説明

色制御された電場発光素子

複合材料を含む有機電場発光素子、及び有機電場発光素子の製作方法。材料は、ポリマー鎖をそれらの隣接物から効率的に孤立させる層状無機ホストマトリックス中に閉じこめられた、少なくとも二つの放射ポリマーを含む。放射鎖の隔離は、ポリマー鎖間のエネルギー移動及び励起子拡散を阻止し、電気的に産生された励起子を、それらのエネルギーが、バンドギャップが最も狭い放射部分に流し込まれるであろうより前に、放射を伴って再結合させる。この様な複合体の放射色は閉じこめられたポリマーの放射の組合せであり、白色光であって良く、又は、混合物の比の選択により調整して、任意の所望の色の出力光であって良い。異なるポリマーは、混合され、次いで、ホストマトリックス中に挿入されて良く、又は、それらが各々別個にホストマトリックス中に挿入され、得られる複合体が混合されて良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に白色光放射素子に用いられる、及び単に電場発光物質の組成を変えることにより放射色が選択される素子用の、電場発光素子構造用材料及び方法、並びにそれらの色出力の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置のバックライト用及び代替の固体照明用の、安価で、大面積の、効率の良い白色放射素子に対する市場の関心は、溶液処理されたポリマー発光ダイオード類(PLEDs)に焦点を合わせてきている。ポリマー素子における白色光の産生に関して、二つのメカニズムが提唱されている。第一の手法では、各々が異なる色で放射する、別個のポリマー層内で、電荷が放射的に再結合する。幾つかの層からの同時の発光が、所望の白色放射を提供する。この様な多層状素子法は、Kido他[J.Kido,M.Kimura,K.Nagai,Science,267,p 1332(1995)]、Xie他[Z.Y Xie,Y Liu,J.S.Huang,Y Wang,C.N.Li,S.Y Liu,J.C.Chen,Synth.Met.106,p 71(1999)]、Ogura他[T.Ogura,T.Yamashita,M.Yoshida,K.Emoto,S.Nakajima,米国特許第5,283,132号]、及びDeshpande他[R.S.Deshpande,V.Bulovic,S.R.Forrest,Appl.Phys.Lett.75,p 888,(1999)]によって記述されている。しかしながら、ポリマー多層堆積物の溶液処理は、大半の高発光性のポリマーが類似の溶媒に可溶であり、逐次的な堆積が、層の混合をもたらすので、困難である。ポリマーの相分離を制御して所定の層厚の多層を形成させることは、それ故、複雑な工程である可能性があり、また、役に立つ素子の産出は、一般的に、試行錯誤法を使用して、各層の所望の厚さを得ることを含んでいる。更に、この様な多層素子は、堆積による発光帯のシフトに起因して、適用されるバイアスに伴う、放射される色の変化を被る可能性もある。
【0003】
これらの制限のため、白色光EL放射を生じさせるもう一つの方法は、少量の赤及び緑放射のEL部分が、グラフト又はドーピングによって青放射のELポリマーホストに導入されている、単層のEL材料を用いることによる。ギャップが広いホストポリマーからよりギャップが狭い種へのエネルギー伝達、引き続く3種の発色団からの同時放射が、白色光を生み出す。ホストからドーパントへのエネルギー伝達は、一般的に、フォルスター型伝達、即ち双極子−双極子相互作用、及び主にデクスター型伝達、即ち励起子(電子−正孔ペア)拡散を介して起こる。この様な素子及び方法の幾つかの例が、Granstrom他[M.Granstrom,O.Ingans,Appl.Phys.Lett,68,p 147(1996)]、Kido他[J.Kido,H.Shionoya,K.Nagai,Appl.Phys.Lett.67、2281(1995)]、Shi他[J.Shi,C.W.Tang,米国特許第5,683,823号]、及びChen他[S.−A.Chen,E.−C.Chang,K.−R.Chuang,米国特許第6,127,693号]によって記述されている。
【0004】
この方法における工程は第一の方法より単純である様に考えられるかもしれないが、しかしながら、この様な白色放射の「純度」及び安定性は、一般的に合成及び処理要因、並びに素子の操作条件に敏感である。特に、成分を配合又はドーピングする場合、それらの間で良好な混和性を持つと、高バンドギャップ成分から低バンドギャップ成分へのエネルギー伝達に起因して、ホストのスペクトルは、配合又はドーピングレベルと共に大きく変化する可能性がある。斯くして、最終的な放射スペクトルを予見することは困難である。更に、白色光放射材料を調製するために三種又はそれを超える成分を配合する場合、成分間のエネルギー伝達の制御は一層困難になるであろう。白色光放射の成功は、配合されるべきこれら成分間のエネルギー伝達をいかに効果的に制御できるかにかかっている。結果として、この様なPLED類における純粋かつ安定な白色電場発光を達成するには、放射材料の設計、薄膜処理、及び素子製作に関する、全てではないにしても、大半の段階で、しばしば、試行錯誤の努力が要求されている。Kim,Young−Chul等の、米国特許出願第2004/0033388号、発明の名称「有機白色光放射配合材料及びそれを用いて製作された電場発光素子(Organic white−light−emitting blend materials and electroluminescent devices fabricated using the same)」は、僅かなドーピングを行うことにより、フォルスター伝達が効率的に制御される方法及び素子を記述する。この出願において、エネルギー伝達はドナーであるホストと、アクセプターである各ドーパントとの間でのみ起こり、ドーパント間のエネルギー伝達は効果的に抑えられる。
【0005】
更なるPLED法が、Park,O−Ok等に付与された米国特許第6,593,688号、発明の名称「有機発光材料/粘土ナノ複合体を用いた電場発光素子(Elecroluminescent devices employing organic luminescent material/clay nanocomposites)」に記載されている。この特許は、有機発光材料とナノ粘土の配合により調製される単一の放射有機種を組み込んだ、有機発光材料/粘土ナノ複合体を記述する。特許の中で、ナノ粘土は、絶縁性を持つ物質を含むとして記述され、ナノ粘土の二次元平板構造は、電子又は正孔の輸送を抑え電荷が平板の間に集まる様にして、電子−正孔再結合の確率、すなわちELの効率の明確な改良をもたらすように作動する。更に、有機EL材料/ナノ粘土複合体は、酸素及び水分の浸透も大幅に減らし、これは、順に、素子の安定性を改良すると記載されている。しかしながら、ナノ粘土は絶縁体なので、それは素子中で作動する電荷輸送機構において積極的な役割を演じない様に思われる。
【0006】
それ故、スペクトル放射特性をより良く制御できて、尋常ではない試行錯誤手順を伴わずに、素子を、白色光放射、又は任意の他の所定の色の提供に容易に合わせることができるPLEDに対する需要がある。
【0007】
本明細書のこの段落及び他の段落において言及した各刊行物の開示は、それぞれの全体を、引用により本明細書に援用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、鎖−鎖相互作用(chain−chain interaction)が妨げられ、並びに、フォルスターエネルギー伝達による、及び励起子拡散による成分の間のエネルギー伝達が阻止される様に、層状マトリックスに組み込まれた多数の異なる発光ポリマー成分を含む、単一のナノ複合体材料を利用した新しい有機電場発光の仕組みの提供を目的とする。マトリックスは好ましくは半導体材料で作られ、マトリックスの電荷輸送特性は妨げられない。組込まれた異なる成分間のエネルギー移動の阻止は、励起子の再結合が、それらの励起子が形成されたそれぞれの場所で放射を伴って起こり、各場所はそれ自身の成分と関連し、それによって、隣接する成分の放射に顕著な影響を与えずに、各局所的な成分に関連する色の本質的に同時の放射を可能にすることを意味する。一旦この様な状況が達成されると、成分混合濃度の単純な選択手続きによって、白色であれ特定の色であれ、要求される任意の色の放射を合成することが可能になる。この様な仕組みは、色安定性及び光放射が改良された有機電場発光(以下EL)白色光放射材料の調製を可能にする。更に、この様な仕組みは、EL−活性材料成分の、容易に予め決定された混合物により、具体的に所望される放射波長領域への、材料の「調整」を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
