苗移植機
【課題】
整地ロータを伸縮可能に構成し、苗の植付位置周辺を整地すると共に、整地ロータが泥土を押し上げて苗を埋めてしまうことのない苗移植機を提供する。
【解決手段】
走行車体21の後部に昇降リンク装置22を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部33を設け、植付部33の下方で且つ苗植部材35の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ14を供える苗移植機において、整地ロータ14を、ロータ体1の外周縁部に所定長さの整地体2を複数配置したロータ羽根3をロータ軸4の左右方向に沿って複数装着し、ロータ羽根3のロータボス5の左右一側に凹ボス6を形成し、ロータボス5の左右他側に凸ボス7を形成し、ロータ羽根3の凹ボス6と隣接するロータ羽根3の凸ボス7とを嵌め合わせて構成した。
整地ロータを伸縮可能に構成し、苗の植付位置周辺を整地すると共に、整地ロータが泥土を押し上げて苗を埋めてしまうことのない苗移植機を提供する。
【解決手段】
走行車体21の後部に昇降リンク装置22を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部33を設け、植付部33の下方で且つ苗植部材35の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ14を供える苗移植機において、整地ロータ14を、ロータ体1の外周縁部に所定長さの整地体2を複数配置したロータ羽根3をロータ軸4の左右方向に沿って複数装着し、ロータ羽根3のロータボス5の左右一側に凹ボス6を形成し、ロータボス5の左右他側に凸ボス7を形成し、ロータ羽根3の凹ボス6と隣接するロータ羽根3の凸ボス7とを嵌め合わせて構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地幅を変更可能な整地ロータで苗の植付位置周辺を整地し、圃場に苗を植え付ける苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、植付部に装着したフロートの前側に整地ロータを配置し、この整地ロータで圃場面を均平する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−000083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の整地ロータは、苗の植付位置周辺の圃場面を均平化するが、土壌の条件、状態、及び植付条数等によっては、整地ロータの整地幅が足りず、土の盛り上がった部分に苗が植えられ、日照不足により生育不良となる問題がある。
【0005】
また、整地ロータの整地幅が広過ぎることにより、整地ロータが泥土を押し上げて既に植えられた苗に泥土を寄せてしまい、苗が押し流されたり埋もれてしまう問題がある。
そして、苗移植機の運搬や格納の際、整地ロータの幅が長く、収納スペースを広く取らねばならない問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、走行車体(21)の後部に昇降リンク装置(22)を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部(33)を設け、該植付部(33)の下方で且つ苗植部材(35)の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ(14)を供える苗移植機において、該整地ロータ(14)を、ロータ体(1)の外周縁部に所定長さの整地体(2)を複数配置したロータ羽根(3)をロータ軸(4)の左右方向に沿って複数装着し、該ロータ羽根(3)のロータボス(5)の左右一側に凹ボス(6)を形成し、該ロータボス(5)の左右他側に凸ボス(7)を形成し、前記ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)とを嵌め合わせて構成したことを特徴とする苗移植機とした。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記整地ロータ(14)のロータ体(1)の外周縁部で且つ各整地体(2)の間に所定角度毎に間隔部(8)を形成し、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を該間隔部(8)に接触するまで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記間隔部(8)に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が間隔部(8)を通過して移動可能となる溝部(9)を形成したことを特徴とする請求項2記載の苗移植機とした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記整地ロータ(14)のロータ軸(4)に配置した各ロータ羽根(3)を前記凹ボス(6)と凸ボス(7)とを左右方向に摺動自在に嵌め合わせ、該凹ボス(6)と凸ボス(7)との間にバネ部材(10)を設けて各ロータ羽根(3)を機体外側方向に付勢する構成としたこと特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記整地ロータ(14)の外側端部に配置する端部ロータ(11)を外側のサイドアーム(12)に軸着し、該サイドアーム(12)をロータフレーム(13)に対してこのロータ軸(4)の左右方向に移動調節可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は、ロータ羽根(3)の左右一側に形成した凹ボス(6)に隣接するロータ羽根(3)の左右他側に形成した凸ボス(7)を嵌め合わせてロータ軸(4)の左右方向に複数設けて整地ロータ(14)を構成したことにより、凹ボス(6)と凸ボス(7)との左右間隔を広めると整地ロータ(14)の整地幅を広くすることができるので、苗の植付位置周辺の圃場面が確実に整地され、植付の浅い苗が流されて欠株が生じることや、植付の深過ぎる苗が日照不足により生育不良を起きることが防止されるため、収穫量が安定する。
【0013】
また、凹ボス(6)と凸ボス(7)との左右間隔を狭めると整地ロータ(14)の整地幅を狭くすることができるので、整地ロータ(14)の外側端部が隣接する植付済みの苗に泥土を押し寄せることが防止され、苗が埋まったり欠株が生じたりせず、収穫量が安定する。
【0014】
