説明

芳香水およびペットのための機能性溶液を製造する装置

芳香水およびペット用の機能性溶液の製造装置が提供される。装置は、原料水を収容する貯蔵空間を備えて形成された主要本体と、貯蔵空間から原料水を噴出するため主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットと、主要本体の貯蔵空間に取り外し可能に装着された噴霧ユニットに連絡するフィルター組み立て体とを備える。フィルター組み立て体は、主要本体の貯蔵空間の原料水がフィルター組み立て体の底部からフィルターユニットの各々を通過し、次いで噴霧ユニットによって噴出されるように、原料水を芳香水に変換するための充填剤が各々充填された、互いに分離可能に複数段積み重ねられた複数のフィルターユニットを有する。様々な機能性充填剤を選択的に充填したフィルターユニットを含む装置は、様々な目的に使用することができる。フィルター組み立て体用のフィルターユニットの脱着または装着が容易なことは、装置の用途に応じて様々な機能性充填剤が選択的に充填された複数段のフィルターユニットの形成を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香水およびペットのための機能性溶液を製造する装置、特に、装置の用途に応じた充填剤を選択的に使用することによって、原料水を、皮膚手入れ成分を含むが、原料水の残留塩素、浮遊材料、および硬質イオンの無い芳香水に変換する装置に関する。また、本発明は、装置の用途に応じた充填剤を選択的に使用することによって、脱臭および抗細菌/殺菌成分を含むが、原料水の残留塩素、浮遊材料、および硬質イオンの無い、ペットのための機能性溶液を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な環境汚染のために水道水の品質が悪化している。このために、水道水は殺菌のための塩素を含んでいる。しかし、そのような水道水で洗うことは皮膚に悪い影響を及ぼす可能性がある。すなわち、水道水に含まれる塩素、カルシウム、またはマグネシウムは洗浄中の皮膚の荒れなど皮膚炎の原因として作用する可能性がある。
【0003】
この問題を解決するために、日本国実用新案公開平10−10908号は、水道水を皮膚の手入れに有益な芳香水へ変換する装置を開示している。この装置は、原料水を収容する主要本体と、主要本体中に収容されたカートリッジと、主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットとを含む。カートリッジは、イオン交換樹脂層、活性炭層、抗菌フィルター層を逐次的に積み重ねた構造を有する。原料水はカートリッジの各層を通過し、次いで噴霧ユニットから噴霧される。
【0004】
しかし、カートリッジに収容されるフィルター層は一体化されて積み重ねられるので、特定の目的に適した芳香水しか製造することができず、使用者の様々な要求を満たさない。さらに、カートリッジに収容されるフィルター層の1個だけが正常に機能しないときでも、使用者は新しい装置を購入しなければならず、コスト的に非効率的である。
【0005】
従って、従来の芳香水製造装置に伴う上記の欠点を解決する装置が必要である。
【0006】
他方、ペットの住む空間は一般にペットの毛皮または排泄物から生じるサルモネラやラプトスピラ菌などの細菌の増殖に最適である。細菌はペットとして好まれる犬や猫などの毛皮で覆われた動物によって容易に運ばれ、比較的免疫性の弱い子供やティーンエージャーに致命的になり得る。
【0007】
従って、家庭内ペットは定期的にワクチン予防接種をし、清潔さを確保するために入浴させる。さらに、ペットによる生活環境の汚染を防止するために、殺菌剤および脱臭剤を定期的に噴霧して様々な細菌、菌類、結核菌、およびウィルスに対抗し、様々な悪臭を取り除く。
【0008】
韓国特許公開第2000−06724号は養犬場から放出される臭いを遮蔽するための脱臭剤としてゼオライトの使用を開示している。この特許の開示によれば、ゼオライトは直接噴霧されるか通常のケースに保持されるため、ゼオライトが殺菌/抗細菌、脱臭、栄養効果など様々な目的に使用できないという問題がある。
【0009】
従って、様々な機能を有するペット用の機能性溶液を製造する装置を提供することは有益であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(技術的問題点)
本発明は、皮膚手入れおよび毛髪手入れを含んで様々な目的に使用することができるように、その用途に応じて様々な機能性充填剤を収容する取り外し可能なフィルターユニットを装着するように構成されていること及び構造が単純化され取り扱いが容易であることによって使用の信頼性の高い芳香水の製造装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、原料水が殺菌/抗細菌、栄養、脱臭効果を有する機能性充填剤を通過することができ、ペット用の機能性溶液を繰り返し製造することの可能な装置を提供する。
