説明

色のついたかみそりの刃

色のついたかみそりの刃が提供される。こうした刃を製造するための方法もまた提供され、刃材料の熱処理の前に酸化物コーティングを付着すること、及びコーティングの色を強化するように選択された条件下で熱処理することを伴う方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かみそりの刃及びかみそりの刃を製造するための方法に関し、より特には、色のついたかみそりの刃に関する。
【背景技術】
【0002】
かみそりの刃は、ステンレス鋼のような好適な金属シート材料から典型的には形成されるが、これは所望の幅に切り込みを入れ、及び金属を硬化するために熱処理される。焼き入れ作業は、高温加熱炉を使用し、そこでは金属は1100℃を超える温度に10秒間まで晒され、続いて急冷されてもよい。
【0003】
焼き入れ後、刃先が刃の上に形成される。刃先は、典型的には、約0.0001mm(1000オングストローム)、例えば約0.00002〜0.00003mm(200〜300オングストローム)未満の半径を有する最終先端を有するくさび形の形状を有する。
【0004】
刃先に様々なコーティングが付与されてもよい。例えば、ダイヤモンド、アモルファスダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)材料、窒化物、炭化物、酸化物、又はセラミックスのようなハードコーティングが、多くの場合、刃先又は最終先端に強度、腐食耐性、及びシェービング能力を改善するために付与される。ニオビウム又はクロム含有材料の中間層は、基材、典型的にはステンレス鋼とハードコーティングとの間の結合改善を助長することが可能である。摩擦の減少を提供するためにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の外層を用いることが可能である。
【0005】
焼き入れされて研削された鋼が焼き戻しされないように、これらのコーティングが付与される工程、及びいずれかのその他の焼き入れ後の加工する工程が、十分に低い温度条件下で実行されることが重要である。鋼が焼き戻しされる場合、それはその硬さを失い、使用中に適切に機能しない場合がある。
【0006】
かみそりの刃の刃先構造及び製造方法の例は、米国特許第5,295,305号;第5,232,568号;第4,933,058号;第5,032,243号;第5,497,550号;第5,940,975号;第5,669,144号;EP0591334;及びPCT92/03330に記載され、これらは本明細書に参考として組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、色のついたコーティング、即ち下層の刃材料の色とは異なる色を有するコーティングを含む、かみそりの刃を提供する。本明細書で使用する時、用語「色のついた」は、黒色及び白色を含む全ての色を包含する。色のついたコーティングは、刃の性能又は物理的性質に有害な影響なしに、所望の審美的効果を提供する。かみそりの刃の色は、かみそりのカートリッジの筐体、又はハンドル、又はシェービングシステムのその他の構成要素の色とカラーコーディネートすることが可能である。幾つかの好ましい実施例では、コーティングは実質的に全部の刃の表面を覆い、審美的効果を高め、製造を簡単にする。コーティングには耐久力があり、刃材料に対して優れた付着性を示し、また一貫して及び相対的に安価に製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様において本発明は、本発明は、金属シート材料から形成された刃であって、研削された刃先を有する刃、及び刃の少なくとも一部分の上に配置された色のついたコーティングを含む、ウエットシェービングシステムに用いるかみそりの刃を大きな特徴としている。
【0009】
幾つかの実施例は、以下の特徴の1以上を含んでもよい。色のついたコーティングは、実質的に全部の刃を覆う。コーティングには、金属酸化物、及び/又は金属酸窒化物、例えば酸化チタン、及び/又はジルコニウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、タンタル、ニオビウム、鉄、及びこれらの混合物を含むその他の遷移金属の酸化物が挙げられる。金属シート材料は、ステンレス鋼、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼を含む。コーティングは、金色、スミレ色、緑色、及び青色から成る群から選択される色を有する。コーティングは、約0.00003〜0.001mm(300〜10,000オングストローム)、例えば約0.00006〜0.00024mm(600〜2400オングストローム)の厚さを有する。
【0010】
方法は、追加の工程を含んでもよい。例えば、方法は、付与する工程前若しくは付与する工程の最中に刃材料を加熱する工程、及び/又は付与する工程前若しくは付与する工程の最中に刃材料のイオン衝撃を更に含んでもよい。
【0011】
本発明はまた、刃の最終的な性質に有害に影響しない、色のついたコーティングを製造する方法も大きな特徴とする。例えば、1つの態様において本発明は、酸化物コーティングを刃材料に付与する工程、そのコーティングされた刃材料を焼き入れプロセスに晒す工程、及びその焼き入れされてコーティングされた刃材料をかみそりの刃に形成する工程を含む方法であって、該酸化物コーティングはかみそりの刃に色のついたコーティングを提供する、ことを特徴としている。
