説明

自発光道路鋲装置

【課題】自動車のドライバに対し横断歩道上の歩行者等を確実に認識させて歩行者等の安全を確保することができる横断歩道用の自発光道路鋲装置を提供する。
【解決手段】横断歩道4に沿って、複数の自発光道路鋲1が並設されてなる横断歩道用の自発光道路鋲装置である。横断歩道を横断する歩行者等の横断歩道への入りと出を検出する歩行者検出器6と、歩行者検出器6の検出信号を入力し、その検出信号に基づき、自発光道路鋲の点滅を制御するコントローラ20を備える。自発光道路鋲1には自動車用発光部5が車道側に向けて設けられるとともに歩行者用発光部6が横断歩道側に向けて設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横断歩道用の自発光道路鋲装置に関し、特に横断歩道を歩く歩行者等(自転車等を含む)の安全を確保するようにした横断歩道用の自発光道路鋲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横断歩道を歩く歩行者等の安全を確保するために、横断歩道の両側に沿って複数の自発光道路鋲を配置した構成の交通安全システムが、下記特許文献1において、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−265989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の自発光道路鋲を配置した構成の交通安全システムは、横断歩道を歩行者等が横断する場合、横断しようとする歩行者等をセンサが検出し、センサの検出時には、自発光道路鋲を発光させて、横断歩道側を照明するように動作するが、そのセンサには、所謂人感センサが使用され、横断歩道の手前の歩行者等を検知して自発光道路鋲を発光させるため、例えば、横断歩道をこれから渡ろうとする歩行者等を検知するのみではなく、渡り終えた歩行者等をも検知し、さらには横断歩道を渡らずに歩道を歩く歩行者などをも検知して、自発光道路鋲を発光させる。このため、不要なときに道路鋲を発光させ、或いは必要なときに道路鋲を発光できない場合があるという不具合があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、横断歩道に入った歩行者等を正確に検知して道路鋲を適正に発光させ、自動車のドライバに対し横断歩道上の歩行者等を確実に認識させて歩行者等の安全を確保することができる横断歩道用の自発光道路鋲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自発光道路鋲装置は、横断歩道に沿って複数の自発光道路鋲を並設した横断歩道用の自発光道路鋲装置において、
該横断歩道を横断する歩行者等の該横断歩道への入りと該横断歩道からの出を検出して検出信号を出力する歩行者検出器と、
該歩行者検出器からの検出信号を入力し、該検出信号に基づき、該自発光道路鋲の点灯・点滅を制御する制御手段と、を備え、
歩行者等の該横断歩道への入りを該歩行者検出器が検出したとき、該制御手段は、該自発光道路鋲を点灯・点滅させ、該歩行者等が該横断歩道を出るまで点灯・点滅を継続するように制御することを特徴とする。
【0007】
なお、ここで、歩行者等は、歩行者、自転車、車椅子等、横断歩道空間を利用する者を含む概念である。
【0008】
この発明によれば、歩行者等が横断歩道に入ると、歩行者検出器が歩行者等を検出して検出信号が制御手段に出力され、制御手段は、自発光道路鋲を点灯・点滅動作させ、歩行者等が横断歩道を渡り終えるまで点灯・点滅が継続される。これにより、歩行者等が横断歩道に進入したとき、自発光道路鋲が点灯・点滅動作するので、自動車のドライバは、自発光道路鋲の点灯・点滅を見て、横断歩道の手前で確実に停止し、歩行者等は安全に横断歩道を渡ることができる。
【0009】
また、歩行者検出器は、横断歩道を横断する歩行者等の横断歩道への入りと横断歩道からの出を検出するので、制御手段は、歩行者等が横断歩道を渡る間のみ、自発光道路鋲を発光させ、歩行者等が横断歩道を渡り終えた後は、確実に発光を消すことができる。
【0010】
ここで、上記自発光道路鋲には、自動車用発光部が車道側に向けて設けられるとともに歩行者用発光部が横断歩道側に向けて設けられ、自動車用発光部及び歩行者発光部には、相違した発光色で発光可能な発光体が設けられ、上記制御手段は、歩行者検出器の検出信号に基づき、自動車用発光部及び歩行者発光部を相違した発光色で点灯・点滅制御するように構成することが好ましい。
【0011】
