説明

荷電粒子分析器および荷電粒子を分離する方法

分析器を使用して荷電粒子を分離する方法であって、荷電粒子のビームを分析器を通して飛行させ、荷電粒子のビームが、分析器内部で分析器の分析器軸(z)の方向で少なくとも1回の全振動を受けるとともに主飛行経路に沿って軸(z)の周りを周回するステップと、ビームが分析器を通って飛行するときにビームの円弧発散を制約するステップと、荷電粒子の飛行時間に従って荷電粒子を分離するステップとを含む方法が提供される。上記方法を行うための分析器も提供される。好ましくは、発散を制約するために少なくとも1つの円弧集束レンズが使用され、この円弧集束レンズは、ビームの各側に位置された1対の対向した電極を備えることがある。実質的に同じz座標に位置された円弧集束レンズのアレイを使用することができ、アレイ内の円弧集束レンズが円弧方向で離隔配置され、アレイがz軸の周りに少なくとも部分的に延在し、それにより、ビームが分析器を通って飛行するときにビームの円弧発散を複数回制約する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析器を使用して荷電粒子を分離する方法であって、
荷電粒子のビームを前記分析器を通して飛行させ、荷電粒子のビームが、前記分析器内部で前記分析器の分析器軸(z)の方向で少なくとも1回の全振動を受けるとともに主飛行経路に沿って前記軸(z)の周りを周回するステップと、
前記ビームが前記分析器を通って飛行するときに前記ビームの円弧発散を制約するステップと、
荷電粒子の飛行時間に従って前記荷電粒子を分離するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記分析器が2つの対向するミラーを備え、各ミラーが、前記軸zに沿って細長い内側および外側電場定義電極システムを備え、前記外側システムが前記内側システムを取り囲み、それらの間に分析器体積を画定し、それにより、前記電極システムが電気的にバイアスされたときに、前記ミラーが、z軸に沿って対向する電場を備える電場を生成し、荷電粒子の前記ビームが、前記ミラーの間での反射によって、前記分析器体積内部で前記分析器軸(z)の方向で少なくとも1回の全振動を受ける請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを前記分析器から出射する、または複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを検出するステップをさらに含み、前記出射または検出するステップが、前記粒子が前記z軸の周りで同じ回数の周回を経た後に行われる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子が軸zの周りで同じ回数の周回を経た後に、前記荷電粒子の少なくともいくつかの飛行時間を測定するステップを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記z軸の方向での前記少なくとも1回の全振動が、実質的に単調和運動である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記分析器が、前記分析器内部での荷電粒子の前記ビームの円弧発散を制約するための少なくとも1つの円弧集束レンズを備え、前記方法が、前記ビームの円弧発散を制約するために、荷電粒子の前記ビームを前記少なくとも1つの円弧集束レンズに通すステップを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つまたは複数の円弧集束レンズが、z=0平面またはその近くに位置される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数の円弧集束レンズが、z軸に沿った前記ビームの最大変向点の一方または両方に隣接して位置される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ビームが前記分析器を通って飛行するときに、前記ビームの円弧発散を複数回制約するステップを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ビームが、実質的に前記ミラー間での各振動後に、制約された円弧発散を有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ビームが、実質的に前記ミラーからの各反射後に、制約された円弧発散を有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記装置が複数の円弧集束レンズを備える請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の円弧集束レンズが、実質的に同じz座標に位置された円弧集束レンズのアレイを形成し、前記アレイが、前記円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
円弧集束レンズの前記アレイが、z=0からオフセットされて、前記主飛行経路が振動中にそれ自体に交差する座標に位置される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記円弧方向での複数の円弧集束レンズの離隔が周期的である請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
z軸に沿った各振動後に、前記レンズが配置されるz座標において前記円弧方向で前記ビームが進む距離だけ、前記複数の円弧集束レンズが前記円弧方向で離隔される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の円弧集束レンズが、角度θラジアンだけ前記円弧方向で離隔され、ここでθ<<2πであり、前記ビームが、各全振動ごとに、角度4π+/−θラジアンだけ前記円弧方向で分析器軸の周りを周回する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の円弧集束レンズが、角度θラジアンだけ前記円弧方向で離隔され、ここでθ<<2πであり、前記ビームが、各半振動ごとに、角度2π+/−θラジアンだけ前記円弧方向で分析器軸の周りを周回する請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの円弧集束レンズが、前記ビームの各側に位置される1対の対向した電極を備える請求項6〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1対の対向した電極の各電極が、実質的に円形状であり、および/または滑らかな弧状の縁部を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1対の対向した電極が、1対の一部片レンズ電極アセンブリを備え、前記一部片レンズ電極アセンブリが、複数の円弧集束レンズを提供するように形作られる請求項19または20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記一部片レンズ電極アセンブリが、複数の滑らかな弧の形状を備える縁部を有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記一部片レンズ電極アセンブリが、前記円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数の円弧集束レンズがそれぞれ、互いに電気絶縁された複数の半径方向で積層された電極を備える請求項6〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記分析器が、円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する1つまたは複数のベルト電極アセンブリを備える請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記分析器が、少なくとも2つのベルト電極アセンブリを備え、前記主飛行経路の各側に1つのベルト電極アセンブリが配置される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが、前記円弧集束レンズから電気絶縁され、前記z方向で前記円弧集束レンズの縁部を越えて延在する請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが、円筒形の形態であるか、または前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが位置される場所での分析器電場の等電位面を近似する形状を有する区域の形態である請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
イオンが、前記主飛行経路からずれるように偏向され、それにより前記分析器体積内部の検出面に衝突する請求項1〜28のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項30】
前記ビームが前記分析器を通って進むときに前記イオンビームの位置を最適化するためのプロセスの一部として、および/または自動利得制御のプロセスの一部として、および/または検出器の利得を調節するためのプロセスの一部として、前記検出面に衝突するイオンを検出するステップを含む請求項29に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項31】
前記z軸の周りで前記粒子が同じ回数の周回を経た後に、前記荷電粒子の少なくともいくつかの前記分析器を通る飛行時間を測定するステップと、測定された飛行時間から質量スペクトルを構成するステップとをさらに含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項32】
