説明

自走式エレクターおよびトンネル構築方法

【課題】掘穴内を自走してセグメントを組み立てることができる自走式エレクターおよびトンネル構築方法を提供する。
【解決手段】掘穴内を自走すると共に、その掘穴にセグメント3を組み立てる自走式エレクター1において、上記セグメント3を組み立てるためのエレクター本体6と、そのエレクター本体6を支持するための内筒2と、その内筒2の外周に前後方向に並べてスライド可能に嵌め合わされた複数の外筒41−43と、各外筒41−43の外周から既設セグメント3まで外方に張り出して該既設セグメント3を押圧し、かつ内方に縮退可能なグリッパー手段7と、各外筒41−43と上記内筒2とを前後方向に相対移動、或いは固定するためのスライド手段5と、上記内筒2内に形成され該内筒2を前後方向に挿通する搬送通路8とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘穴内を自走すると共に、その掘穴にセグメントを組み立てる自走式エレクターおよびその自走式エレクターを用いたトンネル構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば山岳トンネルなどの構築方法として、NATM工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのNATM工法では、例えば自由断面トンネル掘削機などの機械掘り或いは発破掘削により掘穴を形成し、その掘穴の内壁にコンクリートを吹き付けて、トンネルを構築するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−336259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、山岳トンネルの構築による地下水位の低下が自然環境に大きく影響する場合、止水の必要があり、ウォータタイト(覆工止水構造)区間を形成する必要がある。
【0006】
止水を行う場合、上述したNATM工法では、ウォータタイト区間の始末により、切羽からコンクリート覆工までの距離が長く、覆工作業に掛かるまでに長時間を要したり、コンクリートの硬化を待ったりする。
【0007】
そこで、本坑内にセグメントを組み付けることが考えられる。
【0008】
しかしながら、一般に、セグメントの組み付けは、シールドマシーンの一部をなすエレクターにて行うため、上述したNATM工法のように本坑の掘削にシールドマシーンを使用しないものでは、従来、施工例がなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、掘穴内を自走してセグメントを組み立てることができる自走式エレクターおよびトンネル構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、掘穴内を自走すると共に、その掘穴にセグメントを組み立てる自走式エレクターにおいて、上記セグメントを組み立てるためのエレクター本体と、そのエレクター本体を支持するための内筒と、その内筒の外周に前後方向に並べてスライド可能に嵌め合わされた複数の外筒と、各外筒の外周から既設セグメントまで外方に張り出して該既設セグメントを押圧し、かつ内方に縮退可能なグリッパー手段と、各外筒と上記内筒とを前後方向に相対移動、或いは固定するためのスライド手段と、上記内筒内に形成され該内筒を前後方向に挿通する搬送通路とを備えたものである。
【0011】
好ましくは、上記グリッパー手段は、既設セグメントに当接する受座と、その受座を既設セグメントに押圧するためのグリッパージャッキとを有するものである。
【0012】
好ましくは、上記スライド手段は、上記内筒および各外筒に固定され、前後方向に伸縮自在なスライドジャッキからなるものである。
【0013】
好ましくは、上記搬送通路内に、上記掘穴内を前後方向に延び、切羽側から坑口側に掘削土を搬送するためのインバート桟橋が設けられたものである。
【0014】
好ましくは、上記エレクター本体にセグメントを供給するためのホイストを備え、そのホイストの前後方向移動を可能とすべく、上記内筒および外筒の下部に、前後方向に延びる切欠溝が形成されたものである。
【0015】
上記目的を達成するために本発明は、掘穴の所望の止水区間に、上記自走式エレクターによりセグメントを組み付けるものである。
【0016】