【0012】
幾つかの好ましい方法において、コーティングは、非常に多数の刃が製造され得る、金属の比較的大きなシートに付与される。例えば、付与する工程は、かみそりの刃の幅より実質的に広い幅を有する刃材料のシート上で実行されてもよい。この場合、この方法は、付与する工程と晒す工程との間に、刃材料に切り込みを入れて、複数個のストリップを形成することを更に含んでもよい。幾つかの方法は、実質的に連続するコーティング及び熱処理プロセスを伴う。方法はまた、酸化物コーティングの組成が、焼き入れプロセスにより変化するように、焼き入れプロセスを制御することを含んでもよい。
【0013】
幾つかの方法は、以下の特徴の1以上を含み得る。制御する工程は、焼き入れプロセスが実行される周囲条件を制御することを含む。例えば、制御する工程は、その中で焼き入れプロセスが実行されるチャンバーを提供すること、及び焼き入れプロセス中に、チャンバーに1以上の気体を導入することを含んでもよい。気体は、窒素、水素、及び酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、二酸化窒素、水蒸気、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0014】
焼き入れプロセスは、酸化物コーティングを還元する第1温度領域、及びコーティングを酸化する第2温度領域に、刃材料を通過させることを含む。焼き入れプロセスはトンネルオーブン中で実行され、第1温度領域は、トンネルオーブンの第1領域であり、第2温度領域は、温度がトンネルオーブンの第1領域の温度と関係なく制御され得るトンネルオーブンの第2の、より短い領域である。トンネルオーブンの第2領域の酸素分圧は、トンネルオーブンの第1領域の周囲条件と関係なく制御され得る。トンネルオーブンの第2領域の酸素分圧を制御することにより、酸化物被膜の所望の色を更にターゲットとし、制御してもよい。焼き入れプロセスは、刃材料のマルテンサイト化を引き起こし得る。
【0015】
幾つかの方法において、形成する工程は、刃材料を研削して刃先を形成することを含む。形成する工程はまた、切り込みを入れた刃材料を、かみそりの刃と実質的に同じ長さを有する部分に破断することを含んでもよい。
【0016】
方法は更に、刃先にコーティングを付与して、刃先のシェービング性能を高めることを含む。コーティングは、クロム含有材料、ニオビウム含有材料、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクコーティング(DLC)、窒化物、炭化物、酸化物、及びテロマーから成る群から選択される。方法は更に、所望の最終の色を与えるように、酸化物コーティングの化学量論的組成を選択することを含む。
【0017】
更なる態様において本発明は、金属シート材料から形成された刃、研削された刃先を有する刃;前記刃が刃の少なくとも一部分の上に配置された色のついたコーティングを具備する刃を含むかみそりを包含する、ウエットシェービングシステムを特徴としている。刃は、上述の特徴のいずれかを含んでもよい。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「色のついた」は、コーティングが付与される、コーティングされていない基材材料の色とは異なる色を有するコーティングを指す。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「着色されたコーティング」は、その色合いを強化するために熱処理された、色のついたコーティングを指す。
【0020】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載される。本発明の他の特徴及び利点は、説明及び図面、及び請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1及び1Aを参照すると、かみそりの刃10は、ステンレス鋼の基材を含み、これは典型的には、約0.0762〜0.1016mm(0.003〜0.004インチ)の厚さを有する。ステンレス鋼は、そのマルテンサイト相に硬化されている。刃10は、先端16まで研削された刃先14(刃の「最終縁部(ultimate edge)」と称される場合もある)を有する。好ましくは、先端16は、SEMにより測定される、0.0001mm(1,000オングストローム)未満、好ましくは0.00002〜0.00004mm(200〜400オングストローム)の半径を有する。典型的には、先端16は、先端から40μのところで測定して、15度〜30度、例えば約19度の刃先角で側面を有する輪郭を有する。
【0022】
刃10は、非常に薄い、例えば0.00003〜0.001mm(300〜10,000オングストローム)の色のついたコーティングを含む。図1及び1Aでは、これらの図の縮尺のために、このコーティングは目には見えない。色のついたコーティングは、完成した刃に所望の色を提供し、高温焼き入れプロセス及び他の刃を加工する工程に、有害な変色又は他の損傷若しくは変質せずに耐えるように、選択され付与される酸化物から好ましくは形成される。
