説明

蒸発光散乱検出器などのデバイスに使用されることに適した構成部品

蒸発光散乱検出器などのデバイスに使用されることに適した、構成部品が開示される。蒸発光散乱検出器などのデバイスに使用されることに適した、構成部品の使用方法および製造方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、蒸発光散乱検出器(ELSD)などの分析用デバイスに使用されることに適した、さまざまな構成部品に関する。さらに、本発明は、蒸発光散乱検出器(ELSD)デバイスなどの中のさまざまな構成部品の使用方法、および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]デバイスの性能を改良するために、蒸発光散乱検出器(ELSD)などの分析用デバイスに使用されることに適する、さまざまな構成部品に対する技術需要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]本発明は、これに限定されるものではないが、蒸発光散乱検出器(ELSD)を含む分析用デバイスに使用されることに適した、構成部品の発見によって、上記で論じた困難および問題のいくつかに対処するものである。本発明の構成部品は、分析用デバイスに使用される既知の構成部品に対して、1つまたは複数の利点がある。1つまたは複数の利点には、これに限定されるものではないが、噴霧器を備える分析用デバイスの動作中に、作業領域から1つまたは複数のガス(例えば、窒素)ボンベを除去できること、分析用デバイスの噴霧器に連続的に空気を供給できること、分析用デバイスのドリフトチューブの内部表面から、積層された粒子および/または燃焼物を、効果的および効率的に除去できること、分析用デバイスのドリフトチューブの最大動作温度(例えば、約50℃)を維持できること、分析用デバイスのドリフトチューブの流動性を効果的および効率的に調節できること、分析用デバイスのドレイントラップの中の凝縮物を効果的および効率的にトラップできること、および分析用デバイスのドレイントラップの中の凝縮物を能動的に排水することができることが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]1つの例示的な実施形態では、本発明の構成部品は、検出器の検出器収容部の中に位置する空気ポンプを備え、ここで、空気ポンプは、圧縮空気を検出器の噴霧器に供給するように動作可能に構成される。空気ポンプは、一般にはガスを噴霧器に供給するために使用されるいずれかのガスボンベを、作業領域から除去することができるので、(i)必要とされる空間を削減し、(ii)ガスボンベに関する運転コストを削減し、(iii)空のボンベ交換に関する停止時間を削減し、(iv)ガス源が不足する可能性に関するオペレータの関与を削減し、(v)研究所の安全を改善することができる。
【0005】
[0005]別の例示的な実施形態では、第1の端部と、第2の端部と、ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面と、外側表面とを備えるドリフトチューブ、および、少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナであって、それぞれの取り外し可能な管状ライナが第1のライナ端部と、第2のライナ端部と、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面と、外側ライナ表面とを備える少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナとを備えるドリフトチューブ組立部を、本発明の構成部品は備える。それぞれの取り外し可能な管状ライナは、ドリフトチューブの中に位置することができるので、それぞれの取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面は、内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する。取り外し可能な管状ライナは、所定のドリフトチューブを迅速に清掃することができるばかりではなく、ドリフトチューブの内側断面積を迅速かつ効率的に変更することができるので、さまざまな用途で望ましいように、ドリフトチューブの中を通る液体の流量を低減または増加させることができる。
【0006】
[0006]さらなる例示的な実施形態では、本発明の構成部品は、検出器の検出器収容部の中に位置する、能動凝縮ドレイントラップを備える。能動凝縮ドレイントラップは、凝縮ポンプ、または検出器収容部の中に位置する蒸発器を通して、能動的に排水するように動作可能に構成される。能動凝縮ドレイントラップは、操作者の最小限の介入または操作者の介入無しで、検出器から凝縮物を除去することを可能にする。
【0007】
[0007]さらに、本発明は、1つまたは複数の本明細書に開示された構成部品を含むデバイスに関する。デバイスには、これに限定されるわけではないが、分析用デバイス、エアロゾルベースの検出器、蒸発光散乱検出器(ELSD)、凝縮核形成光散乱検出器(CNLSD)、荷電エアロゾル検出器(CAD)、または質量分析計(MS)が挙げられる。いくつかの実施形態では、デバイスは、フラッシュクロマトグラフィーシステムなどのクロマトグラフィーシステムに組み込まれる1つまたは複数の本明細書に開示された構成部品を備える。
【0008】
[0008]1つの例示的な実施形態では、本発明のデバイスは、クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器を備え、ここで、検出器は(i)検出器収容部、(ii)検出器収容部の中に位置する噴霧器、および(iii)検出器収容部の中に位置する空気ポンプであって、圧縮空気を噴霧器に供給するように動作可能に構成される空気ポンプを備える。さらに例示的な検出器は、本明細書に開示されたドリフトチューブ組立部および/または能動凝縮ドレイントラップを備えてもよい。さらに、結果として得られる検出器は、フラッシュクロマトグラフィーシステムなどのクロマトグラフィーシステムに組み込まれてもよい。
【0009】
[0009]別の例示的な実施形態では、本発明のデバイスは、クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器を備え、ここで、検出器は、(i)検出器収容部、および(ii)検出器収容部の中に位置するドリフトチューブ組立部を備え、ここで、ドリフトチューブ組立部は、第1の端部、第2の端部、前記チューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブ、ならびに、少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナであって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは第1のライナ端部、第2のライナ端部、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、それぞれの取り外し可能な管状ライナは、ドリフトチューブの中に位置することができるので、取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面が、内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナを備える。さらに例示的な検出器は、本明細書に開示された空気ポンプおよび/または能動凝縮ドレイントラップを備えてもよい。さらに、結果として得られる検出器は、クロマトグラフィーシステムなどのフラッシュクロマトグラフィーシステムに組み込まれてもよい。
【0010】
[0010]さらに別の例示的な実施形態では、本発明のデバイスは、クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器を備え、ここで、検出器は、(i)検出器収容部、および(ii)検出器収容部の中に位置する能動凝縮ドレイントラップであって、凝縮ポンプまたは検出器収容部の中に位置する蒸発器を通して能動的に排水するように動作可能に構成される能動凝縮ドレイントラップを備える。さらに、例示的な検出器は、本明細書に開示された空気ポンプおよび/またはドリフトチューブ組立部を備えてもよい。さらに、結果として得られる検出器は、フラッシュクロマトグラフィーシステムなどのクロマトグラフィーシステムに組み込まれてもよい。
【0011】
[0011]さらに、本発明は、1つまたは複数の本発明の上述のデバイスばかりではなく、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品の製造方法に関する。1つまたは複数の本発明の上述の構成部品は、デバイスのデバイス収容部に組み込まれてもよく、例えば、デバイスは、少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法などの、分析試験方法の工程を実施するように動作可能に構成される。
【0012】
