説明

蒸気抜き包装袋用外装箱

【課題】電子レンジ加熱が可能なようにレトルト食品等の調理済み食品を密封充填した蒸気抜き包装袋の外包装に適用される蒸気抜き包装袋用外装箱に関する。
【解決手段】
包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により剥離開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装袋を収納する蒸気抜き包装袋用外装箱であって、
前記蒸気抜き包装袋の蒸気孔を上面にして蒸気抜き包装袋用外装箱に収納した際に、すくなくとも蒸気孔の上面を覆う状態で蒸気抜き包装袋用外装箱上面に切り離し開封部が設けられていることを特徴とした蒸気抜き包装袋用外装箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ加熱が可能なようにレトルト食品等の調理済み食品を密封充填した蒸気抜き包装袋の外包装に適用される蒸気抜き包装袋用外装箱に関する。詳しくは、包装袋を電子レンジ加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により剥離開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装袋を加熱調理した際に、包装袋に充填されている収納物が電子レンジ内に飛散することのない蒸気抜き包装袋用外装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの食品等が合成樹脂等の積層フィルムからなる包装袋に充填され気密、液密に封入されて密封包装食品として流通している。
【0003】
前記密封包装食品は、密封包装された状態で加熱調理してから出荷されるものがある。また、密封包装食品が製造され、保管、流通し、食べられるまでの間に、混入していることがある菌により腐敗、変質、変色、味変わり等することを防止するために密封包装食品の状態で加熱殺菌あるいは加熱加圧殺菌等を施してから出荷されることもある。
【0004】
このように密封包装食品は出荷前に加熱されることが多いが、一般消費者がこれを食するにあたっては、そのような密封包装食品であっても、電子レンジ等で加熱することが多い。
【0005】
前記電子レンジは、高周波(極超短波)の照射によって食品に含まれる水分子等を振動させ、この水分子の振動によって生じる摩擦熱で食品を加熱するものである。
【0006】
この電子レンジによる高周波加熱に伴って水蒸気が発生するが、この水蒸気によって、プラスチックフィルムで形成された通常の密封袋は、膨脹し、破裂してしまう。
【0007】
このため、加熱時の内部蒸気圧の上昇により密封包装食品の包装袋が破裂することを避けるために、包装袋を開封して内容物を別の容器に入れ、その容器に入れた状態で加熱することがある。
【0008】
また、外箱に収納された包装袋を開封した状態で、収納された外箱を用いて該包装袋ごと、内容物が零れないように該開封口を上に向けて加熱する食品包装体のマイクロ波加熱方法(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
【0009】
この、食品包装体のマイクロ波加熱方法は、図13に示すように耐熱性収納袋体103を収納した包装箱100に、この包装箱100の構成部材から自立手段101を設ける。前記包装箱から自立手段101を分離させ、この自立手段101に包装箱を取り付ける。そして立った包装箱100に耐熱性収納袋体103を自立させて入れ、これにマイクロ波照射して加熱する。
【0010】
また、最近、食品加工技術および包装技術の発達や電子レンジの普及等によって、加熱にあたり、わざわざ包装袋を開封しなくてもよい、電子レンジ加熱が可能な調理済み食品入り包装袋も提案され、実用化されている。
【0011】
前記電子レンジ加熱が可能な調理済み食品入り包装袋は内部蒸気圧が所定圧力以上に上昇すると該蒸気圧により開口する蒸気逃がし部が設けられている。そして、開封せずに加熱できる。
【0012】
前記電子レンジ加熱が可能な調理済み食品入り包装袋は内部蒸気圧が所定圧力以上に上昇すると該蒸気圧により開口する蒸気逃がし部が設けられている。
【0013】
例えば、電子レンジの高周波加熱によって袋内部に生じる水蒸気を袋外部へ排出するために、パウチ本体の一部を加熱時に開封するか、パウチ本体に逃孔が設けられている。
【0014】
また、水蒸気調節穴を開けてこの水蒸気調節穴を粘着シールでシールし、加熱前にシールを剥がすようにするか、または加熱によってパウチ本体内の蒸気圧が高まると容易にシール部が開くようにするか、弁が開くようにするか等が行なわれている。
【0015】
一方、前記調理済み食品入り包装袋は、保管、運搬、展示等に都合のよいように、また、流通段階での装飾、食品の説明、食仕方等を消費者に記載表示するために、紙等製の包装箱で包装されることが多い。
【0016】
前記包装箱は調理済み食品入り包装袋が偏平形状を呈しているものが多い。そして、一般的には、偏平状の直方体形状のものが多く見られる。
【0017】
さらに、電子レンジ加熱が可能な調理済み食品入り包装袋が収納されている紙等製の包装箱から該包装袋を取り出すことなく電子レンジ加熱する電子レンジ加熱包装体(例えば、特許文献2参照。)および密封包装食品の包装箱体および包装箱で包装された密封包装食品(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
【0018】
前記電子レンジ加熱包装体は図14に示すように調理済み食品を密封充填した包装袋112の外包装に適用される外装用箱113を備えた電子レンジ加熱包装体200である。そして、加熱した際に、包装袋112の内圧を逃がす逃圧用部が背貼り部に形成されている。
【0019】
また、電子レンジ加熱包装体200を加熱する際に、外装用箱113から背貼り部を露出させるための切離開封部114が形成されている。そして、電子レンジで加熱する際には、切離開封部114を開封して逃圧用部を露出する。
【0020】
また、密封包装食品の包装箱体および包装箱で包装された密封包装食品の包装箱体300は図15に示すように蒸気逃がし部が設けられている包装袋121に食品が密封包装され、包装箱体122に収納されている。
【0021】
そして、電子レンジで加熱する際に、蒸気逃がし部を露出するため、図16に示すように天壁115の前壁116よりの部分を開口する。
【0022】
このように箱体ごと加熱すると電子レンジからの取り出し時に火傷の恐れが少なくなると指摘されている。
【0023】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平4−214126号公報
【特許文献2】特開2001―039476号公報
【特許文献3】特開2002−19776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、上述した包装袋の多くは全体形状が偏平状である。このため、特許文献1のように包装袋を立てた姿勢に保持して電子レンジで加熱するときには、多くの家庭で使用さている電子レンジでは、包装袋へのマイクロ波の照射効率が低下する。そして、加熱に時間がかかるという問題がある。
【0025】
また、包装袋を立ち姿勢に保持し得る箱体は、運搬、保管、展示等においては偏平状のものが殆どである。そして、包装袋を立ち姿勢に保持すべく変形させるための構造が複雑となり、且つ、手間がかかるという問題がある。
【0026】
また、包装袋を開封して他の容器に移し替えて電子レンジで加熱する場合には、容器等を準備するなど、手間がかかる。そして、電子レンジから容器等を取り出す際に、手などを火傷する恐れがある。
【0027】
また、特許文献2または3のように包装袋の内圧による蒸気等を逃がす部分を外箱から露出して電子レンジで加熱した際に、包装袋内の収納物が蒸気等を逃がす部分から噴出する場合がある。そして、電子レンジ器内を汚し、且つ掃除をしなければならないという問題がある。
【0028】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物が密封包装され、内部蒸気圧が所定圧力以上に上昇すると該蒸気圧により開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装体を、偏平状に寝かせた姿勢で収納した状態で、電子レンジ等で加熱調理が可能である。また、取り扱い時の危険性も全くなく、且つ、電子レンジ等の加熱時に収納物が噴出しても電子レンジ内を汚損されることのない蒸気抜き包装袋用外装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により剥離開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装袋の蒸気孔を上面に偏平状に寝かせた姿勢で外装箱に収納し、蒸気抜き包装袋の収納物を加熱調理する際に、蒸気抜き包装袋を外装箱に収納したまま加熱調理する蒸気抜き包装袋用外装箱であって、
前記蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の収納物を加熱調理する際に、蒸気抜き包装袋用外装箱の内面が蒸気孔の上面を覆い、その覆った上方方向の蒸気抜き包装袋用外装箱の上面に切り離し開封部が設けられていることを特徴とした蒸気抜き包装袋用外装箱である。
