説明

蓄熱装置

【課題】蓄熱タンクの蓄熱容量を確保しながら車両への搭載性の悪化及び冷却水の排出効率の低下を抑制する。
【解決手段】本発明は、エンジンの冷却水通路に設けられる蓄熱装置(20)において、冷却水を貯蔵する、蓄熱機能を有する複数のタンク(11、12)と、冷却水をタンク(11、12)に導入及びタンク(11、12)から導出する、複数のタンク(11、12)にそれぞれ設けられる導出入部とを備え、複数のタンク(11、12)は冷却水通路に対して直列又は並列に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の蓄熱装置においてその構造及び冷却水通路の切り替え制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンの冷却水経路に冷却水を貯蔵する蓄熱タンクを設けることが知られている。蓄熱タンクは、高温の冷却水を貯蔵しておくことでエンジンの廃熱を蓄熱し、冷間始動時に貯蔵された高温の冷却水を排出することでエンジンの暖機を促進するものである。
【0003】
特許文献1には、冷却水経路中に蓄熱タンクをバイパスするバイパス通路と冷却水経路を切り替える制御弁とを設け、冷却水の温度に基づいて制御弁を切り替えることで冷却水経路を、蓄熱タンクを経由する経路と経由しない経路とに切り替えることが可能な技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3767027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、蓄熱容量を増大させるためにはより大型の蓄熱タンクを設ける必要があり、これにより車両への搭載性が悪化する。また、冷間始動時に蓄熱タンク内に貯蔵された温水を排出して暖機の促進を図るとき、蓄熱タンクが大型であるほど、すなわち蓄熱タンクにおける冷却水の流出入方向と垂直方向の断面積が大きいほど、蓄熱タンク内に導入される冷水と蓄熱タンクから排出される温水とが混ざりやすく冷却水の排出効率が低下する。
【0005】
本発明は、蓄熱タンクの蓄熱容量を確保しながら車両への搭載性の悪化及び冷却水の排出効率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、エンジンの冷却水通路に設けられる蓄熱装置において、冷却水を貯蔵する、蓄熱機能を有する複数のタンクと、冷却水をタンクに導入及びタンクから導出する、複数のタンクにそれぞれ設けられる導出入部とを備え、複数のタンクは冷却水通路に対して直列又は並列に接続されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、冷却水通路と導出入部との間に設けられ、複数のタンクが冷却水通路に対して直列又は並列に接続されるように冷却水通路と導出入部との接続経路を切り替える経路切替手段をさらに備え、経路切替手段は冷却水の温度に基づいて冷却水通路と導出入部との接続経路を切り替えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、経路切替手段が、冷却水の温度が所定温度より低いとき、複数のタンクが冷却水通路に対して直列に接続されるように冷却水通路と導出入部との接続経路を切り替えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、経路切替手段が、冷却水の温度が所定温度より高いとき、複数のタンクが冷却水通路に対して並列に接続されるように冷却水通路と導出入部との接続経路を切り替えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、タンクが真空断熱構造を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、複数のタンクを収容し、複数のタンクとの間を真空状態に保持する単一のハウジングをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、冷却水のタンクを複数設けるので、蓄熱容量を増大しても1つのタンクを拡大するのに比べて車両への搭載自由度を向上させることができる。