説明

落橋防止装置

【課題】 コンパクトな構造で衝撃緩和性能に優れた落橋防止装置を提供する。
【解決手段】 橋桁である一の構造物と別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にそれぞれ固定した両ブラケット間を連結部材で連結する。連結部材は、コイル状のスプリングと、鋼板をそれぞれ加工した第1連結部及び第2連結部とを備える。第1連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴にスプリングの一端を順次通してスプリングと第1連結部をねじ込み接続し、第2連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴にスプリングの他端を順次通してスプリングと第2連結部をねじ込み接続する。このスプリングの全体とスプリングの両端にねじ込み接続された第1連結部及び第2連結部の一端を例えばゴムよりなる弾性体中に埋設して弾性部を形成し、この弾性体からそれぞれ突出する第1連結部及び第2連結部を各ブラケットに連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋台や橋脚から橋桁を落下させないようにする落橋防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
落橋防止装置は、橋桁である一の構造物にブラケットを固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にブラケットを固定し、両ブラケット間を連結部材で連結したものであって、地震等の際に橋桁が橋台や橋脚から落ちることを防止するものである。落橋防止装置としては、連結部材の一部を弾性体中に埋設して弾性部を形成したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、道路橋示方書(平成8年)では、落橋防止装置は、死荷重反力の1.5倍の荷重に耐える耐力があること、桁かかり長の0.75倍以下のできるだけ大きな遊間量を確保すること、衝撃的な地震力を緩和する機能を有することを規定している。
【0003】
特許文献1に記載されている落橋防止装置は、連結部材であるチェーンを構成する長円状のリング体を互いに隙間をあけた状態でゴムや合成樹脂の弾性体中に埋設して大きな遊間量を確保するための弾性部を形成したもので、併せて弾性部の衝撃力緩和機能も利用している。特許文献2に記載されている落橋防止装置は、連結部材であるPC鋼材(PC鋼線)の中間部をコイル状にしてスプリング部を形成し、このスプリング部の全体及びスプリング部から延びるPC鋼材の一部をゴム材に埋設して弾性部を形成して大きな遊間量を確保しようとしたものである。これらのようにして、連結部材に弾性部を形成することで大きな遊間量を確保すると共に、地震の際に瞬間的に大きな衝撃力が落橋防止装置に作用するとき、落橋防止装置に作用する引張り力を減少させたり急激に連結部材に引張り力が作用することを防止したりする衝撃緩和性能を持たせようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3756979号公報
【特許文献2】特開2010−242355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている落橋防止装置では、地震時遊間量を確保するための主な源がチェーンを構成する長円状のリング体間の隙間となっているため、大きな遊間量を確保することが難しく、そのためには連結部材長さを長くする必要があり、コンパクトな構造とすることができなかった。
【0006】
また、特許文献2に記載されている落橋防止装置では、連結部材であるPC鋼材の途中にコイル状のスプリング部を形成し、このスプリング部を含む箇所をゴム材中に埋設して弾性部を形成することで地震時の大きな遊間量を確保し、連結部材に作用する地震時衝撃力を弾性部で吸収させて衝撃緩和性能を持たせようとしている。しかし、この落橋防止装置が機能するには、PC鋼材のスプリング部は大きな荷重を伝えることができないため、大きな地震荷重の大部分をPC鋼材の直線部からゴム材に伝える必要があり、そのためにはPC鋼材の直線部を長くして、ゴム材中への埋め込み長も長くして、PC鋼材とゴム材の大きな付着面積を確保しなければならない。そのため、この構造の落橋防止装置もコンパクトな構造とすることが困難であった。