説明

芳香消臭用品

【課題】使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことができる芳香消臭用品を提供することを目的とする。
【解決手段】紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とを含有する芳香消臭剤12が容器11中に充填されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒による酸化、分解作用を利用して、悪臭物質を含む空気を消臭するとともに、芳香作用を有する芳香消臭用品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生意識の高まりや気密性の高い住宅の普及等によって、消費者の悪臭に対する意識が高くなり、また、悪臭に対する敏感さがより一層高まる傾向にある。
従来、消臭手段のひとつとして、強い芳香によって使用者の嗅覚を刺激し、悪臭を感じにくくさせる、マスキングと呼ばれる方法が広く用いられてきた。しかしながら、マスキングは悪臭を除去する方法では無いため、使用開始からの時間が経つにつれて香料成分等による香りが弱まった際に消臭効果が低下するという問題があった。
【0003】
また、近年の研究では、人が悪臭を感じなくなった場合でも、悪臭を嗅がせることによって、リラックス状態を表す脳波の1つであるα波が低下することが明らかとなっている。このため、悪臭を芳香によってマスキングするだけでなく、悪臭成分を完全に除去する必要性が高まっていることから、光触媒効果を用いて消臭処理を行う方法が注目されている。
【0004】
しかしながら、酸化チタン等の光触媒を消臭基材として用いた場合、光触媒効果による消臭作用は得られるものの、使用者自身が実感できるような消臭効果感が得られにくいという問題があった。このため、使用者の嗜好に合わせた香料成分を用いることによる芳香効果も併用する方法が行なわれていたが、この方法では、悪臭成分とともに香料成分も光触媒に吸着、分解されてしまい、香質のバランスを大きく崩し、常時一定の香質を提供するのは困難であった。
【0005】
上述のような問題を解決するため、酸化チタンからなる光触媒を適宜遮光することによって光触媒反応を抑制するとともに、シクロデキストリンに香料成分を包接した組成物を用いた芳香消臭用品が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の芳香消臭用品では、光触媒反応が充分に作用しない虞があるとともに、組成物の分散安定性が低下して組成上の制約が生じ、また、消臭に要するコストが上昇してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2005−245766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことができる芳香消臭用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等が、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、香料成分として、光触媒と併用した場合であっても安定した芳香作用を有する光触媒用香料成分を用いるとともに、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒を消臭成分に用いる構成とすることにより、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを両立することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明は、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とを含有する芳香消臭剤が容器中に充填されてなることを特徴とする芳香消臭用品を提供する。
本発明の芳香消臭用品は、前記芳香消臭剤が充填された前記容器に挿通され、該容器中に充填された前記芳香消臭剤を吸液する芯体と、該芯体によって吸液された芳香消臭剤を容器の外部に拡散させる揮散体とが備えられた構成とすることができる。
【0009】
また、本発明の芳香消臭用品は、前記芳香消臭剤には、前記光触媒用香料を担持させる香料担持体が含有された構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記芳香消臭剤が充填された前記容器の少なくとも一部に開口孔が設けられ、該開口孔に不織布が張設された構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記香料担持体が、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルである構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体である構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、さらに、前記芳香消臭剤を送風によって揮散させるファンが備えられた構成とすることができる。
【0010】
本発明は、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持された消臭剤が、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体に担持されてなる消臭体と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料が充填された容器とからなることを特徴とする芳香消臭用品を提供する。
本発明の芳香消臭用品は、前記光触媒用香料が充填された前記容器に挿通され、該容器中に充填された前記光触媒用香料を吸液する芯体と、該芯体によって吸液された光触媒用香料を容器の外部に拡散させる揮散体とが備えられた構成とすることができる。
【0011】
また、本発明の芳香消臭用品は、前記光触媒用香料が、香料担持体に担持されて前記容器に充填された構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記香料担持体に担持された光触媒用香料が充填された前記容器の少なくとも一部に開口孔が設けられ、該開口孔に不織布が張設されてなる構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記香料担持体が、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルである構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体である構成とすることができる。
また、本発明の芳香消臭用品は、さらに、前記消臭剤及び/又は前記光触媒用香料を、送風によって揮散させるファンが備えられた構成とすることができる。
【0012】
本発明は、前記芳香消臭剤がエアゾール容器に充填されてなることを特徴とする芳香消臭用品を提供する。
【0013】
また、本発明の芳香消臭用品は、前記光触媒用香料中における前記香料素材の総和が20〜60%の範囲とされていることが好ましく、30〜50%の範囲とされていることがより好ましい。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記光触媒が、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、及びPb等の酸化物であるとともに、水に不溶であるものから構成されていることが好ましい。
