4を循環する冷却水の自然循環流量が増大する。
【0037】
引き抜かれた制御棒8の制御棒保持装置18による保持について説明する。制御棒保持装置18は、引き抜かれた制御棒8を原子炉圧力容器2の軸方向において所定位置に保持し、制御棒8の落下を防止する機能を有する。引き抜かれる制御棒8が上方に向かって移動するとき、水圧駆動系からの高圧水が、水圧配管16及び水圧通路16Aを介して収納室17の、ピストン部材29と仕切り部材28の間の領域に高圧水を供給する。この高圧水の供給によって、ピストン部材29が押し付けバネ20側に押され、押し付けバネ20が圧縮される。これにより、縦溝7C内に突出したノッチ19の先端が仕切り部材28の位置まで移動する。ノッチ19の先端部が縦溝7C内に存在しなくなるので、制御棒8の先端部9Aが縦溝7Cにてガイドされ、ワイヤ巻き取り装置21の駆動による制御棒8の上方への移動を円滑に行うことができる。
【0038】
引き抜かれて縦溝7C内を上昇する制御棒8が、全引き抜きされた状態で所定の位置に保持される。この制御棒8をその所定位置に保持する制御棒保持装置18のノッチ19が、その制御棒8の先端部9Aの先端に形成された孔部10内に挿入される。このノッチ19の孔部10への挿入は以下のように行われる。水圧駆動系から、収納室17の、ピストン部材29と仕切り部材28の間の領域への高圧水の供給を停止する。ピストン部材29を押圧していた水圧が減少するので、押し付けバネ20の作用によって、ノッチ19が制御棒8側に移動し、ノッチ19の先端部が孔部10内に挿入される(図4参照)。図4においては、1枚のブレードにおいてノッチ19の先端部が孔部10内に挿入されているが、このブレードと180°反対方向に伸びている他のブレードに形成された孔部10内に、ノッチ19が挿入される。このように、引き抜かれた制御棒8が一対の制御棒保持装置18の各ノッチ19によって保持される。制御棒8が引き抜かれてノッチ19で保持される位置に達したことは、例えば、制御棒8に設けられた位置検出用のリミットスイッチ(図示せず)が、隔壁部7Bに設けられたリミットスイッチ作動部材に接触することにより作動し、検出することができる。
【0039】
自然循環型BWR1の運転中において、例えば、負荷遮断の発生によるタービントリップが生じたとき、全制御棒8が炉心4内に緊急挿入(スクラム)されて自然循環型BWR1が緊急停止される。この制御棒8の緊急挿入は、ワイヤ巻き取り装置21の結合機25と結合機26を切り離して孔部10内に挿入されているノッチ19の先端を前述したように仕切り部材28の位置まで移動させ、制御棒8を自重で落下させることによって行われる。全ての制御棒8が自重落下により上方より炉心4に挿入され、自然循環型BWR1が緊急停止される。
【0040】
本実施例の自然循環型BWR1では、チムニー7が格子部7E及び複数の隔壁部7Bを有するチムニー隔壁7Aを有し、このチムニー隔壁7Aで複数の冷却材通路35をチムニー7内に形成し、格子部7Eを炉心4内での制御棒8の真上に配置しているので、炉心4から引き抜かれた制御棒8の4枚または2枚のブレードを、冷却材通路35を画定する隔壁部として用いることができる。格子部7Eの真下に位置する全制御棒8のうち、出力制御用制御棒以外の全引き抜きされた全制御棒8の各ブレードは、チムニー隔壁7Aにおいて格子部7Eの下方で隣り合う隔壁部7Bの間に形成された開口部を完全に塞いでいる。格子部7Eの真下に位置する、出力制御用制御棒である制御棒8は、一部が炉心4から引き抜かれており、炉心4からの引き抜き量に応じて、チムニー隔壁7Aにおいて格子部7Eの下方で隣り合う隔壁部7Bの間に形成された開口部の一部を塞いでいる。このため、この開口部は制御棒8が存在しない領域(開放領域)を通して隣り合う冷却材通路35は互いに連通した状態になっている。この開口部の開放領域を通して連通する、隣接した冷却材通路35の開口部より上方の気液二相流の平均密度は、均一化される。しかし、従来のチムニー壁で区画される矩形の領域内では、16体の燃料集合体から流出する冷却水が均一化されているのに対し、その領域が拡大するだけで、煙突効果を阻害することはない。
【0041】
上記したように、本実施例は、炉心4から引き抜かれた制御棒8のブレードを、チムニー7のチムニー隔壁7Aの一部として冷却材通路35を画定するために用いることができるので、チムニー隔壁7Aの交点における隔壁同士の溶接が格子部7Eの高さの部分だけになり、チムニー隔壁7Aの溶接長さを著しく短くすることができる。このため、チムニー7の製造時間を短縮することができる。
【0042】