[0012]1つの例示的な実施形態では、本発明のデバイスの製造方法は、クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器を製造する方法を含み、ここで、該方法は、(1)検出器の検出器収容部の中の空気ポンプであって、圧縮空気を検出器収容部の中に位置する噴霧器に供給するように動作可能に構成される空気ポンプと、(2)検出器収容部の中のドリフトチューブ組立部であって、(i)第1の端部、第2の端部、前記ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブと、(ii)少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナであって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは第1のライナ端部、第2のライナ端部、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、それぞれの取り外し可能な管状ライナは、ドリフトチューブの中に位置することができるので、取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面は、内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナと、を備えるドリフトチューブ組立部と、(3)検出器収容部の中の能動凝縮ドレイントラップであって、凝縮ポンプまたは検出器収容部の中に位置する蒸発器を介して、能動的に排水するように動作可能に構成される能動凝縮ドレイントラップと、または(4)(1)から(3)の組み合わせのいずれかを組み込む工程を含む。
【0013】
[0013]さらに、本発明は、1つまたは複数の本発明の上述のデバイスを使用する方法ばかりではなく、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法に関する。1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法は、デバイスの中の1つまたは複数の上述の構成部品を使用することを含んでもよく、例えば、デバイスは、少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法などの、分析試験方法の工程を実施するように動作可能に構成される。
【0014】
[0014]1つの例示的な実施形態では、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法は、検出器の中の蒸発光散乱検出器(ELSD)などの1つまたは複数の上述の構成部品を使用すること、およびフラッシュクロマトグラフィーシステムのELSDを使用することを含む。
【0015】
[0015]本発明のこれらの、および他の特徴および利点は、開示された実施形態の以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を検討することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の例示的なデバイスを示す[0016]。
【図2A】図1に示す例示的なデバイスに使用されることに適した例示的なドリフトチューブ組立部の図を示す[0017]。
【図2B】例示的な管状ライナが、例示的なドリフトチューブの中に部分的に挿入される場合の、図2Aの例示的なドリフトチューブ組立部の図を示す[0018]。
【図3A】第1の取り外し可能な管状ライナがドリフトチューブと組み合わせて使用される場合の、図2Bに示す線A−Aに沿った、例示的なドリフトチューブ組立部の断面図を示す[0019]。
【図3B】第2の取り外し可能な管状ライナがドリフトチューブと組み合わせて使用される場合の、図2Bに示す線A−Aに沿った、例示的なドリフトチューブ組立部の断面図を示す[0020]。
【図4】噴霧器と、噴霧器と例示的なドリフトチューブ組立部との間に位置する例示的なカートリッジとを組み合わせた、例示的なドリフトチューブ組立部の図を示す[0021]。
【図5A】例示的なカートリッジに取り付けられ、光学ブロックに接続されている例示的なドリフトチューブの中に部分的に挿入される、例示的な管状ライナの図を示す[0022]。
【図5B】例示的なカートリッジに取り付けられ、光学ブロックに接続されている例示的なドリフトチューブの中に完全に挿入される、例示的な管状ライナの断面図を示す[0023]。
【図6】本発明の別の例示的なデバイスを示す[0024]。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0025]本発明の原理の理解を促進するために、本発明の特定の実施形態の記述が以下に続き、特定の言語が、特定の実施形態を記述することに使用される。しかしながら、当然のことながら、特定の言語の使用によって、本発明の範囲を制限することは意図されない。変更形態、さらに修正形態、および上述された本発明の原理のさらなる用途等は、当該技術分野における当業者であれば容易に想到することが考えられる。
【0018】
[0026]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合には、単数形の「1つ」、「および」、および「前記(the)」は、文脈が明らかに他の場合を示している場合を除き、複数形の指示対象を含むことに留意しなければいけない。このように、例えば、「1つの溶媒」を参照する場合には、複数の該溶媒を含み、「溶媒」を参照する場合には、1つまたは複数の溶媒、および当業者に知られているそれらの均等物、ならびにその他のものを含む。
【0019】
[0027]「約」で修飾される場合には、例えば、本明細書の実施形態の記載に用いられた、組成物中の材料、濃度、量、プロセス温度、プロセス時間、回収量または生産量、流量、および同様の値、ならびにそれらの範囲の量の数量の変動を示し、これは、例えば、一般的な測定手順および取り扱い手順を介して、これらの手順の不測のエラーを介して、該方法を実施するために使用される材料の違いを介して、および同様の近似した事情によって発生する可能性がある。「約」という用語は、さらに特定の初期濃度または混合物を有する処方物の経時変化による異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する処方物の混合または処理による異なる量を包含する。「約」を意味する用語によって、修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等物を含む。
【0020】
[0028]本明細書において、用語「クロマトグラフィー」は、1つは静止状態(固定相)であり、もう一方(移動相)は明確な方向に移動する、2相間で分散されている、分離されるべき構成部品を分離する物理的方法を意味する。
【0021】
[0029]本明細書において、用語「液体クロマトグラフィー」は、「移動相」に溶解している混合流体を、固定相を含むカラムに通して、混合物を分離することを意味し、それによって混合物中の他の分子から被分析物(すなわち、標的物質)を分離し、それを単離できる。
【0022】
[0030]本明細書において、用語「移動相」は、分離および/または分析される試料、および被分析物を含む試料を、カラムの中を通して移動させる溶媒を含む流動性液体、ガス、または超臨界流体を意味する。試料中の被分析物が、固定相と相互作用して試料から分離される、クロマトグラフィーカラムまたはカートリッジ(すなわち、固定相を収容する容器)の中を移動相が通る。
【0023】
[0031]本明細書において、用語「固定相」または「媒体」は、「移動相」に溶解している混合流体を、固定相を含むカラムに通して、移動相の試料から混合物を分離することによって、被分析物を選択的に吸着するカラムまたはカートリッジに固定されている材料を意味し、それによって混合物中の他の分子から、測定されるべき被分析物を分離し、それを単離できる。
【0024】
[0032]本明細書において、用語「フラッシュクロマトグラフィー」は、「移動相」に溶解している混合流体を、加圧下で、固定相を含むカラムに通して混合物を分離することを意味し、それによって混合物中の他の分子から、測定されるべき被分析物(すなわち、標的物質)を分離し、それを単離できる。
【0025】
[0033]本明細書において、用語「流体」はガス、液体、および超臨界流体を意味する。
【0026】
[0034]本明細書において、用語「実質的に」は充分な量の範囲を意味するが、絶対値の約0%から約50%、約0%から約40%、約0%から約30%、約0%から約20%または約0%から約10%の間を変化する量を含む。
【0027】
[0035]本発明は、これに限定されるものではないが、蒸発光散乱検出器(ELSD)、凝縮核形成光散乱検出器(CNLSD)、荷電エアロゾル検出器(例えば、コロナCAD)、および質量分析計を含む、分析用デバイスに使用されることに適したさまざまな構成部品に関する。本発明の1つの望ましい実施形態では、1つまたは複数の開示された構成部品は、蒸発光散乱検出器(ELSD)装置に組み込まれる。本明細書で使用される、適切な蒸発光散乱検出器(ELSD)および構成部品の記述は、例えば、両方の主題が、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,229,605号および第6,362,880号で見いだされ得る。
【0028】