【0012】
また、本発明はペットの種類に応じて機能性溶液を選択的に製造する装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、構造が単純化され、ペット用の機能性溶液を製造するのに連続的に使用することのできる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(技術的解決)
本発明の一態様によれば、原料水を収容する貯蔵空間を備えて形成された主要本体と、貯蔵空間から原料水を噴出するための主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットと、主要本体の貯蔵空間に取り外し可能に装着され、噴霧ユニットと連絡するフィルター組み立て体とを備えた芳香水の製造装置が提供される。フィルター組み立て体は、主要本体の貯蔵空間の原料水がフィルター組み立て体の底部から各フィルターユニットを通過し、次いで噴霧ユニットによって噴出されるように、互いに分離可能に複数段積み重ねられ、各々原料水を芳香水に変換するための充填剤で充填された複数のフィルターユニットを含む。
【0015】
本発明の他の態様によれば、原料水を収容する貯蔵空間を備えて形成された主要本体と、貯蔵空間から原料水を噴出するための主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットと、主要本体の貯蔵空間の原料水がフィルター組み立て体の底部から各フィルターユニットを通過し、次いで噴霧ユニットによって噴出されるように、主要本体の貯蔵空間に取り外し可能に装着され、噴霧ユニットと連絡するフィルター組み立て体とを備えたペット用の機能性溶液の製造装置が提供される。フィルター組み立て体は、イオン交換樹脂を充填した第1のフィルターユニットと、抗細菌/殺菌充填剤で充填された第2のフィルターユニットとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで、本発明を以下の特定の実施例によってさらに説明する。しかし、以下の実施例は例示するだけであって制限されるものではない。
【0017】
最初に、本発明の好ましい実施形態による芳香水の製造装置を、図1〜4を参照して説明する。
【0018】
芳香水を製造する装置10は、原料水15を収容する貯蔵空間Xを備えて形成された主要本体14を有する。噴霧ユニット13は主要本体14の頂部に取り付けられて貯蔵空間Xから原料水15を噴出する。噴霧ユニット13はキャップ16で覆われている。噴霧ユニット13は、芳香水の噴出を誘起するための押しボタン11と、押しボタン上に形成された導出口12とを含み、これを通して芳香水を噴出させる。フィルター組み立て体20は、主要本体14の貯蔵空間Xに取り外し可能に装着され、噴霧ユニット13と連絡する。噴霧ユニット13は、貯蔵空間Xの原料水15をフィルター組み立て体20を経由して噴出させることのできる共通の構造を有する。
【0019】
フィルター組み立て体20は、複数のフィルターユニット、すなわち、第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24を複数段積み重ねた構造を有する。第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24は互いから分離すること、または互いに組み合わせることができる。第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24は、原料水15を芳香水に変換する第1、第2、第3、第4の充填剤21a、22a、23a、24aで充填された中空の空間を有する筒状部材を含む。第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24の筒状部材は、それぞれ原料水15の流入用導入孔として働く第1、第2、第3、第4のビアホール21b、22b、23b、24bを備えて形成される。第1、第2、第3、第4の下部ディスクフィルター21c、22c、23c、24c、および第1、第2、第3、第4の上部ディスクフィルター21d、22d、23d、24dは、それぞれ第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24の底部および頂部に装着され、第1、第2、第3、第4のビアホール21b、22b、23b、24bを通って流れる原料水15に含まれる固体を濾過する。必要に応じて、第1、第2、第3、第4の上部ディスクフィルター21d、22d、23d、24dは装着しなくてもよい。
【0020】
