説明

自由形状床面車輌

【課題】車輌の高性能化に人類は追いつけないが、車の能力をより高めなければならない分野がある。それは車輌が事故を起こした時、どれだけ人間を傷つけないか。また、もう一つの分野は無公害化である。
【解決手段】車輌の搭乗員の安全性の向上は、衝突時に如何に計算された自車が壊れるかにある。公害対策についてはいち早く最新基準の技術に基づく対策を車輌に設計変更して仕様変更出来るかにある。その為には設計変更が容易に出来る台車を開発することにある。今回台車部分からの変更が簡単に出来る構造を開発した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、車輌等の台車となるフレームの構造を抜本的に改善し、車輌等を抜本的に柔軟な構造に変化させ、安全且つ柔軟な使用条件を実現する技術である。その為には車輌等の台車構造が柔軟にしかもいろいろな構造、サイズに対応できるような分割型フレームの構成を変化させることにより対応できるようにする技術である。
車輌等の事故の大半は、直進性能の低下である。原因としては車輌等のスリップ、石、落下物等によるハンドルの制御不能による意図せざる方向への車輌等の進行である。その危険を大幅に軽減する技術である。
車輌の床位置を自由に変える事により乗員等の乗降、貨物の積み下ろし、上部作業構造物の操作性の便利性が大幅に向上する技術である。
車両等の衝突事故時乗員の損傷軽減のため搭乗車輌等が緩衝材となり壊れる事により衝突のショック軽減が望ましいが、現在の設計上台車の剛性を重視せざるを得ないため、車輌を破壊する観点からの技術の発想が少ない。本技術はその点も主要部分は角度調整可能なジョイントで連結しているため、柔軟に対応できる技術である。
小口径タイヤを多数使用するため、運行上の安全性が非常に安定する。しかしその為にはタイヤの保持技術と回転差を制御する技術が必要である。しかし、その技術により従来のステアリング機構は不要になり、コストダウン、重量軽減に寄与する技術である。
この様にフレキシブルな車体構造にしたとき一番問題になるときは車体構造の中で車体内部の居住性である。その為には内装材を柔軟性のある素材を使用することが必要になる。水、埃、風、温度の保持、足触りのよい床材料それには床形状に柔軟に対応できる組織が組み合わされ、伸縮性のある形状変化に柔軟に対応できるマット様の織物で対処する。しかし素材の進歩は激しく、車体構造にあわせた柔軟な素材選定が重要である。しかし車体構造に柔軟に対応できる、特に衝突時のショック吸収に重点を置いた形状を実現出来る選定が重要である。
フレームの組み合わせをジョイントの角度の変化に合わせ又小口径のタイヤを採用する事により車体各位置で最低地上高の自由な設定、それに伴い自由な床形状、安定性のある車輌重心点の設定が可能にする技術である。
【背景技術】
従来乗用車、バスはモノコック構造で製造される例が多い。トラック、特殊車輌は一体型のフレーム構造の上で架装され、駆動装置も同時に装着される場合が多い。しかしモノコック構造にしろ、フレーム構造にしろ一体型の構造のため、安全対策、乗員の乗降の時の負担への対策、貨物の荷降ろし、荷ずみの際の運転員への配慮に欠ける場合が多かった。
乗用車を始めとする車輌は耐久性、剛耐久性に重点があり、又デザインへの拘りから安全性への配慮に欠ける面もあり、総合的な車輌としての問題点が多数あった。
車輌としての基本構造の台車部分が、乗用車の場合床を中心とした下部構造が一体構造のため、設計、実験、プレス金型製造に、駈動系の装着実験を含め多額の金品を要し、しかも予期した成果を得るのに多くの時間を要したが、性能のよい商品実験を得るのに多大な努力を要した。
安全性の確保のため、当該車輌のクラッシュによる乗員へのショックの軽減の為多大な労力を投入しているが、もともと車輌のフレキシブルな構造の概念から発想した車輌でない為、予期した車輌の効果的な損傷による乗員への身体的なショックの軽減の成果を得るのが難しい。
従来大型通勤用バスでは、床形状を工夫しエンジン、タイヤ、駆動系と干渉しないよう設計された例と、トラックでは4軸の車軸を持った中口径タイヤを利用した低床車、後輪のタイヤを小口径にし、荷台部分を低床化したトラックはあったがフレームは全て一体構造、もしくはモノコック構造であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフレーム型、モノコック型の車輌では車輌の台車部分の設計に多大な労力、資金が必要で、その上に乗せる車体部分の設計も台車部分の構造に柔軟性がないため制約が多大にあった。その解決策としてフレーム構造車輌の利点を見直し、フレームを多分割、ジョイントによる連結で、フレーム間の角度、一体としてのフレーム形状変化が可能なフレーム型車輌にすれば台車部分の設計、車体部分の形状設計、安全対策等、社会のその時々の要請に対する車輌の変更も楽に対応できるようになる。又、台車部分の一体加工部分が減少し、プレス加工等大型加工構造部分が激減し、大幅なコスト軽減につながる。
