説明

蒸気止め弁

【課題】弁棒が動かなくなったり、弁棒の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる蒸気止め弁を提供すること。
【解決手段】弁室により形成され、かつ、弁体を内包する弁体ブッシュと、弁体を弁座に対して進退させる弁棒6と、この弁棒6の摺動管として機能する弁棒ブッシュ7とを備えた蒸気止め弁であって、前記弁棒6の第1の傾斜面6aの他端に、前記弁棒6の一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面6fの一端が連続して設けられ、前記弁棒ブッシュ7の第1の傾斜面7aの一端に、前記弁棒ブッシュ7の一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面7bの一端が連続して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電タービン、原子力発電タービン等のタービン入口に設置されて、ボイラ等からタービンへの蒸気の流れを許容したり、遮断したりする蒸気止め弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火力発電タービン、原子力発電タービン等のタービン入口に設置されて、ボイラ等からタービンへの蒸気の流れを許容したり、遮断したりする蒸気止め弁としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−39076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図4に示すように、特許文献1等に開示された蒸気止め弁41は、一端(図4において上側の端)に取り付けられた弁体(図示せず)を、弁座(図示せず)に対して進退させる弁棒42と、この弁棒42の摺動管として機能する弁棒ブッシュ43とを備えている。
弁棒42の長手方向(軸方向)における途中および弁棒ブッシュ43の長手方向(軸方向)における途中にはそれぞれ、弁体が弁座から退いて(離れて、遠退いて)、弁室(図示せず)の内部に形成された蒸気流路(図示せず)が全開となったときに互いに接して(当接して)、弁棒42の一方(図4において上方)への動き(移動)を拘束する傾斜面42a,43aが周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成されている。
【0005】
傾斜面42aは、弁棒42の一端(図4において上側の端)の側から他端(図4において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)、すなわち、弁棒42の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる円錐面(テーパー面)であり、傾斜面43aは、弁棒ブッシュ43の一端(図4において上側の端)の側から他端(図4において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)、すなわち、弁棒ブッシュ43の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる円錐面(テーパー面)である。
【0006】
傾斜面42aの一端(図4において上側の端)には、径方向に沿って延びる(第1の)段部42bの外周縁(外周端)が連続して設けられ(接続され)、段部42bの内周縁(内周端)には、一定の幅(高さ)および一定の外径で周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成された小径部42cの他端(図4において下側の端)が連続して設けられており(接続されており)、小径部42cの一端(図4において上側の端)には、径方向に沿って延びる(第2の)段部42dの内周縁(内周端)が連続して設けられ(接続され)、段部42dの外周縁(外周端)には、小径部42cの外径よりも大きい、一定の外径を有する中径部42eの他端(図4において下側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
一方、傾斜面42aの他端(図4において下側の端)には、中径部42eの外径よりも大きい、一定の外径を有する大径部42fが連続して設けられている(接続されている)。
【0007】
傾斜面43aの一端(図4において上側の端)には、一定の内径(中径部42eの外径よりもわずかに大きい内径)で周方向および軸方向に沿って円筒状に穿設された小径穴43bの他端(図4において下側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
一方、傾斜面43aの他端(図4において下側の端)には、径方向に沿って延びる(第1の)段部43cの内周縁(内周端)が連続して設けられ(接続され)、段部43cの外周縁(外周端)には、一定の幅(高さ)および後述する大径穴43fの内径よりも大きい、一定の内径で周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成された拡径部43dの一端(図4において上側の端)が連続して設けられており(接続されており)、拡径部43dの他端(図4において下側の端)には、径方向に沿って延びる(第2の)段部43eの外周縁(外周端)が連続して設けられ(接続され)、段部43eの内周縁(内周端)には、一定の内径(小径穴43bの内径よりも大きく、拡径部43dの内径よりも小さく、かつ、大径部42fの外径よりもわずかに大きい内径)で周方向および軸方向に沿って円筒状に穿設された大径穴43fの一端(図4において上側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
【0008】
しかしながら、このような弁棒42と弁棒ブッシュ43とを備えた蒸気止め弁41では、傾斜面42a,43aよりも前流側、特に、わずかな隙間しかない中径部42eと小径穴43bとの間に、蒸気中に含まれた微細なスケール等が堆積し、中径部42eが小径穴43bに固着(スティック)して弁棒42が動かなくなったり、弁棒42の摺動抵抗が大きくなりすぎるといった問題点があった。