また、本発明の芳香消臭用品は、前記光触媒が、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなる構成とされていることがより好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の芳香消臭剤及び芳香消臭用品によれば、上記構成のように、光触媒と併用した場合であっても安定した芳香作用を有する光触媒用香料成分を用いるとともに、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒を消臭成分に用いる構成とすることにより、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを両立することができる。
これにより、使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことができる芳香消臭用品を、簡便で安価な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る芳香消臭用品の実施の形態について、図1〜8を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
本発明の芳香消臭用品の第1の実施形態について、以下に説明する。
本実施形態の芳香消臭用品1は、図1に示すように、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とを含有する芳香消臭剤12が容器11中に充填され、概略構成されている。
また、本実施形態の芳香消臭用品1は、芳香消臭剤12が充填された容器11に挿通され、該容器11中に充填された芳香消臭剤12を吸液する芯体13と、該芯体13によって吸液された芳香消臭剤12を容器11の外部に拡散させる揮散体14とが備えられた構成とされている。
本実施形態の芳香消臭用品1は、上記構成により、芳香消臭剤12が揮散体14から空気中に拡散され、空気中に存在する悪臭成分を除去することができる。
【0017】
容器11は、上述したように、詳細を後述する芳香消臭剤12が充填される容器であり、図1に示す例では、有底角筒状に形成されている。
本実施形態の容器11は、その上部に、詳細を後述する芯体13を挿通するための孔部11aが設けられているとともに、揮散体14を容器11に支持するためのキャップ15が取り付けられる嵌合部11bが設けられている。
容器11に用いられる材料としては、上記各成分によって変質することの無い材料であれば特に限定されず、樹脂や金属材料等、適宜選択して用いることができる。
【0018】
芯体13は、上述したように、容器11中に充填された芳香消臭剤12を吸液し、芳香消臭剤12を後述の揮散体14に導くものであり、図1に示す例では、長寸の棒状に形成されている。また、芯体13は、容器11の上部に設けられた孔部11aに挿通されており、上端13aが孔部11aから露出するとともに、少なくとも下端13bが容器11内に充填された芳香消臭剤12に浸されている。また、芯体13の上端13aは、後述の揮散体14に接続されている。
芯体13に用いられる材質としては、液体が吸い上げられる構造とすることが可能なものであれば特に限定されず、通常、芳香剤等の吸液に用いられる材料を採用することができ、例えば、フェルトやパルプ等を用いることができる。
【0019】
揮散体14は、容器11の上部に取り付けられ、上述したように、芯体13の上端13aに接続されて設けられるものであり、図1に示す例では、正面視長方形の平板状に構成されている。また、図示例では、揮散体14は、キャップ15によって支持され、容器11の上部に取り付けられている。
揮散体14に用いられる材質としては、液体を揮散できる構造とすることが可能なものであれば特に限定されず、通常、芳香剤等の揮散に用いられる材料を採用することができ、例えば、フェルトやパルプ等を用いることができる。
【0020】
キャップ15は、容器11の嵌合部11bに取り付けられるキャップであり、上述したように、揮散体14を容器11の上部に支持するものである。
また、図1に示す例のキャップ15は、表面に複数のスリット15aが形成され、揮散体14から揮散される芳香消臭剤12が、スリット15aを通過して空気中に揮散されるように構成されている。また、本実施形態のキャップ15は、揮散体14の保護部材としても機能する。
キャップ15に用いられる材質としては、特に限定されず、通常、ボトル用のキャップとして用いられる樹脂材料等を適宜選択して用いることができる。
【0021】
<芳香消臭剤>
本実施形態の芳香消臭剤12は、上述したように、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とからなる。
【0022】
(消臭剤)
本実施形態の消臭剤に用いられる光触媒としては、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、及びPb等の酸化物であるとともに、水に不溶なものが挙げられる。
また、本実施形態で用いられる光触媒としては、触媒活性の程度から、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなる構成とすることができる。また、上述の光触媒の内、紫外線光が照射された場合に高効率で活性化し、光触媒反応による高い消臭作用を得ることが可能な酸化チタンを用いることが特に好ましい。
【0023】
なお、本実施形態では、近年、半導体分野におけるドーピング方法として用いられているイオン注入法を応用し、特定の金属イオン、例えば、Cr及びVをシリカ−チタニア複合酸化物に導入させることによって得られる可視光型光触媒を用いることも可能である。ここで、可視光型光触媒とは、可視光領域(約400nm〜800nm)の光を吸収し、可視光の照射下において、常温下での窒素酸化物の分解に高い活性を示す光触媒のことを言う。
【0024】
本実施形態で用いられる光触媒の微粒子の一次粒子径は0.001〜0.3μmの範囲であることが好ましく、0.003〜0.2μmの範囲であることがより好ましい。光触媒の微粒子の一次粒子径が0.3μmを超えると、光触媒としての機能が発揮できなくなる虞がある。
光触媒は、紫外線が照射されることにより、その表面で電子と正孔とが分離し、この正孔が、周囲の水、酸素等から強力な酸化作用を有する活性酸素を生成させる。そして、この活性酸素が、悪臭成分等の有機物を酸化分解する作用を有する。
【0025】
上述の光触媒は、アルミノ珪酸塩(ゼオライト)粒子に光触媒の微粒子を含有させた粒子を高分子固体に含有させた構成とすることができる。光触媒をアルミノ珪酸塩粒子に含有させて用いる場合、アルミノ珪酸塩は、鎖状、網状等の何れの構造を有していても構わないが、層状構造を有し、この層状構造の層間に光触媒微粒子が担持されていることが好ましい。具体的には、アルミノ珪酸塩として、いわゆるフィロ珪酸塩構造を有する層状アルミノ珪酸塩(アルミニウム含有フィロ珪酸塩)を用いることが好ましく、フィロ珪酸塩構造を有する層に八面体構造金属酸化物層が積層されてなる複合化アルミノ珪酸塩(アルミニウム含有複合フィロ珪酸塩)を用いることがより好ましい。
【0026】
上述のアルミニウム含有複合フィロ珪酸塩は、基本構造として、SiOを基本とする四面体構造層と、MO(Mは亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズ及びジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の金属:以下同様)を基本とする八面体構造層とが、酸素原子を共有する形で積層された粘土鉱物型の二層構造を有している。なお、このアルミニウム含有複合フィロ珪酸塩は、通常、四面体構造層SiOの一部のSiがAlにより置換されてなり、八面体構造層MOの一部のAlによって置換される。アルミノ珪酸塩が層状構造を有することにより、層状アルミノ珪酸塩が積層して形成される層間に、光触媒の微粒子が安定して担持され得る。
【0027】