さらに、PC鋼材の直線部の埋め込み長さが短い場合は、PC鋼材のフック部において曲げ集中応力、塑性変形を生じて大きい地震荷重を伝えることができない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、コンパクトな構造で衝撃緩和性能に優れた落橋防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る落橋防止装置は、橋桁である一の構造物にブラケットを固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にブラケットを固定し、両ブラケット間を連結部材で連結した落橋防止装置であって、前記連結部材は、コイル状のスプリングと、鋼板をそれぞれ加工した第1連結部及び第2連結部とを備え、前記第1連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの一端を順次通して前記スプリングと前記第1連結部をねじ込み接続し、前記第2連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの他端を順次通して前記スプリングと前記第2連結部をねじ込み接続し、前記スプリングの全体とこの前記スプリングの一端及び他端にそれぞれねじ込み接続された前記第1連結部及び前記第2連結部の一端を天然ゴムまたは合成ゴムまたは合成樹脂またはこれらの混合物よりなる弾性体中に埋設して弾性部を形成し、前記第1連結部と前記第2連結部の他端側は、それぞれ前記弾性体から突出、延長して前記各ブラケットに連結されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するため、本発明に係る落橋防止装置は、橋桁である一の構造物にブラケットを固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にブラケットを固定し、両ブラケット間を連結部材で連結した落橋防止装置であって、前記連結部材は、コイル状のスプリングと、鋼板をそれぞれ加工した第1連結部及び第2連結部と、チェーン、シャックルとを備え、前記第1連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に、前記スプリングの一端を順次通して前記スプリングと前記第1連結部をねじ込み接続し、前記第2連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に、前記スプリングの他端を順次通して前記スプリングと前記第2連結部をねじ込み接続し、前記スプリングの全体とこの前記スプリングの一端及び他端にそれぞれねじ込み接続された前記第1連結部及び前記第2連結部の一端を天然ゴムまたは合成ゴムまたは合成樹脂またはこれらの混合物よりなる弾性体中に埋設して弾性部を形成し、前記第1連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記チェーンの一端に連結され、このチェーンの他端がシャックルを介して前記一の構造物に固定したブラケットに連結され、前記第2連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記チェーンの一端に連結され、このチェーンの他端がシャックルを介して前記他の構造物に固定したブラケットに連結されているか、あるいは前記第2連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記他の構造物に固定したブラケットに連結されていることを特徴とする。
【0010】
これらのように、本発明に係る落橋防止装置の連結部材は、地震時の大きな遊間量をスプリングと弾性体の伸びで得るため短い長さで大きな遊間量を確保することができるし、また、鋼板の連結部と弾性体を一体化するための埋め込み長も、スプリングのねじ込み部の表面積と鋼板の埋め込み面積を付着面積と見なして短くすることができるため、従来に比してコンパクトなものとすることができる。
【0011】
この場合において、第1連結部及び第2連結部を、それぞれ鋼板により断面十字状に形成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンパクトな構造で衝撃緩和性能に優れた落橋防止装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態の一例の落橋防止装置で橋桁と橋台を連結した状態を示す図である。
【図2】本実施形態の落橋防止装置で橋桁と橋桁を連結した状態を示す図である。