【0009】
また、傾斜面42aと傾斜面43aとが互いに接している状態では、シール性を確保するのに必要な(高い)面圧が傾斜面42a,43aに加わることになる。そのため、高温の蒸気に曝される傾斜面42a,43aにクリープが生じ、図5(a)に破線で示すような、小径穴43bの他端部に、段部42b、小径部42c、段部42dにより形成される空間S1内に入り込む(空間S1内に向かって突出する)変形や、図5(b)に破線で示すような、大径部42fの一端部に、段部43c、拡径部43d、段部43eにより形成される空間S2内に入り込む(空間S2内に向かって突出する)変形が生じて、弁棒42が動かなくなったり、弁棒42の摺動抵抗が大きくなりすぎるといった問題点があった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、弁棒が動かなくなったり、弁棒の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる蒸気止め弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る蒸気止め弁は、弁室により形成され、かつ、弁体を内包する弁体ブッシュと、弁体を弁座に対して進退させる弁棒と、この弁棒の摺動管として機能する弁棒ブッシュとを備え、前記弁棒の長手方向における途中および前記弁棒ブッシュの長手方向における途中のそれぞれに、前記弁体が前記弁座から一方に退いて、前記弁室の内部に形成された蒸気流路が全開となったときに互いに接して、前記弁棒の前記一方への動きを拘束する第1の傾斜面が周方向に沿って環状に形成された蒸気止め弁であって、前記弁棒の前記第1の傾斜面の他端に、前記弁棒の一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられ、前記弁棒ブッシュの前記第1の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられている。
【0012】
本発明に係る蒸気止め弁によれば、弁棒の第1の傾斜面と弁棒ブッシュの傾斜面とが互いに接している状態(すなわち、弁体が弁座から退いて(離れて、遠退いて)、弁室の内部に形成された蒸気流路が全開となった状態)では、シール性を確保するのに必要な(高い)面圧がこれら第1の傾斜面に加わることになる。そのため、高温の蒸気に曝されるこれら第1の傾斜面にクリープが生じ、例えば、図3(a)に破線で示すような変形が弁棒ブッシュ7の第2の傾斜面7bに発生し、図3(b)に破線で示すような変形が弁棒6の第2の傾斜面6fに発生することになる。
しかしながら、図3(a)に示すように、弁棒ブッシュ7の第2の傾斜面7bに発生する変形(の大半)は、例えば、段部6b、小径部6c、段部6dにより形成される空間S3の半径方向外側に形成され、第2の傾斜面7bに発生した変形(の大半)が、空間S3内に入り込まないようになっている。
また、図3(b)に示すように、第2の傾斜面6fに発生する変形(の大半)は、例えば、段部7e、拡径部7f、段部7gにより形成される空間S4の半径方向内側に形成され、第2の傾斜面6fに発生した変形(の大半)が、空間S4内に入り込まないようになっている。
そして、その結果、弁棒6が動かなくなったり、弁棒6の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる。
【0013】
上記蒸気止め弁において、前記弁棒ブッシュの前記第2の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて先細りとなる第3の傾斜面の一端が連続して設けられているとさらに好適である。
【0014】
このような蒸気止め弁によれば、弁棒ブッシュの第1の傾斜面よりも前流側に位置する弁棒ブッシュの内周側(半径方向内側)に、第3の傾斜面が設けられ、第3の傾斜面と弁棒との間の隙間が従来のもの(例えば、図4および図5(a)に示すもの)よりも広くなっている(大きくなっている)ので、第3の傾斜面と弁棒との間に、蒸気中に含まれた微細なスケール等が堆積した場合でも、弁棒の摺動抵抗を従来のものよりも低減させることができ、弁棒が動かなくなったり、弁棒の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる。
【0015】
本発明に係る蒸気止め弁は、弁室により形成され、かつ、弁体を内包する弁体ブッシュと、弁体を弁座に対して進退させる弁棒と、この弁棒の摺動管として機能する弁棒ブッシュとを備え、前記弁棒の長手方向における途中および前記弁棒ブッシュの長手方向における途中のそれぞれに、前記弁体が前記弁座から一方に退いて、前記弁室の内部に形成された蒸気流路が全開となったときに互いに接して、前記弁棒の前記一方への動きを拘束する第1の傾斜面が周方向に沿って環状に形成された蒸気止め弁であって、前記弁棒ブッシュの前記第1の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて先細りとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられている。
【0016】
本発明に係る蒸気止め弁によれば、弁棒ブッシュの第1の傾斜面よりも前流側に位置する弁棒ブッシュの内周側(半径方向内側)に、第2の傾斜面が設けられ、第2の傾斜面と弁棒との間の隙間が従来のもの(例えば、図4および図5(a)に示すもの)よりも広くなっている(大きくなっている)ので、第2の傾斜面と弁棒との間に、蒸気中に含まれた微細なスケール等が堆積した場合でも、弁棒の摺動抵抗を従来のものよりも低減させることができ、弁棒が動かなくなったり、弁棒の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、弁棒が動かなくなったり、弁棒の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る蒸気止め弁の全体の構成を示す断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す図である。