【0030】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
前記切り離し開封部が蒸気孔を覆っている蒸気抜き包装袋用外装箱上面の略中央の横幅方向に帯状に設けられていることを特徴とした請求項1に記載の蒸気抜き包装袋用外装箱である。
【0031】
次に、本発明の請求項3に係る発明は、
前記切り離し開封部が蒸気孔を覆っている上方方向の蒸気抜き包装袋用外装箱上面の上方方向に凸状の窓抜き状態に設けられていることを特徴とした請求項1に記載の蒸気抜き包装袋用外装箱である。
【発明の効果】
【0032】
本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱は、以上の構成からなるので、電子レンジ等の加熱に
より内部蒸気圧が所定圧力以上に上昇すると該蒸気圧により開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装袋を収納することができる。そして、構造が簡単で、安価で、且つ、加熱に際して、手間がかからない。
【0033】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の収納物を、電子レンジ等で加熱する際には、蒸気抜き包装袋用外装箱ごと電子レンジ内に載置して加熱調理できる。そして、蒸気抜き包装袋用外装箱は熱くならないので、加熱調理後は電子レンジから容易に取り出すことができる。
【0034】
上記のように、取り出すときに直接蒸気抜き包装袋に触ることがないので、火傷をすることがない。
【0035】
また、蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋を加熱した際に、蒸気逃がし孔が蒸気抜き包装袋用外装箱の内面で覆われている。
【0036】
このため、蒸気抜き包装袋の内容物が噴出した場合でも、内容物等が電子レンジ内に飛散したり、汚損することがない。
【0037】
また、蒸気抜き包装袋用外装箱に蒸気抜き包装袋が偏平状に寝かせた姿勢で収納されているため効率よく加熱できる。そして、蒸気抜き包装袋の蒸気孔から蒸気等が電子レンジ内に飛散することなく円滑に逃がすことができる。
【0038】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱は収納している蒸気抜き包装袋の蒸気孔を蒸気抜き包装袋用外装箱の内面で覆うので加熱調理後、吹き出すかもしれない内容物により火傷する恐れが少ない。
【0039】
さらに、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱は開口部と開口部とつながる罫線が施されている。このため、加熱にともない蒸気抜き包装袋の膨脹とともに蒸気抜き包装袋用外装箱を円筒状に形成することができる。
【0040】
そして、蒸気抜き包装袋の収縮と共に蒸気抜き包装袋用外装箱も加熱する前の形状に戻ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に蒸気抜き包装袋が収納されている一実施例の包装箱の形態を示す斜視図である。また、図2は図1の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている包装袋を加熱する際の状態を示す斜視図である。さらに、図3は図1の蒸気抜き包装袋用外装箱のブランクの平面形状を示す平面図である。
【0043】
本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱は、液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物を密封した蒸気抜き包装袋を寝かせた状態で収納する。そして、蒸気抜き包装袋の蒸気孔が上面にして収納されている。
【0044】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱は、収納されている蒸気抜き包装袋の液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物を電子レンジ等で加熱調理する際には、蒸気抜き包装袋用外装箱に蒸気抜き包装袋を入れたまま、電子レンジ内に載置する。
【0045】
前記蒸気抜き包装袋用外装箱に蒸気抜き包装袋を入れたまま、電子レンジ内に載置する際には、蒸気抜き包装袋用外装箱の上面に形成されている摘み部を引っ張る。
【0046】
そして切れ目線によるジッパー部分を切り剥がし、開口部を形成した後に、蒸気抜き包装袋用外装箱を電子レンジ内に載置する。
【0047】
また、電子レンジ内に載置された蒸気抜き包装袋用外装箱は加熱にともない収納している蒸気抜き包装袋が膨らむ。
【0048】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱の上面に形成されている開口部と罫線と、この罫線と連設されている左側面板あるいは右側面、底面板、下側面板に形成されている罫線により蒸気抜き包装袋の膨らみに同調して円筒状に膨れる。
【0049】
また、加熱の終了にともない蒸気抜き包装袋は減圧し、略加熱前の形状に戻ると共に蒸気抜き包装袋用外装箱も電子レンジ内に載置した形状に戻る。
【0050】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱を電子レンジ内から取り出す際に、蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の蒸気孔が蒸気抜き包装袋用外装箱の内面で覆われているため、蒸気が突然発生しても火傷する恐れがない。
【0051】
次に、図1に示すように、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60には、電子レンジ加熱が可能なようにレトルト食品等の調理済み食品等を密封充填した偏平状の蒸気抜き包装袋50が収納される。
【0052】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱60は矩形状の正面板1と底面板2と下側左面板3と右側面板4および上側正面板5と下側正面板6から外側面が形成されている。
【0053】
また、正面板1の略中央に収納されている蒸気抜き包装袋50の蒸気孔周縁21を覆う状態で上側正面板5方向の一部が正面板1の横幅方向全体に開口できるように開口用のJ字状の切り込みによるジッパー7が二本形成されている。
【0054】
そして、正面板1の左側面板3方向先端に切れ目線によるジッパー摘み部8が設けられている。
【0055】
前記切り込みによるジッパー7の切り込み形状は、特にJ字状に限定されるものではない。例えば、I字状あるいはY字状、ハの字状、T字状等公知の切り込みによるジッパー7を用いることができる。
【0056】
また、正面板1には、切り込みによるジッパー7が正面板1の横幅方向全体に二本形成されている外側方向に正面板1の上側正面板5の角と下側正面板6の角を対角線状態(X字状)に罫線9〜12が形成されている。
【0057】
さらに、正面板1の横幅方向全体に形成されている下側正面板6方向の切り込みによるジッパー7の両先端に下側正面板6方向に斜めに垂下する罫線13、14が左側面板3と右側面板4に形成されている。
【0058】
また底面板2には、前記左側面板3と右側面板4に形成された罫線13、14の端部をつなぐ罫線15が形成されている。
【0059】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60は下側正面板6方向の切り込みによるジッ
パー7が形成されている下側方向に収納されている蒸気抜き包装袋50の蒸気孔22が形成されている。そして、蒸気孔22は露出することなく蒸気抜き包装袋用外装箱60の内面で覆われている。
【0060】
また、蒸気抜き包装袋用外装箱60に収納されている蒸気抜き包装袋50の収納物を加熱する際には、図2に示すように正面板1に形成されている切り込みによるジッパー7のジッパー摘み部8を上述したように摘み、そして上側に引っ張ることにより正面板1に蒸気抜き包装袋50の蒸気孔周縁21を覆って、開口部16が正面板1の略中央の横幅方向全体に帯状に形成される。
【0061】
次に、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60のブランク板30は図3に示すように矩形状の底面板2と左側面板3と正面板1と右側面板4と接着面板44が順次、罫線23、24、25、26を介して連設されている。
【0062】
また、底面板2の上下両先端に罫線27、28を介して下側底面板42と上側底面板43が形成されている。そして、下底側面板42方向に罫線27と平行して底面板2の横幅方向全体に罫線48が形成されている。
【0063】
前記罫線48は蒸気抜き包装袋用外装箱60に収納している蒸気抜き包装袋50を加熱した際に、該包装袋50が膨らむ。このため、蒸気抜き包装袋用外装箱60の上側面が適宜の形状に常に安定して膨らむように形成されている。
【0064】
また、左側面板3も上下両先端に罫線29、30を介して下側左面板40と上側左面板41が形成されている。そして、左側面板3の下側左面板40方向に底面板2の罫線48と正面板1の下側正面板方向の切り込みによるジッパー7と連設する罫線13が形成されている。
【0065】
この罫線13は蒸気抜き包装袋用外装箱60に収納している蒸気抜き包装袋50を加熱した際に、蒸気抜き包装袋用外装箱60の上側面が蒸気抜き包装袋50の膨らみと同調して、且つ、常に安定して膨らむために形成されている。