また、複数のタンクを冷却水通路に対して直列又は並列に接続するので、蓄熱容量を増大してもタンクにおける冷却水の流出入方向と垂直方向の断面積を小さく抑えることができ、蓄熱装置に導入される冷水と蓄熱装置から導出される温水との混合を抑制して排出効率の低下を防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、冷却水の温度に基づいて冷却水通路と導出入部との接続経路を複数のタンクが直列又は並列に接続されるように切り替えるので、蓄熱装置から温水を導出する放熱時と蓄熱装置に温水を貯蔵する蓄熱時とで複数のタンクの接続経路を切り替えることができ、排出効率の向上と蓄熱時間の短縮を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、冷却水の温度が所定温度より低いとき、冷却水通路と導出入部との接続経路を複数のタンクが直列に接続されるように切り替えるので、暖機運転時に蓄熱装置から温水を排出するときは直列に接続され、排出効率を向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、冷却水の温度が所定温度より高いとき、冷却水通路と導出入部との接続経路を複数のタンクが並列に接続されるように切り替えるので、暖機終了後に蓄熱装置に温水を貯蔵するときは並列に接続され、蓄熱に要する時間を短縮することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、タンクが真空断熱構造を有するので、タンクの断熱性が向上され、タンクに貯蔵される冷却水の温度低下を抑制することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、複数のタンクを収容し、複数のタンクとの間を真空状態に保持する単一のハウジングをさらに備えるので、同じ蓄熱容量で比較するとより小型のタンクを複数設ける構造となり、車両への搭載の自由度が向上するとともに1つ当たりのタンクにおける冷却水の流出入方向と垂直方向の断面積を小さく抑えることで温水と冷水との混合を抑制して冷却水の排出効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0019】
図1は本実施形態における車両のヒータ回路を示す構成概略図である。ヒータ回路1は、エンジン2、蓄熱装置20、ヒータコア4及びこれらを接続する冷却水通路5から構成され、ウォーターポンプ6の作動によって冷却水が還流することでエンジン2において発生した熱を蓄熱装置20及びヒータコア4へと伝達する。
【0020】
ヒータコア4ではヒータコア4を流れる空調空気が高温の冷却水によって加熱される。さらに、ヒータ回路1には蓄熱装置20をバイパスするバイパス通路7及び三方弁8が設けられ、三方弁8を切り替えることで冷却水を蓄熱装置20又はバイパス通路7へと導通することができる。蓄熱装置20には蓄熱器3及び蓄熱回路9が設けられ、また蓄熱回路9には4つの制御弁21〜24が設けられる。蓄熱器3の構造及び各制御弁21〜24の作動については後述する。
【0021】
コントローラ10はエンジン2の冷却水温及び蓄熱器3内の水温に基づいて各制御弁21〜24の作動状態を切り替え、ヒータ回路1と蓄熱器3との間で導出入される冷却水の流れを制御する。
【0022】
次に図2を参照しながら蓄熱器3の構造について説明する。図2は蓄熱器3の構造を示す断面図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のS−S断面を示す断面図である。
【0023】
蓄熱器3は冷却水を貯蔵するタンク11、12と、タンク11、12を収容するハウジング13とから構成される。2つのタンク11、12が1つのハウジング13内に設けられ、各タンク11、12の開口部11a、12aがハウジング13の2つの開口部13aにおいて接するように固定される。ハウジング13とタンク11、12とは各開口部11a、12a、13aにおいてのみ接しており、ハウジング13とタンク11、12との間の空間14は断熱性を向上させるために真空状態となっている。すなわち蓄熱器3は真空断熱構造を有している。
【0024】
また、ハウジング13内であって2つのタンク11、12の間には、ハウジング13の強度を向上させるためハウジング13に接合された仕切板15が設けられる。また仕切板15には連通穴15aが設けられ、蓄熱器3の製造過程において一度の排気処理でハウジング13とタンク11、12との間の空間14を真空化することができる。
【0025】