好ましくは、上記組み付けたセグメントの背面にコンクリートを吹き付けて該セグメントを固定するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、掘穴内を自走して所望の区間にセグメントを組み立てることができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
本実施形態の自走式エレクターは、例えば、トンネルを掘削する自由断面トンネル掘削機などの後方に位置し、その自由断面トンネル掘削機が形成した掘穴にセグメントを組み立てると共に、その掘穴内を自走するものである。
【0020】
まず、図1から図4に基づき本実施形態の自走式エレクターの概略構造を説明する。
【0021】
図1に示すように、自走式エレクター1は、セグメント3を組み立てるためのエレクター本体6と、そのエレクター本体6を支持すると共に該エレクター本体6から後方(図1において右方)に延びる内筒2と、その内筒2の外周に前後方向に並べてスライド可能に嵌め合わされた複数の外筒41−43と、それら外筒41−43と内筒2とを相対移動させて自走式エレクター1に推進力を付与するためのスライド手段5と、各外筒41−43に設けられ推進反力を既設セグメント3に取るためのグリッパー手段7と、内筒2内に形成され該内筒2を前後方向に挿通する搬送通路8(図2参照)と、自走式エレクター1を制御するための制御盤10と、自走式エレクター1の各種油圧機器6、7、31に油圧を供給するための油圧供給源11と、セグメント3をエレクター本体6に供給するためのホイスト12とを備える。
【0022】
図2に示すように、各外筒41−43は、断面略八角形に形成される。外筒41−43の下面には、ホイスト12のチェーンブロック13の前後方向の移動を可能とするための切欠溝14が、外筒41−43の前端から後端まで前後方向に連続して形成される。
【0023】
各外筒41−43の外周には、複数のグリッパー手段7が設けられる。そのグリッパー手段7は、外筒41−43を支持すべく外筒41−43の外周から既設セグメント3まで張り出して該既設セグメント3を押圧し、かつ内方(径方向内側)に縮退可能に構成される。
【0024】
本実施形態のグリッパー手段7は、既設セグメント3に当接する受座16と、その受座16を既設セグメント3に押し付けるためのグリッパージャッキ15とを有する。
【0025】
グリッパージャッキ15は、各外筒41−43の上下左右に一対ずつ設けられる。すなわち、外筒41−43の上部および下部に、上下方向に伸縮可能な一対のグリッパージャッキ15、15が各々設けられ、外筒41−43の左側部および右側部に、左右方向に伸縮可能な一対のグリッパージャッキ15、15が各々設けられる。
【0026】
より具体的には、外筒41−43の上面と左側面との間の傾斜面に、水平取付面と垂直取付面とを有するベース部材18が形成され、そのベース部材18の水平取付面に上下方向に伸縮可能なグリッパージャッキ15が取付られ、垂直取付面に左右方向に伸縮可能なグリッパージャッキ15が取付られる。
【0027】
同様に、外筒41−43の他の傾斜面(上面と右側面との間、下面と左側面との間、および下面と右側面との間の各傾斜面)に、ベース部材18と、上下方向に伸縮可能なグリッパージャッキ15および左右方向に伸縮可能なグリッパージャッキ15とが各々設けられる。
【0028】
グリッパージャッキ15は、例えば、油圧で作動し、セグメント3の真円保持を行えるように、各グリッパージャッキ15ごとに独立して伸縮が制御される。
【0029】
受座16は、各外筒41−43の上下左右に配置された一対のグリッパージャッキ15、15ごとに、各々取り付けられる。すなわち、受座16は、各外筒41−43に4つずつ設けられる。
【0030】
その受座16は、一対のグリッパージャッキ15、15の一方の先端から他方の先端まで既設セグメント3の内周面に沿って周方向に延びる円弧状に形成される。
【0031】
外筒41−43の内周面には、内筒2を前後方向に摺動可能に支持するすべり軸受17が設けられる。すべり軸受17は、各外筒41−43の下面、左側面および右側面に、2つずつ設けられる。
【0032】
内筒2は、外筒41−43が嵌め合わされた断面略八角形の内筒本体20と、その内筒本体20から前方に延びる断面略円形状の連結部21とを備える。
【0033】