従って、主要本体14の貯蔵空間X中の原料水15は、フィルター組み立て体20の底部から第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24を通過する間に芳香水へ変換され、次いで噴霧ユニット13の導出口12から噴出される。
【0021】
第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24は連結部材Jによって互いに分離または結合することができる。連結部材Jは、力による嵌合、ネジによる連結、および装着または脱着法を含む様々な方法で操作することができる。例えば、装着または脱着法において、フィルターユニット20は、フィルターユニットに設けられた溝が隣接するフィルターユニットに設けられた突起に装着または脱着されるように、互いに分離または結合され、突起は押しボタンによって操作可能である。
【0022】
力による嵌合方法において、図3に示すように、各フィルターユニットの寸法は、上部フィルターユニットの下部連結部材が、縦に隣接する下部フィルターユニットの上部連結部材の中へ嵌合されるように設定される。図4に示すように、連結手段Kを用いるネジによる連結方法では、上部フィルターユニットの下部連結部材と縦に隣接する下部フィルターユニットの上部連結部材には互いにネジが設けられる。
【0023】
原料水15を芳香水へ変換するための第1、第2、第3、第4の充填剤21a、22a、23a、24aは、銀被覆活性炭、イオン交換樹脂、ビタミンCカプセル、芳香カプセル、毛髪栄養剤、アニオン性ボールから選択することができる。
【0024】
銀被覆活性炭は原料水15中の残留塩素を除去することによって、皮膚炎を防止する働きをする。イオン交換樹脂は、マグネシウム(Mg)またはカルシウム(Ca)イオンなどの硬質イオンを濾過する間に水素イオンを放出することによって、原料水15を皮膚手入れに有効なpH3.5〜5の酸性水に変換する働きをする。
【0025】
樹脂の活性状態を視認するために、色彩変化イオン交換樹脂を使用することが好ましい。例えば、活性化状態では紫色が現れるが、樹脂はその寿命期間が終わると、その色を紫色から黄褐色に変える。
【0026】
ビタミンCカプセルは、ビタミンCが熱または水によって破壊されるのを防ぎ、皮膚のコラーゲン繊維の合成を刺激することによって皮膚に白色化効果を与える働きをするカプセル化製品である。芳香カプセルは、予め定めたレベルの芳香を原料水15に付与する働きをし、従って、精神的芳香療法効果を提供することができる。アニオン性ボールは、希土類ベースの天然材料であり、人体に有用なアニオンを放出する。毛髪栄養剤は、本発明による芳香水の製造装置10が毛髪手入れに使用されるときの添加剤成分である。毛髪栄養剤は、毛髪栄養剤の成分が徐々に原料水15へ溶出することができるように、カプセルの形として使用される。
【0027】
これらの充填剤は、用途または使用者の好みに応じて、第1、第2、第3、第4のフィルターユニットを選択的に充填することができる。
【0028】
これ以降、本発明による芳香水の製造装置10が皮膚手入れに使用される場合について例示する。例示的実施形態に使用されるフィルター組み立て体20は、第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24を含む。第1フィルターユニット21には第1充填剤21aとして銀被覆活性水が充填され、第2フィルターユニット22には第2充填剤22aとしてビタミンCカプセルが充填され、第3のフィルターユニット23には第3の充填剤23aとして芳香カプセルが充填され、第4フィルターユニット24には第4充填剤24aとして色彩変化イオン交換樹脂が充填される。
【0029】
第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24の底部および頂部にそれぞれ装着された、下部ディスクフィルター21c、22c、23c、24c、および上部ディスクフィルター21d、22d、23d、24dは、原料水15の液体を流す間に、原料水15に含まれる固体物質を濾過する。これらのディスクフィルターは充填剤21a、22a、23a、24aを支持する働きをし、同時に固体物質のない原料水15の滑らかな流れを可能にする。
【0030】
本発明による芳香水の製造装置10を使用する前に、それぞれ銀被覆活性炭、ビタミンCカプセル、芳香カプセル、色彩変化イオン交換樹脂を充填した第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24は互いに固定するように結合され、フィルター組み立て体20を形成する。フィルター組み立て体20は噴霧ユニット13に取り付けられ、次いで原料水15を収容する主要本体14中に装着される。
【0031】