炉心4から引き抜かれた、格子部7Eの真下に位置する制御棒8の先端部9Aが、隔壁部7Bの縦溝7C内に挿入される。したがって、格子部7Eの真下に位置する引き抜かれた制御棒8が水平方向において隔壁部7Bで支持されるので、冷却材通路35内を上昇する気液二相流による制御棒8の流動振動を抑制することができる。なお、炉心4から引き抜かれたときに冷却材通路35の中央に位置する制御棒8は格子部7Eに取り付けられた支持部材(図示せず)で保持されるので、気液二相流によるその制御棒8の流動振動も抑制することができる。
【0043】
本実施例では、炉心4から全引き抜きされた制御棒8がチムニー7内に位置するので、原子炉圧力容器2の高さを低減することができる。制御棒駆動機構を原子炉圧力容器の底部に設けて全引き抜きされた制御棒を炉心4より下方の下部プレナム内に配置し、その制御棒駆動機構の操作により制御棒を上方に移動させて炉心に全挿入する、炉心上方にチムニーを備えた従来の自然循環型BWRに比べて、下部プレナムの高さを低減できる本実施例の自然循環型BWR1は、原子炉圧力容器2の高さを低減することができる。
【0044】
出力制御用制御棒である制御棒8に対しては、制御棒保持装置18を原子炉圧力容器2の軸方向において所定の複数個所に設置する。これにより、原子炉出力を制御するために、出力制御用制御棒の炉心への挿入量を変えた場合でも、所定位置の制御棒保持装置18によって出力制御用制御棒を保持することができる。
【0045】
本実施例では、過渡時などで制御棒8を保持するノッチ19が制御棒8に形成された孔部10から外れて制御棒8が炉心2に挿入され、制御棒8のブレードが塞いでいた、隣り合う隔壁部7Bの開口部が開いて、隣り合う冷却材通路35が連通しても、過度時において原子炉出力が低下しているため、問題が生じない。
【0046】
本実施例で用いられた制御棒保持装置18は、図7に示す制御棒保持装置18Aに替えても良い。この制御棒保持装置18Aの構成を具体的に説明する。制御棒保持装置18Aは、制御棒保持装置18と同様に、ピン形状のノッチ19、押し付けバネ20及びピストン部材29を有し、隔壁部7Bの水平方向における両端部にそれぞれ形成された収納室17内に配置されている。ピストン部材29がノッチ19の一端部に設けられる。仕切り部材28が、制御棒保持装置18と同様に、収納室17と縦溝7Cを仕切っている。押し付けバネ20が、ノッチ19の周囲を取り囲んで、仕切り部材28とピストン部材29の間に配置され、ピストン部材29を仕切り部材28とは反対側に押圧している。水圧通路16Aが、収納室17の底に接続されて収納室17内でピストン部材29と収納室の底の間に形成される領域30に連絡される。制御棒保持装置18Aは、図7に示された制御棒8の1つのブレードの先端部9Aに対向して隔壁部7Bに設けられているが、図示されていないけれども、そのブレードと180°反対側に位置するブレード(孔部10が形成された他のブレード)の先端部9Aに対向する隔壁部7Bにも設けられる。
【0047】
制御棒保持装置18による制御棒8を保持する状態は、水圧通路16Aにより収納室17の領域30に高圧水を供給してピストン部材29を押し付けバネ20側に移動させ、ノッチ19を制御棒8の先端部9Aに形成された孔部10に挿入されることによって達成できる。制御棒8を移動させるときにおけるノッチ19が孔部10から引き抜かれた状態は、領域30への高圧水の供給を停止して領域30の圧力を低下させ、押し付けバネ20の作用によりビスとん部材29を仕切り部材28とは反対側に移動させることによって得られる。
【実施例2】
【0048】
本発明の他の実施例である実施例2の自然循環型原子炉である自然循環型BWRを、図8、図9及び図10を用いて説明する。本実施例の自然循環型BWR1Aは、実施例1の自然循環型BWR1において密封された複数の制御棒案内管31及び複数の駆動水供給管32を設け、ワイヤ巻き取り装置21及びワイヤ27を除去した構成を有する。自然循環型BWR1Aの他の構成は自然循環型BWR1と同じである。
【0049】
本実施例で用いられるチムニー7も、実施例1と同様に、上部格子板6の上方に配置され、チムニー胴、格子部7E及び複数の隔壁部7Bを有する。制御棒案内管31は、図10に示すように横断面が十字形をしており、内部に横断面が十字形をしている炉心4から引き抜かれた制御棒8を収納する。各制御棒案内管31は、格子部7Eの真下に配置され、炉心4の横断面においては図3に示された、格子部7Eの真下に位置するそれぞれの制御棒8の位置に配置される。このため、実施例1における制御棒8と同様に、これらの制御棒案内管31は、格子部7Eの下方で隣り合う隔壁部7Bの相互間に配置される。
【0050】
