説明

苗移植機

【課題】上下多段に設けた予備苗載部に一つづつ予備苗を載置する作業は、非常に作業効率が悪く、また、この予備苗を載置する作業は苗移植作業を中断して行なうために、予備苗を載置する作業効率の悪さは苗移植作業全体の作業効率を悪くするものであった。
【解決手段】走行車体10に移植装置9と予備苗載装置50とを装着した苗移植機において、予備苗載装置50には複数の苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を載置する固定式載置台64と固定式載置台64の上方にリンク機構65にて上下動自在で上動位置及び下動位置で固定自在の上下可動式載置台66とを設け、該上下可動式載置台66には上下操作具67を設けると共に、該上下操作具67の近くに上下可動式載置台66の固定及び固定解除を操作する固定解除操作具73を設けた苗移植機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備苗載装置を備えた苗移植機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用型ポット苗田植機において、機体の前部左右に多段の予備苗載部を有する予備苗載装置を回転自在に設けたものがある。
【特許文献1】特開平9−238515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公報に示される予備苗載装置は、予備苗の載置及び取出しが容易に行なえるように回転自在に設けられているが、上下多段に設けた予備苗載部に一つづつ予備苗を載置する作業は、非常に作業効率が悪く、また、この予備苗を載置する作業は苗移植作業を中断して行なうために、予備苗を載置する作業効率の悪さは苗移植作業全体の作業効率を悪くするものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、走行車体10に移植装置9と予備苗載装置50とを装着した苗移植機において、予備苗載装置50には複数の苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を載置する固定式載置台64と固定式載置台64の上方にリンク機構65にて上下動自在で上動位置及び下動位置で固定自在の上下可動式載置台66とを設け、該上下可動式載置台66には上下操作具67を設けると共に、該上下操作具67の近くに上下可動式載置台66の固定及び固定解除を操作する固定解除操作具73を設けた苗移植機としたものである。
【0005】
従って、上動位置で固定されている上下可動式載置台66の上下操作具67を握って、近くにある固定解除操作具73にて固定を解除操作して、上下可動式載置台66を下動させた後に、固定解除操作具73にて下動位置で固定する。そして、育苗した複数の苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を上下可動式載置台66に載置する。その後、再び、上下操作具67を握って、近くにある固定解除操作具73にて固定を解除操作して、上下可動式載置台66を上動させた後に、固定解除操作具73にて上動位置で固定する。次に、苗箱保持枠51を載置した上下可動式載置台66の下方の固定式載置台64に育苗した複数の苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を載置する。
【0006】
この時、上下可動式載置台66には上下操作具67が設けられており、作業者は、上下操作具67を握って上下可動式載置台66を上下動させる構成となっているが、上下操作具67の近くに上下可動式載置台66の固定及び固定解除を操作する固定解除操作具73が設けられているので、作業者は片手で上下操作具67を握った状態でその握った手もしくは他方の手で固定解除操作具73を操作でき、容易に且つ効率よく上下可動式載置台66の上下動及び固定操作を行なうことができる。従って、苗補給作業及び苗供給作業が効率よく行なえて、苗移植作業全体の作業時間も短縮でき、苗移植作業効率が向上する。
【0007】
また、複数の苗箱Cを収容できる苗箱保持枠51を使用することにより、苗移植機への苗箱Cの供給は苗箱保持枠51単位の複数一度に行えるので、苗移植機1への苗供給作業が容易に且つ効率よく行える。
【0008】
請求項2記載の発明は、上下可動式載置台66を上動した位置で固定したときは、上下可動式載置台66は内側が低く傾斜した状態となり、上下可動式載置台66を下動した位置で固定したときは、略水平の状態になる請求項1記載の苗移植機としたものである。
【0009】
従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、苗箱保持枠51を載置した上下可動式載置台66を上動した位置で固定したときは、上下可動式載置台66は内側が低く傾斜した状態となるので、苗箱保持枠51は内側が低く傾斜した状態で載置されており、苗箱Cが抜け落ちることが防止されて適正に効率よく移植作業が行なえる。また、上下可動式載置台66を下動した位置で固定したときは、上下可動式載置台66は略水平の状態となるので、苗箱保持枠51を上下可動式載置台66に載置する作業が容易に行なえて、作業性が良い。
【発明の効果】
【0010】
上記のように苗移植機を構成することにより、苗移植機の予備苗載装置50への苗供給作業が容易に且つ効率よく行なえて、苗移植作業全体の作業効率が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施例としての玉ねぎの苗の苗移植機を以下に説明する。まず、玉ねぎの苗は、以下のような苗箱Cにて育苗する。苗箱Cは、図1に示すように、小さなポット状のセル1を多数縦横に整列した状態で形成したものとしている。各セル1の底部1aにはその中心部の丸孔1bから放射状に3本の切れ目1c…を形成し、各切れ目1c…の先端部に内径の異なる丸孔1d・1d’・1d”を各々形成している。そして、その3つの丸孔1d・1d’・1d”の内径は、1d=1.8mm,1d’=2.0mm,1d”=2.5mmである。また、一番大きい内径の丸孔1d”は、底部1aから側部1eにかかるアール部に形成されており、他の丸孔1d・1d’は、底部1aの平面部に形成されている。
【0012】
底部1aから上側の側部1eが互いに独立し、一方、各セル1の開口部1fは隣接するセルの開口部1fと連結し、苗箱全体の外周縁が平面視長方形となるように形成している。苗箱Cの長手方向に沿う左右の縁部には、セル1の長手方向のピッチに合わせてセル1を一列づつ移送するための苗箱送り用角孔2を設けている。また、この苗箱Cは、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体的に成型して可とう性を有するものとなっている。このため、苗箱Cを移送するとき屈曲して移送可能となる。そして、図2に示すように、上記のような苗箱Cの各セル1内に床土3を詰めて種子4をまき更にその上に覆土して播種を行い、それを育苗ハウス内などの育苗圃場5上に置いて育苗する。適宜育苗することで、各セル1では、種子4から芽が出て上方に茎葉部6が伸び、一方、根7がセル1内の床土3内を下方に向かって側部1e内壁に沿って渦巻状に伸び、更に、底部1aから側部1eにかかるアール部にある一番大きい内径の丸孔1d”を抜けて育苗圃場5の土中にも伸びていく。この根7が伸びる過程で、根7は、側部1e内壁に沿って渦巻状に伸び内壁にガイドされた状態で底部1aから側部1eにかかるアール部にある一番大きい内径の丸孔1d”に誘導されて、セル1の外側に良好に伸びだし、育苗圃場5の土中に伸びていくので、苗は良好に成育して、各セル1の苗は全て発育不良を起こすことなく、優れた苗に生育して、機械移植に適した苗を得ることができる。