次に図3及び図4を参照しながら蓄熱器3及び冷却水の流れについて説明する。図3及び図4は、蓄熱器3及び蓄熱器3に流出入する冷却水の流れを示す概略図であり、図3は2つのタンク11、12を直列に接続するように冷却水の流れを制御した場合、図4は2つのタンク11、12を並列に接続するように冷却水の流れを制御した場合を示す。図3および図4において、それぞれ(a)は図1の領域Cの拡大図であり、(b)は(a)に示す4つの制御弁21〜24の作動状態を示す。
【0026】
蓄熱器3は図3及び図4に示すように開口部11a、12aが鉛直下方向となるように設けられ、開口部11a、12aは封止部材27によって封止されている。封止部材27には、蓄熱回路9から蓄熱器3の内部に冷却水を導入する導入管25と、蓄熱器3に貯蔵される冷却水を蓄熱回路9へ排出する導出管26とが設けられる。導入管25及び導出管26は、それぞれ一端が蓄熱回路9へ接続され、他端がタンク11、12内に開放されている。ここで、蓄熱器3に導入される冷却水と蓄熱器3から排出される冷却水との混合を抑制するため、導出管26の解放端が導入管25の解放端より鉛直上方となるように配置される。
【0027】
蓄熱回路9には図示するように4つの制御弁21〜24が設けられ、各制御弁21〜24の作動状態の組み合わせを図3又は図4に示すように切り替えることで冷却水の流れを制御することができる。ここで、第1の制御弁21はフラップ弁、第2の制御弁22はバタフライ弁又はフラップ弁、第3の制御弁23及び第4の制御弁24はバタフライ弁である。
【0028】
初めに図3に示すように2つのタンク11、12を直列に接続するように冷却水の流れを制御する場合について説明する。各制御弁21〜24は図3(b)に示すように作動し、冷却水はヒータ回路1から第1の制御弁21を介して一方のタンク11に流入する。さらに、第2の制御弁22及び第3の制御弁23を介して他方のタンク12へ流入し、第3の制御弁23及び第4の制御弁24を介してヒータ回路1へ導出される。
【0029】
次に図4に示すように2つのタンク11、12を並列に接続するように冷却水の流れを制御する場合について説明する。各制御弁21〜24は図4(b)に示すように作動し、冷却水はヒータ回路1から第1の制御弁21において分流し、一方はタンク11に流入し、他方は第4の制御弁24及び第3の制御弁23を介してタンク12に流入する。さらに、2つのタンク11、12から排出される冷却水は第2の制御弁22において合流し、第4の制御弁24を介してヒータ回路1へ導出される。
【0030】
次にコントローラ10が行う制御について図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本制御は微少時間(例えば10ms)ごとに繰り返し行われている。
【0031】
ステップS1では、エンジン2が運転中であるか否かを判定する。エンジン2が運転中であればステップS2へ進み、エンジン2が停止中であればステップS4へ進む。
【0032】
ステップS2では、エンジン2が始動直後であるか否かを判定する。エンジン2が始動直後であればステップS3へ進み、エンジン2が始動直後でなければステップS6へ進む。エンジン2始動後最初に本ステップに到達したとき、エンジン2が始動直後であると判定される。
【0033】
ステップS3では、エンジン2の冷却水温度Aが蓄熱器3内の水温Bより低いか否かを判定する。エンジン2の冷却水温度Aが蓄熱器3内の水温Bより低ければステップS5へ進み、蓄熱器3内の水温B以上であればステップS4へ進む。
【0034】
ステップS4では、蓄熱回路9を閉じる。蓄熱回路9は、冷却水が蓄熱器3ではなくバイパス通路7を流れるように三方弁8を切り替えることで閉じられる。
【0035】
ステップS5では、制御弁21〜24の位置を図3に示すようにタンク11、12が直列となるように切り替える。これにより、蓄熱器3に導入される冷却水はタンク11とタンク12とに順次流入するので、蓄熱器3に導入される冷水と蓄熱器3から導出される温水とが混ざりにくくなり冷却水の排出効率を向上させることができる。
【0036】
ステップS6では、エンジン2の冷却水温Aが第1の所定値より低いか否かを判定する。エンジン2の冷却水温Aが第1の所定値より低ければステップS5へ進み、第1の所定値以上であればステップS7へ進む。ここで、第1の所定値は例えば65℃に設定される。
【0037】
ステップS7では、エンジン2の冷却水温Aが第2の所定値より低いか否かを判定する。エンジン2の冷却水温Aが第2の所定値より低ければステップS4へ進んで蓄熱回路9を閉じ、第2の所定値以上であればステップS8へ進む。ここで、第2の所定値は例えば75℃に設定される。
【0038】