なお、アルミノ珪酸塩粒子に光触媒の微粒子を含有させる場合、アルミノ珪酸塩が、実質的に、SiO:5〜80%(mol%:以下同様)、MOn/2:5〜65%(Mの元素は上記同様)、及びAl:1〜60%の組成を含有することが好ましく、SiO:10〜70%、MOn/2:10〜60%、及びAl:1〜50%の組成を含有することがより好ましい。なお、化学式中のMについては、上述したように、亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズ、及びジルコニウムの群から選ばれる少なくとも一種の金属であるが、これらの中でも亜鉛が好ましい。
【0028】
また、前記アルミノ珪酸塩は、白色或いは単色の粉体として得られ、上記組成物比に相当する量の水溶性珪酸塩、水溶性金属塩、更に水溶性アルミニウム塩、及び/又は、水溶性アルミン酸塩を、水の存在下で反応させ、更に必要に応じて、得られる沈殿を、水の存在下で加熱することにより製造される。前記アルミノ珪酸塩の粉体の粒子径は0.01〜30μmが好ましく、0.03〜10μmがより好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。前記アルミノ珪酸塩の粉体の粒子径が0.01μm未満だと、粒子が細かすぎるため、実用上、粉体を取り扱う際のハンドリング性に問題がある。また、アルミノ珪酸塩の粉体の粒子径が30μmを超えると、フィルムや塗料等に加工して用いる場合に、粒子によるブツが発生し、外観を損なう虞がある。
【0029】
本実施形態では、前記アルミノ珪酸塩粒子を、例えば、アルミノ珪酸塩と水からなる懸濁液から製造することができ、必要に応じて、さらに界面活性剤を配合しても良い。このような懸濁液中の各成分の混合比は、水:アルミノ珪酸塩=100:1〜1:3であることが好ましく(さらに好ましくは、水:アルミノ珪酸塩=100:1〜1:1)、アルミノ珪酸塩:界面活性剤=100:0〜1:10であることが好ましい(さらに好ましくは、アルミノ珪酸塩:界面活性剤=100:0〜1:3)。また、懸濁液のpHは、特に制限はないが、効率よく光触媒を担持させるため、必要に応じて、アンモニア水や塩酸等を添加することによってpHを調整しても構わない。
【0030】
本実施形態では、上述のような懸濁液を攪拌しながら光触媒微粒子を添加するで、光触媒微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子が得られる。この際、添加する光触媒の微粒子の状態は、微粉状であってもスラリー状であってもよい。光触媒の微粒子の添加量は、添加後に得られる、光触媒微粒子を含有したアルミノ珪酸塩粒子中の光触媒微粒子含有率が0.01〜70質量%、好ましくは0.02〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜50質量%、特に好ましくは0.2〜30質量%に相当する量である。光触媒の微粒子の含有率が0.01質量%未満だと、光触媒本来の性能が充分に発現されない。一方、光触媒の微粒子の含有率が70質量%超となると、光触媒の性能は発現されるものの、アルミノ珪酸塩中に含有されない余剰の光触媒が生じ、この余剰の光触媒が樹脂等と複合化することにより、紫外線を照射した際に樹脂等を劣化させる虞がある。
【0031】
上述のような、懸濁液と、微粉状、スラリー状等の形態を有する光触媒の微粒子との混合は、一般的には常温、常圧の条件下で行われるが、必要に応じて、加圧下や減圧下、または加熱下や冷却下で実施してもよい。混合時間としては、特に制限はないが、30分程度の混合時間で充分である。
上述のようにして得られる、光触媒の微粒子を含有したアルミノ珪酸塩は、遠心分離や濾過等の固体分離操作によって分離、回収することができる。このようにして回収された粒子は、そのまま乾燥して製品とすることができ、また、水やアルコール等の洗浄液で1回から数回洗浄した後、乾燥処理や加熱処理を実施してから製品とすることもできる。
【0032】
また、界面活性剤については、上述したように、光触媒をアルミノ珪酸塩粒子に含有させる際に使用しても、或いは使用しなくても、どちらでも良いが、効率良く含有させるためには界面活性剤を使用することが好ましい。この場合に用いる界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができ、特に制限はないが、カチオン界面活性剤を用いるが好ましく、下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤を用いることがより好ましい。
【0033】
【化1】

【0034】
ただし、一般式(1)中、X−はハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、または有機酸陰イオンであり、R1は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ、R1、メチル基、エチル基または下記一般式(2)で表される有機基である。なお、R2〜R4は、それぞれの基が同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
【化2】

【0036】
ただし、一般式(2)中、mは1〜5の整数であり、Yは水素またはメチル基である。
用い得る界面活性剤として、さらに具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリストイルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、エルシルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンミリストイルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンパルミチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンオレイルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの界面活性剤は、2種以上を混合して用いても良いし、また、水溶液或いはアルコール溶液として用いても良い。
【0037】
(光触媒用香料)
本実施形態の光触媒用香料は、上述したように、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む構成とされている。
【0038】
本発明者等が鋭意研究、検討したところ、上記香料素材は、光触媒と併用した場合にも、安定した芳香作用を有する効果があることが知見され、これらの香料素材を含む光触媒用香料と、上述したような紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒が含有される消臭剤とから芳香消臭剤を構成することにより、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを併せ持つ芳香消臭剤が得られることが明らかとなった。
【0039】
本実施形態の芳香剤は、前記光触媒用香料中における前記香料素材の総和が20〜60%の範囲であることが好ましく、30〜50%の範囲であることがより好ましい。前記光触媒用香料中における前記香料素材の総和がこの範囲であれば、上述の優れた効果が確実に得られる。
【0040】