また、上記歩行者検出器には、複数の光ビームを横断歩道の手前に投光し、該光ビームの透過または反射を検知して歩行者等の入りと出を検出する光ビーム式検出器を使用することができる。
【0012】
また、上記複数の自発光道路鋲は上記制御手段に対し1本の信号線によりシリーズに接続することが好ましい。これによれば、横断歩道に沿って並設された複数の自発光道路鋲を、同期をとって点滅動作させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の自発光道路鋲装置によれば、横断歩道に入った歩行者等を正確に検知して道路鋲を適正に発光させ、自動車のドライバに対し、横断歩道上の歩行者等を確実に認識させて、歩行者等の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す自発光道路鋲装置に使用する自発光道路鋲の正面図である。
【図2】同自発光道路鋲の平面図である。
【図3】図2のIII-III断面図である。
【図4】自発光道路鋲装置の全体構成を示す説明図である。
【図5】他の実施形態の自発光道路鋲装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】制御系の構成ブロック図である。
【図7】自発光道路鋲が車道側に光を照射する状態の説明図である。
【図8】自発光道路鋲が横断歩道側に光を照射する状態の説明図である。
【図9】自発光道路鋲が横断歩道と平行に光を照射する状態の説明図である。
【図10】横断歩道上の歩行者等を検出する歩行者検出器の構成図である。
【図11】ラウンドアバウトの横断歩道に適用した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は自発光道路鋲装置に使用する自発光道路鋲1の正面図を示し、図2はその平面図を、図3はその断面図を示している。自発光道路鋲1は、矩形箱型の本体ケース10を有し、本体ケース10はアルミニウム合金等の鋳造により上部を開口して形成され、その開口した上部には、透明合成樹脂などからなる透明板11が被せられ、閉鎖される。
【0016】
一方、本体ケース10内の透明板11の真下には、自動車用発光部5と歩行者用発光部6の発光体12を実装する基板(回路基板)13が水平に取り付けられている。図2に示すように、基板13は、平面を略正方形に形成され、基板13の4辺の各縁部に、発光体12の取付部が突出して形成され、それら4辺の取付部に、複数の発光体12が斜め上方に傾斜して光を出射するように、間隔をおいて実装される。基板13の各辺の縁部に実装した複数の発光体12列により、自動車用発光部5及び歩行者用発光部6が構成される。
【0017】
自動車用発光部5と歩行者用発光部6の発光体12には、例えばフルカラーのLEDが使用され、コントローラ20により、相違した発光色で、或いは歩行者等の検出状態、路面凍結の状態等の状況に応じて、自動車用発光部5の発光体12と歩行者用発光部6の発光体12の発光色が、例えば青色光、赤色光、黄色光、緑色光等に切り替わるように制御可能となっている。
【0018】
自発光道路鋲1の発光部は、図7に示すように、車道側に光を出射する側の縁部に配置された複数の発光体12列が自動車用発光部5となり、図8に示すように、横断歩道4側に光を出射する側の縁部に配置された複数の発光体12列が歩行者用発光部6を構成することとなる。
【0019】
一方、図9に示すように、自発光道路鋲1の発光部は、横断歩道4と平行に歩行者用の光を出射する制御モードの場合、横断歩道4と平行に光を出射する側の両側縁部に配置された複数の発光体12列が歩行者用発光部6を構成することとなる。
【0020】
図3に示すように、自発光道路鋲1の上部の透明板11は、自動車用発光部5と歩行者用発光部6の発光体12を上から覆うように、本体ケース10の上部に嵌着され固定される。透明板11の下面には、発光体12から放射される光を入射するための入射部が、略V字状の溝として形成され、斜め下側から照射される発光体12の光を、効率良く透明板11に入射するようになっている。さらに、透明板11の底面の一部または上面に、導入した光を拡散させて出射させる光拡散面が形成され、発光体12の光が、透明板11を通して斜め上方に、効率良く出射される構造である。
【0021】
さらに、図3に示すように、基板13の中央部上には、太陽電池(太陽電池パネル)14が配設され、昼間に透明板11を通して入射した太陽光を受光して、太陽電池14が起電力を発生する構成となっている。なお、太陽電池14は、自発光道路鋲1の本体ケース10内に代えて、道路の近傍などのケース外に設置することもできる。
【0022】