そして、整地ロータ(14)が苗移植機の輸送手段となる軽トラック等の荷台からはみ出すことを防止できるので、走行中に整地ロータ(14)が壁等にぶつかって破損することが無い。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、各整地体(2)の間に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が移動可能な間隔部(8)を所定角度毎に形成したことにより、整地ロータ(14)の整地幅を狭くする際に隣接し合う整地体(2)同士が干渉しあわないため、整地ロータ(14)の整地幅をより狭く調節することができるので、整地ロータ(14)の外側端部が隣接する植付済みの苗に泥土を押し寄せることがいっそう防止され、苗が埋まったり欠株が生じたりせず、収穫量がいっそう安定する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、間隔部(8)に溝部(9)を形成し、この溝部(9)に隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を移動可能に構成したことにより、さらに整地ロータ(14)の整地幅を狭く調節することができるので、苗の植付位置だけを集中して整地し、整地ロータ(14)の外側端部が泥土を押し上げても隣接条まで泥土が移動しなくなり、苗の植付深さが均等になるとともに隣接条の苗が泥土に埋まることが防止され、収穫量が安定する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)との間にバネ体(10)を設け、このバネ体(10)で各ロータ羽根(3)を機体外側方に張圧することにより、整地ロータ(14)の整地幅を広げた場合でも縮めた場合でも、各ロータ羽根(3)の左右間隔が略同じに保たれるので、整地ロータ(14)で均等に圃場面を整地することができ、整地ムラが生じて苗の植付深さが浅くなったり深過ぎたりすることが防止され、収穫量が安定する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、端部ロータ(11)をサイドアーム(12)に軸着したことにより、作業者はこのサイドアーム(12)を手で持ち、ロータフレーム(13)に沿って左右方向に移動させることができるので、整地ロータ(14)の整地幅を簡単に変更することができ、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】整地ロータの配置平面図
【図4】整地ロータの要部拡大側面図
【図5】(a)整地ロータ伸張時の拡大正面図、(b)整地ロータ収縮時の拡大正面図
【図6】(a)整地ロータの側面図、(b)整地ロータの変形動作を示す側面図
【図7】整地ロータの端部の部分拡大図
【図8】整地ロータの変形動作を示す要部側面図
【図9】整地ロータの変形動作を示す要部正面図
【図10】整地ロータの別実施例の変形動作を示す要部正面図
【図11】整地ロータの別実施例の変形動作を示す要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1、図2に示すように、苗移植機は、ステアリングポスト上のハンドル16によって操向する左右の前輪17,17と、運転席18下に搭載のエンジン19によって駆動される左右の走行輪(後輪)20,20を配置する四輪走行形態の走行車体21を有し、該車体21の後側に平行リンク形態のリフトリンク22を介して苗植装置15を機体上下方向に昇降可能に装着する。そして、走行車体21の左右両側のサイドフロア23,23の前部外側部には、左右の補助苗受枠24,24を設けて、マット苗を育苗した苗トレイを載置する。
【0021】
また、前記前輪17,17の左右間には、ミッションケース25及び油圧無段変速装置26を設けて、エンジン19の動力により該油圧無段変速装置26を駆動し、該油圧無段変速装置26からミッションケース25内の副変速装置等を介して、前記前輪17,17及び後輪連動軸27,27に駆動力をきょうきゅうして、前記走行輪20,20を軸着した後車軸28等を伝動する。
【0022】
さらに、前記ミッションケース25からPTO軸を介して、苗植装置15の苗植入力軸29や、施肥装置38等に駆動力を供給して伝動する構成としている。前記リフトリンク22は、車体21後部のリフトシリンダ30の油圧伸縮により昇降される。
【0023】
前記苗植装置15は、マット苗の供給を受けて左右横方向へ往復移動しながら繰出ベルト31の間歇的駆動によって後下端の苗分離口32へ向けて繰出す多条植形態の苗タンク33と、苗植伝動ケース34の後方において側面視楕円形状の苗植軌跡線Dを描いて苗植付作動する苗植爪35とから構成する。
【0024】
図1〜図3で示すように、該苗植伝動ケース34の下面を支持するフロート36は、下側中央部のセンタフロート36Aと、該センタフロート36Aの左右両外側のサイドフロート36B,36Bと、機体外側端部に設ける左右のアウタフロート37C,37Cから構成され、該センタフロート36Aとサイドフロート36B,36Bとアウタフロート37C,37Cとは、取付軸を回動中心として上下揺動自在に支持している。
【0025】
該センタフロート36Aの上下揺動により苗植装置15の植付深さを検出し、植付深さに変化があると前記リフトシリンダ30の油圧回路の制御弁を作動させて、苗植装置15を上下動して植付深さを一定に維持するように昇降制御する。苗植爪35は、センタフロート36Aとサイドフロート36Bとアウタフロート36Cの左右両側の均平部に対応して作動する多条植形態として、前記苗植軌跡線Dの上端作動位置で苗タンク27の苗分離口32に介入して苗分離しながら、保持した苗を前記フロート36で均平した土壌面に下降して適宜深さに植付ける。
【0026】
図1、図3及び図4で示すように、前記センタフロート36A及びサイドフロート36Bの前側に整地ロータ14を配置し、前記後車軸28を軸受する後車軸伝動ケース38の伝動機構部からロータ連動軸39を介して駆動する構成とする。
【0027】
前記センタフロート36Aはサイドフロート36B及びアウタフロート36Cよりも前方へ長く突出するため、該センタフロート36Aの前側に配置の整地ロータ14は、センタフロート36Aの前側に配置されるセンタロータ14Aと、サイドフロート36Bとアウタフロート36Cの前側に配置される左右のサイドロータ14B,14Cから構成される。
【0028】
該センタロータ14Aとサイドロータ14B,14Cは、センタロータ14Aを前方に突出させて配置し、前記センタフロート36A及びセンタロータ14Aを左右の走行輪20,20の左右方向中央部で且つ走行車体21のセンターラインL上に沿って配置する。また、前記サイドフロート36Bとアウタフロート36C及びサイドロータ14B,14Cは、左右の走行輪20,20の後方に配置する。
【0029】
上記構成により、苗植爪35よりも大幅に前方に離間した位置でセンタフロート14Aが苗植装置15の植付深さを検出することができるので、苗の植付直前に苗植装置15が上昇して苗植爪35の苗の植付深さが浅くなり、苗が水流や風に流されて欠株が生じることが防止されるため、収穫量が安定する。
【0030】
また、苗の植付直前に苗植装置15が下降して苗植爪35の苗の植付深さが深くなり、苗が十分な日光を浴びられず生育不良を起こすことや立ち枯れてしまうことを防止できるので、収穫した米が未成熟、低品質となりにくく、収穫量や品質が安定する。
【0031】
また、図4で示すように、前記苗植伝動ケース34等の前側に沿って設ける苗植フレーム40に、上下一対のリンクアーム41の後側端部を介してロータフレーム42を昇降揺動可能に配置する。該ロータフレーム42の下部にはセンタロータ14A及び左右のサイドロータ14B,14Cを配置すると共に、該ロータフレーム42の下端部には前記サイドロータ14B,14Cのロータ軸4を軸受けする軸受ホルダ43の軸受アームを取付ける。該ロータフレーム42の下端部には、左右一対のロータ伝動ケース45,45の前端間にセンタロータ14Aのロータ軸4の左右両端部を軸受し、該左右のロータ伝動ケース45,45の後端部に、サイドロータ14B,14Cのロータ軸4の苗端部を軸受する。
【0032】
これらロータ伝動ケース45,45の前後端部に軸受けする前後ロータ軸4,4間には、伝動チェーン(図示省略)を掛け渡して連動回転する。このうち左側のサイドロータ14B,14Cのロータ軸4の内端部には、前方から伸縮自在のスプライン軸からなるロータ連動軸39を介して連動される入力軸40を、ベベルギヤ39を介して噛合連動する。該ロータ連動軸39は、前記後車軸伝動ケース38のロータ取出軸46に連結して、このロータ取出軸46に設けられるクラッチ機構(図示省略)の操作によって伝動することができる。