【0066】
また、正面板1も上下両先端に罫線31、32を介して下側正面板6と上側正面板5が形成されている。そして、正面板1の略中央に収納されている蒸気抜き包装袋50の蒸気孔周縁21を覆う状態で正面板1の一部が開口できるように開口用のJ字状の切り込みによるジッパー7が正面板1の横幅方向に平行して二本形成されている。
【0067】
さらに、正面板1には、切り込みによるジッパー7が二本形成されている外側方向に正面板1の上側正面板5角と下側正面板6の角を対角線状態(X字状)に罫線9〜12が形成されている。
【0068】
前記対角線状態(X字状)に形成されている罫線9〜12は蒸気抜き包装袋50を加熱した際に、蒸気抜き包装袋用外装箱60の正面板1の上側面方向が適宜の形状に常に安定して膨らませるために形成されている。
【0069】
また、右側面板4も上下両先端に罫線33、34を介して下側右面板46と上側右面板47が形成されている。
【0070】
そして、右側面板4の下側右面板46方向に正面板1の下側正面板方向の切り込みによるジッパー7と接着面板44の下側方向に形成されている罫線51とをつなぐ罫線14が形成されている。
【0071】
この罫線14は蒸気抜き包装袋用外装箱50に収納している蒸気抜き包装袋50を加熱した際に、上述したように、蒸気抜き包装袋用外装箱60の上側面が蒸気抜き包装袋50と同調した形状に常に安定して円筒状に膨らむように形成されている。
【0072】
前記接着面板44の下側方向に形成されている罫線51も蒸気抜き包装袋用外装箱60に収納している蒸気抜き包装袋50を入れたままで加熱した際に、蒸気抜き包装袋用外装箱60の上側面が蒸気抜き包装袋50の膨らみと同調して円筒状の形状に常に安定して膨らませるために形成されている。
【0073】
上述した形状のブランク板30を作製する場合には、一般的に紙器加工に使用されている切れ刃と罫線刃(罫線を形成する押し刃)を埋め込んだ表抜き抜型を使用することができる。
【0074】
通常、抜型はトムソン打ち抜き加工機あるいはビクトリア打ち抜き加工機等に取り付けられる。そして、平圧式で打ち抜き加工するか、あるいは円圧式または輪転式等の公知の打ち抜き加工方式で打ち抜き加工される。
【0075】
また、一般的に、紙器加工に使用されている抜型は、雄型と雌型から構成されている。そして、雄型は合板等に函の形状に合わせて、レーザー切断装置等で溝を切り込み、紙等に罫線を形成する罫線刃と切断する切刃を埋め込む。
【0076】
また、雌型は、鉄板(面版またはカッティングプレートと呼ぶ)上に、堅い紙であるプレスバードを貼り付ける。そして、罫線刃の当たる部分に溝を作製する。
【0077】
また、印刷加工機と打ち抜き加工を備えたインライン機(ボブストチャンプレン機…ボブスト社製、ジーランド機…ジーランド社製)等で作製することもできる。
【0078】
前記作製に際しては、打ち抜き加工される材料あるいは生産数量、材料の大きさ、厚み等によって適宜打ち抜き加工機が選定される。
【0079】
次に、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60は上述した打ち抜き加工機でブランク板30が作製された後、公知のサック貼り機(サック貼り製函機)あるいは長貼り機(長貼り製函機)等により、スリーブ状に製缶する。
【0080】
そして、縦型カートニングマシンあるいは横型カートニングマシンにスリーブ状に製缶されたブランク板30をセットして、液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物が密封されている蒸気抜き包装袋50を寝かせた状態で蒸気抜き包装袋用外装箱60に充填収納する。
【0081】
または、スリーブ状にしてから充填収納する方法をとらずに、一気に一枚のブランク板に液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物が密封されている蒸気抜き包装袋50を寝かせた状態で充填収納する、いわゆるラップランド包装形態にしても構わない。
【0082】
さらに、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60は折り畳まれている状態からスレーブ状の扁平筒に形成する際に、自動包装機でも、あるいは手作業でも、安定して、容易に形成することができる。
【0083】
上述したように本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60は折り畳まれている状態からスレーブ状に形成する際に、容易に起き易くするために、サック貼り製函機上でブランク板3
0の第3罫線(罫線24)と第1罫線(罫線26)を内側に120゜〜180゜程度に折り畳んだ後、再び平らに戻す。
【0084】
そして、糊着け装置でブランク板30の接着面板44の裏側面(ブランク板の表側面)に接着剤が塗布される。
【0085】
前記塗布は糊着け装置の糊車上の接着剤がブランク板30の接着面板44上に転写される状態で塗布される。そして、塗布と同時に、第2罫線(罫線25)から右側面板4と接着面板44が内側に折り畳まれ、正面板1上に重なる。
【0086】
さらに、第4罫線(罫線23)から底面板2の表側面(ブランク板の裏側面)が接着面板44上に折り畳まれ接着接合される。そして、包装箱を組み立てる際に起こしやすく、且つ、組み立て易い蒸気抜き包装袋用外装箱60が作製される。
【0087】
また、前記接着剤としては、ブランク板30が板紙の場合には公知の酢酸ビニルエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の接着剤が用いられる。
【0088】
また、ホットメルト接着剤等も用いることができる。そして、ブランク板30に用いられる板紙の種類、厚さ、表面加工状態、あるいは包装袋に収納されている収納物または流通・使用条件等により適宜の接着剤および接着幅または塗布量等が選定される。
【0089】
次に、図4は、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に蒸気抜き包装袋が収納されている他の一実施例の形態を示す斜視図である。また、図5は図4の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の収納物を加熱する際の状態を示す斜視図である。
【0090】
さらに、図6は図4の蒸気抜き包装袋用外装箱のブランク板の平面形状を示す平面図である。
【0091】
図4に示すように、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80は、液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物を密封した扁平状の蒸気抜き包装袋70を寝かせた状態で収納する。そして、蒸気抜き包装袋70の蒸気孔22が上面にして収納されている。
【0092】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80は、収納されている蒸気抜き包装袋70の液状物、固形物、固液混合物、粘体等の収納物を電子レンジ等で加熱調理する際には、蒸気抜き包装袋用外装箱80に蒸気抜き包装袋70を入れたまま、電子レンジ内に載置する。
【0093】
前記蒸気抜き包装袋用外装箱80に蒸気抜き包装袋70を入れたまま、電子レンジ内に載置する際には、蒸気抜き包装袋用外装箱80の上面に形成されている摘み部8を引っ張る。
【0094】
そして、切り込みによるジッパー7の部分を切り剥がし、開口部16を形成した後に、蒸気抜き包装袋用外装箱80を電子レンジ内に載置する。
【0095】
また、電子レンジ内に載置された蒸気抜き包装袋用外装箱80は加熱にともない収納している蒸気抜き包装袋70が膨らむ。
【0096】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱80の上面に形成されている開口部16と罫線57、58と、この罫線と連設されている下側正面板6に垂下する罫線により蒸気抜き包装袋70の膨らみに同調して蒸気抜き包装袋用外装箱80も円筒状に膨れる。
【0097】
また、加熱の終了にともない蒸気抜き包装袋70は減圧し、略加熱前の形状に戻ると共に蒸気抜き包装袋用外装箱80も電子レンジ内に載置した形状に略戻る。
【0098】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱80を電子レンジ内から取り出す際に、蒸気抜き包装袋用外装箱80に収納されている蒸気抜き包装袋70の蒸気孔22が露出することなく蒸気抜き包装袋用外装箱80の内面で覆われている。このため、蒸気が突然発生しても火傷する恐れがない。
【0099】
また、図4に示すように、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80は矩形状の正面板1と底面板2と左側面板3と右側面板4および上側正面板5と下側正面板6から外側面が形成されている。
【0100】
また、正面板1は蒸気抜き包装袋70の蒸気孔周縁21を覆う状態で上側正面板5方向の正面板1の一部が開口できるように開口用のJ字状の切り込みによるジッパー7が正面板1の幅方向の左右端辺に形成されている。そして、正面板1の上側正面板5方向先端に形成されている罫線32上の中央位置にジッパー摘み部8が形成されている。