内筒本体20の下面には、外筒41−43と同様にホイスト12のチェーンブロック13を前後方向に移動可能とするための切欠溝23が形成される。その切欠溝23は、内筒本体20の前端から後端まで前後方向に連続して形成される。
【0034】
また、内筒本体20の外周には、複数のスライド手段5が設けられる。本実施形態のスライド手段5は、内筒本体20と各外筒41−43とに各々固定され、前後方向に伸縮自在なスライドジャッキ24からなる。そのスライドジャッキ24は、伸縮して、内筒2と各外筒41−43とを前後方向に相対移動させると共に、固定されて、内筒2と各外筒41−43との相対移動を規制する。
【0035】
本実施形態のスライドジャッキ24は、各外筒41−43の後方に、その外筒41−43(内筒本体20)の外周に沿って間隔を隔てて複数(図例では、上下左右に2つずつ)配置される。
【0036】
より具体的には、外筒41−43(内筒本体20)の上面および下面における左右方向の両端部と、左側面および右側面における上下方向の両端部とに、グリッパージャッキ15の内側に位置させて、各々配置される。
【0037】
スライドジャッキ24の伸縮ストロークは、少なくとも1つのセグメント3の軸方向長さよりも長く設定される。スライドジャッキ24は、例えば、油圧などで作動する。
【0038】
搬送通路8は、内筒本体20と連結部21との内周面により区画形成され、その搬送通路8内に、掘穴内を前後方向に延びるインバート桟橋22が配置される。
【0039】
そのインバート桟橋22上を、前方の切羽側で排出された土砂を後方の坑口側に搬送するダンプトラック23や坑口側から資材を切羽側に搬送するための台車(図示せず)などが通行するようになっている。また、インバート桟橋22の下方には、坑口側からエレクター本体6まで前後方向に延びるホイストレール(図示せず)が設けられ、そのホイストレールを走行するチェーンブロック13によりエレクター本体6にセグメント3が供給される。
【0040】
エレクター本体6は、セグメント3を把持するための把持部26と、その把持部26が取り付けられ、径方向に移動可能な吊りビーム27と、その吊りビーム27を腕部28を介して支持し、後述するリングガーダ34に回転可能に支持されたリング状の回転フレーム35とを備える。
【0041】
リングガーダ34は、自走式エレクター1の前端部に配置され、内筒2の連結部21を介して内筒本体20に接続、支持される。
【0042】
リングガーダ34の内周には、エレクター本体6の回転フレーム35を回転可能に支持するための支持ローラ30が設けられる。支持ローラ30は、リングガーダ34の内周に沿って複数(図例では、8つ)配置される。
【0043】
リングガーダ34の外周には、径方向外側に掘穴の内壁面まで延びてリングガーダ34の荷重を支持するアウトリガー31が設けられる。
【0044】
そのアウトリガー31は、複数設けられ、図例では、荷重が集中する下方に6つ、上方に2つ配置される。本実施形態のアウトリガー31は、径方向に伸縮可能に形成される。
【0045】
また、リングガーダ34には、セグメント3(掘穴の内壁面)に沿って周方向に略リング状に形成された作業足場32が設けられる。その作業足場32には、作業足場32から後方にセグメント3の内周側に張り出し可能なスライド足場33が設けられる。
【0046】
図4に示すように、本実施形態の自走式エレクター1は、セグメント3の背面に(セグメント3と掘穴内壁との間に)コンクリートを吹き込むための吹付け手段(例えば、コンクリートおよび急結材供給ホース40およびコンクリート吹付け機ノズル41など)を備える。
【0047】
また、本実施形態のセグメント3は、エレクター本体6により組み付けられたセグメント3を既設セグメント3に結合させるためのボルト37およびナット47を備える。
【0048】
ボルト37は、セグメント3の前後継手部(リング間)の断面上同一位置にボルト穴41を挿通可能に形成され、先端にナット47等の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部が形成される。ボルトをナット等の雌ねじ部に螺合し、ボルト37をスパナ等で固定し、ナット47を回転させることにより、該セグメント3を既設セグメント3に押し付けるようになっている。
【0049】
次に、本実施形態の自走式エレクターを用いたトンネル構築方法を説明する。
【0050】