【図3】本実施形態の落橋防止装置に用いられる第1の連結部材の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図4】本実施形態の落橋防止装置に用いられる第2の連結部材の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】本実施形態の落橋防止装置に用いられる第3の連結部材の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る落橋防止装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、本実施形態の落橋防止装置1は、橋桁11である一の構造物にブラケット15を固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物(例えば図1に示す例では橋台12、図2に示す例では別の橋桁13)にブラケット15を固定し、両ブラケット15間を連結部材2(5,6)で連結して、地震等の際に橋桁11、13が橋台12や橋脚から落ちることを防止しようとするものである。
【0015】
ブラケット15は、連結部材2(5,6)を取付けるための金具であって、橋桁または橋脚または橋台にアンカーボルトやボルトで固定されている。ブラケット15は、従来の落橋防止装置に用いられてきたものと同様な構造のもので、連結部材2(5,6)と連結されて連結部材2(5,6)を支持し、地震荷重が伝達されるようになっている。
【0016】
図3は、本実施形態の落橋防止装置に用いられる第1の連結部材2を示した図である。図3に示すように、第1の連結部材2は、コイル状のスプリング21と、スプリング21の両端にスプリング21にねじ込み接続された鋼板を加工した第1連結部22及び第2連結部23とを備えている。
【0017】
スプリング21の線材としては、例えば、ばね鋼鋼材SUP10等が用いられ、線材を加熱してコイル状に成形し、その後熱処理してスプリング21が形成される。スプリング21の線材の径、コイルの径、巻数、ピッチは、地震時に必要とされる遊間量が得られ、許容応力を超えない寸法に設定される。
【0018】
第1連結部22及び第2連結部23は、細長の矩形板状の鋼板で形成されている。第1連結部22及び第2連結部23である鋼板としては、例えば、一般構造用圧延鋼材や溶接構造用鋼材等が用いられるが、切断、成形、孔あけ、補強等加工した後溶融亜鉛メッキしたものを用いることが好ましい。第1連結部22及び第2連結部23である鋼板の幅は、スプリング21のコイルの直径より大きな寸法で形成されている。第1連結部22及び第2連結部23である鋼板の厚さ(板厚)は、地震荷重に耐える寸法で形成されている。
【0019】
第1連結部22の一端には、スプリング21の一端にねじ込み接続される複数のねじ込み穴24が形成されている。ねじ込み穴24は、径がスプリング21の線材の外径より少し大きく、スプリング21のコイルの直径の間隔で、スプリング21のピッチと同じピッチで、かつ、スプリング21にねじ込み接続されたとき、第1連結部22の幅方向の中央に延びる中心線とスプリング21の軸とが略同一線上になるように形成されている。第1連結部22の他端には、ブラケット15にピン16を介して取り付けるためのピン穴25が設けられている。第1連結部22の他端の両面には、ピン穴25を補強する補強板26がそれぞれ設けられている。
【0020】
第2連結部23は、第1連結部11と同様にねじ込み穴24やピン穴27がそれぞれ設けられ、かつ、ピン穴27が補強板28で補強されてなる。
【0021】
第1連結部22のピン穴25と第2連結部23のピン穴27のどちらか一方(図1ではピン穴25)は、連結部材2の長手方向に長円状の長穴に形成され、橋桁の温度変化等による伸縮に対応するようになっている。これにより、橋桁11が温度変化等により伸縮して例えば橋台12に対して移動するときには、ブラケット15と連結するピン16が第1連結部22のピン穴25内を移動して弾性部4や橋桁に荷重がかかることが無いようになっている。
【0022】
弾性体3は、天然ゴムまたは合成ゴムまたは合成樹脂またはこれらの混合物よりなり、例えば、高強度のゴムで強度16MPa、硬度55程度のものが用いられる。弾性体3でスプリング21の全体とこのスプリング21の一端及び他端にそれぞれねじ込み接続された第1連結部22及び第2連結部23の一端を埋設して弾性部4が形成されている。弾性部4は、スプリング21の軸と同軸上の円柱状に形成されている。弾性部4の両端面から突出して、第1連結部22及び第2連結部23が軸方向に延びている。弾性部4の長さ、第1連結部22及び第2連結部23の埋め込み長さ、ねじ込み穴24の個数は、スプリング21、第1連結部22、第2連結部23及び弾性体3が一体となって挙動できる範囲から任意に設定される。また、地震の際に荷重を受けたときの大きな遊間量は、スプリング21と弾性体3の変位によるが、その時のスプリング21のせん断応力と弾性体3の軸応力を許容応力以下とすることによりスプリング21と弾性体3の断面を設計することができる。