【0101】
前記ジッパー7の切り込み形状は特にJ字状に限定されるものではない。例えば、I字状あるいはY字状、T字状、ハの字状等公知の切り込みによるジッパー7を用いることができる。
【0102】
また、正面板1の幅方向の左右に形成されている切り込みによるジッパー7の下側正面板6方向先端には左右の切り込みによるジッパー7をつなぐ切り目線56が形成されている。そして、切り目線56が形成されている下側正面板方向の蒸気抜き包装袋70に形成されている蒸気孔22の上面は露出することなく蒸気抜き包装袋用外装箱80の内面で覆われている。
【0103】
また、前記切り目線56の両先端に下側正面板6方向に垂下する罫線57、58が形成されている。
【0104】
前記切り込みによるジッパー7をつなぐ切り目線56が形成されている下側正面板6方向に蒸気抜き包装袋70の蒸気孔22が形成されている。そして、蒸気孔22の上面は蒸気抜き包装袋用外装箱80の内面で覆われている。
【0105】
また、下側正面板6には、正面板1の下側正面板6方向に垂下して形成されている二本の罫線57、58と接続する罫線59、61が内側方向斜めに形成されている。
【0106】
そして、蒸気抜き包装袋用外装箱80に収納されている蒸気抜き包装袋70の収納物を加熱する際には、図5に示すように正面板1の、上側正面板5方向先端の中央位置の罫線32上に形成されている、切り込みによるジッパー7を開封するジッパー摘み部8を摘む。
【0107】
そして、ジッパー摘み部8を上側方向に引っ張ることにより正面板1に開口部16が形成される。そして、開口部16が形成された下側正面板6方向に蒸気抜き包装袋70の蒸気孔22上面は露出することなく蒸気抜き包装袋用外装箱80の内面で覆われている。
【0108】
次に、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80のブランク90は図6に示すように矩形状の左側面板3と正面板1と右側面板4と底面板2と接着面板44が順次、罫線23、24、25、26を介して連設されている。
【0109】
また、正面板1は蒸気抜き包装袋70の蒸気孔22周縁21を覆う状態で上側正面板5方向の正面板1の一部が開口できるように開口用のJ字状の切り込みによるジッパー7が正面板1の幅方向の左右端辺に形成されている。
【0110】
そした、さらに上側正面板5方向先端に形成されている罫線32の略中央位置上にジッパー摘み部8が形成されている。
【0111】
また、正面板1の幅方向の左右端辺に形成されている切り込みによるジッパー7の下側正面板6方向左右先端には切り込みによるジッパー7をつなぐ切り目線56が形成されている。そして、前記切り目線56の両先端に下側正面板6方向に垂下する罫線57、58が形成されている。
【0112】
また下側正面板6には、正面板1の下側正面板6方向に垂下して形成されている二本の罫線57、58と接続する罫線59、61が内側方向斜めに形成されている。
【0113】
前記正面板1と下側正面板6に形成されている罫線57、58、59、61は蒸気抜き包装袋用外装箱80に収納している蒸気抜き包装袋70を加熱した際に、蒸気抜き包装袋用外装箱80の上側面が適宜の形状に常に安定して膨らませるために形成されている。
【0114】
前記ブランク板90は抜型により図3で上述したように公知のサック貼り製函機あるいは長貼り製函機または製函機等により形成する。そして、その作製方法等も同様にして蒸気抜き包装袋用外装箱80が作成され、収納物が充填され密封されている蒸気抜き包装袋70を収納する。
また、図3および図9のブランク板30、90は板紙、マイクロフルート、Eフルート等の化粧段ボールシート、プラスチックシート等が使用できる。
【0115】
そして、ブランク板30、90が板紙の場合には、例えば、アイボリー紙、ポストカード、両面カード紙、マニラボール紙、白ボールである白板紙等、通常の板紙を使用することができる。
【0116】
また、収納する蒸気抜き包装袋70,50の大きさ、収納物あるいは流通・使用条件または使用用途によって紙の中間層に古紙を使用した紙、あるいは黄ボール、チップボール、色ボール(両面クラフトボール、片面クラフトボール他)等の下級紙を用いることもできる。
【0117】
また、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱60,80に美粧性が要求される場合には、板紙に印刷加工や箔押し加工または植毛加工あるいは隆起加工(発砲樹脂インキを用いた隆起加工あるいは雄雌金型によるエンボス加工)等が施される。
【0118】
また、前記板紙の表側面に施される印刷は凸版印刷、あるいはオフセット印刷またはグラビア印刷、フレキソ印刷あるいはスクリーン印刷などの印刷方式により、商品の写真、内容説明、賞味期限などを印刷して消費者の購買動機に寄与する表示を行なうことができる。
【0119】
そして、印刷する板紙の生産数量(ロット)あるいは用途、デザインまたは印刷される表面の材質等によって印刷方式が適宜選定される。
【0120】
さらに、流通条件または店頭販売条件等により印刷加工が施された印刷面を保護するための表面加工も施される。
【0121】
また、前記オフセット印刷の場合のインキは合成樹脂、乾性油、高沸点溶剤を組み合わせたビヒクルを使用し、光沢や耐摩擦性、セット性、乾燥時間などの諸条件により組成が調整され、さらに浸し水との版面でのバランスに係わる界面適正を考慮した公知のインキが用いられる。
【0122】
例えば、インキが油性インキタイプ(酸化重合型の乾性油などを主体としたインキをいう)の場合は、ビヒクルとして、合成樹脂、乾性油(植物油)、溶剤、助剤などが必要となる。
【0123】
通常、合成樹脂は、ロジン変性フェノール、石油系樹脂、アルキド樹脂などを用いる。また、乾性油は、あまに油、きり油、大豆油、合成乾性油などを使用する。さらに溶剤は高沸点石油系溶剤などが用いられる。
【0124】
また、助剤には、粘度調整剤としてコンパンドなど、また乾燥調整剤としては、乾燥剤(ドライヤー)、乾燥抑制剤などを用いる。
【0125】
また、グラビア印刷方式の印刷インキとしては、インキに色彩を与える微細な粒子の顔料や染料からなる色材と、披印刷体に固着させる樹脂と、印刷の版からインキの適性量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクルと、界面活性剤などからなる助剤から形成されている。そして、特に色材は、耐侯性の良い顔料が好ましい。
【0126】
前記界面活性剤などからなる助剤は色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的として用いられている。また、溶剤は披印刷体等に固着させる樹脂を溶解する。そして、有機溶剤が多く用いられている。
【0127】
また、グラビア印刷方式の場合には、有機溶剤型インキタイプが用いられるが、前記光沢材料を分散する樹脂に、例えばポリ塩化ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系、ポリメチルメタクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ニトロセルロース系、セルロース誘導体系などの熱可塑性高分子樹脂、またはメラミン系、尿素系などの熱硬化性高分子樹脂を使用することができる。そして、これらから適宜選択される。
【0128】
さらに、前記樹脂を溶解する有機溶剤としては、樹脂を溶解、あるいは分散することが可能であれば特に限定されるものではない。
【0129】
例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類のうち単独または任意に配合したものを使用することができる。
【0130】
さらに、印刷された表面をより美しく綺麗に見栄え良くするためにグロスオーバープリントワニス、あるいは板紙表側面の印刷されている上に、例えば、ポリエチレン(PE)あるいはポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の0.015〜0.02mm程度の樹脂フィルムを積層し、そして、平圧プレス機やロールプレス機を使用して印刷面の艶出しを行なうことができる。
【0131】
また、UVオフセット印刷機を用いて、板紙表側面上にアクリル系や不飽和ポリエステル系のプレポリマーに、アクリルやスチレンなどのモノマー成分、光重合開始剤およびその他添加剤を組成成分とする紫外線硬化型グロス二スを印刷することにより光沢性や耐摩
擦性を付与することもできる。
【0132】
そして、商品の流通工程や使用時に発生する擦れを防止することができるので物性面からも優れた高付加価値の該外装箱を生産することができる。
【0133】
また、板紙表側面の印刷されている上に樹脂を熱溶融して塗布する押し出しコーティング加工か、あるいはフィルムになったものを貼り合わせるラミネート加工などにより表面の光沢と艶を増すことが出来る。
【0134】
また、酢酸ビニール、塩化ビニリデンなど、樹脂を溶解したものを、ゴムロールでコーティングした後、エンドレススチールベルトに一定時間加熱圧着するプレスコートなどによって光沢と艶を増すことが出来る。
【0135】
また、前記板紙の表面に美粧性あるいは装飾性を付与するためのエンボッシング(エンボスあるいは型付け)は板紙から所定の罫線(折り目線)と形状に施されているブランク板を作製する平圧式あるいは円圧式または輪転式等の打ち抜き機(打ち抜き罫線加工機)上で施すこともできる。