本実施形態の芳香消臭用品1は、上述したように、芳香消臭剤12が、揮散体14からキャップ15のスリット15aを通過して空気中に揮散され、空気中に存在する悪臭成分を除去しながら、芳香処理を行うことができる。なお、キャップ15は、例えば、容器11に揮散体14を支持できる支持部を設けた構成とすれば、必ずしも備えられている必要は無い。しかしながら、本実施形態の芳香消臭用品1は、キャップ15が揮散体14の保護部材として機能することにより、例えば、使用者が揮散体14に誤って触れたりすることを防止することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態の芳香消臭用品を、例えば、図5(a)、(b)の斜視図に示すような、略直方体のコンパクトな形状に構成され、任意の位置に図示略の通風スリットが設けられた筐体70、71に収容して使用することもできる。この場合、芳香消臭用品の形状を、例えば、図示例のような箱状とし、脱着による交換が可能なカートリッジ式の芳香消臭用品7として構成することができ、図5(a)に示すように筐体70の側面から挿入するか、又は図5(b)に示すように、筐体71の上面から挿入することにより、筐体内に収容することが可能である。
上述のような構成とした場合には、芳香消臭用品が収容された筐体を、例えば机上やタンス上等、室内の任意の場所に設置して消臭処理を行った際に室内の美観を損ねることがなく、また、設置に要する場所をとらず、使用性が非常に高いものとなる。
【0042】
また、図5(c)に示すように、本実施形態の芳香消臭用品を筒状の芳香消臭用品8とし、筐体80の底面からカートリッジ式に脱着可能な構成として、台座80a上に載置した状態で筐体80内に収容して使用することもできる。また、図5(d)に示すように、方向消臭用品8を台座81a上に戴置し、台座81をスライドさせることによって筐体81の側面から内部に収容する構成とすることも可能である。
【0043】
また、上述のような筐体には、該筐体外部への芳香消臭成分の拡散や、筐体内への外気の取り込み等のための吸排気口を、例えばスリット状で形成することが好ましい。
また、本実施形態の芳香消臭用品は、上述したように、机上やタンス上等の任意の場所に設置し、特に室内における消臭処理に用いられることから、図5(a)〜(d)に示す各例の筐体は、略直方体のコンパクトな形状に構成されているが、これには限定されない。例えば、筐体の形状を、円筒形等の他の形状としても良く、また、各種デザインを施した脱着可能なカバー等を用い、芳香消臭用品が収容された筐体を設置する場所の雰囲気等に合わせるように交換可能な構成としても良い。
【0044】
本実施形態の芳香消臭用品1は、上述したような、光触媒を含む消臭剤と、光触媒と併用した場合にも安定した芳香作用を有する香料素材からなる芳香剤とを含有した芳香消臭剤を用いることにより、使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことが可能となる。これにより、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを併せ持つ芳香消臭用品が得られる。
本実施形態の芳香消臭用品1は、例えば、室内や冷蔵庫、靴箱等の消臭したい場所に設置することによって芳香処理を行うことができ、芳香消臭効果に優れるとともに、手軽に消臭処理を行うことが可能となる。
【0045】
[第2の実施形態]
以下、本発明の芳香消臭用品の第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態の芳香消臭用品1と共通する点については、その詳しい説明を省略する。
【0046】
本実施形態の芳香消臭用品2は、図2に示すように、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とを含有する芳香消臭剤22が容器21中に充填され、芳香消臭剤22に光触媒用香料を担持させる香料担持体が含有され、概略構成されている。
本実施形態の芳香消臭用品2は、上記構成により、芳香消臭剤22が容器21内から空気中に拡散され、空気中に存在する悪臭成分を除去することができる。
【0047】
本実施形態の芳香消臭用品2は、上述したように、容器21中に充填された芳香消臭剤22が、前記光触媒用香料を担持させる香料担持体が含有されている点で、第1の実施形態の芳香消臭用品1とは異なる。
また、図2に示す芳香消臭用品2は、芳香消臭剤22が充填された容器21の上面21aに、スリット状の開口孔21bが形成されているとともに、開口孔21bを容器21内部から覆うようにして不織布23が張設されている。
【0048】
本実施形態では、上記光触媒用香料が担持される香料担持体しては、特に限定されないが、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルからなる構成とすることができる。また、光触媒用香料が担持される香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体からなる構成とすることもできる。
本実施形態の芳香消臭剤22は、上述のように、光触媒用香料が担持される香料担持体が含有された構成なので、第1の実施形態の芳香消臭用品1に用いられる芳香消臭剤12が液状であるのに対し、図2に示す例では粒状となっている。
【0049】
本実施形態の芳香消臭用品2は、上記構成により、容器21に充填された粒状の芳香消臭剤22から、開口孔21b及び不織布23を通過して前記消臭剤及び光触媒用香料の成分が容器21外に揮散することにより、第1の実施形態の芳香消臭用品1と同様に、空気中に存在する悪臭成分を除去しながら、芳香処理を行うことができる。
そして、芳香消臭剤22は、前記消臭剤及び光触媒用香料の成分が揮散して含有量が減少するとともに、外径が縮小する。
【0050】
なお、本実施形態の芳香消臭用品2をカートリッジ状に構成し、第1の実施形態で説明した芳香消臭用品と同様、図5に示すような筐体に収容して使用することも可能である。この場合、上述したように、室内の任意の場所に設置して消臭処理を行った際に室内の美観を損ねることがなく、また、設置に要する場所をとらず、使用性が非常に高いものとなる。
【0051】
また、図2に示す例では、香料担持体が含有されてなる芳香消臭剤22が粒状に構成されているが、これには限定されず、例えば、直方形の固形剤として構成しても良い。
また、本実施形態では、容器21に形成された開口孔21bを内部から覆うようにして不織布23が張設されているが、この不織布23を省略した構成とすることもできる。この場合には、開口孔21bを目の細かなスリット群として形成すれば、容器21内に収容された芳香消臭剤22に使用者の手が触れるのを防止することができる。
【0052】
[第3の実施形態]
以下、本発明の芳香消臭用品の第2の実施形態について説明する。
本実施形態の芳香消臭用品3は、図3(a)、(b)に示すように、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持された消臭剤が、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体に担持されてなる消臭体36と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料32が充填された容器31とからなり、概略構成されている。
また、本実施形態の芳香消臭用品3は、光触媒用香料32が充填された容器31に挿通され、該容器31中に充填された光触媒用香料32を吸液する芯体33と、該芯体33によって吸液された光触媒用香料32を容器31の外部に拡散させる揮散体34とが備えられている。また、図3(a)、(b)に示す例では、第1の実施形態の芳香消臭用品1と同様、容器31の上部にキャップ35が取り付けられている。
本実施形態の芳香消臭用品3は、消臭剤が光触媒担持体に担持された消臭体36が備えられており、容器31に光触媒用香料32のみが充填されている点で、第1〜2の実施形態の芳香消臭用品1及び2と異なる。
【0053】
容器31は有底各筒状に構成されており、上述したように、光触媒用香料32が充填される。
容器31に充填された光触媒用香料32は、第1の実施形態の芳香消臭剤12と同様、芯体33によって上端33aから揮散体34に導かれ、該揮散体34から空気中に揮散される。