導出口12が使用者の皮膚に面した状態で押しボタン11が押されると、主要本体14中に収容された原料水15は、最初に第1のビアホール21bを経由して銀被覆活性炭を含む第1フィルターユニット21へ流入する。このとき、原料水15は残留塩素の除去および殺菌/抗細菌処理を受ける。得られる中間水はビタミンCカプセルを充填した第2フィルターユニット22と芳香カプセルを充填した第3フィルターユニット23を順次通過する。従って、中間水は皮膚白色化効果のための予め定められたレベルのビタミンC成分と、金属安定性および芳香療法効果のための予め定められたレベルの芳香を含む。最終的に、中間水は、色彩変化イオン交換樹脂を充填した第4フィルターユニット24を通過する間に、原料水15に含まれるCaまたはMgイオンなどの硬質イオンが水素イオンに交換されることによって、皮膚手入れに効果的なpH3.5〜5の酸性水に変換される。酸性水に含まれる亜塩素酸水等は皮膚炎の要因となる微生物を除去することができ、皮膚の荒れを防止する。
【0032】
このようにして、原料水15は、第1、第2、第3、第4のフィルターユニット21、22、23、24を通過する間に、ビタミンCおよび芳香を含む酸性芳香水へ変換される。酸性芳香水は押しボタン10を押すことによって導出口12から霧状に噴霧される。従って、十分な栄養効果が人の皮膚に与えられ、それによって皮膚の状態を改善する。
【0033】
一方、芳香水の製造装置10が毛髪手入れに使用されるとき、第2フィルターユニット22はビタミンCの替りにカプセル化した毛髪栄養剤が充填される。替わりに、第2フィルターユニット22を取り除いた後、カプセル化した毛髪栄養剤を充填した別のフィルターユニットを使用することもできる。
【0034】
このようにして、フィルターユニットは用途に応じて選択的に様々な充填剤で充填することができ、芳香水製造装置10の有用性を高める。
【0035】
さらに、色彩変化イオン交換樹脂の活性程度を視認できるので、充填剤の交換時期を容易に決定することができる。
【0036】
上述のように、この実施形態による芳香水製造装置10は、原料水15を複数段積み重ねたフィルターユニットを通すことによって、皮膚手入れに効果的な酸性水を提供することができる。また、充填剤は選択的に使用することができるので、装置10は様々な目的のために使用することができる。さらに、フィルター組み立て体用のフィルターユニットは、容易に互いを分離し、または結合することができ、このために扱いやすさが向上する。さらに、単純な構造は装置を低コストで製造することを可能にし、使用中の信頼性を高めることもできる。
【0037】
これより以降、本発明によるペット用の機能性溶液の製造装置を、図5〜8を参照して説明する。
【0038】
ペット用の機能性溶液の製造装置は原料水を抗細菌/殺菌および脱臭効果を有する機能性溶液に繰り返し変換することができる。
【0039】
図5および6を参照すれば、ペット用の機能性溶液の製造装置30は、純水、精製水、および水道水などの原料水35を収容する貯蔵空間Xを備えて形成された主要本体34と、主要本体34の頂部に取り外し可能に取り付けられた噴霧ユニット33と、噴霧ユニット33を覆うキャップ36と、貯蔵空間Xの原料水35を引き出して、噴霧ユニット33と連絡するための通路を形成するフィルター組み立て体40とを含む。
【0040】
主要本体34には、それが原料水35を収容できるかぎり、特別の制約はない。殺菌/抗細菌効果を提供するために、二酸化チタン(TiO)から作られた光触媒被覆層(図示せず)を主要本体34の内部に形成できることが好ましい。光触媒被覆層が存在する場合、主要本体34は透明な材料または少なくとも紫外線を吸収することのできる材料から作ることができる。
【0041】
噴霧ユニット33は、貯蔵空間X中の原料水35がフィルター組み立て体40を経由して噴霧される条件で、任意の構造を有することができる。例えば、噴霧ユニット33は、ボールバルブ、ピストン、ノズルを設けた通常の構造を有することができる。
【0042】
フィルター組み立て体40は連結部材によって互いに結合することのできる複数のフィルターユニット(図5の第1および第2フィルターユニット41、42)を含む。連結部材は図1〜4の実施形態におけるもの(JおよびK)と同じであり、従って、その詳細な説明は省略する。
【0043】
第1の上部支持体41cおよび第1の下部支持体41bは、それぞれ第1フィルターユニット41の頂部および底部に装着される。第2の上部支持体42cおよび第2の下部支持体42bは、それぞれ第2フィルターユニット42の頂部および底部に装着される。これらの支持体はビアホールを備えて形成される。第1および第2フィルターユニット41および42は、それぞれ原料水35を酸性水に変換する第1充填剤41aと、抗細菌/殺菌効果を与える第2充填剤42bで充填される。
【0044】