2つの対向するミラーを備える荷電粒子分析器であって、各ミラーが、軸zに沿って細長い内側および外側電場定義電極システムを備え、前記外側システムが前記内側システムを取り囲み、それにより、前記電極システムが電気的にバイアスされたときに、前記ミラーが、z軸に沿って対向する電場を備える電場を生成し、荷電粒子分析器がさらに、前記ビームが前記軸zの周りを周回する一方で前記分析器内部での荷電粒子のビームの円弧発散を制約するための少なくとも1つの円弧集束レンズを備える荷電粒子分析器。
【請求項33】
1つまたは複数の円弧集束レンズが、前記z=0平面またはその近くに位置される請求項32に記載の分析器。
【請求項34】
1つまたは複数の円弧集束レンズが、z軸に沿った前記ビームの最大変向点の一方または両方に隣接して位置される請求項32または33に記載の分析器。
【請求項35】
前記装置が、実質的に同じz座標に位置された円弧集束レンズのアレイを形成する複数の円弧集束レンズを備え、前記円弧集束レンズが前記円弧方向で離隔配置され、前記アレイが、前記円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する請求項32〜34のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項36】
円弧集束レンズの前記アレイが、z=0からオフセットされて、前記主飛行経路が振動中にそれ自体に交差するz座標に位置される請求項35に記載の分析器。
【請求項37】
前記円弧方向での前記複数の円弧集束レンズの離隔が周期的である請求項35または36に記載の分析器。
【請求項38】
z軸に沿った各振動後に、前記レンズが配置されるz座標において前記円弧方向で前記ビームが進む距離だけ、前記複数の円弧集束レンズが前記円弧方向で離隔される請求項37に記載の分析器。
【請求項39】
前記少なくとも1つの円弧集束レンズが、前記ビームの各側に位置される1対の対向した電極を備える請求項32〜38のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項40】
前記1対の対向した電極の各電極が、実質的に円形状であり、および/または滑らかな弧状の縁部を有する請求項39に記載の分析器。
【請求項41】
前記1対の対向した電極が、1対の一部片レンズ電極アセンブリを備え、前記一部片レンズ電極アセンブリが、複数の円弧集束レンズを提供するように形作られる請求項39または40に記載の分析器。
【請求項42】
前記一部片レンズ電極アセンブリが、複数の滑らかな弧の形状を備える縁部を有する請求項41に記載の分析器。
【請求項43】
前記一部片レンズ電極アセンブリが、前記円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する請求項41または42に記載の分析器。
【請求項44】
前記1つまたは複数の円弧集束レンズがそれぞれ、互いに電気絶縁された複数の半径方向で積層された電極を備える請求項32〜38のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項45】
前記分析器が、円弧方向で前記z軸の周りに少なくとも部分的に延在する1つまたは複数のベルト電極アセンブリを備える請求項32〜44のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項46】
前記分析器が、少なくとも2つのベルト電極アセンブリを備え、前記ビームの前記主飛行経路の各側に1つのベルト電極アセンブリが配置される請求項45に記載の分析器。
【請求項47】
前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが、前記円弧集束レンズから電気絶縁され、前記z方向で前記円弧集束レンズの縁部を越えて延在する請求項45または46に記載の分析器。
【請求項48】
前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが、円筒形の形態であるか、または前記1つまたは複数のベルト電極アセンブリが位置される場所での分析器電場の等電位面を近似する形状を有する区域の形態である請求項45〜47のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項49】
さらに、使用時、イオンが前記分析器体積内部に位置された検出器に衝突するようにイオンを前記主飛行経路から偏向するように構成される偏向器を備える請求項32〜48のいずれか一項に記載の分析器。
【請求項50】
請求項32〜49のいずれか一項に記載の分析器を備える質量分光計。
【請求項51】
前記分析器が、前駆体またはフラグメントイオンの高い質量分解能の飛行時間分析を行うように構成される、タンデム式質量分光分析に適するように構成された請求項50に記載の質量分光計。

【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【図17e】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図20d】
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【図20e】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図22】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図24a】
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【図24b】
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【図24c】
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【図25】
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【図26a】
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【図26b】
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【図26c】
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【図26d】
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【図26e】
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【図26f】
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【図26g】
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【図26h】
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【図26i】
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【図27】
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【図28a】
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【図28b】
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【図29a】
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【図29b】
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【図29c】
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【図29d】
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【図29e】
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【図29f】
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【図30】
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【図31a】
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【図31b】
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【図31c】
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【公表番号】特表2012−528433(P2012−528433A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512379(P2012−512379)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057342
【国際公開番号】WO2010/136534
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508306565)サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー (20)
【Fターム(参考)】