説明

茹で機

【課題】麺等の茹で上げの均一化、及び麺等の茹で上げ作業の単純化、容易化を目的とする。
【解決手段】湯槽12内の湯にエアを噴出するためのエアポンプ5と、エアポンプ5と接続され、湯槽12内に設置された、エア噴出孔89が形成されたエア流路88と、茹籠7が取り付けられた昇降軸22と、昇降軸22に連結されたラック26と、ラック26と係合するピニオン27と、回転軸22を介してピニオン27を回転させる、正逆回転が可能なモータ23を備えて、茹籠7を昇降させる昇降装置2と、昇降軸22の下降を検出する検出器と、前記検出器からの昇降軸22の下降の検出信号に基づいて、エアポンプ5を作動させる制御装置4を備えていることを特徴とする茹で機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスタ、そば、うどん等の麺類等を茹でる茹で機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、茹でる麺等を収容する茹籠を、湯槽へ投入すると共に所定時間経過後に湯槽から取出すために、茹籠を設置した軸が自動で昇降する茹で機が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、上記のような茹籠の自動昇降装置を備えた茹で機において、茹籠の下降に伴って湯槽へ自動的に差し水を行ない、茹籠の上昇に伴って自動的に差し水を停止して、茹籠の昇降に自動的に連動して差し水を制御する茹で機(例えば、特許文献2、3参照。)や、茹籠の下降に伴って自動的に湯槽内の加熱手段を強制的に駆動し、湯を加熱して、茹籠の昇降に自動的に連動して加熱を制御する茹で機(例えば、特許文献3参照。)も提案されている。
【0004】
又、茹籠内の麺を攪拌し、麺をほぐし、均一に茹でる為に、エアポンプを用いて湯槽内に設けたパイプからエアを噴出させる茹で機も提案されている(例えば、特許文献2、3、4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3101562号公報
【特許文献2】特開2005−152288号公報
【特許文献3】特開2004−135989号公報
【特許文献4】特許第4545609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の特許文献2、3及び4に記載されているように、エアポンプを用いて湯槽内にエアを噴出させ、エアで麺等の攪拌、ほぐしを行なうことは、加熱及び差し水と共に麺の茹で上げの均一化に重要な要素となっている。
【0007】
しかし、従来技術においては、エアの噴出の制御は、加熱や差し水の制御のための操作と全く別個の操作が必要であるので、調理作業が煩雑であり、時にはエアの供給が忘れられてエアの噴出が行なわれず、麺の茹で上げを不均一なものにしてしまう場合もあった。
【0008】
更に、特許文献2及び3には、数秒単位でエアの供給、停止を繰り返すことが記載されているが、エアの供給の開始及び停止の制御については、全く具体的な記載、その示唆がされていない。
【0009】
又、特許文献2及び3には、茹籠の昇降に自動的に連動して差し水を制御する茹で機が提案されているが、どのような具体的構成で茹籠の昇降に差し水を連動させるのかの記載が全くなされていない。
【0010】
そこで、本発明は、麺等の茹で上げの均一化、即ち、麺等の茹で具合を、調理者や湯槽内での茹でる位置といった要因によって左右されず、均一化することを目的とする。又、麺等の茹で上げ作業を単純化して容易とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、枠体に設けた湯槽に茹籠を昇降させて、前記湯槽内に設置したヒータで茹籠内の食材を茹でる茹で機であって、前記湯槽内の湯にエアを噴出するためのエアポンプと、前記エアポンプと接続され、前記湯槽内に設置された、エア噴出孔が形成されたエア流路と、前記茹籠が取り付けられた昇降軸と、前記昇降軸に連結されたラックと、前記ラックと係合するピニオンと、回転軸を介して前記ピニオンを回転させる、正逆回転が可能なモータを備えて、前記茹籠を昇降させる昇降装置と、前記昇降軸の下降を検出する検出器と、前記検出器からの前記昇降軸の下降の検出信号に基づいて、前記エアポンプを作動させる制御装置を備えていることを特徴とする茹で機である。
【0012】
又、上記茹で機において、差し水を行なうための送水管に電磁弁が設置され、前記制御装置は、前記検出器からの前記昇降軸の下降の検出信号に基づいて、前記湯槽内に設置された前記ヒータを作動させると共に前記電磁弁を開かせることを特徴とする茹で機である。
【0013】