酸性水製造のために第1フィルターユニット41に充填する第1充填剤41aとして、イオン交換樹脂を使用することができる。イオン交換樹脂は図1〜4の実施形態におけるものと同じであり、その詳細な説明は省略する。
【0045】
第2フィルターユニット42に充填する抗細菌/殺菌効果のための第2充填剤42aは、ナノ銀セラミックボール、銀被覆ゼオライト、または銀含有活性炭繊維とすることができる。ナノ銀セラミックボールは、銀のナノ粒子でコーティングされたセラミックボールである。銀被覆ゼオライトは、優れた物理吸着性(窒素、リン酸塩、カリウムの各々について90〜95%)および化学的カチオン交換能力(70〜140meg/100g)を有する微小孔材料である。従って、銀被覆ゼオライトは気体または水分以外の物質を定格容積容量の20倍などの過剰量を吸収または吸着し、それを吸蔵し、次いでゆっくり放出する。銀含有活性炭繊維は、活性炭が繊維に加工される間に加えられた銀のため、活性炭の脱塩素効果に加えて銀の抗細菌効果を有する。
【0046】
ナノ銀セラミックボール、銀被覆ゼオライト、および銀含有活性炭繊維は3個のフィルターユニットへ別々に充填し、次いで互いに結合することができる。替りに、これらの充填剤を混合し、1個のフィルターユニットへ充填することもできる。
【0047】
例示的実施例には示していないが、ペット用の機能性溶液の製造装置は、図1〜4に示した実施例のように、原料水35中に含まれる固体を濾過して取り除くために、各フィルターユニットの頂部または底部に装着された上部または下部ディスクフィルターをさらに含むことができる。
【0048】
一方、ペット用の機能性溶液の製造装置30は、図7および8に示したように、毛皮栄養効果を有するイチョウの葉の抽出物カプセル43a、梅抽出物カプセル44a、脱臭のための芳香カプセル45aをそれぞれ充填した、第3、第4、第5のフィルターユニット43、44、45をさらに含むことができる。イチョウの葉の抽出物カプセル43aおよび梅抽出物カプセル44aについては、抽出成分はマイクロカプセル化した粗溶液から原料水35へゆっくり溶出される。
【0049】
フィルター組み立て体40は上述の実施形態に示したものに制限されない。フィルターユニットは、抗細菌、脱臭、栄養、および芳香効果等を有する機能性充填剤で充填され、次いでペットに噴霧する前に、噴霧ユニット33に選択的に取り付けられる。機能性充填剤は原料水35へ連続的に溶出させることができなければならない、または抗細菌/殺菌効果を持たなければならない。
【0050】
本発明による装置を用いてペットの毛と皮膚を殺菌/消毒するためには、最初に、イオン交換樹脂41aを充填した第1フィルターユニット41と、ナノ銀セラミックボール、銀被覆ゼオライト、および/または銀含有活性炭繊維を充填した第2フィルターユニット42を互いに結合してフィルター組み立て体40を形成し、次いで噴霧ユニット33に取り付ける。その後、第2フィルターユニット42が原料水35中に浸漬するように、得られた構造を主要本体34の貯蔵空間X中に装着する。
【0051】
この状態で、噴霧ユニット33が操作されると、主要本体34中の原料水35は、ナノ銀セラミックボールまたは銀被覆ゼオライトなどの第2充填剤42aを充填した第2フィルターユニットを通過する間に、殺菌/抗細菌処理を受ける。すなわち、ナノ銀セラミックボールと銀被覆ゼオライトは銀ナノ粒子でコーティングされており、従って、それらは約650種の菌およびビールスを殺すことができる程の強い殺菌/抗細菌効果を有し、これは塩素ベースの殺菌剤よりも数十倍強い。
【0052】
原料水35がイオン交換樹脂41aを充填した第1フィルターユニット41を通過するとき、原料水35に含まれるCaまたはMgなどの硬質イオンは水素イオンと交換され、これは原料水35をペットの皮膚に効果的なpH3.5〜5の酸性水に変換する。
【0053】
このように水処理された原料水は、亜塩素酸水を含み、従って、ペットの皮膚炎の要因となる微生物を除去し、頻繁な入浴によるペットの皮膚の荒れを防ぐことができる。
【0054】
フィルター組み立て体40が、図7および8に示したように、梅抽出物カプセル44aを充填した第4フィルターユニット44、またはイチョウの葉の抽出物カプセル43aを充填した第3フィルターユニット43を含むとき、ペットの皮膚および毛用の栄養効果を原料水35に加えることができる。さらに、フィルター組み立て体40が芳香カプセル45aを充填した第5フィルターユニット45を含むとき、芳香発生効果または脱臭効果を原料水35に加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上述のように、ペット用の機能性溶液の製造装置によって、原料水は、機能性充填剤を選択的に充填したフィルター組み立て体を通過する間に、殺菌/抗細菌、脱臭、および栄養効果を有する機能性溶液へ変換される。さらに、主要本体中の原料水が完全に消費されても、それは連続的に補充することができ、それによってコスト効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態による芳香水を製造する装置を示す断面図である。