【0033】
ロータ取出軸46から左側のサイドロータ14Bを伝動回転することにより、左側のロータ伝動ケース45内の伝動チェーンを介してセンタロータ14Aを回転駆動させると共に、右側のロータ伝動ケース45内の伝動チェーンを介して右側のサイドロータ14Cを回転駆動させることができるので、伝動経路の構成が簡潔になり、部品点数が削減される。
【0034】
また、図1で示すように、前記リフトシリンダ30を伸縮させることにより、前記リフトリンク22を介して連結される苗植装置15と共に整地ロータ14を昇降させることができるので、苗の植え付けを行なう際には整地ロータ14が圃場面に確実に接触して植付位置周辺を整地するため、苗の植付深さが安定し、収穫量が安定する。
【0035】
そして、旋回時などに苗植装置15を上昇させる際、整地ロータ14が下降したまま旋回して圃場面を深く抉ってしまうことを防止できるので、圃場端に苗を植え付ける際に整地ロータ14で前輪17,17及び走行輪20,20の旋回痕を確実に消すことができ、苗の植付深さが安定することにより収穫量が安定する。
【0036】
また、前記ロータフレーム42の上端部とロータ伝動ケース45の前部間に吊下スプリング47を設け、該吊下スプリング47でセンタロータ14Aを上方に付勢することにより、圃場面にかかる整地ロータ14の重量を軽減している。
【0037】
上記構成により、圃場が柔らかい場合や、土中内に空気溜りがある場合等に、整地ロータ14が自重で圃場に潜り込んでしまうことを防止できるので、整地ロータ14が植付位置の周囲の泥土を掘り起こしてしまうことが防止され、既に植えられた苗が泥土や水流で押し流されてしまうことがなく、欠株の発生が防止される。
【0038】
また、泥土が水を濁して視界を悪くすることを防止できるので、作業者は圃場の状態を目視しながら作業することができ、機体の操作性や植付精度が向上する。
前記センタロータ14A及びサイドロータ14B,14Cの外周上部は、それぞれ円弧形状のロータカバー48で覆われている。
【0039】
該ロータカバー48を設けたことにより、センタロータ14A及びサイドロータ14B,14Cが回転駆動により泥土や藁屑等の夾雑物を巻き上げても、ロータカバー48が夾雑物の上方への移動を防止するので、機体や作業者に泥土が飛散することが無く、掃除等のメンテナンス性が向上すると共に、作業者が作業中に不快感を覚えることが防止される。
【0040】
図3〜図7で示すように、左右のサイドロータ14B,14Cの左右外側には、左右のロータ軸4,4の延長軸芯周りに回転する左右の延長ロータ14D,14Eを夫々配置する。該延長ロータ14D,14Eは左右のアウタフロート36C,36Cの前側に配置され、該サイドロータ14B,14Cで整地した土壌面をサイドフロート36B,36Cで均平しながら苗植爪35による苗の植付作業を行わせる構成としている。
【0041】
そして、図5〜図7で示すように、ロータリム1の外周に複数の所定長さの整地板2…を配置したロータ羽根3をサイドロータ14B,14Cのロータ軸4の左右方向に沿って複数個軸着する。また、該複数のロータ羽根3…のロータリム1の中心部に左右方向に突出するロータボス5を形成し、該ロータボス5の左右一側を凹形状の凹ボス6、左右他側を該凹ボス6に嵌合可能な径とした凸形状の凸ボス7で形成する。さらに、該凹ボス6の内周面に雌ネジ溝を刻むと共に、凸ボス7の外周面に雄ネジ溝を刻み、雄ネジ溝と雌ネジ溝を噛み合わせて隣接するロータ羽根3同士を連結可能でかつ左右間隔を調節自在に構成する。
【0042】
そして、ロータ羽根3の凹ボス6と隣接するロータ羽根3の凸ボス7とを嵌合させ、ロータ羽根3…をロータ軸4の左右方向に亘って連続して配置することにより、前記延長ロータ14D,14Eが構成される。
【0043】
苗移植機で苗植作業を行なう場合、整地ロータ14がロータ軸4の回転駆動することにより、複数の整地板2…が土壌面に接触して凹凸を掻き均すことができるので、苗の植付深さが略一定となり、植付深さの浅い苗が水流や風で流されて欠株が生じることが防止され、収穫量が安定する。
【0044】
また、苗の植付深さが深くなり過ぎることを防止できるので、苗が日照不足により生育不良や立ち枯れを起こすことが防止され、収穫量が減少することが防止されると共に、収穫物が低品質化することが防止される。
【0045】
そして、整地ロータ14の整地跡の土壌面をフロート36が滑走することにより、僅かでも凹凸がある度にフロート36の角度が変わり、その度に苗植装置15の上下高さが変化することを防止できるので、苗の植付深さが安定し、植付精度が向上する。
【0046】
さらに、苗植装置15が短い間隔で上下動しにくくなるため、苗植装置15の上下動による機体の揺れを防止することができるので、苗移植機の走行姿勢が安定し、作業能率が向上する。
【0047】
また、前記ロータ軸4の軸端部に装着されるロータ羽根3は、雌ネジ溝を刻んだ凹ボス6を回転させて雄ネジ溝を刻んだ凸ボス7に近接させる、あるいは離間させることにより、隣接するロータ羽根3同士を連結したままロータ軸4に沿って左右方向に移動させることができるので、最外側に配置するロータ羽根3をロータ軸4の外側端部まで移動させると、延長ロータ14D,14Eの外側への突出幅を長くすることができる。
【0048】
これにより、整地ロータ14で整地可能な範囲が広がるので、苗の植付条数が多いときであっても、苗の植付位置周辺の圃場面を確実に掻き均すことができるので、苗の植付深さや苗の生育が安定し、収穫量及び収穫物の品質が維持される。
【0049】
また、隣接するロータ羽根3同士を凹ボス6と凸ボス7が完全に噛み合うまで回転させ、最外側のロータ羽根3がロータ軸4の外側端部から機体内側方向に離間した位置に移動させることにより、延長ロータ14D,14Eの外側への突出幅を短くすることができる。
【0050】
これにより、整地ロータ14の左右幅が狭くなるので、整地ロータ14の端部が圃場の泥土を機体左右方向に押し出し、既に圃場に植え付けられた苗をこの泥土で押し倒したり埋めてしまうことを防止できるので、欠株や苗の埋まりが防止され、収穫量が安定する。
【0051】
また、図8、図9で示すように、前記ロータ羽根3は、外周面に設ける複数の整地板2…同士の間に略直線状の間隔部8を形成し、該間隔部8に異なる位相方向に回転させて隣接させるロータ羽根3の整地板2が移動可能な構成としている。
【0052】
整地ロータ14の整地幅を変更する場合、前記ロータ羽根3の整地板2の位相を、隣接する整地板2の間隔部8に対向する位置に移動させ、整地板2を間隔部8に入り込ませると共に、ロータ羽根3をロータ軸4に沿わせて回転させ、凹ボス6を凸ボス7に近接させる、あるいは離間させることにより、延長ロータ14D,14Eの左右幅が機体内側方向に収縮、あるいは機体外側方向に伸張して、整地ロータ14の整地幅を変更することができる。
【0053】
延長ロータ14D,14Eを機体外側方向に伸張させることにより、苗の植付条数が多い場合、苗の植付位置周辺を確実に整地して、植付深さを安定させることができるとともに、フロート36が植付深さを正確に認識でき、苗植装置の15の上下動を必要な場合にのみ行うことができる。
【0054】
そして、延長ロータ14D,14Eを機体内側方向に収縮させることにより、延長ロータ14D,14Eの端部が泥土を押して隣接条に植え付けられた苗を押し倒したりすることを防止でき、欠株の発生や生育不良が防止され、収穫量が安定する。
【0055】
また、図10、図11で示すように、延長ロータ14D,14Eを構成する前記ロータ羽根3の円周上で且つ間隔部8に隣接するロータ羽根3の整地板2を入り込ませる溝部9を形成することにより、ロータ羽根3と隣接するロータ羽根3との左右間隔を短くすることができるので、整地ロータ14の収縮可能な範囲が大きくなり、いっそう隣接条の苗への泥押しが防止される。