【0013】
また、3つの丸孔1d・1d’・1d”の内径は、大中小の3種類にしたから、上述のとおり、根7が伸びる過程で、根7は、側部1e内壁に沿って渦巻状に伸び内壁にガイドされた状態で底部1aから側部1eにかかるアール部にある一番大きい内径の丸孔1d”に誘導されて、セル1の外側に良好に伸びだし、育苗圃場5の土中に伸びていくと共に、中小の2つの丸孔1d・1d’からも少しの根が育苗圃場5の土中に伸びだして、生育を助長する。このように、根が、セル1の大中小の3つの丸孔1d・1d’・1d”から育苗圃場5の土中に適切に伸びだすので(中央の丸孔1bからも少し伸びだす)、苗は育苗圃場5の土中の養分を吸収して良好に成育し、各セル1の苗は全て発育不良を起こすことなく、優れた苗に生育して、機械移植に適した苗を得ることができる。また、太い根が育苗圃場5の土中に伸びだす内径の大きい丸孔1d”は1つなので、生育後に苗箱Cを育苗圃場5から容易に剥がし取ることができ、作業性が良い。
【0014】
尚、ここで、図5に基づいて、播種機Aの構成について述べておく。
苗箱Cを移送する移送コンベアB1,B2,B3,B4は、それぞれ電動モータM1,M2,M3,M4により駆動回転される構成としている。施肥装置Dは、肥料ホッパーD1と肥料繰出部D2からなり、肥料繰出部D2には、肥料ホッパーD1内の粒状肥料を係合する凹部を回転方向に多数設けたロール状の施肥ロールと、該施肥ロールを駆動回転する電動モータを備えていて、粒状肥料が下方を移送される苗箱Cの各セル1…に対して設定粒数づつ落下するように施肥ロールが駆動回転される。
【0015】
床材供給装置Eは、床土ホッパ−E1とベルト式の床土繰出部E2からなる。床土繰出部E2は、電動モーターE3により回転駆動されるローラーE4と従動ローラーE5とにベルトE6が掛けられ、そのベルトE6の回転により上部の床土ホッパーE1内の床土を定量づつ繰出し、この装置Eの下をくぐるように移送される苗箱C内にその床土が供給されていく。
【0016】
鎮圧・均平装置Fは、鎮圧ローラーF1・F1が移送されてくる苗箱Cを上から押圧するように取り付けられ、その下手側に均平ブラシF2が前記モーターM1から伝動されて駆動回転するように設けられている。これにより、床材供給装置Eで苗箱C内に詰め込まれた床土が、鎮圧され所定の高さに均平にされていく。
【0017】
施薬装置Gは、薬剤ホッパーG1と薬剤繰出部G2からなり、薬剤繰出部G2には、薬剤ホッパーG1内の薬剤を係合する凹部を回転方向に多数設けたロール状の薬剤ロールと、該薬剤ロールを駆動回転する電動モータを備えていて、薬剤が下方を移送される苗箱Cの各セル1…に対して設定量づつ落下するように薬剤ロールが駆動回転される。
【0018】
玉ねぎ播種装置Hは、横方向一列の各セル1にコーティングされた玉ねぎの種子4を一粒づつ吸引して放出する行程を繰返して播種していく周知の真空吸着式の播種装置である。
【0019】
覆土装置Iは、覆土ホッパーI1とベルト式の覆土繰出部I2からなる。覆土繰出部I2は、モーターI3により回転駆動されるローラーI4と従動ローラーI5とにベルトI6が掛けられ、そのベルトI6の回転により上部の覆土ホッパーI1内の覆土用の土を定量づつ繰出し、この装置Iの下をくぐるように移送される苗箱Cの各セル1内に覆土していく。
【0020】
灌水装置Jは、ポンプJ1で灌水パイプJ2に水が送られてそのパイプ下側に開けられた複数の散水孔から下方へ霧状に散水するように設けていて、苗箱Cの各セル1内の土に均一に灌水する。
【0021】
即ち、播種機Aの移送方向初端側に載置された苗箱Cは、電動モータM1,M2,M3,M4により駆動回転される移送コンベアB1,B2,B3,B4により搬送されて、先ず、施肥装置Dにより粒状肥料が各セル1内に入れられ、次に、床材供給装置Eにより床土が供給され、次に、鎮圧・均平装置Fにより床土が鎮圧され所定の高さに均平にされる。そして、施薬装置Gにより各セル1内に薬剤が入れられた後に、玉ねぎ播種装置Hにより播種されて、覆土装置Iにより各セル1内に覆土を供給する。最後に、灌水装置Jにより灌水されて播種作業が終わる。
【0022】
従って、図6に示すように、セル1内には肥料・床土・薬剤・種子・覆土の順に供給されるので、上方から灌水した場合に、種子の下方に薬剤があるので、種子が溶け出した薬剤を直接被ることが防止されて、薬害防止となり、良好な発芽及び苗の生育が行なわれ、良い品質の苗を得ることができる(セル1内に肥料・床土・種子・薬剤・覆土の順に供給すると、灌水時に、種子の上に薬剤があるので、溶け出した薬剤を種子がまともに被ってしまって、薬害を起こす恐れがある)。
【0023】
また、床材供給装置を2台用いて、施肥装置D・第1床材供給装置E’・施薬装置G・第2床材供給装置E”・玉ねぎ播種装置H・覆土装置I・灌水装置Jの順に設ければ、図7に示すように、セル1内には肥料・床土・薬剤・床土・種子・覆土の順に供給されるので、上方から灌水した場合に、種子が溶け出した薬剤を直接被ることが全く無くなり、更に薬害防止となり、良好な発芽及び苗の生育が行なわれ、良い品質の苗を得ることができる。
【0024】
尚、上記実施例は、玉ねぎの播種機について説明したが、水稲用の播種機に適用しても良いことは謂うまでもない。即ち、玉ねぎ播種装置Hに代えて一般的な籾播種装置を設ければ良い。
【0025】
このようにして育苗した苗を、以下に述べる苗移植機8に苗箱Cごと供給して畑圃場に移植する。なお、以下、苗の符号はNと記し、苗の根がはる床土部分である床部の符号はNa、苗の茎葉部の符号はNbと記す。
【0026】
苗移植機8は、図8に示すように、移植装置9を走行車体10に装着した構成として、該走行車体10により自走しながら移植装置9が圃場に苗Nを移植していくようになっている。走行車体10は、所謂農用トラクタといわれるもので、左右一対の駆動回転する前輪11・11と左右一対の駆動回転する後輪12・12を備え、操縦者が座る座席13と、該座席13の前方に配置されて操縦者が走行車体10の進行方向を変更操作するために左右一対の前輪11・11を左右に変向操作する操縦ハンドル14を備えている。また、車体後部に油圧駆動にて上下回動するリフトアーム15により昇降動する三点リンク機構16を備え、該三点リンク機構16にて移植装置9を昇降動可能に装着している。
【0027】
また、移植装置9は、苗箱Cを収容して苗取出し手段PUに向けて搬送する苗箱供給手段17と、該苗箱供給手段17が供給する苗箱Cの各セル1から順次苗Nを取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUが取出した苗Nを一つ一つ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設けた構成としている。したがって、上記のごとく各セル1で育成した苗Nを有する苗箱Cを苗箱供給手段17に装填すれば、苗箱Cの各セル1の苗Nは苗取出し手段PUによって順次自動的に苗Nが取出されていって、そして、その取出された苗Nは苗植付け手段PTによって一つ一つ畑圃場に植付けられていく。移植装置9の各手段は、具体的には、以下のように構成する。