好ましくは、ホストマトリックスは半導体、又は半導体と絶縁体の配合物である。Park等の先行技術に記載されている様に、絶縁性マトリックスの使用は、放射される光に対する透明性を提供する可能性があるが、電荷担体の効率的な輸送を妨げる可能性がある。一方、本発明の半導体のマトリックスは、放射される光の幾ばくかを吸収するかもしれないが、担体を輸送することが可能であり、斯くして、これらの材料を使用して構築される素子の、顕著により効率的及び簡単な操作を可能にする。二つのホストマトリックスの釣合のとれた配合物は、好ましく使用されてよい。本発明の好ましい態様に従い、MoOを絶縁体マトリックス材料として添加して、又は添加せずに、硫化スズ、SnSを半導体マトリックス材料として使用してよい。絶縁体ホストマトリックス単独の使用を思い描くかもしれないが、この様な素子を操作可能にするため、より高い電場の付与を必要としがちであると思われ、このため、信頼性がより低下し、かつ効率がより低下する可能性がある。これは、J.H.Park等による論文、表題「ポリマー−誘電体ナノ層ナノ複合体からの安定化された青放射(Stabilized Blue Emission from Polymer−Dielectric Nanolayer Nanocomposites)」、Adv.Funct.Mater.,Vol.14,No.4,377−382頁(2004年4月)に公開、及びM.Eckel及びG.Decherによる論文、表題「隔離粘土障壁シートの位置の制御による、一層ずつ組立てられた有機光放射ダイオードの性能の調整(Tuning the Performance of Layer−by−Layer Assembled Organic Light Emitting Diodes by Controlling the Position of Isolating Clay Barrier Sheets)」、Nonoletters,Vol.1(1),45−49頁(2001)に公開、において明白であり、そこから、絶縁性層ホストを伴うこの様な素子の報告されたターンオン電場が、本出願の発明者の何人かによる論文、表題「ポリフッ素/層状化合物ゲスト/ホストナノ複合体からの安定な青放射(Stable Blue Emission from a Polyfluorine/layered Compound Guest/host Nanocomposite)」、第6回機能性π電子系国際シンポジウム(the 6<th> International Symposium on Functional pi−Electron Systems)、Cornell University,Ithaca,2004年6月で発表、及び、Adv.Funct.Mater.,Vol.16,No.7,980−986頁(2006年4月)に公開、に報告されている、半導体層ホストを使用して作成した同様の素子のそれらより大幅に高いことが明らかに見て取れる。
【0010】
本発明の異なる好ましい態様に従い、二つの異なる型のナノ複合体が提案される。第一の型において、EL成分のポリマー配合物が、好ましくは先ず調製され、この配合物が、次いで、無機層状マトリックスの間に挿入される。この型は、本明細書において「配合物の複合体(composite of blends)」として知られる。
【0011】
第二の型において、各ELポリマーは、無機マトリックスに好ましくは個別に挿入され、次いで、別個の複合体が一緒に配合される。これは、本明細書において「複合体の配合(blend of composites)」として知られる。
【0012】
両者の場合において、調製された複合体は溶液処理可能であり、アルコール性溶液からの浸漬塗布、又はスピン塗布を使用して、連続的な、均一なEL薄膜を形成できる。これは、成分を正しく選べば、白色光放射、又は使用するEL種が許容する限度内の、予め選択した波長領域での放射をさせるように作成できる。
【0013】
層状マトリックス材料の空間的に制限された平面ギャラリー内への、共役ポリマー鎖の閉じこめは、白色であれ予め選択された色であれ、制御された波長の放射を推進するために生かすことができる、分子特性の利点を提供すると信じられる。層状マトリックスは、ポリマー単層に対して、広がった平面の形態学構造を強要し、並びに、同時に、ポリマーの凝集、及び電荷及びエネルギー移動を包含するπ−π鎖間相互作用を顕著に低減させる。具体的には、共役分子ゲスト材料と半導体マトリックスシートの間の強い相互作用は、ポリマー鎖のπ−スタッキングを阻止する。π−π相互作用は、鎖間励起子ホッピング率が高いので、ポリマーフィルム中の効率的なエネルギー移動の原因となることが知られている。結果的に、減少したπ−スタッキングから生じる低減された鎖間相互作用は、単一のホスト粒子内又は単一のギャラリー内にさえも収容されたポリマー鎖間のエネルギー移動を妨げることが期待される。それ故、単一のギャラリー内に組込まれた異なる混合ポリマー種間でエネルギー相互作用が予期されているかもしれない、ナノ複合体の「配合物の複合体」型においてさえも、この機構は、この様な相互作用の低減、及びそれぞれの種の本質的に独立した放射の維持において、有効であると思われる。マトリックスとの相互作用に起因する励起子の寿命の低減によって、励起子の拡散の阻止を達成することも可能である。
【0014】
前段中で提供した説明は、ホストマトリックス内に組込まれた複数のEL種の独立した放射動作に関する正確な描写であると信じられるが、本発明のこれらの態様は、これらの説明が実際に正確か否かに拘らず、稼動するとして主張していることを理解すべきである。
【0015】
本発明の更に好ましい態様に従い、SnS等の間接遷移形半導体をホストマトリックスとして好ましく使用できる。この様な物質は、EL材料の調製において行われる剥離及び再堆積工程の後で、その半導体特性を保持している。好ましいポリマーを組込んだSnS複合体を活性層として含む素子において、注入された担体は、SnSホスト及び共役ポリマーゲストの両者に沿って広がる。一方、放射性の電荷再結合は、ポリマー中でのみ起こる。
【0016】
本出願において、SnSをホストマトリックス材料の好ましい例として使用して、本発明を一般的に説明しているが、本発明はこの物質に限定されることを意味するのではなく、以下に説明する作成方法を包含する、この発明の実施に必要な要求を満たす、半導体特性を持つ任意の物質又は物質の混合物を包含することを理解すべきである。先に示した様に、絶縁性のホストを使用してよいが、より効率が低い素子をもたらす傾向がある。
【0017】
それらに限定はされないが、SnS、WSe等の金属ジカルコゲナイド;InSe、GaS等の金属モノカルコゲナイド;PbI、CdI等の金属ハライド;及びV、MoO等の金属酸化物を包含する、幾つかの無機層状物質を、共役ポリマーに対する半導体ホストとして、好ましく使用可能である。半導体材料と混合する無機隔離層状材料は、それらに限定はされないが、層状珪酸塩及び層状金属酸化物を包含する。
【0018】
斯くして、本発明の好ましい態様に従い、
(i)少なくとも二つの、各々が異なる波長範囲にわたる光を放射する、光放射ポリマーと、(ii)層状無機ホストとを含む電場発光性複合材料であって、光放射ポリマーの少なくとも二つはホストの層間に挿入され、該発光性複合材料は、少なくとも二つのポリマーが異なる波長範囲にわたって放射する光の組合せを放射する上記発光性複合材料が提供される。
【0019】
上述の発光性複合材料において、少なくとも二つの光放射ポリマーの比率は、好ましくは、これらのポリマーにより異なる波長範囲にわたって放射される光の組合せが、白色光を産生する様に選択される。少なくとも二つの光放射ポリマーは、好ましくは、放射がスペクトルの赤、緑、及び青領域に位置する、三つの光放射ポリマーであってよい。更に好ましい態様に従い、少なくとも二つの光放射ポリマーの比率は、これらのポリマーによって放射される異なる波長範囲にわたる光の組合せが、所定の波長の光を産生する様に選択される。
【0020】
本発明の更に別の好ましい態様に従い、前記層状の無機ホストが、任意の層状の半導体材料及び絶縁体が配合された層状の半導体材料を含む、上記の発光性複合材料が提供される。
【0021】
上記発光複合材料のいずれも、好ましくは、無機ホストの層の間に挿入された、少なくとも二つの光放射ポリマーの、混合体を含んでよい。
【0022】
あるいは、そして好ましくは、上記発光性複合材料のいずれも、層状ホストの二つの部分の混合物であって、それら部分の各々が、その層間に挿入された、少なくとも二つの光放射ポリマーのうちの一つを持つ無機ホストを含む、混合物を含んでよい。
【0023】
本発明の更により好ましい態様に従い、これまで記述した発光複合材料のいずれにおいても、無機ホストは、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド、及び金属酸化物、並びに、それらと絶縁性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、及び金属酸化物の配合物、から成る群から選択される。
【0024】
更に、これまで記述した発光性複合材料のいずれにおいても、光放射ポリマーは、好ましくは、光放射共役ポリマー、光放射非共役ポリマー、有機低分子量光放射物質、又はこれらの物質のコポリマーの任意の一種であってよい。この様な場合、もし光放射ポリマーが共役ポリマーなら、それらは、好ましくは、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリアセチレン及びその誘導体、並びに、ポリピロール及びその誘導体の少なくとも一種を含んでよい。もし光放射ポリマーが非共役ポリマーなら、それらは、好ましくは、ポリ(9−ビニルカルバゾール)又はその誘導体である。
【0025】
本発明の更に別の好ましい態様に従い、