【0023】
好適な酸化物には、チタン及びその他の遷移金属、例えばジルコニウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、タンタル、ニオビウム、鉄の酸化物、及びこれらの酸化物の混合物が挙げられる。
【0024】
図2を参照すると、刃10はシェービングかみそり110に用いることができ、これはハンドル112及び取り替え可能なシェービングカートリッジ114を含む。カートリッジ114は、筐体116を含み、これは3枚の刃10、ガード120、及びキャップ122を持っている。各刃10は、支持体11に溶着されており、刃10及びそれらの支持体11は、例えば、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,918,369号に記載されるように、移動可能に取り付けられる。カートリッジ114はまた、筐体116が2つのアーム128のところで回転可能にその上に取り付けられる相互に連結する部材124を含む。
【0025】
上述したように、刃の色は、満足のいく及び特色のある審美的効果を作り出すために、筐体若しくはハンドル、又は筐体若しくはハンドルの一部の色と、コーディネートされてもよい。例えば、コーティングの色は、筐体及び/又はハンドルの色(類)と同じ、及び/又は対照的若しくは相補的であってもよい。コーティングの色はまた、カートリッジのエラストマー部分、例えばガードの色とコーディネートされてもよい。
【0026】
刃10は、他の種類のかみそり、例えば1枚、2枚、又は3枚若しくはより多くの刃、又は両面刃を有するかみそりに用いることができる。刃10は、可動刃又は回転ヘッドを有しないかみそりに用いることができる。カートリッジは、取り替え可能であってもよいし、かみそりのハンドルに永久的に取り付けられていてもよい。
【0027】
色のついたコーティングを付与するための、及びかみそりの刃を製造するための好適なプロセスは、図3に図式的に示されている。図3に示されるように、好ましくは酸化物層は、刃が形成されるシート材料に、シート材料に切り込みを入れる前に、最終的な刃の幅より典型的には著しく広い所望の幅に付与される。この段階においてコーティングする工程を実行することは、広い表面積を直ちにコーティングするため、製造が簡素化される。酸化物コーティングが、軟らかい刃の鋼のシートに、例えば物理気相成長法(PVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、又は他の付着技術により、均一な厚さの層に付与される。層は、典型的には約0.00004〜0.001mm(400〜10,000オングストローム)、例えば約0.00005〜0.00008mm(500〜800オングストローム)である。基材は付着前及び/又は付着中に、例えば約100℃〜350℃の温度に加熱されてもよい。この方式で基材を加熱することは、酸化物コーティングの付着性及び耐摩耗性を増加させる場合がある。酸化物コーティングは、酸化されていない金属、例えばクロム、チタン、又はその他の酸化されていない金属の薄い付着促進層の最上部に付着されてもよい。この付着促進層は、軟らかい刃の鋼のシートに、例えば物理気相成長法(PVD)により付与されてもよく、及び0.000005〜0.000025mm(50〜250オングストローム)の厚さを有することができる。所望であれば、コーティングは、供給元により、図3に示されるその他の加工する工程の前に予備付与されてもよい。酸化物コーティングは、蒸発(PVD技術)、スパッタリング(PVD)、アーク光源(PVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、ゾル−ゲル法、及び被膜の熱成長のような他の技術が挙げられる多数の技術により付着することができる。用いられるべきプロセスパラメータは、用いられる技術及び工具に依存し、所望の厚さ及びその他の性質を有する酸化物層を生成するように選択される。
【0028】
コーティングが付与された後、シート材料は切り込みを入れてストリップにされ、そのストリップは、その後の加工中に扱いやすいように穿孔される。刻み目をつけるなどその他の予備焼き入れする工程は、所望であれば実行されてもよい。
【0029】
予備焼き入れする工程の所望の手順が完了したら、刃材料は焼き入れプロセスに晒され、これはステンレス鋼のマルテンサイト変態を引き起こす。トンネルオーブン中で行われる焼き入れプロセスの典型的な温度特性は、図4に示される。オーブン中のこの温度特性は、材料の温度を高温、例えばおよそ1160℃まで素早く上昇させ、材料を一定期間この温度で維持することを伴うが、この期間中にステンレス鋼のオーステナイト化が生じる。オーブンから材料を出した後に素早く急冷されて、ステンレス鋼のマルテンサイト化を引き起こす。
【0030】