【課題を解決するための手段】
車輌におけるフレーム型の良さを見直し、台車設計の基本とする。しかしフレーム形式の車輌はフレームの一体プレス加工が難しくコスト、重量の面からもモノコック型に劣り、台車設計時の重量配分に対応するのが難しく、必要のない部分まで強度を持たせる欠点があった。その為、多数の小フレームを組み合わせ、ジョイントで連結すれば上記の欠点が解消でき、更にジョイントを角度変化可能な機構を持たせれば設計の自由度の向上、安全対策の充実した設計も可能となる。
発動機、変速機支持部分、駆動系、車軸支持部分、後端部分、安全対策に必要な部分、等各部分に分割し、それぞれ必要とする強度に応じ製作し、角度調整可能なジョイントで連結する。
ジョイントは分割式とし、油圧又は電気によるモーターを利用し、ギヤー機構を介し、又は油圧、空気圧を利用したシリンダー方式による動力で、プログラム制御された電子制御技術によりジョイントの角度変更用制御棒をギヤー構造、又はシリンダー、ソレノイド等を利用し、分割部分のジョイントの角度を制御する。
小口径タイヤを多数使用する事により、最低地上高を下げることが出来、車輌の横転、スリップ、汚泥地や雪道での車輪の空回りなどが激減させられ、又フレームの連結に利用するジョイントの角度変更機構で、地面と車輌の最下部と常に一定の安全な間隔を保つことにより安全性を高め、亀の子状態になることが防止できる。
各ホイル付タイヤは、車軸により分割連結される。連結方式は特願2001−159758で出願済みの差動装置を利用し、内外タイヤの回転数の解消、逆に差動装置を利用し、左右車軸の回転数、ホイル付タイヤを個別に回転数をプログラム制御されたコントロール装置により回転を変化させる事により車輌の進行方向の変更を行う。
各車軸の懸架装置として特願2001−376608で出願済みの懸架装置を利用すれば更に車体の制御がきめ細かく実現出来る。
車体の各部分に赤外線、ミリ波電波等の地面との間隔を計測する機器を設置し、常に地面と車輌等の各部分間隔を計測する。これにより亀の子状態、車輌と地面の接触を防止する。
車輌等の床材に前後、左右に伸縮自在なすのこ状の金属盤を用いる。一体化されたフレーム全体の形状の変化、車輌の衝突時に柔軟に対応するためで上下方向にも最低必要な強度が必要である。
床材の上に防水性、伸縮性、防塵性のある厚手のカーペットを用いる。床材とカーペットの間にラバーの薄いマットも用いる。
車輌衝突時には、予め計算され予測していた手順に従い、デジタル信号でフレームの結合部分のジョイントの角度を調整し車体を凹ませる。その時床材が追従できるよう材質、形状を設定する。
進行方向の変更はハンドル又は棒状のコントローラによりデジタル信号で行い、前後左右の差動装置のコントロールで運転者の意図した方向に進行させる。
【発明の効果】
安全性の向上、車輌の台車部分の設計の柔軟性の向上、コストの大幅な削減、車体部分の変更を簡易に出来る様全体での顧客満足度の向上が実現出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
図1は分割型フレームの角度調整型ジョイントの連結構造の概念である。各フレームはボール端子形の接続金具でジョイントと連結し、自由な角度を連結された一体化されたフレームが形成できる。その為フレーム数を多くすれば、より自由な形状を実現出来、事故、安全対策に実力を発揮する。
図2はジョイントの概念である。剛性のある2本のアームをベアリング、又は滑り性能のよい、耐久性のあるピンで接合し、ギヤーボックスに連結されて、ボックス内の部分にモーターの回転により動作するウオームギヤーで伸縮可能に加工された構造を持つアームが、コントロールボックスに予めインプットされたプログラムにより伸縮し2本のアームの全長を調整する。
図3は分割形フレームの上面から見た構造の概念である。縦の主フレーム、横げた、サブフレーム等が各々ジョイントで連結され、一体として組み立てられたフレームの概念図である。この棒に各々ジョイントで連結されることにより上部車体の設計上の自由度が大幅に増加すると共に、衝突時の車体の破壊を自由にコントロールできるようになる。