(i)基板と、(ii)基板を覆って堆積された第一の電極と、(iii)発光層と、(iv)第二の電極とをこの空間的順序で含み、
発光層が、上述した態様のいずれかによる発光性複合材料を含む電場発光素子が、更に提供される。
【0026】
本発明の更に好ましい態様に従い、
(i)基板と、(ii)基板を覆って堆積された第一の電極と、(iii)少なくとも二つの発光層と、(iv)第二の電極とをこの空間的順序で含み、
少なくとも2つの発光層が、(a)上述した態様のいずれかによる発光性複合材料の少なくとも一層と、(b)非複合体光放射ポリマーの少なくとも一層とを含む電場発光素子も提供される。
【0027】
二種の上記電場発光素子のいずれにおいても、基板は、好ましくは、ガラス、石英、及びPET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれか一つである。更に、第一の電極は、好ましくは、ITO(酸化インジウムスズ)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム、酸化スズ及び酸化亜鉛、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、並びにポリアニリンから成る群から選択される。また、金属電極は、好ましくは、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、カルシウム、銅、金、カリウム、ナトリウム、ランタン、セリウム、ストロンチウム、バリウム、銀、インジウム、スズ、亜鉛、ジルコニウム、及びこれらの金属の組合せを含有する二元又は三元合金から成る群から選択される。
【0028】
本発明の更に好ましい態様に従い、第一の電極と発光層との間に形成された正孔輸送層を更に含む、上記の電場発光素子も提供される。あるいは及び好ましくは、少なくとも二つの発光層を持つそれらの電場発光素子において、正孔輸送層は、第一の電極と少なくとも二つの発光層の間に形成されてよい。これら二つの場合のいずれにおいても、正孔輸送層は、好ましくは、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体を包含するポリマー、4,4’−ジカルバゾリル−1,1’−ビフェニル−(CBP)、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)、NPB(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル−1−)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル)、トリアリールアミン、ピラゾリン及びそれらの誘導体を包含する有機低分子物質、並びに、正孔輸送部分を含有する有機低分子及び高分子物質から成る群から選択される一以上の物質から構成される。
【0029】
本発明の別の好ましい態様に従い、発光層と第二の電極の間に形成された電子輸送層を更に含む、上記の電場発光素子も提供される。あるいは及び好ましくは、少なくとも二つの発光層を持つそれらの電場発光素子において、電子輸送層は、少なくとも二つの発光層と第二の電極との間に形成されてよい。これら二つの場合のいずれにおいても、電子輸送層は、好ましくは、TPBI(2,2’,2’−(1,3,5−フェニレン)−トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール])、ポリ(フェニルキノキズリン)、1,3,5−トリス[(6,7−ジメチル−3−フェニル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(Me−TPQ)、ポリキノリン、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)、{6−N,N−ジエチルアミノ−1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン}(PAQ−Net2)、並びに電子輸送部分を含有する低分子量及び高分子物質から成る群から選択される一以上の物質から構成される。
【0030】
本発明の更に別の好ましい態様に従い、
(i)色度図上で所定の波長の色度座標を決定する段階と、
(ii)一対の光放射ポリマーを含む発光性複合材料を、色度図上でそれらの放射の色度座標を結ぶ直線が所定の波長の領域を通過するように選択して、提供する段階と、
(iii)発光性複合材料中の光放射ポリマーの比率と、前記色度座標を結ぶ直線に沿う放射色の間の関係を、限定された数の比率に対して、決定する段階と、
(iv)得られる発光放射が所定の波長のそれである様に、光放射ポリマーの比率を選択するために前記関係を使用する段階とを含み、
発光性複合材料が、層状無機ホストマトリックスを更に含み、その層の間に二つの光放射ポリマーが挿入される、所定の波長の発光放射の提供方法が更に提供される。
【0031】
本発明の更に別の好ましい態様に従い、
(i)色度図上で所定の波長の色度座標を決定する段階と、
(ii)三つの光放射ポリマーを含む発光性複合材料を、所定の波長の色度座標が前記三色を頂点に持つ三角形の範囲内に入る様に選択して、提供する段階と、
(iii)発光性複合材料中の光放射ポリマーの比率と、前記色度座標を結ぶ直線に沿う放射色の間の関係を、限定された数の比率について、決定する段階と、
(iv)発光性複合材料中の光放射ポリマーの比率と、三角形の範囲内の放射色の間の関係を、限定された数の比率について、決定する段階と、
(v)得られる発光放射が所定の波長のそれである様に、光放射ポリマーの比率を選択するために前記関係を使用する段階とを含み、
発光複合材料が、層状無機ホストマトリックスを更に含み、その層の間に光放射ポリマーが挿入される、所定の波長の発光放射の提供方法も提供される。
【0032】
本発明の更に別の好ましい態様に従い、
(i)ポリマーの各々が異なる波長範囲にわたる光を放射する、少なくとも二つの光放射ポリマーを提供することと、
(ii)層状無機ホストを提供することと、
(iii)層状無機ホストの層の間に、少なくとも二つの光放射ポリマーを挿入することとを含む発光性ナノ複合体材料の調製方法が更に提供される。
【0033】
この方法において、挿入段階は、好ましくは、
(i)アルカリ金属が挿入された層状無機ホストの化合物を産出させる段階と、
(ii)アルカリ金属が挿入された無機ホストの化合物を第一の溶媒中で剥離させて、懸濁液を産生させる段階と、
(iii)光放射ポリマーを、第一の溶媒と相溶性の第二の溶媒中で混合し、溶液を産生させる段階と、
(iv)懸濁液と溶液を混合して、層状無機ホスト内に挿入された光放射ポリマーの凝集した複合材料を産出させる段階と、
(v)凝集した複合材料を有機溶媒で洗浄して痕跡量の非挿入ポリマーを除去する段階とを含む。
【0034】
この方法において、アルカリ金属は、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムから成る群から選択され、並びに、第一の溶媒は、好ましくは水、アルコール及びこれらの組合せ物から成る群から選択される。また、第二の溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択され、並びに、有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される。
【0035】
更に、これら上記の発光性ナノ複合体材料の調製方法のいずれにおいても、層状無機ホストは、好ましくは半導体材料を含んでよい。また、無機ホストは、好ましくは、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド、及び金属酸化物、並びに、これらと絶縁性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、及び金属酸化物との配合物から成る群から選択されてよい。
【0036】
本発明の更に好ましい態様に従い、
(i)少なくとも二つの、各々のポリマーが異なる波長範囲にわたる光を放射する、光放射ポリマーを提供することと、
(ii)層状無機ホストを提供することと、
(iii)少なくとも二つの光放射ポリマーの第一のものを層状無機ホストの間に挿入し、第一のナノ複合体を産出させることと、
(iv)少なくとも二つの光放射ポリマーの第二のものを層状無機ホストの間に挿入し、第二のナノ複合体を産出させることと、
(v)第一のナノ複合体と第二のナノ複合体を混合することと、
を含む発光性ナノ複合体材料の調製方法も提供される。
【0037】
この方法において、少なくとも二つの放射性ポリマーの、第一及び第二の物の挿入の各段階は、好ましくは、
(i)アルカリ金属が挿入された層状無機ホストの化合物を産出する段階と、
(ii)アルカリ金属が挿入された層状無機ホストの化合物を第一の溶媒中で剥離させて、懸濁液を生成させる段階と、
(iii)第一の溶媒と相溶性の第二の溶媒中で行われる、挿入段階に関連する光放射ポリマーの溶液を混合して、溶液を産生させる段階と、
(iv)懸濁液と溶液を混合して、層状無機ホスト中に挿入された、挿入段階に関連する光放射ポリマーの凝集した複合材料を産出させる段階と、
(v)凝集した複合材料を有機溶媒で洗浄して痕跡量の非挿入ポリマーを除去する段階と
を含む。
【0038】