本実施形態のトンネル構築方法は、山岳トンネルなどを構築するに際して、まず自由断面トンネル掘削機などにより掘穴を機械掘削、或いは掘穴を発破掘削し、その掘穴における所望の止水区間に上述した自走式エレクター1によりセグメント3を組み付けると共に組み付けたセグメント3の背面にコンクリートを吹付けて、該セグメント3を掘穴に固定するようにしたものである。
【0051】
図5から図9に基づき、ウォータタイト区間を構築する際の自走式エレクターの作動について説明する。
【0052】
まず、セグメント組立時およびコンクリート吹付け時の自走式エレクター1の状態を説明する。
【0053】
図5に示すように、セグメント組立時およびコンクリート吹付け時は、第1外筒41から第3外筒43の全てのグリッパージャッキ15を伸長させて、それらの受座16により既設セグメント3の真円保持を行う。また、第1外筒41(および第2外筒42、第3外筒43)のスライドジャッキ24を伸長させて、エレクター本体6を既設セグメント3の直前の所定位置に位置させる。さらに、リングガーダ34のアウトリガー31を伸長させ、そのアウトリガー31を介して、リングガーダ34やエレクター本体6の荷重を掘穴の内壁面にて支持する。
【0054】
この図5のセグメント組立およびコンクリート吹付けが終了した後、自走式エレクター1は、次のセグメント3を組み立てるべく、前方(図5において左方)に1セグメント分移動する。
【0055】
図6から図9により自走式エレクター1の自走方法を説明する。
【0056】
まず、図6に示すように、内筒2を前方に移動させる。具体的には、アウトリガー31を径方向内側に縮退、引込めた後、第1外筒41から第3外筒43の全てのスライドジャッキ24を略同時に縮退させて、内筒2を前方に押し出す。これにより、内筒2を前方に1セグメント分だけ移動させ、その後、アウトリガー31を再び伸長、押出して、掘穴の内壁面を押圧する。
【0057】
この内筒2の前進時は、第1外筒41から第3外筒43の全てのグリッパージャッキ15を伸長させて、それらの受座16にて既設セグメント3を押圧し、その既設セグメント3に推進反力を取る。
【0058】
次に、図7に示すように、第1外筒41を前方に移動させる。具体的には、第1外筒41のグリッパージャッキ15を縮退させて、第1外筒41の受座16を内方に引込めた後、第1外筒41のスライドジャッキ24を伸長させて、第1外筒41を前方に押出す。これにより、第1外筒41を前方に1セグメント分移動させる。その後、第1外筒41のグリッパージャッキ15を再び伸長させて、第1外筒41の受座16を外方に押出し、新たに組み付けられたセグメント3を押圧する。
【0059】
この第1外筒41の前進時は、第2外筒42および第3外筒43のグリッパージャッキ15および受座16にて既設セグメント3に推進反力を取る。
【0060】
次に、この図7の第1外筒41の前進と同様に、第2外筒42、第3外筒43を順次前進させる。
【0061】
すなわち、図8に示すように、第2外筒42のグリッパージャッキ15を縮退させ、受座16を引込めた後、第2外筒42のスライドジャッキ24を伸長させて、第2外筒42を前方に押出す。その第2外筒42の移動後、第2外筒42のグリッパージャッキ15を再び伸長させ、受座16にて既設セグメント3を押圧する。
【0062】
この第2外筒42の前進時は、第1外筒41および第3外筒43のグリッパージャッキ15および受座16にてセグメント3に推進反力を取る。
【0063】
次に、図9に示すように、第3外筒43のグリッパージャッキ15を縮退させ、受座16を引込めた後、第3外筒43のスライドジャッキ24を伸長させて、第3外筒43を前方に押出す。その第3外筒43の移動後、グリッパージャッキ15を再び伸長させ、受座16にて既設セグメント3を押圧する。
【0064】
この第3外筒43の前進時は、第1外筒41および第2外筒42のグリッパージャッキ15および受座16にてセグメント3に推進反力を取る。
【0065】
これら図6から図9のステップにより、自走式エレクター1が全体として1セグメント分前方に移動する。その後は、再び図5に戻りセグメント組立、セグメント背面のコンクリート吹付けが行われる。
【0066】
このように本実施形態の自走式エレクター1は、掘穴を自走してセグメントを組み立てることができ、それにより、NATM工法などの機械掘りや発破掘削された掘穴において、任意の区間にセグメントの組立を行うことができる。
【0067】