【0028】
苗箱供給手段17は、具体的には、機体側面視で走行車体10の座席13の後側近傍に配置され走行車体10に搭乗した作業者が苗箱Cを装填する個所となる苗箱装填部17aと、該苗箱装填部17aに装填された苗箱Cを、後下がりに苗箱Cを搬送し、続いて屈曲搬送し、更に、苗取出し手段PUによる苗取出し位置p1に向けて下方に搬送する苗箱供給搬送部17bと、該苗箱供給搬送部17bにより搬送され苗取出し手段PUにより苗が取出されて空になった苗箱CをU字状に屈曲搬送し、更に苗箱装填部17aの下方位置に向けて上方に搬送する空箱搬送部17cを設けた構成としている。苗箱装填部17aに装填される苗箱Cは、その苗箱Cの長手方向が前後方向に向く姿勢で、しかも、上面側(セル1の開口部1d側)が上方に向く姿勢で装填される。したがって、装填された苗箱Cはその苗箱Cの長手方向に搬送されるものとなり、また、装填された苗箱Cの各セル1に収容された苗Nは、苗箱装填部17aでは葉茎部Nbが上方に向って伸びる姿勢となり、苗取出し位置p1では葉茎部Nbが後方に向って伸び且つ床部Naが葉茎部Nbに対して前側に位置する姿勢となるように搬送される。また、この苗箱供給手段17には、空箱搬送部17cにより搬送されてその搬送端部から排出される空の苗箱Cを受けて収容する空箱収容部17dを設けたものとしている。図中の符号18で示したものは、苗箱供給手段17を支持する支持フレームであり、該支持フレーム18は、その基部が、三点リンク機構16と連結する連結フレーム19に固定される部材に連結し固定され、そこから上側部分が苗箱供給搬送部17bと空箱搬送部17cとの間を上方に伸びて苗箱供給手段17の上部側を支持する構成としている。
【0029】
苗取出し手段PUは、苗をセル1の底部1a側から押出して取出す構成としている。具体的には、棒状に設けた苗押出し用のピン20を、苗箱供給手段17の下側のU字状搬送部分の中にあってピン20の先端部分が後方に向かうように配置し、ピン20の先端部が後方に向かって突出し又前方に向かって引っ込むよう適宜タイミングで往復動するように設けている。これにより、苗押出しピン20が、苗取出し位置p1まで供給された苗箱Cのセル1の底部1a側からその底部1aに設けた底孔1b内に突入してセル1内の床部Naを後方に押し出して、苗Nをセル1から後方に取出すようになっている。
【0030】
また、この苗取出し手段PUは、苗Nを列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す構成としている。即ち、苗取出し位置p1に供給されてきた苗箱Cの左右横一列(苗箱Cの短手方向)のセル1…のそれぞれに対応して前記の苗押出し用のピン20を横並びに複数設けて、苗取出し位置p1の横一列の苗を同時に押し出して取出すように設けている。なお、該苗取出し手段PUにより取出した複数の苗N…は、苗供給手段NTによって順次一つづつ苗植付け手段PTに供給する構成とする。
【0031】
苗植付け手段PTは、棒状の苗植付け体pに苗Nを当てて(具体的には、苗Nの床部Naに直接移動作用を与えて)畑地の移植圃場PGの土中に移動し植え付けるよう構成したものである。苗植付け手段PTの具体的な駆動構成は以下のようになっている。まず、走行車体10の後部に突出させたPTO軸から自在継手を備えた伝動軸を介して移植装置9の前記連結フレーム19に設けた伝動ケース内に入力され、該伝動ケース内の伝動機構を介して苗箱供給手段17の下部の下方近傍に配置された伝動ケース20内の機体左右方向に長い伝動軸21に伝動し、該伝動ケース20から後方にのびるように設けた複数の副伝動ケース22内の伝動機構を介して前記伝動軸21から副伝動ケース22の後部の側方に向けて突出する植付駆動軸23に伝動する。この植付駆動軸23に該植付駆動軸23によって回転する円盤状の回転ケース24を取付け、該回転ケース24の回転外周側付近の側部にあって回転中心に対し互いに180度離れた2箇所から側方に突出させた苗植付け体回転軸25・25のそれぞれに、棒状に形成した前記苗植付け体p・pを一体回転するように取付けている。苗植付け体回転軸25・25は、回転ケース24が植付駆動軸23によって回転するのに伴って動作する回転ケース24内のカムやギヤを用いた伝動機構を介して回動するようにして、苗植付け体p・pの先端部が設定した軌跡p2を描くように設けている。
【0032】
苗植付け体p・pは、苗植付け体pが苗に直接移動作用を与えて移植圃場PGの土壌中まで苗を移動する間は、回転ケース24の回転中心からの放射方向に向かう姿勢となるようにし、そして、苗植付け体pの先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んだ状態では略直立姿勢となって、棒状の苗植付け体pに棒状の苗Nが添う状態で、且つ苗Nの床部Naが苗植付け体pの先端部側で、葉茎部Nbが苗植付け体pの基部側となる姿勢で移動された苗Nを、移植圃場PGに直立姿勢に植付けることになる。そして、苗植付け体pは、その先端部が軌跡p2の最下端位置を通過すると、回転ケース24が回転しても苗植付け体pはできるだけ土壌面に対して略直立姿勢を維持するように苗植付け体pを回転ケース24に対して回動させる。これにより、植付け直後に苗植付け体pが土壌に植付けた苗Nを後方に蹴り出すことがなくなる。苗植付け体pの先端部が、土壌面上方に上昇し、しかも機体の前進によって植付けた苗Nから前方にある程度離れたら、回転ケース24の回転中心からの放射方向に向かう姿勢に戻るよう回転ケース24の回転にともない苗植付け体pを回転ケース24に対して回動させる。なお、この苗植付け手段PTに対し、その前方位置に、苗Nの床部Naが前側で葉茎部Nbが後側で前後に水平状に横たわる姿勢で前記苗取出し手段PUによって取出された苗Nを供給する。このように供給された苗Nに対して苗植付け体pが上方から下方に回動していって、苗Nの床部Naに対して苗植付け体pが直接作用して移植圃場PGの土壌中へ移動させる。
【0033】
また、苗植付け手段PTの苗植付け体p・pは、前記のように前後水平状に横たわる姿勢の苗Nを、弧を描くような軌跡で移動させて、移植圃場PGの土壌に至ったとき苗Nが直立した姿勢となるように移動させる。このように苗植付け体p・pが苗Nを弧を描く軌跡で移動させるために、その苗植付け体p・pの軌跡p2の左右に位置してまたその軌跡p2に沿って下方にのびる苗ガイド体26を設けている。この苗ガイド体26は、左右のガイド板26a・26aを、苗植付け体p・pの左右巾より広く、且つ、苗Nの床部Naの左右巾より若干狭い間隔をあけて配置し、且つ、前後水平状に横たわる姿勢で苗Nが供給される位置から移植圃場PGの土壌表面上方近傍まで軌跡p2に沿って下方にのび、この左右のガイド板26a・26aの間を苗植付け体p・pが通過していくように設けている。そして、左右のガイド板26a・26aを拡張可能に設けると共に、その拡張時に左右のガイド板26a・26aを狭める方向に付勢するスプリング等の付勢体26bを設けている。これにより、苗植付け体pが苗Nの床部Naを後押しするようにして苗Nを移植圃場PGに移動させるときに、左右の苗ガイド板26a・26aが付勢体26bの付勢を受けて苗Nの床部Naを弾性的に挟み込むように作用するものとなる。よって、苗Nは、苗植付け体pによって下方に叩き落されることなく、左右の苗ガイド板26a・26a内を前後水平状の姿勢から上下に直立する姿勢に向けて姿勢変化しながら、苗植付け体pとともに弧を描くように移動していくことになる。