以下に記載されるプロセスは、既存の刃の鋼の焼き入れプロセスに追加されてもよい。有利なことには、多くの場合、本明細書に記載される着色プロセスは、既存のプロセスへの最小限の変化により、既存の焼き入れプロセスに統合されることができる。1つの既存の刃の鋼の焼き入れプロセスは、流動フォーミングガス(Forming Gas)(水素と窒素との混合物)環境を含有する高温(1100℃を超える)加熱炉を使用する。2つの平行な連続したステンレス鋼の刃のストリップは、この高温加熱炉を36.6m/min(120フィート/min)で各々通過させられる。この高温処理を用いてステンレス鋼ストリップをオーステナイト化する。高温加熱炉の出口近くには、水冷式ジャケット付き管(水冷式マッフル管とも呼ばれる)がある。この部分を用いて、ステンレス鋼の刃のストリップの冷却プロセスが始まる。水冷領域の直後に、ステンレス鋼の刃のストリップが一組の水冷式急冷ブロックを通過する。急冷ブロックは、鋼のマルテンサイト変態を開始する。
【0031】
焼き入れプロセスの間に酸化物コーティングは「着色され」、即ち酸化物コーティングの色合いは強化される及び/又は変化される。着色は、例えばより明るい陰影若しくはより光り輝く外見へといった色の強化を引き起こす場合があり、及び/又はコーティングの色の異なる色への変化、例えば青灰色からスミレ色、金色、若しくは青色へ、又は渋い緑色から明るい黄緑、濃緑色、若しくは青緑色への変化を引き起こす場合がある。この着色は、コーティングの屈折率の変化から結果として生じ、これは同様に、酸化物コーティングの組成、化学量論的組成、及び/又は結晶構造の変化から引き起こす。見掛けの被膜の屈折率の変化の程度が着色された被膜の色を制御する。
【0032】
着色後のコーティングの組成及び結晶構造、ひいてはコーティングの最終の色は幾つかの変数に依存する。例えば、コーティングの組成、又は化学量論は、焼き入れ手順の間に加熱炉の中に存在する気体に依存する。加熱炉の中に窒素のみを導入すると、初めに灰青色であった色のついた酸化チタンコーティングを明るい青色又はブルーバイオレットに一般に変化させる。この変色は、酸化チタンコーティングの酸素含有量の減少に起因する。空気及び/又は水分が加熱炉に導入される場合は、酸化チタンコーティングの酸素含有量の減少はずっと少なく、引き起こす屈折率はより高い。
【0033】
着色に影響する他の変数は、酸化物コーティングの初めの厚さ及び組成、焼き入れ加熱炉の温度特性、並びに材料が加熱炉を進んで通っていく時の速度である。コーティングの厚さ及び/又は組成が、材料の長さにわたって変化する場合には、一貫した最終製品を得るために焼き入れプロセスのプロセスパラメータを調整することが必要な場合がある。焼き入れに典型的に用いられる大きいトンネルオーブン中の温度及び周囲条件を素早く調整することは困難であるため、より素早く調整できる、別の、より短いオーブン(以下で「酸化領域」と呼ばれる)を提供することが望ましい場合がある。したがって、従来の大きいトンネルオーブンは、焼き入れ作業の高温工程のために及び酸化物コーティングを僅かに還元するために用いられてもよく(これはまた、その組成の均一性を増加する場合がある)、追加のより短いオーブンは、酸化/着色のために用いられて酸化領域を提供してもよく、その中で気体組成は相対的に敏速に調整されて材料のばらつきを補うことができる。この酸化領域でのストリップの温度、したがって着色環境の反応性は、高温加熱炉の最終領域の設定値を調整することにより、上下に調整することができる。酸化領域に導入される気体(類)の組成及び/又は流速は、次に、材料が酸化領域及び急冷エリアを出る時の材料の外見に基づいて変更することができる。
【0034】
その他のプロセスが、上述の酸化物、特に酸化チタン(又はいずれかの化学量論的に酸化されたチタン)を用いて、薄い被膜として着色されたコーティングを得るために用いられてもよい。これらのプロセスでは、高温加熱炉及び/又は酸化領域の中の周囲条件(組成及び温度)が、着色されたコーティングの色を制御するために調整される。
【0035】
酸化領域は、使用される場合、高温加熱炉と水冷式急冷ブロックの第1の組との間に位置し、標準的な焼き入れライン上に用いられる水冷式マッフル管を置き換える。加熱炉の温度特性は、コーティングされたステンレス鋼の刃のストリップが、焼き入れ加熱炉から出てきて、及び1160℃付近又は未満の温度で酸化領域に入るように変更されてもよい。例えば開始時などに、プロセスの安定性を改善するために、酸化領域に加熱要素を加えることをまた使用してもよい。
【0036】
酸化領域は、例えば焼き入れラインの高温加熱炉中に用いられる管類に取り付けられるインコネル(Inconel)管であってもよい。図5を参照すると、1つの実施形態では、気体スパージャーシステム200が、管202の入口から約2.9cmのところに設置され、管の5.1cm下まで伸びるような大きさを有する。この場合、スパージャーは、合計で16の気体注入口(図示されず)を有し、及びスパージャーを通って注入された気体(図5Aの矢印)が、ステンレス鋼のストリップに均一に衝突するように設計されている。気体は1対の注入管201、203を通ってスパージャーに導入される。気体バッフル204は、刃材料の2つのステンレス鋼のストリップが互いに分離して、バッフルの各側での気体の組成が独立して制御されてもよいように包含されてもよい。バッフル204は、2つのチャンバー210、212を、図5Aに示されるように画定してもよい。この場合、気体のバッフルは、例えば酸化領域の入口から0.3cmのところで始まり、管の10.2cm下まで伸びてもよい。所望であれば、気体バッフルは、酸化領域の全体の長さに沿って伸びてもよい。気体スパージャーは、2元的な気体の流量制御が可能であり、2つのストリップが同時に同じ加熱炉を用いて加工できるように設計されている。気体流速は、気体流量計を用いて制御されてもよい。酸化領域の各チャンバーの出口は、フランジ及び2片の鋼218を装備してもよく、これらはスリット219を画定し、それによって出口ゲート220として作用する(図5C)。スリットは、例えば0.1〜0.2cmの幅であってもよい。この出口ゲートは、周囲空気の酸化領域中へのいずれの逆流も防ぎ、また酸化領域中の気体のより良好な混合を促す。上述のように、酸化領域の直後に、ステンレス鋼の刃のストリップは一組の水冷式急冷ブロック206を通過させられる。急冷ブロックは、鋼のマルテンサイト変態を開始する。