【0054】
本実施形態の消臭体36は、光触媒担持体に用いられる材質としては特に限定されないが、上述したように、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体に、上述の消臭剤が担持されてなり、図3(a)、(b)に示す例では平板状に構成されている。本実施形態では、例えば、光触媒担持体を平板状に構成し、その一面側に、上述の消臭剤を塗布、浸透、或いは積層することにより、図3(a)、(b)に示すような平板状の消臭体36を形成することができる。
【0055】
消臭体36は、上記構成により、空気中に消臭剤成分を揮散させることができる。また、図示例の消臭体36は、その上部(図3(b)の上方向)がキャップ35によって支持され、下部が容器31の嵌合部31bによって支持されている。
また、消臭体36は、アルミノ珪酸塩(ゼオライト)や活性炭等、多孔質で悪臭成分分子を吸着する機構を有する物質、及び、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化タングステン等の、光触媒能によって悪臭成分分子を分解する機構をもつ物質の、それぞれ両方の機構並びに作用を有したものであることがより好ましい。
【0056】
光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を樹脂に担持させる場合、樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を用いることができる。この際の、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子の添加量としては、上記樹脂に対して0.1〜30質量%の範囲で添加することが好ましく、さらに好ましくは1〜25質量%の範囲である。
樹脂に、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂として樹脂フィルムを用いる場合には、以下に説明するような方法で行なうことができる。この場合、まず、樹脂と、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子とを混合し、2軸同方向押出機等を用いて混練することにより、コンパウンドを作製する。そして、インフレーション装置などを用いて、上述のコンパウンドを、適当な厚さを有するフィルムに加工することにより、消臭体として得ることができる。
【0057】
また、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を不織布に担持させる場合、不織布としては、例えば、レーヨン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等からなる不織布が挙げられる。また、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を不織布に含有させる際に用いるバインダーとしては、特に限定されないが、アクリル系、ラテックス系のバインダーを用いることができる。
不織布に、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を担持させる方法としては、該光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子と、バインダーと、水とからなる塗布剤に、不織布を浸漬する方法で行なうことができる。この際、前記塗布剤のバインダー及び光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含む固形分中には、前記光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子が3〜90質量%の範囲で含有されていることが好ましい。
【0058】
また、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を紙に担持させる場合、紙としては、例えば、綿、リンター、竹、バガス、葦、わら、こうぞ、針葉樹、広葉樹等から得られる繊維等を用いることができる。
紙に、光触媒の微粒子が含有されたアルミノ珪酸塩粒子を担持させる方法としては、特に限定されないが、以下に説明するような方法で行なうことができる。まず、水に、パルプ、及び光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を混合する。この際の光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子の割合は、紙に対して1〜40質量%の範囲であることが好ましい。そして、上述の混合スラリーを、スクリーン抄紙機を用いて抄紙した後、ドラム乾燥機を用いて乾燥させることにより、消臭体として得ることができる。
【0059】
また、本実施形態の消臭体36は、経時変化等による消臭力の低下等が生じた際に、消臭体の交換時期を、使用者の視覚に対して効果的に伝えるため、紫外線或いは化学物質等に曝された時間に応じて色調が変化する色素等によって着色された構成とすることができる。このような色素としては、光や空気中に含まれる化学物質(例えば、二酸化炭素や酸素等)と反応し、その色調を変化させるものであれば、特に限定されない。好ましくは、紫外線、及び/又は、二酸化炭素と反応して色調が変化する色素が挙げられ、紫外線に反応して色調が変化する色素を用いることが特に好ましい。
上述のような、二酸化炭素によって色調が変化する色素としては、例えば、タイムインジケータ(登録商標:理研香料工業株式会社)が挙げられる。また、紫外線によって色調が変化する色素としては、Kayacyl Pure Blue FGA(登録商標:日本化薬株式会社)が挙げられる。
【0060】
本実施形態の芳香消臭用品3は、上記構成により、消臭体36から前記消臭剤が空気中に揮散されるとともに、揮散体34から光触媒用香料32が空気中に揮散される。これにより、空気中の悪臭成分を除去することができるとともに、空気中への芳香処理を行うことが可能となる。
【0061】
なお、本実施形態の芳香消臭用品は、第1及び第2の実施形態で説明した芳香消臭用品と同様、例えば、図5に示す例のような箱状や筒状等のカートリッジ状に構成し、筐体内に脱着可能に収容して使用することも可能である。
【0062】
[第4の実施形態]
以下、本発明の芳香消臭用品の第4の実施形態について説明する。
本実施形態の芳香消臭用品4は、図4に示すように、紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持された消臭剤が、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体に担持されてなる消臭体46と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料が香料担持体に担持された光触媒用香料体42が充填された容器41とからなり、概略構成されている。
【0063】
本実施形態の芳香消臭用品4は、上述したように、容器41中に充填された光触媒用香料が香料担持体に担持された光触媒用香料体42とされている点で、第3の実施形態の芳香消臭用品31と異なる。
また、図4に示す芳香消臭用品4は、光触媒用香料体42が充填された容器41の上面41aに、スリット状の開口孔41bが形成されているとともに、開口孔41bを容器41内部から覆うようにして不織布43が張設されている点で、第2の実施形態の芳香消臭用品2と同様の構成を備えており、容器31内に、前記消臭剤が光触媒担持体に担持されてなる消臭体46が設けられている点で、第2の実施形態の芳香消臭用品2とは異なる。
【0064】
消臭体46は、図4に示す例では、容器41内の上部(図4の上方)に設けられ、開口孔41bに近接するようにして、図示略の固定手段によって容器41内に固定されている。