【0056】
前記ロータ軸4に配置した複数のロータ羽根3…は、凹ボス6と凸ボス7との間にスプリング10を夫々軸着し、該スプリング10によってロータ羽根3を機体外側方向に常時押圧する構成としている。
【0057】
前記ロータ羽根3はスプリング10を介して機体外側方向に押圧されているため、外側端部に位置する端部ロータ11の位置によって整地幅が決まる。また、複数のロータ羽根3が配置される形態では、複数のロータ羽根3…もスプリング10によって張発されて、各々所定の配置間隔に維持される。
【0058】
更に、図7で示すように、前記整地ロータの外側端部に配置する端部ロータ11の軸を外側の軸受カバー12の基部側に軸着し、該軸受カバー12を手動で回転させて端部ロータ11を機体左右方向に移動可能に構成する。そして、該軸受カバー12の端部側を受けて延長ロータ14D,14Eの最縮状態を維持するロータフレーム13を配置する。
【0059】
前記端部ロータ11は、外側のサイドアーム12で回転自在に軸受しているため、この端部ロータ11と、中央部のロータ軸4と間のロータ羽根3とが前記凹部ボス6、及び凸ボス7の螺子溝の嵌合によるロータボス5部で軸受されて構成され、駆動回転により整地作業を行うことができる。
【0060】
該整地幅を変更するときは、サイドアーム12を回転させて端部ロータ11を回転させ、該端部ロータ11の凹ボス6を隣接するロータ羽根3の凸ボス7から機体外側方向に離間させる、あるいはサイドアーム12を逆方向に回転させて端部ロータ11を回転させ、該端部ロータ11の凹ボス6を隣接するロータ羽根3の凸ボス7に近接させる。
【0061】
前記整地ロータ14は、角ボス穴50を形成したロータボス5を有し、このロータボス5を前記ロータ伝動45に軸受けした角軸形態のロータ軸4に嵌合させて取付け、一体的に回転させることができる。このロータボス5にディスク状のロータリム1を一体成形して、このロータリム1の外周端にロータリ軸4と平行状の整地板2を一体成形する。
【0062】
この整地板2は、図7、図9のように軸方向幅長さの中央位置を、ロータリム1に一体的に連結してT字形態として形成しているが、一部のロータ羽根3にあっては、整地板2の横端部をロータリム1に連結してL字形状に形成することもできる。前記ロータリム1の外周に配設する整地板2は、図8、図10のように6等配に設定して、回転方向イに対して中心側へ入り込み傾斜する傾斜面ロを有する。
【0063】
従って、この整地板2が土壌面に回転接触するときは、この傾斜面ロの向角によって泥土を前側へ押すようにして叩き掻くものであるから、整地ロータ14に浮力を与えながら押圧した泥土を後側へ掻き跳ねて推進し、土壌面を掻き均すものである。そして、各整地板2の回転方向イの前後の配置間隔板部に、軸4方向隣接部のロータ羽根3の整地板2が入り込む間隔部8を形成している。相互に隣接するロータ羽根3のロータボス5を同ロータ軸4に嵌合させて装着するとき、整地板2の位相を30度だけずらせることによって、隣接位置の整地板2の側端部を間隔部8に入込ませた状態にして設定することができ、従って相隣接のロータ羽根3の軸方向間隔を接近させて取付けることができる。
【0064】
又、このようなロータ羽根3の取付形態において、整地板2の幅長さが大きいため、側端部が隣接のロータリム1に接触して、取付位置の制限を受けるときは、図9のようにこのロータリム1の外周縁部に切欠凹部のリム間隔9を形成することにより、このリム間隔9に隣接整地板2の側端部を位置させて、配置位置の制限を解消することができる。
【0065】
このようにして、ロータ軸4に嵌合した各整地ロータ2のロータボス5の位置を、これらロータ軸4とロータボス5とにわたって形成のピン穴51、52に挿通して回り止めすることができる。
【0066】
前記横端のサイドロータ14Cは、ロータ軸4をサイドロータ14Bの領域に設けて、このロータ軸4の横外側端に取付けたロータ羽根3の凸ボス7に、このサイドロータ14Cの内側端に位置するロータ羽根3の凹ボス6を嵌合させて連設する、適数個のロータ羽根3を連設して、サイドフロート36Cの均平域幅を代掻き可能の形態とする。このためこれらサイドロータ14Cのロータ羽根3を取外して代掻幅を狭くしたり、格納幅を狭くしたときは、このロータ羽根3を取外した跡にロータ軸4が残らないため、邪魔にならない。
【0067】
前記ロータボス5の凹ボス6と凸ボス7の軸方向の深さや、長さは、嵌合した状態で軸方向へ摺動自在の形態で、適宜の長さに設定される。スプリング10は、各ロータボス5周りのロータリム1相互間に嵌合して外側へ弾発するように付勢される。
【0068】
このようにして、ロータボス5を外側へ継ぎ足して最外側に位置するロータ羽根3からなる端部ロータ11は、凸ボス7の外側に軸受部53を突出形成し、この軸受部53をベアリング54を介してサイドアーム12の下端部に嵌合軸受させる。
【0069】
このサイドアーム12を取付けるロータフレーム13、及びロータカバー48等は、サイドロータ14Cの各ロータ羽根3の増、減数によって軸受位置が変るために、左右方向へ拡縮できる形態としたり、不要時は取外可能の形態とするものである。
【符号の説明】
【0070】
1 ロータリム(ロータ体)
2 整地板(整地体)
3 ロータ羽根
4 ロータ軸
5 ロータボス
6 凹ボス
7 凸ボス
8 間隔部
9 溝部
10 スプリング(バネ体)
11 端部ロータ
12 サイドアーム
13 ロータフレーム
14 整地ロータ
14A センタロータ
14B サイドロータ
14C サイドロータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地幅を変更可能な整地ロータで苗の植付位置周辺を整地し、圃場に苗を植え付ける苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、植付部に装着したフロートの前側に整地ロータを配置し、この整地ロータで圃場面を均平する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−000083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の整地ロータは、苗の植付位置周辺の圃場面を均平化するが、土壌の条件、状態、及び植付条数等によっては、整地ロータの整地幅が足りず、土の盛り上がった部分に苗が植えられ、日照不足により生育不良となる問題がある。
【0005】
また、整地ロータの整地幅が広過ぎることにより、整地ロータが泥土を押し上げて既に植えられた苗に泥土を寄せてしまい、苗が押し流されたり埋もれてしまう問題がある。