【0136】
また、箔押し加工を施す箔押し加工機上で施すこともできる。さらに箔押し加工機上で箔押し加工と同時にエンボス加工を施すこともできる。
【0137】
また、エンボス加工はエンボッサとも呼ばれ、前記のように上下動により水圧方式で型付けを行う方式と回転する2本のロールの1本に型付けして加圧エンボスを行う方法がある。
【0138】
前記水圧方式で型付けを行う方式は雄型と雌型の代わりにプレスボードと呼ばれる厚紙板が用いられる。また、2本のロールのうち、1本のロールに型付けされるロールは一般的にペーパーロールあるいはコットンロールと呼ばれている。
【0139】
そして、ペーパーロールあるいはコットンロールに加湿(水あるいは蒸気)を加えながら加熱されている雄型を少しずつ加圧しながら長時間かけてペーパーロールあるいはコットンロールと呼ばれロールに型付けされる。
【0140】
また、ブランク板30、90を作製する板紙は使用される条件、例えば、保存方法、保存期間、内容物、流通条件、店頭販売条件などによって、耐水性、耐油性、耐薬品性などが付与される。
【0141】
前記板紙に耐水性を抄造加工時に付与する場合、例えば、添加される耐水剤は、通常、抄紙前のパルプ縣濁液に内添する内添耐水剤である。
【0142】
前記板紙に耐水性あるいは耐熱性あるいは耐薬品性を附与する方法としては板紙を抄造加工時に行う方法と抄造加工された板紙に含浸あるいは塗工する方法がある。
【0143】
そして、湿潤紙力増強剤として、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキザール化ポリアクリルアミド樹脂等がある。
【0144】
また、この耐水剤の添加量は、使用するパルプの種類、薬剤の種類や目的とする耐水性により異なる。
【0145】
さらに、抄造加工された板紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、パラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。
【0146】
また、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【0147】
また、上記抄造加工された板紙に耐水剤あるいは耐薬品剤等の加工に際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メタリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等が使用できる。
【0148】
そして、特に限定されないがいずれかの適宜の塗工機を用いて板紙の表側面あるいは裏側面または両側面に耐水剤あるいは耐薬品剤等が塗工される。
【0149】
また、板紙に耐油性を付与するためには、通常、加工処理面の臨海表面張力を油性物質の表面張力より小さくすることが必要である。
【0150】
このような機能を有する薬品を耐油剤と称し、主に過フッ素化水素のアクリルレートまたはリン酸エステル等のフッ素化合物を用いたものが耐油紙として知られているように一般的にフッ素系耐油剤で処理されている。
【0151】
また、上記抄造加工された板紙に耐油剤の塗工に際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メタリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等、特に限定されないがいずれかの適宜の塗工機を用いて板紙の表側面あるいは裏側面または両側面に施される。
【0152】
また、耐水性あるいは耐油性が付与されている板紙の内側面に樹脂層を形成することにより、耐水性あるいは耐油性等の機能性をより一層向上されることができる。
【0153】
前記樹脂層の形成は、例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化エチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン6(NY)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル(AN)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂を用いることができる。
【0154】
また、前記板紙の内側面に施される樹脂層は熱可塑性樹脂等を熱溶融して塗布する押し出しコーティング加工か、あるいはフイルムになったものを貼り合わせるラミネート加工のいずれかによって施される。
【0155】
前記ラミネート加工はウエットラミネート、ドライラミネート、ノンソルベントラミネートまたはニーラムラミネートあるいは押し出しラミネートなどがある。そして、適宜のラミネート加工方法が選択される。
【0156】
次に、本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80、60に収納される蒸気抜き包装袋70、50は調理済みあるいは半調理状態の食品等を密封した包装袋で、電子レンジなどの調理
器内で加熱に伴って加圧された蒸気抜き包装体70、50内部の水蒸気などの気体を、蒸気抜き包装袋70、50に形成された蒸気抜き手段によってスムーズに逃がすことができる。
【0157】
前記蒸気抜き包装袋は食品加工技術および包装技術の発達や電子レンジの普及等によって、大量に生産され、使用されている。
【0158】
前記電子レンジは、高周波(極超短波)の照射によって食品に含まれる水分子等を振動させ、この水分子の振動によって生じる摩擦熱で食品を加熱するものである。
【0159】
この電子レンジによる高周波加熱に伴って水蒸気が発生するが、この水蒸気によって、プラスチックフィルムで形成された通常の密封袋は、膨脹し、破裂してしまう。
【0160】
そこで、従来の電子レンジ用パウチにおいては、電子レンジの高周波加熱によって袋内部に生じる水蒸気を袋外部へ排出するために、パウチ本体の一部を加熱時に開封するか、パウチ本体に逃孔を設けている。
【0161】
本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱80、60に収納されている蒸気抜き包装袋70、50としては、例えば、図7(a)(b)に示すような蒸気抜包装袋70、50が用いられている。
【0162】
前記蒸気抜き包装袋は図7(a)(b)および図8に示すように、それぞれ積層フィルムである表側積層フィルム61と裏側積層フィルム62とを重ね合わせ形成されている。
【0163】
そして、図7(a)(b)および図8に示すようにその重ね合わせた内面に積層形成されている熱接着性シーラント層63、64にて端部周囲をヒートシールによる熱融着をして、底シール部65、両サイドのサイドシール部66が形成されている。そして、開口部68から液状物、固形物、固液混合物などの収納物を収納できるようになっている。
【0164】
前記裏側積層フィルム62には、蒸気抜き包装袋70、50の横幅全体にわたって底シール部65側でこの底シール部65と平行にしてこの裏側積層フィルム62にV字形状の折り返し部端部69が形成されている。
【0165】
また、折り返し部端部は外側折返部72と内側折返部71が形成されている。そして外側折返部72と内側折返部71の内側には易剥離性を有する剥離性テープ材67が折り返し部端部と平行に蒸気抜き包装袋の横幅全体に亘って挿入されている。
【0166】
また、剥離性テープ材67(図12に示す)は、表側、裏側積層フィルム61、62のシーラント層63、64に対して接着性を示す接着性樹脂層73と、そのシーラント層63、64に対して蒸気圧により剥離性を示す剥離性樹脂層74の2層構成から剥離性テープ材67が形成されている。
【0167】
そして、逆凹字形状の中央パターンシール部75と、左右パターンシール部76、77と、サイドシール部66、66にてヒートシールされて介在している。
【0168】
また、剥離性テープ材67の上端部領域は、図8に示すように、V字形状に折り返された内側折返部71よりも上方に長く延設されている。そして、その延設部分である剥離性テープ材67の上部領域(図面の上側)は、その上端部領域の接着性樹脂層面と対面する裏側積層フィルム62の外側折返部72の外側にある裏側積層フィルム62内面のシーラント層64面にヒートシールされている。
【0169】
そして、蒸気圧による剥離が不能な状態に接着しており、その剥離性テープ材67の下部領域(図面の下側)領域は、対面する裏側積層フィルム内面のシーラント層面に対してヒートシールされておらず、逆凹字形状の中央パターンシール部と、左右パターンシール部の未シール部内で非接着状態となっている。
【0170】
なお、図7および図8に示す蒸気抜き包装袋の例の場合は、剥離性テープ材67の下端部領域は、中央シール部75の未シール部の内部に設けたシール部78内面の裏側積層フィルム62のシーラント層64面にヒートシールされている。
【0171】
このように、その剥離性テープ材67の接着性樹脂層面は、内側折返部71のV字形状折返外側にある裏側積層フィルム62内面のシーラント層64に蒸気圧による剥離が不能な状態にヒートシールされている。
【0172】
そして、その剥離性テープ材67の剥離性樹脂層面は内側折返部のV字形状折返内側にある裏側積層フィルム62内面のシーラント層64に蒸気圧による剥離が可能な状態にヒートシールされている。