また、消臭体46は、上述したように、前記消臭剤が担持される担持体として、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体を用いることができる。
【0065】
本実施形態では、上記光触媒用香料が担持される香料担持体しては特に限定されず、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルからなる構成とすることができる。また、光触媒用香料が担持される香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体からなる構成とすることもできる。
本実施形態の光触媒用香料体42は、上述のように、光触媒用香料が担持される香料担持体が含有された構成なので、第3の実施形態の芳香消臭用品3に用いられる光触媒用香料32が液状であるのに対し、図4に示す例では粒状となっている。
【0066】
本実施形態の芳香消臭用品4は、上記構成により、容器41に充填された粒状の光触媒用香料体42から、開口孔41b及び不織布43を通過して光触媒用香料の成分が容器41外に揮散するとともに、容器41内に設けられた消臭体46から、開口孔41b及び不織布43を通過して前記消臭剤の成分が容器41外に揮散することにより、第3の実施形態の芳香消臭用品3と同様に、空気中に存在する悪臭成分を除去しながら、芳香処理を行うことができる。
そして、光触媒用香料体42は、前記光触媒用香料の成分が揮散して含有量が減少するとともに、外径が縮小する。
【0067】
なお、図4に示す例では、香料担持体が含有されてなる光触媒用香料体42が粒状に構成されているが、第2の実施形態で説明する芳香消臭剤22と同様、これには限定されず、例えば、直方形の固形剤として構成しても良い。
また、本実施形態では、容器41に形成された開口孔41bを内部から覆うようにして不織布43が張設されているが、これについても第2の実施形態と同様に、不織布43を省略した構成とすることもできる。この場合には、開口孔41bを目の細かなスリット群として形成すれば、容器41内に収容された光触媒用香料体42及び消臭体46に、使用者の手が触れるのを防止することができる。
【0068】
また、本実施形態の芳香消臭用品は、第1の実施形態の芳香消臭用品と同様、例えば、図5に示す例のような箱状や筒状等のカートリッジ状に構成し、筐体内に脱着可能に収容して使用することも可能である。
【0069】
[第5の実施形態]
以下、本発明の芳香消臭用品の第5の実施形態について説明する。
本実施形態の芳香消臭用品9は、図6に示す例のように、芳香消臭体90に向けて送風するファン91が備えられて概略構成され、図示例では、これら芳香消臭体90及びファン91が筐体90に収容されているとともに、ファン91が図示略の支持部によって筐体92内に支持されている。
芳香消臭体90としては、例えば、第1〜4の実施形態で説明したような芳香消臭用品をカートリッジ状に構成したもの等を用いることができる。
【0070】
本実施形態の芳香消臭用品2は、上記構成により、ファン91から送風される空気によって、光触媒が含有される消臭剤や光触媒用香料が空気中に効率良く揮散されるので、空気中に存在する悪臭成分を高効率で除去することができ、より高い消臭及び芳香効果が得られる。
【0071】
本実施形態のファン91は、電気的に作動する図示略のモータにプロペラ式のファンが取り付けられたものであり、芳香消臭体90に向けて送風する。本実施形態では、芳香消臭体90に備えられた消臭剤や光触媒用香料等の成分を強制的に空気中に揮散させ、悪臭成分に接触させることにより、例えば、室内等の自然対流のみで消臭及び芳香処理を行った場合に比べ、高効率で、より効果的に消臭及び芳香処理を行うことが可能となる。
【0072】
ファン91に用いられるモータとしては、家庭用交流電源、乾電池、太陽電池、自動車バッテリー等、何れか電源によって駆動可能なものであれば特に限定されない。
また、本実施形態のファン91では、図示例ではプロペラ式のファンを用いているが、これには限定されず、例えば、シロッコファン等を用いることもできる。プロペラ式のファンは、単位電力当たりの風量が大きい点で好ましいが、芳香消臭用品の構造によっては送風の妨げ現象が生じ、これにより、ファンに対して外圧が発生する場合がある。このような場合には、外圧の影響を受け難いシロッコファンを用いることが好ましい。
【0073】
また、本実施形態の芳香消臭用品9は、筐体92内に、さらに図示略の発光ダイオードを設けた構成としても良い。発光ダイオードを用いて、前記揮散体もしくは前記消臭体に対し、例えば紫外線を含む光を照射することによって光触媒が活性化され、光触媒反応による消臭作用がより効率的に発現する。この際に用いる発光ダイオードとしては、例えば、発光波長が、短波長、具体的には400nm以下の紫外線領域を含むものであることが好ましい。さらに具体的には、紫色LED、青色LED、紫外線LED等が挙げられ、紫外線発光量とコストとのバランスから、紫色LEDを用いることが特に好ましい。また、発光ダイオードの発光面には、紫外線を含む出射光の照射角度を調整するためのレンズ等が設けられた構成としても良い。
【0074】
なお、図6に示す例では、筐体92内に芳香消臭体90及びファン91が収容され、ファン91が筐体90内に支持された構成としているが、これには限定されず、例えば、ファンを小型に構成して芳香消臭体90内に組み込んだ構成の芳香消臭用品とすることもできる。この場合には、図6に示すような筐体92は設けられていなくてもよく、小型であるとともに、消臭及び芳香効果に優れた芳香消臭用品が得られる。
【0075】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の芳香消臭用品6は、図7に示すように、第1の実施形態で説明した芳香消臭剤12がエアゾール容器61に充填されてなり、概略構成される。
図7に示す例の芳香消臭用品6は、詳細な図示を省略するが、エアゾール容器61が略円筒状に形成されており、容器本体61aの上部にバルブ62が備えられてなる。
【0076】
本実施形態の芳香消臭用品1は、芳香消臭剤12が、噴射剤等とともにエアゾール容器61に充填されており、バルブ62を押下げることにより、エアゾール容器61内に備えられるとともにバルブ62と連通して設けられるディップチューブ63を介して、芳香消臭剤12がバルブ62に設けられた噴出口62aから噴出される。
【0077】
前記芳香消臭剤とともに、エアゾール容器61内に充填される噴射剤としては、特に制限はなく、例えば プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、ジメチルエーテル、LPG等が挙げられ、このなかでもLPG、ジメチルエーテル、イソペンタンを用いることが好ましい。また、これらの噴射剤の内の1種を単独か、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、環境面及び安全面を考慮し、炭酸ガスや窒素ガス等を使用することもできる。
【0078】
本実施形態の芳香消臭用品6によれば、上述したような本発明に係る芳香消臭剤がエアゾール容器61に充填されてなるものなので、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを併せ持つとともに、簡便で安価な構成により、使い勝手の良いエアゾール型の芳香消臭用品6が得られる。
また、本実施形態の芳香消臭用品6は、上述の構成により、例えば、室内の空気を消臭する際に空気中に向けて噴射したり、消臭したい物品やペットに向けて噴射する等の形態で使用することができ、芳香消臭効果に優れるとともに、手軽に消臭処理を行うことが可能となる。
【0079】