【0037】
酸化気体、例えば乾燥空気と窒素として導入される酸素と窒素との混合物が、着色プロセスを制御するために用いられてもよく、この場合それは高温加熱炉からの気体の流れに直接加えられる。
【0038】
上に記載されたプロセスのすべては、マルテンサイト系ステンレス鋼の焼き入れプロセスの間に、装飾的な遷移金属酸化物の被膜を特別に改善(着色)できるようにする。代わりに、もし装飾的な遷移金属酸化物の被膜が焼き入れプロセスの前に着色されるようなことがあった場合、それは標準的焼き入れプロセスの間に一般に劣化する。着色プロセスがマルテンサイト変態の後に使用されるようなことがあった場合、それはステンレス鋼のストリップのマルテンサイトの性質を破壊するか、又は広範囲に及ぶ温度制御及び材料の特別な取り扱いを必要とするかのいずれかである。上に記載されたプロセスは一般に、高度に付着性の保護用酸化物を提供するが、一方では焼き入れされたステンレス鋼の刃のストリップの金属学的性質に有害な影響を与えずに優れた色の制御を可能にする。
【0039】
焼き入れプロセス後、刃の材料は研削されて図1に示される刃先を作り出し、及び刃材料のストリップは、所望の長さの刃に分けられる。次に刃は、例えばレーザー溶着を用いて、支持体11(図2)に、こうした支持体が用いられる場合は溶着されてもよい。
【0040】
色のついたコーティングに加えて、かみそりの刃は他の機能、例えば性能を向上するコーティング及び層を含んでもよく、これは研削する工程と溶着する工程との間に付与されてもよい。
【0041】
例えば、上の背景技術の節で論じたように、先端は1以上のコーティングによりコーティングされてもよい。好適な先端コーティング材料には、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:
好適な中間層材料にはニオビウム及びクロム含有材料が挙げられる。特有の中間層は、約0.00001〜0.00005mm(100〜500オングストローム)の厚さを有するニオビウムから製造されている。PCT92/03330は、ニオビウム中間層の使用を記載する。
【0042】
好適なハードコーティング材料には、炭素含有材料(例えば、ダイヤモンド、アモルファスダイヤモンド又はDLC)、窒化物(例えば、窒化ホウ素、窒化ニオビウム、又は窒化チタン)、炭化物(例えば、炭化ケイ素)、酸化物(例えば、アルミナ、ジルコニア)、及びその他のセラミック材料が挙げられる。炭素含有ハードコーティングは、他の要素、例えばタングステン、チタン、又はクロムを、例えば付与中にスパッタリングによりこれらの添加物を目標物の中に含むことにより盛り込むことができる。ハードコーティング材料はまた、水素、例えば、水素添加DLCを組み込むこともできる。DLC層及び付着方法は米国特許第5,232,568号に記載されている。
【0043】
好適な上塗り層には、クロム含有材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレンと適合性があるクロム又はクロム合金、例えばCrPtが挙げられる。特有の上塗り層は、約0.00001〜0.00005mm(100〜500オングストローム)の厚さを有するクロムである。
【0044】
好適な外層には、テロマーと呼ばれる時もあるポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。特有のポリテトラフルオロエチレン材料は、デュポン(DuPont)から入手可能であるクライトックスLW1200(Krytox LW 1200)である。この材料は、安定な分散を生じる小粒子から成る、不燃性及び安定な乾燥した潤滑剤である。それは20重量%の固形物の水性分散体として供給され、浸漬、噴霧、又ははけ塗りにより付与でき、その後空気乾燥又は溶融コーティングすることができる。この層は好ましくは0.00001〜0.0005mm(100〜5,000オングストローム)の厚さ、例えば0.00015〜0.0004mm(1,500〜4,000オングストローム)である。連続コーティングが実現される場合、テロマーコーティングの厚さの減少は、改善した最初のシェービングの結果を提供できる。米国特許第5,263,256号及び第5,985,459号は、本明細書に参考として組み込まれるが、付与したテロマー層の厚さを減少するために用い得る技術を記載する。
【0045】
例えば、かみそりの刃の先端は、ニオビウム中間層、DLCハードコーティング層、クロム上塗り層、及びクライトックスLW1200(Krytox LW 1200)ポリテトラフルオロエチレン外塗り層を含んでもよい。
【実施例】
【0046】
次の実施例は、説明に役立つことを目的としており、及び事実上限定することを目的としていない。