[0036]さらに、本発明はELSD装置などの分析用デバイスに使用されることに適した、さまざまな構成部品を製造する方法に関する。さらに、本発明は、デバイスの1つまたは複数の機能性能を改善するために、蒸発光散乱検出器(ELSD)デバイスなどの分析用デバイスでの、1つまたは複数の開示された構成部品の使用方法に関する。
【0029】
[0037]1つの例示的な実施形態では、1つまたは複数の開示された本発明の構成部品は、図1に示す例示的な検出器などのデバイスに組み込まれる。図1に示すように、例示的な検出器100は、検出器収容部101および検出器収容部101の中に位置する次の構成部品:ドリフトチューブ組立部10、空気ポンプ20、噴霧器40、光学ブロック50、能動凝縮ドレイントラップ30、および凝縮ポンプ32を備える。例示的な検出器100では、カラム流出液(溶媒および試料/被分析物を含む)は矢印Aに沿って噴霧器40の中に移動する。空気ポンプ20からの圧縮空気は、矢印Bによって示される噴霧器40の中に取り入れられる。噴霧された材料は、ドリフトチューブ組立部10の中を通って移動し、溶媒は蒸発し、それによって試料が気流の中に分離され、次に混合物は光学ブロック50に進み、そこで試料は光エネルギーに晒され、電気信号を生成する。光学ブロック50を出た、蒸発した溶媒と試料の混合物は、凝縮し、能動凝縮ドレイントラップ30の中で捕捉される。例示的な検出器100では、能動凝縮ドレイントラップ30の中で蓄積し、ドレイン開口部35の中を通って、矢印Cに沿って、凝縮ポンプ32の中を通り、矢印Dに沿って廃棄物処理容器またはライン(不図示)に向かう凝縮物(不図示)を、凝縮ポンプ32は能動的に取り除く。
【0030】
[0038]図1に示すように、さまざまな本発明の構成部品は、検出器などのデバイスを形成するために互いに組み合わされてもよい(または、検出器または他のデバイスを形成するために別々に使用されてもよい)。デバイスで使用するための、本発明のさまざまな構成部品およびさまざまな構成部品の構造の説明が以下に記載される。
【0031】
I.構成部品
[0039]本発明は、単独で、または互いに組み合わされて使用されてもよい次の個別の構成部品に関し、既知の分析用デバイスの性能を改善することに貢献する。
【0032】
A.一体化した空気ポンプ
[0040]本発明は、図1に示す例示的な一体化した空気ポンプ20などの、一体化した空気ポンプに関する。図1に示すように、空気ポンプ20は、例示的な検出器100などの検出器の、検出器収容部101の中に位置してもよい。空気ポンプ20は、圧縮空気を例示的な検出器100の噴霧器40に供給するように動作可能に構成される。例示的な検出器100では、空気ポンプ20に沿って位置する、検出器収容部101の壁102に、壁102の中を通って位置する空気吸入口21がある。しかしながら、空気ポンプ20は、検出器収容部101の中の任意の位置に存在してもよいことが理解されるべきである。
【0033】
[0041]空気ポンプ20は、所望の流量の圧縮空気を、例示的な検出器100の噴霧器40に供給する。適切な空気ポンプの例には、KNF Neuberger Inc.から市販されているSwing Piston Compressor Pumpが挙げられる。
【0034】
B.ドリフトチューブ組立部
[0042]さらに、本発明は、図1に示す例示的なドリフトチューブ組立部10などのドリフトチューブ組立部に関する。本発明のドリフトチューブ組立部は、ELSD装置、またはいずれかの他の分析用デバイス(例えば、荷電エアロゾル検出器(例えば、コロナCAD)装置または質量分析計)に使用されてもよい。
【0035】
[0043]図2A〜図2Bに示すように、例示的なドリフトチューブ組立部10は、(1)第1の端部11、第2の端部12、第1の端部11と第2の端部12との間の距離を延長する管状構造物13、および管状構造物13によって囲まれた内部表面22(さらに図3A〜図3Bに示す)を備えるドリフトチューブ14、ならびに(2)1つまたは複数の管状ライナ15および16を備える。
【0036】
1.ドリフトチューブ
[0044]例示的なドリフトチューブ組立部10は、1つまたは複数の同心円層を有する管状構造物13を備える、ドリフトチューブ14を具備する。1つまたは複数の同心円層のそれぞれによって、所望の特徴(例えば、構造的一体性、高温耐熱性、等)が、結果として得られるドリフトチューブ14に付与される。さらに、1つまたは複数の同心円層のそれぞれには層厚があり、1つまたは複数の層材料から形性され、特定の特徴(例えば、化学的不活性等)が、結果として得られるドリフトチューブ14に付与される。
【0037】
[0045]さらに、管状構造物13は、第1の端部11および第2の端部12に隣接した接続機構を備えてもよい。接続機構は、例示的なドリフトチューブ14を、所定のデバイスの1つまたは複数の構成部品(例えば、噴霧器40、カートリッジ構成部品(以下に記載されている)、および/または光学ブロック50)に接続するために使用されてもよい。これに限定されるものではないが、適切な接続機構としては、例示的なドリフトチューブ14が、所定のデバイスの1つまたは複数の構成部品の対応するねじ山に取り付けられるようすることができるねじ山(不図示);例示的なドリフトチューブ14が、1つまたは複数の孔の中を通って延在するボルトまたはねじを介して、所定のデバイスの1つまたは複数の構成部品に取り付けできる、1つまたは複数の孔を含むフランジ(不図示);例示的なドリフトチューブ14が、1つまたは複数の孔(例えば、図4に示す管状構造物13の第1の端部11の孔45参照)の中に延在するボルトまたはねじを介して、所定のデバイスの1つまたは複数の構成部品に取り付けられることができる、第1の端部11および/または第2の端部12での、管状構造物13中の1つまたは複数の孔;および、例示的なドリフトチューブ14を対応するクランピング部材を介して、所定のデバイスの1つまたは複数の構成部品に取り付けられるように使用できるクランピング部材(不図示)が挙げられる。
【0038】
[0046]管状構造物13は、1つまたは複数の同心円層材料を含んでもよい。1つの例示的な実施形態では、管状構造物13は、良好な熱伝導特性を、例示的なドリフトチューブ14に付与する材料を含む。例えば、管状構造物13は、銅などの金属を含んでもよく、熱が管状構造物13の外側表面17に加えられると、実質的に同一の熱量が、外側表面17に沿って内部表面22へ伝導される。1つの例示的な実施形態では、管状構造物13は、ステンレス鋼から形性される内側層に電気メッキされる、銅層を備える。さらなる例示的な実施形態では、管状構造物13は、ステンレス鋼から形性される内側層に適合する、あらかじめ形成された銅スリーブを備える。
【0039】
[0047]さらに例示的な実施形態では、管状構造物13は、さらに、例示的なドリフトチューブ14の1つまたは複数の内側層に、絶縁特性を付与するオプションの絶縁材料(不図示)を含む。例えば、管状構造物13は、ポリウレタンフォームなどの外側発泡断熱層を備えてもよいので、1つまたは複数の内側層を断熱する。この例示的な実施形態は、例示的なドリフトチューブ14が、ELSD装置のドリフトチューブとして利用される場合には、特に有用である。
【0040】
[0048]さらなる例示的な実施形態では、管状構造物13は、さらに、外側表面17の一部または実質的にすべてに塗装される、オプションの最外部の透明塗装材料(不図示)を含んでもよく、例えば、耐化学性が改善される。透明塗装材料には、これに限定されるものではないが、ポリウレタン材料を含むいずれかの透明塗装材料が挙げられる。一般には、存在する場合には、透明塗装層の平均層厚は、約0.01mmから約0.5mmである。
【0041】
[0049]一般には、管状構造物13の全体の平均厚さは、約0.10mm(0.004インチ)から約50.8mm(2インチ)である。1つの例示的な実施形態では、管状構造物13は、銅層を備え、平均層厚は約0.76mm(0.03インチ)から約1.52mm(0.6インチ)である。別の実施形態では、管状構造物13は、銅層を備え、厚さは約2.54mm(0.10インチ)から約7.62mm(0.30インチ)(より好ましくは、約6.35mm(0.25インチ))である。
【0042】
[0050]管状構造物13は、管状壁構造13を有する第1の端部11での入り口通水断面、および第2の端部12での出口通水断面と、第1の端部11と第2の端部12との間の管状通水断面を備える。本発明の1つの例示的な実施形態では、管状通水断面は、入り口通水断面、出口断面通水領域、または両方と実質的に等しい。さらなる本発明の例示的な実施形態では、管状通水断面は、入り口通水断面と出口通水断面の両方に実質的に等しい。
【0043】
[0051]管状通水断面、入り口通水断面および出口通水断面のそれぞれは、所望の断面構造を備えることができる。適切な断面構造には、これに限定されるものではないが、円形、矩形、四角形、五角形、三角形、および六角形断面構造が挙げられる。1つの望ましい実施形態では、管状断面通水領域、入り口通水断面、および出口通水断面のそれぞれは円形通水断面である。
【0044】
[0052]本発明のドリフトチューブは、管状部材の使用方法によるが、さまざまなサイズであってもよい。例えば、本発明のドリフトチューブがELSD装置に使用される場合には、一般にはドリフトチューブの全体の長さは約50.8cm(20インチ)以下であり、より一般には、約20.32cm(8インチ)から約40.64cm(16インチ)の範囲である。1つの望ましい実施形態では、本発明のドリフトチューブは、ELSD装置に使用され、全体の長さは約27.94cm(11インチ)である。しかしながら、開示されたドリフトチューブの全体の寸法には制限がないことが理解されるべきである。