以上説明したように、本発明に係る芳香消臭用品によれば、上記構成により、使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことが可能となる。これにより、優れた消臭効果と高品質な芳香効果とを併せ持つ芳香消臭用品が得られる。また、本発明に係る芳香消臭用品は、例えば、室内や冷蔵庫、靴箱等の消臭したい場所に設置することによって芳香処理を行うことができ、芳香消臭効果に優れるとともに、手軽に消臭処理を行うことが可能となる。
【0080】
本発明に係る芳香消臭用品は、例えば、生ごみ臭や動物臭等、一般的に室内に存在する如何なる悪臭成分に対しても消臭効果を発揮できるが、特に、ペットから発生する動物臭に対して、優れた消臭効果を発揮することができるとともに、上述した本発明の作用により、使用者が高い消臭効果感を得ることが可能になる。
【実施例】
【0081】
以下に、本発明の芳香消臭剤及び芳香消臭用品を実証するための実施例について説明するが、本発明は本実施例によって限定されるものではない。
【0082】
[実験例1]
本例では、以下に説明するような装置及び方法により、本発明の芳香消臭用品で用いられる光触媒用香料をなす香料素材の、香質の変化について評価した。
【0083】
(消臭体の作製)
まず、消臭体として、光触媒に酸化チタン粒子を用い、この酸化チタン粒子が多孔質のケイ酸塩に担持された光触媒複合基剤(酸化チタン/多孔質ケイ酸塩複合品:ライオン株式会社製;ライオナイトPC−301P)5gを、プリンタペーパー(キャノン製;EN−500:白色度約70%)111部、及び水2000部を離解機(熊谷理機工業株式会社製;パルプ離解機)に入れ、3000rpmにて約15分間運転して得られた解裁パルプ40.2g、及び水500gと混合し、超音波洗浄器(株式会社エスエヌデイ製US−3)で振動を10分問加えて均一に分散させた後、抄紙機(熊谷理機工業株式会社製TAPPI標準消臭抄紙機)にて直径16cmの円形に抄紙し、これを室温下で1日乾燥させて得られた光触媒担持紙を、一辺5cmの正方形に裁断したものを用いた。
【0084】
(評価方法)
まず、図8に示すような容量1.8Lのガラス瓶を用意し、このガラス瓶のキャップの中央部、及び中央部から周辺部に至る中間部に直径4mmの穴を開け、中央部に開けた穴には紫色LED(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)と接続した電気コードを通し、中央部から周辺部に至る中問部に開けた穴には光触媒用香料添加用パッキン(ジーエルサイエンス製「島津注入口パッキン標準型」)を取り付けた。さらに、電気コードに接続された紫色LEDの発光面と消臭体の表面との間の距離を40mmとして、ガラス瓶内に固定用ワイヤを用いて設置し、電気コードとキャップとの隙間を、シリコーンポリマー充てん材(コニシ株式会社製バスボンド水まわり用)を用いて塞ぎ、さらに、キャップとガラス瓶との隙聞を、ビニルテープ(幅19mm)を用いて塞いだ。そして、前記電気コードと47Ω固定抵抗、及び電池ボックス(単3アルカリ乾電池3本を直列接続で内蔵)に接続し、消臭体評価用装置を得た。
【0085】
評価にあたっては、上記消臭体評価用装置を用い、下記表1に示すような香料素材をマイクロシリンジにて100μL採取し、前記光触媒用香料添加用パッキンを通じてガラス瓶内に注入した。なお、香料素材が粉末、或いは高粘度のものである場合は、ベンジルベンゾエート、又はジプロピレングリコールで希釈して使用した。そして、10分間放置した後、前記電池ボックスのスイッチを入れてLEDに通電し、7時間経過後、ガラス瓶内の香質を官能評価することにより、香質の変化について判定した。
また、これとは別に、上述のような消臭体評価装置から消臭体を除いた条件とされた装置も用意し、同様に測定を行った。
【0086】
そして、評価パネラーは、専門評価パネルの男性5名、及び女性4名の計9名とし、以下に示す評価基準で香質変化の評点を判定した。また、本例では、消臭体にLED出射光を照射した後の香質変化評価において、平均値が4点以上のものを、香質変化が少なく常時一定の香質を保持できるものと判断した。
(1)評点5:LED照射前と同等の香質を有している。
(2)評点4:LED照射前と比べ、僅かに香質変化が認められる。
(3)評点3:LED照射前と比べ、やや香質変化が認められる。
(4)評点2:LED照射前と比べ、かなり香質変化が認められる。
(5)評点1:LED照射前と比べ、明らかに香質変化が認められる。
【0087】
上述のようにして評価した各香料素材、及び評価結果の一覧を表1に示す。
【0088】
【表1】

【0089】
(評価結果)
表1に示すように、本発明に係る芳香消臭用品において光触媒用香料に用いられる、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドの各香料素材は、LED出射光を消臭体に照射して光触媒を活性化させ、消臭作用を発現させて運転した後の、香質変化の評点の平均値が4点以上であり、その他の香料素材に比べて香質変化が非常に小さいことがわかる。
これにより、本発明の芳香消臭用品に用いられる香料素材が、光触媒を含有する消臭剤と併用した場合であっても、香質変化が小さく、常時一定の香質を保持することが可能であることが明らかである。
【0090】
[実験例2]
本例では、表1に示す香料素材を、下記表2に示す組み合わせで混合した点を除き、実験例1と同様にして、本発明の芳香消臭用品で用いられる光触媒用香料をなす香料素材の、香質の変化について評価した。
【0091】
(香料素材の混合調整)
まず、本発明に係る芳香消臭用品において光触媒用香料に用いられる、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドの各香料素材と、その他の香料素材とを、下記表2に示す混合比で混合調整し、実施例1〜5の光触媒用香料を得た。また、上述した本発明の光触媒用香料に用いられる香料以外の香料素材を、下記表2に示す混合比で混合調整し、比較例1〜3の香料組成物を得た。
【0092】
【表2】

【0093】
なお、混合調整する香料素材が粉末、或いは高粘度のものである場合には、ベンジルベンゾエート又はジプロピレングリコールで希釈して使用した。
【0094】
(評価方法)
実験例1で作製した消臭体評価装置と同様の装置を用い、また、実験例1と同じ評価パネラー(専門評価パネル:男性5名、及び女性4名の計9名)、及び同様の評価基準により、香質変化の評点を判定した。
【0095】
また、本例では、上記香質変化評価と同じ評価パネラーにより、以下の評価基準によって、香りの嗜好性について○×表記で判定した。なお、本例では、香りの嗜好性の評価が○以上の例について、芳香剤として求められる嗜好性の高い香りを有しているものと判断した。
(1)◎:評価パネル中7名以上が、芳香剤として求められる嗜好性の高い香りと判断した。
(2)○:評価パネル中5名以上7名未満が、芳香剤芳香剤として求められる嗜好性の高い香りと判断した。
(3)△:評価パネル中3名以上5名未満が、芳香剤として求められる嗜好性の高い香りと判断した。
(4)×:評価パネル中7名以上が、芳香剤として求められる嗜好性の高い香りを有していないと判断した。
【0096】
実験例2における、各実施例(実施例1〜5)、及び各比較例(比較例1〜3)の評価結果の一覧を表3に示す。
【0097】
【表3】

【0098】
(評価結果)
表2及び表3に示すように、本発明に係る芳香消臭用品において光触媒用香料に用いられる、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドの各香料素材が用いられた実施例1〜5においては、LED出射光を消臭体に照射して光触媒を活性化させ、消臭作用を発現させて運転した後の、香質変化の評点の平均値が何れも4点以上であり、香質変化が非常に小さく、常時一定の香質を保持できることが確認できた。また、香りの嗜好性の評価については、何れも◎、もしくは○の評価であり、芳香剤として求められる嗜好性の高い香りを有していることが確認できた。