ステップS8では、エンジン2の冷却水温度Aから蓄熱器3内の水温Bを減算した値(A−B)が第3の所定値より高いか否かを判定する。(A−B)が第3の所定値より高ければステップS9へ進み、第3の所定値以下であればステップS4へ進んで蓄熱回路9を閉じる。ここで、第3の所定値は例えば5℃に設定される。
【0039】
ステップS9では、制御弁21〜24の位置を図4に示すようにタンク11、12が並列となるように切り替える。これにより、蓄熱器3に導入される冷却水はタンク11とタンク12とに同時に流入するので、蓄熱器3内をより短時間で蓄熱器3に導入される温水で満たすことができ蓄熱に要する時間を短縮することができる。
【0040】
ここで、ステップS8において、(A−B)が第3の所定値より高ければステップS9においてタンク11、12が並列に接続され、第3の所定値以下であればステップS4において蓄熱回路が閉じられるが、これはエンジン2の冷却水温度Aが蓄熱器3内の水温Bより第3の所定値以上に高くなったときは、冷却水を蓄熱器3に流すことで極力高温の冷却水を貯蔵し、エンジン2の冷却水温度Aが蓄熱器3内の水温Bとほぼ同じ温度であるときは蓄熱回路を閉じて、貯蔵された高温の冷却水を保持するためである。
【0041】
以上のように本実施形態では、タンク11、12を複数設けるので、蓄熱容量を増大させても1つのタンク11、12を拡大するのに比べて車両への搭載自由度を向上させることができる。また、これらタンク11、12を冷却水通路5に対して直列又は並列に接続するので、蓄熱容量を増大してもタンク11、12における冷却水の流出入方向と垂直方向の断面積を小さく抑えることができ、蓄熱装置に導入される冷水と蓄熱装置から導出される温水との混合を抑制して排出効率の低下を防止することができる。
【0042】
また、冷却水の温度に基づいて蓄熱回路9を複数のタンク11、12が直列又は並列となるように切り替えるので、蓄熱器3から温水を排出する放熱時は直列に接続することで排出効率を向上させ、蓄熱器3に温水を貯蔵する蓄熱時は並列に接続することで蓄熱に要する時間を短縮することができる。
【0043】
また、冷却水の温度が第1の所定値より低いとき、蓄熱回路9を複数のタンク11、12が直列に接続されるように切り替えるので、暖機運転時に蓄熱器3から温水を排出するときは直列に接続され、排出効率を向上させることができる。
【0044】
また、冷却水の温度が第2の所定値より高いとき、蓄熱回路9を複数のタンク11、12が並列に接続されるように切り替えるので、暖機終了後に蓄熱器3に温水を貯蔵するときは並列に接続され、蓄熱に要する時間を短縮することができる。
【0045】
また、蓄熱器3は真空断熱構造を有するので、蓄熱器3の断熱性が向上され、タンク11、12に貯蔵される冷却水の温度低下を抑制することができる。
【0046】
また、蓄熱器3が、タンク11、12と、タンク11、12を収容しタンク11、12との間を真空状態に保持するハウジング13とから構成され、1つのハウジング13に複数のタンク11、12を有するので、同じ蓄熱容量で比較するとより小型のタンク11、12を複数設ける構造となり、車両への搭載自由度が向上するとともに1つ当たりのタンク11、12における冷却水の流出入方向と垂直方向の断面積を小さく抑えることで温水と冷水との混合を抑制して冷却水の排出効率を向上させることができる。
【0047】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態では図2に示すように2つのタンク11、12の間にハウジング13に接合される仕切板15を設けているが、蓄熱器3の製造時における排気処理による内圧変化に対する強度及び車両搭載時の振動に対する強度が確保される場合には用いなくてもよい。
【0049】
また、本実施形態では図2に示すようにハウジング13の断面は楕円形状であるが、車両の搭載位置の形状に合わせて適宜変更可能である。例えば図6に示すように2つのタンク11、12の間の距離を大きくして、中央にくびれを設けてもよい。また、図7に示すように2つのタンク11、12の大きさが異なっていてもよい。この場合ハウジング13の形状もタンク11、12の大きさに合わせて適宜変更可能である。なお、図6及び図7の(a)、(b)は図2と同様にそれぞれ縦断面図及びS−S断面図を示している。
【0050】
さらに、本実施形態では1つのハウジング13に2つのタンク11、12を設けているが、タンクを3つ以上設けてもよい。また1つのハウジングに1つのタンクを有するものを複数設け、それらを直列又は並列に接続できるようにしてもよい。