この方法において、アルカリ金属は、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムから成る群から選択され、並びに、第一の溶媒は、好ましくは水、アルコール及びこれらの組合せ物から成る群から選択される。また、第二の溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択され、並びに、有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される。
【0039】
更に、これら上記の発光性ナノ複合体材料の調製方法のいずれにおいても、層状無機ホストは、好ましくは半導体材料を含んでよい。また、無機ホストは、好ましくは、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド、及び金属酸化物、並びに、これらと絶縁体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、及び金属酸化物との配合物から成る群から選択される。
【0040】
本発明は、図面と併せて解釈される、以下の詳細な説明から、より十分に理解され、認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
さて、図1Aを参照する。これは、本発明で使用される活性有機EL物質を組入れるために適切な、無機層状ホストマトリックスの例を模式的に図解する。マトリックスは、金属原子及びカルコゲン原子を含み、並びに、ジカルコゲナイド層型構造体として図1Aに示されているが、層状金属モノカルコゲナイドも使用してよい。層状金属ジカルコゲナイドは、化学式MXを持ってよく、ここで、Mは金属を表し、及び、Xは酸素、硫黄、セレン、又はテルル等のカルコゲンを表す。層状金属ジカルコゲナイドの構造は、好ましくは、カルコゲン原子の2枚のシート12の間に挟まれた、金属原子の1枚のシート10を包含する。層状金属ジカルコゲナイドにおいて、金属成分Mは、好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、及びタングステン等の遷移金属、又は幾つかの非遷移金属、好ましくはスズから選択される。より好ましいカルコゲンは、硫黄及びセレンである。適切であろうモノカルコゲナイドを形成する金属は、ガリウム、インジウム、及びタリウムを包含する。
【0042】
層状カルコゲナイドにおいて、金属シートは、一般的に、隣接する2枚のカルコゲンシートと共有結合し、一方、隣接するMX層は、弱い力であることが知られているファン・デル・ワールス力14によって一緒に維持されている。この構造は、非常に異方性の機械的、化学的、及び電気的特性をもたらし、層構造の一体性を保持しながら、層間の空間が大幅に分離されて、ポリマーEL活性材料等の、ゲスト種を組み込むことができる。図1Bは、層状マトリックス材料17内に挿入されたポリマー種16を描いている。各層は、既述の通り、分離された鎖間の相互作用の大きな低減という付随する利点を伴って、単層として単一のポリマー鎖のみを含有することができることが観察される。この例示的、模式的な図解において、示したポリマーは青色光放射ポリマーである。この様な層状材料の使用の特別な利点は、それら及び挿入されたそれらの産出物が、化学的工程を使用して簡単に、及び安価に処理できること、並びに、その後、素子に使用される従来の手順により、薄膜を産出できることである。
【0043】
層状金属カルコゲナイドの電子的特性は広範囲に変化し、半導体、半金属、及び真金属を包含する。層状金属カルコゲナイドの抵抗率は、二セレン化ニオブ及び二硫化タンタルの、ほぼ4×10−4Ω−cmという非常に低い値から、二硫化モリブデンの10Ω−cmという値までの範囲に及ぶ。明らかに、ダイオードの活性層中で効率的なホストとして機能するためには、層状金属カルコゲナイドの導電性が十分に高く、電荷輸送を可能にすることが大切である。有機EL素子におけるポリマーホストとして使用するための最適な選択は、半導体性層状金属カルコゲナイドである。
【0044】
これまで、共役ポリマーを層状ホスト中に挿入するため、二つの方策、i)無機層の薄層化(剥離)と、引き続く、層の間に組み込まれたポリマーを伴う、それらの再堆積、及び、ii)モノマーの挿入と引き続くその場重合、の内の一つが使用されてきた。後者の方法は、一般的に、適切な重合工程を経て共役ポリマーを産出できるであろう、少数のモノマーに限られる。前者は、薄層化無機層の極性溶液と混合できるであろう導電性ポリマーに限定される。一方、半導体性ポリマーは極性溶媒に不溶であり、ポリマー溶液の極性単層懸濁液への添加は、望ましくない巨視的な相分離をもたらす。有機的に修飾された珪酸塩層は疎水性溶媒に可溶であり、このため、半導体性ポリマー溶液と均一に混合できるであろう。層の沈降は、ポリマー鎖の幾ばくかを層の間に組み込むが、相当な量のポリマー鎖を挿入されないままに残す。ポリマーの過剰分は、ポリマーと修飾されたホストの両者が同じ溶媒に可溶なので、洗い流すことはできない。これらのナノ複合材料において、組込まれたポリマー鎖上に形成された励起子は拡散長が短いが、組込まれていないポリマーセグメント上に形成された励起子の拡散は影響を受けないであろうから、個別の色放射の混合により、白色光放射、及び所定の色の産生の両者の劣化がもたらされるであろう。これらの型の放射のどちらを産生させるためにも、全ての励起子拡散を阻止することが必要であり、このため、ポリマー鎖のマトリックス中への完全な組込みが、剥離及び再堆積の、活性材料の調製方法において必須の段階のように思われる。
【0045】
今度は、図2Aから2Cを参照する。これは、本発明の好ましい態様に従う、層状マトリックスホスト21中へのポリマーEL活性種20の挿入方法を模式的に図解する。この工程を図解するために使用したホストは層状SnS構造である。図2Aには、硫黄原子24の2枚の六方晶シートの間に挟まれた、スズ原子23の六方晶シートに由来する、層状SnS構造22が模式的に示されている。図1に示した様に、S−Sn−Sシート自身は共有結合しているが、一方、隣接するSnS層はファン・デル・ワールス力を介して相互作用している。図2Bは、ミクロンサイズのSnS粒子の剥離を模式的に図解する。これは、単層の懸濁液を形成するために、好ましくは、メタノール中で行われてよいが、任意の他の適切な溶媒を使用してよい。Murphy等の手順(D.W.Murphy,F.J.Di Salvo,G.W.Hull,and V.Waszczak,Inorg.Chem.1976,15,17)が好ましく使用され、それでは、窒素雰囲気下でSnS粉末にBuLi(ヘキサン中1.6M)を添加することにより、LiSnSを調製する。典型的な例示的工程において、次いで、40−50mgのLiSnSを、超音波浴中7mLのメタノール中で60分間、剥離させる。懸濁液を遠心分離し、引き続き、沈殿物をメタノール中に再分散させる。好ましくは、この工程を何回も繰り返して、Liイオンの十分な除去を確実にする。引き続き、このスラリーを、挿入すべき一種又は二種以上のポリマーを含有する、好ましくはキシレンの溶液とそのまま混合し、その溶液を典型的には4日間混合する。剥離工程溶媒と相溶性の他の溶媒を使用してよい。
【0046】
この様な調製手順の結果を図2Cに示す。これは、いかにして、共役ポリマー種の存在がSnSシートの凝集を誘導し、個別のポリマー分子を再集合したSnS層間ギャラリー内に効率的に孤立させるかを、模式的に図解する。ポリマー鎖20の挿入が層間の間隔を10.3Åに増加させていることが認められる。これは、層間のファン・デル・ワールス力の本性に起因して可能にされる。本発明のこの好ましい態様の方法に従い、再堆積した共役ポリマー/SnS産出物は、好ましくは、有機溶媒で何回も洗浄される。この手順は、先行技術の粘土/ポリマーナノ複合体の調製の記述において、一般的に言及されてはいない。この手順は、ポリマー−挿入された層状ナノ複合体構造の一体性を維持しながら、非組込みポリマー種の除去を確実にする。得られる粉末は、上澄みである洗浄溶液の吸収スペクトルに、ポリマーの痕跡が検出されなくなる迄、好ましくはキシレン中で洗浄して、全ての残留するポリマー種が、ホストマトリックスのギャラリー中に、実際に閉じこめられていることを確実にする。挿入されたSnSナノ複合体の薄い、連続的、かつ均一なフィルムは、板状の粉末粒子のキシレン中での再分散と、引き続く落下成型又はスピン塗布により、調製できる。
【0047】
ポリマー種を、可能な限り完全にホストマトリックス内に組込むこと、及び、非組込み種を、可能な限り十分に除去することは、本発明の、及びその中で使用される放射材料の調製方法の、重要な側面である。これらの段階は、励起子拡散の最適な阻止を確実にし、及び、それ故、純粋な白色光の、又は、独立の放射の所定の混合で構成されている、任意の所望の色の産生を最適化する。この特性の重要性は、例えばJ.H.Park等により、上述の論文中に記載された、「相当数のPDOF分子を2−D薄板状構造内に孤立させた」とのみ述べられている、従来技術のナノ層ホストの使用から明らかではないであろう。
【0048】