【0034】
そして、本件発明により、この苗移植機8は、以下のような鎮圧装置27を備える。即ち、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aが一の鎮圧対象個所の土に対して複数回押圧するよう上下動する構成とする。これにより、充分な鎮圧が行えて土質等による鎮圧不良が生じにくく、しかも、鎮圧作用部を大きくしなくてもそれが可能になり機体の小型化も図れる。
【0035】
また、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aを板状に設けることで、更なる機体の小型化が図れるものとなり、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aが一の鎮圧対象個所の土に対して押圧する回数を調節可能に設けることで、土質等に応じて適当な鎮圧状態になるよう適宜調節できるものとなる。
【0036】
更に、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aが圃場面に接地しながら上下動する構成とする。これにより、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aの上下動幅を小さく設定できて機体の小型化が更に図れ、また、鎮圧作用部29aの上下振動数を大きくすることが容易に行えて、鎮圧作用の調節範囲を拡大し圃場適用性の向上が容易に図れる。
【0037】
そして、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aを接地状態を維持するように上下動可能に設け、該鎮圧作用部或はそれとともに上下動する部材に鎮圧作用部を上下動させる振動装置の振動駆動部を取付けるものとする。これにより、圃場面の凹凸等により鎮圧作用部29aの支持高さが上下に変動しても、鎮圧作用部29aは圃場面への接地状態を維持するように上下動でき、しかも、そのように鎮圧作用部29aが上下動しても、振動装置の振動駆動部が鎮圧作用部或はそれとともに上下動する部材に取付けているので、鎮圧作用部29aの上下の振幅は変わらず、鎮圧作用は均等に継続でき、よって、更に良好な鎮圧が行える。
【0038】
また、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aは、苗植付け位置p3の左右両側近傍に位置して圃場面に接地しているので、以下に述べる効果がある。即ち、苗が移植圃場PGの土壌中まで移動する間に苗植付け体pと苗の床材2部分とが互いに密着状態となるが、このとき、床材2部分が湿っていたり、床材2部分をその崩れ防止のために粘結剤で予め固めていたりしていると、苗の床材2部分が苗植付け体pに粘着してしまうことがある。すると、苗植付け体pが、その先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んで苗を移植圃場PGの土壌に直立姿勢に植付けた後、移植圃場PGの土壌中から上方に抜け出ていくとき、苗も一緒に上昇してしまって、せっかく土中に植付けた苗が持ち上げられて適正な姿勢に植付けられないことが生じる。しかし、前記のように鎮圧作用部29aが、苗植付け位置p3の左右両側近傍に位置して圃場面に接地して上下動する構成としていることにより、苗植付け体pが苗植付け位置p3から上昇しようとするときに、植付けられた苗は、左右の鎮圧作用部29a・29aによって上から押え付けられた土によって苗植付け体pとともに上昇しようとするのが引き止められ、上記のような問題が解消される。
【0039】
鎮圧装置27の具体的な構成は、図9、図10に示すようなものとしている。即ち、まず、副伝動ケース22の前側下部に回動自在に設けた横軸28の一側部に、全体が下方に湾曲し後部側が左右に分かれて二股状に形成された鎮圧プレート29を一体的に取付ける。この鎮圧プレート29の後部側は、苗植付け位置p3の左右両側近傍で苗植付け位置p3の前後にわたって接地する板状の鎮圧作用部29a・29aとなる。また、横軸28の他側部に、作動アーム30を一体的に取付け、作動アーム30と鎮圧プレート29とが一体的に横軸28回りに回動するように設けている。更に、作動アーム30には、鎮圧作用部29a・29aが土壌面から上方に離れるよう回動する方向に付勢するスプリング等の付勢体31を取付けている。そして、この作動アーム30は、前記伝動ケース20の側部から突出させた前記伝動軸21に一体回動するよう取付けた振動駆動部32の回転外周面に付勢体31に付勢されて接当するように設けている。振動駆動部32は、円盤状部材の外周にベアリング32aを複数個(本例では8個)等間隔で取付けたものとし、伝動軸21が駆動回転されて苗植付け手段PTが駆動されるとともに、この振動駆動部32が回転して一つのベアリング32aに接当するたびに作動アーム30が揺動して鎮圧プレート29が揺動し鎮圧作用部29a・29aが上下動するようになっている。そして、鎮圧作用部29a・29aの上下動は、回転ケース24が1/2回転(半回転)して一つの苗植付け体pが苗植付け動作する1植付けサイクルの間に複数回、具体的に本例では4回、上下動するように設けている。これにより、機体が前進しながらも、鎮圧作用部29aの下動によって押圧された土壌の前側部分が次の鎮圧作用部29aの下動時に再び押圧されるようになり、従って、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aが一の鎮圧対象個所の土に対して複数回押圧するよう上下動するものとなる。なお、振動駆動部32は、前記伝動軸21であって植付け株間変速部(図示省略)の伝動下手側の伝動軸に連動して回転するものとしているから、作業速度を変更したり苗植付け株間を変更しても、苗植付け体pの1植付けサイクルにおける鎮圧作用部29aの設定した上下動回数は変動しない。よって、鎮圧作用部29aを苗植付け体pの駆動系から取出した動力を用いて動作する構成として鎮圧作用部29aの駆動構成が容易になるとともに、苗植付け株間を変更しても鎮圧状態が変わらず良好な鎮圧が行える。また、図示はしていないが、伝動軸21から変速操作可能な変速部を介して振動駆動部32の回転軸に伝動する構成として、鎮圧装置27の鎮圧作用部29aが一の鎮圧対象個所の土に対して押圧する回数を調節可能に設けることができる。更に、移植装置9の移植圃場面に対して適宜高さに設定或は制御して上記鎮圧作用部29aが圃場面に常時接地するようにして作業するものとし、これにより、鎮圧作用部29aは圃場面に接地しながら小さく上下振動して鎮圧していくものとする。
【0040】
また、上記の構成に換えて図11或は図12に示すようなものとすることができる。即ち、図11に示すように、上例の振動駆動体32に換えて、電動式の振動駆動体32Aによって鎮圧作用部29aを上下動させる構成とすることができる。また、作動アーム30に取付けるスプリング等の付勢体31aは、鎮圧作用部29aが下動する方向に付勢するよう取付けていて、圃場面の凹凸等により鎮圧作用部29aの支持高さが上下に変動しても、鎮圧作用部29aは接地状態を維持するように上下動できるものとなる。更に、当該鎮圧作用部或はそれとともに上下動する部材に前記振動駆動部32aを取付ける。本例では、作動アーム30に取付ける。これにより、鎮圧作用部29aが圃場面への接地状態を維持するよう上下動しても、鎮圧作用部29aの上下の振幅は変わらず、鎮圧作用は均等に継続できるものとなる。なお、鎮圧作用部29aが設定下限位置よりも下動しないように規制する規制体を設けて、非作業時に移植装置9を上昇させたときに鎮圧作用部29aが下方に大きく垂れ下がって機体移動時の邪魔にならないようにする。