基板13の下側の本体ケース10内には、蓄電装置15が収納される。蓄電装置15は、電気2重層コンデンサなどの蓄電体を有し、さらに昼間に太陽電池14で発生した起電力を蓄電体に充電するための定電圧充電回路、及び夜間に蓄電体の電力を発光体12に供給するように、蓄電体の放電回路と充電回路を昼と夜で切り替える切替回路などが、蓄電装置15内に設けられる。また、本体ケース10内には、コントローラ20からの制御信号に基づき、自動車用発光部5及び歩行者用発光部6の発光体12の発光色を、青色光、赤色光、黄色光、緑色光、淡青色光等に切り替えるための制御回路が内蔵される。
【0023】
このように、自発光道路鋲1は、太陽光を受光して起電力を発生する太陽電池14、太陽電池14の電力を蓄電する蓄電装置15を備えているので、電源としての商用電源を接続することなく簡単に設置することができ、蓄電装置15の電力を使用して発光体12を点滅動作させることができる。
【0024】
上記構成の自発光道路鋲1は、例えば、対向車線のある(片側一車線の)交差点において、図4に示すように、横断歩道4に沿って、その側方に適当な間隔をおいて設置される。すなわち、自発光道路鋲1は、図4に示す如く、横断歩道4の各白色帯の端部近傍に配置され、且つ横断歩道4における自動車の走行側(自動車が横断歩道上に進入する側)に沿って配置される。これにより、横断歩道4の歩行者に対しては、図8に示す如く、横断歩道側を照射する自発光道路鋲1の歩行者用発光部6の発光体12によって、状況に応じて異なる色の光を照射できるようになっている。歩行者用発光部6の発光体12が白色光或いは黄色光を照射するようにすれば、横断歩道4の白色帯を明るく照らし、歩行者等の足元を明るく照明することもできる。
【0025】
また、図9に示すように、自発光道路鋲1の歩行者用発光部6が、横断歩道の長さ方向と平行に光を照射する制御モードとすることもでき、この場合、歩行者用発光部6の発光体12が、青色光または黄色光を横断歩道4の長さ方向と平行に照射して、歩行者等に横断歩道の位置や横断可能な状態を、明確に表示することができる。
【0026】
一方、車道側を走行する自動車に対しては、図7に示すように、横断歩道上に進入する自動車側を照射する自発光道路鋲1の自動車用発光部5の発光体12によって、自動車のドライバに対し、状況に応じた色の光を照射することができるようになっている。
【0027】
横断歩道4の近傍には、図4に示す如く、横断歩道4に進入する歩行者等及び横断歩道4から出る歩行者等を検出するために、歩行者検出器2が設置される。歩行者検出器2は、図10に示すように、横断歩道4の両端に、2本の平行な光ビームを投光する光透過式のビーム式センサを設置して構成され、例えば図10の左から歩行者等が横断歩道4に進入したとき、光ビームB1に続いて光ビームB2を歩行者等が遮断することにより、歩行者検出器2は歩行者等の入りを検出し、歩行者等が横断歩道4を出るとき、光ビームB4に続いて光ビームB3を歩行者等が遮断することにより、歩行者検出器2は歩行者等の出を検出する。
【0028】
一方、歩行者検出器2は、歩行者等が図10の右から横断しようとするとき、光ビームB3に続いて光ビームB4を歩行者等が遮断することにより、歩行者等の入りを検出し、その後、歩行者等が光ビームB2に続いて光ビームB1を遮断することにより、横断歩道からの歩行者等の出を検出し、歩行者等の入りと出の検出信号を、各々コントローラ20に送るようになっている。
【0029】
なお、上記歩行者検出器2は、光ビームの遮断に応じて歩行者等を検知する光透過式センサを使用したが、光透過式センサに代えて、歩行者等に当った光ビームの反射光を受光して歩行者等を検出する光反射式センサを使用することもできる。
【0030】
上記制御手段としてのコントローラ20は、歩行者等の横断歩道への入りを示す検出信号を入力すると、例えば、各自発光道路鋲1の歩行者用発光部6を青色光で点滅動作または点灯させ、一方、各自発光道路鋲1の自動車用発光部5は、赤色光で点滅動作させるように動作する。
【0031】
また、コントローラ20は、歩行者検出器2が、横断歩道4を横断する歩行者等の横断歩道4への入りを検出したとき、歩行者用発光部6の発光体12を点灯制御し、青色光または黄色光を横断歩道4の長さ方向と平行に照射するように制御する。一方、自動車用発光部5は赤色光で点滅動作させるように制御する。そして、このような歩行者用発光部6の青色光または黄色光の点灯動作と自動車用発光部5の赤色光の点滅動作は、歩行者等が横断歩道4に入ってから出るまで、つまり歩行者が横断歩道4を渡る間実施され、歩行者が横断歩道4を渡り終えた後は、歩行者用発光部6を消灯し、自動車用発光部5の赤色点滅を消すように動作する。