【0173】
また、蒸気抜き包装袋の中央パターンシール部75の未シール部81領域内には、外側折返部72の裏側積層フィルム62と、その外側折返部72内面の剥離性テープ材67とに亘って、逆凹字形状の切り込み線の蒸気抜き孔22が貫設されている。
【0174】
前記蒸気抜き孔22の形状が、外側折り返し端部の直線ラインに対して平行な直線形状の両端に斜めもしくは垂直下向きの短い直線を備える逆凹字型形状であることから、開口径を立体的に拡げて水蒸気がスムーズに排出される構造を有している。
【0175】
また、蒸気抜き包装袋の蒸気抜き孔22は、包装袋内への内容物充填前及び充填密封包装後の常温下(通常雰囲気下)においては、中央パターンシール部75にて封鎖され密封されている。
【0176】
そして、図9あるいは図10に示すように電子レンジ等の加熱手段の加熱室内に、蒸気抜き包装袋用外装箱に収納したまま蒸気抜き包装袋を外側折返部72側を上面にして水平に載置して加熱することにより、蒸気抜き包装袋内の気圧や蒸気圧など内圧が上昇し、蒸気抜き包装袋が膨張して膨張力が発生する。
【0177】
その膨張力により、中央パターンシール部75がシール剥離後退を生じ、裏側積層フィルム62の外側折返部72面と剥離性テープ材67の剥離性樹脂層74面とが剥離して、蒸気抜き孔22を介して包装袋内部と未シール部と外部とが連通する。
【0178】
そして、開口径を立体的に拡げて蒸気抜き孔22から、膨張した包装袋内の加熱蒸気や気体が放出されて、包装袋を破裂させずに内容物を加熱したり加熱調理したりすることができるものである。
【0179】
また、蒸気抜き包装袋は該包装袋の外側折返部すなわち蒸気抜き孔22を下側にしてしまった場合であっても、蒸気抜き孔22の貫設された切り込み線を挟んで両側のフィルム端縁は互いに密閉して閉鎖状態となり、蒸気抜き孔22部分から内容物が漏れ難く、内容物の逆止効果を奏する構造の蒸気抜き包装袋である。
【0180】
前記剥離性テープ材67としては、例えば、図12に示すように、包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層73と包装袋を加熱して発生する蒸気の蒸気圧
により易剥離性を示す剥離性樹脂層74との2層からなるテープ材等を挙げることができる。
【0181】
上記の包装袋内面のシーラント層に対して接着性を示す接着性樹脂層73としては、既に上述した積層フィルム1、2の内面シーラント層を構成する熱融着可能な接着性熱可塑性樹脂をそのまま使用することができるが、CPPと称されるプロピレン系重合体(コポリマーやターポオリマー)や、LLDPEまたはLLDと称される直鎖状低密度ポリエチレンからなる層が好適に用いられる。そしてその厚みは、20〜150μmとすることが多い。
【0182】
また、上記の包装袋内面のシーラント層に対して易剥離性を示す剥離性樹脂層74としては、例えば、ブロックポリプロピレン系コポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマー、エチレン/酢酸ビニル等のエチレン系共重合体などが好適に用いられる。エチレン系共重合体としては、特にエチレン成分含有量が85〜98重量%の共重合体が望ましい。
【0183】
ここで、ブロックポリプロピレン系コポリマーの代表例はポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマーの代表例はプロピレン−エチレンランダムコポリマーである。
【0184】
上記の接着性樹脂層73と剥離性樹脂層74の積層方法としては、限定されず、例えば、ドライラミネート、エクストルージョンコーティング、共押出などの方法が挙げられる。
【0185】
また、蒸気抜き包装袋を構成する積層フィルム61、62は、少なくとも基材フィルム層とシーラント層を積層して構成されている。
【0186】
基材フィルム層としては、蒸気抜き包装袋の基材となる層であり、シート状またはフィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリイミド等)、あるいはこれらの高分子の共重合体など、通常包装材料として用いられる比較的耐熱性を有するプラスチックフィルムもしくはシートが使用できる。
【0187】
この基材フィルム層には、要求される品質、耐性、使用条件などによって副資材である例えば、可塑剤あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、または無機顔料、有機顔料、界面活性剤、老化防止剤、離型剤、染料などの添加剤を加えることができ。
【0188】
そして、必要に応じて適宜選定され、使用される樹脂に添加、均一に攪拌された後に押出機等により形成される。適宜選定され、使用される樹脂と均一に攪拌された後に押出機等により形成される。
【0189】
また、上記、使用される副資材は通常公知のものが用いられる。例えば、基材フィルムを着色する場合にはカラードペレット(着色ペレット)、マスターバッチ、ドライカラー等が用いられる。
【0190】
また、マスターバッチは着色する樹脂と同種の材料にあらかじめ顔料を高濃度に分散させてあるもので、計量しやすく、取り扱いやすいために広く使用されている。
【0191】
また、ドライカラーは粉末状のものを表面処理して分散性を向上させたもので、ポリエ
チレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)アクリル樹脂などに用いられている。
【0192】
さらに、プラスチックは、一般に電気絶縁性が非常に優れているために、摩擦したり、重ね合わせたりすると容易に帯電が起こる。その結果ゴミが付着して美観を損ねたり、製造現場では作業者に電撃を与え、時には火災を起こすこともある。
【0193】
そのようなことを防止するために用いられるのが帯電防止剤である。また、使用方法には練り込み型と塗布型があるが、防止効果の持続性では練り込み型の方が優れている。そして、公知の帯電防止剤としては、非イオン系、カチオン系のものが主に使用されている。
【0194】
また、紫外線吸収剤は紫外線(400nm以下の光)エネルギーを吸収し、吸収剤分子の内部変化にそれを消費してしまって、ポリマーにエネルギーを及ぼさないために用いられる。
【0195】
さらに、基材フィルム層の表面をコロナ放電処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、後述するシーラント層32等との接着性を向上させることができる。
【0196】
また、必要に応じて基材フィルム層の表面または裏面に印刷層(図示せず)を形成することができる。
【0197】
印刷層は一般的なプラスチックフィルム袋への印刷の場合と同様に、インキの耐摩擦性、耐侯性などを考慮して、基材フィルム層の内面に商品の販売促進効果を向上させるなどの理由で綺麗な絵柄の印刷層を設けることが好ましい。
【0198】
前記印刷層を形成する印刷インキとしては、インキに色彩を与える微細な粒子の顔料や染料からなる色材と、披印刷体に固着させる樹脂と、印刷の版からインキの適性量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクルと、界面活性剤などからなる助剤から形成されている。そして、特に色材は、耐侯性の良い顔料が好ましい。
【0199】
前記界面活性剤などからなる助剤は色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的として用いられている。
【0200】
また、前記基材フィルム層に印刷するさいには、該基材フィルム層と印刷インキとの密着性を向上させるため必要ならば、該基材フィルム層の印刷層を設ける面にオゾン処理、コロナ処理などの前処理を施すことが好ましい。そして、さらに、アンカーコート剤などをコーティングしても良い。
【0201】
前記アンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系などのアンカーコート剤や、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤などを使用することができる。
【0202】
該アンカーコート剤をコーティングする方法は、公知のグラビアロールコーティング方式、バーコーティング方式、リバースロールコーティング方式などを使用することができる。
【0203】
また、ヒートシール層63、64は該包装袋などを形成する際に接着層として設けられるものである。そして、熱融着性のある樹脂であれば使用できるが、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。
【0204】
また、食品包装におけるレトルト殺菌適性等を考慮すると、ポリプロピレン樹脂がより好ましく使用できる。
【0205】
そして、厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。また、形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
【0206】
また、該包装袋の落下強度、突き刺し強度や、ガスバリア性を向上させる必要がある場合には、基材フィルム層とシーラント層との間に中間層を介在させることができる。
【0207】
さらに、蒸気抜き包装袋にガスバリア性が要求される場合には、例えば、図11に示すようなガスバリア積層フィルムを用いることができる。そして、図11に示す積層フルム61(62)の95がガスバリア積層フィルム層である。