【0041】
図12に示した例において、上記図11に示した例と異なる点は、鎮圧プレート29に換えて、横軸28に苗植付け位置p3を左右間に挟むようにして苗植付け位置p3の後方へ水平状にのびる2つの支持フレーム29A・29Aを一体的に取付け、その支持フレーム29A・29Aの後端部に、それぞれ回転自在の輪体で構成した鎮圧作用部である鎮圧輪29Aa・29Aaを取付けている。これにより、マルチフィルムで覆った移植圃場PGで作業する場合、鎮圧輪29Aa・29Aaが常時接地していても該鎮圧輪29Aa・29Aaは転動していくのでマルチフィルムを引き破ったりすることが生じにくくなり、よって、マルチフィルムで覆った移植圃場PGでの鎮圧も良好に行えるようになる。
【0042】
また、図11に示す例のように設けた電動式の振動駆動体32Aを、制御装置CTLによってその振動を容易に制御できるものとしている。具体的には、苗植付け手段PTへの伝動を入り切りする操作具L1を苗植付け手段PTへの伝動を入りに(伝動状態となるように)切換え操作したのを検出して振動駆動体32Aが振動停止状態から振動状態に切換わるように構成する。これにより、非作業時に不要な振動駆動体32Aの振動を自動的に停止できて、非作業時における機械の振動の増大を抑制し、機械の寿命短縮を防止できる。また、例えばダイヤル式の振動数設定操作具L2を設けて苗植付け体pの1植付けサイクルあたりの振動駆動体32Aの振動数を任意に設定でき、最適な鎮圧状態になるよう細やかに調節できるものとなる。また、苗植付け体pの回転数に比例して振動駆動体32Aの振動数を変動させて苗植付け体pの1植付けサイクルあたりの振動駆動体32Aの振動数が設定した振動数となるように制御する構成とする。具体的な例としては、図示のように苗植付け体pを駆動する前記伝動軸21の回転数を検出する回転センサS1を設け、該回転センサS1の検出値を制御装置CTLに入力して振動駆動体32Aの振動数を適宜制御する構成とする。よって、作業速度を変更したり苗植付け株間を変更しても、苗植付け体pの1植付けサイクルにおける鎮圧作用部29Aa・29Aaの上下動回数は変動せず、均等な鎮圧が継続できる。
【0043】
ところで、この移植機8は、苗植付け体pの先端部の軌跡p2の前側下半分の軌跡に対して前方の土中に潜り込んで土をほぐす土ほぐし体33を備える。この土ほぐし体33は、棒状の苗植付け体pの先端側部分の左右幅より若干幅広にした板状部材で構成しており、苗植付け位置p3の前方の土壌中に潜り込んで前進すると、この土ほぐし体33の後方にほぐされた土が直ぐにまわりこんできて、その土ほぐし体33によりほぐされた該土ほぐし体33の後方にまわりこんだ土gの中に苗植付け体pが突入していくようになっている。
【0044】
したがって、この移植機8は、図13に示すように、棒状の苗植付け体pに苗Nを当てて畑地の移植圃場PGの土中に移動し植え付けるよう構成した苗植付け手段PTを備えるとともに、前記苗植付け体pの苗移動時の軌跡に対して前方の土中に潜り込んで土をほぐす土ほぐし体33を設けて、該土ほぐし体33によりほぐされた土gの中に前記苗植付け体pが突入して苗Nを植え付けるように構成したものである。ゆえに、棒状の苗植付け体pは該苗植付け体pに苗Nを当てて畑地の移植圃場PGに移動し、土ほぐし体33は苗植付け体pの苗移動時の軌跡に対して前方の土中に潜り込んで土をほぐす。そして、土ほぐし体33によりほぐされた土gの中に苗植付け体pが突入して苗Nを植え付ける。よって、苗植付け体pに当てられて移動する苗Nは、土ほぐし体33によりほぐされた土gの中に突入し、このときに受ける抵抗で苗Nが棒状の苗植付け体pに適度に押し当てられながら移動することになり、従って、苗Nが棒状の苗植付け体pに弾かれたりして離れてしまうようなことは生じにくくなって適正な姿勢に植え付けられる。なお、棒状の苗植付け体pによって苗Nを土中に移動し直立姿勢になったら、苗Nから離れて土中から上方に抜け出ていくが、このとき苗植付け体pは棒状であるため土中からの抜け跡は小さくて直ぐに埋まってしまうので、植付けた苗Nが姿勢を大きく乱すことは生じ難い。以上のように、苗植付け手段PTは、棒状の苗植付け体pによって苗Nを移植圃場PGに移動し植え付けるという簡略な構成となって容易に高速植付け動作できるものとなり、しかも、その苗植付け体pが土ほぐし体33によりほぐされた土gの中に突入して苗Nを植え付ける構成となって、植付け姿勢が乱れが生じにくいものとなり、よって、高速で且つ適正な姿勢で苗を移植できる苗移植機が得られる。
【0045】
また、苗植付け体pが苗Nを土中まで移動する間に、苗Nに接触して苗Nの移動に抵抗を付与し且つ苗Nの移動を案内する苗ガイド体26を設けたものとしている。従って、苗Nを土中まで移動する間は苗ガイド体26を通過するようになって、ここで苗Nは抵抗を受けて棒状の苗植付け体pに適度に押し当てられながら移動することになり、よって、このときの移動時にあっても苗Nが棒状の苗植付け体pに弾かれたりして離れてしまうことを生じにくくなって、更に適正な姿勢で苗を移植できるようになる。
【0046】
この土ほぐし体33は、前後位置調節可能に取付けている。これにより、土質によって土ほぐし体33の後方への土のまわりこみが良好に行われない場合に、土ほぐし体33を適宜前後位置調節して、苗植付け体pが土ほぐし体33によってほぐされた土の中に適確に突入するようにして良好な姿勢に苗の植付けができるよう調節できる。具体的な取付け構成は、適宜構成できるが、本例では、土ほぐし体33の上部に前方にのびる取付け軸33aを固定し、その取付け軸33aを伝動ケース20の下部に固定の取付け筒33bに挿入し、取付け筒33bの側部に設けた孔と取付け軸33aの側部で前後方向に複数設けた孔33c…の一つを位置合わせし双方の孔を貫通するようにボルト33dを取付けて固定するものとしている。そして、取付け軸33aの位置を前後にずらして別の孔33cにボルト33dを貫通させれば、土ほぐし体33の前後位置を変えて取付けられる。
【0047】
なお、土ほぐし体33は、側面視で、苗植付け体pの先端部の軌跡p2の前側下半分の軌跡の外側近傍で該軌跡に沿うように湾曲するナタ状の形状としているので、土ほぐし体33の土中への潜り込み時及び土ほぐし体33の土中での前進時における抵抗ができるだけ小さくなるようにしている。
【0048】