【0032】
なお、コントローラ20は、原則的に、歩行者検出器2が歩行者等の横断歩道への入りを検出しその検出信号を出力した後、歩行者等の出を歩行者検出器2が検出してその検出信号を出力するまで、歩行者用発光部6の点灯・点滅と自動車用発光部5の点滅を継続させるが、歩行者等が横断歩道の途中から歩行者検出器2の外れた位置を通り退出したような場合を想定して、コントローラ20には、予め最大点灯点滅時間が設定されており、歩行者等の横断歩道への入りを検出した後、出の検出がない場合でも、最大点灯点滅時間が経過すると、歩行者用発光部6及び自動車用発光部5の発光動作が消えるようになっている。
【0033】
このような動作処理を行なうコントローラ20は、例えば、予め記憶された制御プログラムデータに基づき、上記のような動作処理を実行するシングルチップCPUを主要部として構成される。その入出力回路には歩行者検出器2が接続される。コントローラ20から導出される信号線9は1本の信号線(1対の導線部を有する電線)として、図4に示す如く、各自発光道路鋲1にシリーズに簡単に接続することができる。
【0034】
なお、コントローラ20の電源として、商用電源を使用することができるが、自発光道路鋲1と同様に、太陽電池、太陽電池の起電力を蓄電する蓄電体、その定電圧充電回路、放電回路、充放電切替回路などを備えた電源部を設けることもできる。太陽電池等を設けた電源部をコントローラ20の電源とすれば、商用電源の停電時でも動作させることができ、停電時、自発光道路鋲1を路面信号機として使用することができる。
【0035】
一方、温度センサ7が、路面の凍結を検出するために、横断歩道4の近傍の路面に設置され、温度センサ7は、図6に示すようにコントローラ20に接続される。コントローラ20は、温度センサ7が路面の凍結温度を検出しその検出信号を出力したとき、自発光道路鋲1の自動車用発光部5及び歩行者用発光部6を、路面の凍結を示す有彩色光(例えば緑色光や淡青色光などの信号色とは異なる色の光)で点滅動作させ、路面が凍結した際、自動車のドライバや歩行者等に対し路面凍結を自発光道路鋲1の点滅の色で報知するようになっている。
【0036】
なお、上記で説明した横断歩道4は、図4に示すように、片側一車線のセンターラインを有した道路に設けられたが、図5に示すように、同一方向に自動車が走行する片側二車線の道路であっても、適用することができ、この場合、複数の自発光道路鋲1は、横断歩道4の一方の側に沿ってのみ、直線状に並設されることとなる。
【0037】
また、図11に示すように、ラウンドアバウト(ロータリーインターセクション)の交差点に設けられた各横断歩道4に、自発光道路鋲1を配設することもできる。ラウンドアバウトの交差点では、信号機のないことが特徴であるが、横断歩道に歩行者等が進入した際、自発光道路鋲1の自動車用発光部5及び歩行者用発光部6が点灯・点滅して、横断歩行者等の存在を報知できるため、自動車のドライバは、歩行者等を容易に認識し、より安全に走行することができる。
【0038】
なお、自発光道路鋲1及びコントローラ20の電源として、太陽電池及び太陽電池の起電力を蓄電する蓄電体が使用される場合、ラウンドアバウト中央のセントラルアイランド(ロータリーアイランド)に、大型の太陽電池、太陽電池の起電力を蓄電する蓄電体、充放電切替回路などの電源部を設置することができる。
【0039】
次に、上記構成の自発光道路鋲装置の動作を説明する。例えば、図4の道路において、歩行者等が横断歩道4に入ると、歩行者検出器2が歩行者等の入りを検出し、その検出信号がコントローラ20に出力され、この信号を入力したコントローラ20は、自発光道路鋲1の点灯・点滅制御を行なう。
【0040】
コントローラ20は、歩行者検出器2によって歩行者等の横断歩道への進入が検出された場合、各自発光道路鋲1はその歩行者用発光部6を、図8に示すように横断歩道側に向けて、青色光または黄色光で点滅動作させる。これにより、歩行者等は、例えば高齢者やロービジョンの人であっても、歩行者用発光部6の発光体12が発光する青色光または黄色光の点滅を確実に見ながら、安全に横断歩道4を渡ることができる。
【0041】
一方、各自発光道路鋲1の自動車用発光部5は、図7のように、車道側に向けて、赤色光で点滅動作する。これより、車道を走行する自動車のドライバは、横断歩道4に近づいたとき、横断歩道4に沿って配置された自発光道路鋲1の自動車用発光部5の発光体12が赤色光で点滅する状態を明確に視認し、自動車は横断歩道4の手前で確実に停止して、歩行者等の安全を確保することができる。
【0042】