【図3】図2の要部をさらに拡大して示す図である。
【図4】従来の蒸気止め弁の要部を拡大して示す図である。
【図5】図4の要部をさらに拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る蒸気止め弁について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る蒸気止め弁の全体の構成を示す断面図、図2は図1の要部を拡大して示す図、図3は図2の要部をさらに拡大して示す図である。
【0020】
本発明に係る蒸気止め弁は、火力発電タービン、原子力発電タービン等のタービン入口に設置されて、ボイラ等からタービンへの蒸気の流れを許容したり、遮断したりするものであり、「主蒸気止め弁」、「主塞止弁」、「主蒸気元弁」等と呼ばれるものである。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る蒸気止め弁1は、弁室2により形成され、かつ、弁体3を内包する弁体ブッシュ4と、弁体3を弁座5に対して進退させる弁棒6と、この弁棒6の摺動管として機能する弁棒ブッシュ7とを備えている。
なお、図1中の符号8はタービン入口を示し、符号9は弁室2の内部に形成された蒸気流路を示している。
また、図1中の実線矢印は、(主)蒸気の流れ方向を示している。
【0022】
図2に示すように、弁棒6の長手方向(軸方向)における途中および弁棒ブッシュ7の長手方向(軸方向)における途中にはそれぞれ、弁体3(図1参照)が弁座5(図1参照)から退いて(離れて、遠退いて)、弁室2(図1参照)の内部に形成された蒸気流路9(図1参照)が全開となったときに互いに接して(当接して)、弁棒6の一方(図1および図2において上方)への動き(移動)を拘束する傾斜面6a,7aが周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成されている。
【0023】
(第1の)傾斜面6aは、弁棒6の一端(図2において上側の端)の側から他端(図2において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)となり、弁棒6の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる円錐面(テーパー面)であり、(第1の)傾斜面7aは、弁棒ブッシュ7の一端(図2において上側の端)の側から他端(図2において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)となり、弁棒ブッシュ7の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる円錐面(テーパー面)である。
【0024】
傾斜面6aの一端(図2において上側の端)には、径方向に沿って延びる(第1の)段部6bの外周縁(外周端)が連続して設けられ(接続され)、段部6bの内周縁(内周端)には、一定の幅(高さ)および一定の外径で周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成された小径部6cの他端(図2において下側の端)が連続して設けられており(接続されており)、小径部6cの一端(図2において上側の端)には、径方向に沿って延びる(第2の)段部6dの内周縁(内周端)が連続して設けられ(接続され)、段部6dの外周縁(外周端)には、小径部6cの外径よりも大きい、一定の外径を有する中径部6eの他端(図2において下側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
【0025】
一方、傾斜面6aの他端(図2において下側の端)には、弁棒6の一端(図2において上側の端)の側から他端(図2において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)、すなわち、弁棒6の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる(第2の)傾斜面(円錐面:テーパー面)6fの一端(図2において上側の端)が連続して設けられ(接続され)、傾斜面6fの他端(図2において下側の端)には、中径部6eの外径よりも大きい、一定の外径を有する大径部6gが連続して設けられている(接続されている)。
【0026】
傾斜面7aの一端(図2において上側の端)には、弁棒ブッシュ7の一端(図2において上側の端)の側から他端(図2において下側の端)の側にかけて先太り(末広がり)、すなわち、弁棒ブッシュ7の他端の側から一端の側にかけて先細りとなる(第2の)傾斜面(円錐面:テーパー面)7bの他端(図2において下側の端)が連続して設けられ(接続され)、傾斜面7bの一端(図2において上側の端)には、径方向に沿って延びる(第1の)段部7cの内周縁(内周端)が連続して設けられており(接続されており)、段部7cの外周縁(外周端)には、弁棒ブッシュ7の一端(図2において上側の端)の側から他端(図2において下側の端)の側にかけて先細り、すなわち、弁棒6の他端の側から一端の側にかけて先太り(末広がり)となる(第3の)傾斜面(円錐面:テーパー面)7dの他端(図2において下側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
【0027】
一方、傾斜面7aの他端(図2において下側の端)には、径方向に沿って延びる(第2の)段部7eの内周縁(内周端)が連続して設けられ(接続され)、段部7eの外周縁(外周端)には、一定の幅(高さ)および後述する大径穴7hの内径よりも大きい、一定の内径で周方向に沿って環状に(ぐるりと一周)形成された拡径部7fの一端(図2において上側の端)が連続して設けられており(接続されており)、拡径部7fの他端(図2において下側の端)には、径方向に沿って延びる(第3の)段部7gの外周縁(外周端)が連続して設けられ(接続され)、段部7gの内周縁(内周端)には、一定の内径(小径穴7bの内径よりも大きく、拡径部7fの内径よりも小さく、かつ、大径部6gの外径よりもわずかに大きい内径)で周方向および軸方向に沿って円筒状に穿設された大径穴7hの一端(図2において上側の端)が連続して設けられている(接続されている)。