今度は図3及び4を参照する。これらは、一例として3種を使用している、活性EL種の混合物の、二つの異なる型のナノ複合体を模式的に図解する。これらの3種は、好ましくは、白色、又は本質的に任意の最終的な色が産生されることを可能にする、赤、青及び緑放射ポリマーでよい。図3は、三つのEL成分のポリマーブレンド30の、無機層状マトリックス31中への挿入と、得られる、三つのポリマー種の混合物を含有する層状構造32を示す。これは、ナノ複合体の「配合物の複合体」型と呼んできた。図4は、ポリマー種の各々、40、41、42、をホスト構造43中に個別に挿入し、各ポリマー種に対応する、三つの個別の単色ナノ複合体44、45、46を産生させることを示す。三つの単色ナノ複合体粉末を、次いで、混合して第二の型のナノ複合体47を産出させる。これは、先に、ナノ複合体の「複合体の配合」型と呼んだ。
【0049】
本発明の好ましい態様に従い、青、緑、及び赤のEL放射種は、好ましくは、
青−ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFO);
緑−ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−1,4−ベンゾ−(2,1’,3)−チアジアゾール)(F8BT);
赤−ポリ[2−メトキシ−5(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV);
であってよい。
【0050】
白色光放射ナノ複合体の調製のための、これら三つのRGBポリマーの使用は、o−キシレンへの溶解を伴う。「配合物の複合体」用途に対して、30B/60G/10R重量%の比率を使用したポリマーブレンドを好ましく使用できる。「複合体の配合」フィルムに対して、RGBポリマーの各々を、30B/65G/5R重量%の比率で挿入したSnS粉末を好ましく使用できる。具体的な予め選択された色を持つナノ複合体を調製するために比率を計算する方法は、図9に図解した好ましい態様と関連して、以下に記載する。
【0051】
今度は図5を参照する。これは、三つの上述したRGBポリマーの、各々の光吸収スペクトルの典型的なグラフを示す。
【0052】
図6は、比較のため、図5の三つのポリマーの各々の、相当する発光スペクトルを示す。
【0053】
今度は図7を参照する。これは、図5及び6の三つのRGBポリマーを、青/緑/赤ポリマーを31/61/8の重量百分率で、単純に配合した物の発光スペクトルを示す。この発光の結果を産生させるために使用した励起波長は、380nmである。このグラフは、層状ホストマトリックス内への組込みを伴わない、3種の単なる混合の、先行技術の結果を示す。認められる様に、エネルギーは、最小のギャップ、即ち赤の種、を伴う放射部分に流し込まれ、赤の、最長の放射波長を伴うポリマーによって支配される光放射がもたらされる。
【0054】
今度は図8を参照する。これは、図7に示した結果とは対照的に、本発明の種々の態様に従い、RGBポリマーの混合物が層状SnSマトリックス内に組込まれたときに得られる発光スペクトルを示す。今回も、励起波長は380nmである。このグラフにより認められる様に、SnS層状構造が、異なる光を放射するポリマーを効果的に分離し、斯くして、それらの間のエネルギー移動を阻止し、また、各々の独立した出力波長を維持する。この様に、これら放射体の割合が、ポリマー混合物からの所望の出力スペクトルを産生させるために要求される比率で混合されてよい。
【0055】
今度は図9を参照する。これは、本発明の更に好ましい態様に従う材料及び方法を使用して、ナノ複合体の、所定の波長領域への色調整を図解するために使用した、CIE図表形態の色度曲線を示す。図9に描かれた結果は第二の型のナノ複合体、「複合体の配合」を使用して得られたが、それから得られた方法は、第一の型のナノ複合体、「配合物の複合体」に、等しく適用可能である。また、図9に描かれた結果は、実施が簡単な、発光測定から得られたが、同じ考察が、電場発光する様に、及びその中に使用する活性ポリマー種の選択により色調整できる様に、構成された素子に対して適用できるであろう、ということを理解すべきである。図9に示した結果を得るために、青−、及び赤−放射ポリマーの個別のナノ複合体を調製し、次いで、単色複合体を、異なる組成物中に混合した。各混合物から放射された色を表す色度座標を計算し、CIE図表上に印をつけた。点1及び6は、単色ナノ複合体の座標を表示し、点1は青放射体、点6は赤放射体である。点2−5は、単色ナノ複合体の異なる混合物を指す。全ての混合物の点は、実験誤差の限界内で、個別の単色種に関連する点を結ぶ直線上に在り、これは、成分間にエネルギー移動が無いことを示している。
【0056】
上述したナノ複合体スキームの一の内部にこれら二つの種の混合物を使用して構成した素子の、放射の色を調整するために、色度図上で所望の色の位置を決定することが、先ず必要である。次いで、二つの光放射ポリマーを、それらの色座標を通って構成される結合線が、色度図上で、所望の波長の座標の領域を通り抜ける様に、利用できる材料の広い範囲から選択する。二つの光放射ポリマーの比が、結合線に沿って得られた色にどの様に影響するかを決定するために、初期の校正手順が実行され、この予備的な実験的決定から、所望の色に対する正しい比を、容易に、計算又はルックアップテーブルから決定できる。多くの状況に対して、結合線上の任意の点の位置は、その色が結合線の両端の点を作り上げる二つの発色団の比率に、線形の様式で関係しているであろうと期待される。この様な場合、結合線に沿う所望の色を提供するための放射ポリマー種の正しい混合比率は、この線形関係を仮定することにより簡単に計算できる。本発明のこの好ましい態様に従い、どんな方法でも適用可能であり、先行技術の方法に従い、従前は多くの試行錯誤実験に基づく骨の折れる努力が要求された、素子の調整可能性は、使用するポリマー放射体の予備測定された特性から、一次又は二次の、任意の所望の色における放射を提供するための正しい混合比率を計算することにより、簡単に達成できる。
【0057】
本発明のこの側面の操作を簡単なやり方で説明するために、図9においては、二つの放射体のみの混合物が使用されている。二つの発色団を使用すると、これら二つの発色団の座標の間の結合線上に位置づけられた座標の色だけが得られることを理解すべきである。もしも、ポリマー化学の汎用性を介して市販されている電場発光発色団の広い範囲にも拘らず、所望する正にその色を通り抜ける結合線を得ることが可能であるとは見出せないなら(これは珍しい状況ではない)、この出願の全体にわたる本発明の種々の他の態様において実際に説明されている通り、三つの発色団の混合物を使用する。如何にして、三色の混合物をうまく扱い、これら三色をその頂点の座標として形成される三角形内部の任意の色を産生させるかは、当技術で周知である。これらの方法を使用し、本発明の方法に従って、任意の所望の二次色で電場発光放射を産出する三つの異なる放射体の混合物を選択することは、容易に達成される。
【0058】
今度は図10を参照する。これは、本発明の更に好ましい態様に従い構成され、操作可能な、電場発光素子の模式的断面図を示す。図10の素子において、本発明に従い、光放射層は1型の、「配合物の複合体」ナノ複合体により形成され、その際、複数のポリマーは一の溶液中で配合され、硫化スズのマトリックス材料が添加され、ナノ複合体溶液は、素子の適切な層で、当技術で既知の方法のいずれかにより、酸化インジウムスズ電極層の上部に塗布される。
【0059】
本発明の別の好ましい態様に従い、素子の構成も理解できる図10の素子の製作方法は、
1 ガラス基板101を、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明電極102で被覆する段階。別法として、また好ましくは、他の透明電極材料を使用してよい。
2 ITO層は、随意に、正孔注入層103で被覆される。PEDOT−PSS、これはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルフォネート)である、を好ましく使用できる。それは、その中に二つのポリマー、その中の一つは共役(PEDOT)で、もう一つは酸性ポリマーPSSを伴う、水懸濁液である。PEDOT:PSSは、その高い仕事関数に起因して、正孔注入に使用される。しかしながら、それは、ITO表面を平滑にする重要な効果も持つ。100nmのPEDOT:PSSの層を、ITO電極上に、好ましくはスピンコートし、好ましくは、引き続き、不活性条件下、200℃の熱処理を2時間行う。
3 光放射ナノ複合体は、好ましくは、ポリマー放射体を単一の溶液中で混合し、引き続きマトリックス材料を添加することにより、調製する。先に説明した様に、マトリックスは、市販の層状材料粉末で開始し、それらにLiを挿入し、及びメタノール中で剥離してメタノール中の単層懸濁液を形成させることにより、調製する。この懸濁液を、次いで、ポリマー溶液に添加し、ホストとポリマーが相互作用して、上に記載した層状有機/無機構造を形成する。非挿入ポリマーを可能な限り除去するため、得られる溶液を、好ましくはキシレン等の溶媒中で、十分に洗浄する。
4 光放射層自身104は、典型的には1,500nmのオーダーの厚さを持ち、回転、落下、成型、又はフィルム堆積のために使用される任意の他の適切な技術を包含する、幾つかの方法の任意の一つにより調製される。
5 光放射層を、随意に、素子の陰極として作動する、例えばカルシウムの電子注入層105で被覆する。