【0045】
[0053]上記のようなドリフトチューブ14は、管状通水断面、入り口通水断面、および出口通水断面を備えてもよい。所定のドリフトチューブ14の使用方法によるが、管状通水断面、入り口通水断面、および出口通水断面のそれぞれの大きさは変化してもよい。一般には、管状通水断面、入り口断面通水領域、および出口通水断面のそれぞれは、約506cm(78.5平方インチ)までそれぞれ別個に変化する。1つの望ましい実施形態では、ELSD装置に使用される本発明のドリフトチューブ14の管状通水断面、入り口通水断面、および出口通水断面のそれぞれは、約3.84cm(0.59平方インチ)である。しかしながら、上記のように、開示されたドリフトチューブの全体の寸法には制限がない。
【0046】
[0054]ドリフトチューブ(およびそれと共に使用されるカートリッジ)は、所定の構成部品の最終使用方法によって変化する、内圧に耐えるための材料から構成されることができる。一般には、本発明のドリフトチューブ(およびそれと共に使用されるカートリッジ)は、約15,000psigまでの耐圧強度を有するように構成される。いくつかの実施形態では、本発明のドリフトチューブ(およびそれと共に使用されるカートリッジ)は、約500psigから約5,000psigの範囲の耐圧強度を有するように構成される。
【0047】
[0055]さらに、本発明のドリフトチューブは、図1および図2Aに示されない、1つまたは複数の追加の構成部品を備えてもよい。適切な追加の構成部品には、これに限定されるものではないが、例示的なドリフトチューブ14の長さ方向に沿って位置する、1つまたは複数の温度センサ、例示的なドリフトチューブ14の長さ方向に沿って位置する、1つまたは複数のオプションの発熱体、および例示的なドリフトチューブ14の長さ方向に沿って位置する、1つまたは複数の接地ねじ、が挙げられる。
【0048】
2.管状ライナ
[0056]図2Aに示すように、さらに、例示的なドリフトチューブ組立部10は、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および16などの、少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナを備える。それぞれの取り外し可能な管状ライナは、第1のライナ端部18、第2のライナ端部19、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面24、および外側ライナ表面25を備える。それぞれの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および16)は、それぞれ独立して、例示的なドリフトチューブ14の中に位置することができ、それぞれの取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面25は、内側ドリフトチューブ表面22に沿って延在し、望ましくは実質的にすべての内側ドリフトチューブ表面22を覆う。
【0049】
[0057]図2Bは、図2Aの例示的なドリフトチューブ組立部10の構成部品が、互いに組み立てられた図を示す。図2Bに示すように、例示的な取り外し可能な管状ライナ15は、例示的なドリフトチューブ14の中に部分的に挿入されるので、取り外し可能な管状ライナ15の外側ライナ表面25は、例示的なドリフトチューブ14の内側ドリフトチューブ表面22に沿って延在する。
【0050】
[0058]図3Aは、第1の例示的な取り外し可能な管状ライナ15が、例示的なドリフトチューブ14の中に挿入される場合の、図2Bに示す例示的なドリフトチューブ組立部10の線A−Aに沿った断面図を示す。図3Aに示すように、例示的なドリフトチューブ14は外径、d、と内径、dを有する。例示的な取り外し可能な管状ライナ15は、例示的なドリフトチューブ14の中に位置するので、取り外し可能な管状ライナ15の外側ライナ表面25は、例示的なドリフトチューブ14の内側ドリフトチューブ表面22に沿って延在する。ライナ厚さ、Lt1、を有する例示的な取り外し可能な管状ライナ15は、図3Aに示す例示的なドリフトチューブ組立部10を介して有効直径、de1、を有し、ここでde1はd未満である。一般には、有効直径、de1は、例示的なドリフトチューブ組立部10の長さに沿って実質的に同一である。
【0051】
[0059]図3Bは、第1の例示的な取り外し可能な管状ライナ15を、第2の例示的な取り外し可能な管状ライナ16で置き換えることによって、例示的なドリフトチューブ組立部10の内側通水断面を変更できることを示す。図3Bに示すように、例示的なドリフトチューブ14は外径、d、と内径、dを有する。例示的な取り外し可能な管状ライナ16は、例示的なドリフトチューブ14の中に位置するので、取り外し可能な管状ライナ16の外側ライナ表面25は、例示的なドリフトチューブ14の内側ドリフトチューブ表面22に沿って延在する。ライナ厚さLt2を有する例示的な取り外し可能な管状ライナ16は、図3Aに示す例示的なドリフトチューブ組立部10の中を通る有効直径、de2、を有し、ここで、de2は、dおよびde1未満である。一般には、有効直径、de2、は例示的なドリフトチューブ組立部10の長さに沿って実質的に同一である。
【0052】
[0060]例示的なドリフトチューブ組立部10は、少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および16のいずれか、または単独の例示的な取り外し可能な管状ライナ15および16の両方、または他の取り外し可能な管状ライナとの組み合わせ(不図示))を備える。いくつかの実施形態では、例示的なドリフトチューブ組立部10は、一組の取り外し可能な管状ライナを備える、ここで、一組の取り外し可能な管状ライナは、2つ以上の取り外し可能な管状ライナ(例えば、単独の例示的な取り外し可能な管状ライナ15および16の両方、または他の取り外し可能な管状ライナとの組み合わせ(不図示))を含み、および一組の取り外し可能な管状ライナ中のそれぞれの取り外し可能な管状ライナは、(i)例示的なドリフトチューブ14の中に位置できるので、外側ライナ表面25が、内側ドリフトチューブ表面22に沿って延在し、(ii)内側断面積は、一組の中の他の取り外し可能な管状ライナとは異なる。
【0053】
[0061]それぞれの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および/または16)は、個々に、不活性材料、望ましくは熱導電性材料を含む。適切な不活性材料には、これに限定されるものではないが、金属、ガラス、セラミック等などの無機材料、炭素充填ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの熱導電性ポリマー材料(例えば、充填ポリマー)を含む有機材料が挙げられる。1つの望ましい実施形態では、取り外し可能な管状ライナは、ステレンス鋼を含む。
【0054】
[0062]それぞれの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および/または16)のそれぞれは、これに限定されるものではないが、所定の取り外し可能な管状ライナを形成するために使用される材料、および例示的なドリフトチューブ組立部10、例示的なドリフトチューブ14、および所定の取り外し可能な管状ライナの中を流れる所望の内側断面液体流量を含む多くの要因、によって変化する平均ライナ厚さ(例えば、Lt1またはLt2)を有する。一般には、所定の取り外し可能な管状ライナの平均ライナ厚さは、約0.25ミリメートル(mm)(0.01インチ(in))から約50.8mm(2インチ)である。1つの例示的な実施形態では、一組の取り外し可能な管状ライナの平均ライナ厚さは、下限の平均ライナ厚さが約0.25mm(0.01インチ)であり、上限の平均ライナ厚さが約50.8mm(2インチ)である範囲の組み合わせである。
【0055】
[0063]取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15および/または16)のそれぞれのライナ長さは独立しており、これに限定されるものではないが、例示的なドリフトチューブ14の長さ、および1つまたは複数の取り外し可能な管状ライナに使用される他のドリフトチューブの長さを含む多くの要因によって変化する。一般には、それぞれの取り外し可能な管状ライナのライナ長さは、実質的に所定のドリフトチューブの長さ以上である。
【0056】