【0208】
前記ガスバリア積層フィルム95における基材91はプラスチック材料からなるフィルムである。
【0209】
そして、その上に3官能オルガノシラン及びアクリルポリオール、イソシアネート化合物等の複合物よりなるプライマー層92、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層93、ガスバリア性被膜層94が順次積層されている。この場合、ガスバリア性被膜層94は、要求品質により設けなくても構わない。
【0210】
前記基材91はプラスチック材料であり、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。
【0211】
そして、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
【0212】
また、この基材91の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
【0213】
基材91の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、プライマー層92及び無機酸化物からなる蒸着薄膜層93、ガスバリア性被膜層94を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
【0214】
プライマー層92は、プラスチック材料からなる基材91上に設けられ、基材91と無機酸化物からなる蒸着薄膜層93との間の密着性を高め、食品包装分野でのレトルト殺菌
等の加熱後のデラミネーション(剥離)の発生等を防止することを目的とする。
【0215】
上記目的達成のためにプライマー樹脂として用いることができるのは、3官能オルガノシランあるいはその加水分解物と、アクリルポリオール及びイソシアネート化合物等との複合物であることを見いだした。
【0216】
さらに、プライマー層92を構成する複合物について詳細に説明する。前記3官能オルガノシランは、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランなど一般式R’Si(OR)3(R’はアルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基等、Rはアルキル基等)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。
【0217】
上記のなかでもR’中にエポキシ基が含まれているグリシドオキシトリメトキシシランやエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が特に好ましい。加水分解物を得る方法は、3官能オルガノシランに直接酸やアルカリ等を添加して加水分解を行う方法など既知の方法で得ることができる。
【0218】
また、アクリルポリオールとは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物もくしは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物のうち、末端にヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。
【0219】
上記のなかでも、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
【0220】
前記アクリルポリオールと3官能オルガノシランの配合比は、重量比で1/1から100/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から50/1の範囲にあることである。
【0221】
また、溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および任意に配合されたものを用いることができる。
【0222】
しかし、3官能オルガノシラン等を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることがより好ましい。
【0223】
また、3官能オルガノシランとアクリルポリオールの配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加しても一向に構わない。添加される触媒としては、反応性および重合安定性の点から塩化錫(SnCl2、SnCl4)、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2Cl2)、錫アルコキシド等の錫化合物であることが好ましい。
【0224】
これらの触媒は、配合時に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加しても良い。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、3官能オルガノシランに対してモル比で1/10〜1/10000の範囲が好ましく、更に望まし
くは1/100〜1/2000の範囲であることがより好ましい。
【0225】
さらに、混入するイソシアネート化合物とは、アクリルポリオールと反応してできるウレタン結合により基材17や無機酸化物からなる蒸着薄膜層19との密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。
【0226】
これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられ、これらが単独かまたは混合物等として用いられる。
【0227】
また、アクリルポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。
【0228】
そこでアクリルポリオールとインソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
【0229】
さらに、上記複合物に調液時に液安定性を向上させるために、金属アルコキシドまたはその加水分解物を加えても一向に構わない。この金属アルコキシドとはテトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリプロポキシアルミニウム〔Al(OC373〕など一般式M(OR)n(MはSi,Al,Ti,Zr等の金属、RはCH3,C25等のアルキル基)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。
【0230】
これらの中でもテトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウムあるいは両者の混合物が、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。この金属アルコキシドの加水分解物を得る方法は前記3官能オルガノシランとともに加水分解を行っても良いし、また金属アルコキシドの加水分解物を加えることも可能である。
【0231】
3官能オルガノシランと金属アルコキシドの配合比は、液安定性の点からモル比で10:1から1:10の範囲であることが望ましい。好ましくは両者が等モルで配合されることが望ましい。
【0232】
複合物の被膜は、このような3官能オルガノシランをあらかじめ加水分解反応させたもの、または3官能オルガノシランを金属アルコキシドとともに加水分解反応させたもの(このとき上述した反応触媒を用いても構わない)を、アクリルポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを溶媒中あらかじめ混合しておき(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)加水分解反応を行ったもの。
【0233】
または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを混合しただけのもの(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合溶液を作製したものを基材17にコーティングして形成する。
【0234】
この複合物に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応
促進剤、充填剤等を添加することも可能である。
【0235】
プライマー層92の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0236】
また、厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく、密着性が低下する場合がある。そして、厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
【0237】
また、プライマー層92の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。そして、乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。
【0238】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層93は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。