図4はホイル付タイヤの車軸への連結、保持の概念とキャリヤーとの駆動力の伝達状況を示している。車体との結合(符号12)は、基本的に特願2001−376608で出願中の懸架装置を用い、各車軸間の連結には特願2001−159758で申請中の差動装置で各車輪間の回転差の調整、進行方向変化を行う概念図である。
図5は車輌等の床材の概念図である。だるま型を初め縦横に自由に動けるプレートに1ないし複数の自由に動けるピンで留め、ピンの長さを長くすることで上下にも変化出来るようにプレートのピンを組み合わせる穴を加工し、フレームの変化に自由に対応できるように組み合わせる。
図6は乗用車の場合に、乗客、乗員が楽に乗降出来る様フレームを操作した時の概念図である。この場合は乗用車の客室全体が低下し地面との段差がない状況を示している。この様に使用状態のパターンを設定しマイコンの指示により、フレームを操作すれば実現出来る技術であることを示している。
【産業上の利用可能性】
多数に分割されたフレームを角度変更可能なジョイントで連結し台車の基本構造とする。車軸は分割型小口径のタイヤを多数装着し、安全性を増加させると共に、フレーム形状の変化、小口径タイヤの相乗効果で車輌等の乗員乗客の乗り心地、積荷の積み下ろしの改善を図る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分割型フレームの概念図である。
【図2】 ジョイントの概念図である。
【図3】 フレーム構造全体の概念図である。
【図4】 タイヤの分割連結の概念図である。
【図5】 床材の概念図である。
【図6】 乗用車の場合における座席位置の変化を示すの概念図である。
【符号の説明】
1 分割型フレーム
2 ジョイントのアーム
3 ボール形接続金具
4 モーター
5 ギヤー型長さ調節装置
6 横分割型フレーム
7 分割型サブフレーム
8 ホイル付タイヤ
9 キャリヤー
10 分割型車軸
11 差動装置(特願2001−159758で出願中)
12 サスペンションシステム(特願2001−376608で出願中)
13 床材用分割プレート
14 ピン留め用ホイル
15 プレート結合用ピン
16 5に必要量供給する動力伝達装置
17 長さ感知センサー
18 乗用車ボデー
19 客室部分床
20 ドアー
21 センターピラー
22 センターピラー支持シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌等のフレームを2分割以上に分割し、その分割部分をジョイントで連結する。その分割したフレームを一体として車輌等の車体に利用する構造。
【請求項2】
分割したフレームを結合するジョイントを角度の変化が可能な構造とし、油圧シリンダー油圧又は電気モーターで直接又はギヤーの組み合わせでジョイントの角度調整機構を作動させる構造。
【請求項3】
車輌等の床をフレームの形状の変化に合わせ自由に変化させる構造。
【請求項4】
車輌等の床形状の変化に合わせ、水、埃、外気が入り込まぬ床内装材の構造。
【請求項5】
タイヤを小口径化させ複数のタイヤー軸に装着し、そのタイヤ間の回転数の差を調整する機構。
【請求項6】
左右、前後のタイヤの回転数を調整し、現在使われているステアリング機構を廃止し車輌の進行方向をコントロールする構造。
【請求項7】
フレームの調整をデジタルで行い車体下部構造、最前部の最下端、最後部の最下端が安全な地上からのクリアランスを保ちながら、もっとも最適な最低地上高、最も低い車体の重心を保つ構造。
【請求項8】
フレームの調整を各種パターン化し、運転者がマニュアルでそのパターンを指定し、例えば自車の乗降者が最も楽に行えるよう車体の角度、地上高など車体の床の変化を可能にする構造。
【請求項9】
各車輪に装着された複数のホイル付タイヤを個別に保持管理し、進行方向の保持、スリップ、障害物(汚泥地、石、落下物)パンクなどによるホイル付タイヤの操作構造。
【請求項10】
前面衝突、側面衝突などの事故時に車輌全体を効果的に壊す事を利用し、乗員に最小限のショックですむ安全な車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【国際公開番号】WO2004/071850
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504933(P2005−504933)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000624
【国際出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【出願人】(300075832)
【Fターム(参考)】