各制御棒案内管31は、上部格子板6に形成された、格子部7Eの真下に位置する各升目内に挿入され、各燃料集合体5の下端部を支持する炉心支持板によって支持される。制御棒案内管31は、炉心4内において、図10に示すように、隣り合う4体の燃料集合体5のチャンネルボックス(図示せず)の相互間に配置される。各制御棒案内管31の上端は、格子部7Eの下端に溶接により接合される。制御棒案内管31は隣接する隔壁部7Bと軸方向の複数個所で互いに点溶接にて接合されている。
【0051】
制御棒8が、制御棒案内管31内に配置される(図9及び図10参照)。ピストン部36が制御棒8の下端部に形成される。ピストン部36の横断面は制御棒案内管31の横断面と同様に十字形をしている。別々の駆動水供給管32が、各制御棒案内管31の下端に接続される。これらの駆動水供給管32は、原子炉圧力容器2を貫通して原子炉圧力容器2の外部に達し、水圧駆動系に接続される。
【0052】
本実施例では、制御棒8の炉心4からの引き抜きは、駆動水供給管32により駆動水を下方から制御棒案内管31内に供給することによって行われる。この供給された駆動水は、制御棒案内管31内に存在する制御棒8のピストン部36の下面に作用し、制御棒8を押し上げる。炉心4から全引き抜きされる各制御棒8は、駆動水によって下端が上部格子板6より上方に位置するまで押し上げられ、炉心4から完全に引き抜かれる。出力制御用制御棒は、所定の引き抜き量だけ上方に押し上げられ、軸方向の長さの一部が炉心4内に残っている。
【0053】
炉心4から全引き抜きされている制御棒8を、タービンとリップ等の事故が発生して炉心4に急速挿入する場合には、制御棒8の下方で制御棒案内管31内に存在する駆動水を、駆動水供給管32を通して急速に排出する。このため、制御棒案内管31内の制御棒8が炉心4内に急速挿入される。
【0054】
実施例1において隔壁部7Bに設けられた制御棒保持装置18は、本実施例においても隔壁部7Bに設けられている。ただし、隔壁部7Bと制御棒8の間に制御棒案内管31の側壁が存在するため、ノッチ19が制御棒8に形成された孔部10内に挿入できるように、制御棒案内管31の側壁の軸方向の所定の位置に、ノッチ19が貫通できる貫通孔が形成される。
【0055】
実施例1では、炉心4から引き抜かれた制御棒8が冷却材通路35を画定する隔壁部として用いられるが、本実施例では、格子部7Eの真下に位置する制御棒案内管31の側壁が、冷却材通路35の側壁として用いられる。炉心4から全引き抜きされた制御棒8は、実施例1と同様に、水平方向では隣り合う隔壁部7Bの間に、原子炉圧力容器2の軸方向では格子部7Eの下面と上部格子板6の上面の間に位置している。
【0056】
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。各制御棒8が各制御棒案内管31内に配置されているので、各制御棒8は、冷却材通路35内を上昇する気液二相流に接触することがなく、流動振動を生じない。また、本実施例では、制御棒案内管が固定設置されているので、制御棒を炉心内に挿入しても、チムニー壁に開口部が形成されず、チムニー壁自体の流動振動に対する支持が強固なままであるとともに、隣接した領域間での冷却水の混合は発生しない。さらに、本実施例は、制御棒案内管31及び駆動水供給管32を設けているので、ワイヤ巻き取り装置21を設置し、ワイヤ27を配設しなくて済む。
【実施例3】
【0057】
本発明の他の実施例である実施例3の自然循環型原子炉である自然循環型BWRを、図11を用いて説明する。本実施例の自然循環型BWR1Bは、出力制御用制御棒である制御棒8を制御棒案内管31内に配置し、原子炉の定格出力運転時において炉心4から全引き抜きされている原子炉停止用制御棒である制御棒8Aをワイヤ巻き取り装置21による駆動にしている。制御棒8Aに対しては、制御棒案開管31が設けられていない。本実施例の自然循環型BWR1Bは、実施例2の自然循環型BWR1Aにおいて原子炉停止用制御棒である制御棒8Aをワイヤ巻き取り装置21により駆動する構成としたものである。自然循環型BWR1Bの他の構成は、自然循環型BWR1Aと同じである。
【0058】
出力制御用制御棒の一部がチムニー隔壁7Aの格子部7Eの真下に配置され、残りの出力制御用制御棒が冷却材通路35の中央に配置される。格子部7Eの真下に配置される出力制御用制御棒である制御棒8は、実施例2と同様に、格子部7Eの真下に配置された制御棒案内管31内に配置される。冷却材通路35の中央に配置される出力制御用制御棒である制御棒8を収納する制御棒案内管31は、冷却材通路35の中央に配置され、実施例2における制御棒案内管31と同様に、炉心支持板に支持され、炉心4に装荷された4体の燃料集合体5のチャンネルボックスの相互間に配置されている。
【0059】