そして、苗移植機の運搬や格納の際、整地ロータの幅が長く、収納スペースを広く取らねばならない問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、走行車体(21)の後部に昇降リンク装置(22)を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部(33)を設け、該植付部(33)の下方で且つ苗植部材(35)の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ(14)を供える苗移植機において、該整地ロータ(14)を、ロータ体(1)の外周縁部に所定長さの整地体(2)を複数配置したロータ羽根(3)をロータ軸(4)の左右方向に沿って複数装着し、該ロータ羽根(3)のロータボス(5)の左右一側に凹ボス(6)を形成し、該ロータボス(5)の左右他側に凸ボス(7)を形成し、前記ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)とを嵌め合わせて構成したことを特徴とする苗移植機とした。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記整地ロータ(14)のロータ体(1)の外周縁部で且つ各整地体(2)の間に所定角度毎に間隔部(8)を形成し、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を該間隔部(8)に接触するまで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記間隔部(8)に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が間隔部(8)を通過して移動可能となる溝部(9)を形成したことを特徴とする請求項2記載の苗移植機とした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記整地ロータ(14)のロータ軸(4)に配置した各ロータ羽根(3)を前記凹ボス(6)と凸ボス(7)とを左右方向に摺動自在に嵌め合わせ、該凹ボス(6)と凸ボス(7)との間にバネ部材(10)を設けて各ロータ羽根(3)を機体外側方向に付勢する構成としたこと特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とした。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記整地ロータ(14)の外側端部に配置する端部ロータ(11)を外側のサイドアーム(12)に軸着し、該サイドアーム(12)をロータフレーム(13)に対してこのロータ軸(4)の左右方向に移動調節可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の苗移植機とした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は、ロータ羽根(3)の左右一側に形成した凹ボス(6)に隣接するロータ羽根(3)の左右他側に形成した凸ボス(7)を嵌め合わせてロータ軸(4)の左右方向に複数設けて整地ロータ(14)を構成したことにより、凹ボス(6)と凸ボス(7)との左右間隔を広めると整地ロータ(14)の整地幅を広くすることができるので、苗の植付位置周辺の圃場面が確実に整地され、植付の浅い苗が流されて欠株が生じることや、植付の深過ぎる苗が日照不足により生育不良を起きることが防止されるため、収穫量が安定する。
【0013】
また、凹ボス(6)と凸ボス(7)との左右間隔を狭めると整地ロータ(14)の整地幅を狭くすることができるので、整地ロータ(14)の外側端部が隣接する植付済みの苗に泥土を押し寄せることが防止され、苗が埋まったり欠株が生じたりせず、収穫量が安定する。
【0014】
そして、整地ロータ(14)が苗移植機の輸送手段となる軽トラック等の荷台からはみ出すことを防止できるので、走行中に整地ロータ(14)が壁等にぶつかって破損することが無い。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、各整地体(2)の間に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が移動可能な間隔部(8)を所定角度毎に形成したことにより、整地ロータ(14)の整地幅を狭くする際に隣接し合う整地体(2)同士が干渉しあわないため、整地ロータ(14)の整地幅をより狭く調節することができるので、整地ロータ(14)の外側端部が隣接する植付済みの苗に泥土を押し寄せることがいっそう防止され、苗が埋まったり欠株が生じたりせず、収穫量がいっそう安定する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、間隔部(8)に溝部(9)を形成し、この溝部(9)に隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を移動可能に構成したことにより、さらに整地ロータ(14)の整地幅を狭く調節することができるので、苗の植付位置だけを集中して整地し、整地ロータ(14)の外側端部が泥土を押し上げても隣接条まで泥土が移動しなくなり、苗の植付深さが均等になるとともに隣接条の苗が泥土に埋まることが防止され、収穫量が安定する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)との間にバネ体(10)を設け、このバネ体(10)で各ロータ羽根(3)を機体外側方に張圧することにより、整地ロータ(14)の整地幅を広げた場合でも縮めた場合でも、各ロータ羽根(3)の左右間隔が略同じに保たれるので、整地ロータ(14)で均等に圃場面を整地することができ、整地ムラが生じて苗の植付深さが浅くなったり深過ぎたりすることが防止され、収穫量が安定する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、端部ロータ(11)をサイドアーム(12)に軸着したことにより、作業者はこのサイドアーム(12)を手で持ち、ロータフレーム(13)に沿って左右方向に移動させることができるので、整地ロータ(14)の整地幅を簡単に変更することができ、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】整地ロータの配置平面図
【図4】整地ロータの要部拡大側面図
【図5】(a)整地ロータ伸張時の拡大正面図、(b)整地ロータ収縮時の拡大正面図
【図6】(a)整地ロータの側面図、(b)整地ロータの変形動作を示す側面図
【図7】整地ロータの端部の部分拡大図
【図8】整地ロータの変形動作を示す要部側面図
【図9】整地ロータの変形動作を示す要部正面図
【図10】整地ロータの別実施例の変形動作を示す要部正面図
【図11】整地ロータの別実施例の変形動作を示す要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1、図2に示すように、苗移植機は、ステアリングポスト上のハンドル16によって操向する左右の前輪17,17と、運転席18下に搭載のエンジン19によって駆動される左右の走行輪(後輪)20,20を配置する四輪走行形態の走行車体21を有し、該車体21の後側に平行リンク形態のリフトリンク22を介して苗植装置15を機体上下方向に昇降可能に装着する。そして、走行車体21の左右両側のサイドフロア23,23の前部外側部には、左右の補助苗受枠24,24を設けて、マット苗を育苗した苗トレイを載置する。
【0021】
また、前記前輪17,17の左右間には、ミッションケース25及び油圧無段変速装置26を設けて、エンジン19の動力により該油圧無段変速装置26を駆動し、該油圧無段変速装置26からミッションケース25内の副変速装置等を介して、前記前輪17,17及び後輪連動軸27,27に駆動力をきょうきゅうして、前記走行輪20,20を軸着した後車軸28等を伝動する。
【0022】
さらに、前記ミッションケース25からPTO軸を介して、苗植装置15の苗植入力軸29や、施肥装置38等に駆動力を供給して伝動する構成としている。前記リフトリンク22は、車体21後部のリフトシリンダ30の油圧伸縮により昇降される。
【0023】
前記苗植装置15は、マット苗の供給を受けて左右横方向へ往復移動しながら繰出ベルト31の間歇的駆動によって後下端の苗分離口32へ向けて繰出す多条植形態の苗タンク33と、苗植伝動ケース34の後方において側面視楕円形状の苗植軌跡線Dを描いて苗植付作動する苗植爪35とから構成する。