【0051】
さらに、本実施形態ではエンジン2の冷却水温度Aに基づいて複数のタンク11、12が直列又は並列に接続されるように蓄熱回路9を切り替えているが、ウォーターポンプ6の容量が小さく冷却水の通路抵抗を低減させる必要がある場合、又は蓄熱器3に貯蔵された温水を一度に排出する必要がある場合は、冷却水の温度によらず複数のタンク11、12が常に並列に接続されるようにしてもよい。
【0052】
さらに、ウォーターポンプ6の容量が十分にある場合は、冷却水の温度によらず複数のタンク11、12が常に直列に接続されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態における車両のヒータ回路の構成概略図である。
【図2】本実施形態における蓄熱器の構造を示す断面図である。
【図3】蓄熱器及び蓄熱器に流出入する冷却水の流れを示す概略図である。
【図4】蓄熱器及び蓄熱器に流出入する冷却水の流れを示す概略図である。
【図5】コントローラが行う制御を示すフローチャートである。
【図6】別実施形態における蓄熱器の構造を示す断面図である。
【図7】別実施形態における蓄熱器の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
5 冷却水通路
11 タンク
12 タンク
13 ハウジング
20 蓄熱装置
21 第1の制御弁
22 第2の制御弁
23 第3の制御弁
24 第4の制御弁
25 導入管
26 導出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの冷却水通路(5)に設けられる蓄熱装置(20)において、
冷却水を貯蔵する、蓄熱機能を有する複数のタンク(11、12)と、
冷却水を前記タンク(11、12)に導入及び前記タンク(11、12)から導出する、前記複数のタンク(11、12)にそれぞれ設けられる導出入部(25、26)とを備え、
前記複数のタンク(11、12)は前記冷却水通路(5)に対して直列又は並列に接続されることを特徴とする蓄熱装置(20)。
【請求項2】
前記冷却水通路(5)と前記導出入部(25、26)との間に設けられ、前記複数のタンク(11、12)が前記冷却水通路(5)に対して直列又は並列に接続されるように前記冷却水通路(5)と前記導出入部(25、26)との接続経路を切り替える経路切替手段(21〜24)をさらに備え、
前記経路切替手段(21〜24)は冷却水の温度に基づいて前記冷却水通路(5)と前記導出入部(25、26)との接続経路を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置(20)。
【請求項3】
前記経路切替手段(21〜24)は、冷却水の温度が所定温度より低いとき、前記複数のタンク(11、12)が前記冷却水通路(5)に対して直列に接続されるように前記冷却水通路(5)と前記導出入部(25、26)との接続経路を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱装置(20)。
【請求項4】
前記経路切替手段(21〜24)は、冷却水の温度が前記所定温度より高いとき、前記複数のタンク(11、12)が前記冷却水通路(5)に対して並列に接続されるように前記冷却水通路(5)と前記導出入部(25、26)との接続経路を切り替えることを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄熱装置(20)。
【請求項5】
前記タンク(11、12)は真空断熱構造を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の蓄熱装置(20)。
【請求項6】
前記複数のタンク(11、12)を収容し、前記複数のタンク(11、12)との間を真空状態に保持する単一のハウジング(13)をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の蓄熱装置(20)。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−12939(P2010−12939A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174730(P2008−174730)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】