原子炉停止用制御棒である制御棒8Aのうち、格子部7Eの真下に位置する制御棒8Aは、炉心4から引き抜かれたとき、実施例1における制御棒8と同様に、先端部9Aが隔壁部7Bに形成された縦溝7C内に挿入される。
【0060】
本実施例では、隣り合う冷却材通路35を画定する側壁は、隔壁部7B、格子部7Eの真下に位置する制御棒案内管31の側壁、及び炉心から引き抜かれて縦溝7C内に挿入された制御棒8Aを含んでいる。制御棒案内管31内の制御棒8は、実施例2と同様に、制御棒案内管31内に供給される駆動水によって炉心4内に挿入される。
【0061】
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B…自然循環型沸騰水型原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心シュラウド、4…炉心、5…燃料集合体、6…上部格子板、7…チムニー、7A…チムニー隔壁、7B…隔壁部、7E…格子部、8…制御棒、9A…先端部、9B…上端部、10…孔部、16…水圧配管、16A…水圧通路、17…収納室、18,18A…制御棒保持装置、19…ノッチ、20…押し付けバネ、21…ワイヤ巻き取り装置、22…ケーシング、23…モータ、24…ボビン、27…ワイヤ、31…制御棒案内管、32…駆動水供給管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に配置され、複数の燃料集合体が装荷された炉心と、炉心の上方に配置されたチムニーと、前記炉心に装荷された前記燃料集合体間に挿入される、軸心から四方に伸びる複数のブレードをそれぞれ有する複数の制御棒とを備え、
前記チムニーが、筒状体であるチムニー胴及びこのチムニー胴内に配置されて前記チムニー胴に取り付けられたチムニー隔壁を有し、前記チムニー隔壁が上端部に配置された格子部及びこの格子部から下方に向かって伸びている複数の隔壁部を有し、前記格子部の真下に位置する前記制御棒のブレードの先端部が、このブレードと隣り合う前記隔壁部に形成された、前記原子炉圧力容器の軸方向に伸びるガイド溝に噛み合い、前記炉心から引き抜かれた、前記格子部の真下に位置する前記制御棒の前記ブレードが、前記隔壁部と共に、前記チムニー内に形成される冷却材通路の側壁を形成することを特徴とする自然循環型原子炉。
【請求項2】
前記制御棒に連結されたワイヤを巻き取るワイヤ巻き取り装置が、前記チムニーの上方で前記原子炉圧力容器内に設置されている請求項1に記載の自然循環型原子炉。
【請求項3】
前記炉心から引き抜かれた前記制御棒を保持する制御棒保持装置を、前記隔壁部に設けた請求項1または2に記載の自然循環型原子炉。
【請求項4】
前記制御棒が原子炉の運転中に軸方向の一部が炉心に挿入されている出力制御用の第1制御棒、及び原子炉の運転中に前記炉心から完全に引き抜かれる原子炉停止用の第2制御棒を含んでおり、
各々の前記第1制御棒が、前記炉心及び前記チムニー内に配置されて前記炉心の下端部から前記格子部の下端にまで伸びている複数の制御棒案内管内に配置され、複数の駆動水供給管がそれぞれの制御棒案内管の下端部に別々に接続され、前記格子部の真下に位置する前記制御棒案内管が、これに隣り合う前記隔壁部と共に、前記冷却材通路の側壁を形成し、前記第2制御棒に前記ワイヤが連結されている請求項2に記載の自然循環型原子炉。
【請求項5】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に配置され、複数の燃料集合体が装荷された炉心と、炉心の上方に配置されたチムニーと、前記炉心に装荷された前記燃料集合体間に挿入される、軸心から四方に伸びる複数のブレードをそれぞれ有する複数の制御棒と、それぞれの前記制御棒を別々に収納する制御棒案内管と、各々の前記制御棒案内管の下端部に別々に接続された複数の駆動水供給管とを備え、
前記チムニーが、筒状体であるチムニー胴及びこのチムニー胴内に配置されて前記チムニー胴に取り付けられたチムニー隔壁を有し、前記チムニー隔壁が上端部に配置された格子部及びこの格子部から下方に向かって伸びている複数の隔壁部を有し、前記格子部の真下に位置する前記制御棒案内管が、前記隔壁部と共に、前記チムニー内に形成される冷却材通路の側壁を形成することを特徴とする自然循環型原子炉。
【請求項6】
前記炉心から引き抜かれた前記制御棒を保持する制御棒保持装置を、前記隔壁部に設けた請求項5に記載の自然循環型原子炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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