【0024】
図1〜図3で示すように、該苗植伝動ケース34の下面を支持するフロート36は、下側中央部のセンタフロート36Aと、該センタフロート36Aの左右両外側のサイドフロート36B,36Bと、機体外側端部に設ける左右のアウタフロート37C,37Cから構成され、該センタフロート36Aとサイドフロート36B,36Bとアウタフロート37C,37Cとは、取付軸を回動中心として上下揺動自在に支持している。
【0025】
該センタフロート36Aの上下揺動により苗植装置15の植付深さを検出し、植付深さに変化があると前記リフトシリンダ30の油圧回路の制御弁を作動させて、苗植装置15を上下動して植付深さを一定に維持するように昇降制御する。苗植爪35は、センタフロート36Aとサイドフロート36Bとアウタフロート36Cの左右両側の均平部に対応して作動する多条植形態として、前記苗植軌跡線Dの上端作動位置で苗タンク27の苗分離口32に介入して苗分離しながら、保持した苗を前記フロート36で均平した土壌面に下降して適宜深さに植付ける。
【0026】
図1、図3及び図4で示すように、前記センタフロート36A及びサイドフロート36Bの前側に整地ロータ14を配置し、前記後車軸28を軸受する後車軸伝動ケース38の伝動機構部からロータ連動軸39を介して駆動する構成とする。
【0027】
前記センタフロート36Aはサイドフロート36B及びアウタフロート36Cよりも前方へ長く突出するため、該センタフロート36Aの前側に配置の整地ロータ14は、センタフロート36Aの前側に配置されるセンタロータ14Aと、サイドフロート36Bとアウタフロート36Cの前側に配置される左右のサイドロータ14B,14Cから構成される。
【0028】
該センタロータ14Aとサイドロータ14B,14Cは、センタロータ14Aを前方に突出させて配置し、前記センタフロート36A及びセンタロータ14Aを左右の走行輪20,20の左右方向中央部で且つ走行車体21のセンターラインL上に沿って配置する。また、前記サイドフロート36Bとアウタフロート36C及びサイドロータ14B,14Cは、左右の走行輪20,20の後方に配置する。
【0029】
上記構成により、苗植爪35よりも大幅に前方に離間した位置でセンタフロート14Aが苗植装置15の植付深さを検出することができるので、苗の植付直前に苗植装置15が上昇して苗植爪35の苗の植付深さが浅くなり、苗が水流や風に流されて欠株が生じることが防止されるため、収穫量が安定する。
【0030】
また、苗の植付直前に苗植装置15が下降して苗植爪35の苗の植付深さが深くなり、苗が十分な日光を浴びられず生育不良を起こすことや立ち枯れてしまうことを防止できるので、収穫した米が未成熟、低品質となりにくく、収穫量や品質が安定する。
【0031】
また、図4で示すように、前記苗植伝動ケース34等の前側に沿って設ける苗植フレーム40に、上下一対のリンクアーム41の後側端部を介してロータフレーム42を昇降揺動可能に配置する。該ロータフレーム42の下部にはセンタロータ14A及び左右のサイドロータ14B,14Cを配置すると共に、該ロータフレーム42の下端部には前記サイドロータ14B,14Cのロータ軸4を軸受けする軸受ホルダ43の軸受アームを取付ける。該ロータフレーム42の下端部には、左右一対のロータ伝動ケース45,45の前端間にセンタロータ14Aのロータ軸4の左右両端部を軸受し、該左右のロータ伝動ケース45,45の後端部に、サイドロータ14B,14Cのロータ軸4の苗端部を軸受する。
【0032】
これらロータ伝動ケース45,45の前後端部に軸受けする前後ロータ軸4,4間には、伝動チェーン(図示省略)を掛け渡して連動回転する。このうち左側のサイドロータ14B,14Cのロータ軸4の内端部には、前方から伸縮自在のスプライン軸からなるロータ連動軸39を介して連動される入力軸40を、ベベルギヤ39を介して噛合連動する。該ロータ連動軸39は、前記後車軸伝動ケース38のロータ取出軸46に連結して、このロータ取出軸46に設けられるクラッチ機構(図示省略)の操作によって伝動することができる。
【0033】
ロータ取出軸46から左側のサイドロータ14Bを伝動回転することにより、左側のロータ伝動ケース45内の伝動チェーンを介してセンタロータ14Aを回転駆動させると共に、右側のロータ伝動ケース45内の伝動チェーンを介して右側のサイドロータ14Cを回転駆動させることができるので、伝動経路の構成が簡潔になり、部品点数が削減される。
【0034】
また、図1で示すように、前記リフトシリンダ30を伸縮させることにより、前記リフトリンク22を介して連結される苗植装置15と共に整地ロータ14を昇降させることができるので、苗の植え付けを行なう際には整地ロータ14が圃場面に確実に接触して植付位置周辺を整地するため、苗の植付深さが安定し、収穫量が安定する。
【0035】
そして、旋回時などに苗植装置15を上昇させる際、整地ロータ14が下降したまま旋回して圃場面を深く抉ってしまうことを防止できるので、圃場端に苗を植え付ける際に整地ロータ14で前輪17,17及び走行輪20,20の旋回痕を確実に消すことができ、苗の植付深さが安定することにより収穫量が安定する。
【0036】
また、前記ロータフレーム42の上端部とロータ伝動ケース45の前部間に吊下スプリング47を設け、該吊下スプリング47でセンタロータ14Aを上方に付勢することにより、圃場面にかかる整地ロータ14の重量を軽減している。
【0037】
上記構成により、圃場が柔らかい場合や、土中内に空気溜りがある場合等に、整地ロータ14が自重で圃場に潜り込んでしまうことを防止できるので、整地ロータ14が植付位置の周囲の泥土を掘り起こしてしまうことが防止され、既に植えられた苗が泥土や水流で押し流されてしまうことがなく、欠株の発生が防止される。
【0038】
また、泥土が水を濁して視界を悪くすることを防止できるので、作業者は圃場の状態を目視しながら作業することができ、機体の操作性や植付精度が向上する。
前記センタロータ14A及びサイドロータ14B,14Cの外周上部は、それぞれ円弧形状のロータカバー48で覆われている。
【0039】
該ロータカバー48を設けたことにより、センタロータ14A及びサイドロータ14B,14Cが回転駆動により泥土や藁屑等の夾雑物を巻き上げても、ロータカバー48が夾雑物の上方への移動を防止するので、機体や作業者に泥土が飛散することが無く、掃除等のメンテナンス性が向上すると共に、作業者が作業中に不快感を覚えることが防止される。
【0040】
図3〜図7で示すように、左右のサイドロータ14B,14Cの左右外側には、左右のロータ軸4,4の延長軸芯周りに回転する左右の延長ロータ14D,14Eを夫々配置する。該延長ロータ14D,14Eは左右のアウタフロート36C,36Cの前側に配置され、該サイドロータ14B,14Cで整地した土壌面をサイドフロート36B,36Cで均平しながら苗植爪35による苗の植付作業を行わせる構成としている。
【0041】
そして、図5〜図7で示すように、ロータリム1の外周に複数の所定長さの整地板2…を配置したロータ羽根3をサイドロータ14B,14Cのロータ軸4の左右方向に沿って複数個軸着する。また、該複数のロータ羽根3…のロータリム1の中心部に左右方向に突出するロータボス5を形成し、該ロータボス5の左右一側を凹形状の凹ボス6、左右他側を該凹ボス6に嵌合可能な径とした凸形状の凸ボス7で形成する。さらに、該凹ボス6の内周面に雌ネジ溝を刻むと共に、凸ボス7の外周面に雄ネジ溝を刻み、雄ネジ溝と雌ネジ溝を噛み合わせて隣接するロータ羽根3同士を連結可能でかつ左右間隔を調節自在に構成する。
【0042】