[0064]上述のように、取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15または16)の使用によって、所定のドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)を迅速に清掃することができるばかりではなく、ドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)の内側通水断面を、迅速かつ効率的に変化させることができるので、さまざまな用途で望まれるように、ドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)の中を通る液体の流量を、低減または増加させることができる。さらに、取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15または16)の使用によって、所定のドリフトチューブの内部表面(例えば、例示的なドリフトチューブ14の内部表面22)の残留物を燃焼させないで、きれいに清掃することができる。さらに、取り外し可能なライナは、使い捨てであってもよく、清掃の手間を低減する。結果として得られるドリフトチューブ組立部(例えば、例示的なドリフトチューブ組立部10は、例示的な取り外し可能な管状ライナ15または16と組み合わされた例示的なドリフトチューブ14を含む)は、検出器を形成することが可能になり、検出器の最大動作温度は少なくとも約150℃であり、さらに少なくとも約200℃である。
【0057】
3.カートリッジ
[0065]さらに、所定のドリフトチューブ組立部は、噴霧器とドリフトチューブとの間に位置する、オプションのカートリッジ組立部を備えてもよい。例示的なカートリッジ組立部と、他のドリフトチューブ組立部構成部品との組み合わせによる、その使用方法を図4〜図5Bに示す。開示されたカートリッジ組立部は、ELSD装置の構成部品として特に有用である。
【0058】
[0066]図4に示すように、例示的なカートリッジ組立部51は、カートリッジ58を備えてもよい。例示的なカートリッジ組立部51は、次の追加のデバイス構成部品:例示的なカートリッジ58を例示的なドリフトチューブ14の管状構造物13に取り付けるために適切な噴霧器40、Oリング56、ねじ43と組み合わせて示される。
【0059】
[0067]例示的なカートリッジ58は、カートリッジ挿入部57、フランジ部分65、取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15または16)をカートリッジ挿入部57の端部63上にねじで仮止めできる、1つまたは複数の管状ライナ位置づけ用部材61(図4のねじ孔61として示される)、ならびに、例示的な取り外し可能な管状ライナ15の端部18に沿って位置する孔26、および、カートリッジ挿入部57の端部63に沿って位置する孔61の中を通って延在する、1つまたは複数のねじ60を備える。所定の取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15または16)は、カートリッジ挿入部57の外側表面68または内側表面59に沿って取り外し可能に取り付けられもよい(すなわち、例示的な取り外し可能な管状ライナ15の内側表面24は、カートリッジ挿入部57の外側表面68を覆って接触してもよく、あるいは、代わりに、例示的な取り外し可能な管状ライナ15の外側表面25は、カートリッジ挿入部57の内側表面59を覆って接触してもよい)ことに留意すべきである。
【0060】
[0068]例示的なカートリッジ58は、例示的なドリフトチューブ14を含む所定のドリフトチューブと一緒に使用されることに適切な大きさである。カートリッジ挿入部57は、管状構造物13の第1の端部11の開口部42の中で、ドリフトチューブ14の中の管状構造物13の内側壁表面22に沿って、延長可能な大きさである。図4に示すように、カートリッジ挿入部57は、噴霧器40と管状構造物13の間に位置してもよいので、噴霧器40は、カートリッジ58に取り外し可能に、ねじ(不図示)または他のいずれかの付属部材によって取り付けられていてもよい。カートリッジ組立部51は、これに限定されるものではないが、例示的なカートリッジ58のフランジ65の中の孔44に受容され、次に管状構造物13の孔45に受容されることに適切なねじ43を含む任意の好適な付属部材によって、取り外し可能に管状構造物13に取り付けられていてもよい。
【0061】
[0069]例示的なカートリッジ58の全体の長さは、これに限定されるものではないが、ドリフトチューブ14の全体の長さ、オプションのカートリッジ収容部も使用されているか否か(図5A〜図5Bに示す)、カートリッジ58およびドリフトチューブ14と一緒に使用される場合のカートリッジ収容部の全体の長さ、および試験されるべき試験サンプル組成物を含む多くの要因によって変化することに留意すべきである。ドリフトチューブ14に直接接続される場合には、例示的なカートリッジ58の最小長さは、一般には、約7.62cm(3.00インチ)未満である。カートリッジ収容部が利用される場合には、例示的なカートリッジ58の長さは、一般にはカートリッジ収容部の全体の長さ未満であり、一般には約60.96cm(24.00インチ)未満である。
【0062】
[0070]図4に示すように、さらに、例示的なカートリッジ58は、例示的なカートリッジ58をドリフトチューブ14などの他のデバイス構成部品に接続することに適切なフランジ65を備えてもよい。1つの例示的な実施形態では、フランジ65は、例示的なカートリッジ58を、ドリフトチューブ14に接続するために使用される。別の例示的な実施形態では、フランジ65は、例示的なカートリッジ58を、カートリッジ収容部に接続するために使用される(図5A〜図5Bに示すように)。
【0063】
[0071]本発明の一実施形態では、フランジ65は、例示的なカートリッジ58と一体となった一部として形成される。該構造は図4〜図5Bに示す例示的なカートリッジ組立部51で示される。他の実施形態では、フランジ65はカートリッジ挿入部57の一端の上に固定されるカートリッジ構成部品と分離されてもよい。構造にはかかわらず、フランジ65は、フランジ65を他のいずれかの装置構成部品に接続できる、1つまたは複数の構造上の特徴を備える。適切な構造上の特徴には、これに限定されるものではないが、フランジの表面から延在するボルト、フランジのねじ孔、管用ねじ、圧縮フィッティング、コネクタ等が挙げられる。
【0064】
[0072]カートリッジ58は、1つまたは複数の材料、望ましくは1つまたは複数の不活性材料を含んでもよい。カートリッジ58を形成するための適切な材料には、これに限定されるものではないが、アルミニウム、ステンレス鋼およびチタニウムなどの金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマー材料、ホウケイ酸ガラスを含むガラス、ならびにセラミック材料が挙げられる。本発明の1つの例示的な実施形態では、カートリッジ58は、アルミニウムおよびステンレス鋼から選択された金属を含む。所望の実施形態では、カートリッジ58は、316Lステンレス鋼などのステンレス鋼から成る。
【0065】
[0073]カートリッジ58のカートリッジ挿入部57の平均壁厚は、これに限定されるものではないが、所定のドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)の内径およびカートリッジ挿入部57の所望の構造的一体性等を含む多くの要因によって変化し、一般には、カートリッジ挿入部57の平均壁厚は約0.10mm(0.004インチ)から約50.8mm(2インチ)である。1つの例示的な実施形態では、カートリッジ挿入部57は、ステンレス鋼から成り、平均壁厚は約2.54mm(0.10インチ)から約10.16mm(0.40インチ)(より好ましくは、約6.35mm(0.25インチ))である。
【0066】
4.カートリッジ収容部
[0074]さらに、所定のカートリッジ組立部は、噴霧器(例えば、例示的な噴霧器40)とドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)との間のコネクタとして機能するカートリッジ収容部を備える。図5A〜図5Bは、例示的なカートリッジ収容部構成部品を含む例示的な構造を示す。
【0067】
[0075]図5Aに示すように、例示的な管状ライナ15は、ねじ60を介して例示的なカートリッジ58に取り付けられ、カートリッジ収容部66を介して例示的なドリフトチューブ14の中に延在する(すなわち、例示的なドリフトチューブ14は透明チューブとして示されるので、例示的な管状ライナ15を視認できる)。この例示的な実施形態では、例示的な管状ライナ15は、例示的なカートリッジ58に取り付けられるので、例示的な管状ライナ15の外側表面25は例示的なカートリッジ58の内側表面59に接触する。
【0068】
[0076]図5Bは、例示的なカートリッジ58に取り付けられる、例示的な管状ライナ15の断面図を示す、ここで、例示的なカートリッジ58は、カートリッジ収容部66の中に完全に挿入され、例示的な管状ライナ15は、例示的なドリフトチューブ14の中に完全に挿入される。図5Bに示すように、例示的な管状ライナ15は、例示的なドリフトチューブ14の全長、Ldt、に沿って、カートリッジ収容部66の中のポイント74から光学ブロック50の中のポイント75まで延在する。この例示的な実施形態では、例示的な管状ライナ15の長さ、L、は、例示的なドリフトチューブ14の長さ、Ldt、よりも僅かに長い。
【0069】
C.能動凝縮ドレイントラップ