又、上記茹で機において、上板と上板を支持する脚体を備えると共に、前記エア流路が形成されたバッフル板を備え、前記バッフル板は、前記上板の裏面に、前記エアポンプから供給されたエアを前記エア流路内に導入するエア導入管が設けられたエア流路を形成し、前記上板の前記エア流路部分には、エア噴出孔が形成されていることを特徴とする茹で機である。
【0014】
又、上記茹で機において、複数の茹籠に対応して夫々前記エア噴出孔が形成され、茹籠に対応するエア噴出孔の大きさ及び数を湯槽内の位置によって変化させて、設置位置に違いがあっても同量のエアが供給されるように形成したことを特徴とする茹で機である。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によれば、麺等の茹で上げの均一化、即ち、麺等の茹で具合を、調理者や湯槽内での茹でる位置といった要因によって左右されず、均一化することが可能となった。又、麺等の茹で上げ作業を単純化して容易とすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明一実施例正面図
【図2】本発明一実施例平面図
【図3】本発明一実施例側断面図
【図4】本発明一実施例一部分破断面側面図
【図5】バッフル板一実施例平面図
【図6】図4A−A断面図
【図7】バッフル板一実施例下方向から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7を参照して説明する。本発明の茹で機として、食材としての麺を茹でる茹で麺機を例にして説明する。茹で機1は枠体10と、枠体10の両側部に夫々設けられた昇降装置2と、枠体10の前面部に設けられた操作部3とを備えて構成されている。又、枠体10の前面部には、操作部3の一部が見られる窓151を備えた開閉自在の扉15が設けられている。又、枠体10の底面四隅には夫々脚部11が設けられ、枠体10の上部には、上部が開口した湯槽12が設けられ、枠体10の内部には、制御装置4、エアポンプ5、注水栓6が設置されている。図に示す実施の形態では、茹で機1は茹籠7を左右に3個づつ夫々1列に配置して合計6個配置している。
【0018】
湯槽12は、水又は湯を貯留し、貯留された湯を加熱して湯槽12内に投入された麺を茹でるための槽であり、略長方体であり、底部に湯槽12内に貯留された湯を加熱するための加熱装置としてのヒータ71が設置されている。ヒータ71は、茹で機1に設置された茹籠7の数と同数を、茹籠7が湯槽12内に位置する時に茹籠7の真下に位置するように設置している。尚、ヒータは茹籠7の数と対応させずに、1個又は2個程度を設置する構成としてもよい。
【0019】
又、湯槽12内には、空焚き防止のため、ヒータ71が完全に水に浸かる高さに下部水位センサ91が設置され、湯槽12内から湯があふれることを防止すると共に、麺を茹でるために充分は水位を確保するため、湯槽12に投入された茹籠7の上部に対応する位置に上部水位センサ92を設置している。更に、湯槽12内には、湯槽12内の水の温度を検知する温度センサ93を設置している。
【0020】
又、湯槽12の内部には、上板81と上板81を支持する脚体82を備えたバッフル板8が、脚体82を湯槽12の底面上に載置して、ヒータ71の上方に上板81が位置するように着脱自在に設置されている。バッフル板8は、ヒータ71により加熱された湯を茹でられる麺に効率よく供給して、茹で上げの効率化を図ると共に、本発明においては、茹でられる麺にエアを噴出して、効率よくほぐしを行い、均一に茹で上げるためのものである。
【0021】
バッフル板8の上板81の裏面801には、エアポンプ5から供給されたエアを湯槽12内へ送るためのエア流路88が形成されている。エア流路88は、板体を曲折して形成した断面コの字型の部材を上板81の裏面801に固着して形成し、中心部に、エアポンプ5から供給されたエアをエア流路88内に導入するエア導入管808が設られた第一流路881と、第一流路881の両端から第一流路881と直交する両方向に延びる2本の第二流路882で、平面視でH型に形成され、上板81の第二流路882部分には、茹籠7に対応してエア噴出孔89が形成されている。
【0022】
エア噴出孔89は夫々の茹籠7の真下に形成されるが、茹籠7の中心からずらして茹籠7の外周端部の真下に位置させることが好ましい。このような構成とすることで、茹籠7内の麺を茹籠7内で回転させて、効率よくほぐしが行えると共に、均一に茹で上げることができる。エア噴出孔89は、1個の茹籠7に対して1個のみ設けてもよいが、複数設けてもよい。1個の茹籠7に対して複数のエア噴出孔89を形成する場合には、上記と同様の理由から、茹籠7の外周端部に多くのエアが噴出されるようにエア噴出孔89の形状、配置を行うことが好ましい。一具体例としては、茹籠7の外周端部の真下に他の孔より大きな孔を設けて一列に配置する形態が採用できる。