【図2】図1の装置のフィルター組み立て体を部分的に切断した斜視図である。
【図3】図1のフィルター組み立て体が装置から分離された状態を示す断面図である。
【図4】本発明による芳香水を製造する装置のフィルター組み立て体にフィルターユニットを結合するために使用される連結部材の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるペット用の機能性溶液を製造する装置を示す断面図である。
【図6】図5の装置のフィルター組み立て体を部分的に切断した斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるペット用の機能性溶液を製造する装置を示す斜視図である。
【図8】図7の装置のフィルター組み立て体を部分的に切断した斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料水を収容する貯蔵空間を備えた主要本体と、
前記貯蔵空間から原料水を噴出するため前記主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットと、
前記主要本体の前記貯蔵空間に取り外し可能に装着され、前記噴霧ユニットと連絡するフィルター組み立て体とを備え、
前記フィルター組み立て体は、前記主要本体の前記貯蔵空間の原料水が前記フィルター組み立て体の底部から各フィルターユニットを通過し、次いで前記噴霧ユニットによって噴出するように、互いに分離可能に複数段積み重ねられ、各々原料水を芳香水に変換するための充填剤で充填された複数のフィルターユニットを有する、
芳香水の製造装置。
【請求項2】
前記フィルターユニットの各々が、
前記充填剤を収容する中空空間を備えるハウジングと、
前記ハウジングに前記原料水が流入する場合に通過するビアホールと、
前記ハウジング内に装着され、前記原料水に含まれる固体物質を濾過するディスクフィルターと、
を備えた請求項1に記載の芳香水の製造装置。
【請求項3】
前記フィルターユニットの各々が、
上部フィルターユニットの下部端が縦に隣接する下部フィルターの上部端の中へ力で嵌合されるような寸法を有する、
請求項2に記載の芳香水の製造装置。
【請求項4】
前記充填剤が、銀被覆活性炭、イオン交換樹脂、ビタミンCカプセル、芳香カプセル、毛髪栄養剤、アニオン性ボールからなる群から選択される、
請求項1に記載の芳香水の製造装置。
【請求項5】
原料水を収容する貯蔵空間を備える主要本体と、
前記貯蔵空間から原料水を噴出するため前記主要本体の頂部に取り付けられた噴霧ユニットと、
前記主要本体の前記貯蔵空間に取り外し可能に装着され、前記噴霧ユニットと連絡するフィルター組み立て体とを備え、
前記フィルター組み立て体は、前記主要本体の前記貯蔵空間の原料水が前記フィルター組み立て体の底部から各フィルターユニットを通過し、次いで噴霧ユニットによって噴出するように、互いに分離可能に複数段積み重ねられ、各々原料水をペット用の機能性溶液に変換するための充填剤で充填された複数のフィルターユニットを有し、
前記複数のフィルターユニットは、イオン交換樹脂を充填した第1フィルターユニットと、抗細菌/殺菌充填剤を充填した第2フィルターユニットとを有する、
ペット用の機能性溶液の製造装置。
【請求項6】
前記第2フィルターユニットを充填する充填剤が、ナノ銀セラミックボール、銀被覆ゼオライト、銀含有活性炭繊維からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載のペット用の機能性溶液の製造装置。
【請求項7】
前記フィルター組み立て体が、イチョウの葉の抽出物カプセル、梅抽出物カプセル、芳香カプセルからなる群から選択される少なくとも1種を充填した第3フィルターユニットをさらに備えた請求項5に記載のペット用の機能性溶液の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−528235(P2007−528235A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520126(P2006−520126)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001796
【国際公開番号】WO2005/007206
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(501189521)株式会社インフィニティ・ジャパン (2)
【Fターム(参考)】