【0028】
本実施形態に係る蒸気止め弁1によれば、傾斜面7aよりも前流側に位置する弁棒ブッシュ7の内周側(半径方向内側)に、段部7cと傾斜面7dとが設けられ、傾斜面7dと中径部6eとの間の隙間が従来のもの(例えば、図4および図5(a)に示すもの)よりも広くなっている(大きくなっている)ので、傾斜面7dと中径部6eとの間に、蒸気中に含まれた微細なスケール等が堆積した場合でも、弁棒6の摺動抵抗を従来のものよりも低減させることができ、弁棒6が動かなくなったり、弁棒6の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる。
【0029】
本実施形態に係る蒸気止め弁1によれば、傾斜面6aと傾斜面7aとが互いに接している状態(すなわち、弁体3(図1参照)が弁座5(図1参照)から退いて(離れて、遠退いて)、弁室2(図1参照)の内部に形成された蒸気流路9(図1参照)が全開となった状態)では、シール性を確保するのに必要な(高い)面圧が傾斜面6a,7aに加わることになる。そのため、高温の蒸気に曝される傾斜面6a,7aにクリープが生じ、図3(a)に破線で示すような変形が傾斜面7bに発生し、図3(b)に破線で示すような変形が傾斜面6fに発生することになる。
しかしながら、図3(a)に示すように、傾斜面7bに発生する変形(の大半)は、段部6b、小径部6c、段部6dにより形成される空間S3の半径方向外側に形成され、傾斜面7bに発生した変形(の大半)が、空間S3内に入り込まないようになっている。
また、図3(b)に示すように、傾斜面6fに発生する変形(の大半)は、段部7e、拡径部7f、段部7gにより形成される空間S4の半径方向内側に形成され、傾斜面6fに発生した変形(の大半)が、空間S4内に入り込まないようになっている。
そして、その結果、弁棒6が動かなくなったり、弁棒6の摺動抵抗が大きくなりすぎるのを回避することができる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
例えば、上述した実施形態では、段部7cの外周縁に、傾斜面7dの他端を連続して設ける(接続する)ようにしたが、段部7cの外周縁に、一定の内径で周方向および軸方向に沿って円筒状に穿設された穴の一端を連続して設ける(接続する)ようにしてもよい。
【0031】
また、上述した実施形態では、傾斜面7bの一端と、傾斜面7dの他端とが、段部7cを介して接続するようにしたが、段部7cをなくして、傾斜面7bの一端と、傾斜面7dの他端とを直接接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 蒸気止め弁
2 弁室
3 弁体
4 弁体ブッシュ
5 弁座
6 弁棒
6a (第1の)傾斜面
6f (第2の)傾斜面
7 弁棒ブッシュ
7a (第1の)傾斜面
7b (第2の)傾斜面
7d (第3の)傾斜面(第2の傾斜面)
9 蒸気流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室により形成され、かつ、弁体を内包する弁体ブッシュと、弁体を弁座に対して進退させる弁棒と、この弁棒の摺動管として機能する弁棒ブッシュとを備え、
前記弁棒の長手方向における途中および前記弁棒ブッシュの長手方向における途中のそれぞれに、前記弁体が前記弁座から一方に退いて、前記弁室の内部に形成された蒸気流路が全開となったときに互いに接して、前記弁棒の前記一方への動きを拘束する第1の傾斜面が周方向に沿って環状に形成された蒸気止め弁であって、
前記弁棒の前記第1の傾斜面の他端に、前記弁棒の一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられ、
前記弁棒ブッシュの前記第1の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて末広がりとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられていることを特徴とする蒸気止め弁。
【請求項2】
前記弁棒ブッシュの前記第2の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて先細りとなる第3の傾斜面の一端が連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気止め弁。
【請求項3】
弁室により形成され、かつ、弁体を内包する弁体ブッシュと、弁体を弁座に対して進退させる弁棒と、この弁棒の摺動管として機能する弁棒ブッシュとを備え、
前記弁棒の長手方向における途中および前記弁棒ブッシュの長手方向における途中のそれぞれに、前記弁体が前記弁座から一方に退いて、前記弁室の内部に形成された蒸気流路が全開となったときに互いに接して、前記弁棒の前記一方への動きを拘束する第1の傾斜面が周方向に沿って環状に形成された蒸気止め弁であって、
前記弁棒ブッシュの前記第1の傾斜面の一端に、前記弁棒ブッシュの一端の側から他端の側にかけて先細りとなる第2の傾斜面の一端が連続して設けられていることを特徴とする蒸気止め弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−107566(P2012−107566A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256871(P2010−256871)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(310010564)三菱重工コンプレッサ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】