【0023】
又、上板81のエア流路88以外の部分には、ヒータ71で加熱された湯を茹籠7へ上昇させるための加熱湯噴出孔84が形成されている。そして、湯槽12の底面と上板81間の空間でヒータ71により湯が集中的に加熱され、加熱湯噴出孔84から茹籠7へ加熱された湯を噴出させる。
【0024】
又、通常、茹で機1のメンテナンスの容易化のため、湯槽12の排水口121は湯槽12の底面の前面よりに形成され、確実な排水のために、排水口121に向かって湯槽12の底面が傾斜して形成されている。従って、湯槽12の底面にバッフル板8を設置すると、バッフル板8の上板81が、湯槽12の前面側が低く、背面側が高く傾斜して設置されることになる。このような状態で総ての茹籠7に対応するエア噴出孔89の大きさ及び数、即ち総面積を同一とすると、総ての茹籠7に対して同量、同じ勢いでエアが供給されず、麺のほぐし及び茹で上げが湯槽12内での茹でる位置によって不均一となってしまう。そこで、エア噴出孔89の大きさ及び数を湯槽12内の位置によって、即ち前面側から背面側の位置関係によって変化させ、設置位置に違いがあっても、即ち、前面側から背面側の違いがあっても同量、同じ勢いでエアが供給されるように形成することが好ましい。具体的には、図5に示すように、第一流路881と合流する第二流路882部分のエア噴出孔891の総面積を一番小さく、上板81の傾斜の高い位置にある背面側のエア噴出孔892の総面積を次に小さく、上板81の傾斜の低い位置にある前面側のエア噴出孔893の総面積を一番大きく形成することが好ましい。
【0025】
茹籠を昇降させる昇降装置2は、筐体20と、筐体20内に設置された昇降機構21と、タイマーを内蔵し、昇降機構21のモータ23と電気的に接続され、モータ23の作動を制御する制御装置24と、筐体20の前面部に設けられた主電源210、操作部25とを備えて構成されている。昇降装置2は枠体10の両側部に夫々、図示しないボルト、ナット及びブラケット等により枠体10に固定されて設置され、1個の昇降装置2には、3個の昇降機構21が並列して配置されている。
【0026】
昇降機構21は、円柱状の昇降軸22と、昇降軸22の下端に連結されたラック26と、ラック26と係合するピニオン27と、回転軸231を介してピニオン27を回転させる、正逆回転が可能なモータ23を備えて構成されている。
【0027】
昇降軸22は、筐体20の上面の開口部に嵌合された支持筒208と筐体20内部に固定されたパイプガイド209に挿入されて上下方向に移動自在に支持され、昇降軸22の上端部は、筐体20から上方に突出し、昇降軸22の上端には、昇降軸22を昇降させるモータ23のオンオフを行なうためのスイッチ201が設けられ、筒状のケース202で被覆されている。ケース202はバネ91で上方に付勢され、平時にはスイッチ201と接触せず、スイッチ201の押下は、バネ91の付勢に抗してケース202を下方に押下して行う。そして、昇降軸22の下端部から突出したピン226と筐体20内部上方に固定されたバネ吊金具229間にバネ228を設置し、昇降軸22を上方に付勢している。
【0028】
又、昇降軸22の下端に連結されたラック26は、ピニオン27とピニオン27に対向する位置に設置されたガイドローラー207により挟持され、ラック26の上端部には後述するリードスイッチ281,282に作用するマグネット227が固定されている。
【0029】
又、昇降軸22の筐体20から上方に突出した部分であってスイッチ201の下方には、茹でる麺を収納する茹籠7を保持するための籠保持部材221が設置されている。籠保持部材221は、棒状体を曲折し、一端には茹籠7を挿入させて、着脱自在に支持する円形状の受け部222が形成され、他端が昇降軸22に固定枠205を介して固定されている。このようにして、昇降軸22の昇降に伴い、茹籠7が湯槽12に投入、脱出可能となっている。
【0030】
操作部25は、昇降機構21毎に別個の作動が可能なように、昇降機構21毎に操作パネル250を設けている。操作パネル250には、設定された茹で時間を表示する表示部251と、茹で時間を増減させて設定する時間設定ボタン252、253が設けられている。茹で時間の設定は、時間設定ボタン252、253を押下して、表示部251に所望の茹で時間を表示させて行い、設定された時間は制御装置24のタイマーに記憶される。
【0031】