6 電子注入層を、金(Au)等の金属電極層106で被覆する。しかしながら、Ag、Al、Cu、又はPt等の、他の金属も使用できる。Ag又はAl層を、好ましくは、蒸着して、Ca電子注入層を酸化から保護する。典型的に使用される厚さは、画素サイズ1×3mmを覆って、Ag250nmで保護されたCa50nmである。
を含む。
【0060】
ITOと陰極保護電極の間に電圧を付与して、素子を操作する。
【0061】
今度は図11を参照する。これは、PFO、F8BT及びMEH−PPVポリマーの配合物を組み込んだ、白色放射SnS活性層で製作された、図10に示した型の素子からの電場発光出力スペクトルを示す。グラフから明らかに見られる様に、広いスペクトルの光が放射され、異なるポリマー間のエネルギー移動の阻止と、白色光出力の産生を実証している。
【0062】
今度は図12を参照する。これは、図10に示した型の素子の、電流−電圧−輝度特性を示すグラフである。
【0063】
今度は図13を参照する。これは、本発明の更に好ましい態様に従い構成され、及び操作可能な、更なる電場発光素子の模式的断面図である。図13の素子は、光放射層134が2型「複合体の配合物」ナノ複合体で形成され、その中で、ポリマーの各々は、マトリックス材料の添加によりそれ自身の個別のナノ複合体中に組み込まれ、及び、別個のポリマーが挿入された三つのマトリックスは、一の溶液中で一緒に配合されて素子用の活性ナノ複合体を形成し、これは、次いで、本発明の好ましい方法に従って、光放射層として、回転塗布されるか、他の方法で適用されることを除き、図10に示したそれと類似し、及び、種々の構成層には図10のそれらと同じ記号が付されている。
【0064】
図13の素子の製作方法は、光放射材料の調製が、好ましくは、
3 ポリマーの各々を別個の溶液に溶解させる段階、及び各ポリマー溶液をマトリックスの単層懸濁液に添加する段階。各混合物を、次いで、乾燥して、マトリックス中に挿入された、単一の型のポリマー粉体を形成させる。粉体の各々を、次いで、好ましくは、所望の比率に混合し、混合物をメタノール又はエタノールに懸濁し、白色光であろうと、別の予め選択された色であろうと、所望の色を放射する複合体の配合物を得る。
を含むことを除き、図10に関連して説明したことと、ほぼ同一である。
【0065】
今度は図14を参照する。これは、それぞれ、PFO、F8BT、及びMEH−PPVポリマーを組み込んだ、三つのSnSナノ複合体の白色放射混合物の層を伴って製作された、図13に示した型の素子の放射材料から得られた発光スペクトルを示す。励起波長は380nmである。このグラフにより気付く様に、「複合体の配合」層状構造は、図8に示した「配合物の複合体」材料のPL特性により示されるそれと同じ様なやり方で、異なる光放射ポリマーを効率的に分離し、斯くして、それらの間のエネルギー移動を阻止し、各々の独立した出力波長を維持し、及び、図13の素子からの、白色光、又は予め選択された色の産生を可能にする。
【0066】
今度は図15を参照する。これは、本発明のより更に好ましい態様に従い構成され、操作可能な電場発光素子の模式的断面図である。図15の素子は、光放射層が少なくとも二つの積み重ねられた層を含み、それらの層の少なくとも一つは、層状ホストマトリックス中に組込まれた放射ポリマーを含むナノ複合体層であり、及びそれらの層の少なくとも他の一つはマトリックス中に組込まれていない放射ポリマー層であることを除いて、図10及び13に示したものと同様の、多層電場発光素子である。図15の好ましい例において、三つのこの様な層が示されている。これらの内の二つ、152、153は、それぞれ、SnSホストマトリックス中MEH−PPV、及びSnSホストマトリックス中F8BTのナノ複合体層であり、三番目の151はPFO活性材料の原料ポリマー層である。しかしながら、この態様に従い、下に述べる、二つの非マトリックス化ポリマー層を、概ね、並列に堆積できないという一般的な制限を前提として、二層の素子も構成できる。
【0067】
図15の素子の作製方法は、図10及び13に関連して説明したそれと、光放射材料の調製、及びその材料の素子への適用が、好ましくは、二つの段階の3と4を含むことを除き、概ね同一である。
段階3: 少なくとも二つの光放射材料を、それらの少なくとも一つは、一つ又はそれを超える光放射ポリマーをマトリックス懸濁液と混合させて、先に説明したナノ複合体の型の一つを産生させることにより、及びそれらの他の一つ又はそれを超えるものは、混合しないポリマー溶液であることにより、調製する。例えば、この様な溶液は、好ましくは、ポリマーを、キシレン又はトルエン等の有機溶媒中に、単に溶解させることにより得られる。
段階4: 段階3の方法により調製された光放射材料で作られた二種の光放射層の少なくとも一つを、PEDOT−PSS層であれ、又は基板であれ、素子の土台を成す層に塗布し、斯くして、素子の基礎としての多層状光放射構造を造り出す。
【0068】
図15の態様に示された素子を再度参照して、好ましくは、光放射構造は、青、緑、及び赤色の光を放射する、三つの光放射層、151、152、153を含んでよい。好ましくは、青色光放射層151は、素子の透明な出力窓である、素子基板により近く、赤色光放射層153は、素子基板からより一層離れている。この順序が要求されるのは、もし順序が逆だと、より高いエネルギーの青色放射光が緑及び赤放射体により吸収されるかもしれず、また、同様に、緑色放射が赤放射体により吸収されるかもしれないためである。それ故、青放射体が出力窓に最も近く、かつ、赤放射体が最も遠いことが好ましい。この逆も概ね真実で、青及び緑層は赤色放射に対して透明であり、青層は緑に対してほぼ透明である。
【0069】
更に好ましい態様に従い、堆積された第一の層は、マトリックスと混合されない原料のポリマー溶液に由来し、一方、基板から離れる方向に動いて、堆積された第二の層は、マトリックスが混合されたポリマー溶液に由来する。これは、ポリマーに使用される溶媒と、ナノ複合体に使用されるそれらとの間に相溶性が無いことに起因して、多層素子を、順次堆積される二つの溶液から、及び直接接触させて、産出できるという点において、本発明の更に好ましい利点を例証する。ナノ複合体はアルコール性懸濁液から堆積され、一方、原料ポリマーは、概ね、アルコールに不溶である。この溶媒不相溶性は、層を順次堆積させ、層の相互混合を伴わずに放射層の堆積を形成させることを可能にする。
【0070】
この様な多層素子において、光放射材料の層を、各々が独立に放射する様に、別々に保つことができ、及び、二つの隣接する層が、両者共に非マトリックス化ポリマー溶液、ではないという条件付で、二つの隣接する層の混合は回避される、あるいは、少なくとも最小化される。図15に示した好ましい態様において、第一の層はマトリックスを伴わないポリマー溶液で作られ、一方、第二及び第三の層は、マトリックス懸濁液を伴うポリマー溶液で作られており、これは、実行可能な組合せである。
【0071】
今度は図16を参照する。これは、380nmで励起したときの、図15の態様の素子に用いた多層フィルムの発光スペクトルを示す。
【0072】
今度は図17を参照する。これは、SnSマトリックス内に、混合されていないPFOポリマー層を、次いでF8BT及びMEH−PPVポリマーを組込み、ポリマー放射体の複数の層で製作した、図15に示した型の素子に由来する電場発光出力スペクトルを示す。グラフから明らかに見られる様に、広いスペクトルの光が放射され、異なる層間のエネルギー移動の阻止、及び白色光出力の産生を実証している。
【0073】
今度は図18を参照する。これは、図15に示した型の素子の、電流−電圧−輝度特性を示すグラフである。
【0074】
最後に、今度は図19と20を参照する。これらは、本発明の方法によるEL放射の産生に関して本明細書で提案した機構、及び本発明の材料を使用して提案した素子の操作を支持する、それぞれ、いくつかのX線回折測定、及びいくつかの発光スペクトルを図解する。
【0075】
先ず図19を参照する。これは、(a)ポリマーを伴わずに再堆積されたSnSフィルム、(b)個別に各ポリマーを伴うフィルム、(c)挿入されたポリマーブレンド(「配合物の複合体」)を伴うフィルム、及び、(d)複合体の混合物(「複合体の配合」)を伴うフィルム、のX線回折(XRD)パターンを示す。パターンの全てが、5.8Å(2θ=15.0°)に、強く狭い反射を示す。これは、SnS単結晶のC軸層間間隙に対応する。複合体のXRDパターンも、ほぼ10.4Å(2θ=8.5°)に、層状ギャラリー中へのポリマーの挿入と関係がある、新しい、強い反射を示す。どのポリマーが挿入されたかを問わず、得られる層間間隙のほぼ4.6Åの拡大は、共役ポリマーが挿入された層状化合物に対して観察される、C軸の4.2−5.2Åの拡大と良好に一致する。この一般的な層間の増大は、共役ポリマーの、平面的配座をとる傾向に起因し、及び、各SnS層間間隔がポリマー単層のみを収容できることを示している。この特徴は、「複合体の配合」材料において、なぜ種の間の相互作用がないかを説明する。利用できる層内の高さが、個別のポリマー単層の間には無視できる面−面接触しかないことを意味するからである。「配合物の複合体」及び「複合体の配合」フィルムの両者に対して、同じC軸の拡大が認められ、両方の場合に、平面的ポリマー単層のみが無機シートの間に単離されていることを実証している。「複合体の配合」フィルムは、各々が、青−、緑−、又は赤−放射単層を閉じこめているSnS層で形成される平板状粒子で形成され、この際、「単色」粒子は不規則に混合されてフィルムを形成する。一方、「配合物の複合体」粒子において、各単層は、全ての三つのポリマーを含有することがあり得る。