【0099】
これに対し、本発明の光触媒用香料に用いられる上記素材以外の香料素材を用いて評価した比較例1〜3では、LED出射光を消臭体に照射して光触媒を活性化させ、消臭作用を発現させて運転した後の、香質変化の評点の平均値が何れも4点未満であり、香質変化が大きく、常時一定の香質を保持することが困難であることが確認された。また、香りの嗜好性の評価については、何れも×、もしくは△の評価であり、芳香剤として求められる嗜好性が劣っていることが確認された。
【0100】
以上の結果により、本発明の芳香消臭用品が、使用者の嗜好性に合わせた高品質で安定した芳香作用を有し、また、高効率で光触媒反応による消臭処理を行うことができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る芳香消臭用品の一例を模式的に説明する概略図であり、外観及び内部構造を示す部分破断図である。
【図2】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、外観及び内部構造を示す部分破断図である。
【図3】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、外観及び内部構造を示す部分破断図である。
【図4】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、外観及び内部構造を示す部分破断図である。
【図5】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、芳香消臭用品を筐体内に収納する形態を示す図である。
【図6】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、ファンが備えられた芳香消臭用品を示す図である。
【図7】本発明に係る芳香消臭用品の他例を模式的に説明する概略図であり、芳香消臭剤がエアゾール容器に充填された芳香消臭用品を示す図である。
【図8】本発明に係る芳香消臭用品の実施例を説明する概略図であり、消臭体評価用装置を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1、2、3、4、5、6、9…芳香消臭用品、11、21、31、41…容器、12…芳香消臭剤、13、33…芯体、14、34…揮散体、23、43…不織布、36、46…消臭体、32…光触媒用香料、42…光触媒用香料体、91…ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持されてなる消臭剤と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料とを含有する芳香消臭剤が容器中に充填されてなることを特徴とする芳香消臭用品。
【請求項2】
前記芳香消臭剤が充填された前記容器に挿通され、該容器中に充填された前記芳香消臭剤を吸液する芯体と、該芯体によって吸液された芳香消臭剤を容器の外部に拡散させる揮散体とが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の芳香消臭用品。
【請求項3】
前記芳香消臭剤には、前記光触媒用香料を担持させる香料担持体が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の芳香消臭用品。
【請求項4】
前記芳香消臭剤が充填された前記容器の少なくとも一部に開口孔が設けられ、該開口孔に不織布が張設されてなることを特徴とする請求項3に記載の芳香消臭用品。
【請求項5】
前記香料担持体が、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルであることを特徴とする請求項3又は4に記載の芳香消臭用品。
【請求項6】
前記香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体であることを特徴とする請求項3又は4に記載の芳香消臭用品。
【請求項7】
さらに、前記芳香消臭剤を送風によって揮散させるファンが備えられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の芳香消臭用品。
【請求項8】
紫外線領域の波長を有する光によって活性化される光触媒がアルミノ珪酸塩に担持された消臭剤が、紙、不織布、布、樹脂の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒担持体に担持されてなる消臭体と、リモネン、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘディオン、ガラキソリッドからなる香料素材の群の内、少なくとも何れか1種以上を含む光触媒用香料が充填された容器とからなることを特徴とする芳香消臭用品。
【請求項9】
前記光触媒用香料が充填された前記容器に挿通され、該容器中に充填された前記光触媒用香料を吸液する芯体と、該芯体によって吸液された光触媒用香料を容器の外部に拡散させる揮散体とが備えられていることを特徴とする請求項8に記載の芳香消臭用品。
【請求項10】
前記光触媒用香料が、香料担持体に担持されて前記容器に充填されていることを特徴とする請求項8に記載の芳香消臭用品。
【請求項11】
前記香料担持体に担持された光触媒用香料が充填された前記容器の少なくとも一部に開口孔が設けられ、該開口孔に不織布が張設されてなることを特徴とする請求項10に記載の芳香消臭用品。
【請求項12】
前記香料担持体が、水性ゲル、及び/又は、油性ゲルであることを特徴とする請求項10又は11に記載の芳香消臭用品。
【請求項13】
前記香料担持体が、無機多孔質体、及び/又は、有機多孔質体であることを特徴とする請求項10又は11に記載の芳香消臭用品。
【請求項14】
さらに、前記消臭剤及び/又は前記光触媒用香料を、送風によって揮散させるファンが備えられていることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の芳香消臭用品。
【請求項15】
請求項1に記載の芳香消臭剤がエアゾール容器に充填されてなることを特徴とする芳香消臭用品。
【請求項16】
前記光触媒用香料中における前記香料素材の総和が20〜60%の範囲とされていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の芳香消臭用品。
【請求項17】
前記光触媒用香料中における前記香料素材の総和が30〜50%の範囲とされていることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の芳香消臭用品。
【請求項18】
前記光触媒が、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、及びPb等の酸化物であるとともに、水に不溶であることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の芳香消臭用品。
【請求項19】
前記光触媒が、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項18に記載の芳香消臭用品。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−86641(P2008−86641A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272957(P2006−272957)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】