[0077]本発明は、さらに能動凝縮ドレイントラップに関する。本明細書において、用語は「能動」または「能動的に」は、操作者の最小限の介入で、好ましくは、操作者の介入無しで凝縮物を捕捉し、処理する凝縮ドレイントラップを記述するために使用されることを意味する。開示された能動凝縮ドレイントラップは、捕捉凝縮物を処分するために、凝縮ポンプまたは蒸発促進材料を利用してもよい。さらに、本明細書において、「凝縮物」は光学ブロック50から出る材料を参照するために使用される。
【0070】
[0078]本発明の能動凝縮ドレイントラップは、検出器の検出器収容部などのデバイスの中に位置してもよい。一般には、本発明の能動凝縮ドレイントラップは、検出器の検出器収容部などのデバイスの中に位置するので、実験スペースを有効活用し、潜在的な安全上の問題を最小化する。それぞれの能動凝縮ドレイントラップは、凝縮ポンプまたはデバイス(例えば、検出器収容部)の中に位置する蒸発器を介して、能動的に排水するように動作可能に構成される。
【0071】
[0079]図1に示すように、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30は、光学ブロック50から下流に位置し、検出器収容部壁103に沿って位置する。排出開口部31は、検出器収容部壁103の中を通って、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30から延在する。矢印Eによって示される開口部31を介して、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30から排出される。能動凝縮ドレイントラップ30の中で蓄積し、ドレイン開口部35の中を通り、矢印Cに沿って、凝縮ポンプ32の中を通り、矢印Dに沿って廃棄物処理容器またはライン(不図示)に向かう凝縮物(不図示)を、凝縮ポンプ32は能動的に取り除く。
【0072】
[0080]図6に示す代替的な実施形態では、例示的な検出器200は、検出器収容部101および検出器収容部101の中に位置する次の構成部品:ドリフトチューブ組立部10、空気ポンプ20、噴霧器40、光学ブロック50、能動凝縮ドレイントラップ300、ならびに蒸発促進材料301を備える。例示的な検出器200では、光学ブロック50を出た凝縮物は、能動凝縮ドレイントラップ300の中で捕捉される。
【0073】
[0081]例示的な検出器200では、凝縮物(不図示)は能動凝縮ドレイントラップ300に入り、能動凝縮ドレイントラップ300の中に位置する蒸発促進材料301に集まる。適切な蒸発促進材料301は、単位体積当たりの表面積が比較的大きい材料であり、望ましくは、ウィッキング特性(例えば、凝縮物は、蒸発促進材料301に接触し、外側表面から蒸発促進材料301の空隙の中に移動する)を有するいずれかの不活性材料を含む。例示的な蒸発促進材料301には、これに限定されるものではないが、不織布、メッシュ生地、発泡材料、微小孔性材料などが挙げられる。一般には、多孔質セラミックス、焼結金属、多孔質ガラス、およびポリマー材料から形性される。1つの望ましい実施形態では、蒸発促進材料301には、ポリエチレン不織布材料が含まれる。
【0074】
[0082]さらに、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300は、蒸発促進材料301を介してガス(例えば、空気)を流し、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300の中の凝縮物の蒸発を増やすことができるガス注入口303を備えてもよい。さらに、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300は、ガス(例えば、空気)を矢印Fに沿って、ガス注入口303の中から、蒸発促進材料301を通って、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300に押し込む、ガス流量エンハンサー304を備えてもよい。ガス流量エンハンサー304が、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300の中を通るガス流量を増やすように、動作可能に構成される限り、いずれのガス流量エンハンサー304が使用されてもよい。適切なガス流量エンハンサー304には、これに限定されるものではないが、ファンが挙げられる。図6には示さないが、空気ポンプ20からの空気の流れは、ガス注入口303の中に入り、蒸発促進材料301を通って、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300の中に入る経路となる。
【0075】
[0083]さらに、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300は、光学ブロック50から下流に位置し、検出器収容部壁103に沿って位置することに留意すべきである。排出開口部302は、検出器収容部壁103を介して、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300から延在する。矢印Eによって示されるように、例示的な能動凝縮ドレイントラップ300を介して開口部302から排出される。
【0076】
[0084]本発明による代替的な実施形態では、能動ドレイントラップ30は、図1に示すように、ドレイントラップ30中の液体のレベルが特定のレベルに達すると、凝縮排水ポンプ32を活性化させるレベルセンサ(不図示)を含んでもよい。
【0077】
II.構成部品の製造方法
[0085]さらに、本発明は、上述された本発明の構成部品の製造方法に関する。上述の構成部品のそれぞれは、従来技術を使用して用意されてもよい。例えば、ドリフトチューブ組立部の1つの例示的な製造方法において、該方法は、金属鋳造プロセス工程を使用して、不活性材料(例えば、ステンレス鋼)でドリフトを形成する工程と、オプションで管状部材を、1つまたは複数の外側層を用いて覆う工程を含んでもよい。外側層は管状部材の外側表面に、例えば、金属スパッタリング工程を使用してコーティングされてもよく、または、成形または鋳造工程を使用してあらかじめ形成されてもよく、その後に内側層の上に適合される。さらに、金属鋳造工程はカートリッジ58を形成するために使用されてもよい。構成部品は、それぞれの取り外し可能な管状ライナなどのポリマー材料を含み、いずれかの従来の熱形性工程(例えば、射出成形、鋳造成形等)を使用して形成されてもよい。
【0078】
[0086]本発明の1つまたは複数の上述のデバイスの製造方法は、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を、デバイス収容部などのデバイスに組み込むことを含んでもよい。例えば、デバイスの製造方法は、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を、少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法などの、分析試験方法の工程を実施するように動作可能に構成されるデバイスに組み込むことを含んでもよい。
【0079】
[0087]1つの例示的な実施形態では、本発明のデバイスの製造方法は、クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器を製造する方法を含み、ここで、該方法は、以下のものを組み込む。(1)検出器(例えば、例示的な検出器100または200)の検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中の空気ポンプ(例えば、例示的な空気ポンプ20)であって、圧縮空気を検出器収容部の中に位置する噴霧器(例えば、例示的な噴霧器40)に供給するように動作可能に構成される空気ポンプと、(2)検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中のドリフトチューブ組立部(例えば、例示的なドリフトチューブ組立部10)であって、(i)第1の端部、第2の端部、前記ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)と、(ii)少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な単独の管状ライナ15、または他の取り外し可能な管状ライナとの組み合わせ)であって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは第1のライナ端部、第2のライナ端部、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、それぞれの取り外し可能な管状ライナは、ドリフトチューブの中に位置することができるので、取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面は、内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナと、を備えるドリフトチューブ組立部と、(3)検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中の能動凝縮ドレイントラップ(例えば、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30または300)であって、該能動凝縮ドレイントラップは、凝縮ポンプ(例えば、例示的な凝縮ポンプ32)または検出器収容部の中に位置する蒸発促進材料(例えば、例示的な蒸発促進材料301)を通して能動的に排水するように動作可能に構成される能動凝縮ドレイントラップと、または(4)(1)から(3)の組み合わせのいずれかを組み込む。