【0076】
先に言及した様に、無機ホストが、ギャラリー中に単一のポリマー層を収容する傾向は、ポリマーのπ−πスタッキングを妨げ、結果的に、鎖間の相互作用を低減させる。鎖間エネルギー移動に対する制御は、「複合体の配合」及び「配合物の複合体」に関する閉じこめられたポリマーの発光(PL)スペクトルに明示されている。
【0077】
今度は図20を参照する。これは、多数のPLスペクトルを示し、このことを図解している。下よりの三つの線図は、SnS(MEHPPV)、SnS(F8BT)、及びSnS(PFO)のPLスペクトルであり、それぞれ、赤、緑、及び青における放射ピークを示す。上方へ次の線図は、SnSマトリックス中に挿入されていないが、ナノ複合体の挿入のために使用されたのと同じ溶液から堆積された、ポリマーブレンドのPLスペクトルである。配合比は、重量で、10%R、60%G、30%Bである。配合物は、主に青及び緑ポリマーから成るが、PLグラフは、それが、本質的に、専ら、赤に放射することを示す。これは、青及び緑−放射ポリマーから赤−放射体への効率の良いエネルギー移動に起因する。一方、もしSnSにこの配合物が挿入されると、「配合物の複合体」と印を付けた上方へ次の曲線に示した様に、三つの放射体の全ては、個別に及び独立に出力光に寄与し、これは、結果として、広いスペクトルの、白色光型の放射である。決定的に、これが起こるのは、エネルギーが、高ギャップの青及び緑放射ポリマー鎖から低ギャップの赤放射ポリマー鎖へ、それらが単一のSnS粒子中で近接している(<200nm)にも拘らず、ポリマー−ポリマーπスタッキングが弱められたせいで、見掛け上流れることができないためである。各多色の挿入された複合体粒子は、それ故、μmサイズの素子及び高解像力ディスプレーにおける用途が見出されるであろう、白色光源である。白色光放射は、図20の一番上の、「複合体の配合」と印が付けられた曲線で示したように、SnS(青放射体)、SnS(緑放射体)、及びSnS(赤放射体)の複合体を配合することによっても得られる。
【0078】
本発明の好ましい態様の大半を三つの放射ポリマー性種によって説明してきたが、本発明は、二種のみを、又は三種を超えて使用した素子及び方法に、等しく適用可能であることが理解されることを、理解すべきである。
【0079】
当業者は、本発明が、上に特に示してきた、及び説明してきたことに限定されないことを認識するであろう。そうではなく、本発明の技術的範囲は、上に記載した種々の特徴の結合及び副結合の両者と共に、上の記載を読んだときに当業者の心に浮かぶであろう、そして、従来技術には無い、それらに対する変形及び修飾も、包含する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1A】ジカルコゲナイド層型構造の形状の、無機層状ホストマトリックスの例を、模式的に図解する。
【図1B】層状ホストマトリックス材料中に挿入されたポリマー種を描く。
【図2】A−C:本発明の好ましい態様に従う、層状マトリックスホスト中へのポリマーEL活性種の挿入方法の、種々の段階を模式的に図解する。
【図3】活性EL種の混合物のナノ複合体の、二つの異なる型を模式的に図解し、図3は「配合物の複合体」材料を示す。
【図4】活性EL種の混合物のナノ複合体の、二つの異なる型を模式的に図解し、図4は「複合体の配合」材料を示す。
【図5】三つのRGBポリマーの各々の、光吸収スペクトルの典型的なグラフを示す。
【図6】図5の三つのポリマーの各々の、相当する発光スペクトルを示す。
【図7】図5及び6の三つのRGBポリマーの単純な配合物の、発光スペクトルを示す。
【図8】本発明の種々の態様に従い、図5及び6のRGBポリマーの混合物を、層状SnSマトリックス中に挿入したとき得られる発光スペクトルを示す。
【図9】本発明の更に好ましい態様に従う材料及び方法を使用して、ナノ複合体の、所定の波長領域への色調整を図解するために使用した、CIE図表形態の色度曲線を示す。
【図10】本発明の更に好ましい態様に従い構成され、また作動できる、電場発光素子の模式的断面図を示す。
【図11】図10に示した型の素子からの電場発光出力スペクトルを示す。
【図12】図10に示した型の素子の電流−電圧−輝度特性を示すグラフである。
【図13】本発明の更に好ましい態様に従い構成され作動可能な、更なる電場発光素子の模式的な断面図である。
【図14】図13に示した型の素子の放射材料から得られた発光スペクトルを示す。
【図15】本発明のなお更に好ましい態様に従う、ポリマー放射体の複数の層を伴って製作された電場発光素子の模式的断面図である。
【図16】図15の態様の素子に使用された多層フィルムを、380nmで励起したときの発光スペクトルを示す。
【図17】図15に示した型の素子からの電場発光出力スペクトルを示す。
【図18】図15に示した型の素子の電流−電圧−輝度特性を示すグラフである。
【図19】本発明の方法によりEL放射が産生されることに関して提案された機構を支持するX線回折測定を図解する。
【図20】図19にXRD曲線を示した材料の発光スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの、各々が異なる波長範囲にわたる光を放射する、光放射ポリマーと、
層状無機ホストとを含む電場発光性複合材料であって、
前記光放射ポリマーの少なくとも二つは前記ホストの層間に挿入され、前記発光性複合材料は、前記少なくとも二つのポリマーが異なる波長範囲にわたって放射する光の組合せを放射する、上記発光性複合材料。
【請求項2】
前記ポリマーによって前記異なる波長範囲にわたって放射される前記光の組合せが白色光を産生するように、前記少なくとも二つの光放射ポリマーの比率を選択する、請求項1に記載の発光性複合材料。
【請求項3】
前記少なくとも二つの光放射ポリマーが三つの光放射ポリマーであり、それらの放射がスペクトルの赤、緑及び青領域に位置する、請求項2に記載の発光性複合材料。
【請求項4】
前記ポリマーによって前記異なる波長範囲にわたって放射される前記光の組合せが所定の波長の光を産生するように、前記少なくとも二つの光放射ポリマーの比率を選択する、請求項1に記載の発光性複合材料。
【請求項5】
前記層状無機ホストが、層状半導体物質、及び絶縁体が配合された層状半導体物質の任意の一つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の発光性複合材料。
【請求項6】
前記少なくとも二つの光放射ポリマーの混合物が、前記無機ホストの前記層の間に挿入される、請求項1から5のいずれか一項に記載の発光性複合材料。
【請求項7】
前記材料が、前記層状ホストの二つの部分の混合物であって、前記部分の各々が、その層間に挿入された、前記少なくとも二つの光放射ポリマーのうちの一つを持つ前記無機ホストを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の発光性複合材料。
【請求項8】
前記無機ホストが、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド及び金属酸化物、並びに、それらと絶縁体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド及び金属酸化物の配合物から成る群から選択される請求項1から7のいずれか一項に記載の発光性複合材料。
【請求項9】
前記光放射ポリマーが、光放射共役ポリマー、光放射非共役ポリマー、有機低分子量光放射物質、及び前記物質のコポリマーから成る群から選択される請求項1から8のいずれか一項に記載の発光性複合材料。
【請求項10】
前記光放射共役ポリマーが、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリアセチレン及びその誘導体、並びにポリピロール及びその誘導体の少なくとも一つと、前記光放射非共役ポリマーがポリ(9−ビニルカルバゾール)及びその誘導体の少なくとも一つとを含む、請求項9に記載の発光性複合材料。
【請求項11】
基板と、
前記基板を覆って堆積された第一の電極と、
発光層と、
第二の電極とをこの空間順序で含み、
前記発光層が請求項1から10のいずれか一項に記載の発光性複合材料を含む、電場発光素子。
【請求項12】
基板と、
前記基板を覆って堆積された第一の電極と、
少なくとも二つの発光層と、
第二の電極とをこの空間順序で含み、
前記少なくとも二つの発光層が、請求項1から10のいずれか一項に記載の発光性複合材料の少なくとも一層と、非複合体光放射ポリマーの少なくとも一層とを含む電場発光素子。
【請求項13】
前記基板が、ガラス、石英、及びPET(ポリエチレンテレフタレート)から成る群から選択される請求項11又は12に記載の電場発光素子。
【請求項14】
前記第一の電極が、ITO(酸化インジウムスズ)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム、酸化スズ及び酸化亜鉛、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、並びにポリアニリンから成る群から選択される請求項11から13のいずれか一項に記載の電場発光素子。