【0047】
実施例1〜4
一般的な着色されたコーティングプロセスの設定
次の実施例、実施例1〜4では、0.000065mm(650オングストローム)の酸化チタンのコーティングを有するステンレス鋼のシート材料の試料が、図4に示される焼き入れ温度特性を有する高温加熱炉の中で熱処理された。高温加熱炉の出口には、酸化領域(実施例1〜3のみ)が装備されていた。高温加熱炉の温度特性、及び高温加熱炉の気体環境は制御された。気体はまた、着色されたコーティングプロセスの最終工程の最中に、酸化領域に導入された(実施例1〜3のみ)。高温加熱炉中の温度は1160℃に設定され、4領域の最後(出口温度)は1060℃に設定された。
【0048】
実施例1
高温加熱炉中の窒素;
色の制御のために用いられる酸化領域中の乾燥空気
この実験では、高温加熱炉は、図4に示される温度特性を維持した。高温加熱炉中の環境は、流動窒素(18.9l/min)であった。コーティングされたステンレス鋼のシート材料は、加熱炉を36.6m/min(120フィート/min)で通過させられた。窒素(1l/min)及び乾燥空気(0〜225ml/min)の制御された混合物が、酸化領域の各側に導入された。酸化領域に導入された空気の量が、着色されたコーティングの最終の色を確定した。試料の初めの色は青灰色であった。酸化領域への空気流がないと、最終の色はスミレ色であった。空気流速が25ml/minまで増加する時、色は藍色になった。空気流速が200ml/minを超えると、色は明るい青色であった。酸化領域の使用は、迅速に反応する着色プロセスを可能にし、オンライン着色制御を可能にした。このプロセスでは、初期の酸化チタン被膜は、緻密にされ、且つ還元され、高温加熱炉中の見掛けの被膜の屈折率を低下させたと考えられている。熱い被膜が酸化領域を通過した時、増加した酸素環境は被膜を再酸化し、見掛けの被膜の屈折率を増加させ、それによって被膜を着色した。
【0049】
実施例2
高温加熱炉中のフォーミング・ガス(Forming Gas);
色の制御のために用いられる酸化領域中の乾燥空気
高温加熱炉は、流動フォーミングガス(Forming Gas)(75%水素、25%窒素)の環境を含有した。流速は、4.7l/min〜18.9l/minに設定された。窒素(1l/min)及び乾燥空気(0〜225ml/min)の制御された混合物が、酸化領域の各側に導入された。酸化領域に導入された空気の量が、着色されたコーティングの最終の色を確定した。このプロセスでは、初めの酸化チタン被膜は、緻密になった、還元された、及び僅かに硝酸化されたと考えられている。これらの変化は、被膜が高温加熱炉の中にある間に、酸化物被膜の見掛けの被膜の屈折率を低下させた。熱い被膜が酸化領域を通過した時、増加した酸素環境は被膜を再酸化し、見掛けの被膜の屈折率を増加させ、被膜の色を変更した。所与の被膜の厚さにおけるプロセスの反応性及び色のばらつきは、実施例1に記載される実験中に観察される反応性及びばらつきと比べて減少した。
【0050】
実施例3
高温加熱炉中のフォーミングガス(Forming Gas)及び窒素;
色の制御のために用いられる酸化領域中の乾燥空気
この実験では、プロセスのパラメータは、窒素がフォーミング・ガス(Forming Gas)の流量に加えられて全体の水素含有量を低下させることを除いて、実施例2について上に記載されたものと同じであった。フォーミング・ガス(Forming Gas)の流量は、高温加熱炉中の全体の気体流量の25%〜75%まで減少された。所与の被膜の厚さ及び酸化領域への空気流速の範囲について、プロセスの色のばらつきは、フォーミング・ガス(Forming Gas)のみ、又は窒素のみを高温加熱炉中に使用するプロセスと比べて著しく減少した。
【0051】
実施例4
高温加熱炉中のフォーミング・ガス(Forming Gas)及び/又は窒素;
色の制御のために用いられる高温加熱炉中の乾燥空気;
色の制御のために酸化領域は用いられない
この実験では、高温加熱炉は、流動フォーミングガス(Forming Gas)(75%水素、25%窒素)、窒素、及び乾燥空気の環境を含有した。フォーミングガス(Forming Gas)及び窒素の流速の各々は、0l/min〜18.9l/minまで変化し;フォーミングガス(Forming Gas)に窒素を加えた合計の流速は、4.7l/min〜18.9l/minであった。乾燥空気流速は、0〜225ml/minまで変化した。空気又は窒素は、この実験では水冷式ジャケット付きマッフル管である酸化領域には加えられなかった。高温加熱炉の前部に導入された空気の量が、着色されたコーティングの最終の色を確定した。このプロセスでは、酸化状態、したがって見掛けの被膜の屈折率は、高温加熱炉中の酸化−還元の駆動力を制御することにより制御された。このプロセスは、実施例1〜3に比べて、より広い範囲の色の制御を可能にした。
【0052】
他の実施形態は、以下の請求項の範囲内である。例えば、酸化物コーティングは、製造の容易さのために、切り込みを入れる及び穿孔する前に付与されることが一般に好ましいが、コーティングは、焼き入れ前の製造プロセスのどの時点において付与されてもよい。その上、幾つかのプロセスでは、図3に示される穿孔及び/又は溶着する工程(類)は省略されてもよい。所望であれば、他のプロセス工程が追加されてもよく、例えば刻み目をつける作業が穿孔の前に実行されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】支持されたかみそりの刃の平面図。