歩行者検出器2は、横断歩道への歩行者等の入りと出を検出し、その検出信号をコントローラ20に出力するため、コントローラ20は、歩行者用発光部6の青色光または黄色光の点灯・点滅動作と自動車用発光部5の赤色光の点滅動作を、歩行者等が横断歩道4に入ってから出るまで、つまり歩行者等が横断歩道4を渡る間、実施することができ、歩行者等が横断歩道4を渡り終えた後は、歩行者用発光部6が消灯し、自動車用発光部5の赤色点滅が消えることとなる。
【0043】
このように、歩行者等が横断歩道4に入ると、歩行者検出器2が歩行者等を検出して検出信号がコントローラ20に出力され、コントローラ20は、自発光道路鋲1を点灯・点滅動作させ、歩行者等が横断歩道4を渡り終えるまで点灯・点滅が継続される。これにより、歩行者等が横断歩道4に進入したとき、自発光道路鋲1が点灯・点滅動作するので、自動車のドライバは、自発光道路鋲1の点灯・点滅を見て、横断歩道4の手前で確実に停止し、歩行者等は安全に横断歩道4を渡ることができる。
【0044】
また、歩行者検出器2は、横断歩道4を横断する歩行者等の横断歩道4への入りと横断歩道4からの出を検出するので、コントローラ20は、歩行者等が横断歩道4を渡る間のみ、自発光道路鋲1を発光させ、歩行者等が横断歩道4を渡り終えた後は、確実に発光を消すことができる。
【0045】
また、自動車のドライバに対しては、各自発光道路鋲1の自動車用発光部5が、車道側に向けて、赤色光で点滅動作するので、ドライバはそれを明確に視認し、自動車を横断歩道4の手前で確実に停止させ、歩行者等の安全を確保することができる。
【0046】
一方、冬季などの寒冷時、横断歩道4の路面が凍結すると、温度センサ7がその凍結温度を検出してその検出信号を出力する。このとき、コントローラ20は、温度センサ7から出力される凍結検出信号を入力し、各自発光道路鋲1の自動車用発光部5及び歩行者用発光部6の発光体12を、路面の凍結を示す例えば緑色光或いは淡青色光で点滅動作させる。
【0047】
なお、凍結検出時の発光体12の点滅動作は、歩行者等の検出時の点滅動作に優先して、行なうことができるが、歩行者等の検出時における点灯・点滅動作と共に行なうこともできる。このような路面の凍結時に、自発光道路鋲1の発光体12を、緑色光或いは淡青色光で点滅動作させることにより、路面が凍結した際、自動車のドライバや歩行者等に対し路面凍結を明確に表示することができ、スリップによる交通事故を防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 自発光道路鋲
2 歩行者検出器
4 横断歩道
5 自動車用発光部
6 歩行者用発光部
7 温度センサ
9 信号線
10 本体ケース
11 透明板
12 発光体
13 基板
14 太陽電池
15 蓄電装置
20 コントローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断歩道に沿って複数の自発光道路鋲を並設した横断歩道用の自発光道路鋲装置において、
該横断歩道を横断する歩行者等の該横断歩道への入りと該横断歩道からの出を検出して検出信号を出力する歩行者検出器と、
該歩行者検出器からの検出信号を入力し、該検出信号に基づき、該自発光道路鋲の点灯・点滅を制御する制御手段と、を備え、
歩行者等の該横断歩道への入りを該歩行者検出器が検出したとき、該制御手段は、該自発光道路鋲を点灯・点滅させ、該歩行者等が該横断歩道を出るまで点灯・点滅を継続するように制御することを特徴とする自発光道路鋲装置。
【請求項2】
前記自発光道路鋲には、自動車用発光部が車道側に向けて設けられるとともに歩行者用発光部が横断歩道側に向けて設けられ、
該自動車用発光部及び歩行者発光部には、発光色を切り替えて発光可能な発光体が設けられ、
前記制御手段は、該歩行者検出器の検出信号に基づき、該自動車用発光部及び歩行者発光部を相違した発光色で点灯・点滅制御することを特徴とする請求項1記載の自発光道路鋲装置。
【請求項3】
前記歩行者検出器には、複数の光ビームを横断歩道の手前に投光し、該光ビームの透過または反射を検知して歩行者等の入りと出を検出する光ビーム式検出器が使用されることを請求項1または2記載の自発光道路鋲装置。
【請求項4】
前記複数の自発光道路鋲は、前記制御手段に対し1本の信号線によりシリーズに接続されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自発光道路鋲装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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