前記苗供給手段NTは、具体的には、左右両端側に駆動回転するよう設けた駆動ローラ34・34と左右中央側に回転自在に設けた従動ローラ35・35と両ローラ34・34,35・35に巻き掛けた苗供給ベルト36・36とを備えた構成としている。これにより、前記苗取出し手段PUにより取出されて左右横一列に列状に並んだ状態の複数個の苗N…を左右に並設された左右の搬送ベルト36・36の上に載せ、そして、横一列の苗N…の左半分を左側の搬送ベルト36の駆動回転で左方に搬送し、右半分を右側の搬送ベルト36の駆動回転で右方に搬送し、左右の駆動ローラ34・34の左右外側方に設けた各苗ガイド体26の左右ガイド板26a・26aの上端部側(苗供給部26c・26c)に、苗Nの床部Naを一つづつ供給する。このようにして一つづつ供給された苗Nを左右の各苗供給部26c・26cに対応してそれぞれ設けた左右の苗植付け手段PT・PTの苗植付け体p・pが、供給されてきた苗N・Nに向かって上方から移動してきて、苗Nの床部Naを左右ガイド板26a・26aの間を通過させながら移植圃場PGの土壌中に移動させて苗を植付けていくものとなる。なお、苗供給ベルト36の外周面の前端部側には、ベルト回転方向に設定間隔で突起36aを設けていて、該突起36aの左右間のベルト上面に苗Nの床部Naが一つづつ載せられるようになっていて、これにより苗供給ベルト36の上面に載せた苗を適確に一つづつ苗供給部26cに供給できるものとなっている。
【0049】
ところで、苗取出し手段PUにより取出した苗Nが苗供給手段NTの苗供給ベルト36・36上に直接載るように設ける構成もあるが、この実施例では、苗供給手段NTが苗箱供給手段17の下方に入り込むように配置し、そのように配置した苗供給手段NTに苗取出し手段PUにより取出した苗N…を移送する苗移送手段NT2を設けて、苗供給手段NTが苗箱供給手段17の後方に突出せず移植装置9の前後長が短くなるように構成している。
【0050】
上記苗移送手段NT2は、苗取出し手段PUの苗押出しピンp…によって押出された横一列の苗N…の各床部Na…が係合する苗係合部37a…を備えた苗ホルダ37を設けていて、この苗ホルダ37を駆動回動するリンク38にて前記苗取出し位置p1と苗供給ベルト36・36の上方前方側近傍の苗受け渡し位置p4とを往復移動させるように設けている。これにより、苗押出しピンp…が苗押出し作動して横一列の苗N…が各セル1…から押出されると、苗取出し位置p1に位置する苗ホルダ37の各苗係合部37a…に苗Nの床部Na…が係合して保持される。そして、苗ホルダ37がリンク38の回動により下方回動して前記苗受け渡し位置p4に移動する。このとき各苗係合部37a内に水平後方に軸心が向く姿勢で固定された第二の苗押出しピン39…の先端部が入り込んで各苗係合部37a…内に係合された苗Nの床部Na…が後方に押出されて苗供給ベルト36・36上に落とされるようになる。なお、第二の苗押出しピン39…により各苗係合部37a…内に係合された苗Nの床部Na…が後方に押出されたとき、くし状に設けた苗押し下げ部材40が下降して、該部材40が押出された各苗Nの床部Na…を押し下げ、迅速且つ適確に苗が苗供給ベルト36・36上に載置されるように設けている。
【0051】
図8中の符号41を付した部分は、各苗植付け手段PTによる各苗植付け位置p3の前方の移植圃場PGの表土面を均平する整地ローラーである。また、上記移植装置9は、一つの苗箱供給手段17に、該苗箱供給手段17に装填された苗箱Cから横一列づつ苗N…を取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出された苗N…を苗供給手段NTに受け渡す苗受け渡し手段NT2と、該苗受け渡し手段NT2により受け渡された横一列の苗N…を左右に設けた苗植付け手段PT・PTに供給する苗供給手段NTと、そして、該苗供給手段NTにより供給された苗Nを移植圃場PGに植付けていく左右の苗植付け手段PT・PTとを備えて一つの苗箱Cから2条植えする構成としたものであり、このように構成した移植ユニットを左右に2体設けることで、4条植えに構成でき、また、n体設けることで2×n条植えに構成できるものとなっている。
【0052】
ここで、予備苗載装置50について、詳述する。
走行車体10前部の左右両側には、苗トレイ保持枠51を各々8個載置できる左右予備苗載装置50・50が走行車体10前部に設けた左右支持フレーム52・52に各々回転及び固定自在に設けられている。
【0053】
先ず、予備苗載装置50の回転及び固定自在の構成を説明すると、予備苗載装置50の主フレーム53の中央部に設けた中央マスト54の下部を走行車体10前部に設けた支持フレーム52の貫通孔55に挿入して、中央マスト54の下部に溶接固定した支持板56が支持フレーム52の上面に接当した状態とし、貫通突出した下端部に抜け止めの割りピン57を装着している。
【0054】
また、支持フレーム52の上面には筒状の係止部材58を固定し、該係止部材58に90度間隔で4つの係合溝59…が設けられている。
中央マスト54には、対向して2つの回転固定解除レバー60・60がピン61・61にて上下揺動操作自在に設けられている。そして、該2つの回転固定解除レバー60・60には、各々前記係合溝59…に係合する突起62・62が設けられていて、各々付勢ばね63・63にて各突起62・62が係合溝59…に係合する下方向に付勢されている。また、各回転固定解除レバー60・60の先端部は2つのカムにて係合しており、一方の回転固定解除レバー60を固定解除方向(上方向)に操作すると、他方の回転固定解除レバー60も固定解除方向(上方向)に操作されるように連動する構成となっている。
【0055】
従って、作業者が、何れか一方の回転固定解除レバー60を固定解除方向(上方向)に操作すると、他方の回転固定解除レバー60も固定解除方向(上方向)に操作されて、2つの回転固定解除レバー60・60の各突起62・62は係合溝59・59から外れて、予備苗載装置50は中央マスト54を中心に回転自在となる。そこで、作業者は予備苗載装置50を回転させて任意の位置で再び2つの回転固定解除レバー60・60の各突起62・62を係合溝59・59に係合させて、予備苗載装置50の回転を固定させることができる。
【0056】
次に、予備苗載装置50の苗トレイ保持枠51を載置する部分の構成を詳細に説明する。
予備苗載装置50の主フレーム53の下部に苗トレイ保持枠51を中央マスト54側が低く傾斜した状態で載置できる固定式載置台64…を4つ設ける。そして、各固定式載置台64…の上方に各々リンク機構65…にて上下動自在に上下可動式載置台66…を4つ設ける。
【0057】
そして、各上下可動式載置台66…には各々上下操作具としての上下操作バー67…が固定されており、作業者は、該上下操作バー67を握って上下可動式載置台66を上下動させる構成となっている。
【0058】
また、各上下可動式載置台66…と主フレーム53との間には、各上下可動式載置台66…に設けられた左右固定用ピン68…が係合自在に操作されるように構成されている。即ち、主フレーム53には、上下可動式載置台66が上動した位置で固定される上固定部材69と上下可動式載置台66が下動した位置で固定される下固定部材70とが固定されており、各上下固定部材69・70には固定用ピン68が係合する孔71が設けられている。
【0059】
一方、上下操作バー67の中央部に支持体72の基部を溶接固定し、該支持体72に固定解除操作具としての固定解除操作レバー73の基部を溶接固定した回動軸74を回動自在に設け、該回動軸74に回動アーム75の中央部を固定し、該回動アーム75の上下端を各々左右固定用ピン68・68に連結杆76・76にて連結している。
【0060】
77は支持体72と回動アーム75との間に設けた引張バネであって、固定用ピン68が突出する方向に回動アーム75を回動させるように作用すべく設けてあり、78は支持体72に設けた上下操作バー67のストッパー部材である。
【0061】