【請求項15】
前記金属電極が、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、カルシウム、銅、金、カリウム、ナトリウム、ランタン、セリウム、ストロンチウム、バリウム、銀、インジウム、スズ、亜鉛、ジルコニウム、及び前記金属の組合せを含有する二元又は三元合金から成る群から選択される、請求項11から14のいずれか一項に記載の電場発光素子。
【請求項16】
前記第一の電極と前記発光層の間に形成された正孔輸送層を更に含む、請求項11に記載の電場発光素子。
【請求項17】
前記第一の電極と前記少なくとも二つの発光層の間に形成された正孔輸送層を更に含む、請求項12に記載の電場発光素子。
【請求項18】
前記正孔輸送層が、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体を包含するポリマー、4,4’−ジカルバゾリル−1,1’−ビフェニル−(CBP)、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)、NPB(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル−1−)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル)、トリアリールアミン、ピラゾリン及びそれらの誘導体を包含する有機低分子物質、並びに、正孔輸送部分を含有する有機低分子及び高分子物質から成る群から選択される一以上の物質から構成される、請求項16又は17に記載の電場発光素子。
【請求項19】
前記発光層と前記第二の電極の間に形成された電子輸送層を更に含む、請求項11に記載の電場発光素子。
【請求項20】
前記少なくとも二つの発光層と前記第二の電極の間に形成された電子輸送層を更に含む、請求項12に記載の電場発光素子。
【請求項21】
前記電子輸送層が、TPBI(2,2’,2’−(1,3,5−フェニレン)−トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール])、ポリ(フェニルキノキズリン)、1,3,5−トリス[(6,7−ジメチル−3−フェニル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(Me−TPQ)、ポリキノリン、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)、{6−N,N−ジエチルアミノ−1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン}(PAQ−Net2)、並びに電子輸送部分を含有する低分子量及び高分子物質から成る群から選択される一以上の物質から構成される、請求項19又は20に記載の電場発光素子。
【請求項22】
所定の波長の発光放射の提供方法であって、
色度図上で前記所定の波長の色度座標を決定する段階と、
一対の光放射ポリマーを含む発光性複合材料を、前記色度図上でそれらの放射の色度座標を結ぶ直線が前記所定の波長の領域を通過するように選択して、提供する段階と、
前記発光性複合材料中の前記光放射ポリマーの比率と、前記色度座標を結ぶ直線に沿う放射色の間の関係を、限定された数の比率に対して、決定する段階と、
得られる発光放射が前記所定の波長の発光放射である様に、前記光放射ポリマーの比率を選択するために前記関係を使用する段階と、
を含み、
前記発光性複合材料が、層状無機ホストマトリックスを更に含み、その層の間に前記二つの光放射ポリマーが挿入される、上記方法。
【請求項23】
所定の波長の発光放射の提供方法であって、
色度図上で前記所定の波長の色度座標を決定する段階と、
三つの光放射ポリマーを含む発光性複合材料を、前記所定の波長の色度座標が前記三色を頂点に持つ三角形の範囲内に入る様に選択して、提供する段階と、
前記発光性複合材料中の前記光放射ポリマーの比率と、前記色度座標を結ぶ直線に沿う放射色の間の関係を、限定された数の比率について、決定する段階と、
前記発光性複合材料中の前記光放射ポリマーの比率と、前記三角形の範囲内の放射色の間の関係を、限定された数の前記比率について、決定する段階と、
得られる発光放射が前記所定の波長の発光放射である様に、前記光放射ポリマーの比率を選択するために前記関係を使用する段階と、
を含み、
前記発光性複合材料が、層状無機ホストマトリックスを更に含み、その層の間に前記光放射ポリマーが挿入される、上記方法。
【請求項24】
少なくとも二つの、各々が異なる波長範囲にわたる光を放射する、光放射ポリマーを提供することと、
層状無機ホストを提供することと、
前記少なくとも二つの光放射ポリマーを、前記層状無機ホストの層の間に挿入することとを含む、発光ナノ複合体材料の調製方法。
【請求項25】
前記挿入が、
アルカリ金属が挿入された層状無機ホストの化合物を産出させる段階と、
前記アルカリ金属が挿入された前記無機ホストの化合物を第一の溶媒中で剥離させて、懸濁液を産生させる段階と、
前記光放射ポリマーを、前記第一の溶媒と相溶性の第二の溶媒中で混合し、溶液を産生させる段階と、
前記懸濁液と前記溶液を混合して、前記層状無機ホスト内に挿入された前記光放射ポリマーの凝集した複合材料を産生させる段階と、
前記凝集した複合材料を有機溶媒で洗浄して痕跡量の非挿入ポリマーを除去する段階とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の溶媒が、水、アルコール、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記層状無機ホストが半導体物質を含む、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記無機ホストが、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド、及び金属酸化物、並びに、これらと絶縁体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、及び金属酸化物との配合物から成る群から選択される、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
ポリマーの各々が異なる波長範囲にわたる光を放射する、少なくとも二つの光放射ポリマーを提供することと、
層状無機ホストを提供することと、
前記層状無機ホストの層の間に、前記少なくとも二つの光放射ポリマーの第一の物を挿入して第一のナノ複合体を産出させることと、
前記層状無機ホストの層の間に、前記少なくとも二つの光放射ポリマーの第二の物を挿入して第二のナノ複合体を産出させることと、
前記第一のナノ複合体と前記第二のナノ複合体を混合することと、
を含む、発光性ナノ複合体材料の調製方法。
【請求項33】
前記少なくとも二つの光放射ポリマーの前記第一及び前記第二の物の前記挿入段階の各々が、
アルカリ金属が挿入された前記層状無機ホストの化合物を産出させる段階と、
前記アルカリ金属が挿入された前記無機ホストの化合物を第一の溶媒中で剥離させて、懸濁液を産生させる段階と、
実施される挿入段階に関連する光放射ポリマーの溶液を、前記第一の溶媒と相溶性の第二の溶媒中で混合し、溶液を産生させる段階と、
前記懸濁液と前記溶液を混合して、前記層状無機ホスト中に挿入された、挿入段階に関連する前記光放射ポリマーの凝集した複合材料を産出させる段階と、
前記凝集した複合材料を有機溶媒で洗浄して痕跡量の非挿入ポリマーを除去する段階とを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第一の溶媒が、水、アルコール、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第二の溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クレゾール、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記層状無機ホストが半導体物質を含む、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記無機ホストが、半導体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、金属ハライド、及び金属酸化物、並びに、これらと絶縁体性層状金属ジカルコゲナイド、金属モノカルコゲナイド、及び金属酸化物との配合物から成る群から選択される、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−528400(P2009−528400A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555948(P2008−555948)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000255
【国際公開番号】WO2007/096892
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(504127647)テクニオン リサーチ アンド ディベロップメント ファウンデーション リミテッド (20)
【Fターム(参考)】