【0023】
次にこの第1の連結部材2を用いた落橋防止装置1の作用を説明する。第1の連結部材2は、スプリング21の両端に鋼板を加工した第1連結部22及び第2連結部23がそれぞれ接続され、スプリング21全体とねじ込み接続された第1連結部22及び第2連結部23の一端が弾性体3中に埋め込まれて弾性部4が形成され、中央部ではスプリング21と弾性体3が、両側では鋼板を加工した第1連結部22及び第2連結部23が荷重を伝え、かつ、スプリング21と第1連結部22及び第2連結部23との間の各ねじ込み部分の弾性部4で荷重の受け渡しがそれぞれ行われるので、スプリング21、弾性体3と第1連結部22、第2連結部23間の荷重の受け渡しが無理なく、滑らかに行われる。
【0024】
このため、地震等の際に瞬間的に大きな衝撃力が発生して第1の連結部材2に瞬間的に大きな引張り力が作用すると、弾性体3とスプリング21とが一体となって伸びて第1の連結部材2に作用する引張り力を吸収して、衝撃緩和機能が発揮される。すなわち、第1の連結部材2に作用する引張り力を減少させたり急激に連結部材2に引張り力が作用することを防止することができる。また、第1の連結部材2の弾性部4は、弾性体3とスプリング21が主体であるため要求耐力を超えた後も非常に大きい変形能を有していて落橋損傷モードも優れている。
【0025】
また、地震等の際に瞬間的に大きな衝撃力が発生して連結部材2に瞬間的に大きな圧縮力が作用すると、弾性体3とスプリング21とが一体となって縮んで連結部材2に作用する圧縮力を吸収して、衝撃緩和機能が発揮される。また、スプリング21と連結部材2との連結がねじ込み鋼板で行われているから鋼板を介してスプリング21に荷重を伝えるため、引張りばねのフック部に相当するものが無いので、スプリング21に無理なく荷重が伝わる。
【0026】
したがって、本実施形態の第1の連結部材2を用いた落橋防止装置1は、引張抵抗、圧縮抵抗の両方向に抵抗できる衝撃緩和性能に優れたものであり、落橋防止装置1の取り付け箇所数も減らすことも可能で、かつ、経済性の面でも優れている。なお、第1の連結部材2を使った本実施形態の落橋防止装置1は、引張、圧縮両方向抵抗型のものであるが、引張抵抗型の落橋防止装置としても用いることができることは勿論である。
【0027】
図4は、本実施形態の落橋防止装置1に用いられる第2の連結部材の一例を示す図である。図4に示すように、第2の連結部材5は、第1連結部51及び第2連結部52の断面形状がそれぞれ鋼板により断面十字状に形成されているものである。第2の連結部材5の基本的な構造は、前記の第1の連結部材2と第1連結部51及び第2連結部52の形状を除けば略同じであるのでその説明を省略し同一符号を付することがある。
【0028】
第1連結部51及び第2連結部52は、それぞれ鋼板により断面十字状に形成されている。第1連結部51及び第2連結部52の一端のねじ込み穴24は、4つの各辺部(実質的には鋼板)にそれぞれ形成されており、これら4つの各辺部がスプリング21の端部にねじ込み接続されている。このように構成することで、第1の連結部材2と同様な作用効果を得ることができ、かつ、第1連結部51及び第2連結部52は第1の連結部材2の場合と比較して鉛直軸まわりの断面性能が大きくなり、連結部材が長くなった場合でも、座屈が起こらないようにすることができるし、連結部材の長さ方向に直角方向に地震力が作用した場合の曲げにも対応することができる。また、スプリング21のねじ込み部分も十字形状に形成され、スプリング21のコイル1ピッチでスプリング21が鋼板に4箇所でねじ込まれるから、第1連結部51及び第2連結部52とスプリング21とがしっかりと固定される。さらに、スプリング21は第1連結部51及び第2連結部52からの集中荷重を多くの点で受け持つこととなり、スプリング21に生じる曲げ応力も減らすことができる。
【0029】
図5は、本実施形態の落橋防止装置1に用いられる第3の連結部材の一例を示す図である。図5に示すように、第3の連結部材6は、スプリング21の両端にねじ込み接続された鋼板を加工した第1連結部61及び第2連結部62を直接ブラケット15に連結するのではなくチェーン63、64を用いて連結するものである。第3の連結部材6の基本的な構造は、前記の第1の連結部材2と同様であるのでその説明を省略し同一符号を付することがある。
【0030】