従って、作業者は、上下操作バー67を握って、指で固定解除操作レバー73を下方に操作すると、引張バネ77に抗して回動アーム75が回動して、連結杆76・76にて左右固定用ピン68・68が上固定部材69または下固定部材70の孔71から抜けるので、作業者は上下操作バー67を握って上下可動式載置台66を上動または下動させた後に、固定解除操作レバー73から指を離すと左右固定用ピン68・68が下固定部材70または上固定部材69の孔71に係合して、再び、上下可動式載置台66は下動位置または上動位置で確実に固定される。
【0062】
なお、各リンク機構65…はその上下リンク65a・65bの長さを異ならせており、上下可動式載置台66…を下動した位置では略水平に苗トレイ保持枠51が載置でき、上下可動式載置台66…を上動した位置では苗トレイ保持枠51は中央マスト54側が低く傾斜した状態で載置されるように、上下可動式載置台66…の角度が変化するように構成している。
【0063】
79は中央マスト54と各リンク機構65…との間に設けたガスシリンダーであって、各上下可動式載置台66…を上動方向に付勢すべく設けてあり、作業者が上下操作バー67を握って上下可動式載置台66を上動させる時に、軽い力で上動させることができるように構成している。
【0064】
ここで、苗トレイ保持枠51の構成を説明しておく。
苗箱保持枠51は、上下に適当間隔を開けて苗箱Cを収容することのできる棒材で構成された収容棚部51aが3段形成されており、その収容棚部51aに苗箱Cを載置して収容するようになっている。そして、前記収容棚部51aに苗箱Cを収容したとき、苗箱Cの長手方向の一方の端部が前記収容棚部51aの端部よりも外側に突出した状態となる。尚、前記収容棚部51aの端部には各段の該収容棚部51aを繋ぐように長方形状の開口枠体51bを設けており、該開口枠体51bの内側を通過させて収容棚部51aに苗箱Cを供給するようになっている。また、前記収容棚部51aの反対側の端部には各段の該収容棚部51aにわたる上下方向のストッパ軸51cを2本設けており、該ストッパ軸51c及び開口枠体51bにより収容棚部51aの苗箱Cが開口枠体51b側以外から抜け出ないように構成している。また、収容棚部51aを横方向(略水平方向)に向けた状態で、最下の収容棚部51aより下側に開口枠体51bが突出する構成としているので、地面等の略水平な面に苗箱保持枠51を置いたとき、開口枠体51b側が上位となるように収容棚部51aが若干傾斜し、苗箱Cが開口枠体51b側から抜け出にくい構成となっている。
【0065】
そして、使用にあたっては、育苗ハウス等で苗が成育された苗箱Cを前記苗箱保持枠51へ収容し、該苗箱保持枠51ごと軽四輪トラック等の運搬車に搭載して移植圃場へ運搬し、圃場内の苗移植機1へ前記苗箱保持枠51ごと苗箱Cを供給するようになっている。従って、前記苗箱保持枠51を使用することにより、苗移植機1への苗箱Cの供給を複数枚(3枚)毎に行えるので、苗移植機1への苗供給作業を容易に行える。
【0066】
すなわち、育苗した苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を予備苗載装置50に装填するには、先ず、上下可動式載置台66の上下操作バー67を握って、指で固定解除操作レバー73を下方に操作して、左右固定用ピン68・68を上固定部材69の孔71から抜き、上下可動式載置台66を下動させた後に、固定解除操作レバー73から指を離して左右固定用ピン68・68を下固定部材70の孔71に係合させ、上下可動式載置台66を下動位置で確実に固定させる。そして、苗箱保持枠51を上下可動式載置台66に案内させながら外側から押し込んで載置する。その後、再び、上下操作バー67を握って、指で固定解除操作レバー73を下方に操作して、左右固定用ピン68・68を下固定部材70の孔71から抜き、上下可動式載置台66を上動させた後に、固定解除操作レバー73から指を離して左右固定用ピン68・68を上固定部材69の孔71に係合させ、上下可動式載置台66を上動位置で確実に固定させる。次に、苗箱保持枠51を載置した上下可動式載置台66の下方の固定式載置台64に苗箱保持枠51を案内させながら外側から押し込んで載置する。同様にして、全ての上下可動式載置台66と固定式載置台64に苗箱保持枠51を載置する。
【0067】
そして、植付作業に伴って移植装置9の苗が減少すると、作業者が適宜予備苗載装置50にある苗箱Cを該苗箱Cごと移植装置9の苗箱装填部17aに装填していく。この時、回転固定解除レバー60を操作して、予備苗載装置50を回転させて苗箱Cを取り出しやすい角度に固定すれば、予備苗載装置50にある苗箱Cを移植装置9の苗箱装填部17aに装填する作業が効率よく然も容易に行なえて、作業性が良い。
【0068】
また、各上下可動式載置台66…を上動した位置で固定した状態では、全ての上下可動式載置台66と固定式載置台64には、苗トレイ保持枠51が中央マスト54側が低く傾斜した状態で載置されているので、苗箱Cが抜け落ちることが防止されて、適正に効率よく移植作業が行なえる。また、上下可動式載置台66を下動した位置で固定した状態では、略水平に苗トレイ保持枠51が載置されるので、苗箱保持枠51を上下可動式載置台66に外側から押し込んで載置する作業が容易に行なえて、作業性が良い。更に、各上下可動式載置台66…には各々上下操作バー67…が固定されており、作業者は、該上下操作バー67を握って上下可動式載置台66を上下動させる構成となっているが、該上下操作バー67の近くに上下可動式載置台66の固定を解除する固定解除操作レバー73が設けられているので、作業者は片手で上下操作バー67を握った状態でその握った手もしくは他方の手で固定解除操作レバー73を操作でき、容易に且つ効率よく各上下可動式載置台66…の上下動及び固定操作を行なうことができる。従って、苗補給作業及び苗供給作業が効率よく行なえて、苗移植作業全体の作業時間も短縮でき、苗移植作業効率が向上する。
【0069】
尚、この発明の実施の形態は、苗箱Cの苗を圃場へ植付ける苗移植機1について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マット状の苗を供給するようにした苗移植機等の如何なる苗移植機に使用してもよい。
【0070】
以下に、水稲用育苗箱(縦30cm・横60cm・深さ3cmの一般的な育苗箱)のような浅い箱状の育苗箱100でキャベツ等の裸大苗を播種・育苗する方法を説明する。
育苗箱100を移送する移送コンベア上に床材供給装置,鎮圧・播種穴開け装置,播種装置,覆土装置,施薬装置,灌水装置を順番に配置した播種機の移送始端部に育苗箱100を供給すると、床材供給装置により床土が供給され、次に、鎮圧・播種穴開け装置により鎮圧均平及び播種穴開けが行なわれる。そして、播種装置により播種されて、覆土装置により覆土が供給される。その後、施薬装置により粒状肥料(オンコル・オルトラン粒剤等)が供給されて、最後に、灌水装置により灌水されて播種作業が終わる。
【0071】
この時、育苗箱100内面の底面から薬剤上面までの高さhは、育苗箱100内面の深さHよりも小さくなるように、播種作業を行なう。
そして、播種作業を終えた育苗箱100…を積み重ねて、発芽完了まで屋内にて灌水して、発芽させる。
【0072】
発芽後、子葉が展開する頃に、屋外の圃場の苗床に育苗箱100…を並べて置いて、苗床の養分で大苗を育成する。