その結果、シールドマシーンを使用することなく、掘穴にセグメントによるウォータタイト(止水構造)を容易に、早期に構築することができる。
【0068】
さらに、エレクター本体6を、内筒2および外筒41−43からなる二重筒構造により支持するので、内筒2の搬送通路8を挿通させてインバート桟橋を設置することができ、切羽側で排出される掘削土を坑口側に容易に搬送することができる。
【0069】
また、自走式エレクター1は、グリッパージャッキ15とスライドジャッキ24との組合せにより自走するので、掘穴内にレールなどを敷設することなく、移動することができる。これは、大口径のトンネルを構築するに際して、エレクターが大型化、重量化する場合に、特に有利である。
【0070】
また、グリッパージャッキ15により、セグメント3の真円保持と、推進反力の確保との両方を行うことができる。
【0071】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0072】
例えば、外筒の数は、3つに限定されず、2つでも、或いは4つ以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態による自走式エレクターの概略図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線断面図である。
【図4】図4は、図1のIV部拡大図である。
【図5】図5は、本実施形態の自走式エレクターの自走方法を説明するための図であり、セグメント組立時およびコンクリート吹付け時の状態を示す。
【図6】図6は、本実施形態の自走式エレクターの自走方法を説明するための図であり、内筒を前進させた状態を示す。
【図7】図7は、本実施形態の自走式エレクターの自走方法を説明するための図であり、第1外筒を前進させた状態を示す。
【図8】図8は、本実施形態の自走式エレクターの自走方法を説明するための図であり、第2外筒を前進させた状態を示す。
【図9】図9は、本実施形態の自走式エレクターの自走方法を説明するための図であり、第3外筒を前進させた状態を示す。
【符号の説明】
【0074】
1 自走式エレクター
2 内筒
3 セグメント
5(24) スライド手段(スライドジャッキ)
6 エレクター本体
7 グリッパー手段
8 搬送通路
15 グリッパージャッキ
16 受座
41−43 外筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘穴内を自走すると共に、その掘穴にセグメントを組み立てる自走式エレクターにおいて、
上記セグメントを組み立てるためのエレクター本体と、そのエレクター本体を支持するための内筒と、その内筒の外周に前後方向に並べてスライド可能に嵌め合わされた複数の外筒と、各外筒の外周から既設セグメントまで外方に張り出して該既設セグメントを押圧し、かつ内方に縮退可能なグリッパー手段と、各外筒と上記内筒とを前後方向に相対移動、或いは固定するためのスライド手段と、上記内筒内に形成され該内筒を前後方向に挿通する搬送通路とを備えたことを特徴とする自走式エレクター。
【請求項2】
上記グリッパー手段は、既設セグメントに当接する受座と、その受座を既設セグメントに押圧するためのグリッパージャッキとを有する請求項1記載の自走式エレクター。
【請求項3】
上記スライド手段は、上記内筒および各外筒に固定され、前後方向に伸縮自在なスライドジャッキからなる請求項1または2記載の自走式エレクター。
【請求項4】
上記搬送通路内に、上記掘穴内を前後方向に延び、切羽側から坑口側に掘削土を搬送するためのインバート桟橋が設けられた請求項1から3いずれかに記載の自走式エレクター。
【請求項5】
上記エレクター本体にセグメントを供給するためのホイストを備え、そのホイストの前後方向移動を可能とすべく、上記内筒および外筒の下部に、前後方向に延びる切欠溝が形成された請求項1から4いずれかに記載の自走式エレクター。
【請求項6】
掘穴の所望の止水区間に、請求項1から5記載の自走式エレクターによりセグメントを組み付けることを特徴とするトンネル構築方法。
【請求項7】
上記組み付けたセグメントの背面にコンクリートを吹き付けて該セグメントを固定する請求項6記載のトンネル構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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