【0239】
これらの中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が好ましい。ただし本発明の蒸着薄膜層3は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0240】
蒸着薄膜層93の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。
【0241】
また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。蒸着薄膜層93の厚さは、好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
【0242】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層93をプライマー層92上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。
【0243】
前記真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。
【0244】
また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0245】
次に、ガスバリア性被膜層94は、要求品質によりアルミ箔並の高いガスバリア性を付与するために無機酸化物からなる蒸着薄膜層93上に設けられるものである。
【0246】
上記ガスバリア性被膜層94は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。
【0247】
また、水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層93にコーティング、加熱乾燥し形成される。コーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
【0248】
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0249】
特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
【0250】
また、塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0251】
さらに、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕などの一般式M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0252】
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
【0253】
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0254】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。
【0255】
また、被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
【0256】
また、中間層96は破袋強度を高めるために設けられるもので、一般的に機械強度及び熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれる。
【0257】
そして、厚さは、材質や要求品質等に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。形成方法としては2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方法により積層できる。
【0258】
また、ヒートシール層97は上述したように包装袋などを形成する際に接着層として設
けられるものである。熱融着性のある樹脂であれば使用できる。
【0259】
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。食品包装におけるレトルト殺菌適性等を考慮すると、ポリプロピレン樹脂がより好ましく使用できる。
【0260】
そして、厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。また、形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
【産業上の利用可能性】
【0261】
本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の収納物を加熱調理する際に、蒸気抜き包装袋を蒸気抜き包装袋用外装箱に収納したまま加熱調理できる。そして、収納物が電子レンジ内に飛散することのない蒸気抜き包装袋用外装箱として優れていることはもとより、医療・医薬分野等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【0262】
【図1】蒸気抜き包装袋が収納されている本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱の形態の一実施例の外形を示す斜視図である。
【図2】図1の蒸気抜き包装袋用外装箱を電子レンジ加熱する際の説明をするための説明図である。
【図3】図1の蒸気抜き包装袋用外装箱を展開したブランク板の平面図である。
【図4】蒸気抜き包装袋が収納されている本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱の形態の他の一実施例の外形を示す斜視図である。
【図5】図4の蒸気抜き包装袋用外装箱を電子レンジ加熱する際の説明をするための説明図である。
【図6】図4の蒸気抜き包装袋用外装箱を展開したブランク板の平面図である。
【図7】(a)は本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の一例を示す平面図である。また(b)は(a)のA−A´線断面を示す断面図である。
【図8】図7(b)のB部を拡大した拡大図である。
【図9】本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋に内容物が充填されて電子レンジ加熱する際の状態を説明するための説明図である。
【図10】本発明の蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の側面の断面を示す説明図である。
【図11】蒸気抜き包装袋に用いられる材料構成を説明するための説明図である。
【図12】蒸気抜き包装袋に用いられる材料構成を説明するための説明図である。
【図13】従来の電子レンジ加熱用包装袋および包装箱並びに加熱方法を説明するための概略図である。
【図14】従来の電子レンジ加熱用包装箱および加熱方法等を説明するための概略図である。
【図15】従来の電子レンジ加熱用包装箱および加熱方法等を説明するための概略図である。
【図16】従来の電子レンジ加熱用包装箱および加熱方法等を説明するための概略図である。
【符号の説明】
【0263】
1…正面板
2…底面板
3…左側面板
4…右側面板
5…上側正面板
6…下側正面板
7…ジッパー
8…ジッパー摘み部
9…罫線
10…罫線
11…罫線
12…罫線
13…罫線
14…罫線
15…罫線
16…開口部
17…罫線
18…罫線
19…罫線
20…罫線
21…蒸気孔周縁
22…蒸気孔
23…罫線
24…罫線
25…罫線
26…罫線
30…ブランク板
40…下側左面板
41…上側左面板
42…下側底面板
43…上側底面板
44…接着面板
50…蒸気抜き包装袋
60…蒸気抜き包装袋用外装箱
70…蒸気抜き包装袋
80…蒸気抜き包装袋用外装箱
90…ブランク板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により剥離開口する蒸気孔が設けられている蒸気抜き包装袋の蒸気孔を上面に偏平状に寝かせた姿勢で外装箱に収納し、蒸気抜き包装袋の収納物を加熱調理する際に、蒸気抜き包装袋を外装箱に収納したまま加熱調理する蒸気抜き包装袋用外装箱であって、
前記蒸気抜き包装袋用外装箱に収納されている蒸気抜き包装袋の収納物を加熱調理する際に、蒸気抜き包装袋用外装箱の内面が蒸気孔の上面を覆い、その覆った上方方向の蒸気抜き包装袋用外装箱の上面に切り離し開封部が設けられていることを特徴とした蒸気抜き包装袋用外装箱。
【請求項2】
前記切り離し開封部が蒸気孔を覆っている蒸気抜き包装袋用外装箱上面の略中央の横幅方向に帯状に設けられていることを特徴とした請求項1に記載の蒸気抜き包装袋用外装箱。
【請求項3】
前記切り離し開封部が蒸気孔を覆っている上方方向の蒸気抜き包装袋用外装箱上面の上方方向に凸状の窓抜き状態に設けられていることを特徴とした請求項1に記載の蒸気抜き包装袋用外装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−297127(P2007−297127A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128932(P2006−128932)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】