このように、播種作業を終えた育苗箱100…を積み重ねて、発芽完了まで屋内にて灌水して発芽させると、発芽時期が揃うので、全ての苗が均一な大きさとなり、良質の苗を得ることができる。また、育苗箱100内面の底面から薬剤上面までの高さhは、育苗箱100内面の深さHよりも小さくなるように播種作業を行なっているので、育苗箱100…を積み重ねても、育苗箱100の底面に薬剤が付着しない。然も、播種作業時に施薬が終わっているので、育苗初期の農薬散布作業が不要となり、作業効率が良い。
【0073】
そして、育苗箱100…にて苗を育成することにより、全ての苗が均一となり、然も、育苗箱100から一箱分の苗を取り出して、一つ一つの苗を分離して取り出させば、裸苗を容易に得ることができて、作業性が非常に良い。
【0074】
以下に、エダマメ播種機について説明する。
図24に示すエダマメ播種機は、苗箱Cを移送する移送コンベア200上に床材供給装置201,均平装置202,灌水装置203,播種穴開け装置204,播種装置205,覆土装置206,均平装置207を順番に配置して構成している。
【0075】
特に、播種穴開け装置204のセル1内の床土に上方から突入して播種穴を開ける穴開け突起204’は、その先端面が一辺20mmで他辺が9mmの長方形の平面であり、先端形状は裁頭四角錐であって、エダマメの種子2個が丁度入る形状の播種穴を形成できるように構成している。即ち、エダマメの種子は直径が約7mm〜9mmであるから、エダマメの種子2個が並んで丁度入る形状に播種穴が開けられる。
【0076】
また、床材供給装置201にて床土をセル1内に入れた後に灌水装置203にて灌水して、その後、播種穴開け装置204にて播種穴を開けるので、床材供給装置201にてセル1内に入れた床土の水分が少ない場合でも、灌水装置203にて灌水して床土の水分を多くして播種穴開け装置204にて播種穴を開けることとなり、崩れにくい適正な播種穴を形成することができて、良好な播種作業が行なえる。
【0077】
以下に、エダマメの種子を播種板を用いて苗箱Cのセル1内に2個づつ播種する例を説明する。
播種板300は、一般的な浅い箱状の母体301と該母体301に対してスライド自在のスライド板302とにより構成されている。母体301とスライド板302には、エダマメの種子(エダマメの種子は、直径が約7mm〜9mmである)が通過する大きさの直径12mmの播種穴303…が苗箱Cの各セル1…に対応した位置に開けられている。
【0078】
そして、母体301の各播種穴303…の下部には内径12mmの筒体304…が設けられており、該各筒体304…内には各々2個づつのエダマメの種子が入る構成となっている。
【0079】
スライド板302は、バネにより付勢されて通常は母体301の各播種穴303…とスライド板302の各播種穴303…とは一致しない状態である。即ち、各筒体304…の下面はスライド板302で遮蔽された状態である。
【0080】
そこで、播種板300の浅い箱状の母体301上面に多数のエダマメの種子を入れて、母体301の各播種穴303…にエダマメの種子を入れると、各播種穴303…にエダマメの種子が2個づつ入った状態となる。
【0081】
次に、床土を入れた苗箱Cの各セル1…の上方に播種板300の各筒体304…が位置するようにして、スライド板302をバネの付勢力に抗してスライドさせて、母体301の各播種穴303…とスライド板302の各播種穴303…とが一致する状態にすると、母体301の各播種穴303…に2個づつ入っているエダマメの種子が各セル1…内に落下して、各セル1…内に2個づつの種子が播種される。
【0082】
このように、このエダマメ用の播種板300で容易に苗箱Cの各セル1…内に2個づつの種子を播種することができる。また、播種板300は、母体301の各播種穴303…の下部に筒体304…を設けることにより、軽量な構成で各播種穴303…にエダマメの種子が2個づつ入った状態にすることができる。従って、播種板300が軽量であるから、作業者は容易に播種作業を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】苗箱Cを示す斜視図である。
【図2】苗箱Cのセル1の平面図である。
【図3】図2のA1−A2断面図である。
【図4】苗箱Cのセル1で玉ねぎの苗を育苗した時の作用説明用断面図である。
【図5】播種機Aの側面図である。
【図6】他の播種例を示す苗箱Cのセル1の断面図である。
【図7】他の播種例を示す苗箱Cのセル1の断面図である。
【図8】苗移植機の全体を示す側面図である。
【図9】苗移植機の前部を示す平面図である。
【図10】苗移植機の要部を示す側面図である。
【図11】苗移植機の要部を示す背面図である。
【図12】別構成とした苗移植機の要部を示す側面図である。
【図13】別構成とした苗移植機の要部を示す側面図である。
【図14】苗移植機の要部の作業状態を示す側面図である。
【図15】予備苗載装置50の側面図である。
【図16】予備苗載装置50の平面図である。
【図17】予備苗載装置50の下部の要部拡大側面図である。
【図18】予備苗載装置50の下部の要部拡大平面図である。
【図19】予備苗載装置50の要部拡大作用説明用側面図である。
【図20】苗トレイ保持枠51の斜視図である。
【図21】苗トレイ保持枠51の側面図である。
【図22】苗トレイ保持枠51の作用説明用斜視図である。
【図23】裸大苗を播種・育苗する方法を示す側断面図である。
【図24】エダマメ播種機の側面図である。
【図25】エダマメ播種機の播種穴を開ける作用説明図である。
【図26】エダマメ播種機の播種穴を開ける穴開け突起204’の斜視図である。
【図27】エダマメ用の播種板の作用を説明する側面図である。
【符号の説明】
【0084】
8:苗移植機
9:移植装置
10:走行車体
50:予備苗載装置
51:苗箱保持枠
64:固定式載置台
65:リンク機構
66:上下可動式載置台
67:上下操作具(上下操作バー)
73:固定解除操作具(固定解除操作レバー)
C:苗箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体10に移植装置9と予備苗載装置50とを装着した苗移植機において、予備苗載装置50には複数の苗箱Cを収容した苗箱保持枠51を載置する固定式載置台64と固定式載置台64の上方にリンク機構65にて上下動自在で上動位置及び下動位置で固定自在の上下可動式載置台66とを設け、該上下可動式載置台66には上下操作具67を設けると共に、該上下操作具67の近くに上下可動式載置台66の固定及び固定解除を操作する固定解除操作具73を設けたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
上下可動式載置台66を上動した位置で固定したときは、上下可動式載置台66は内側が低く傾斜した状態となり、上下可動式載置台66を下動した位置で固定したときは、略水平の状態になることを特徴とする請求項1記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−53985(P2007−53985A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244312(P2005−244312)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】