又、筐体20の内部には、昇降軸22の上昇を検出する検出器としてリードスイッチ281、昇降軸22の下降を検出する検出器としてリードスイッチ282が夫々昇降機構21毎に設置されている。一対のリードスイッチ281,282は、夫々制御装置4及び制御装置24と電気的に接続され、検出信号を送る。そして、リードスイッチ281は、昇降軸22の最上昇時に、ラック26の上端部に設置されたマグネット227が近接してリードスイッチ281に作用可能な位置に筐体20内部に固定され、リードスイッチ282は、昇降軸22の最下降時に、マグネット227が近接してリードスイッチ282に作用可能な位置に筐体20内部に固定されている。このような構成なので、昇降軸22の最下降時に、リードスイッチ282により、昇降軸22の下降が検出される。
【0032】
尚、昇降装置2、昇降機構21の設置数は、上記構成に限定されることなく、枠体10の形状、大きさ等に対応させて、枠体10の一側面にのみ設置してもよく、又、1個の昇降装置2に3個以上又は以下の昇降機構21を設置することとしてもよい。更に、昇降装置2を枠体10とは別個の筐体20に支持、内蔵させて構成しているが、筐体20を設けずに、枠体10に支持、内蔵させて構成してもよい。
【0033】
操作部3は、主電源31と、操作パネル32が設けれら、操作パネル32には、設定された湯の温度を表示する表示部321と、湯の温度を設定するための温度ボタン322、温度を上下させる温度設定ボタン323、324、表示された温度で決定する設定ボタン325が設けられている。
【0034】
制御装置4は、ヒータ71の作動、即ち湯槽12内の湯の温度、エアポンプ5の作動、湯槽12への差し水を含む水の注入、を制御するもので、湯槽12内のヒータ71、温度センサ93、エアポンプ5、電磁弁61,62、昇降装置2のリードスイッチ281,282と電気的に接続されている。
【0035】
エアポンプ5は、バッフル板8から湯槽12内の湯100内に噴出させるエアをエアパイプ51を介してバッフル板8に供給するためのポンプである。エアポンプ5に接続されたエアパイプ51は、湯槽12の底面に上下両方向、即ち湯槽12の内外両方向に突出して形成されたエア管52の下端部521に気密的に接続され、エア管52の上端部522は、バッフル板8のエア流路88の第一流路881から下方に突出したエア導入管808に挿入されて、エアパイプ51から供給されたエアをバッフル板8のエア流路88へ供給可能としている。
【0036】
注水栓6は、湯槽12へ水を供給するための水栓であり、枠体10の外部からの水道管と接続している。注水栓6は、二股に枝分かれし、一方は、湯槽12に水を満たすための送水管64となり、他方は差し水を行なうための送水管65となっている。両送水管64,65には夫々電磁弁61,62が設置され、差し水を行なうための送水管65には流量調節つまみ63が設置されている。両送水管64,65は電磁弁61,62の先で連結して1本の送水管645となり、送水管645は湯槽12の背面に接触又は近接させて湯槽12と熱交換をして送水管645内の水を加熱し、送水管645を枠体10の背面側から立ち上がり湯槽12内に加熱された湯を注ぐ注水管60に連結されている。
【0037】
次に、茹で機1の作動について説明する。最初に茹で機1の主電源31を入れることにより、制御装置4からの信号により湯槽12に水も満たすための送水管64に設置された電磁弁61が開き、注水管60から湯槽12に水を供給し、貯留する。そして、下部水位センサ91により水が検知されたことの信号を受けた制御装置4が、ヒータ71を作動させて加熱を開始させる。更に、上部水位センサ92により水が検知されたことの信号を受けた制御装置4が、電磁弁61を閉じさせて湯槽12への水の供給を停止させる。
【0038】
ヒータ71は、湯槽12内の水を予め設定された温度まで加熱し、温度センサ93により検知された温度が予め設定された温度に達した時にヒータ71の作動を停止させて加熱を止める。制御装置4は、その後温度センサ93により検知される湯の温度が設定温度より低くなった時に再度ヒータ71を作動させて加熱を開始させて、湯の温度を一定に保つ。
【0039】
尚、湯の温度の設定は、予め行うもので、操作パネル32の温度ボタン322を押下した後、温度設定ボタン323又は324で押下して、表示部321の温度表示を上下させて所望の温度を表示させ、設定ボタン325を押下して決定し、設定された温度を制御装置4に記憶させて行う。
【0040】
次に、昇降装置2の主電源210を入れ、茹籠7に麺を投入し、スイッチ201を押下する。スイッチ201が押下されると、モータ23が正回転することにより、ピニオン27が回転し、ラック26を下方に引き下げる。そして、ラック26と連結された昇降軸22が、バネ228の付勢力に抗して下降する。この昇降軸22の下降により、籠保持部材221そして茹籠7が下降し、茹籠7が湯槽12内の湯に投入され、麺が茹で始められる。
【0041】
昇降装置2の昇降軸22の下降により、マグネット227がリードスイッチ282に近接し、リードスイッチ282が制御装置24へ信号を送り、制御装置24のタイマーで予め設定された茹で時間のカウントが開始され、制御装置24がモータ23を予め設定された茹で時間停止させる。