【0080】
III.構成部品の使用方法
[0088]本発明は、さらに1つまたは複数の本発明の上述のデバイスを使用する方法ばかりではなく、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法に関する。1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法は、デバイスの中の1つまたは複数の上述の構成部品を使用することを含んでもよく、例えば、デバイスは、少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法などの、分析試験方法の工程を実施するように動作可能に構成される。
【0081】
[0089]1つの例示的な実施形態では、1つまたは複数の本発明の上述の構成部品を使用する方法は、蒸発光散乱検出器(ELSD)などの検出器の中の1つまたは複数の上述の構成部品を使用すること、およびフラッシュクロマトグラフィーシステムのELSDを使用することを含む。
【0082】
[0090]好ましい実施形態では、1つまたは複数の上述の構成部品は、ELSD装置などの分析用デバイスに使用され、試験サンプルを分析する。1つの例示的な実施形態では、該方法は、少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法を含み、ここで、該方法は、試験サンプルをデバイスに投入する工程を含み、該工程は(1)検出器(例えば、例示的な検出器100または200)の検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中の空気ポンプ(例えば、例示的な空気ポンプ20)であって、圧縮空気を検出器収容部の中に位置する噴霧器(例えば、例示的な噴霧器40)に供給するように動作可能に構成される空気ポンプと、(2)検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中のドリフトチューブ組立部(例えば、例示的なドリフトチューブ組立部10)であって、該ドリフトチューブ組立部は、(i)第1の端部、第2の端部、前記ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブ(例えば、例示的なドリフトチューブ14)と、(ii)少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15単独または他の取り外し可能な管状ライナとの組み合わせ)であって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは第1のライナ端部、第2のライナ端部、取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、それぞれの取り外し可能な管状ライナは、ドリフトチューブの中に位置することができるので取り外し可能な管状ライナの外側ライナ表面は、内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナを備えるドリフトチューブ組立部と、(3)検出器収容部(例えば、例示的な検出器収容部101)の中の能動凝縮ドレイントラップ(例えば、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30または300)であって、該能動凝縮ドレイントラップは検出器収容部の中に位置する凝縮ポンプ(例えば、例示的な凝縮ポンプ32)または蒸発促進材料(例えば、例示的な蒸発促進材料301)を通して能動的に排水するように動作可能に構成される能動凝縮ドレイントラップ、または(4)(1)から(3)の組み合わせのいずれかを含む。この例示的な方法では、方法に使用されるデバイスは、望ましくは蒸発光散乱検出器(ELSD)であり、ELSDはフラッシュクロマトグラフィーシステムに使用される。
【0083】
[0091]さらなる例示的な実施形態では、試験サンプルを分析する方法は、ドリフトチューブ組立部(例えば、例示的なドリフトチューブ組立部10)を利用することを含み、該方法は、第2の取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ16)を第1の取り外し可能な管状ライナ(例えば、例示的な取り外し可能な管状ライナ15)の代わりに使用することを含み、ドリフトチューブ組立部(例えば、例示的なドリフトチューブ組立部10)の内側通水断面を変更する。さらに、この例示的な方法は、(i)第1の試験サンプルを噴霧して、移動相の第1のエアロゾル粒子を形成し、代替工程前に、第1のエアロゾル粒子が第1の取り外し可能な管状ライナの中を流れることを可能にする工程、(ii)第2の試験サンプルを噴霧して、移動相の第2のエアロゾル粒子を形成し、代替工程後に、第2のエアロゾル粒子が第2の取り外し可能な管状ライナの中を流れることを可能にする工程、または両方の工程(i)および(ii)を含む。
【0084】
[0092]さらに、試験サンプルを分析する上記の例示的な方法は、次のいずれかの工程:試験サンプルを噴霧して、移動相のエアロゾル粒子を形成する工程、試験サンプルを噴霧するために空気を利用し、移動相のエアロゾル粒子を形成する工程、オプションで試験サンプルをドリフトチューブの中に導く前に一部の粒子を選択的に除去する工程、ドリフトチューブの長さLに沿って一部の移動相を蒸発させる工程、光線が散乱するように残留粒子に光線を向ける工程、散乱光を検出する工程、検出工程で得られるデータを分析する工程、光学ブロック(例えば、光学ブロック50)を出る凝縮物を収集する工程、および能動凝縮ドレイントラップ(例えば、例示的な能動凝縮ドレイントラップ30または300)にトラップされた凝縮物を能動的に排出する工程を含む。
【実施例】
【0085】
[0093]さらに、本発明は、いずれの場合にも本発明の範囲を制限するという意味に解釈されない、次の実施例によって説明される。それどころか、本願の明細書を読んだ当業者であれば、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の実施形態、修正形態、およびそれらの均等物を、容易に想到することができることが明確に理解されるべきである。
【0086】
(実施例1)
[0094]ELSD、空気ポンプ、能動ドレイントラップおよび取り外し可能なドリフトチューブライナを備えたリベラリス(Reveleris)(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムが以下のように構成される。
(a)ドリフトチューブ温度30℃
(b)噴霧気流(内部の空気ポンプによって供給される)3L/分
(c)イソプロピル・アルコールの250μL/分のELSD搬送流
(d)能動凝縮ドレイントラップ
(e)凝縮物を搬送して排出するためのポンプ
100mg/mLブチルパラベンの2mL試料を、25mL/分の80/20ヘキサン/酢酸エチル移動相を使用する、12gのReveleris(商標)シリカカートリッジの上に50回注入した。分析中は、空気ポンプが外部ガス源を使用せずに噴霧器ガスを供給した。能動凝縮トラップは、ELSD光学ブロックを出た後に凝縮する、イソプロピル・アルコールと試料材料を効率よくトラップした。凝縮ポンプによって、トラップから計器の外側の廃棄容器へ、凝縮物が搬送された。分析が50回実施された後に、ELSDドリフトチューブライナが除去され、ワイヤーブラシを使用して、積み重なった試料残留物がドリフトチューブの外に取り除かれた。ドリフトチューブライナは再び取り付けられた。
【0087】
[0095]本発明は限られた数の実施形態について記載されてきたが、これらの特定の実施形態は、本明細書の記載および特許請求の範囲を除き、本発明の範囲を制限することを意図していない。本明細書の例示的な実施形態を参照すれば、さらなる修正形態、均等形態、および変形形態が可能であることは、当業者にとっては明白である。明細書の残りの部分だけではなく、実施例のすべての部分および百分率は、他に記載がない限り重量による。さらに、特定の一連の特性、測定単位、条件、物理的状態または百分率などを示す、明細書または特許請求の範囲で引用されるすべての数値範囲は、参照により文字通り明示的に明細書に取り入れられ、または、そこで引用される全範囲のサブセット数値を含む、該範囲に入るすべての数値が取り入れられることが意図される。例えば、下限R、および上限Rを含む数値範囲が開示される場合には常に、該範囲に含まれるすべての数値Rが明確に開示される。特に、次の範囲に含まれる数値R(R=R+k(R−R))は明確に開示される。ここでkは、増分が1%である1%から100%までの可変範囲であり、例えば、kは1%、2%、3%、4%、5%....50%、51%、52%....95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。さらに、2つのR値で示されるすべての数値範囲も、上記で演算されるように、明確に開示される。本明細書に記載されて示された修正形態に加え、本発明の如何なる修正形態も、前述の記述および添付図面から当業者には明らかである。このような修正形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本明細書に引用されるすべての刊行物は、参照によりその全体が組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器であって、