第1連結部61及び第2連結部62の他端側は、弾性体3の両端面の近傍に他端のピン穴が形成されている。これら第1連結部61及び第2連結部62の他端すなわち弾性体3の両端面から突出している両端部には、チェーン63、64の一端にそれぞれ接続されたシャックル65に接続されていて、これらチェーン63、64の他端には、シャックル65が接続され、これらシャックル65が橋桁11及び橋台12や別の橋桁13、橋脚等の他の構造物のブラケット15に連結されている。この場合、どちらか一方のチェーン(例えばチェーン64)を省いて、連結部と構造物のブラケットをシャックルを介して連結することも可能である。このように構成することで、圧縮力には抵抗できないが、前述と略同じ作用効果を奏する衝撃緩和性能に優れた引張抵抗型の第3の連結部材6が得られる。
【符号の説明】
【0031】
1 落橋防止装置
2 第1の連結部材
3 弾性体
4 弾性部
5 第2の連結部材
6 第3の連結部材
11 橋桁
12 橋台
13 橋桁
15 ブラケット
16 ピン
21 スプリング
22 第1連結部
23 第2連結部
24 ねじ込み穴
25 ピン穴
26 補強板
27 ピン穴
28 補強板
51 第1連結部
52 第2連結部
61 第1連結部
62 第2連結部
63 チェーン
64 チェーン
65 シャックル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋桁である一の構造物にブラケットを固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にブラケットを固定し、両ブラケット間を連結部材で連結した落橋防止装置であって、
前記連結部材は、コイル状のスプリングと、鋼板をそれぞれ加工した第1連結部及び第2連結部とを備え、前記第1連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの一端を順次通して前記スプリングと前記第1連結部をねじ込み接続し、前記第2連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの他端を順次通して前記スプリングと前記第2連結部をねじ込み接続し、
前記スプリングの全体とこの前記スプリングの一端及び他端にそれぞれねじ込み接続された前記第1連結部及び前記第2連結部の一端を天然ゴムまたは合成ゴムまたは合成樹脂またはこれらの混合物よりなる弾性体中に埋設して弾性部を形成し、
前記第1連結部と前記第2連結部の他端側は、それぞれ前記弾性体から突出、延長して前記各ブラケットに連結されていることを特徴とする落橋防止装置。
【請求項2】
橋桁である一の構造物にブラケットを固定し、別の橋桁または橋脚または橋台である他の構造物にブラケットを固定し、両ブラケット間を連結部材で連結した落橋防止装置であって、
前記連結部材は、コイル状のスプリングと、鋼板をそれぞれ加工した第1連結部及び第2連結部と、チェーン及びシャックルとを備え、前記第1連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの一端を順次通して前記スプリングと前記第1連結部をねじ込み接続し、前記第2連結部の一端に設けられた複数のねじ込み穴に前記スプリングの他端を順次通して前記スプリングと前記第2連結部をねじ込み接続し、
前記スプリングの全体とこの前記スプリングの一端及び他端にそれぞれねじ込み接続された前記第1連結部及び前記第2連結部の一端を天然ゴムまたは合成ゴムまたは合成樹脂またはこれらの混合物よりなる弾性体中に埋設して弾性部を形成し、
前記第1連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記チェーンの一端に連結され、このチェーンの他端がシャックルを介して前記一の構造物に固定したブラケットに連結され、前記第2連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記チェーンの一端に連結され、このチェーンの他端がシャックルを介して前記他の構造物に固定したブラケットに連結されているか、あるいは、前記第2連結部の他端側は、前記弾性体から突出してシャックルを介して前記他の構造物に固定したブラケットに連結されていることを特徴とする落橋防止装置。
【請求項3】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、それぞれ鋼板により断面十字状に形成されている請求項1又は2に記載の落橋防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−154130(P2012−154130A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15890(P2011−15890)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(507333960)
【Fターム(参考)】