そして、ロータ羽根3の凹ボス6と隣接するロータ羽根3の凸ボス7とを嵌合させ、ロータ羽根3…をロータ軸4の左右方向に亘って連続して配置することにより、前記延長ロータ14D,14Eが構成される。
【0043】
苗移植機で苗植作業を行なう場合、整地ロータ14がロータ軸4の回転駆動することにより、複数の整地板2…が土壌面に接触して凹凸を掻き均すことができるので、苗の植付深さが略一定となり、植付深さの浅い苗が水流や風で流されて欠株が生じることが防止され、収穫量が安定する。
【0044】
また、苗の植付深さが深くなり過ぎることを防止できるので、苗が日照不足により生育不良や立ち枯れを起こすことが防止され、収穫量が減少することが防止されると共に、収穫物が低品質化することが防止される。
【0045】
そして、整地ロータ14の整地跡の土壌面をフロート36が滑走することにより、僅かでも凹凸がある度にフロート36の角度が変わり、その度に苗植装置15の上下高さが変化することを防止できるので、苗の植付深さが安定し、植付精度が向上する。
【0046】
さらに、苗植装置15が短い間隔で上下動しにくくなるため、苗植装置15の上下動による機体の揺れを防止することができるので、苗移植機の走行姿勢が安定し、作業能率が向上する。
【0047】
また、前記ロータ軸4の軸端部に装着されるロータ羽根3は、雌ネジ溝を刻んだ凹ボス6を回転させて雄ネジ溝を刻んだ凸ボス7に近接させる、あるいは離間させることにより、隣接するロータ羽根3同士を連結したままロータ軸4に沿って左右方向に移動させることができるので、最外側に配置するロータ羽根3をロータ軸4の外側端部まで移動させると、延長ロータ14D,14Eの外側への突出幅を長くすることができる。
【0048】
これにより、整地ロータ14で整地可能な範囲が広がるので、苗の植付条数が多いときであっても、苗の植付位置周辺の圃場面を確実に掻き均すことができるので、苗の植付深さや苗の生育が安定し、収穫量及び収穫物の品質が維持される。
【0049】
また、隣接するロータ羽根3同士を凹ボス6と凸ボス7が完全に噛み合うまで回転させ、最外側のロータ羽根3がロータ軸4の外側端部から機体内側方向に離間した位置に移動させることにより、延長ロータ14D,14Eの外側への突出幅を短くすることができる。
【0050】
これにより、整地ロータ14の左右幅が狭くなるので、整地ロータ14の端部が圃場の泥土を機体左右方向に押し出し、既に圃場に植え付けられた苗をこの泥土で押し倒したり埋めてしまうことを防止できるので、欠株や苗の埋まりが防止され、収穫量が安定する。
【0051】
また、図8、図9で示すように、前記ロータ羽根3は、外周面に設ける複数の整地板2…同士の間に略直線状の間隔部8を形成し、該間隔部8に異なる位相方向に回転させて隣接させるロータ羽根3の整地板2が移動可能な構成としている。
【0052】
整地ロータ14の整地幅を変更する場合、前記ロータ羽根3の整地板2の位相を、隣接する整地板2の間隔部8に対向する位置に移動させ、整地板2を間隔部8に入り込ませると共に、ロータ羽根3をロータ軸4に沿わせて回転させ、凹ボス6を凸ボス7に近接させる、あるいは離間させることにより、延長ロータ14D,14Eの左右幅が機体内側方向に収縮、あるいは機体外側方向に伸張して、整地ロータ14の整地幅を変更することができる。
【0053】
延長ロータ14D,14Eを機体外側方向に伸張させることにより、苗の植付条数が多い場合、苗の植付位置周辺を確実に整地して、植付深さを安定させることができるとともに、フロート36が植付深さを正確に認識でき、苗植装置の15の上下動を必要な場合にのみ行うことができる。
【0054】
そして、延長ロータ14D,14Eを機体内側方向に収縮させることにより、延長ロータ14D,14Eの端部が泥土を押して隣接条に植え付けられた苗を押し倒したりすることを防止でき、欠株の発生や生育不良が防止され、収穫量が安定する。
【0055】
また、図10、図11で示すように、延長ロータ14D,14Eを構成する前記ロータ羽根3の円周上で且つ間隔部8に隣接するロータ羽根3の整地板2を入り込ませる溝部9を形成することにより、ロータ羽根3と隣接するロータ羽根3との左右間隔を短くすることができるので、整地ロータ14の収縮可能な範囲が大きくなり、いっそう隣接条の苗への泥押しが防止される。
【0056】
前記ロータ軸4に配置した複数のロータ羽根3…は、凹ボス6と凸ボス7との間にスプリング10を夫々軸着し、該スプリング10によってロータ羽根3を機体外側方向に常時押圧する構成としている。
【0057】
前記ロータ羽根3はスプリング10を介して機体外側方向に押圧されているため、外側端部に位置する端部ロータ11の位置によって整地幅が決まる。また、複数のロータ羽根3が配置される形態では、複数のロータ羽根3…もスプリング10によって張発されて、各々所定の配置間隔に維持される。
【0058】
更に、図7で示すように、前記整地ロータの外側端部に配置する端部ロータ11の軸を外側の軸受カバー12の基部側に軸着し、該軸受カバー12を手動で回転させて端部ロータ11を機体左右方向に移動可能に構成する。そして、該軸受カバー12の端部側を受けて延長ロータ14D,14Eの最縮状態を維持するロータフレーム13を配置する。
【0059】
前記端部ロータ11は、外側のサイドアーム12で回転自在に軸受しているため、この端部ロータ11と、中央部のロータ軸4と間のロータ羽根3とが前記凹部ボス6、及び凸ボス7の螺子溝の嵌合によるロータボス5部で軸受されて構成され、駆動回転により整地作業を行うことができる。
【0060】
該整地幅を変更するときは、サイドアーム12を回転させて端部ロータ11を回転させ、該端部ロータ11の凹ボス6を隣接するロータ羽根3の凸ボス7から機体外側方向に離間させる、あるいはサイドアーム12を逆方向に回転させて端部ロータ11を回転させ、該端部ロータ11の凹ボス6を隣接するロータ羽根3の凸ボス7に近接させる。
【0061】
前記整地ロータ14は、角ボス穴50を形成したロータボス5を有し、このロータボス5を前記ロータ伝動45に軸受けした角軸形態のロータ軸4に嵌合させて取付け、一体的に回転させることができる。このロータボス5にディスク状のロータリム1を一体成形して、このロータリム1の外周端にロータリ軸4と平行状の整地板2を一体成形する。
【0062】
この整地板2は、図7、図9のように軸方向幅長さの中央位置を、ロータリム1に一体的に連結してT字形態として形成しているが、一部のロータ羽根3にあっては、整地板2の横端部をロータリム1に連結してL字形状に形成することもできる。前記ロータリム1の外周に配設する整地板2は、図8、図10のように6等配に設定して、回転方向イに対して中心側へ入り込み傾斜する傾斜面ロを有する。
【0063】
従って、この整地板2が土壌面に回転接触するときは、この傾斜面ロの向角によって泥土を前側へ押すようにして叩き掻くものであるから、整地ロータ14に浮力を与えながら押圧した泥土を後側へ掻き跳ねて推進し、土壌面を掻き均すものである。そして、各整地板2の回転方向イの前後の配置間隔板部に、軸4方向隣接部のロータ羽根3の整地板2が入り込む間隔部8を形成している。相互に隣接するロータ羽根3のロータボス5を同ロータ軸4に嵌合させて装着するとき、整地板2の位相を30度だけずらせることによって、隣接位置の整地板2の側端部を間隔部8に入込ませた状態にして設定することができ、従って相隣接のロータ羽根3の軸方向間隔を接近させて取付けることができる。
【0064】
又、このようなロータ羽根3の取付形態において、整地板2の幅長さが大きいため、側端部が隣接のロータリム1に接触して、取付位置の制限を受けるときは、図9のようにこのロータリム1の外周縁部に切欠凹部のリム間隔9を形成することにより、このリム間隔9に隣接整地板2の側端部を位置させて、配置位置の制限を解消することができる。