(a)検出器収容部と、
(b)前記検出器収容部の中に位置する噴霧器と、
(c)前記検出器収容部の中に位置する空気ポンプであって、圧縮空気を前記噴霧器に供給するように動作可能に構成される前記空気ポンプと、を含む検出器。
【請求項2】
請求項1記載の検出器において、
前記空気ポンプは大気中の空気を圧縮空気に変換する検出器。
【請求項3】
請求項1記載の検出器において、
(a)ドリフトチューブ組立部をさらに備え、前記ドリフトチューブ組立部は、
(b)第1の端部、第2の端部、前記ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブと、
(c)少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナであって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは第1のライナ端部、第2のライナ端部、前記取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、前記取り外し可能な管状ライナのそれぞれは、前記ドリフトチューブの中に位置することができ、前記外側ライナ表面は、前記内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナと、を備える検出器。
【請求項4】
請求項3記載の検出器において、
前記少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナは、一組の取り外し可能な管状ライナを備え、前記一組の取り外し可能な管状ライナは、2つ以上の取り外し可能な管状ライナを備え、前記一組の取り外し可能な管状ライナ中のそれぞれの取り外し可能な管状ライナは(i)前記ドリフトチューブの中に位置することができるので、前記外側ライナ表面は、前記内側ドリフトチューブ表面に沿って延在し、(ii)前記一組中の他の取り外し可能な管状ライナとは内側断面積が異なる検出器。
【請求項5】
請求項3記載の検出器において、
前記少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナは、前記ドリフトチューブの中に位置するので、実質的にすべての前記内側ドリフトチューブ表面を覆う検出器。
【請求項6】
請求項3記載の検出器において、
前記取り外し可能な管状ライナのライナ長は、実質的に前記ドリフトチューブの長さ以上である検出器。
【請求項7】
請求項3記載の検出器において、
前記検出器の最大動作温度は少なくとも約150℃である検出器。
【請求項8】
請求項1記載の検出器において、
(a)前記検出器収容部の中に位置する能動凝縮ドレイントラップをさらに含む検出器。
【請求項9】
請求項3記載の検出器において、
(a)前記検出器収容部の中に位置する能動凝縮ドレイントラップをさらに含む検出器。
【請求項10】
請求項4記載の検出器において、
(a)前記検出器収容部の中に位置する能動凝縮ドレイントラップをさらに含む検出器。
【請求項11】
請求項1記載の検出器において、
前記検出器は、蒸発光散乱検出器を備える検出器。
【請求項12】
フラッシュクロマトグラフィーシステムであって、
請求項1記載の検出器を含むフラッシュクロマトグラフィーシステム。
【請求項13】
ドリフトチューブ組立部であって、
(a)第1の端部、第2の端部、前記ドリフトチューブの内部に面する内側ドリフトチューブ表面、および外側表面を備えるドリフトチューブと、
(b)少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナであって、それぞれの取り外し可能な管状ライナは、第1のライナ端部、第2のライナ端部、前記取り外し可能な管状ライナの内部に面する内側ライナ表面、および外側ライナ表面を備え、前記取り外し可能な管状ライナのそれぞれは、前記ドリフトチューブの中に位置できるので、前記外側ライナ表面は、前記内側ドリフトチューブ表面に沿って延在する少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナと、を備えるドリフトチューブ組立部。
【請求項14】
請求項13記載のドリフトチューブ組立部において、
前記少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナは、一組の取り外し可能な管状ライナを備え、前記一組の取り外し可能な管状ライナは2つ以上の取り外し可能な管状ライナを備え、前記一組の取り外し可能な管状ライナ中のそれぞれの取り外し可能な管状ライナは(i)前記ドリフトチューブの中に位置できるので、前記外側ライナ表面は、前記内側ドリフトチューブ表面に沿って延在し、(ii)管状ライナ厚さは前記一組中の他の取り外し可能な管状ライナとは異なるドリフトチューブ組立部。
【請求項15】
請求項13記載のドリフトチューブ組立部において、
前記少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナの、それぞれの取り外し可能な管状ライナのライナ長は、実質的に前記ドリフトチューブの長さ以上であるドリフトチューブ組立部。
【請求項16】
請求項13記載のドリフトチューブ組立部において、
前記少なくとも1つの取り外し可能な管状ライナのそれぞれの取り外し可能な管状ライナは、熱導電性材料を含み、前記ドリフトチューブは、少なくとも1つの金属材料を含むドリフトチューブ組立部。
【請求項17】
請求項13記載のドリフトチューブ組立部であって、
噴霧器、光源、光検出器、能動凝縮ドレイントラップと組み合わされ、またはそれらのいずれかの組み合わせであるドリフトチューブ組立部。
【請求項18】
請求項13記載のドリフトチューブ組立部において、
前記第1の端部に取り付けられる噴霧器、および(i)光源、および(ii)前記第2の端部に隣接して位置する光検出器と組み合わされるドリフトチューブ組立部。
【請求項19】
請求項18記載のドリフトチューブ組立部において、
(i)前記ドリフトチューブ、(ii)前記光源、および(iii)前記光検出器から下流に位置する(a)能動凝縮ドレイントラップをさらに備えるドリフトチューブ組立部。
【請求項20】
蒸発光散乱検出器であって、
請求項13記載のドリフトチューブ組立部を備える蒸発光散乱検出器。
【請求項21】
フラッシュクロマトグラフィーシステムであって、
請求項20記載の蒸発光散乱検出器を備えるフラッシュクロマトグラフィーシステム。
【請求項22】
クロマトグラフィー用途で使用することに適した検出器であって、
(a)検出器収容部と、
(b)前記検出器収容部の中に位置する能動凝縮ドレイントラップであって、凝縮ポンプまたは前記検出器収容部の中に位置する蒸発器を介して能動的に排水するように動作可能に構成される前記能動凝縮ドレイントラップと、を備える検出器。
【請求項23】
請求項22記載の検出器において、
前記能動凝縮ドレイントラップは、前記検出器収容部の中に位置する凝縮ポンプを備える検出器。
【請求項24】
請求項22記載の検出器において、
前記能動凝縮ドレイントラップは、前記能動凝縮ドレイントラップの中に位置する蒸発促進材料を備える検出器。
【請求項25】
請求項24記載の検出器において、
前記能動凝縮ドレイントラップを介して、ガス流量を増やすように動作可能に構成される、ガス流量エンハンサーをさらに備える検出器。
【請求項26】
請求項22記載の検出器において、
前記検出器は、蒸発光散乱検出器を備える検出器。
【請求項27】
フラッシュクロマトグラフィーシステムであって、
請求項22記載の検出器を備えるフラッシュクロマトグラフィーシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの被分析物を含む可能性がある試験サンプルを分析する方法であって、
(a)前記試験サンプルを請求項1から11または請求項22から26のいずれか一項記載の検出器、請求項13から19のいずれか一項記載の前記ドリフトチューブ組立部、請求項20記載の前記蒸発光散乱検出器、または請求項12、21または28のいずれか一項記載の前記フラッシュクロマトグラフィーシステムに投入する工程を含む方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−511722(P2012−511722A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540699(P2011−540699)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/006492
【国際公開番号】WO2010/068272
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(508270602)オールテック・アソシエイツ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】