【図1A】支持されたかみそりの刃の側面図。
【図2】図1のかみそりの刃を含むシェービングかみそりの斜視図。
【図3】本発明の1つの実施形態によるかみそりの刃の製造プロセスにおける工程を示す流れ図。
【図4】焼き入れ加熱炉の温度特性。
【図5】酸化領域の概略側面図。
【図5A】図5の線A−Aに沿って取られた、スパージャーの概略断面図。
【図5B】図5Aに示されるスパージャーの側面図。
【図5C】図5に示される酸化領域と共に用いられる出口ゲートの正面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属シート材料から形成された刃であって、研削された刃先を有する刃;及び
前記刃の少なくとも一部分の上に配置された色のついたコーティングを具備する、ウェットシェービングシステムに用いるかみそりの刃。
【請求項2】
前記色のついたコーティングが、前記刃の実質的に全体を覆う、請求項1に記載のかみそりの刃。
【請求項3】
前記コーティングが、金属酸化物、及び/又は金属酸窒化物を含む、請求項1に記載のかみそりの刃。
【請求項4】
前記酸化物が、酸化チタン、及び/又はジルコニウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、タンタル、ニオビウム、鉄、及びこれらの混合物を含むその他の遷移金属の酸化物から成る、請求項2に記載のかみそりの刃。
【請求項5】
前記金属シート材料がステンレス鋼を含む、請求項1に記載のかみそりの刃。
【請求項6】
前記ステンレス鋼が、マルテンサイト系ステンレス鋼を含む、請求項5に記載のかみそりの刃。
【請求項7】
前記コーティングが、金色、スミレ色、緑色、及び青色から成る群から選択される色を有する、請求項1に記載のかみそりの刃。
【請求項8】
前記コーティングが、約0.00003〜0.001mm(300〜10,000オングストローム)の厚さを有する、請求項1に記載のかみそりの刃。
【請求項9】
前記コーティングが、約0.00006〜0.00024mm(600〜2400オングストローム)の厚さを有する、請求項8に記載のかみそりの刃。
【請求項10】
酸化物コーティングを刃材料に付与する工程;
前記コーティングされた刃材料を焼き入れプロセスに晒す工程;及び
前記焼き入れされコーティングされた刃材料をかみそりの刃に形成する工程;
を含み、前記酸化物コーティングが前記かみそりの刃に色のついたコーティングを提供する、かみそりの刃を製造する方法。
【請求項11】
前記刃材料がステンレス鋼を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化物コーティングの組成が前記焼き入れプロセスにより変化するように、前記焼き入れプロセスを制御する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記制御する工程が、前記焼き入れプロセスが実行される周囲条件を制御することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御する工程が、前記焼き入れプロセスが実行されるチャンバーを提供すること、及び前記焼き入れプロセス中に、前記チャンバーに1以上の気体を導入することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記気体が、窒素、水素、及び酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、二酸化窒素、水蒸気、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記付与する工程の前又は前記付与する工程の最中に、前記刃材料を加熱する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記付与する工程の前又は前記付与する工程の最中に、前記刃材料をイオン衝撃する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記形成する工程が、前記刃材料を研削して刃先を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記付与する工程が、前記かみそりの刃の幅より実質的に広い幅を有する刃材料のシート上で実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記付与する工程と前記晒す工程との間に、前記刃材料に切り込みを入れて、複数個のストリップを形成することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記形成する工程が、前記切り込みを入れた刃材料を、前記かみそりの刃と実質的に同じ長さを有する部分に破断することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記焼き入れプロセスが、前記刃材料のマルテンサイト化を引き起こす、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