【0065】
このようにして、ロータ軸4に嵌合した各整地ロータ2のロータボス5の位置を、これらロータ軸4とロータボス5とにわたって形成のピン穴51、52に挿通して回り止めすることができる。
【0066】
前記横端のサイドロータ14Cは、ロータ軸4をサイドロータ14Bの領域に設けて、このロータ軸4の横外側端に取付けたロータ羽根3の凸ボス7に、このサイドロータ14Cの内側端に位置するロータ羽根3の凹ボス6を嵌合させて連設する、適数個のロータ羽根3を連設して、サイドフロート36Cの均平域幅を代掻き可能の形態とする。このためこれらサイドロータ14Cのロータ羽根3を取外して代掻幅を狭くしたり、格納幅を狭くしたときは、このロータ羽根3を取外した跡にロータ軸4が残らないため、邪魔にならない。
【0067】
前記ロータボス5の凹ボス6と凸ボス7の軸方向の深さや、長さは、嵌合した状態で軸方向へ摺動自在の形態で、適宜の長さに設定される。スプリング10は、各ロータボス5周りのロータリム1相互間に嵌合して外側へ弾発するように付勢される。
【0068】
このようにして、ロータボス5を外側へ継ぎ足して最外側に位置するロータ羽根3からなる端部ロータ11は、凸ボス7の外側に軸受部53を突出形成し、この軸受部53をベアリング54を介してサイドアーム12の下端部に嵌合軸受させる。
【0069】
このサイドアーム12を取付けるロータフレーム13、及びロータカバー48等は、サイドロータ14Cの各ロータ羽根3の増、減数によって軸受位置が変るために、左右方向へ拡縮できる形態としたり、不要時は取外可能の形態とするものである。
【符号の説明】
【0070】
1 ロータリム(ロータ体)
2 整地板(整地体)
3 ロータ羽根
4 ロータ軸
5 ロータボス
6 凹ボス
7 凸ボス
8 間隔部
9 溝部
10 スプリング(バネ体)
11 端部ロータ
12 サイドアーム
13 ロータフレーム
14 整地ロータ
14A センタロータ
14B サイドロータ
14C サイドロータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(21)の後部に昇降リンク装置(22)を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部(33)を設け、該植付部(33)の下方で且つ苗植部材(35)の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ(14)を供える苗移植機において、
該整地ロータ(14)を、ロータ体(1)の外周縁部に所定長さの整地体(2)を複数配置したロータ羽根(3)をロータ軸(4)の左右方向に沿って複数装着し、該ロータ羽根(3)のロータボス(5)の左右一側に凹ボス(6)を形成し、該ロータボス(5)の左右他側に凸ボス(7)を形成し、前記ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)とを嵌め合わせて構成したことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記整地ロータ(14)のロータ体(1)の外周縁部で且つ各整地体(2)の間に所定角度毎に間隔部(8)を形成し、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を該間隔部(8)に接触するまで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記間隔部(8)に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が間隔部(8)を通過して移動可能となる溝部(9)を形成したことを特徴とする請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記整地ロータ(14)のロータ軸(4)に配置した各ロータ羽根(3)を前記凹ボス(6)と凸ボス(7)とを左右方向に摺動自在に嵌め合わせ、該凹ボス(6)と凸ボス(7)との間にバネ部材(10)を設けて各ロータ羽根(3)を機体外側方向に付勢する構成としたこと特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項5】
前記整地ロータ(14)の外側端部に配置する端部ロータ(11)を外側のサイドアーム(12)に軸着し、該サイドアーム(12)をロータフレーム(13)に対してこのロータ軸(4)の左右方向に移動調節可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の苗移植機。
【請求項1】
走行車体(21)の後部に昇降リンク装置(22)を介して上下動する圃場に苗を植え付ける植付部(33)を設け、該植付部(33)の下方で且つ苗植部材(35)の植付位置の前側の圃場面を整地する整地ロータ(14)を供える苗移植機において、
該整地ロータ(14)を、ロータ体(1)の外周縁部に所定長さの整地体(2)を複数配置したロータ羽根(3)をロータ軸(4)の左右方向に沿って複数装着し、該ロータ羽根(3)のロータボス(5)の左右一側に凹ボス(6)を形成し、該ロータボス(5)の左右他側に凸ボス(7)を形成し、前記ロータ羽根(3)の凹ボス(6)と隣接するロータ羽根(3)の凸ボス(7)とを嵌め合わせて構成したことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記整地ロータ(14)のロータ体(1)の外周縁部で且つ各整地体(2)の間に所定角度毎に間隔部(8)を形成し、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)を該間隔部(8)に接触するまで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記間隔部(8)に、隣接するロータ羽根(3)の整地体(2)が間隔部(8)を通過して移動可能となる溝部(9)を形成したことを特徴とする請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記整地ロータ(14)のロータ軸(4)に配置した各ロータ羽根(3)を前記凹ボス(6)と凸ボス(7)とを左右方向に摺動自在に嵌め合わせ、該凹ボス(6)と凸ボス(7)との間にバネ部材(10)を設けて各ロータ羽根(3)を機体外側方向に付勢する構成としたこと特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項5】
前記整地ロータ(14)の外側端部に配置する端部ロータ(11)を外側のサイドアーム(12)に軸着し、該サイドアーム(12)をロータフレーム(13)に対してこのロータ軸(4)の左右方向に移動調節可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−205911(P2011−205911A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73935(P2010−73935)
【出願日】平成22年3月27日(2010.3.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月27日(2010.3.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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