【0042】
同時に、マグネット227が近接したリードスイッチ282が制御装置4へ信号を送り、昇降軸22の下降を検知した制御装置4が、ヒータ71を作動させて湯の加熱を開始させると共に、エアポンプ5を作動させて、バッフル板8エア流路88を通じてエアを湯槽12内へ噴出させ、更に、差し水を行なうための送水管65に設置された電磁弁62を開かせ、差し水を行なうための管65から注水管60に水を送り、湯槽12内に差し水を開始させる。尚、差し水の流量の調整は、流量調節つまみ63で行うことができる。又、制御装置4が作動させるヒータ71は、総てのヒータ71としてもよいが、夫々のヒータ71を独立制御として、下降した茹籠7に対応するヒータ71のみ作動させてもよい。
【0043】
予め設定された所定の茹で時間の経過後、制御装置24がモータ23に信号を送り、モータ23が逆回転することにより、ピニオン27が回転し、ラック26を上方に引き上げる。ラック26と連結された昇降軸22が、バネ228の付勢力をも利用して上昇する。この昇降軸22の上昇により、籠保持部材221そして茹籠7が上昇し、茹籠7が湯槽12内から脱出され、麺の茹でが終了する。昇降軸22の上昇により、マグネット227がリードスイッチ281に近接し、リードスイッチ281が制御装置24へ信号を送り、制御装置24がモータ23を停止させると共に、タイマーをリセットする
【0044】
同時に、マグネット227が近接したリードスイッチ281が制御装置4へ信号を送り、昇降軸22の上昇を検知した制御装置4がエアポンプ5を停止させて、湯槽12内へのエアの噴出を停止させると共に、ヒータ71を停止させて、湯の加熱を停止させ、更に、電磁弁62を閉じさせて、湯槽12内への差し水を停止させる。尚、差し水は、制御装置4が、予め設定された時間の経過後に電磁弁62を閉じさせて停止させることとしてもよい。
【0045】
以上、本発明茹で機を、その一実施形態の茹で麺機として説明したが、本発明茹で機は、麺を茹でる茹で麺機に限定されるものではなく、野菜等他の食材を茹でる湯で機を含むものである。
【符号の説明】
【0046】
1 茹で機
10 枠体
12 湯槽
2 昇降装置
20 筐体
21 昇降機構
22 昇降軸
23 モータ
24 制御装置
26 ラック
27 ピニオン
201 スイッチ
227 マグネット
281 リードスイッチ
282 リードスイッチ
3 操作部
4 制御装置
5 エアポンプ
6 注水栓
61 電磁弁
62 電磁弁
7 茹籠
71 ヒータ
8 バッフル板
88 エア流路
89 エア噴出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に設けた湯槽に茹籠を昇降させて、前記湯槽内に設置したヒータで茹籠内の食材を茹でる茹で機であって、
前記湯槽内の湯にエアを噴出するためのエアポンプと、
前記エアポンプと接続され、前記湯槽内に設置された、エア噴出孔が形成されたエア流路と、
前記茹籠が取り付けられた昇降軸と、前記昇降軸に連結されたラックと、前記ラックと係合するピニオンと、回転軸を介して前記ピニオンを回転させる、正逆回転が可能なモータを備えて、前記茹籠を昇降させる昇降装置と、
前記昇降軸の下降を検出する検出器と、
前記検出器からの前記昇降軸の下降の検出信号に基づいて、前記エアポンプを作動させる制御装置を備えていることを特徴とする茹で機。
【請求項2】
差し水を行なうための送水管に電磁弁が設置され、前記制御装置は、前記検出器からの前記昇降軸の下降の検出信号に基づいて、前記湯槽内に設置された前記ヒータを作動させると共に前記電磁弁を開かせることを特徴とする請求項1に記載の茹で機。
【請求項3】
上板と上板を支持する脚体を備えると共に、前記エア流路が形成されたバッフル板を備え、前記バッフル板は、前記上板の裏面に、前記エアポンプから供給されたエアを前記エア流路内に導入するエア導入管が設けられたエア流路を形成し、前記上板の前記エア流路部分には、エア噴出孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の茹で機。
【請求項4】
複数の茹籠に対応して夫々前記エア噴出孔が形成され、茹籠に対応する前記エア噴出孔の大きさ及び数を湯槽内の位置によって変化させて、設置位置に違いがあっても同量のエアが供給されるように形成したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の茹で機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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