刃材料への前記酸化物コーティングの付与が、刃に刻み目をつける作業の前に実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
前記焼き入れプロセスが、前記刃材料を、前記酸化物コーティングを還元する第1温度領域、及び前記コーティングを酸化する第2温度領域を通過させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
前記焼き入れプロセスがトンネルオーブン中で実行され、前記第1温度領域が、前記トンネルオーブンの第1領域であり、前記第2温度領域は、温度が前記トンネルオーブンの前記第1領域の温度と関係なく制御され得る、前記トンネルオーブンの第2のより短い領域である、請求項10に記載の方法。
【請求項26】
前記第2領域が加熱されない、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記トンネルオーブンの前記第2領域の酸素分圧が、前記トンネルオーブンの前記第1領域の周囲条件と関係なく制御され得る、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記付与する工程が、チタン、シリコン、亜鉛、タングステン、アルミニウム、タンタル、ニオビウム、鉄、及びジルコニウム酸化物、並びにこれらの混合物から成る群から選択される酸化物を付与することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項29】
前記刃先にコーティングを付与して、前記刃先のシェービング性能を高めることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項30】
前記コーティングが、クロム含有材料、ニオビウム含有材料、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクコーティング(DLC)、窒化物、炭化物、酸化物、及びテロマーから成る群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
所望の最終の色を与えるように、前記酸化物コーティングの化学量論的組成を選択することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項32】
金属シート材料から形成されると共に研削された刃先を有する刃を包含するかみそりを具備するウェットシェービングシステムであって、前記刃が、前記刃の少なくとも一部分の上に配置された色のついたコーティングを有する、ウェットシェービングシステム。
【請求項33】
前記色のついたコーティングが、前記刃の実質的に全部を覆う、請求項34に記載のシェービングシステム。
【請求項34】
前記コーティングが、金属酸化物、及び/又は金属酸窒化物を含む、請求項32に記載のシェービングシステム。
【請求項35】
前記酸化物が、酸化チタン、及び/又はジルコニウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、タンタル、ニオビウム、鉄、及びこれらの混合物を包含するその他の遷移金属の酸化物から成る、請求項34に記載のシェービングシステム。
【請求項36】
前記金属シート材料がステンレス鋼を含む、請求項32に記載のシェービングシステム。
【請求項37】
前記ステンレス鋼が、マルテンサイト系ステンレス鋼を含む、請求項36に記載のシェービングシステム。
【請求項38】
前記コーティングが、金色、スミレ色、緑色、及び青色から成る群から選択される色を有する、請求項32に記載のシェービングシステム。
【請求項39】
前記コーティングが、約0.00003〜0.001mm(300〜10,000オングストローム)の厚さを有する、請求項32に記載のシェービングシステム。
【請求項40】
前記コーティングが、約0.00006〜0.00024mm(600〜2400オングストローム)の厚さを有する、請求項39に記載のシェービングシステム。
【請求項41】
前記酸化物の所望の色を得るために、前記第1領域において生じる還元の量及び前記第2領域において生じる再酸化の量を制御することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
予め定められた最終の色を得るように前記焼き入れプロセスを制御することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
前記色のついたコーティングが、光学干渉に起因する、請求項10に記載の方法。
【請求項44】
前記所望の色を得るように前記被膜の前記光学的性質を制御することを更に含む、請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2008−501414(P2008−501414A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515198(P2007−515198)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/017718
【国際公開番号】WO2005/120783
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】